JP2014110150A - アルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極及びこれを用いたアルカリ蓄電池 - Google Patents
アルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極及びこれを用いたアルカリ蓄電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 高温充電効率が向上し、かつ抵抗上昇を招かずに効率的に出力性能を取り出せるようしたアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極及びアルカリ蓄電池を提供する。
【解決手段】 水酸化ニッケルを主正極活物質とするアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極であって、前記正極活物質は粒子状で、その内部及び表面に亜鉛を含み、前記粒子を一次粒子として、これを積層した二次粒子を形成している。また、活物質の内部含まれる亜鉛は、前記一次粒子内部に固溶されており、前記活物質の表面に含まれる亜鉛は、前記一次粒子の表面に付与されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 水酸化ニッケルを主正極活物質とするアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極であって、前記正極活物質は粒子状で、その内部及び表面に亜鉛を含み、前記粒子を一次粒子として、これを積層した二次粒子を形成している。また、活物質の内部含まれる亜鉛は、前記一次粒子内部に固溶されており、前記活物質の表面に含まれる亜鉛は、前記一次粒子の表面に付与されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)等の車両用途に適したアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極及びこれを用いたアルカリ蓄電池に関する。
高出力・高耐久性能が必要とされるハイブリッド自動車(HEV)のような用途においては、多孔性の焼結基板の孔内に硝酸ニッケル等のニッケル塩を含浸させた後、これをアルカリ水溶液で処理し、活物質である水酸化ニッケルを充填させた焼結式ニッケル正極が一般に用いられており、この正極活物質には過充電時の活物質の膨化抑制、充電特性を向上させるため亜鉛を添加している。亜鉛の添加方法としては、硝酸ニッケル塩に硝酸亜鉛を溶解させ添加させる方法(特許文献1)や水酸化ニッケル充填後に硝酸亜鉛溶液に浸漬させ亜鉛を添加する方法(特許文献2)がある。
しかしながら、上記方法によって得られたニッケル正極においては、ハイレートでの充電性能や高温環境下での高い耐久性の両立が困難であるという課題があった。
上記課題を解決するために、本発明のアルカリ蓄電池用ニッケル正極は、水酸化ニッケルを主正極活物質とする焼結式ニッケル正極であって、前記正極活物質は粒子状で、その内部及び表面に亜鉛を含み、前記粒子を一次粒子として、これを積層した二次粒子を形成していることを特徴とする。
好ましくは、前記活物質の内部含まれる亜鉛は、前記一次粒子内部に固溶されており、また、前記活物質の表面に含まれる亜鉛は、前記一次粒子の表面に付与されている。
上記構成を有するアルカリ蓄電池用ニッケル正極であると、正極表面付近(活物質層の最表面付近)に配置される亜鉛の含有量を低減させることが可能となり、この正極を用いたアルカリ蓄電池は、高温充電効率が向上し、かつ抵抗上昇を招かずに効率的に出力性能を取り出せるようになる。また、上記構成を有するアルカリ蓄電池用ニッケル正極であると、正極中で亜鉛が均一に配置されるようになり、正極を用いたアルカリ蓄電池は、安定した性能を有するようになる。
ここで、前記活物質の内部含まれる亜鉛の含有量は、前記正極に含まれる亜鉛の35〜42mass%であると、HEV用途で求められるハイレートの出力性能と高温充電特性の両立ができるようになる。
また、前記焼結式ニッケル正極は、ニッケル焼結基板をニッケルを主成分としコバルト及び亜鉛を含有するニッケル塩水溶液に浸漬して前記ニッケル焼結体に前記ニッケル塩を充填した後、亜鉛を含むアルカリ水溶液に浸漬してニッケル塩を水酸化ニッケルとする含浸中和工程を有する製造方法により製造することができ、これにより、正極活物質の一次粒子内部と表面の両方に亜鉛を存在させることができるようになる。
この際、含浸中和工程を繰り返して、前記一次粒子が積層した二次粒子を形成させることで、極板表面付近での亜鉛量を低減させることが可能となる。
また、上記製造方法は、生産時の亜鉛量変動に起因した性能バラツキも抑制されるメリットを有する。
好ましくは、前記活物質の内部含まれる亜鉛は、前記一次粒子内部に固溶されており、また、前記活物質の表面に含まれる亜鉛は、前記一次粒子の表面に付与されている。
上記構成を有するアルカリ蓄電池用ニッケル正極であると、正極表面付近(活物質層の最表面付近)に配置される亜鉛の含有量を低減させることが可能となり、この正極を用いたアルカリ蓄電池は、高温充電効率が向上し、かつ抵抗上昇を招かずに効率的に出力性能を取り出せるようになる。また、上記構成を有するアルカリ蓄電池用ニッケル正極であると、正極中で亜鉛が均一に配置されるようになり、正極を用いたアルカリ蓄電池は、安定した性能を有するようになる。
ここで、前記活物質の内部含まれる亜鉛の含有量は、前記正極に含まれる亜鉛の35〜42mass%であると、HEV用途で求められるハイレートの出力性能と高温充電特性の両立ができるようになる。
また、前記焼結式ニッケル正極は、ニッケル焼結基板をニッケルを主成分としコバルト及び亜鉛を含有するニッケル塩水溶液に浸漬して前記ニッケル焼結体に前記ニッケル塩を充填した後、亜鉛を含むアルカリ水溶液に浸漬してニッケル塩を水酸化ニッケルとする含浸中和工程を有する製造方法により製造することができ、これにより、正極活物質の一次粒子内部と表面の両方に亜鉛を存在させることができるようになる。
この際、含浸中和工程を繰り返して、前記一次粒子が積層した二次粒子を形成させることで、極板表面付近での亜鉛量を低減させることが可能となる。
また、上記製造方法は、生産時の亜鉛量変動に起因した性能バラツキも抑制されるメリットを有する。
上記本発明の構成であると、高温充電効率が向上し、かつ抵抗上昇を招かずに効率的に出力性能を取り出せるようしたアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極及びアルカリ蓄電池を提供することが可能となる。
ついで、本発明の実施の形態を以下に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
1.ニッケル正極
本発明のニッケル正極11は、基板となるニッケル焼結基板の多孔内に活物質が所定の充填量となるように充填されて形成されている。この場合、ニッケル焼結基板は以下のようにして作製されたものを用いている。例えば、ニッケル粉末に、増粘剤となるメチルセルロース(MC)と高分子中空微小球体(例えば、孔径が60μmのもの)と水とを混合、混練してニッケルスラリーを作製する。ついで、ニッケルめっき鋼板からなるパンチングメタルの両面にニッケルスラリーを塗着した後、還元性雰囲気中で1000℃で加熱して、増粘剤や高分子中空微小球体を消失させるとともにニッケル粉末同士を焼結することにより作製される。尚、得られた多孔性ニッケル基板を水銀圧入式ポロシメータ(ファイソンズ インスツルメンツ製 Pascal 140)で測定したところ、多孔度が85%であった。
本発明のニッケル正極11は、基板となるニッケル焼結基板の多孔内に活物質が所定の充填量となるように充填されて形成されている。この場合、ニッケル焼結基板は以下のようにして作製されたものを用いている。例えば、ニッケル粉末に、増粘剤となるメチルセルロース(MC)と高分子中空微小球体(例えば、孔径が60μmのもの)と水とを混合、混練してニッケルスラリーを作製する。ついで、ニッケルめっき鋼板からなるパンチングメタルの両面にニッケルスラリーを塗着した後、還元性雰囲気中で1000℃で加熱して、増粘剤や高分子中空微小球体を消失させるとともにニッケル粉末同士を焼結することにより作製される。尚、得られた多孔性ニッケル基板を水銀圧入式ポロシメータ(ファイソンズ インスツルメンツ製 Pascal 140)で測定したところ、多孔度が85%であった。
次いで、前記ニッケル焼結基板に、硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸亜鉛からなる含浸液に浸漬した後に、80℃(8mol/L)のアルカリ溶液(例えば水酸化ナトリウム水溶液)中に浸漬・反応させることで、水酸化ニッケル・水酸化コバルト・水酸化亜鉛に転換・細孔内で変化させ、その後水洗・乾燥した。本含浸サイクルを7回繰り返して、規定量の水酸化ニッケルを主体とする活物質を基板内に充填することで、焼結式ニッケル正極11を得た。
ここで、前記含浸液としては、硝酸ニッケル・硝酸コバルト・硝酸亜鉛がモル比で100:3:〔0(比較例1)、8.0(比較例2)、4.5(実施例1)、6.5(実施例2)〕となる含浸液を比重が1.8g/ccとなるよう調製したものを使用した。
また、前記アルカリ溶液としては、アルカリ溶液中のZn濃度が、29000ppm(比較例1)、0ppm(比較例2)、21000ppm(実施例1)、26000ppm(実施例2)〕、比重が1.3g/ccとなるよう調製したものを使用した。
ここで、前記含浸液としては、硝酸ニッケル・硝酸コバルト・硝酸亜鉛がモル比で100:3:〔0(比較例1)、8.0(比較例2)、4.5(実施例1)、6.5(実施例2)〕となる含浸液を比重が1.8g/ccとなるよう調製したものを使用した。
また、前記アルカリ溶液としては、アルカリ溶液中のZn濃度が、29000ppm(比較例1)、0ppm(比較例2)、21000ppm(実施例1)、26000ppm(実施例2)〕、比重が1.3g/ccとなるよう調製したものを使用した。
2.水素吸蔵合金負極
水素吸蔵合金負極12は、パンチングメタルからなる負極芯体に水素吸蔵合金スラリーが充填されて形成されている。この場合、例えば、ネオジム(Nd)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)を所定のモル比の割合で混合し、この混合物をアルゴンガス雰囲気中で溶解させ、これを溶融急冷してNd0.9Mg0.1Ni3.3Al0.2と表される水素吸蔵合金のインゴットを作製した。
ついで、上記水素吸蔵合金のインゴットをアルゴン雰囲気中において、融点よりも30℃だけ低い温度で所定時間(例えば、10時間)の熱処理を行い、A2B7型構造と同定される水素吸蔵合金を得た。
ついで、この水素吸蔵合金を不活性雰囲気中で機械的に粉砕することにより、水素吸蔵合金粉末を得た。なお、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置によりこの粉末の粒度分布
を測定すると、質量積分50%にあたる平均粒径は25μmであった。
この後、得られた水素吸蔵合金粒子100質量部に対し、非水溶性高分子結着剤としてのSBR(スチレンブタジエンラテックス)を0.5質量部と、増粘剤としてのCMC(カルボキシメチルセルロース)0.03質量部と、添加剤としてのカーボンブラック0.5質量部と、適量の水(あるいは純水)を加えて混練して、水素吸蔵合金スラリーを調製した。
得られた水素吸蔵合金スラリーをパンチドメタル(ニッケルメッキ鋼板製)からなる負極芯体の両面に塗着した後、100℃で乾燥させ、所定の充填密度になるように圧延した。この後、所定の寸法に裁断することにより、水素吸蔵合金活物質が充填された水素吸蔵合金負極12を作製した。
水素吸蔵合金負極12は、パンチングメタルからなる負極芯体に水素吸蔵合金スラリーが充填されて形成されている。この場合、例えば、ネオジム(Nd)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)を所定のモル比の割合で混合し、この混合物をアルゴンガス雰囲気中で溶解させ、これを溶融急冷してNd0.9Mg0.1Ni3.3Al0.2と表される水素吸蔵合金のインゴットを作製した。
ついで、上記水素吸蔵合金のインゴットをアルゴン雰囲気中において、融点よりも30℃だけ低い温度で所定時間(例えば、10時間)の熱処理を行い、A2B7型構造と同定される水素吸蔵合金を得た。
ついで、この水素吸蔵合金を不活性雰囲気中で機械的に粉砕することにより、水素吸蔵合金粉末を得た。なお、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置によりこの粉末の粒度分布
を測定すると、質量積分50%にあたる平均粒径は25μmであった。
この後、得られた水素吸蔵合金粒子100質量部に対し、非水溶性高分子結着剤としてのSBR(スチレンブタジエンラテックス)を0.5質量部と、増粘剤としてのCMC(カルボキシメチルセルロース)0.03質量部と、添加剤としてのカーボンブラック0.5質量部と、適量の水(あるいは純水)を加えて混練して、水素吸蔵合金スラリーを調製した。
得られた水素吸蔵合金スラリーをパンチドメタル(ニッケルメッキ鋼板製)からなる負極芯体の両面に塗着した後、100℃で乾燥させ、所定の充填密度になるように圧延した。この後、所定の寸法に裁断することにより、水素吸蔵合金活物質が充填された水素吸蔵合金負極12を作製した。
3.ニッケル−水素蓄電池
上述のようにして作製されたニッケル正極11(実施例1〜2及び比較例1〜2)と、水素吸蔵合金負極12とを用い、これらの間に、セパレータ13(ポリオレフィン製の不織布)を介在させて渦巻状に巻回して渦巻状電極群を作製した。なお、このようにして作製された渦巻状電極群の上部にはニッケル正極11の芯体露出部11cが露出しており、その下部には水素吸蔵合金電極12の芯体露出部12cが露出している。ついで、得られた渦巻状電極群の下端面に露出する芯体露出部12cに負極集電体14を溶接するとともに、渦巻状電極群の上端面に露出するニッケル電極11の芯体露出部11cの上に正極集電体15を溶接して、電極体とした。
上述のようにして作製されたニッケル正極11(実施例1〜2及び比較例1〜2)と、水素吸蔵合金負極12とを用い、これらの間に、セパレータ13(ポリオレフィン製の不織布)を介在させて渦巻状に巻回して渦巻状電極群を作製した。なお、このようにして作製された渦巻状電極群の上部にはニッケル正極11の芯体露出部11cが露出しており、その下部には水素吸蔵合金電極12の芯体露出部12cが露出している。ついで、得られた渦巻状電極群の下端面に露出する芯体露出部12cに負極集電体14を溶接するとともに、渦巻状電極群の上端面に露出するニッケル電極11の芯体露出部11cの上に正極集電体15を溶接して、電極体とした。
ついで、得られた電極体を鉄にニッケルメッキを施した有底筒状の外装缶(底面の外面は負極外部端子となる)17内に収納した後、負極集電体14を外装缶17の内底面に溶接した。一方、正極集電体15より延出する集電リード部15aを封口体18の底部に溶接した。なお、封口体18には正極キャップ18aが設けられていて、この正極キャップ18a内に所定の圧力になると変形する弁体18bとスプリング18cよりなる圧力弁(図示せず)が配置されている。
ついで、外装缶17の上部外周部に環状溝部17aを形成した後、アルカリ電解液(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを含む濃度7.0mol/Lの水溶液)を注液し、外装缶17の上部に形成された環状溝部17aの上に封口体18の外周部に装着された絶縁ガスケット19を載置した。この後、外装缶17の開口端縁17bをかしめることにより、電池容量が6Ahのニッケル−水素蓄電池10(実施例1〜2及び比較例1〜2)を作製した。
上述のようにして作製されるニッケル−水素蓄電池10(実施例1〜2及び比較例1〜2)を、25℃の温度雰囲気で、1Itの充電電流でSOC(State Of Charge:充電深度)の160%まで充電し、1時間休止する。ついで、60℃の温度雰囲気で24時間放置した後、30℃の温度雰囲気で、1Itの放電電流で電池電圧が0.9Vになるまで放電させるサイクルを2サイクル繰り返して活性化した。
4.性能評価試験
(1)評価方法
1) 出力特性
上述のようにして作製されるニッケル−水素蓄電池10(実施例1〜2及び比較例1〜2)を25℃の温度雰囲気で、1Cの充電電流でSOC(充電深度)50%まで充電した。この後、20A充電→40A放電→40A充電→80A放電→60A充電→120A放電→80A充電→160A放電→100A充電→200A放電の順で充放電電流を増加させた。このとき、各ステップの間に30分間の休止期間を設け、20秒間の充電→30分間休止→10秒間放電→30分間休止の順で充放電を行った。そして、この放電が10秒経過した時点における電池電圧を充電電流に対してプロットし、最小二乗法にて求めた直線
が0.9Vに達したときの電流値を出力(A)として算出した。この結果を表1に示す。2) 55℃充電効率
55℃の温度雰囲気で0.5Cの充電電流でSOC80%まで充電し、直後に1Cの放電電流で終止電圧が0.9Vになるまで放電させて1.0V時点での放電容量を求めた。この時の充電容量に対する放電容量の割合を充電効率(%)として算出した。この結果を表1に示す。
(1)評価方法
1) 出力特性
上述のようにして作製されるニッケル−水素蓄電池10(実施例1〜2及び比較例1〜2)を25℃の温度雰囲気で、1Cの充電電流でSOC(充電深度)50%まで充電した。この後、20A充電→40A放電→40A充電→80A放電→60A充電→120A放電→80A充電→160A放電→100A充電→200A放電の順で充放電電流を増加させた。このとき、各ステップの間に30分間の休止期間を設け、20秒間の充電→30分間休止→10秒間放電→30分間休止の順で充放電を行った。そして、この放電が10秒経過した時点における電池電圧を充電電流に対してプロットし、最小二乗法にて求めた直線
が0.9Vに達したときの電流値を出力(A)として算出した。この結果を表1に示す。2) 55℃充電効率
55℃の温度雰囲気で0.5Cの充電電流でSOC80%まで充電し、直後に1Cの放電電流で終止電圧が0.9Vになるまで放電させて1.0V時点での放電容量を求めた。この時の充電容量に対する放電容量の割合を充電効率(%)として算出した。この結果を表1に示す。
(2)評価結果
1) 比較例1
正極活物質における亜鉛(Zn)含有量を、活物質中ニッケル(Ni)比14mass%存在させるために、アルカリ水溶液のみからZnを添加した比較例1では、一次粒子表面のみにZnを含有させた状態となり、本正極を用いた電池は、活物質の表面抵抗が高くなり、特に1s後出力が充分でない。
2) 比較例2
正極活物質における亜鉛(Zn)含有量を、活物質中ニッケル(Ni)比14mass%存在させるために、ニッケル塩のみからZnを添加した比較例2では、一次粒子内部のみにZnを含有させた状態となり、本正極を用いた電池は、活物質の反応抵抗が高くなり、特に10s後出力が充分でない。表面へ付与する亜鉛の割合が少ないため、酸素発生電位の上昇が十分でなく、必要な充電効率が得られない。
3) 実施例1
正極活物質における亜鉛(Zn)を、ニッケル塩(35%)とアルカリ水溶液(65%)の両方からZnを添加した実施例1では、一次粒子内部と表面にZnを含有させ、かつこれが積層した状態となり、本正極を用いた電池は、比較例1に対する1s後出力向上と、比較例2に対する10s後出力向上を両立できる。これは、比較例1に対して表面Zn付着量低による活物質表面抵抗増大抑制、比較例2に対してはZn固溶量低減による粒子(活物質)内部の抵抗増大抑制によるものと考えられる。また、高温充電効率は、性能低下に至る表面Zn量の変化点に至らないため、性能を維持できるものと考えられる。
なお、図2にアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極の二次粒子中の亜鉛の積層状態イメージ、図3にアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極中の亜鉛の変化推移を示している。いずれも(a)は表面のZn量を多くした場合で、表面抵抗増加によりハイレートの出力性能が低下し易い。(b)は粒子表面のZn量を増やして積層させた場合で、実施例1(及び2)に示すようにハイレートの出力低下を招かずに高温充電特性を向上させることが可能となる。
4) 実施例2
正極活物質における亜鉛(Zn)を、ニッケル塩(42%)とアルカリ水溶液(58%)の両方からZnを添加した実施例2では、実施例1と同様の状態となり、高温充電特性を低下させること無く、効率的に出力性能を取り出せる。
1) 比較例1
正極活物質における亜鉛(Zn)含有量を、活物質中ニッケル(Ni)比14mass%存在させるために、アルカリ水溶液のみからZnを添加した比較例1では、一次粒子表面のみにZnを含有させた状態となり、本正極を用いた電池は、活物質の表面抵抗が高くなり、特に1s後出力が充分でない。
2) 比較例2
正極活物質における亜鉛(Zn)含有量を、活物質中ニッケル(Ni)比14mass%存在させるために、ニッケル塩のみからZnを添加した比較例2では、一次粒子内部のみにZnを含有させた状態となり、本正極を用いた電池は、活物質の反応抵抗が高くなり、特に10s後出力が充分でない。表面へ付与する亜鉛の割合が少ないため、酸素発生電位の上昇が十分でなく、必要な充電効率が得られない。
3) 実施例1
正極活物質における亜鉛(Zn)を、ニッケル塩(35%)とアルカリ水溶液(65%)の両方からZnを添加した実施例1では、一次粒子内部と表面にZnを含有させ、かつこれが積層した状態となり、本正極を用いた電池は、比較例1に対する1s後出力向上と、比較例2に対する10s後出力向上を両立できる。これは、比較例1に対して表面Zn付着量低による活物質表面抵抗増大抑制、比較例2に対してはZn固溶量低減による粒子(活物質)内部の抵抗増大抑制によるものと考えられる。また、高温充電効率は、性能低下に至る表面Zn量の変化点に至らないため、性能を維持できるものと考えられる。
なお、図2にアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極の二次粒子中の亜鉛の積層状態イメージ、図3にアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極中の亜鉛の変化推移を示している。いずれも(a)は表面のZn量を多くした場合で、表面抵抗増加によりハイレートの出力性能が低下し易い。(b)は粒子表面のZn量を増やして積層させた場合で、実施例1(及び2)に示すようにハイレートの出力低下を招かずに高温充電特性を向上させることが可能となる。
4) 実施例2
正極活物質における亜鉛(Zn)を、ニッケル塩(42%)とアルカリ水溶液(58%)の両方からZnを添加した実施例2では、実施例1と同様の状態となり、高温充電特性を低下させること無く、効率的に出力性能を取り出せる。
11…ニッケル電極、11c…芯体露出部、12…水素吸蔵合金電極、12c…芯体露出部、13…セパレータ、14…負極集電体、15…正極集電体、15a…集電リード部、
17…外装缶、17a…環状溝部、17b…開口端縁、18…封口体、18a…正極キャップ、18b…弁板、18c…スプリング、19…絶縁ガスケット
17…外装缶、17a…環状溝部、17b…開口端縁、18…封口体、18a…正極キャップ、18b…弁板、18c…スプリング、19…絶縁ガスケット
Claims (6)
- 水酸化ニッケルを主正極活物質とするアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極であって、
前記正極活物質は粒子状で、その内部及び表面に亜鉛を含み、前記粒子を一次粒子として、これを積層した二次粒子を形成していることを特徴とするアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極。 - 前記活物質の内部に含まれる亜鉛は、前記一次粒子内部に固溶されていることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極。
- 前記活物質の表面に含まれる亜鉛は、前記一次粒子の表面に付与されていることを特徴とする請求項1〜2に記載のアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極。
- 前記正極の活物質層に含まれる亜鉛の含有量は、活物質層の最表面に比べ、活物質層の内層の方が大きくなっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極。
- 前記活物質の内部に含まれる亜鉛の含有量は、前記正極に含まれる亜鉛の35〜42mass%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極。
- 水酸化ニッケルを主正極活物質とするアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極の製造方法であって、
ニッケル焼結基板をニッケルを主成分としコバルト及び亜鉛を含有するニッケル塩水溶液に浸漬して前記ニッケル焼結体に前記ニッケル塩を充填した後、亜鉛を含むアルカリ水溶液に浸漬してニッケル塩を水酸化ニッケルとする含浸中和工程を有することを特徴とするアルカリ蓄電池用焼結式ニッケル正極の製造方法。
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