JP3414804B2 - 無機薬品含有水溶液の濃度検出装置 - Google Patents

無機薬品含有水溶液の濃度検出装置

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JP3414804B2 JP28004793A JP28004793A JP3414804B2 JP 3414804 B2 JP3414804 B2 JP 3414804B2 JP 28004793 A JP28004793 A JP 28004793A JP 28004793 A JP28004793 A JP 28004793A JP 3414804 B2 JP3414804 B2 JP 3414804B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般には、種々の無機
薬品含有水溶液の濃度検出装置に関するものであり、特
に、半導体製造プロセス或はLSI製造プロセスなどに
て排液ラインを介して排出される洗浄液、エッチング除
去液、レジスト剥離液などの濃度をリアルタイムにて検
出しそして監視するのに利用することのできる無機薬品
含有水溶液の濃度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体製造プロセス或はLSI
製造プロセスなどにては、Siウェハの洗浄、Al、S
i或はSiO2 のエッチング除去、更にはレジスト剥離
のためなどに、硫酸(H2 SO4 )、塩酸(HCl)、
硝酸(HNO3 )フッ化水素酸(HF)、バッファード
フッ酸(BHF)、アンモニア(NH4 OH)などの無
機薬品含有水溶液が使用され、使用済み水溶液は、例え
ばクリーンルーム内の上記薬品の処理槽から排液ライン
を介して外部排液タンクへと排出される。クリーンルー
ム内の処理槽は、排液送出後、水洗される。そのため
に、排液ラインを通り外部排液タンクに貯留される排液
の濃度は種々に変動する。
【0003】外部排液タンク内に送出された排液の中、
高濃度排液は、排液処理業者に引き取られて処理され、
一方、90〜99%が水とされるような低濃度の排液
は、工場内にて中和処理を行ない、下水処理され、又は
清浄水として河川などに放水される。
【0004】従って、排液ラインを介して外部排液タン
クへと送出される排液の濃度をリアルタイムに検出しそ
して監視することが極めて重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の知る限りにおいて、この目的に適った、即ち、無機
薬品含有水溶液の濃度をリアルタイムにて検出すること
のできる装置は見当たらない。
【0006】本発明の目的は、リアルタイムにて無機薬
品含有水溶液の濃度を検出することができ、しかも構成
が簡単で、低価格の、無機薬品含有水溶液の濃度検出装
置を提供することである。
【0007】本発明の他の目的は、半導体製造プロセス
或はLSI製造プロセスなどにて排液ラインを介して排
出される洗浄液、エッチング除去液、レジスト剥離液な
どの濃度をリアルタイムにて検出しそして監視するのに
利用することのできる無機薬品含有水溶液の濃度検出装
置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するべく多くの研究実験を行なった。
【0009】先ず、本発明者は、無機薬品含有水溶液と
して濃塩酸及び濃硫酸を蒸留水で希釈することにより、
酸濃度0%、2.5%、5%、7.5%、10%に調製
し、水分濃度として100%、97.5%、95%、9
2.5%、90%の試料を得、そして、従来の近赤外分
析器にて、これら試料の吸収スペクトルを測定した。そ
の結果が、図4及び図5に示される。この吸収スペクト
ルより、塩酸及び硫酸含有水溶液においては、波長1.
48μm及び1.9μm付近にて水による顕著な光吸収
が認められ、又、その光吸収は、水分濃度が極めて高い
にもかかわらずその濃度により測定可能な程度、変化す
ることが分かった。
【0010】この結果を踏まえて、次に、本発明者は、
石英ガラスからなる透明中空管セル中に上記試料を流動
させ、そしてこの中空管セルの軸線に対して直交する方
向に投光部と受光部とを対向配置して、投光部より波長
1.48μmの近赤外光を中空管セルに投射し、受光部
にて中空管セル中を流動する試料を通過した光の量を測
定した。その結果を図6に示す。
【0011】図6から、受光部により検出された光量と
水分濃度(又は酸濃度)との間には相関係数が0.99
47とされるような良好な相関性があることが分かっ
た。
【0012】本発明は、このような本発明者の新規な知
見に基づき成されたものである。
【0013】要約すれば、本発明は、無機薬品含有水溶
液の無機薬品濃度を求める無機薬品含有水溶液の濃度検
出装置であって、内側流通路を無機薬品含有水溶液が流
動し得る検出管と、水が光吸収する特定波長帯の近赤外
光を前記検出管の軸線方向に対して直交する方向に投光
する投光部と、前記投光部から投光され、そして前記検
出管内を流動する前記水溶液を透過した光を感知する受
光部と、前記受光部で感知した光量を電気信号に変換す
る検出回路部と、前記検出回路部からの電気信号を演算
処理して前記水溶液の無機薬品濃度を求める制御部と
を有することを特徴とする無機薬品含有水溶液の濃度検
出装置である。
【0014】好ましくは、前記検出管は、弗素樹脂にて
形成された円管とされる。特に好ましくは、弗素樹脂
は、四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合樹脂であ
り、検出管の内径をD1 、外径をD0 とした時、D1
0 ≧0.5とされる。又、好ましくは、前記水が光吸
収する特定波長帯の近赤外光は、波長1.48μm付近
の光とされるか、或いは、波長1.9μm付近の光とさ
れる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る無機薬品含有水溶液の濃
度検出装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0016】図1〜図3に、本発明に係る無機薬品含有
水溶液の濃度検出装置の一実施例を示す。本実施例によ
れば、本発明の濃度検出装置は、半導体製造プロセスの
排液ライン又はバイパスラインに設置されるものとして
説明する。従って、無機薬品含有水溶液は、例えば、硫
酸(H2 SO4 )、塩酸(HCl)、硝酸(HNO3
フッ化水素酸(HF)、バッファードフッ酸(BH
F)、アンモニア(NH4OH)などとされる。
【0017】本発明の濃度検出装置は、排液ラインの途
中に直接に、或は排液ラインにバイパスラインを設けて
そこに一体的に設置される。従って、図1、図2に示す
ように、本発明の濃度検出装置1は、排液ラインなどに
接続するためのパイプ状の本体部分2を有する。排液ラ
インなどには、上述のような腐食性の強い無機薬品含有
水溶液が流されるので、本体部分2は、高い耐薬品性を
示す弗素樹脂にて作製するのが好適である。弗素樹脂と
しては、PFA(四弗化エチレン−パーフロロアルキル
ビニルエーテル共重合樹脂)、FEP(四弗化エチレン
−六弗化プロピレン共重合樹脂)、ETFE(四弗化エ
チレン−エチレン共重合樹脂)、ECTFE(三弗化塩
化エチレン−エチレン共重合樹脂)、PTFE(四弗化
エチレン樹脂)、PCTFE(三弗化塩化エチレン樹
脂)、PVdF(弗化ビニリデン樹脂)、VDF(弗化
ビニル樹脂)などを好適に使用することができる。
【0018】本実施例では、本体部分2は、排液ライン
などに接続するために、その両端部2Aは幾分大きくさ
れているが、本体部分2はこの構成に限定されるもので
はない。本体部分2の大略中央部に、互いに平行に隔壁
3が形成される。この隔壁3の大略中心部には中心孔3
Aが穿設され、この両中心孔3Aに嵌合して細長の検出
管20が設置される。隔壁3の中心孔3Aと検出管20
とは溶接により一体的に固定される。
【0019】検出管20は、これに限定されるものでは
ないが、内、外形共に円形とされる中空管、即ち、円管
とするのが好適である。又、上述のような無機薬品含有
水溶液に対する耐久性の点から、本体部分2と同様に、
弗素樹脂にて形成するのが好適であるが、特に、後で説
明する理由から、FEP(四弗化エチレン−六弗化プロ
ピレン共重合樹脂)が好適である。
【0020】又、検出管20は、その内径をD1 、外径
をD0 とした時、D1 /D0 ≧0.5とするのが好まし
い。この点についても又、後で詳しく説明する。
【0021】本体部分2の、前記両隔壁3にて仕切られ
た空間部分には、検出管20を挟んで検出管20の軸線
に対し直交する方向に対向して投光部5と、受光部6と
が設けられる。投光部5は、水が光吸収する特定波長帯
の近赤外光、即ち、0.75μm〜2.5μmの光を発
生する光源5Aを備えており、近赤外光を検出管20の
軸線方向に対して直交する方向に投光する。この光源5
Aを含む空間部は、その外側開口部に蓋7が適合され
る。この蓋7も又、弗素樹脂にて形成することができ、
本体部分2に溶接により一体に固定するのが好ましい。
【0022】このような光源5Aとしては種々のものを
使用し得るが、例えば、発光波長域が1.1〜1.6μ
mのInP/InGaAsP(InP系)のような発光
ダイオード、又は1.1〜1.67μmのInP/In
GaAsP(InP系)半導体レーザダイオードなどを
好適に使用することができる。場合によっては、0.1
6〜2.0μmの波長の光を発するキセノンランプ(パ
ルス波タイプを含む)も、分光フィルターを併用するこ
とにより投光部5の光源5Aとして用いることができ
る。
【0023】一方、受光部6には、投光部5からの、検
出管20内を流動する水溶液を透過した光を感知する光
検出器6Aが配置される。光検出器6Aとしては、波長
感度域が0.8〜1.8μmのGeフォトダイオード、
0.8〜1.7μmのGeアバランシェフォトダイオー
ド、0.7〜1.7μmのInGaAs−pinフォト
ダイオード、1.0〜1.6μmのGe−pinフォト
ダイオード、1.0〜3.6μmのPbS光導電素子、
1.0〜3.1μmのInAs光起電力素子、1.0〜
5.5μmのZnSb光起電力素子などを使用すること
ができる。
【0024】本実施例によると、この受光部6の外側開
口部を囲包して、本体部分2に一体に環状の壁8が形成
され、この内側に、検出回路部9が取り付けられる。検
出回路部9は、受光部6で感知した光量を電気信号に変
換する電子回路を有する。
【0025】本実施例では、この電子回路としては、本
出願人が提案した特開平4−324328号公報に開示
されるような、受光部5で検出した光量を周波数変換す
る電圧検出回路を好適に用いることができる。この電圧
検出回路について図7、図8を参照して簡単に説明す
る。
【0026】図7は、この電圧検出回路21の基本構成
を示すブロック図である。本実施例では、受光部6の光
検出器6AとしてのホトダイオードPDと直列にコンデ
ンサCを接続し、入射する光の光量に比例してホトダイ
オードPDから出力される電流IP をコンデンサCに蓄
積し、電圧VC に変換する。この充電電圧VC を電圧検
出回路21で検出して予め設定された基準電圧と比較
し、充電電圧が基準電圧に達すると、電圧検出回路21
は出力信号レベルを変化させる。この信号レベルの変化
により、コンデンサCに蓄積された電荷を放電させ、再
びこのコンデンサCにホトダイオードPDからの出力電
流IP の蓄積を開始させる。このようにして、検出回路
部9、即ち電圧検出回路21からは、受光部6が受光し
た光強度に応じた周波数信号が出力される。
【0027】図8は、図7に示す電圧検出回路21のよ
り具体的な一例を示すもので、ホトダイオードPDとコ
ンデンサCとはアナログスイッチ23を介して直列に接
続し、入射する光の光量に比例してホトダイオードPD
を流れる電流IP をアナログスイッチ23を介してコン
デンサCに蓄積し、電圧VC に変換する構成とされる。
又、このコンデンサCに蓄積される電圧VC は、C−M
OS型の第1及び第2の2つのシュミットインバータ2
4及び25を直列に接続した電圧検出部21で検出され
る。この電圧検出回路の動作は、当業者には、先の特開
平4−324328号公報を参照すると容易に理解し得
るので、これ以上の説明は省略する。
【0028】このようにして光量に応じて変換された検
出回路部9からの周波数信号は、図3を参照すると理解
されるように、制御部10の演算計測手段にて、演算処
理され、排液の濃度(水分濃度又は酸濃度)に応じたパ
ルス数に変換される。制御部10からのこの出力パルス
は、表示部11へと送信され、無機薬品含有水溶液の水
の量又は濃度として、ディスプレー装置にて表示される
か、或はプリンタにて印字して出力される。所望に応じ
て、表示部11には警報装置を備え、排液が規定濃度と
なった時、警報を発するように構成することも可能であ
る。
【0029】次に、上述のように構成される濃度検出装
置における、検出管について更に説明する。
【0030】本発明に使用する検出管20は、投光部5
からの、水が光吸収する特定波長帯の近赤外光、即ち、
0.75μm〜2.5μmの光線を通過させ得るもので
あれば、任意の材料を使用し得るが、上述したように、
測定対象物が、硫酸(H2 SO4 )、塩酸(HCl)、
硝酸(HNO3 )フッ化水素酸(HF)、バッファード
フッ酸(BHF)、アンモニア(NH4 OH)などの極
めて腐食性の強い無機薬品含有水溶液であるので、現在
のところ弗素樹脂が好適である。
【0031】ところが、弗素樹脂は、一般にその成型性
が極めて悪く、通常、原材料ブロックを切削加工するこ
とにより任意の形状とされる。しかしながら、一般に、
切削加工を行なえば、製品の表面平滑性が粗となり、光
線が散乱され透過率が低下する傾向にある。従って、弗
素樹脂を機械加工して検出管20を作製することは好ま
しくない。そのために、透明の弗素樹脂板材を使用し、
型取りした各板部材を溶接することにより断面が矩形の
検出管20を作製することは可能ではあるが、その製造
工程は煩雑で且つ困難であり、又、使用においても、外
部からの衝撃に弱いという欠点がある。
【0032】本発明者の研究実験の結果によれば、弗素
樹脂でも、FEP(四弗化エチレン−六弗化プロピレン
共重合樹脂)ならば、上記近赤外光に対して極めて透過
性が良く(ガラスと同程度)、溶接性にも優れており、
しかも、成型加工により断面が円形の中空管、即ち、円
管を作製し得ることが分かった。従って、検出管20と
しては、FEP(四弗化エチレン−六弗化プロピレン共
重合樹脂)製の円管が極めて好適である。しかしなが
ら、本発明の検出管20は、これに限定されるものでは
なく、ガラス管に弗素樹脂コーティングしたものも使用
することができ、場合によっては、上述のように問題は
あるものの、透明の弗素樹脂板材を使用して作製した断
面が矩形の検出管20も使用することができる。
【0033】次に、検出管20として円管を使用した場
合について更に説明する。
【0034】検出管20の寸法は、排液の濃度などによ
り種々に変更することができるが、本実施例では、検出
管20としては、外径2〜10mm、内径1〜8mmの
円形中空管が好適である。
【0035】ただ、以下に説明する実施例においては、
検出管20は、屈折率が1.35とされるFEPにて作
製され、外径(DO )が5mmとされ、内径(DI )は
種々の寸法とされた。又、無機薬品含有水溶液(被検出
物)としては種々の濃度の硫酸を用いたが、その屈折率
(nS )は、その濃度に対応して1.33〜1.43の
範囲内で変動するものであった。
【0036】なお、投光部5の光源5Aとしては、In
p/InGaAsP発光ダイオードを使用し、受光部6
の光検出器6Aとしては、InGaAs−pinフォト
ダイオードを使用した。
【0037】次に、検出管20の形状、即ち、内径(D
I )と外径(DO )の比(DI /DO )、及び検出管2
0の屈折率(nC )と被検出物の屈折率(nS )との関
係について考察する。
【0038】・検出管20の内径(DI )と外径(D
O )による影響:
【0039】図9に、投光部5から検出管20を通って
受光部6へと入射する光路の状態を示す。この図9に示
す実施例にて、検出管20は、外径(DO )が5mm、
内径(DI )が2.5mmとされ、即ち、内径(DI
と外径(DO )の比(DI /DO )が0.5とされるも
のであった。
【0040】図9にて、実線で示す光路は、検出管20
内の被検出物中を通過する光路であり、破線で示す光路
は、検出管20中のみを通過する光路である。
【0041】この実施例においては、投光部5から検出
管20を通って受光部5へと入射した光は、その受光部
5において、図10に示すような光強度(光量或は照
度)分布を示すことが分かった。即ち、実線で示される
光路を進む光、即ち、被検出物の濃度情報を含む光と、
破線で示される光路を進む光、即ち、被検出物の濃度情
報を含まない光とは、完全に分離して捉えることがで
き、しかも、図11に示すように、特に、被検出物の濃
度情報を含む光強度は、被検出物の濃度と共に明瞭に変
化するが、被検出物の濃度情報を含まない光強度は実質
的に一定であることが分かる。
【0042】従って、この実施例では、受光部6での信
号処理において、被検出物の濃度情報を含まない光強度
は、DCノイズ成分として処理することができ、信号処
理が容易となる。
【0043】更に、図9に一点鎖線にて示すように、検
出管20と受光部6との間に遮光板100を配置するこ
とにより、被検出物の濃度情報を含まない光部分、即
ち、DCノイズ成分を完全に遮断することもできる。
【0044】図12は、図9と同様の図であるが、検出
管20は、外径(DO )が5mm、内径(DI )が1.
5mm、即ち、内径(DI )と外径(DO )の比(DI
/DO )が0.3とされる。この実施例においては、実
線で示される光路を進む光、即ち、被検出物の濃度情報
を含む光の範囲が小さくなり、一方、破線で示される光
路を進む光、即ち、被検出物の濃度情報を含まない光の
範囲が広がっている。この状態では、両者を分離するこ
とが困難となってくる。
【0045】図13は、図9と同様の図であるが、検出
管は、外径(DO )が5mm、内径(DI )が4.0m
m、即ち、内径(DI )と外径(DO )の比(DI /D
O )が0.8とされる。この実施例においては、実線で
示される光路を進む光、即ち、被検出物の濃度情報を含
む光の範囲が広がり、一方、破線で示される光路を進む
光、即ち、被検出物の濃度情報を含まない光の範囲がな
くなる。従って、この実施例では、被検出物の濃度情報
を含まない光強度、即ち、DCノイズ成分を実質的に排
除することができる。
【0046】しかしながら、検出管20の内径(DI
を大きくすると、検出管20の被検出物中を通過する光
の減衰量が大きくなり、受光部6での受光量が小さくな
り、受光部6を構成する光検出器6Aの感度の向上、検
出回路部9の高性能化といった問題が発生する。
【0047】以上説明したように、検出管20は、内径
(DI )と外径(DO )の比(DI/DO )が0.5以
上とされることが極めて好適である。もっとも、内径
(DI)の最大値は、実際に使用する検出管20に要求
される機械的強度の面から、或は、上述したように、受
光部6を構成する光検出器6Aの感度及び検出回路部9
の性能の点から自ら制約があり、通常、内径(DI )と
外径(DO )の比(DI/DO )は、0.8以下とされ
るのが好適である。
【0048】上記各実施例の説明にて、投光部5から検
出管20へと入射する光線は、平行光であるとして説明
したが、図14に示すように、本発明者らの研究実験の
結果によると、平行光線の場合と、角度±10°程度の
斜め光線の場合とでは、個々の光路は異なるが、実線で
示される光路を進む光と、破線で示される光路を進む光
との全体の分布傾向は実質的に同じであり、角度±10
°程度の斜め光線を使用した場合にも同様の作用効果を
奏し得ることが分かった。
【0049】・検出管の屈折率(nC )と被検出物の屈
折率(nS )による影響:
【0050】検出管20の屈折率(nC )と被検出物の
屈折率(nS )とは実質的に同じであることが好まし
く、この場合には、図9〜図14に関連して説明した如
くに、投光部5から検出管20へと入射した光は、検出
管20とその中を流動する被検出物とによるレンズ効果
により集光し、内径(DI )と外径(DO )の比(DI
/DO )が0.5以上とされる限りにおいては、実線で
示される光路を進む光、即ち、被検出物の濃度情報を含
む光と、破線で示される光路を進む光、即ち、被検出物
の濃度情報を含まない光とは、完全に分離して捉えるこ
とができる。
【0051】本発明者の研究実験の結果、被検出物の濃
度情報を含む光と、被検出物の濃度情報を含まない光と
を完全に分離して捉えるためには、検出管の屈折率(n
C )と被検出物の屈折率(nS )との差(nC −nS
は、+0.15〜−0.10とされることが重要である
ことが分かった。
【0052】従って、検出管20として、屈折率が1.
35とされるFEPにて作製され、又、無機薬品含有水
溶液(被検出物)として、半導体製造プロセス或はLS
I製造プロセスなどにて使用される硫酸(H2 SO
4 )、塩酸(HCl)、硝酸(HNO3 )フッ化水素酸
(HF)、バッファードフッ酸(BHF)、アンモニア
(NH4 OH)などが使用される限りにおいて、これら
水溶液の屈折率(nS )は、1.33〜1.43で変動
するものであるので、上記条件は充分に満足するもので
ある。
【0053】
【発明の効果】以上の如くに構成される本発明の無機薬
品含有水溶液の濃度検出装置は、検出管の内側流通路を
流れる無機薬品含有水溶液に、水が光吸収する特定波長
帯の近赤外光を投光し、そして水溶液を透過した光の光
量からこの水溶液の濃度を計測する構成とされるので、
リアルタイムにて無機薬品含有水溶液の濃度を検知する
ことができ、しかも構成が簡単で、低価格であるという
特徴を有する。又、本発明の濃度検出装置は、半導体製
造プロセス或はLSI製造プロセスなどにて排液ライン
を介して排出される洗浄液、エッチング除去液、レジス
ト剥離液などの濃度をリアルタイムにて検出しそして監
視するのに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無機薬品含有水溶液の濃度検出装
置の一実施例の断面図である。
【図2】図1の線II−IIに取った断面図である。
【図3】本発明に係る無機薬品含有水溶液の濃度検出装
置の全体構成図である。
【図4】塩酸の吸収スペクトル図である。
【図5】硫酸の吸収スペクトル図である。
【図6】硫酸及び塩酸の濃度と、本発明の濃度検出装置
における吸光度との関係を示す図である。
【図7】投光部、受光部及び検出回路部の関係を示す一
実施例の構成図である。
【図8】電圧検出回路の詳細を示す図である。
【図9】投光部から検出管を通って受光部へと入射する
光路の状態を示す図である。
【図10】受光部における光強度分布を示す図である。
【図11】被検出物の劣化と共に変動する受光部におけ
る光強度分布を示す図である。
【図12】投光部から検出管を通って受光部へと入射す
る光路の状態を示す図である。
【図13】投光部から検出管を通って受光部へと入射す
る光路の状態を示す図である。
【図14】投光部から検出管を通って受光部へと入射す
る光路の状態を示す図である。
【符号の説明】
2 パイプ状本体部分 3 隔壁 5 投光部 6 受光部 9 検出回路部 10 制御部 11 表示部 20 検出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小泉 健一 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株 式会社共石製品技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−45280(JP,A) 特開 平4−269645(JP,A) 特開 昭61−4947(JP,A) 特開 平6−331541(JP,A) 実開 平4−113159(JP,U) 実開 平4−64758(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機薬品含有水溶液の無機薬品濃度を求
    める無機薬品含有水溶液の濃度検出装置であって、 内側流通路を無機薬品含有水溶液が流動し得る検出管
    と、 水が光吸収する特定波長帯の近赤外光を前記検出管の軸
    線方向に対して直交する方向に投光する投光部と、 前記投光部から投光され、そして前記検出管内を流動す
    る前記水溶液を透過した光を感知する受光部と、 前記受光部で感知した光量を電気信号に変換する検出回
    路部と、 前記検出回路部からの電気信号を演算処理して前記水溶
    液の無機薬品濃度を求める制御部とを有することを特
    徴とする無機薬品含有水溶液の濃度検出装置。
  2. 【請求項2】 前記検出管は、弗素樹脂にて形成された
    円管である請求項1の無機薬品含有水溶液の濃度検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記弗素樹脂は、四弗化エチレン−六弗
    化プロピレン共重合樹脂である請求項2の無機薬品含有
    水溶液の濃度検出装置。
  4. 【請求項4】 前記検出管は、その内径をD1 、外径を
    0 とした時、D1/D0 ≧0.5とされる請求項3の
    無機薬品含有水溶液の濃度検出装置。
  5. 【請求項5】 前記水が光吸収する特定波長帯の近赤外
    光は、波長1.48μm付近、或いは波長1.9μm付
    近の光とされる請求項1〜4のいずれかの項に記載の無
    機薬品含有水溶液の濃度検出装置。
  6. 【請求項6】 前記投光部の光源は、発光ダイオード又
    は半導体レーザダイオードであることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかの項に記載の無機薬品含有水溶液の
    濃度検出装置。
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