JP2014111683A - 断熱遮熱性塗材 - Google Patents

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友幸 和田
Naoyuki Kato
直行 加藤
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Abstract

【課題】本発明は、生産が容易で混合操作にて生産出来ること、個々の材料の単独での分散性ではなく化学構造を活かす水素結合ネットワ−ク分散による安定化を図り、これにより、多くの発泡粒子を使いながら通常のディスパ−ミルやプロペラ混合機にて生産が容易に出来、製品の経時安定性にも優れる、水性断熱遮熱性塗材を提供するものである。
【解決手段】水性樹脂100重量部に対し、シリカ系(Si−0−)無機発泡粒子35〜70重量部、アミドカルボニル基をもつ水溶性重合体0.3〜6重量部、無機非発泡粒子10〜60重量部、水酸基をもつチュ−ブ状酸化チタン0.2〜10重量部より構成されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、木材、金属、プラスチック、コンクリ−トなどの基材表面に断熱遮熱性や耐
候性などに優れた塗膜を形成せしめるさいに使用する、水性樹脂を用いた水性断熱遮熱性
塗材に関する。
従来より、水性樹脂を用いた水性断熱遮熱性塗材の場合、軽く嵩張る発泡粒子を含ませ
ることによって、軽量で断熱性がある塗材が開発されている。上記発泡粒子としては、例
えば、見かけ密度が小さい有機系の微小粒子、ガラスバル−ン、シラスバル−ンなどが用
いられてきた(特開2001−348530号公報、特開2004−204017号公報
、特開2010−77424号公報参照)。そして、より多くの発泡粒子を塗材の中に効
率よく加えることにより断熱性能を向上させるものとされている。また、遮熱性能は、光
や熱反射する遮蔽性材料である硬くて密度がある粒子を加えることにより得られるもので
ある。
特開2001−348530号公報 特開2004−204017号公報 特開2010−77424号公報
しかしながら、上述の如く構成された従来例は、いずれの場合も、発泡粒子が多くなる
ほど、かつ粒子の大きさが小さくなるほど表面積が大きくなって嵩ばり、混ぜにくくなっ
て製品の粘度が高くて扱いにくくなっている。ところで、本来は通常使ういろいろな材料
のなじみを良くし、安定的に分散させ、それを維持させることが塗材のポイントである。
このため、分散媒(水性では水)と材料の濡れ分散性及び材料そのものの性能が重要視さ
れる。故により細かくしたり、表面張力による濡れ性の改善が塗材の生産においては重要
視される。このためには、分散の時間、機械の効率、分散剤の多用や表面改質が必要にな
る。特にシランカップリング剤による表面改質は効果あるが、多量に使う材料の表面を改
質することは作業と費用の点から限界がある。
分散剤や界面活性剤の多用は効果があるが、水溶性材料の使用のために耐水性の低下、
例えば白化や軟化、汚れを招き、ひどいとブリスタ−や剥離の元となる。特に、水性樹脂
系では、ガラス質面には乾燥状態ではよく付着しているが、水の影響を受け容易に剥離し
やすい。この点は、単純な耐水テストではなく煮沸テストにより厳しく判定されることが
耐久性塗材には要求される。
ここにて使用される発泡粒子は、どうしても強度の問題があることから高能率の分散機
械による分散処理は危険である。発泡粒子はさらに粘度が上がるとさらに破損し易くなる
が、粘度が高いと軽量のものの分散安定性は見かけ上向上するが、時間と共に分離してい
く。密度の高い材料も分散安定性は向上するが、時間と共に沈降する。しかしながら、体
積が数倍(1.5から4.0倍)もある軽量の嵩張る材料を水性樹脂の入った調合釜に上
から投入して混ぜ合わせることは実験室における少量でも飛散するし、混ぜにくく大変で
あり、生産性を考えると通常の工業生産である0.5トンから5トン程度の調合釜での調
合は材料の飛散防止とともに時間をかけるか、あるいは特殊な混合機が必要となる。本発
明はこの混合処理を容易にするものである。
または、混合は出来ても分散を必要とする工程では、同じ機械が使用出来ない場合がで
ることや設備の切り替えと工程が煩雑化するため生産上において問題である。
水性樹脂や発泡体に比べ、比重の大きいものは、体積的には小さくなるし強度があるた
め強撹拌にて混ざりやすいが、通常高速分散が要求されるし、沈降を防ぐ分散安定化には
より細かく分散させることと高い粘度も要求される。断熱性のためには低い密度の発泡粒
子を本来の形状をもちながらより多く存在させること、遮熱性のためには密度の高い無機
粉体を加えること、皮膜の強さは樹脂成分を多く使うことが要求される。
本発明は従来の問題点を解決し、生産が容易で混合操作にて生産出来ること、個々の材
料の単独での分散性ではなく化学構造を活かす水素結合ネットワ−ク分散による安定化を
図り、これにより、多くの発泡粒子を使いながら通常のディスパ−ミルやプロペラ混合機
にて生産が容易に出来、製品の経時安定性にも優れる、水性断熱遮熱性塗材を提供しよう
とするものである。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1記載の発明は、水性樹脂100重量部に
対し、シリカ系(Si−0−)無機発泡粒子35〜70重量部、アミドカルボニル基をも
つ水溶性重合体0.3〜6重量部、無機非発泡粒子10〜60重量部、水酸基をもつチュ
−ブ状酸化チタン0.2〜10重量部よりなることを特徴とする、水性断熱遮熱性塗材を
要旨とするものである。
上記請求項1記載の水性断熱遮熱性塗材は、前記水性樹脂が反応性シリコ−ン成分(−
Si−O−R)を含有するシリコ−ンアクリル樹脂エマルジョン、またはアミドカルボニ
ル基を有するウレタン系樹脂エマルジョン、前記シリカ系無機発泡粒子が中空ガラス粒子
、中空シリカ粒子、中空セラミックス粒子、前記アミドカルボニル基をもつ水溶性重合体
が、N−オキサゾリン、N−ビニルピロリドン、またはN,N−ジメチルアクリルアミド
を含有してもよく、オキサゾリン環を有してもよい。また、前記無機非発泡粒子が、Si
,Ti,Al,Fe,Ze,Pの酸化物を成分とし、前記水酸基をもつチュ−ブ状酸化チ
タンは、酸化チタンより合成されるチュ−ブ状、またはワイヤ−(繊維)状酸化チタンで
その表面に水酸基をもち、水スラリ−状に加工して粒子径中心を1μ(1000ナノ)以
下に調整せしめられている。
本発明は、主にシリコ−ン(−Si−0−)ネットワ−クと、シリコ−ン類似の−Ti
−O−も含めた組成物と、媒体である水(H−O−H)を含めた水素結合ネットワ−クを
活用して分散と安定化を図ると共に、シリコ−ン(−X−O−)ネットワ−クをさらに活
かすためにアミドカルボニル基をもつ水溶性重合体を使用し、多量のシリカ系無機発泡粒
子を使いながら通常のディスパ−ミルやプロペラ混合機でもって容易に生成せしめること
が出来るのみならず、製品の経時間安定性や耐水性にも優れた断熱遮熱性塗材を生成せし
めることが出来る。
本発明における水性樹脂は、含有する水による水素結合を利用し、後記するシリカ系無
機発泡粒子などのバインダ−材として配合されるもので、反応性シリコ−ン成分を含むた
め、架橋による性能向上があり、仕上げ材としての耐久性主成分である無機発泡粒子の−
Si−O−成分との相溶性がよい。
そして、かかる水性樹脂としては、アクリル、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニルアクリ
ル、SBR、エポキシ、ウレタン等が例示でき、特に、樹脂成分に反応性シリコ−ン成分
を含有するシリコ−ンアクリル樹脂エマルジョン、例えばSi−O−Rの反応基をもつシ
リコ−ンアクリル樹脂エマルジョン、またはアミドカルボニル基をもつウレタン樹脂水性
分散液を主成分にもつウレタンアクリル樹脂エマルジョンなどを主に使用するのが好まし
い。具体的には、市販のシリコ−ンアクリル樹脂エマルジョンであるサイデン化学社製の
バンスタ−S−806(登録商標)、ニチゴ−モビニ−ル社製のモビニ−ル(登録商標)
、東レ社製のコ−タックス(登録商標)、日信化学工業社製のシャリ−ヌ(登録商標)等
を用いてもよい。あるいは、市販のウレタンアクリル樹脂エマルジョンである日華化学社
製のネオステッカ−(登録商標)、ウレタン技研工業社製のセフレックス(登録商標)等
を用いてもよい。なお、水性樹脂には、必要に応じて混合したり、造膜助剤、可塑剤、消
泡剤、分散剤、界面活性剤、湿潤剤、粘性調整剤等を添加してもよい。シリカ系発泡粒子
はアクリルエマルジョンにくらべ、シリコ−ンアクリルエマルジョンでは混合時の粘度が
低下する効果がある。この粘度の低下は混合性や使いやすさにはプラスであるが、発泡粒
子の分散安定には通常マイナスとなりやすいが本発明では問題にならない。本発明の方法
では、シリコ−ンアクリルの場合は水性樹脂とシリカの−Si−O−どうしの親和性から
この問題が改善される。ウレタンの場合もアミドカルボニル基の効果のため同様である。
多量のシリカ系発泡粒子の混和には分散と安定化に大きなプラスとなる。この安定化効果
がないと粘度による分散安定化が要求される。
本発明におけるシリカ系無機発泡粒子は、断熱性付与充填材として配合されるもので、
シラスバル−ンなどの中空シリカ粒子、ガラスバル−ンなどの中空ガラス粒子、中空セラ
ミックス粒子を用い、これらの1種を単独で、または2種配合して用いる。上記中空シリ
カ粒子中、シラスバル−ンはシラス等の火山性ガラス質堆積物を熱処理することによって
得られる球形中空状ガラス質微粒であり、平均粒子径が10〜200μmであれば特に限
定されず、公知の各種シラスバル−ンを用いることが出来るが、50〜100μmである
のが好ましい。具体的には、シラスを原料とするSB−5011,SB−5021を好適
に用いることが出来る。また、中空ガラス粒子中、ガラスバル−ンは平均粒子径10〜2
00μmであれば特に限定されず、公知の各種中空ガラス粒子を用いることが出来るが、
40〜100μmであるのが好ましい。具体的には東海工業株式会社製のセルスタ−(登
録商標)Z−20やその相当品を好適に用いることが出来る。なお、表面のシランカップ
リング処理は要求されない。
上記無機発泡粒子は、塗膜性能の面から一般には24〜34重量部使われるが、本発明
ではバインダ−材である水性樹脂100重量部に対して35〜70重量部、好ましくは3
6〜66重量部であり、36重量部以下の場合には断熱性が低く、また、70重量部以上
の場合にはバインダ−力の低下で耐水性が悪くなる。シラスバル−ンは天然物であり、ど
うしても不純物が含まれており製品に褐色の色があることと、除去は出来るがかなりの比
率にて破損ビ−ズを含みやすいこと、混合時に破損しやすい問題があるためガラスバル−
ンがよい。
本発明におけるアミドカルボニル基をもつ水溶性重合体は、−Si−O−や−Ti−O
−構成成分の分散剤として使用する。そして、かかるアミドカルボニル基をもつ水溶性重
合体としては、N−オキサゾリン系、N−ビニルピロリドン系、N、N−ジメチルアクリ
ルアミド系の水溶性重合体、およびオキサゾリン環を有する水溶性重合体などを用いるこ
とができる。N−オキサゾリン系水性樹脂としては、日本触媒製の「エポクロス」(登録
商標)、N−ビニルピロリドン系水性樹脂としては、BASF製の「ルビテック」「ルビ
スコ−ル」(登録商標)などを用いることができる。
かかる水溶性重合体は、アミドカルボニル基が水素結合によってシリカのSi−O−S
i面、金属−O−面に配位し、先のシリカ発泡粒子表面を湿潤させ、水との混和性や樹脂
との混和性が期待できる。これにより、Si−O−Si面、金属−O−面がアミドカルボ
ニル基をもつ水溶性重合体にて覆われるため、シリカが安定して水に分散した状態になる
ものである。
かかる分散安定には、通常は有機系乳化剤や分散剤や低分子リン酸塩が使われるが、本
用途のような場合は、広い表面積を覆うには多量の分散剤が必要とされるため耐水性を低
下させる。本発明では、出来るだけ少ない量のアミドカルボニル基を持つ水溶性重合体を
使い、直接に間接にSi−Si−O−を有効に活用することが出来るものである。
上記アミドカルボニル基をもつ水溶性重合体は、バインダ−材である水性樹脂100重
量部に対して0.3〜6重量部、好ましくは0.4〜5重量部であり、0.3重量部以下
の場合には混和性の効果が小さく、6重量部以上の場合には耐水性に問題があるのみなら
ず、粘度も高く、長く貯蔵すると分離しやすいものである。
本発明における無機非発泡粒子としては、構成成分として表面に水酸基の配位ができや
すいSi、Ti、Al、Fe、zn,Pの酸化物をもつ粒度が3〜50ミクロンの無機非
発泡粒子を10−60重量部使用する。発泡粒子と樹脂のみでは断熱性は確保出来るが、
塗材としての遮蔽性や材料の増量の面から無機非発泡粒子が必要である。なお、60重量
部を越えて配合できるが、断熱性の低下、風合の低下、撥水性の低下を招く。かしながら
、本発明では多くの軽量材を使うため、如何に強い撹拌分散をせずに短時間に混和性、分
散性、分散安定性、例えば軽量材の浮き分離、無機体の沈降分離等を十二分に考慮し、S
i−O−とTi−O−とH−O−Hのネットワ−クが活かせるものが必要となる。そして
、かかる無機非発泡粒子としては、珪砂、水酸化アルミ、クレ−、リン酸カルシウム、酸
化チタン顔料、酸化鉄顔料、酸化亜鉛顔料などがあげられ、具体的にはフジ商事社製のK
−1クレ−や酸化チタンを用いるとよい。
上記酸化チタンは分散性、遮蔽性、白さ、遮熱性能確保に特に有効であると推測する。
また、H−O−Hや樹脂との関連から、ジルコニウムZr−O−やアルミAl−O−の構
造も効果が期待できる。汎用的な無機非発泡粒子である炭酸カルシウムは、塗材の生産に
おいては問題なかったが耐水性にてブリスタ−の発生と1カ月放置時に沈降体が認められ
た。これは、構造の差からくるなじみの問題と思われる。
なお、前記酸化チタンは、塗材の遮蔽材として、また白の顔料として亜鉛華とともに有
用であるが、屋外用塗材としてては、顔料酸化チタンの耐久グレ−ドが好ましい。このチ
タンを併用することで塗材としての遮蔽性付与と白色による遮熱性を与えることは、通常
塗料の世界では必要成分として一般的事実であるが、沈降防止や分散性改善に−X−O−
やH−O−Hの水素結合ネットワ−クを活用していない。酸化チタンTiO2はシリカS
iO2と同様に−X−OHと水酸基を表面に持ちやすい材料である。金属チタンはジルコ
ニウムと共に生体材料として骨の補強材にも使われるのは表面の−OHによる生体との親
和性によるものである。
顔料としての酸化チタンは、分散し易く出来てはいるが、それなりに分散剤や高速での
機械分散が要求される。分散されたものは、希釈するとその重量からどうしても沈降し易
い性質を持つため、分散後は粘度の要求がある。酸化チタンは、工程のより簡素化の面か
ら事前にプレ分散処理することが好ましいが、製品の性能に影響がないどうかを確認する
必要がある。
この分散性を優先すると分散剤が多用され、水性媒体系においては性能の問題が出やす
く、さらに製品の粘度の調整も難しくなる傾向がある。
上記無機非発泡粒子は、バインダ−材である水性樹脂100重量部に対して10〜60
重量部、好ましくは15〜50重量部であり、10重量部以下の場合には遮熱性、遮蔽性
、増量性の点において問題があり、また、60重量部以上の場合には混和性、分散性、耐
水性、断熱性等が低下する。
本発明における水酸基をもつチュ−ブ状酸化チタンは、前記無機非発泡粒子や発泡粒子
の分散問題を解決するもので、酸化チタンより合成されるチュ−ブ状、またはワイヤ−
(繊維)状酸化チタンでその表面に水酸基をもち、水スラリ−状に加工して粒子径中心を
1μ(1000ナノ)以下に調整せしめものである(特開平10−152323号公報参
照)。この水酸基とパイル状形状効果の作用により、有機物とのなじみがさらに媒体であ
る水や−Si−O−や−Ti−O−の構成成分とのなじみを良く出来ると推測出来、無機
非発泡粒子の沈降防止に効果がみられる。通常、チタンは光触媒効果として光の照射によ
り電荷を得て周りの有機物を分解することから塗材のチョ−キングの源として注意される
ものであるが、酸化チタンより容易に生成される水酸基被覆チュ−ブ状酸化チタンはチタ
ン成分と表面の水酸基とその形状による効果にて酸化チタンや発泡粒子の易分散剤として
、さらに有機物との親和性、有機物や無機物の構成成分の−Si−O−,−Si−OHお
よび媒体の水H−O−Hとの親和性に優れるものである。そして、かかるチュ−ブ状酸化
チタンは、市販の酸化チタン顔料より生産される。
上記チュ−ブ状酸化チタンは、バインダ−材である水性樹脂100重量部に対して0.
2〜10重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部であり、0.2重量部以下の場合には
充分な効果が得られず、また、10重量部以上の場合には、本発明の効果以上の性能が期
待出来ず、逆に耐水性の低下を招来する。
さらに、本発明の断熱遮熱性塗材には、必要に応じて顔料、染料、他樹脂系のエマルジ
ョン・サスペンジョン・ディスバ−ジョン・水溶液、固形分や粘度調整のための水、表面
張力調整のための乳化剤や造膜剤のような有機溶剤、ブロッキング防止剤、分散安定剤、
揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、界面活性剤、フィラ−、触媒、滑
剤、防腐剤、帯電防止剤、レベリング剤、抗菌剤、防かび剤等の添加剤などを配合しても
よい。
以下に、本発明の一実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜17、比較例1〜17
表1〜3に示す配合割合に基づいて配合し、水性断熱遮熱性塗材を調製した。塗材の調
製は、水性樹脂に消泡剤、水を加え軽くプロペラ羽根にてゆっくり撹拌しながら順次造膜
剤のテキサノ−ル、水溶性重合体、チュ−ブ状酸化チタンを加えてベ−ス材とし、これに
無機発泡粒子であるガラスバル−ンを投入し混ぜる。必要に応じ着色剤を配合する事で塗
材を得る。これについて、ガラスバル−ンの混和性、調製品の粘度、通常商品として使用
するさいの希釈率である5%で希釈した水性断熱遮熱性塗材の粘度及び密度、2日後・1
ケ月後・2ケ月後における水性断熱遮熱性塗材内のガラスバル−ンの状況、煮沸テストの
結果を表1〜3に併せて示す。
なお、使用する上記チュ−ブ状酸化チタンは、所謂水熱合成法により生成、即ち、テフ
ロン(登録商標)製500ml容器に10M水酸化ナトリウム300mlと20g酸化チタンST−01〔石原産業株式会社製アナタ−ゼ(登録商標)〕を投入してよく分散せしめたのち、オ−トクレ−ブに入れて密封し、150℃に加熱しつつ20時間反応せしめる。反応が終了すると、オ−トクレ−ブより容器を取出して水洗せしめつつ水酸化ナトリウムを除去せしめ、反応生成物をpH8以下に調整せしめたのち、希塩酸で中和すると共に乾燥器に入れて80℃以下に乾燥せしめる。次いで、反応生成物をアシザワファインテック社製スタ−ミルにより、ジルコニアボ−ル0.1mm、周速度14mにて90分、固形分濃度7%、分散剤としてトリポリン酸ナトリウムを0.5使用して水分分散せしめ、粒径ピ−ク600ナノの水分散体を生成せしめるとよい。固形分としては、5〜18%がよい。
また、ガラスバル−ンの混和性、2日後・1ケ月後・2ケ月後の水性断熱遮熱性塗材内
の分散安定性、煮沸テストは、下記の基準により評価した。
ガラスバル−ン他構成体の混和性
750mlのプラスチック製容器に表1〜3の配合割合に基づく塗材原料を投入し、得
たベ−ス材をスリ−ワンモ−タ−200rpmにてプロペラ羽根での撹拌混合せしめ、ガ
ラスバル−ンと無機非発泡粒子の混和時間を計測して以下の基準により評価した。
○ : よい(3分以内)
△ : やや悪い(3〜5分)
× : 悪い(5分以上)
2日後・1ケ月後・2ケ月後の水性断熱遮熱性塗材内の分散安定性
調製した水性断熱遮熱性塗材を750mlカップに500ml入れて密封し、室温下に
静置せしめた。そして、2日後・1ケ月後・2ケ月後に水性断熱遮熱性塗材の外観、およ
びカップの直径部に真っすぐにヘラを入れて断面を観察し、ガラスバル−ン他構成体の浮
きと沈降の面から分散の状況、流れ性等により以下の基準より評価した。
○ : 分離なし
△ : 分離気味
× : 分離
煮沸テスト
ストレ−ト板上に塗材1.0mmにて塗付し、24時間経過後に98℃下で30分間、
および60分間各々煮沸し、取出し直後の塗膜の状況を観察して以下の基準により評価し
た。
○ : 正常
△ : 若干ブリスタ−あり
× : 剥離やブリスタ−あり
なお、調製した水性断熱遮熱性塗材の粘度は、BH形回転粘度計により、また、密度は
、同じカップに同容量の水と水性断熱遮熱性塗材を入れてその重量比により求めた。
表1〜3から明らかな通り、実施例は比較例に比して、主にシリコ−ン(−Si−0−
)ネットワ−クと、シリコ−ン類似の−Ti−O−も含めた組成物と媒体である水(H−
O−H)を含めた水素結合ネットワ−クを活用した分散と安定化を図ると共に、シリコ−
ン(−X−O−)ネットワ−クをさらに活かすためにアミドカルボニル基をもつ水溶性重
合体を使用し、多量のシリカ系無機発泡粒子を使いながら通常のディスパ−ミルやプロペ
ラ混合機でもって容易に生成せしめることが出来るのみならず、製品の経時間安定性にも
優れた水性断熱遮熱性塗材を生成せしめることが出来るという、優れた効果を奏すること
が理解出来る。
〔表1〕
Figure 2014111683
〔表2〕
Figure 2014111683
〔表3〕
Figure 2014111683

Claims (7)

  1. 水性樹脂100重量部に対し、シリカ系(Si−0−)無機発泡粒子35〜70重量部
    、アミドカルボニル基をもつ水溶性重合体0.3〜6重量部、無機非発泡粒子10〜60
    重量部、水酸基をもつチュ−ブ状酸化チタン0.2〜10重量部よりなることを特徴とす
    る、水性断熱遮熱性塗材。
  2. 前記水性樹脂が反応性シリコ−ン成分(−Si−O−R)を含有するシリコ−ンアクリ
    ル樹脂エマルジョン、またはアミドカルボニル基を有するウレタン系樹脂エマルジョンで
    あることを特徴とする、請求項1記載の水性断熱遮熱性塗材。
  3. 前記シリカ系無機発泡粒子が中空ガラス粒子、中空シリカ粒子、中空セラミックス粒子
    であることを特徴とする、請求項1または2記載の水性断熱遮熱性塗材。
  4. 前記アミドカルボニル基をもつ水溶性重合体がN−オキサゾリン、N−ビニルピロリド
    ン、またはN,N−ジメチルアクリルアミドを含有することを特徴とする、請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の水性断熱遮熱性塗材。
  5. 前記アミドカルボニル基をもつ水溶性重合体がオキサゾリン環を有することを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性断熱遮熱性塗材。
  6. 前記無機非発泡粒子がSi,Ti,Al,Fe,Zn,Pの酸化物を成分とすることを
    特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性断熱遮熱性塗材。
  7. 前記水酸基をもつチュ−ブ状酸化チタンは、酸化チタンより合成されるチュ−ブ状、ま
    たはワイヤ−(繊維)状酸化チタンでその表面に水酸基をもち、水スラリ−状に加工して
    粒子径中心を1μ(1000ナノ)以下に調整せしめてなることを特徴とする、請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の水性断熱遮熱性塗材。
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