JP2014111488A - 用紙搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レジストユニットを装着する際の作業性を向上できるとともに、レジストローラーの軸方向の調整を行う際に、駆動歯車の噛み合いが損なわれるのを抑制し、駆動安定性を確保できる技術を提供する。
【解決手段】用紙搬送装置を、レジストローラーの一方の端部に配置される第1の歯車(平歯歯車)と、駆動用モーターのモーター軸に配置され、第1の歯車に歯合して駆動用モーターの動力をレジストローラーに伝達する第2の歯車(平歯歯車)と、レジストローラーを幅方向に移動させる片寄り補正部と、レジストローラーを支持する調整軸と、を備え、調整軸を中心にレジストローラーの取付け角度が調整されることに伴い第1の歯車と第2の歯車の軸間距離が変化するように、レジストローラーと駆動用モーターが取り付けられた構成とする。そして、レジストローラーの他方の端部よりも、第1の歯車と第2の歯車の噛み合い部の近くに、調整軸を配置する。
【選択図】図5

Description

本発明は、用紙搬送装置及び画像形成装置に関する。
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)においては、画像データに基づくレーザー光が、帯電した感光体に対して照射(露光)されることにより、感光体表面に静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体(像担持体)に現像装置からトナーが供給されることにより、静電潜像が可視化されてトナー像が形成される。このトナー像が、直接又は中間転写ベルトを介して間接的に用紙に転写された後、定着部で加熱、加圧されることにより、用紙に画像が形成される。
上述した画像形成装置は、給紙トレイ、手差しトレイ又は外部給紙装置から給紙された用紙を、画像形成部に搬送する用紙搬送部を備えている。用紙搬送部には、例えば中間搬送ローラー、ループローラー、及びレジストローラー等の複数の搬送ローラーが配置される。用紙搬送部において、レジストローラーに用紙の先端が到達した後も継続してループローラーによる用紙の搬送が行われることで、レジストローラーとループローラーとの間で用紙が撓み、用紙の傾きが解消される。
レジストローラーの軸方向は、画像形成部の転写ニップに用紙が斜めに通紙されるのを防止するために、転写ニップの軸方向と一致するように調整される(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の画像形成装置では、レジストローラー及びレジストローラーの駆動部品(駆動モーター及び駆動歯車列)は、レジストユニットのフレームに固定されており、レジストローラーの傾きを調整するときに一体となって移動する。
また、用紙の幅方向(搬送方向に直交する方向、主走査方向)の位置を補正するための片寄り補正部を備えた画像形成装置も提案されている(例えば特許文献2)。例えば、レジストローラーが幅方向(レジストローラーの軸方向)に揺動しながら用紙を搬送することにより、用紙の幅方向の位置が補正される(レジスト揺動)。このレジスト揺動動作は、レジストローラーの下流側に配置されたラインセンサー等の片寄り検出センサーによる検出結果(片寄り量、基準位置からのずれ)に基づいて実施される。
なお、レジストローラーとともにレジストローラーの駆動部品がレジストユニットに実装される画像形成装置においては、レジストユニット全体が揺動することにより、用紙の幅方向の位置が補正される。
特開平7−144795号公報 特開2008−32913号公報
上述したレジストローラーとともにレジストローラーの駆動部品がレジストユニットに実装される画像形成装置においては、レジストローラーの軸方向を調整する場合にも、レジストユニット全体を移動させることとなる。そのため、レジストローラーに接続された歯車(以下、ローラー歯車)と駆動モーターに接続された歯車(以下、モーター歯車)の軸間距離は常に保持され、良好な駆動安定性が確保される。
しかしながら、この場合は、レジストユニットの着脱時にモーターハーネスを挿抜する繁雑な作業が必要となる。また、ハーネスの挿入忘れや誤挿入が発生する虞もある。
一方で、レジストローラーの駆動部品がレジストユニット外に実装される画像形成装置においては、レジストローラーの軸方向を調整する場合に、ローラー歯車とモーター歯車の軸間距離が変化し、駆動歯車列の噛み合いに狂いが生じる虞がある。そして、噛み合い率が1未満になると、歯面同士が接触と非接触状態を繰り返し、振動が引き起こされたり、歯面の摩耗が促進されたりして、駆動安定性が低下する。
一般に、駆動歯車列の噛み合い率を向上させるためには、平歯歯車よりも斜歯歯車の方が有利である。しかし、斜歯歯車を適用すると、レジストローラーの幅方向への揺動が阻害されるため、平歯歯車を適用する必要がある。
本発明の目的は、レジストローラーの軸方向の調整を行う際に、駆動歯車の噛み合いが損なわれるのを抑制し、駆動安定性を確保できる用紙搬送装置及び画像形成装置を提供することである。
本発明に係る用紙搬送装置は、取付け角度を調整可能に構成され、用紙を狭持して搬送する一対のレジストローラーと、
前記レジストローラーの一方の端部に配置される第1の平歯歯車と、
前記レジストローラーを回転させるための駆動用モーターと、
前記駆動用モーターのモーター軸に配置され、前記第1の平歯歯車に歯合して前記駆動用モーターの動力を前記レジストローラーに伝達する第2の平歯歯車と、
前記レジストローラーを幅方向に移動させ、通紙される用紙の幅方向の位置を補正する片寄り補正部と、
前記一対のレジストローラーを、取付け角度を調整可能に支持する調整軸と、を備え、
前記調整軸を中心に前記レジストローラーの取付け角度が調整されることに伴い前記第1の平歯歯車と前記第2の平歯歯車の軸間距離が変化するように、前記レジストローラーと前記駆動用モーターが取り付けられ、
前記レジストローラーの他方の端部よりも、前記第1の平歯歯車と前記第2の平歯歯車の噛み合い部の近くに、前記調整軸が配置されることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、上記の用紙搬送装置と、
前記用紙搬送装置の用紙搬送方向下流側に配置され、搬送されてきた用紙に画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、レジストローラーの軸方向の調整を行う際に駆動歯車列の噛み合いが損なわれるのを最小限に抑制することができるので、良好な駆動安定性が確保される。
実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。 実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 レジストローラー部を上方から見た図である。 レジストローラー部を用紙搬送方向上流側から見た図である。 レジストローラーの取付け角度を調整するための調整軸の配置について示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。図2は、実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
図1、2に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向(鉛直方向)に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させる縦型タンデム方式が採用されている。
すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に転写(一次転写)し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Sに転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
図1、2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、及び制御部100を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
また、制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピュータ)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41、中間転写ユニット42、及び二次転写ユニット43等を備える。
画像形成ユニット41は、Y成分、M成分、C成分、K成分用の4つの画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kで構成される。画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有するので、図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。
電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネート樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100が感光体ドラム413を回転させる駆動用モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413は一定の周速度で回転する。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成されることとなる。
現像装置412は、各色成分の現像剤(例えば、小粒径のトナーと磁性体とからなる二成分現像剤)を収容しており、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。駆動ローラーとなる支持ローラー423が回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。一次転写ローラー422によって中間転写ベルト421が感光体ドラム413に圧接されることにより、中間転写ベルト421に各色トナー像が順次重ねて一次転写される。
二次転写ユニット43は、例えば二次転写ローラー431を備える。二次転写ユニット43は、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成であってもよい。
中間転写ベルト421を介して、二次転写ローラー431がバックアップローラー423Aに圧接されることにより、転写ニップ(転写部)が形成される。この転写ニップを用紙Sが通過する際、中間転写ベルト421に担持されているトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、トナーと逆極性の電圧(転写バイアス)を二次転写ローラー431に印加することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接されるベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残存する転写残トナーを除去する。
定着部60は、用紙の定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材61(例えば定着ローラー)、用紙の裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材62(例えば加圧ベルト)、及び加熱源63等を備える。定着面側部材61に裏面側支持部材62が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。定着器F内には、エアを吹き付けることにより、定着面側部材61又は裏面側支持部材62から用紙Sを分離させるエア分離ユニットを配置してもよい。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、第1の搬送部53、及び第2の搬送部57等を備える。
給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。
第1の搬送部53は、中間搬送ローラー部54、ループローラー部55、及びレジストローラー部56を含む複数の搬送ローラー部を備える。
ループローラー部55は、一対のループローラーを有し、上流側の中間搬送ローラー部54から受け渡された用紙Sを搬送して下流側のレジストローラー部56に受け渡すとともに、レジストローラー部56との間のループ形成部に用紙を撓ませる。
レジストローラー部56は、一対のレジストローラー(後述する駆動ローラー561、従動ローラー562)を有し、画像形成部40(転写部)の上流側で、ループローラー部55の下流側に配置される。レジストローラー部56は、用紙Sの傾き及び幅方向(主走査方向)の位置を補正する。
第2の搬送部57は、複数の搬送ローラー部が配置されたスイッチバック経路58及び裏面用搬送路59を備える。第2の搬送部57は、用紙Sをスイッチバック経路58に一旦搬送した後、スイッチバックさせて裏面用搬送路59に搬送することにより用紙Sを反転させ、第1の搬送部53(ループローラー部55の上流)に供給する。
給紙トレイユニット51a〜51c、又は外部給紙装置(図示略)から給紙された用紙Sは、第1の搬送部53によって画像形成部40に搬送される。このとき、用紙Sの先端がレジストローラー部56に到達した後も、レジストローラー部56(駆動ローラー561)の回転駆動は停止されたまま、ループローラー部55による搬送が継続される。これにより、用紙Sの先端がレジストニップに突き当てられた状態となり、ループ形成部に用紙Sの撓みが形成される。そして、用紙Sに生じる応力により用紙Sの傾きが補正される。
用紙Sの傾きが補正された後、レジストローラー部56による用紙搬送(駆動ローラー561の回転駆動)が開始され、用紙Sが画像形成部40の転写ニップに向けて搬送される。このとき、片寄り検出センサー565によって用紙Sの片寄りが検出された場合は、レジストローラー部56により搬送される過程で用紙Sの幅方向の位置が補正される(レジスト揺動)。
そして、用紙Sが転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面(表面)に一括して二次転写され、定着部60において定着処理が施される。画像が形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
図3は、レジストローラー部56を上方(Z方向基端側)から見た図である。図4は、レジストローラー部56を用紙搬送方向上流側(Y方向基端側)から見た図である。図3、4において、X軸が水平方向(レジストローラーの軸方向)、Z軸が鉛直方向、Y軸がX軸とZ軸に直交する用紙搬送方向である。
図3、4に示すように、レジストローラー部56は、駆動ローラー561と、駆動ローラー561に対向して配置される従動ローラー562とからなる一対のレジストローラーRを有する。駆動ローラー561は例えばゴムローラーで構成され、従動ローラー562は例えば金属ローラーで構成される。従動ローラー562は、駆動ローラー561に対して常時圧接された状態で保持される。従動ローラー562が駆動ローラー561に圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送するニップ部(レジストニップ)が形成される。
駆動ローラー561及び従動ローラー562は、フレーム568に形成された軸受けに挿通され、回転可能に固定される。また、駆動ローラー561のローラー軸561bと従動ローラー562のローラー軸562bは、連結部材567によって連結される。これにより、用紙Sの幅方向の位置を補正する際、駆動ローラー561と従動ローラー562は幅方向に一緒に移動する。
レジストローラーRを有するレジストユニット56Aが、画像形成装置本体に組み付けられた架台Cに取り付けられる。具体的には、架台Cに形成されたダボ569に、フレーム568の軸方向端部に形成された係合部568aを係合させた状態で、フレームの複数箇所(図示略)を架台Cにボルト締めすることにより、レジストユニット56Aは固定される。
ダボ569を調整軸として、これを中心に、用紙の搬送面(XY面)内でレジストユニット56Aの取付け角度、すなわちレジストローラーRの取付け角度を調整することができる。また、ダボ569との係合部を調整軸(支点)として、用紙の搬送面に垂直な面(XZ面)内でレジストユニット56Aの取付け角度を調整することができる。このように、極めて簡易な構成で、レジストニップの軸方向と転写ニップの軸方向を容易に一致させることができる。
なお、レジストユニット56Aの取付け角度、すなわちレジストローラーRの取付け角度を調整するに際しては、用紙に形成された画像の傾きを実際に測定して、その結果を目安とすればよい。また、レジストローラーRはレジストユニット56A内に固定されているので、レジストユニット56Aを水平方向又は垂直方向に揺動させたとき、駆動ローラー561と従動ローラー562との位置関係は保持される。
駆動ローラー561は、ローラー歯車561a、モーター歯車566aを含む動力伝達部を介して駆動用モーター566に接続される。駆動用モーター566を含む駆動部56Bは、架台Cに直接取り付けられる。このため、レジストローラーRの取付け角度が調整されると、ローラー歯車561aとモーター歯車566aの軸間距離、すなわち噛み合いの状態が変化する。
ローラー歯車561a及びモーター歯車566aには、平歯歯車が適用される。駆動歯車列の噛み合い精度を向上させるためには斜歯歯車が有利であるが、斜歯歯車を適用すると、レジストローラーRの幅方向への揺動が阻害されるためである。また、ローラー歯車561a又はモーター歯車566aは、レジスト揺動時に駆動ローラー561が軸方向に移動しても駆動力が伝達されるように、所定の長さを有する。
駆動用モーター566の動力が、モーター歯車566a、ローラー歯車561aを介して駆動ローラー561に伝達されることにより、駆動ローラー561及び従動ローラー562が回転する。レジストローラー部56における用紙搬送動作(駆動用モーター566の駆動)は、制御部100によって制御される。
また、駆動ローラー561は、ラック564b及びピニオン564aからなる動力伝達部564を介して揺動用モーター563に接続される。つまり、動力伝達部564及び揺動用モーター563により、レジストローラーRを幅方向に移動させ、用紙の幅方向の位置を補正する片寄り補正部が構成される。揺動用モーター563も、駆動用モーター566と同様に、架台Cに直接取り付けられる。
ラック564bは、内面に軸受けを有する円筒状の部材であり、ローラー軸561bに挿通される。ローラー軸561bに固定された2つの座金(例えばEリング)でラック564bの両端を挟み込むことにより、ラック564bは歯車561aの近傍に固定される。つまり、ラック564bは、駆動ローラー561の回転を許容する一方で、軸方向には移動不能に固定される。
レジストローラー部56の下流側には、レジストローラーRを通過する用紙Sの幅方向の位置(片寄り)を検出する片寄り検出センサー565が配置される。具体的には、片寄り検出センサー565は、フレーム568におけるレジストローラーRの下流側の領域に、レジストローラーRと平行に配置される。
片寄り検出センサー565は、例えば受像素子が横1列(又は複数列)に並設されたラインセンサーで構成され、用紙Sの幅方向端部の位置を検出する。片寄り検出センサー565をラインセンサーで構成することにより、用紙Sの幅方向端部の位置や片寄り量(基準位置からのずれ)を高精度(例えば数十μm単位)で検出することができる。
レジストローラー部56におけるレジストローラーRの揺動動作(揺動用モーター563の駆動)は、制御部100によって制御される。具体的には、制御部100は、片寄り検出センサー565による検出結果に基づいて、揺動用モーター563を制御する。揺動用モーター563の回転運動がピニオン564a及びラック564bによって直線運動に変換され、駆動ローラー561に伝達される。これにより、駆動ローラー561及び従動ローラー562からなるレジストローラーRが軸方向に所定量だけ移動する。
図5は、レジストユニット56Aの取付け角度、すなわちレジストローラーRの取付け角度を調整するための調整軸の配置について示す図である。
図5に示すように、調整軸となるダボ569は、レジストローラーRの他方の端部(ローラー歯車561aが配置される端部の反対側の端部)よりも、ローラー歯車561aとモーター歯車566aとの噛み合い部の近くに配置される。ここでは、レジストローラーRのフレーム568との係合部位を、レジストローラーRの端部とする。これにより、レジストローラーRの取付け角度を調整したときの、ローラー歯車561aとモーター歯車566aとの軸間距離の変位は微小となる。
具体的には、用紙の搬送面(XY面)内においては、レジストローラーRの他方の端部から調整軸569までの距離Ahが、ローラー歯車561aとモーター歯車566aとの噛み合い部から調整軸569までの距離Bhよりも大きくなるように配置される(図5A参照)。また、用紙の搬送面に垂直な面(XZ面)内においては、レジストローラーRの他方の端部から調整軸569までの距離Avが、ローラー歯車561aとモーター歯車566aとの噛み合い部から調整軸569までの距離Bvよりも大きくなるように配置される(図5B参照)。
このように、用紙搬送装置としてのレジストローラー部56は、取付け角度を調整可能に構成され、用紙を狭持して搬送する一対のレジストローラーRと、レジストローラーRの一方の端部に配置されるローラー歯車561a(第1の平歯歯車)と、レジストローラーRを回転させるための駆動用モーター566と、駆動用モーター566のモーター軸に配置され、ローラー歯車561aに歯合して駆動用モーター566の動力をレジストローラーR(駆動ローラー561)に伝達するモーター歯車566a(第2の平歯歯車)と、レジストローラーRを幅方向に移動させ、通紙される用紙の幅方向の位置を補正する片寄り補正部(揺動用モーター563及び動力伝達部564)と、レジストローラーRを取付け角度を調整可能に支持する調整軸569と、を備える。
また、調整軸569を中心にレジストローラーRの取付け角度が調整されることに伴いローラー歯車561aとモーター歯車566aの軸間距離が変化するように、レジストローラーRと駆動用モーター566が取り付けられる。具体的には、レジストローラーRはレジストユニット56Aに取り付けられ、駆動用モーター566は架台Cに直接取り付けられる。
そして、レジストローラーRの他方の端部よりも、ローラー歯車561aとモーター歯車566aの噛み合い部の近くに、調整軸569が配置される。
レジストローラー部56によれば、レジストローラーRの軸方向の調整を行う際に、ローラー歯車561aとモーター歯車566aとの噛み合いが損なわれるのを最小限に抑制することができるので、良好な駆動安定性が確保される。したがって、画像形成装置1においては、レジストローラー部56によって用紙の搬送速度が高精度で制御されるので、画像品質の向上を図ることができる。
また、駆動用モーター566及び揺動用モーター563がレジストユニット56Aの外部に配置されているので、レジストユニット56Aを画像形成装置本体に装着する際にモーターハーネスを挿抜する繁雑な作業が不要となり、作業性が格段に向上する。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、レジストローラーRの取付け角度を調整するための調整軸の態様は実施の形態で示したものに限定されない。例えば、用紙の搬送面内で取付け角度を調整するための調整軸と、搬送面に垂直な面内で取付け角度を調整するための調整軸を別々に設けるようにしてもよい。この場合、それぞれの調整軸が、ローラー歯車561aとモーター歯車566aとの噛み合いの近傍に配置されるようにする。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
56 レジストローラー部(用紙搬送装置)
561 駆動ローラー
561a ローラー歯車(第1の平歯歯車)
562 従動ローラー
563 揺動用モーター(片寄り補正部)
564 動力伝達部(片寄り補正部)
565 片寄り検出センサー
566 駆動用モーター
566a モーター歯車(第2の平歯歯車)
569 ダボ(調整軸)
60 定着部
100 制御部
R レジストローラー

Claims (6)

  1. 取付け角度を調整可能に構成され、用紙を狭持して搬送する一対のレジストローラーと、
    前記レジストローラーの一方の端部に配置される第1の平歯歯車と、
    前記レジストローラーを回転させるための駆動用モーターと、
    前記駆動用モーターのモーター軸に配置され、前記第1の平歯歯車に歯合して前記駆動用モーターの動力を前記レジストローラーに伝達する第2の平歯歯車と、
    前記レジストローラーを幅方向に移動させ、通紙される用紙の幅方向の位置を補正する片寄り補正部と、
    前記一対のレジストローラーを、取付け角度を調整可能に支持する調整軸と、を備え、
    前記調整軸を中心に前記レジストローラーの取付け角度が調整されることに伴い前記第1の平歯歯車と前記第2の平歯歯車の軸間距離が変化するように、前記レジストローラーと前記駆動用モーターが取り付けられ、
    前記レジストローラーの他方の端部よりも、前記第1の平歯歯車と前記第2の平歯歯車の噛み合い部の近くに、前記調整軸が配置されることを特徴とする用紙搬送装置。
  2. 用紙の搬送面内で、前記調整軸を中心に前記取付け角度の調整が行われることを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送装置。
  3. 用紙の搬送面に垂直で、かつ前記レジストローラーに平行な面内で、前記調整軸を中心に前記取付け角度の調整が行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙搬送装置。
  4. レジストユニット内に前記レジストローラーが取り付けられ、
    前記調整軸を有する架台に、前記レジストユニット及び前記駆動用モーターが取り付けられ、
    前記調整軸を中心に前記レジストユニットを回転させることにより、前記レジストローラーの取付け角度が調整されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の用紙搬送装置。
  5. 前記レジストユニットは、前記レジストローラーの軸方向一端側に、前記調整軸に係合する係合部を有することを特徴とする請求項4に記載の用紙搬送装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の用紙搬送装置と、
    前記用紙搬送装置の用紙搬送方向下流側に配置され、搬送されてきた用紙に画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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