JP2006346613A - 反応チップ及び分注方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の反応部を備える反応チップであって、該反応部に着色物質または蛍光物質を含む試薬が存在することを特徴とする反応チップとする。また、複数の反応部を備える反応チップの各反応部に試薬を注入する工程を有する試薬の分注方法であって、該試薬が着色物質または蛍光物質を含み、かつ着色物質又は蛍光物質の有無により反応部内の試薬の有無を確認する工程を有することを特徴とする分注方法とするものである。
【選択図】 図1
Description
また、DNAの検出などで、基板上の反応スポット領域にスポッティングによりプローブを固定し、血液等から採取した検体DNAを加え、ハイブリダイゼーション法によりDNAの分析を行う方法が知られている。
いずれにしても試薬を反応部に供給する場合、手動または自動の分注装置で各ウェルに試薬を供給するが、手動の場合でも自動の分注装置を用いる場合でも、入れ忘れ又は装置の誤動作などにより、供給不良が起こることがある。
そして、試薬のない状態で反応環境下におき、反応の有無を検出しようとすると、試薬の供給されていない反応部からは試薬がないため、当然反応の有無を検出することができず、精度の良い分析が困難になる。
このようなものとして、ガラス、石英、樹脂などを用いることができ、例えば、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、シクロオレフィン系ポリマー、フッ素ポリマー、シリコーン樹脂などを用いることができる。
透明性、耐熱性、耐薬品性や反応系に対する影響などの点からシクロオレフィン系樹脂(ゼオノア(日本ゼオン株式会社製))やメチルペンテン系樹脂(TPX(三井化学株式会社製))を用いることが好ましい。
また、ウェルの大きさは、特に限定はしないが、ライフサイエンス分野では極微量での反応、検出が行われることが多く、開口部の直径及び深さが0.01mm〜5mmの範囲内であればよい。また、本発明ではこの大きさの範囲内の時に特に効果を発揮するものである。
また、ウェル状の反応部内の内壁には親水性又は撥水性の表面処理を施しても良い。
また、蛍光検出であれば、試薬の存在の有無だけでなく、強度測定より、どのぐらいの量が存在するかを確認することができる。
着色物質、蛍光物質としては、反応系に悪影響のないものであることが好ましい。
PCR反応部を設けることにより、同一チップ上で検体の調製、DNAの検出を行うことができる。
PCR反応部としては、ウェル状の反応部を設けても良いし、流路を設け流路内で反応を行っても良い。
また、その他の反応部を設けても良い。
この場合、必要に応じ、試薬に着色物質または蛍光物質を混ぜておけばよい。
複数の反応領域上に着色または蛍光物質とプローブを含む試薬を供給し、プローブを固定し、目視または蛍光検出によりプローブの有無を確認する。次に、血液等から抽出したDNAをPCR法、LAMP法などにより調製して検体DNAとし、この検体DNAに蛍光物質を結合させる。
この蛍光物質が結合している検体DNAを前記反応領域に供給し、ハイブリダイゼーション環境下に置き、洗浄後、未反応の検体を除去し、検体DNAに結合している蛍光物質により、ハイブリダイゼーション反応の有無の検出が可能となる。この場合、プローブ試薬に含まれる着色または蛍光物質と検体DNAに結合している蛍光物質は、目視または蛍光検出時に互いに影響を与えないものであることが必要である。
また、プローブとして配列の異なる核酸を複数用意することで検体DNAがどのような配列であるかを検出することができる。
例えば、プローブを固定した後に、洗浄工程を入れても良い。このようにすることで、プローブ試薬に含まれる着色または蛍光物質と検体DNAに結合している蛍光物質の影響を考慮せずに、着色、蛍光物質を選定できる。
また、ハイブリダイゼーション反応の有無の検出に用いる蛍光標識として、インタカレーターを用いることができる。この場合、試薬の有無の確認のための着色または蛍光物質は、プローブ、検体DNAと結合していても良いし、していなくても良い。なお、前記蛍光標識、プローブ、検体DNAの確認のための着色または蛍光物質は、目視または蛍光検出時に互いに影響を与えないものであることが必要であるが、洗浄工程などで着色または蛍光物質を除去すれば、その除去された着色または蛍光物質による影響は考慮しなくて良い。
例えば、インベーダー・アッセイ法(サードウェイブテクノロジーズ,Inc(米国ウィスコンシン州マディソン市)を用いても良い。これによりSNP解析の具現化を図ることが可能となる。
ウェル状反応部を有する反応チップを用いた例として、例えば、ウェル状反応部に着色または蛍光物質を含むプローブを供給し、その後、血液等から抽出したDNAをPCR法、LAMP法などにより調製した検体DNA及びFRETと酵素などを含むインベーダー試薬と着色または蛍光物質を含む試薬をウェル状反応部に供給し、インベーダー反応を行うことにより、DNAの検出を行うことができる。
なお、この場合、プローブ試薬に含まれる着色または蛍光物質、検体DNA及びインベーダー試薬を含む試薬に含まれる着色または蛍光物質、FRETに含まれる蛍光物質はそれぞれ識別できるようなものを選択する必要がある。
ポリプロピレン製96穴プレート(Applied Biosystems社製)の各ウェル状反応部内にインベーダーアッセイキット(Third Wave Technology社製)を用いて3種類のSNPタイピングを行った。
まず、インベーダーアッセイキットに含まれる、アレル特異的プローブ0.15μlと試薬の有無の確認のための着色物質としてブロモフェノールブルー0.003%水溶液0.15μlを混合し各0.3μl分注し、その後乾燥させた。乾燥後に、目視により全ての反応部に試薬があることを確認できた。
次にインベーダーアッセイキットに含まれる、シグナルバッファー0.15μl、FRETプローブ0.15μl、構造特異的DNA分解酵素0.15μlを加え、反応体積を3μlに調製した。FRETプローブは異なる蛍光色素(FAM,VIC)で標識され、異なるフラップ相補的配列を有する2種を用いる。一対のプローブは2種類のFRETプローブに対応するフラップ部分を有する。
この反応液をABI7000(Applied Biosystems社製)を用いて95℃、5分、続いて63℃、30分インキュベートし、蛍光発光を同機を用いて検出した結果、図6に示すように目的の反応による蛍光検出に影響を及ぼさず、3種類のSNPタイピングを行うことができた。
(実施例2)
ポリプロピレン製96穴プレート(Applied Biosystems社製)の各ウェル内にインベーダーアッセイキット(Third Wave Technology社製)を用いて3種類のSNPタイピングを行った。
まず、インベーダーアッセイキットに含まれる、アレル特異的プローブ0.15μlと試薬の有無の確認のための蛍光物質としてCy5 0.15μlを混合し各0.3μl分注し、その後乾燥させた。乾燥後に、励起源として励起波長635nmの赤色ダイオードを有する蛍光検出器モレキュラーイメージャーFX Pro(Bio Rad社製)を用いて蛍光測定した結果、全ての反応部から蛍光が検出され、また強度も一定であり、各反応部への分注量が一定であることが確認できた。
次にインベーダーアッセイキットに含まれる、シグナルバッファー0.15μl、FRETプローブ0.15μl、構造特異的DNA分解酵素0.15μlを加え、反応体積を3μlに調製した。FRETプローブは異なる蛍光色素(FAM,VIC)で標識され、異なるフラップ相補的配列を有する2種を用いる。一対のプローブは2種類のFRETプローブに対応するフラップ部分を有する。
この反応液をABI7000(Applied Biosystems社製)を用いて95℃、5分、続いて63℃、30分インキュベートし、蛍光発光を同機を用いて検出した結果、上記の実施例1と同様に目的の反応による蛍光検出に影響を及ぼさず、3種類のSNPタイピングを行うことができた。
2 ウェル状反応部
2a 着色又は蛍光物質の入っているウェル状反応部
2b 着色又は蛍光物質の入っていないウェル状反応部
3 基板
4 反応部
5 PCR反応部
6 試薬収容部
Claims (7)
- 複数の反応部を備える反応チップであって、該反応部に着色物質または蛍光物質を含む試薬が存在することを特徴とする反応チップ。
- 前記反応部がウェル状であることを特徴とする請求項1記載の反応チップ。
- 前記複数の反応部が基板に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の反応チップ。
- 基板に、試薬が収容されているウェル状の試薬収容部と複数のウェル状の反応部を備える反応チップであって、少なくとも一方の試薬が着色物質または蛍光物質を含むことを特徴とする反応チップ。
- 基板に、試薬が収容されているウェル状の試薬収容部と複数のウェル状の反応部を備える反応チップであって、双方の試薬が異なる色の着色物質または異なる蛍光ピーク波長を有する蛍光物質を含むことを特徴とする反応チップ。
- 前記試薬が収容されている試薬収容部が複数あり、試薬収容部毎に異なる色の着色物質または異なる発光波長のピークを有する蛍光物質を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の反応チップ。
- 複数の反応部を備える反応チップの各反応部に試薬を注入する工程を有する試薬の分注方法であって、該試薬が着色物質または蛍光物質を含み、かつ着色物質又は蛍光物質の有無により反応部内の試薬の有無を確認する工程を有することを特徴とする分注方法。
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JP2005177676A JP2006346613A (ja) | 2005-06-17 | 2005-06-17 | 反応チップ及び分注方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014073349A1 (ja) | 2012-11-06 | 2014-05-15 | 栗田工業株式会社 | 溶解物濃度の自動測定方法 |
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2005
- 2005-06-17 JP JP2005177676A patent/JP2006346613A/ja active Pending
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