JPH1137936A - 液濃度検出装置 - Google Patents

液濃度検出装置

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JPH1137936A
JPH1137936A JP15777197A JP15777197A JPH1137936A JP H1137936 A JPH1137936 A JP H1137936A JP 15777197 A JP15777197 A JP 15777197A JP 15777197 A JP15777197 A JP 15777197A JP H1137936 A JPH1137936 A JP H1137936A
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light
liquid
cell
light source
wavelength
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JP15777197A
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English (en)
Inventor
Norihiro Kiuchi
規博 木内
Kunimitsu Tamura
邦光 田村
聖記 ▲つる▼戸
Kiyonori Tsuruto
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体工場などにて使用される液(特にエッ
チング液又は洗浄液)の濃度をリアルタイムにて且つ高
精度にて検出することができ、しかも構成が簡単で、低
価格の液濃度検出装置を提供する。 【解決手段】 液濃度検出装置1は、液が供給されるセ
ル2を備え、セルの軸線に直交する方向に対向して投光
部4と受光部5とを配置し、この投光部4から前記セル
2中の液を透過して前記受光部5へと所定波長の光を投
光し、受光部で受光された光量を検出することによって
液の濃度を検出する。前記セル2は、細長孔9が形成さ
れた板状のスぺーサ6を内部に備え、且つ、少なくとも
前記投光部4及び受光部5が対向配置された検出部3領
域においては、前記スぺーサ6の両面に実質的に密着す
るように構成され、それによって、前記セル2に供給さ
れた液は、検出部3においては、前記スぺーサ6に形成
された細長孔9内を流動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体工場などに
て使用される液の濃度、特にエッチング液又は洗浄液、
中でも弗酸系のエッチング液又は洗浄液の濃度をリアル
タイムに且つ高精度にて検出することのできる濃度検出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体工場では、半導体製造プ
ロセス或はLSI製造プロセスなどにおいて、Al、S
i或はSiO2 のエッチング又は洗浄のために、塩酸、
硝酸、アルカリ系エッチング剤、クロム酸系エッチング
剤、燐酸、水酸化アンモニウム、過酸化水素水、水・有
機液体混合液(例えば、酢酸水溶液)などの多種の水溶
液が用いられており、フッ化水素酸(弗酸)(HF)、
バッファード弗酸(BHF)、弗硝酸、硫酸(H2 SO
4 )などのエッチング液又は洗浄液(以下「エッチング
液」と総称する)もその一つである。これらエッチング
液は、エッチング性能を維持するべく、例えばエッチン
グ液の濃度が0〜10%の場合には、その濃度を±0.
1%、又、エッチング液の濃度が0〜1%の場合には、
この濃度を±0.01%にて管理することが要求されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、特開平
7−113745号公報に記載されるように、弗酸のよ
うな無機薬品含有水溶液のための濃度検出装置を提案し
た。この装置は、本願の図13に図示するように、パイ
プ状本体部分100の両隔壁201を貫通して検出管2
00が設置され、この検出管200を挟んで対向して投
光部202と、受光部203とが設けられる。この濃度
検出装置は、波長1.48μm付近の波長帯で水を検知
するものであって、投光部202は、水が光吸収する特
定波長帯の近赤外光、即ち、0.75μm〜2.5μm
の光を発生する光源204を備えており、受光部203
には、投光部204からの、検出管200内を流動する
無機薬品含有水溶液を透過した光を感知する光検出器2
05が配置される。光検出器205にて感知された光量
は、検出回路部及び制御部を介して電気信号に変換さ
れ、そして表示部にて、この水溶液の水の量又は濃度と
して、ディスプレー装置にて表示されるか、或はプリン
タにて印字して出力される。
【0004】しかしながら、上記構成の濃度検出装置
は、実際には、投光部202の光源204としては発光
波長域が1.1〜1.6μmといった発光ダイオード
(LED)や1.1〜1.67μmといった半導体レー
ザダイオードが使用され、且つ検出管200としては円
管が使用されているということもあって、エッチング液
の濃度(液中水分量)を±0.1%といった高精度にて
検出することはできなかった。
【0005】又、現状では、本発明者らの知る限りにお
いて、上記弗酸、硫酸、弗硝酸、或はバッファード弗酸
などのエッチング液の濃度を、±0.1%という精度に
て、本発明の主たる目的のインライン型でしかもリアル
タイムにて検出することのできる濃度検出装置は見当た
らない。
【0006】本発明者らは、多くの研究実験を行なった
結果、上記弗酸などのエッチング液に、その薬液による
光の吸収が明確に現れる近赤外領域の波長を有した光を
照射し、その時の検出部の構成を後で説明するような特
異な構成とすることにより、エッチング液による吸光度
からエッチング液の濃度を高精度にて測定することがで
きることが分かった。
【0007】従って、本発明の目的は、半導体工場など
にて使用される液の濃度、特にエッチング液又は洗浄液
(中でも弗酸系のエッチング液又は洗浄液)の濃度をリ
アルタイムにて且つ高精度にて検出することができ、し
かも構成が簡単で、低価格の液濃度検出装置を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するべくエッチング液に用いられる各種酸につい
て、従来の近赤外分光分析器を用い、近赤外分光分析を
行なった。先ず、本発明者らは塩酸と硫酸について分析
した結果、特開平7−113745号公報の図4及び図
5に示した結果の通りであった。波長1.48μm及び
1.9μm付近に顕著な光吸収が認められ、波長1.4
5μm付近、波長域1.5〜1.85μm、波長域1.
9〜2.0μm及び波長2.1〜2.4μmの吸光度は
液濃度により変化することが分かった。
【0009】弗素樹脂製の光透過型セルを作製して、酸
濃度を4%、10%に希釈した弗酸(HF)含有水溶液
を調製し、従来の近赤外分析器にてこれらの試料の吸収
スペクトルを測定した。測定結果を本願の図3に示す。
波長域1.3〜1.9μmにおいて酸濃度により吸光度
が変化し、波長域0.4〜1.1μmでは酸濃度により
吸光度は変化しないことが分かった。
【0010】本発明者らはこの結果をふまえ鋭意検討し
た結果、本発明の液濃度検出装置に至った。要約すれ
ば、本発明は、液が供給されるセルを備え、セルの軸線
に直交する方向に対向して投光部と受光部とを配置し、
この投光部から前記セル中の液を透過して前記受光部へ
と波長域が1.3〜1.9μmの光を投光し、受光部で
受光された光量を検出することによって液の濃度を検出
する液濃度検出装置である。例えば、前記セルは、細長
孔が形成された板状のスぺーサを内部に備え、且つ、少
なくとも前記投光部及び受光部が対向配置された検出部
領域においては、前記スぺーサの両面に実質的に密着す
るように構成され、それによって、前記セルに供給され
たエッチング液は、検出部においては、前記スぺーサに
形成された細長孔内を流動するようにしたことを特徴と
する液濃度検出装置である。好ましくは、前記セル及び
スぺーサは、弗素樹脂、特に、四弗化エチレン−六弗化
プロピレン共重合樹脂で形成される。
【0011】又、前記投光部は、波長域が1.3〜1.
9μmの光を発する光源を備えており、好ましくは、こ
の光源は、中心波長が1.41〜1.49μmの光を発
するものであり、又は中心波長が1.54〜1.85μ
mの光を発するものであり、特に中心波長が1.45μ
m±0.03μmの光を発する発光ダイオード、又は中
心波長が1.55μm±0.05μmの光を発する発光
ダイオード或はレーザダイオードが好ましい。このと
き、前記セル又は前記セル中のスペーサの細長孔内の液
を通過する光の光路長又は前記スペーサの厚さは、前記
投光部が中心波長が1.45μm±0.03μmの光を
発する発光ダイオードのときは、0.5mm以上5mm
以下、又は中心波長が1.55μm±0.05μmの光
を発する発光ダイオード(レーザダイオード)のとき
は、0.5mm以上10mm以下とされる。
【0012】本発明の好ましい実施態様によれば、前記
投光部は、所定の波長の光を発する光源と、前記光源か
らの光を第1の方向と第2の方向とに分割するビームス
プリッタと、前記ビームスプリッタにて第1の方向へと
出射された光を前記セルへと投光するレンズ系と、前記
ビームスプリッタにて第2の方向へと出射された光を検
出する比較用光検出器とを備え、前記比較用光検出器に
より検出された信号を基に前記光源から出射される光の
強度を一定に制御するように構成される。又、所望に応
じて、前記光源と前記ビームスプリッタとの間に、前記
光源と前記ビームスプリッタとの間に、前記光源から発
した光の所定波長以上の波長分をカットするショートパ
スフィルタ或は前記光源から発した光の所定波長以下の
波長分をカットするショートパスフィルタを、又は、前
記光源から発した光の所定波長以上の波長分をカットす
るショートパスフィルタ及び前記光源から発した光の所
定波長以下の波長分をカットするショートパスフィルタ
を、又は、前記光源から発した光の所定波長以上の波長
分をカットし、且つ前記光源から発した光の所定波長以
下の波長分をカットするバンドパスフィルタを、設ける
ことも可能である。
【0013】更に、本発明の他の実施態様によれば、前
記投光部は、波長域が1.3〜1.9μmの光を発する
第1の光源と、波長域が0.4〜1.1μmの光を発す
る比較用の第2の光源とを備えている。好ましくは、第
1の光源は、中心波長が1.41〜1.49μmの光を
発する光源又は中心波長が1.54〜1.85μmの光
を発する光源とされ、第2の光源は、中心波長が0.9
〜1.0μmの光を発する光源とされる。特に好ましく
は、前記第1の光源は、中心波長が1.45μm±0.
03μmの光を発する発光ダイオード又は中心波長が
1.55μm±0.05μmの光を発する発光ダイオー
ド(又はレーザダイオード)であり、前記第2の光源
は、中心波長が0.94μm±0.05μmの光を発す
る発光ダイオードである。
【0014】上記本発明において、少なくとも、前記中
心波長が1.45μm±0.03μmの光を発する発光
ダイオード又は中心波長が1.55μm±0.05μm
の光を発する発光ダイオード(又はレーザダイオード)
は、断続的に点灯され、通常、オン時間:オフ時間が
1:99〜1:200にて断続的に点灯される。
【0015】更には、前記投光部はペルチェ素子による
冷却機構を備え、前記セル及びスぺーサは、熱伝導性の
良い材料で形成された固定治具にて挟持して一体的に固
定されるのが好ましい。
【0016】本発明にて、液としては、フッ化水素酸
(弗酸)(HF)、バッファード弗酸(BHF)、弗硝
酸、硫酸(H2 SO4 )、水酸化アンモニウム(NH4
OH)又は水/有機液体混合液とされる。特にエッチン
グ液、弗酸系のエッチング液に使用するのが好ましい。
【0017】更には、光透過性のセルは、弗素樹脂の他
に、ポリエチレン樹脂、ガラス、サファイヤ、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂にて形成されるのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液濃度検出装
置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0019】実施例1 図1及び図2に、本発明に係る液濃度検出装置1の一実
施例を示す。本実施例によれば、本発明の液濃度検出装
置1は、液(本実施例ではエッチング液)が供給される
セル2と、このセル2の検知部3の領域において、セル
2の軸線に直交する方向に投光部4と受光部5とが対向
して配置される。
【0020】本発明に従えば、前記セル2は、腐食性を
有した弗酸のようなエッチング液に対して耐え得る、即
ち耐食性のある材料で形成される。又、後述するよう
に、1.3〜1.9μmの波長域を有した光を透過する
ものである必要がある。このような条件を満足する材料
としては、例えば弗素樹脂とポリエチレン樹脂が挙げら
れる。高い耐薬品性を示す弗素樹脂としては、PFA
(四弗化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル
共重合樹脂)、FEP(四弗化エチレン−六弗化プロピ
レン共重合樹脂)、ETFE(四弗化エチレン−エチレ
ン共重合樹脂)、ECTFE(三弗化塩化エチレン−エ
チレン共重合樹脂)、PTFE(四弗化エチレン樹
脂)、PCTFE(三弗化塩化エチレン樹脂)、PVd
F(弗化ビニリデン樹脂)、VDF(弗化ビニル樹脂)
などを好適に使用することができる。
【0021】本発明者らの研究実験の結果によれば、上
記弗素樹脂でも、特に、FEP(四弗化エチレン−六弗
化プロピレン共重合樹脂)は、上記近赤外光に対して極
めて透過性が良く(ガラスと同程度)、溶接性にも優れ
ており、しかも、成型加工により断面が円形の中空管、
即ち、円管を作製することも可能で、好適であることが
分かった。従って、本実施例では、セル2の材料として
は、内径9mm、肉厚0.5mmの可撓性を有したFE
P(四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合樹脂)製
のチューブを使用した。
【0022】なお、液の種類によって、前記セル2は、
ガラス、サファイヤ、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボ
ネイト樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等でも作
製できる。
【0023】又、本発明に従えば、投光部4と受光部5
とが対向配置された検出部3において、このFEPチュ
ーブ、即ち、セル2内には板状のスぺーサ6が配置さ
れ、セル2は、偏平形状とされる。スペーサ6には、中
心部分に細長孔9が形成されている。又、スぺーサ6の
両端より所定距離だけ、例えば2cm程度離れた延長部
分には、硬質テフロン製の上方及び下方の支持中空管7
(7A、7B)が挿入され、FEPチューブ2と各支持
中空管7A、7Bとは取付け具8にて一体的に固定され
る。スペーサ6は、温度変化によるセル2の熱収縮、変
形等によるセル中を流れる液の幅の変化、すなわち光路
長の変化を抑制する。
【0024】本実施例では、支持中空管7A、7Bとし
ては、外径8mm、肉厚1mmの硬質FEPを使用し
た。又、スぺーサ6は、本実施例では長さ65mm、幅
12mm、厚さ1mmのFEP製の板とした。又、スぺ
ーサ6には、本実施例では中心部分に長さ60mm、幅
8mmの細長孔9が形成されている。
【0025】更に、本実施例によれば、検出部3を構成
する、内部にスぺーサ6を有して偏平とされたセル2
は、その両面にそれぞれ、固定治具11、12が配置さ
れる。これら二つの固定治具11、12は、セル2及び
スぺーサ6を挟持する態様でボルト14、ナット15に
て互に締結され、それにより、固定治具11、12、及
び内部にスぺーサ6を有した偏平セル2は、互に実質的
に密着して、一体的に固定される。
【0026】本実施例にて、各固定治具11、12は、
例えば銅、鋼などの熱伝導性の良好な金属材料で作製さ
れるのが好ましく、本実施例では、それぞれ、その長さ
は、30mm、幅40mm、厚さ約7mmとされた。固
定治具の形状、寸法はこれに限定されるものではなく、
任意のものとし得る。又、本実施例では、固定治具12
には取付け板13が設けられ、液濃度検出装置1を所定
の他の装置などに取付けることができる。
【0027】又、固定治具12には、投光部4を構成す
る光源4Aが配置される。この光源4Aは、光の吸収が
明確に現れる近赤外領域の1.3〜1.9μmの光を、
好ましくは、中心波長が1.41〜1.49μmの光を
発する光源又は中心波長が1.54〜1.85μmの光
を発する光源とされる。
【0028】上記セル2を形成するFEPは、このよう
な近赤外光に対して極めて良好な透過性(ガラスと同程
度)を示す。
【0029】又、受光部5には、投光部4から投光さ
れ、セル2内を流動するエッチング液を透過した光を感
知する光検出器5Aが配置される。光検出器5Aとして
はフォトダイオードが好適である。
【0030】本実施例で、投光部4の光源4Aとして
は、中心波長が1.45μm±0.03μm、最大光量
値の50%での波長域が1.4〜1.5μmとされる発
光ダイオード(LED)(株式会社島津製作所製:商品
名HK−9321)を使用し、好結果を得ることができ
た。また、投光部4の光源4Aとして、中心波長が1.
55μm±0.05μm最大光量値の50%での波長域
が1.05〜2.0μmとされる発光ダイオード(LE
D)(沖電気工業株式会社製:商品名OE506G)を
使用した場合でも、好結果を得ることができた。なお、
中心波長が1.55μm±0.05μmのレーザダイオ
ードや中心波長が1.60μmや1.67μmの半導体
レーザを透光部4の光源4Aとして使用しても、好結果
を得ることはできるが、これらの半導体レーザは発光ダ
イオード(LED)と比較して高価なため検出装置が高
価なものとなる。また、他方分析機械等に用いられる白
色光源や赤外線発光素子のような光源を利用することも
でき、この場合分光フィルタ或は回折格子により上記の
範囲の波長の光を得ることができる。
【0031】受光部5の光検出器5Aとしては、InG
aAs−pinフォトダイオードを使用した。
【0032】今、投光部4の光強度をPO 、受光部5で
受光した光強度をPとすると、 吸光度=log(PO /P)=kC が成り立つ。PO が一定とすれば、Pはエッチング液の
濃度Cによって変わる。ここでkは光学系に特有な定数
である。
【0033】又、上述のように、投光部4より1.45
μm又は1.55μmの近赤外光をセル2に投射し、受
光部5にてセル2中を流動するエッチング液を通過した
光の量を測定したとき、受光部5にて検出された光量と
液濃度(エッチング液の濃度)との間には相関がある。
図4に示すような回路構成にて、エッチング液に弗酸
(HF)水溶液を用い、測定温度20±0.5℃で、弗
酸濃度と受光部5からの出力電流Ip との関係を測定し
た結果を、図5、図6に示す。受光部5からの出力電流
p は抵抗R(1kΩ)の電圧をデジタルオシログラフ
で測定し電流に換算したものであり、受光部5で受光し
た光強度に対応する。なお、詳細は後述するが、発光部
4の光源4A(LED光源)は、電流100mA、オン
時間:オフ時間を10msec:990msecとなる
ように定電流パルス駆動させ、2回測定し再現性につい
て確認した。図5、図6より、1.45μm又は1.5
5μmの両波長において、弗酸濃度と受光部5の光検出
器5Aからの出力電流Ip との間には比例関係が確認さ
れ、また1回目の測定結果と2回目の測定結果は殆ど一
致しており再現性よく測定できることが分かる。従っ
て、受光部5で測定された光量から液濃度(エッチング
液の濃度)が求められる。
【0034】従って、上記光検出器5Aにて感知された
光量は、検出回路部及び制御部を介して電気信号に変換
され、そして表示部にて、この水溶液中の薬液量又は濃
度として、ディスプレー装置にて表示されるか、或はプ
リンタにて印字して出力される。
【0035】つまり、本発明の濃度検出装置1は、光検
出器5Aで受光した光量を電気信号に変換する電子回路
を受光部5に設けることができる。この電子回路として
は、例えば、本出願人が提案した特開平4−32432
8号公報に開示されるような、受光部光検出器5Aで検
出した光量を周波数変換する電圧検出回路を好適に用い
ることができる。この電圧検出回路について次に、図7
を参照して簡単に説明する。
【0036】図7は、この電圧検出回路21の基本構成
を示すブロック図である。本実施例では、受光部5の光
検出器5AとしてのフォトダイオードPDと直列にコン
デンサCを接続し、入射する光の光量に比例してフォト
ダイオードPDから出力される電流IP をコンデンサC
に蓄積し、電圧VC に変換する。この充電電圧VC を電
圧検出回路21で検出して予め設定された基準電圧と比
較し、充電電圧が基準電圧に達すると、電圧検出回路2
1は出力信号レベルを変化させる。この信号レベルの変
化により、コンデンサCに蓄積された電荷を放電させ、
再びこのコンデンサCにフォトダイオードPDからの出
力電流IP の蓄積を開始させる。このようにして、電圧
検出回路21からは、受光部5が受光した光強度に応じ
た周波数信号が出力される。
【0037】このようにして光量に応じて変換された電
圧検出回路部21からの周波数信号は、演算計測手段2
2にて、演算処理され、エッチング液の濃度に応じたパ
ルス数に変換される。演算計測手段22からのこの出力
パルスは、表示部(図示せず)へと送信され、エッチン
グ液中の薬液量又は濃度として、ディスプレー装置にて
表示されるか、或はプリンタにて印字して出力される。
所望に応じて、表示部には警報装置を備え、エッチング
液が規定濃度となった時、警報を発するように構成する
ことも可能である。
【0038】上記構成の濃度検出装置の作動について更
に説明する。
【0039】図1及び図2にて、濃度測定装置1の上方
支持中空管7Aは、被検液であるエッチング液の供給源
へと接続され、又、下方支持中空管7Bは、測定後のエ
ッチング液を前記エッチング液供給源へと還流するべく
このエッチング液供給源に接続することができる。
【0040】今、上方支持中空管7Aを介して濃度測定
装置1へとエッチング液が供給されると、エッチング液
は、セル2の未だ偏平とされていない上部円筒状空間V
1 に流入する。図1及び図2にて理解されるように、板
状スぺーサ6は、固定治具11、12にて偏平状とされ
た検出部3領域より上方及び下方へと延在しており、
又、スぺーサ6の細長孔9も検出部3領域より上方及び
下方へと延在して形成されている。
【0041】従って、エッチング液が、スぺーサ6の方
へと偏平状に変形されたセル2により案内されて下方へ
と流動すると、エッチング液は、スぺーサ6の中央部に
形成されている細長孔9内へと案内され、この細長孔9
を通って下方へと流動し、検出部3領域を通過して流れ
る。スぺーサ6の細長孔9の下方部は、セル2の下方円
筒状空間V2 へと開放されているので、エッチング液は
下方に流動することによりこの下方円筒状空間V2 内へ
と案内され、次いで、下方支持管7Bを介してエッチン
グ供給源へと戻される。
【0042】本発明によれば、上述のように、エッチン
グ液がスぺーサ6の細長孔9内を下方へと流動する過程
において、投光部4及び受光部5が対向配置されている
検出部3領域を通過する。従って、受光部5では、エッ
チング液の濃度に応じて光量が変動する。本発明によれ
ば、投光部4からの光が通過するセル内の距離は、ほぼ
スぺーサ6の板厚の距離とされ、しかも受光部5には投
光部4から照射された侭の大略平行光線として入射する
ことができ、セルとして円筒中空管を使用した場合に比
較すると、無駄な光の屈折、光の散乱などを回避するこ
とができ、被検出物の濃度情報以外の情報を含む光(ノ
イズ)が受光部5にて検出されることがなく、高精度の
光量測定が達成される。
【0043】細長孔9中を流れる液を通過する光の距離
(すなわち光路長)は、投光部4の光源4Aとして、中
心波長が1.45μm±0.03μm、最大光量値の5
0%での波長域が1.4〜1.5μmとされる発光ダイ
オード(LED)(株式会社島津製作所製:商品名HK
−9321)を使用した場合、0.5mm以上5.0m
m以下、好ましくは0.7mm以上3.0mm以下であ
る。光路長が0.5mm未満であると、水溶液による光
の吸収が大きいため、弗酸5%と弗酸0%との間の受光
部5の出力電流の差が小さくなり、十分な検出感度が得
られない。また光路長が5.0mmを超えると、受光部
5の十分な出力電流が得られなくなる。光路長を0.7
mm以上3.0mm以下とすると、再現性の良い安定し
た受光部5の出力電流が得られる。
【0044】また、投光部4の光源4Aとして、中心波
長が1.55μm±0.05μm、最大光量値の50%
での波長域が1.05〜2.0μmとされる発光ダイオ
ード(LED)(沖電気工業株式会社製:商品名OE5
06G)を使用した場合は、光路長は、0.5mm以上
10mm以下、好ましくは1mm以上5mm以下とな
り、上記の場合より光路長を長くすることができる。こ
れは、水溶液による光の吸収が小さいためである。本実
施例では、スペーサ6は、長さ65mm、幅12mm、
厚さ2mmのFEP製の板で形成されているので、光路
長は2mmである。
【0045】上述の構成とされる本願発明の濃度測定装
置が好適に作動するには、上記説明から理解されるよう
に、投光部4の光源4Aから常に、例えば1.45μm
±0.03μmの波長又は1.55μm±0.05μm
の波長が一定強度にて受光部5へと照射されることが必
須である。従って、光源4Aは、定電流電源にて駆動さ
れる。
【0046】しかしながら、本発明者らの研究実験の結
果によると、本実施例にて使用した発光ダイオード(L
ED)(株式会社島津製作所製:商品名HK−932
1、沖電気工業株式会社製:商品名OE506G)は、
次のような問題を有していることが分かった。
【0047】つまり、この発光ダイオードは、従来の発
光ダイオードに比較すると光量が少なく、例えば、発光
ダイオード(LED)(株式会社島津製作所製:商品名
HK−9321)の場合1.5mWの光量を得るのに、
従来に比較するとかなり大きな電流、例えば200mA
程度の電流を流す必要がある。従って、自己発熱により
温度上昇が起こり、これと共に光量が変動する(下が
る)現象が発生することが分かった。これは、測定誤差
の要因となる。
【0048】従って、更に、この問題を解決するための
研究実験を行なった結果、本発明者らは、これらの発光
ダイオードを連続点灯するのではなく、断続的に点灯す
ることにより、即ち、パルス点灯方式を採用することに
より発熱を抑え、光量減少の問題を解決し得ることを見
出した。
【0049】図4に示すような回路構成で、発光ダイオ
ード(LED)(株式会社島津製作所製:商品名HK−
9321)に200mAの定電流を流し、オン時間とオ
フ時間を変化させたときの、受光部5からの出力電流I
p の変化を測定した。その結果を図8に示す。200m
Aの電流を流した場合、オン時間を10mS、オフ時間
を990mSとした場合、又、オン時間を5mS、オフ
時間を1995mSとした場合には、時間の経過ととも
に受光部5からの出力電流Ip (光量値)が実質的に減
少することがなく、好結果を得ることができた。一方、
オン時間を10mS、オフ時間を90mSとした場合、
又、オン時間を100mS、オフ時間を900mSとし
た場合には時間の経過と共に受光部5からの出力電流I
p (光量値)が低下し、好ましくなかった。つまり、オ
ン時間とオフ時間の比(オン時間/オフ時間)が小さい
時、発光ダイオードの光量の減少を抑えることができ
る。 オン時間:オフ時間を1:99〜1:200とするのが
良いことが分かる。
【0050】又、発光ダイオードの自己発熱を防止する
ために、上述したように、固定治具11、12を熱伝導
性の良い材料で作製すると、この固定治具11、12が
ヒートシンクとして作用し、熱放散を促進するので極め
て好ましい。更に熱放散性を高めるために、発光ダイオ
ードと固定治具11との接着剤として、熱放散性シリコ
ン樹脂(例えば、株式会社サンハヤト製、商品名:耐熱
放熱用シリコーンSCH−20)を用いる。固定治具1
1、12を熱伝導性の良好でないポリプロピレンで作製
し、発光ダイオードと固定治具11とを接着した場合と
固定治具11、12を熱伝導性の良い金属(材質:銅)
で作製し、熱放散性シリコン樹脂(株式会社サンハヤト
製、商品名:耐熱放熱用シリコーンSCH−20)で発
光ダイオードと固定治具11とを接着した場合とで発光
ダイオードの光量の時間的な変化を比較した。なお、発
光ダイオードは200mAの定電流で5分間連続的に発
光させた。固定治具11、12を熱伝導性の良好でない
ポリプロピレンで作製した場合、固定治具11の温度が
30℃上昇したのに対し、固定治具11、12を熱伝導
性の良い金属(材質:銅)で作製した場合は固定治具1
1の温度の上昇を5℃以下に抑えることができた。
【0051】また、投光部4の光源4Aに用いられるレ
ーザダイオードや発光ダイオードにペルチェ素子による
冷却機構を備えている光源(例えば、沖電気工業株式会
社製発光ダイオード(LED):商品名OE503G、
商品名OE506G)を使用することで、更に熱放散性
を良くすることができる。
【0052】上記構成のエッチング液濃度検出装置1を
使用することにより、弗酸の濃度を±0.1%にて連続
して測定することができた。
【0053】実施例2 図9に本発明の他の実施例を示す。本実施例は、実施例
1の液濃度検出装置と同じ構成とされるが、ただ検出部
3を構成する投光部4に第1及び第2の光源4A、4B
が設けられ、対応して受光部5にも第1及び第2の光検
出器5A、5Bが設けられた点で異なる。
【0054】投光部4の第1の光源4Aは、中心波長が
1.55μm±0.05μm、最大光量値の50%での
波長域が1.05〜2.0μmとされる発光ダイオード
(LED)(沖電気工業株式会社製:商品名OE506
G)を使用し、第1の光検出器5Aは、実施例1の光検
出器5Aと全く同じである。
【0055】本実施例における第2の光源4Bは比較用
の光源とされ、エッチング液の汚れ、或は液中に存在す
る気泡を検知し、エッチング液の濃度測定の補正のため
に使用される。
【0056】第2の光源4Bとしては、0.4〜1.1
μmの光を、好ましくは、中心波長が0.9〜1.0μ
mの光を発する光源とされる。本実施例では、中心波長
が0.94μm±0.05μm、最大光量値の50%で
の波長域が0.915〜0.96μmとされる発光ダイ
オード(LED)(株式会社東芝製:商品名TLN11
0)を使用し、好結果を得ることができた。受光部5の
第2の光検出器5Bとしては、実施例1の光検出器5A
と同じものとした。第2の光源4Bも又、第1の光源4
Aと同様に、パルス点灯方式を採用することができる。
第2の光源4Bも200mAの定電流、オン時間:オフ
時間を1:99で断続的に発光させた。
【0057】なお、第2の光源4Bは、可視領域(波
長;0.4〜0.7μm)のエッチング液の汚れ等の吸
収スペクトルに応じ、必要に応じて可視領域の波長47
0nmの発光ダイオード、560nmの発光ダイオード
や660nmの発光ダイオードなどを適宜選択して用い
ることができる。
【0058】本実施例の液濃度検出装置は弗酸の濃度を
±0.1%にて連続して測定することができた。
【0059】実施例3 図10及び図11に、本発明の液濃度検出装置に好適に
使用し得る検出部3の他の実施例を示す。
【0060】上述したように、実施例1の液濃度測定装
置が好適に作動するには、投光部4の光源4Aから常に
所定波長の光が一定強度にてセル2を通って受光部5へ
と照射されることが必要である。
【0061】本発明者らの研究実験の結果によると、特
に、0〜1%といった低濃度のエッチング液の濃度を±
0.01%の精度にて検出するには、光源4Aは更に高
精度にてその光量変動を制御することが必要であること
が分かった。その解決策の一つとして、定電流電源にて
光源4Aを高精度で駆動することが考えられる。しかし
ながら、斯かる定電流電源は、装置構成をより複雑と
し、又大型化するといった問題がある。投光部4を図1
0に示す構成とすることにより、このような問題を解決
することができた。
【0062】つまり、本実施例では、投光部4の光源4
Aからの光は、ビームスプリッタ(ハーフミラー)41
及びレンズ系42を介してセル2へと照射される。セル
2を流動する液を透過した光が受光部5に検知されるの
は、上記実施例の場合と同様である。レンズ系42は、
ビームスプリッタ41からの出射光を平行光としてセル
へと投光するためのものであり、本実施例では、凸レン
ズL1、L2により構成されているが、これに限定され
るものではない。
【0063】更に、本実施例によると、光源4Aからの
光は、ビームスプリッタ41にてその一部が取り出さ
れ、レンズL3を介して比較用光検出器4Cにより検知
される。本実施例では、この光検出器4Cは、上述した
受光部5の光検出器5Aと同様の光検出器、例えばフォ
トダイオードとすることができる。この光検出器4Cに
より検出された信号は、前記光源4Aの駆動制御回路
(図示せず)へとフィードバックされ、設定値と比較さ
れ、光源4Aの出力光量を一定に保持するべく制御す
る。
【0064】図11には、図10に示す上記構成とほぼ
同様の構成とされる投光部4の他の実施例を示す。この
実施例は、ビームスプリッタ41と光源4Aとの間にシ
ョートパスフィルタ(short pass filter)43が設置さ
れている点で、図10に示す投光部4と異なり、その他
の構成は同じである。
【0065】図12(A)は、図3に示す弗酸の吸収ス
ペクトルの波長1.4〜1.7μm領域を拡大して示し
ており、図12(B)は、投光部4の光源として発光ダ
イオード(LED)(株式会社島津製作所製:商品名H
K9421−10)を使用した場合の光出力(光量)分
布を示す。図12(A)、(B)にて理解されるよう
に、光源の波長としては1.55μm以上、或は、透過
率の差が顕著となり、然も光出力も未だ大である1.6
μm以上の波長を使用するのが好ましいことが分かる。
【0066】一方、図12(C)は、受光部5の光検出
器5Aとして使用されるフォトダイオードの感度温度特
性を示す。図12(C)の線(a)は、フォトダイオー
ドの一例である、浜松フォトニクス株式会社製InGa
As−PINフォトダイオード(商品名G5851−0
1)の感度温度特性であり、大略1.4〜1.9μmま
での波長領域において感度温度係数は一定である。
【0067】しかしながら、例えば、浜松フォトニクス
株式会社製InGaAs−PINフォトダイオード(商
品名G5832−01)は、図12(C)の線(b)で
示す感度温度特性を有している。つまり、このフォトダ
イオードは、1.62μmまでの波長においては感度温
度係数は一定であるが、1.62μm以上の波長に関し
ては感度温度係数が大きく変動することとなる。このよ
うな特性を有したフォトダイオードを、本発明で使用さ
れる波長域1.3〜1.9μm、本実施例では、特に
1.55〜1.7μm、或は、1.6〜1.7μmの光
を検知する光検出器5Aとして使用した場合には、温度
により測定精度が大きく変動することとなる。
【0068】図11に示す実施例は、このような問題を
解決することができる。つまり、この実施例では、ショ
ートパスフィルタ43にて光源4Aからの1.62μm
以上の波長をカットし、このような波長の光が受光部5
の光検出器5Aにて検知されるのを防止する。従って、
この実施例の投光部4を採用すれば、例えば1.62μ
m以上の波長に関して感度温度係数が大きく変動すると
いった特性を有したフォトダイオードを使用しても、温
度変動に関わらず、常に一定の精度にて液の濃度を検出
することができる。
【0069】更に、他の実施例によれば、大気中水分の
吸収の影響を排除するためや、1.45μm近傍の溶液
中の水分の吸収の影響を排除するために、所定波長以下
の、例えば1.5μm以下の波長分をカットするショー
トパスフィルタ(図示せず)を、上記ショートパスフィ
ルタ43の代わりに、或は、更に追加して設けることが
できる。
【0070】もし、所定の波長以下及び所定の波長以上
の波長分をカットするのであれば、上述のように、2つ
のショートパスフィルタを組合せて使用することもでき
るが、所定の波長以下及び所定の波長以上の波長分をカ
ットするバンドパスフィルタを使用することもできる。
【0071】上記各実施例の投光部4を採用した液濃度
検出装置は弗酸の濃度を±0.01%にて連続して測定
することができた。
【0072】勿論、上述の光源4Aとして、例えば発光
ダイオードを使用した場合に、発光ダイオード自体、そ
の相対光出力が温度特性を有している。上述したよう
に、比較用光検出器4Cを設けることにより、光源4A
の光強度の変動を好適に制御することができるが、更
に、サーミスタを使用して、上記フォトダイオード5A
の温度補償及び発光ダイオード4Aの相対光出力の温度
特性補償を行なうのが好ましい。このための電気的制御
回路は当業者には周知であるのでこれ以上の説明は省略
する。
【0073】なお、上記実施例では、エッチング液、特
に現在液濃度を±0.1%、更には±0.01%の誤差
範囲で測定することが困難とされている弗酸系のエッチ
ング液(弗化水素酸(弗酸)(HF)、バッファード弗
酸(BHF)、弗硝酸)の濃度の測定の場合について説
明したが、本発明は弗酸系のエッチング液に限られるも
のではなく、塩酸、硝酸、アルカリ系エッチング剤、ク
ロム酸系エッチング剤、燐酸、水酸化アンモニウム、過
酸化水素水、水/有機液体混合液(例えば、酢酸水溶
液)等の多種の水溶液等にも適用できる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液濃度検
出装置は、液が供給されるセルが、例えば細長孔を有す
る板状のスぺーサを内部に備え、且つ、少なくとも投光
部及び受光部が対向配置された検出部領域においては、
前記スぺーサの両面に実質的に密着するように構成さ
れ、それによって、前記セルに供給された液が、検出部
においては、前記スぺーサに形成された細長孔内を流動
するように構成されるので、半導体工場などにて使用さ
れる液の濃度をリアルタイムにて高精度にて検出するこ
とができ、しかも構成が簡単で、低価格であると言う効
果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液濃度検出装置の一実施例の断面
側面図である。
【図2】本発明に係る液濃度検出装置の一実施例の断面
側面図である。
【図3】弗酸の吸収スペクトル図である。
【図4】液濃度を測定するための一実施例に係る光学系
と受発光回路の構成を示す図である。
【図5】図4の構成にて、中心波長が1.45μmのダ
イオード(株式会社島津製作所製:商品名HK−932
1)を使用したときの、弗酸濃度と受光部からの出力電
流Ip との関係を示す図である。
【図6】図4の構成にて、中心波長が1.55μm、±
0.05μmの発光ダイオード(LED)(沖電気工業
株式会社製:商品名OE506G)を使用した時の、弗
酸濃度と受光部からの出力電流Ip との関係を示す図で
ある。
【図7】本発明に係る液濃度検出装置の電子回路構成の
一実施例を示すブロック図である。
【図8】発光ダイオード(株式会社島津製作所製:商品
名HK−9321)のオン時間とオフ時間を変化させた
ときの、受光部からの出力電流Ip の変化を示す図であ
る。
【図9】本発明に係る液濃度検出装置の他の実施例の断
面側面図である。
【図10】本発明の液濃度検出装置の検知部の他の実施
例を示す高製図である。
【図11】本発明の液濃度検出装置の検知部の更に他の
実施例を示す高製図である。
【図12】フォトダイオードの感度温度特性の一例を示
す図である。
【図13】従来の濃度検出装置を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 液濃度検出装置 2 セル 3 検出部 4 投光部 5 受光部 6 板状スぺーサ 9 細長孔 11、12 固定治具 41 ビームスプリッタ 42 レンズ系 43 ショートパスフィルタ

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液が供給されるセルを備え、セルの軸線
    に直交する方向に対向して投光部と受光部とを配置し、
    この投光部から前記セル中の液を透過して前記受光部へ
    と波長域が1.3〜1.9μmの光を投光し、受光部で
    受光された光量を検出することによって液の濃度を検出
    することを特徴とする液濃度検出装置。
  2. 【請求項2】 前記セルは、細長孔が形成された板状の
    スぺーサを内部に備え、且つ、少なくとも前記投光部及
    び受光部が対向配置された検出部領域においては、前記
    スぺーサの両面に実質的に密着するように構成され、そ
    れによって、前記セルに供給された液は、検出部におい
    ては、前記スぺーサに形成された細長孔内を流動するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1の液濃度検出装置。
  3. 【請求項3】 前記セル及びスぺーサは、弗素樹脂又は
    ポリエチレン樹脂にて形成される請求項1又は2の液濃
    度検出装置。
  4. 【請求項4】 前記弗素樹脂は、四弗化エチレン−六弗
    化プロピレン共重合樹脂である請求項3の液濃度検出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記投光部の光源は、中心波長が1.4
    1〜1.49μmの光を発する請求項1、2、3又は4
    の液濃度検出装置。
  6. 【請求項6】 前記投光部の光源は、中心波長が1.4
    5μm±0.03μmの光を発する発光ダイオードであ
    る請求項1、2、3又は4の液濃度検出装置。
  7. 【請求項7】 前記セル又は前記セル中のスぺーサの細
    長孔内の液を通過する光の光路長又は前記スぺーサの厚
    さは、0.5mm以上5mm以下である請求項5又は6
    の液濃度検出装置。
  8. 【請求項8】 前記投光部の光源は、中心波長が1.5
    4〜1.85μmの光を発する請求項1、2、3又は4
    の液濃度検出装置。
  9. 【請求項9】 前記投光部の光源は、中心波長が1.5
    5μm±0.05μmの光を発する発光ダイオード又は
    レーザダイオードである請求項1、2、3又は4の液濃
    度検出装置。
  10. 【請求項10】 前記セル又は前記セル中のスぺーサの
    細長孔内の液を通過する光の光路長又は前記スぺーサの
    厚さは、0.5mm以上10mm以下である請求項8又
    は9の液濃度検出装置。
  11. 【請求項11】 前記投光部は、所定の波長の光を発す
    る光源と、前記光源からの光を第1の方向と第2の方向
    とに分割するビームスプリッタと、前記ビームスプリッ
    タにて第1の方向へと出射された光を前記セルへと投光
    するレンズ系と、前記ビームスプリッタにて第2の方向
    へと出射された光を検出する比較用光検出器とを備え、
    前記比較用光検出器により検出された信号を基に前記光
    源から出射される光の強度を一定に制御するようにした
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、8又は9の液
    濃度検出装置。
  12. 【請求項12】 前記光源と前記ビームスプリッタとの
    間に、前記光源から発した光の所定波長以上の波長分を
    カットするショートパスフィルタ或は前記光源から発し
    た光の所定波長以下の波長分をカットするショートパス
    フィルタを、又は、前記光源から発した光の所定波長以
    上の波長分をカットするショートパスフィルタ及び前記
    光源から発した光の所定波長以下の波長分をカットする
    ショートパスフィルタを、又は、前記光源から発した光
    の所定波長以上の波長分をカットし、且つ前記光源から
    発した光の所定波長以下の波長分をカットするバンドパ
    スフィルタを、設けたことを特徴とする請求項11の液
    濃度検出装置。
  13. 【請求項13】 前記投光部は、波長域が1.3〜1.
    9μmの光を発する第1の光源と、波長域が0.4〜
    1.1μmの光を発する比較用の第2の光源とを備えて
    いる請求項1、2、3、4、11又は12の液濃度検出
    装置。
  14. 【請求項14】 前記投光部は、中心波長が1.41〜
    1.49μmの光、又は中心波長が1.54〜1.85
    μmの光を発する第1の光源と、中心波長が0.9〜
    1.0μmの光を発する第2の光源とを備えている請求
    項1、2、3、4、11又は12の液濃度検出装置。
  15. 【請求項15】 前記第1の光源は、中心波長が1.4
    5μm±0.03μmの光を発する発光ダイオード、又
    は中心波長が1.55μm±0.05μmの光を発する
    発光ダイオード或はレーザダイオードであり、前記第2
    の光源は、中心波長が0.94μm±0.05μmの光
    を発する発光ダイオードである請求項13又は14の液
    濃度検出装置。
  16. 【請求項16】 少なくとも中心波長が1.45μm±
    0.03μmの光を発する前記発光ダイオード、又は中
    心波長が1.55μm±0.05μmの光を発する発光
    ダイオード或はレーザダイオードは、断続的に点灯され
    る請求項6、9又は15の液濃度検出装置。
  17. 【請求項17】 前記発光ダイオードは、オン時間:オ
    フ時間が1:99〜1:200にて断続的に点灯される
    請求項16の液濃度検出装置。
  18. 【請求項18】 前記投光部は、ペルチェ素子による冷
    却機構を備えている請求項1〜17のいずれかの項に記
    載の液濃度検出装置。
  19. 【請求項19】 前記セル及びスぺーサは、熱伝導性の
    良い材料で形成された固定治具にて挟持して一体的に固
    定される請求項1〜17のいずれかの項に記載の液濃度
    検出装置。
  20. 【請求項20】 前記液は、フッ化水素酸(弗酸)(H
    F)、バッファード弗酸(BHF)、弗硝酸、硫酸(H
    2 SO4 )、水酸化アンモニウム(NH4 OH)又は水
    /有機液体混合液である請求項1〜19のいずれかの項
    に記載の液濃度検出装置。
  21. 【請求項21】 前記液は、エッチング液又は洗浄液で
    ある請求項1〜19のいずれかの項に記載の液濃度検出
    装置。
  22. 【請求項22】 前記液は、弗酸系のエッチング液又は
    洗浄液である請求項1〜19のいずれかの項に記載の液
    濃度検出装置。
  23. 【請求項23】 前記セルは、光透過の、ガラス、サフ
    ァイヤ、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、
    ポリエチレンテレフタレート樹脂にて形成される請求項
    1、2、11又は12の液濃度検出装置。
JP15777197A 1996-05-31 1997-05-30 液濃度検出装置 Pending JPH1137936A (ja)

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