JP2014111778A - 樹脂発泡体及び発泡部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性に優れ、キャリアテープから剥離させる際のフォーム破壊を抑制又は防止することができ、キャリアテープに保持しての加工性及び搬送性、さらに組み付け性に優れる樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂発泡体は、表面から内部に至る全体の樹脂組成が同一であり、60°光沢度(JIS Z 8741に基づく)が1.5以上15以下である表面を有し、25%圧縮荷重(JIS K 6767に基づく)が0.05N/cm2以上2.00N/cm2以下であり、樹脂発泡体を構成する樹脂が熱可塑性樹脂を含み、連続気泡構造又は半連続半独立気泡構造を有していることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気又は電子機器用として好適に用いることができ、柔軟性やキャリアテープから剥離する際のフォーム破壊抑止性に優れ、さらに、キャリアテープに保持しての加工性及び搬送性、組み付け性に優れる樹脂発泡体、該樹脂発泡体が用いられている発泡部材に関する。
樹脂発泡体は、一般的に、使用される部材の形状に対応させて、必要な形状で打ち抜かれたり、また、部材への固定を容易にするために、樹脂発泡体の表面に粘着加工が施されたりする。代表的な加工形状の例としては、樹脂発泡体表面に粘着加工を施した窓枠状形状(例えば、外枠:80mm×50mm、線幅:1mmなど)等が挙げられる。しかし、このような加工が施された樹脂発泡体は取り扱いが容易ではないので、効率的な所定の箇所への搬送及び高精度な筐体への貼り付けを実施するために、キャリアテープが用いられる場合がある。すなわち、樹脂発泡体はキャリアテープに貼着された状態で各種加工(打ち抜き加工や粘着加工など)が施されたり、加工後、搬送や機器への組み付けが施されることから、キャリアテープに対して高い粘着力が求められる。一方、加工または組み付け後、樹脂発泡体をキャリアテープから剥離させることが必要である。
樹脂発泡体をキャリアテープから剥離させる際、樹脂発泡体の強度に対して粘着力が高すぎると、樹脂発泡体が破壊されてしまう場合がある。
例えば、高い独立気泡率(例えば80%以上)を有する発泡体(例えば、平滑な表面を有する独立気泡率が高い発泡体(特許文献1)など)は、発泡体そのものの強度が非常に高く、剥離時に破壊の懸念は非常に小さい。また、同様に、柔軟性の低い硬い発泡体(例えば25%圧縮荷重が4.00N/cm2の柔軟性を有する発泡体)(特許文献2参照)も剥離時に破壊の懸念は非常に小さい。しかし、独立気泡率の低い連続気泡構造又は半連続半独立気泡構造を有する柔軟な(例えば25%圧縮荷重が1.50N/cm2程度の柔軟性)樹脂発泡体は、例えば熱可塑性樹脂に、高圧の不活性ガス(例えば超臨界状態の二酸化炭素など)を含浸させた後、減圧された工程を経て形成された高発泡倍率の発泡体などであるが、発泡体そのものの強度が小さいことから、剥離時の破壊が生じやすい。また、高発泡倍率の発泡体であると、貼り合わせ面に空孔が多数存在しキャリアテープとの密着面積が稼げず粘着力が低くなり加工時のズレや貼り合わせ時のズレなどの問題が発生している。特に、近年携帯機器の大画面化、薄型化に伴い柔軟性の高い発泡体の要求が高まってきており、キャリアテープに対する高い粘着力と良好な剥離性を有する柔軟な発泡体が求められている。
一方、樹脂発泡体の接着性やシール性を向上させるために、樹脂発泡体の表面に樹脂層を設けることは知られている。例えば、シール性の向上を目的として、独立気泡と連続気泡の両気泡を有するゴム発泡体の上下面の一方に、ゴム発泡体より柔らかい軟質被膜が設けられた発泡体が知られている(特許文献3参照)。また、ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面に熱可塑性重合体組成物からなる層を形成し、その層上に極性重合体よりなる表面処理層を施すことで、強靱性、耐傷つけ性、耐摩耗性などが優れている発泡体が提案されている(特許文献4参照)。さらに、発泡体表面をポリクロロプレン系接着剤組成物で処理された発泡体(特許文献5参照)や、発泡体表面に易水溶層(ポリビニルアルコール層など)が設けられた発泡体(特許文献6参照)などが提案されている。これらは、いずれも発泡体に異なる材料を積層するものであって、発泡体の物性を変えるおそれがあり、またその製造工程も煩雑なものであった。
特開2003−53764号公報 特開2009−221237号公報 特開平9−131822号公報 特開2003−136647号公報 特開平5−24143号公報 特開平10−37328号公報
従って、本発明の目的は、柔軟性に優れる発泡体であり、なおかつ、キャリアテープから剥離させる際のフォーム破壊を抑制又は防止することができ、キャリアテープに保持しての加工性及び搬送性、さらに組み付け性に優れる樹脂発泡体を提供することにある。さらには、該樹脂発泡体を含む発泡部材を提供することにある。
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、樹脂発泡体において、25%圧縮荷重(JIS K 6767に基づく)を調整すると高い柔軟性を得ることができ、さらに、表面から内部に至る全体の樹脂組成を同一とし、所定の光沢度である表面を設けると、キャリアテープから剥離させる際などにおいてフォーム破壊を抑制又は防止することができ、さらにキャリアテープに保持しての加工性及び搬送性、さらに組み付け性にもすぐれることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、表面から内部に至る全体の樹脂組成が同一であり、60°光沢度(JIS Z 8741に基づく)が1.5以上15以下である表面を有し、25%圧縮荷重(JIS K 6767に基づく)が0.05N/cm2以上2.00N/cm2以下であり、樹脂発泡体を構成する樹脂が熱可塑性樹脂を含み、連続気泡構造又は半連続半独立気泡構造を有していることを特徴とする樹脂発泡体を提供する。
さらに、本発明は、表面が加熱溶融処理されている前記の樹脂発泡体を提供する。
さらに、本発明は、前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である前記の樹脂発泡体を提供する。
さらに、本発明は、樹脂組成物に高圧のガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成されている前記の樹脂発泡体を提供する。
さらに、本発明は、前記ガスが、不活性ガスである前記の樹脂発泡体を提供する。
さらに、本発明は、前記不活性ガスが、二酸化炭素である前記の樹脂発泡体を提供する。
さらに、本発明は、前記高圧のガスが、超臨界状態のガスである前記の樹脂発泡体を提供する。
さらにまた、本発明は、前記の樹脂発泡体を含む発泡部材を提供する。
さらに、本発明は、60°光沢度(JIS Z 8741に基づく)が1.5以上である表面が露出し、なおかつ、粘着層を有する前記の発泡部材を提供する。
さらに、本発明は、電気又は電子機器用として用いられている前記の発泡部材を提供する。
さらにまた、本発明は、前記の発泡部材が、基材の少なくとも片面に粘着剤層を有するキャリアテープにより、発泡部材の60°光沢度(JIS Z 8741に基づく)が1.5以上である表面とキャリアテープの粘着剤層とが接触する形態で、保持されていることを特徴とする発泡部材積層体を提供する。
さらにまた、本発明は、前記の発泡部材が用いられていることを特徴とする電子又は電気機器類を提供する。
本発明の樹脂発泡体によれば、25%圧縮荷重(JIS K 6767に基づく)が特定の値以下に調整されているので高い柔軟性を有し、なおかつ、表面から内部に至る全体の樹脂組成が同一であり、60°光沢度(JIS Z 8741に基づく)が特定の値以上である表面を有するので、キャリアテープから剥離させる際のフォーム破壊を抑制又は防止することができ、さらにキャリアテープに保持しての加工性及び搬送性、組み付け性に優れる。
本発明の樹脂発泡体は、表面から内部に至る全体の樹脂組成が同一である。本発明の樹脂発泡体で表面から内部に至る全体の樹脂組成が同一であるとは、二以上の原料樹脂組成物により形成されることなく、一の原料樹脂組成物により形成されていることを意味する。なお、「樹脂組成が同一」には、樹脂発泡体中の樹脂組成が均一な場合に加えて、一つの原料樹脂組成物から樹脂発泡体を形成する際の不可避的な変化に伴って樹脂組成に傾斜が生じる場合を含む。本願において、「60°光沢度(JIS Z 8741に基づく)」を、単に「60°光沢度」と称する場合がある。また、「25%圧縮荷重」(JIS K 6767に基づく)を、単に「25%圧縮荷重」と称する場合がある。さらに、「原料樹脂組成物」を単に「樹脂組成物」と称する場合がある。
本発明の樹脂発泡体は、単一の原料樹脂組成物により形成される樹脂発泡体である。例えば、本発明の樹脂発泡体が二種以上の樹脂組成物を混合して得られる混合樹脂組成物により形成される場合、結果として一の原料樹脂組成物により形成されるので、表面から内部に至る全体の樹脂組成は同一である。
本発明の樹脂発泡体は、樹脂組成物を発泡・成形することを経て形成される。好ましくは、本発明の樹脂発泡体は、樹脂組成物を発泡・成形してから表面処理を施すことにより形成される
なお、原料樹脂組成物(樹脂組成物)は、樹脂発泡体の形成ために用いられる組成物であり、素材としての樹脂と、必要に応じて添加される添加剤等とを、混合することにより得ることができる。
本発明の樹脂発泡体の形状は、特に制限されないが、シート状(フィルム状を含む)が好ましい。
本発明の樹脂発泡体において、25%圧縮荷重は、2.00N/cm2以下であり、好ましくは1.70N/cm2であり、より好ましくは1.50N/cm2以下である。樹脂発泡体の25%圧縮荷重が2.00N/cm2を超えると、樹脂発泡体がシール時に筐体や部材を変形させるおそれがある。なお、25%圧縮荷重は0.05N/cm2以上(特に好ましくは0.10N/cm2以上)であることが好ましい。特に、電気又は電子機器用途に用いる場合、発泡部材が適用されるクリアランス(間隔)は、例えば0.05〜0.75mm程度と狭いことが多く、25%圧縮荷重が2.00N/cm2を超えると、このようなクリアランスに追従できず、樹脂発泡体がシール時に筐体や部材を変形させるおそれがある。
本発明の樹脂発泡体において、25%圧縮荷重は、例えば、(a)樹脂発泡体の素材である熱可塑性樹脂の種類(例えば、デュロA硬度(JIS K 6253)が20〜90以内であること)の選定や、(b)樹脂組成物の発泡条件を選択し、高い発泡倍率(好ましくは5倍以上、さらに好ましくは10倍以上)にすることや半連続気泡構造や連続気泡構造といった独立気泡構造率の低い構造にすることにより調整できる。なお、樹脂発泡体の発泡倍率は、発泡前の樹脂密度を樹脂発泡体の密度(見掛け密度)にて割った(除した)ものを指す。
本発明の樹脂発泡体は、60°光沢度が1.5以上(好ましくは1.6以上、より好ましく1.7以上)である表面を有する。本発明の樹脂発泡体は、その加工や搬送の際にキャリアテープが使用されることがあるが、60°光沢度が1.5以上である表面がキャリアテープに貼付され、キャリアテープに保持されることが好ましい。60°光沢度が1.5未満であると、キャリアテープに保持しての加工や搬送の際に必要なキャリアテープとの間の密着性及び加工や搬送された後にキャリアテープから剥離する際に必要なフォーム破壊抑止性の両立が困難となることがある。さらに、良好な組み付け性(加工後や搬送後の樹脂発泡体をスムーズにキャリアテープから剥がして筐体や部材の任意の部位にスムーズに組み込むこと、転写性)を発揮できないことがある。また、本発明の樹脂発泡体は、60°光沢度が15以下(特に好ましくは10以下)である表面を有することが好ましい。なお、本願では、「60°光沢度が1.5以上である表面」を「特定の表面」と称する場合がある。
樹脂発泡体表面の光沢度は樹脂発泡体表面の形状に起因しており、表面に凹凸を有していると入射光が乱反射するので光沢度は低くなる。すなわち、光沢度が低い表面は、その表面が凹凸構造を有しており、粗いことを意味する。光沢度の低い、すなわち表面に凹凸構造を有する樹脂発泡体(表面が粗い樹脂発泡体)をキャリアテープに貼付すると、キャリアテープに対する接着面積が小さく(すなわち、樹脂発泡体とキャリアテープとが点でくっついているだけの状態になる)、樹脂発泡体のキャリアテープにくっついている部分付近は非常に脆くなり、さらにキャリアテープに対する接着面積が小さい結果キャリアテープからの剥離時に力が集中しやすくなる。よって、光沢度の低い樹脂発泡体は、樹脂発泡体をキャリアテープから剥離する際にフォーム破壊(樹脂発泡体の破壊、セル壁の破壊)が生じ、剥離後のキャリアテープにその残渣が付着しやすくなると予測される。一方、光沢度の高い、すなわち表面が平滑な樹脂発泡体をキャリアテープに貼付すると、キャリアテープに対する接着面積が大きく(すなわち、樹脂発泡体とキャリアテープとが面でくっついている状態になる)、キャリアテープに対する接着面積が大きい結果キャリアテープからの剥離時に力が集中することはない。よって、光沢度の高い樹脂発泡体は、樹脂発泡体をキャリアテープから剥離する際に、フォーム破壊が発生しにくいと予測される。
本発明の樹脂発泡体の表面の60°光沢度は、例えば、樹脂組成物を発泡・成形した後に施される表面処理により調整される。より具体的には、表面の60°光沢度は、表面処理として加熱溶融処理を行う場合、処理温度や処理時間を選択することにより、調整される。
本発明の樹脂発泡体では、全表面が特定の表面であってもよいし、表面が部分的に特定の表面であってもよい。前記のように本発明の樹脂発泡体はシート状の形状であることが好ましいが、本発明の樹脂発泡体がシート状である場合、少なくとも一方の面が特定の表面であることが好ましい。
本発明の樹脂発泡体の気泡構造は、特に制限されず、独立気泡構造、半連続半独立気泡構造(独立気泡構造と連続気泡構造とが混在している気泡構造であり、その割合は特に制限されない)、連続気泡構造の何れであってもよい。特に、本発明の樹脂発泡体では、より良好な柔軟性を得る点から、連続気泡構造又は半連続半独立気泡構造の気泡構造を有していることが好ましい。なお、半連続半独立気泡構造としては、例えば、気泡構造中の独立気泡構造部が40%以下(好ましくは30%以下)となっている気泡構造が挙げられる。
本発明の樹脂発泡体の気泡構造は、樹脂発泡体の素材である熱可塑性樹脂の種類に応じて、樹脂発泡体形成の際の発泡方法や発泡条件(例えば、発泡剤の種類や量、発泡の際の温度や圧力や時間など)を選択することにより調整できる。
本発明の樹脂発泡体の密度(見掛け密度)は、使用目的などに応じて適宜設定することができるが、0.20g/cm3以下(好ましくは0.15g/cm3以下、さらに好ましくは0.13g/cm3以下)であることが好ましい。なお、樹脂発泡体の密度の下限としては、0.02g/cm3以上(好ましくは0.03g/cm3以上)であることが好ましい。発泡体層の密度が0.20g/cm3を超えると、発泡が不十分となり、柔軟性が損なわれるおそれがある。一方、0.02g/cm3未満であると、樹脂発泡体の強度が著しく低下する場合があり好ましくない。
樹脂発泡体の密度は、以下のようにして求められる。40mm×40mmの打抜き刃型にて、樹脂発泡体を打抜き、打抜いた試料の寸法を測定する。また、測定端子の直径(φ)20mmである1/100ダイヤルゲージにて厚みを測定する。これらの値から樹脂発泡体の体積を算出する。次に、樹脂発泡体の重量を最小目盛り0.01g以上の上皿天秤にて測定する。これらの値より樹脂発泡体の密度(g/cm3)を算出する。
本発明の樹脂発泡体において、密度は、樹脂発泡体の素材である熱可塑性樹脂の種類に応じて、樹脂発泡体形成の際の発泡方法や発泡条件(例えば、発泡剤の種類や量、発泡の際の温度や圧力や時間など)を選択することにより調整できる。
本発明の樹脂発泡体は、表面層と発泡体層とを有することが好ましい。本発明の樹脂発泡体の表面層とは、樹脂発泡体表面から5〜75μmの高さの層状領域であり、発泡体層とは異なり、気泡がつぶれ、緻密な構造を有する層状部分である。また、本発明の樹脂発泡体の発泡体層とは、気泡が分布した構造を有する部分であり、樹脂発泡体のほぼ全体を占める層状部分である。
本発明の樹脂発泡体がシート状である場合、両面側に表面層を有していてもよいし、片面側のみに表面層を有していてもよい。なお、本発明の樹脂発泡体が、シート状であり、両面側に表面層を有する場合、両方の表面層の表面の60°光沢度が1.5以上であってもよいし、また、一方の表面層の表面の60°光沢度のみが1.5以上であってもよい。なお、本願では、「表面の60°光沢度が1.5以上である表面層」を「特定の表面層」と称する場合がある。
なお、本発明の樹脂発泡体は、シート状であって表面層と発泡体層とを有する場合、特定の表面層側がキャリアテープに貼付され、キャリアテープに保持されることが好ましい。
上述のように、本発明の樹脂発泡体は、60°光沢度が1.5以上である表面(特定の表面)をキャリアテープに貼付し、キャリアテープに保持した状態で樹脂発泡体の加工や搬送が行われることがあるが、このような搬送や加工時に、キャリアテープが樹脂発泡体を保持する挙動は、低速での剥離現象に関係している。このため、本発明の樹脂発泡体では、キャリアテープに保持した状態での樹脂発泡体の加工や搬送の際に、キャリアテープからの部分的な剥離、キャリアテープからの脱落、キャリアテープからのズレなどを防止する点から、低速剥離条件(23℃、50%RH、引張速度:0.3m/min、剥離角度:180°の条件)下での特定の表面のキャリアテープに対する粘着力(低速剥離力)は、0.30N/20mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.32N/20mm以上である。
また、本発明の樹脂発泡体は、特定の表面をキャリアテープに貼付して、キャリアテープに保持した状態で樹脂発泡体の加工や搬送を行った後にキャリアテープから剥離されるが、樹脂発泡体がキャリアテープから剥離される際の挙動は、高速での剥離現象に関係している。この高速での剥離(高速剥離)では、キャリアテープと樹脂発泡体の特定の表面との界面で剥離する界面剥離の状態で剥離されなければならない。また、キャリアテープから樹脂発泡体を剥離する際には、フォーム破壊を抑制又は防止する必要がある。さらに、組み付け性も求められる。このため、本発明の樹脂発泡体では、高速剥離条件(23℃、50%RH、引張速度:10m/min、剥離角度:180°の条件)下での特定の表面のキャリアテープに対する粘着力(高速剥離力)は、0.25N/20mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.23N/20mm以下であり、さらにより好ましくは0.20N/20mm以下である。
本発明の樹脂発泡体の特定の表面の低速剥離力及び高速剥離力は、例えば、樹脂組成物を発泡・成形した後に施される表面処理により調整される。より具体的には、表面処理として加熱溶融処理を行う場合、処理温度や処理時間を選択することにより、調整される。
本発明の樹脂発泡体の厚みは、特に制限されず、用途などに応じて適宜選択することができる。例えば、樹脂発泡体の厚みとしては、0.2〜5mm(好ましくは0.3〜3mm)の範囲から選択することができる。
本発明の樹脂発泡体の素材である熱可塑性樹脂(熱可塑性ポリマー)としては、熱可塑性を示すポリマーであって、ガス(気泡を形成するガス)を含浸可能なものであれば特に制限されない。すなわち、本発明の樹脂発泡体を構成する樹脂は熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレン又はプロピレンと他のα−オレフィン(例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1など)との共重合体、エチレンと他のエチレン性不飽和単量体(例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコールなど)との共重合体などのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリアミドイミド;ポリウレタン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリフッ化ビニル;アルケニル芳香族樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。熱可塑性樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、熱可塑性樹脂が共重合体である場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれの形態の共重合体であってもよい。
前記の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、分子量分布が広く且つ高分子量側にショルダーを持つタイプの樹脂、微架橋タイプの樹脂(若干架橋されたタイプの樹脂)、長鎖分岐タイプの樹脂などを用いることが好ましい。
前記の熱可塑性樹脂には、ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分も含まれる。ゴム成分や熱可塑性エラストマー成分は、例えば、ガラス転移温度が室温以下(例えば20℃以下)であるため、樹脂発泡体や発泡部材としたときの柔軟性及び形状追随性に著しく優れる。
前記のゴム成分あるいは熱可塑性エラストマー成分としては、ゴム弾性を有し、発泡可能なものであれば特に制限はなく、例えば、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルブチルゴムなどの天然又は合成ゴム;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、及びそれらの水素添加物などのスチレン系エラストマー;ポリエステル系エラストマー;ポリアミド系エラストマー;ポリウレタン系エラストマーなどの各種熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらのゴム成分あるいは熱可塑性エラストマー成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分としては、オレフィン系エラストマーを好適に用いることができる。なお、オレフィン系エラストマーは、ポリエチレンやポリプロピレンのようなオレフィン系樹脂成分と、エチレン−プロピレンゴムやエチレン−プロピレン−ジエンゴムのようなオレフィン系ゴム成分とがミクロ相分離した構造を有している。また、各成分を物理的に分散させたタイプや架橋剤の存在下、動的に熱処理したタイプであってもよい。さらに、オレフィン系エラストマーは、前記の熱可塑性樹脂として例示されているポリオレフィン系樹脂との相溶性が良好である。
このように、本発明の樹脂発泡体では、樹脂発泡体を構成する樹脂はポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
特に、本発明の樹脂発泡体では、前記の熱可塑性樹脂(前記のゴム成分あるいは熱可塑性エラストマー成分を除く前記の熱可塑性樹脂)とともに、前記のゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分を含むことが好ましい。その割合としては、特に制限されないが、ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分の割合が少なすぎると樹脂発泡体のクッション性が低下しやすくなることがあり、一方、ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分の割合が多すぎると発泡体形成時にガス抜けが生じやすくなり、高発泡性の発泡体を得ることが困難になることがある。このため、例えば、前記のポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂(前記のオレフィン系エラストマーを除く前記のポリオレフィン系樹脂)と、前記のオレフィン系エラストマーとの混合物であるポリオレフィン系樹脂を用いる場合、混合物中のポリオレフィン系樹脂とオレフィン系エラストマーとの混合比率(重量%)は、前者/後者=1/99〜99/1(好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20)であることが好ましい。
また、本発明の樹脂発泡体では、必要に応じて、各種添加剤が配合されていてもよい。添加剤の種類は、特に限定されず、樹脂の発泡成形に通常使用される各種添加剤を用いることができる。具体的には、添加剤として、例えば、気泡核剤(後述のパウダー粒子など)、結晶核剤、可塑剤、滑剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、界面活性剤、張力改質剤、収縮防止剤、流動性改質剤、クレイ、加硫剤、表面処理剤、難燃剤(後述のパウダー状の難燃剤、パウダー状以外の各種形態の難燃剤など)などが挙げられる。添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択することができ、通常の熱可塑性樹脂の成形の際に用いられる添加量を採用することができる。
本発明の樹脂発泡体は、添加剤としてのパウダー粒子を含んでいることが好ましい。パウダー粒子は、発泡成形時の気泡核剤(発泡核剤)としての機能を発揮することができるので、パウダー粒子を配合することにより、良好な発泡状態の樹脂発泡体を得ることができるからである。このようなパウダー粒子としては、例えば、パウダー状のタルク、シリカ、アルミナ、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マイカ、モンモリナイト等のクレイ、カーボン粒子、グラスファイバー、カーボンチューブなどを用いることができる。なお、パウダー粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、前記のパウダー粒子としては、平均粒子径(粒径)が0.1〜20μmのパウダー状の粒子を好適に用いることができる。パウダー粒子の平均粒子径が0.1μm未満では核剤として十分機能しない場合があり、粒径が20μmを超えると発泡成形時にガス抜けの原因となる場合があり好ましくない。
前記のパウダー粒子の配合量としては、特に制限されないが、例えば、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.1〜150重量部(好ましくは1〜130重量部、さらに好ましくは2〜50重量部)の範囲から適宜選択することができる。パウダー粒子の配合量が0.1重量部未満であると、均一な発泡体を得ることが困難になるおそれがあり、一方、150重量部を超えると、樹脂組成物の粘度が著しく上昇するとともに、発泡形成時にガス抜けが生じてしまい、発泡特性を損なうおそれがある。
また、本発明の樹脂発泡体は、熱可塑性樹脂により構成されているため、燃えやすいという特性を有している。そのため、本発明の樹脂発泡体が用いられている発泡部材を、電気又は電子機器用途などの難燃性の付与が不可欠な用途に利用する場合、パウダー粒子として、難燃性を有しているパウダー粒子(例えば、パウダー状の各種の難燃剤など)が配合されていることが好ましい。なお、難燃剤は、難燃剤以外のパウダー粒子とともに用いることができる。
前記のパウダー状の難燃剤としては、無機難燃剤が好適である。無機難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン系難燃剤などであってもよいが、塩素系難燃剤や臭素系難燃剤は、燃焼時に人体に対して有害で機器類に対して腐食性を有するガス成分を発生し、また、リン系難燃剤やアンチモン系難燃剤は、有害性や爆発性などの問題があるため、ノンハロゲン−ノンアンチモン系無機難燃剤を好適に用いることができる。ノンハロゲン−ノンアンチモン系無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム・酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウム・酸化亜鉛の水和物等の水和金属化合物などが挙げられる。なお、水和金属酸化物は表面処理されていてもよい。また、パウダー状の難燃剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなパウダー状の難燃剤を用いる場合、その使用量としては、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂100重量部に対して、5〜130重量部(好ましくは10〜120重量部)の範囲から適宜選択することができる。使用量が少なすぎると難燃化効果が得られない場合があり、逆に多すぎると高発泡の発泡体を得ることが困難になるおそれがある。
本発明の樹脂発泡体は、前記のように、樹脂組成物を発泡・成形してから表面処理(特に表面への加熱溶融処理)を施すことにより形成されることが好ましい。特に、樹脂組成物を発泡・成形し発泡構造体を得てから、該発泡構造体に表面処理(特に表面への加熱溶融処理)を施すことにより形成されることが好ましい。この好ましい方法では、樹脂発泡体の特定の表面は、発泡構造体への表面処理の際に形成されてもよい。なお、発泡構造体は、樹脂組成物を発泡・成形することにより得られる発泡体であり、表面処理が施される前の発泡体を意味する。
また、前記のように、本発明の樹脂発泡体は表面層と発泡体層とを有することが好ましいが、かかる態様では、発泡体層と表面の60°光沢度が1.5以上である表面層(特定の表面層)とを必須の構成として有している。この態様の樹脂発泡体は、樹脂組成物を発泡・成形し発泡構造体を得てから、該発泡構造体に表面処理(特に表面への加熱溶融処理)を施すことにより形成されることが好ましい。この好ましい方法では、樹脂発泡体の特定の表面層や発泡体層は、発泡構造体への表面処理の際に形成されてもよい。
また、本発明の樹脂発泡体は、単一の原料樹脂組成物を発泡・成形してから表面処理することにより形成され、2.00N/cm2以下の25%圧縮荷重を有し、60°光沢度が1.5以上である表面を有する樹脂発泡体であってもよい。
本発明の樹脂発泡体において、樹脂組成物を発泡・成形する際に用いられる発泡方法としては、特に制限されず、例えば、物理的方法、化学的方法等の通常用いられる方法が挙げられる。一般的な物理的方法は、クロロフルオロカーボン類又は炭化水素類などの低沸点液体(発泡剤)を樹脂に分散させ、次に加熱し発泡剤を揮発することにより気泡を形成させる方法である。また、一般的な化学的方法は、樹脂に添加した化合物(発泡剤)の熱分解により生じたガスにより気泡を形成させる方法である。しかし、一般的な物理的方法は、発泡剤として用いられる物質の可燃性や毒性、及びオゾン層破壊などの環境への影響が懸念される。また、一般的な化学的方法では、発泡ガスの残渣が発泡体中に残存するため、特に低汚染性の要求が高い電子機器用途においては、腐食性ガスやガス中の不純物による汚染が問題となる。しかも、これらの物理的方法及び化学的方法では、いずれにおいても、微細な気泡構造を形成することは難しく、特に300μm以下の微細気泡を形成することは極めて困難であるといわれている。
このため、本発明では、発泡方法としては、セル径が小さく且つセル密度の高い発泡体を容易に得ることができる点から、発泡剤として高圧のガスを用いる方法が好ましく、特に発泡剤として高圧の不活性ガスを用いる方法が好ましい。なお、不活性ガスとは、樹脂組成物中の樹脂に対して不活性なガスを意味する。すなわち、本発明の樹脂発泡体の気泡構造(発泡構造)は、発泡剤として高圧の不活性ガスを用いる方法により形成されることが好ましい。より具体的には、本発明の樹脂発泡体の気泡構造は、樹脂組成物に高圧のガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成されることが好ましい。
ゆえに、本発明の樹脂発泡体において、樹脂組成物を発泡剤として高圧のガスを用いる方法により発泡・成形する方法としては、樹脂組成物に高圧のガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成する方法が好ましく、具体的には、樹脂組成物からなる未発泡成形物に高圧のガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成する方法や溶融した樹脂組成物にガスを加圧状態下で含浸させた後、減圧とともに成形に付して形成する方法などが好適な方法として挙げられる。
前記の不活性ガスとしては、樹脂発泡体の素材である樹脂に対して不活性で且つ含浸可能なものであれば特に制限されず、例えば、二酸化炭素、窒素ガス、空気などが挙げられる。これらのガスは混合して用いてもよい。これらのうち、樹脂への含浸量が多く、含浸速度の速い点から、二酸化炭素を好適に用いることができる。
さらに、樹脂組成物への含浸速度を速めるという観点から、前記高圧のガス(特に不活性ガス、さらには二酸化炭素)は、超臨界状態のガスであることが好ましい。超臨界状態では、樹脂へのガスの溶解度が増大し、高濃度の混入が可能である。また、含浸後の急激な圧力降下時には、前記のように高濃度で含浸することが可能であるため、気泡核の発生が多くなり、その気泡核が成長してできる気泡の密度が気孔率が同じであっても大きくなるため、微細な気泡を得ることができる。なお、二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.4MPaである。
本発明の樹脂発泡体において、樹脂組成物を発泡剤として高圧のガスを用いる方法により発泡・成形する方法としては、予め樹脂組成物を、シート状などの適宜な形状に成形して未発泡樹脂成形体(未発泡成形物)とした後、この未発泡樹脂成形体に、高圧のガスを含浸させ、圧力を解放することにより発泡させるバッチ方式で行ってもよく、樹脂組成物を加圧下、高圧のガスと共に混練し、成形すると同時に圧力を解放し、成形と発泡を同時に行う連続方式で行ってもよい。
本発明の樹脂発泡体において、バッチ方式で樹脂組成物を発泡・成形する際に、発泡に供する未発泡樹脂成形体を形成する方法としては、例えば、樹脂組成物を、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を用いて成形する方法;樹脂組成物を、ローラ、カム、ニーダ、バンバリ型等の羽根を設けた混練機を使用して均一に混練しておき、熱板のプレスなどを用いて所定の厚みにプレス成形する方法;樹脂組成物を、射出成形機を用いて成形する方法などが挙げられる。また、未発泡樹脂成形体は、押出成形、プレス成形、射出成形以外に、他の成形方法でも形成することもできる。さらに、未発泡樹脂成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて種々の形状を選択できるが、例えば、シート状、ロール状、板状等が挙げられる。このように、本発明の樹脂発泡体において、バッチ方式で樹脂組成物を発泡・成形する際には、所望の形状や厚さの未発泡樹脂成形体が得られる適宜な方法により樹脂組成物を成形することができる。
本発明の樹脂発泡体において、バッチ方式で樹脂組成物を発泡・成形する場合、こうして得られた未発泡樹脂成形体を耐圧容器(高圧容器)中に入れて、高圧のガス(特に不活性ガス、さらには二酸化炭素)を注入(導入)し、未発泡樹脂成形体中に高圧のガスを含浸させるガス含浸工程、十分に高圧のガスを含浸させた時点で圧力を解放し(通常、大気圧まで)、樹脂中に気泡核を発生させる減圧工程、場合によっては(必要に応じて)、加熱することによって気泡核を成長させる加熱工程を経て、樹脂中に気泡を形成させる。なお、加熱工程を設けずに、室温で気泡核を成長させてもよい。このようにして気泡を成長させた後、必要により冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化してもよい。また、高圧のガスの導入は連続的に行ってもよく不連続的に行ってもよい。なお、気泡核を成長させる際の加熱の方法としては、ウォーターバス、オイルバス、熱ロール、熱風オーブン、遠赤外線、近赤外線、マイクロ波などの公知乃至慣用の方法を採用できる。
本発明の樹脂発泡体において、連続方式での樹脂組成物の発泡・成形としては、より具体的には、樹脂組成物を、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して混練しながら、高圧のガス(特に不活性ガス、さらには二酸化炭素)を注入(導入)し、十分に高圧のガスを樹脂組成物に含浸させる混練含浸工程、押出機の先端に設けられたダイスなどを通して樹脂組成物を押し出すことにより圧力を解放し(通常、大気圧まで)、成形と発泡を同時に行う成形減圧工程により発泡・成形することが挙げられる。また、連続方式での樹脂組成物の発泡・成形の際には、必要に応じて、加熱することによって気泡を成長させる加熱工程を設けてもよい。このようにして気泡を成長させた後、必要により冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化してもよい。また、高圧のガスの導入は連続的に行ってもよく不連続的に行ってもよい。さらに、上記混練含浸工程及び成形減圧工程では、押出機のほか、射出成形機などを用いて行うこともできる。なお、気泡核を成長させる際の加熱の方法としては、ウォーターバス、オイルバス、熱ロール、熱風オーブン、遠赤外線、近赤外線、マイクロ波などの公知乃至慣用の方法を採用できる。
本発明の樹脂発泡体において、樹脂組成物の発泡・成形する際のガスの混合量は、特に制限されないが、例えば、樹脂組成物中の樹脂成分全量に対して2〜10重量%である。
本発明の樹脂発泡体において、樹脂組成物の発泡・成形する際のバッチ方式におけるガス含浸工程や連続方式における混練含浸工程で、ガスを未発泡樹脂成形体や樹脂組成物に含浸させるときの圧力は、ガスの種類や操作性等を考慮して適宜選択できるが、例えば、ガスとして不活性ガスを、特に二酸化炭素を用いる場合には、6MPa以上(例えば、6〜100MPa)、好ましくは8MPa以上(例えば、8〜100MPa)とするのがよい。ガスの圧力が6MPaより低い場合には、発泡時の気泡成長が著しく、気泡径が大きくなりすぎ、例えば、防塵効果が低下するなどの不都合が生じやすくなり、好ましくない。これは、圧力が低いとガスの含浸量が高圧時に比べて相対的に少なく、気泡核形成速度が低下して形成される気泡核数が少なくなるため、1気泡あたりのガス量が逆に増えて気泡径が極端に大きくなるからである。また、6MPaより低い圧力領域では、含浸圧力を少し変化させるだけで気泡径、気泡密度が大きく変わるため、気泡径及び気泡密度の制御が困難になりやすい。
また、本発明の樹脂発泡体において、樹脂組成物の発泡・成形する際のバッチ方式におけるガス含浸工程や連続方式における混練含浸工程で、高圧のガスを未発泡樹脂成形体や樹脂組成物に含浸させるときの温度は、用いるガスや樹脂の種類等によって異なり、広い範囲で選択できるが、操作性等を考慮した場合、例えば、10〜350℃である。例えば、バッチ方式において、シート状の未発泡樹脂成形体に高圧のガスを含浸させる場合の含浸温度は、10〜250℃が好ましく、より好ましくは40〜240℃であり、さらにより好ましくは60〜230℃である。また、連続方式において、樹脂組成物に高圧のガスを注入し混練する際の温度は、60〜350℃が好ましく、より好ましくは100〜320℃であり、さらにより好ましくは150〜300℃である。なお、高圧のガスとして二酸化炭素を用いる場合には、超臨界状態を保持するため、含浸時の温度(含浸温度)は32℃以上(特に40℃以上)であることが好ましい。
さらに、本発明の樹脂発泡体において、バッチ方式や連続方式で樹脂組成物を発泡・成形する際の減圧工程での減圧速度は、特に限定されないが、均一な微細気泡を得るため、好ましくは5〜300MPa/秒である。さらにまた、加熱工程での加熱温度は、例えば、40〜250℃(好ましくは60〜250℃)である。
また、本発明の樹脂発泡体において、樹脂組成物の発泡・成形する際に前記の方法を用いると、高発泡の樹脂発泡体を製造することができ、厚い樹脂発泡体を製造することができるという利点を有する。例えば、連続方式で樹脂組成物の発泡・成形する場合、混練含浸工程において押出し機内部での圧力を保持するためには、押出し機先端に取り付けるダイスのギャップを出来るだけ狭く(通常0.1〜1.0mm程度)する必要がある。従って、厚い樹脂発泡体を得るためには、狭いギャップを通して押出された樹脂組成物を高い倍率で発泡させなければならないが、従来は、高い発泡倍率が得られないことから、形成される樹脂発泡体の厚みは薄いもの(例えば0.5〜2.0mm)に限定されてしまっていた。これに対して、高圧のガスを用いて樹脂組成物を発泡・成形すれば、最終的な厚みで0.50〜5.00mmの樹脂発泡体を連続して得ることが可能である。
本発明の樹脂発泡体において、このような厚い樹脂発泡体を得るためには、相対密度[発泡後の密度/未発泡状態での密度(例えば、樹脂組成物の密度や未発泡成形物の密度など)]が0.02〜0.30(好ましくは0.03〜0.25)であることが望ましい。前記相対密度が0.30を超えると発泡が不十分であり、柔軟性の点で不具合を生じる場合があり、また0.02未満では樹脂発泡体の強度が著しく低下する場合があり好ましくない。
なお、上記の相対密度は、用いるガス、熱可塑性樹脂やゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分などの種類に応じて、例えば、ガス含浸工程や混練含浸工程における温度、圧力、時間などの操作条件、減圧工程や成形減圧工程における減圧速度、温度、圧力などの操作条件、減圧後又は成形減圧後の加熱工程における加熱温度などを適宜選択、設定することにより調整することができる。
本発明の樹脂発泡体は、前記のように、好ましくは樹脂組成物を発泡・成形してから表面処理を施すことにより形成され、特に好ましくは樹脂組成物を発泡・成形し発泡構造体を得てから、該発泡構造体に表面処理を施すことにより形成されるが、該表面処理としては、表面から内部に至る全体の樹脂組成を同一とすることができる限り特に制限されないが、他の材料との相性を考慮する必要がなく、厚みの変化が少ないことから、加熱溶融処理が好ましい。
前記の加熱溶融処理としては、特に限定されないが、例えば、熱ロールによるプレス処理、レーザー照射処理、加熱されたロール上での接触溶融処理、フレーム処理等が挙げられる。
熱ロールによるプレス処理の場合、熱ラミネーターなどを用いて好適に処理を行うことができる。なお、ロールの材質としては、ゴム、金属、フッ素系樹脂(例えば、テフロン(登録商標))などが挙げられる。
加熱溶融処理の温度は、特に制限されないが、樹脂発泡体を構成する樹脂の軟化点又は融点より15℃低い温度(より好ましくは樹脂発泡体を構成する樹脂の軟化点又は融点より12℃低い温度)以上であること好ましく、また、樹脂発泡体を構成する樹脂の軟化点又は融点より20℃高い温度(より好ましくは樹脂発泡体を構成する樹脂の軟化点又は融点より10℃高い温度)以下であることが好ましい。加熱溶融処理の際の温度が、樹脂発泡体を構成する樹脂の軟化点又は融点より15℃低い温度より低いと、樹脂の溶融が進まない場合がある。一方、加熱溶融処理の際の温度が、樹脂発泡体を構成する樹脂の軟化点又は融点より20℃高い温度より高いと、気泡構造の収縮を起こし、シワなどの問題が発生する場合がある。
加熱溶融処理の処理時間としては、処理温度にもよるが、例えば、0.1秒〜10秒が好ましく、好ましくは0.5秒〜7秒である。時間が短すぎると、表面の溶融が進まず、特定の表面や特定の表面層の形成不良を生じたり、所望の60°光沢度に調整できないことがある。一方、時間が長すぎると、発泡体の収縮を起こし、シワなどの問題が発生する場合がある。
また、本発明の樹脂発泡体は、用いられる部位に合わせた種々の形状に加工されていてもよい。この際、樹脂発泡体をキャリアテープに貼着させた状態で(すなわち、樹脂発泡体をキャリアテープにより保持させて、発泡部材積層体として)、加工や搬送などを行うことができる。
特に、本発明の樹脂発泡体は、特定の表面を有するので、高発泡倍率を有する樹脂発泡体であっても、特定の表面とキャリアテープに接する形態でキャリアテープに保持しての加工性や搬送性に優れ、さらに加工や搬送された後にキャリアテープから剥離する際のフォーム破壊抑止性及び組み付け性(転写性)に優れる。
(発泡部材)
本発明の発泡部材は、前記樹脂発泡体を含む部材である。発泡部材の形状は、特に制限されないが、シート状(フィルム状を含む)が好ましい。また、発泡部材は、例えば、樹脂発泡体のみからなる構成であってもよいし、樹脂発泡体に他の層(特に粘着層(粘着剤層)、基材層など)が積層されている構成であってもよい。
本発明の発泡部材は、キャリアテープに保持しての加工性や搬送性、キャリアテープに保持された状態で加工や搬送された後にキャリアテープから剥離する際におけるフォーム破壊抑止性及び組み付け性などの対キャリアテープ特性の点から、60°光沢度が1.5以上である表面(特定の表面)を有することが好ましい。特に、発泡部材が樹脂発泡体に他の層が積層されている構成を有する場合、特定の表面が露出していることが好ましい。
また、本発明の発泡部材は、粘着層を有することが好ましい。発泡部材が粘着層を有していると、例えば、発泡部材上に粘着層を介して加工用台紙を設けることができ、また、被着体へ固定ないし仮止めすることができる。
前記粘着層を形成する粘着剤としては、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤(天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤など)、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤を適宜選択して用いることができる。粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、粘着剤は、エマルジョン系粘着剤、溶剤系粘着剤、ホットメルト型粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固系粘着剤などのいずれの形態の粘着剤であってもよい。中でも、粘着剤としては、被着体への汚染防止などの観点から、アクリル系粘着剤が好適である。
前記の粘着層の厚みは、2〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜100μmである。粘着層は、薄層であるほど、端部のゴミや埃の付着を防止する効果が高いため、厚みは薄い方が好ましい。なお、粘着層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。
本発明の発泡部材において、前記の粘着層は、他の層(下層)を介して、設けられていてもよい。このような下層としては、例えば、他の粘着層、中間層、下塗り層、基材層(特にフィルム層や不織布層など)などが挙げられる。さらに、前記の粘着層は、剥離フィルム(セパレーター)(例えば、剥離紙、剥離フィルムなど)により保護されていてもよい。
本発明の発泡部材は、所望の形状や厚みなどを有するように加工が施されていてもよい。例えば、用いられる装置や機器、筐体、部材等に合わせて種々の形状に加工が施されていてもよい。
本発明の発泡部材は、各種部材又は部品を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる部材(例えば、防塵材、シール材、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等)として好適に用いられる。特に、本発明の発泡部材は、電気又は電子機器において、電気又は電子機器を構成する部品を所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる部材(例えば、防塵材、シール材、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等)として好適に用いられる。
すなわち、本発明の発泡部材は、電気又は電子機器用として好適に用いられる。つまり、本発明の発泡部材は、電気又は電子機器用発泡部材であってもよい。
前記の発泡部材を利用して取付(装着)可能な各種部材又は部品としては、特に制限されないが、例えば、電気又は電子機器類における各種部材又は部品などが好ましく挙げられる。このような電気又は電子機器用の部材又は部品としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に装着される画像表示部材(特に、小型の画像表示部材)や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等の移動体通信の装置に装着されるカメラやレンズ(特に、小型のカメラやレンズ)等の光学部材又は光学部品などが挙げられる。
また、前記の発泡部材は、トナーカートリッジからトナーが漏れることを防ぐ際の防塵材としても用いることができる。このように、発泡部材を利用して取付可能なトナーカートリッジとしては、複写機やプリンターなどの画像形成装置に使用されるトナーカートリッジなどが挙げられる。
(発泡部材積層体)
本発明の発泡部材積層体は、前記の発泡部材、及び、基材の少なくとも片面に粘着剤層を有するキャリアテープにより構成され、なおかつ、前記の発泡部材が、キャリアテープにより、発泡部材の特定の表面とキャリアテープの粘着剤層とが接触する形態で、保持されている。
このように、発泡部材積層体は、発泡部材がキャリアテープの粘着面に貼着された構成を有しているので、発泡部材を、キャリアテープ上に粘着面に貼着させた状態で、加工や搬送等を行うことができ、しかも、特定の表面がキャリアテープの粘着面に貼着されているので、発泡部材を使用する際には、フォーム破壊を抑制又は防止して、発泡部材をキャリアテープより容易に剥離させることができる。
前記キャリアテープは、特に制限されないが、少なくとも1つの粘着剤層を有し、前記の発泡部材(特に発泡部材の特定の表面)に対して、発泡部材の加工や搬送時には保持するのに十分な程度の粘着力(接着力)を発揮し、一方、発泡部材の剥離時には、表面を破壊することなく、容易に剥離できる程度の粘着力(接着力)を発揮できることが重要である。
従って、キャリアテープとしては、各種粘着剤による粘着剤層を有している粘着テープ又はシートを用いることができ、特に、前記の発泡部材(特に前記の発泡部材の特定の表面)との接着性および剥離性を両立する観点から、(メタ)アクリル系アルキルエステルを粘着剤の主成分とするアクリル系粘着剤によるアクリル系粘着剤層を有しているアクリル系粘着テープ又はシートを好適に用いることができる。このような粘着テープ又はシートとしては、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された構成の基材付きタイプの粘着テープ又はシート、粘着剤層のみにより形成された構成の基材レスタイプの粘着テープ又はシートのいずれの構成を有していてもよい。
なお、粘着剤層を形成する粘着剤において、アクリル系粘着剤以外の粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤(天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤など)、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などが挙げられる。粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。粘着剤は、エマルジョン系粘着剤、溶剤系粘着剤、ホットメルト型粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固系粘着剤などのいずれの形態の粘着剤であってもよい。
また、粘着テープ又はシートにおける基材としては、特に制限されず、例えば、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な薄葉体を用いることができる。
なお、キャリアテープとしての粘着テープ又はシートにおける基材や粘着剤層の厚さ等は特に制限されない。
本発明の発泡部材積層体を用いて、発泡部材に所定の形状となるように加工を施した後、キャリアテープより発泡部材を剥離させることにより、発泡部材を単離させることができる。このように単離された発泡部材は、発泡部材とキャリアテープとの界面で剥離が生じて剥離されており、発泡部材の発泡体中で破壊が生じるフォーム破壊が殆ど又は全く生じておらず、良好な発泡構造を保持しており、しかも所定の形状に加工されている。そのため、発泡部材積層体を用いて加工されて単離された発泡部材は、各種部材又は部品を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる防塵材、シール材、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等として有用である。特に、発泡部材は、小型の部材又は部品を、薄型化の製品に装着する際であっても好適に用いることができる。
(電気又は電子機器類)
本発明の電気又は電子機器類は、前記の発泡部材が用いられた構成を有している。電気又は電子機器類において、前記の発泡部材は、例えば、防塵材、シール材、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等として用いられている。このような電気又は電子機器類は、電気又は電子機器用の部材又は部品が、前記の発泡部材を介して所定の部位に取り付けられた(装着された)構成を有している。具体的には、電気又は電子機器類としては、光学部材又は部品としての液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置(特に、小型の画像表示部材が光学部材として装着されている画像表示装置)や、カメラやレンズ(特に、小型のカメラ又はレンズ)が、前記の樹脂発泡体や発泡部材を介して装着された構成を有している電気又は電子機器類(例えば、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等の移動体通信の装置など)が挙げられる。このような電気又は電子機器類は、従来より薄型化の製品であってもよく、その厚みや形状などは特に制限されない。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(樹脂発泡体の製造例1)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR):0.35g/10min]:40重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、カーボンブラック(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):6重量部、及び、パウダー状の難燃剤としての水酸化マグネシウム(平均粒子径:0.7μm):10重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。なお、ペレットの軟化点は155℃であった。また、その密度は、0.95g/cm3であった。
このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、22(注入後19)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、半連続半独立気泡構造を有するシート状樹脂発泡体を得た。
この樹脂発泡体において、見掛け密度は0.05g/cm3であり、厚みは2.0mmであり、発泡倍率は19倍であった。そして、この樹脂発泡体をスライスして、厚さが0.6mmの樹脂発泡体(樹脂発泡体(A)と称する場合がある)を得た。なお、樹脂発泡体(A)の25%圧縮荷重は、1.15N/cm2であった。
(実施例1)
前記の樹脂発泡体(A)を、誘電発熱ロール(トクデン社製)を用いて、149℃の熱ロールに3.0秒間接触させることにより、前記の樹脂発泡体(A)の一方の表面について表面熱溶融処理を行った。そして、60°光沢度が2.3である表面を有する樹脂発泡体を得た。
(実施例2)
前記の樹脂発泡体(A)を、熱ロールに7.0秒間接触させたこと以外は、実施例1と同様にして、前記の樹脂発泡体(A)の一方の表面について表面熱溶融処理を行った。そして、60°光沢度が2.6である表面を有する樹脂発泡体を得た。
(実施例3)
前記の樹脂発泡体(A)を、熱ロールに4.2秒間接触させたこと以外は、実施例1と同様にして、前記の樹脂発泡体(A)の一方の表面について表面熱溶融処理を行った。そして、60°光沢度が2.4である表面を有する樹脂発泡体を得た。
(実施例4)
前記の樹脂発泡体(A)を、熱ロールに2.3秒間接触させたこと以外は、実施例1と同様にして、前記の樹脂発泡体(A)の一方の表面について表面熱溶融処理を行った。そして、60°光沢度が2.1である表面を有する樹脂発泡体を得た。
(実施例5)
前記の樹脂発泡体(A)を、147℃の熱ロールに4.2秒間接触させたこと以外は、実施例1と同様にして、前記の樹脂発泡体(A)の一方の表面について表面熱溶融処理を行った。そして、60°光沢度が1.8である表面を有する樹脂発泡体を得た。
(実施例6)
前記の樹脂発泡体(A)を、151℃の熱ロールに接触させたこと以外は、実施例1と同様にして、前記の樹脂発泡体(A)の一方の表面について表面熱溶融処理を行った。そして、60°光沢度が2.2である表面を有する樹脂発泡体を得た。
(比較例1)
前記の樹脂発泡体(A)をそのまま用いた。表面の60°光沢度は0.8であった。
(比較例2)
前記の樹脂発泡体(A)を、147℃の熱ロールに3.0秒間接触させたこと以外は、実施例1と同様にして、前記の樹脂発泡体(A)の一方の表面について表面熱溶融処理を行った。そして、60°光沢度が1.2である表面を有する樹脂発泡体を得た。
(比較例3)
前記の樹脂発泡体(A)を、熱ロールに1.4秒間接触させたこと以外は、実施例1と同様にして、前記の樹脂発泡体(A)の一方の表面について表面熱溶融処理を行った。そして、60°光沢度が1.3である表面を有する樹脂発泡体を得た。
(評価)
実施例及び比較例について、下記の測定方法又は評価方法により、粘着力、フォーム破壊の有無、表面の60°光沢度、及び25%圧縮荷重を測定又は評価した。その結果を表1に示した。
(粘着力)
樹脂発泡体(幅:20mm×長さ:120mm)を、温度:23±2℃、湿度:50±5%RHの雰囲気下にて24時間以上保管した後(前処理条件はJIS Z 0237に準じる)、幅:30mm×長さ:120mmのキャリアテープ(商品名「SPV−AM−500」日東電工社製、基材付き片面粘着テープ)の粘着剤層表面に、表面熱溶融処理が施されている面(比較例1は表面熱溶融処理が施されていないので、どちらの面でもよい)とキャリアテープの粘着剤表面とが接する形態で、2kgローラ、1往復の条件で圧着し、24時間放置して、測定用サンプルとした。
測定用サンプルのキャリアテープ基材側の面を、測定時に支持板(例えば厚さ2mmのベークライト板など)からの浮きや剥がれが生じないように、強粘着の両面粘着テープ(商品名「No.500」日東電工社製)を介して、支持板上に固定し、キャリアテープから樹脂発泡体を剥離する際に要する力を、温度:23±2℃、湿度:50±5%RHの雰囲気下、高速剥離条件(引張速度:10m/min、剥離角度:180°)、及び低速剥離条件(引張速度:0.3m/min、剥離角度:180°)の各条件で測定し、粘着力(N/20mm)を求めた。
なお、高速剥離条件での測定では高速剥離試験機(テスター産業社製)を使用し、低速剥離条件での測定では万能引張圧縮試験機(装置名「TCN−1kNB」ミネベア社製)を使用した。
なお、低速剥離条件下でのキャリアテープから樹脂発泡体を剥離する際に要する力(低速剥離力)が0.30N/20mm以上であると、キャリアテープに保持しての加工性及び搬送性が良好と評価できる。また、高速剥離条件下でのキャリアテープから樹脂発泡体を剥離する際に要する力(高速剥離力)が0.25N/20mm以下であるとキャリアテープからの剥離性や組み付け性が良好と評価できる。
(フォーム破壊の有無)
上記測定において、高速剥離条件で測定する場合及び低速剥離条件で測定する場合の両方において、剥離の状態を目視で確認し、樹脂発泡体の表面破壊が生じているか否かにより判断した。
表1には、樹脂発泡体の表面破壊がない場合には「なし」と記載し、樹脂発泡体の表面破壊が生じる場合には「あり」と記載した。
(表面の60°光沢度)
樹脂発泡体の表面熱溶融処理が施された面(比較例1は表面熱溶融処理が施されていないので、どちらの面でもよい)の60°光沢度を、JIS Z 8741に基づき測定した。
測定の際には、光沢度計(装置名「高光沢グロスチェッカー IG−410」堀場製作所社製)を使用し、測定端子を流れ方向に垂直において測定した。
(25%圧縮荷重)
JIS K 6767に従い、測定した。
なお、25%圧縮荷重が2.00N/cm2を超えると、シール材としての使用中に筐体や部材の変形を生じさせるおそれがあり、結果としてシール材として必要な柔軟性を有しないと評価できる。
Figure 2014111778
前記の粘着力の測定時に形成した実施例の測定用サンプルについて、形成後、温度23±2℃、湿度:50±5%RHの雰囲気下にて24時間放置してから、樹脂発泡体とキャリアテープとの間の「浮き・剥離」の有無を確認したところ、「浮き・剥離」は生じていなかった。
実施例及び比較例から明らかのように、光沢度が大きくなるほど、キャリアテープの粘着力が大きくなる傾向があった(表1参照)。
実施例では、低速剥離力(低速剥離条件の粘着力)が0.30N/20mmを超えているので、発泡部材(樹脂発泡体に粘着剤層を積層させることにより得られ、表面熱溶融処理が施されている面がキャリアテープに固定される面である発泡部材)を、キャリアテープに固定してから粘着剤層上に加工用の台紙を設けて、発泡部材の加工を行い、加工終了後の発泡部材を組み付ける際に、粘着剤層上に設けた加工用の台紙を剥がそうとすると、キャリアテープから発泡部材が剥がれて組み付けができないという問題を生じることはない。
一方、比較例1では、表面熱溶融処理が施されておらず、粘着力が低い。発泡部材(比較例1の樹脂発泡体に粘着剤層を積層させることにより得られる発泡部材)を、発泡体表面が接する形態でキャリアテープに固定してから粘着剤層上に加工用の台紙を設けて、発泡部材の加工を行い、加工終了後の発泡部材を組み付ける際に、粘着剤層上に設けた加工用の台紙を剥がそうとすると、キャリアテープと発泡部材の発泡体表面との間でキャリアテープから発泡部材が剥がれてしまい、筐体に精密に転写すること(筐体に精密に組み付けること)が困難になると予想される。
実施例において、キャリアテープから発泡部材が剥がれて組み付けができないという問題を生じることがないのは、表面の表面粗さが小さくなることによって、キャリアテープとの密着面積が大きくなったためと考えられる。
また、比較例2及び3では、発泡部材(樹脂発泡体に粘着剤層を積層させることにより得られ、表面熱溶融処理が施されている面がキャリアテープに固定される面である発泡部材)を、キャリアテープに固定してから搬送や加工を行った後にキャリアテープから発泡部材を剥がすと、キャリアテープ表面に発泡体の残渣が残り、発泡部材の破壊が確認された。比較例2及び3は、粘着力は比較例1に対して上昇しているものの、表面熱溶融処理が不十分で、熱によるセル壁の平滑化が不十分であることから、キャリアテープへの残渣の付着が発生してしまうためと考えられる。
これらのことより、高い柔軟性を有している発泡体において、60°光沢度(JIS Z 8741に基づく)が1.5以上である表面を有していれば、キャリアテープから剥離させる際のフォーム破壊抑止性と、キャリアテープとの密着性などのキャリアテープ特性を両立できる。

Claims (12)

  1. 表面から内部に至る全体の樹脂組成が同一であり、60°光沢度(JIS Z 8741に基づく)が1.5以上15以下である表面を有し、25%圧縮荷重(JIS K 6767に基づく)が0.05N/cm2以上2.00N/cm2以下であり、樹脂発泡体を構成する樹脂が熱可塑性樹脂を含み、連続気泡構造又は半連続半独立気泡構造を有していることを特徴とする樹脂発泡体。
  2. 表面に加熱溶融処理が施されている請求項1記載の樹脂発泡体。
  3. 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項1又は2記載の樹脂発泡体。
  4. 樹脂組成物に高圧のガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の樹脂発泡体。
  5. 前記ガスが、不活性ガスである請求項4記載の樹脂発泡体。
  6. 前記不活性ガスが、二酸化炭素である請求項5記載の樹脂発泡体。
  7. 前記高圧のガスが、超臨界状態のガスである請求項4〜6の何れか1項に記載の樹脂発泡体。
  8. 請求項1〜7の何れか1項の記載の樹脂発泡体を含む発泡部材。
  9. 60°光沢度(JIS Z 8741に基づく)が1.5以上である表面が露出し、なおかつ、粘着層を有する請求項8記載の発泡部材。
  10. 電気又は電子機器用として用いられている請求項8又は9に記載の発泡部材。
  11. 請求項8〜10の何れか1項に記載の発泡部材が、基材の少なくとも片面に粘着剤層を有するキャリアテープにより、発泡部材の60°光沢度(JIS Z 8741に基づく)が1.5以上である表面とキャリアテープの粘着剤層とが接触する形態で、保持されていることを特徴とする発泡部材積層体。
  12. 請求項10記載の発泡部材が用いられていることを特徴とする電気又は電子機器類。
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