JP2014109556A - 偏光感受型光計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べて少ない測定回数で測定対象の偏光情報を取得可能な光計測装置を提供すること。
【解決手段】光源101から出射された光を測定対象107に照射する検査光と測定対象に照射しない参照光とに分岐し、検査光が測定対象によって反射もしくは散乱されることによって得られる信号光を互いに直交する2つの偏光成分である第一の分岐信号光と第二の分岐信号光に分離し、第一の分岐信号光と参照光とを第一の干渉光学系113aに入力して干渉させ、互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成し、第二の分岐信号光と前記参照光と第二の干渉光学系113bに入力して干渉させ、互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成し、第一の干渉光学系によって生成された干渉光と、第二の干渉光学系によって生成された干渉光を検出する構成とした。
【選択図】図5

Description

本発明は、偏光感受型光計測装置に関する。
近年、光を用いて測定対象の表面構造や内部構造を反映した画像を取得する光コヒーレンストモグラフィー(OCT:Optical Coherence Tomography)が注目を集めている(非特許文献1,非特許文献2)。OCTは人体に対する侵襲性を持たないことから、特に医療分野や生物学分野への応用が期待されており、眼科分野においては眼底や角膜等の画像を形成する装置が実用化段階に入っている。
生体組織は複屈折性を有していることがあり、例えば人の眼球の水晶体は複屈折方向の異なった複数の層が積み重なった層構造を有している。しかしこれらの層は同じ屈折率を有しているため、生体組織の屈折率分布を測定している通常のOCTではその構造を可視化することができない。このような構造を可視化するための技術として、偏光感受型OCTの開発が行われている(特許文献1)。
特開2004−28970号公報
Medical Photonics No.1 (2010), pp.29-33 Medical Photonics No.7 (2011), pp.58-64
特許文献1に示されているような従来の偏光感受型OCT装置においては、測定対象の偏光情報(ミュラー行列)を取得するために測定対象に入射させる検査光の偏光状態を4通り、参照光の偏光状態4通り変えて測定する必要があり、合計16回の測定を行わなければならないという問題があった。
本発明は、光源から出射された光を光分岐手段によって測定対象に照射する検査光と測定対象に照射しない参照光に2分岐し、λ/2板等の偏光調整手段により検査光の偏光状態をp偏光又はs偏光状態に調整し、測定対象によって反射もしくは散乱された検査光(以下、信号光と称する)を偏光分離手段によってp偏光成分とs偏光成分に分離し、第一の干渉光学系により信号光のp偏光成分と参照光から互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成し、第二の干渉光学系により信号光のs偏光成分と参照光から互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成し、第一の干渉光学系により生成された干渉光を第一の検出部により検出し、第二の干渉光学系により生成された干渉光を第二の検出部により検出することとした。
これにより、一度の測定で信号光電場のp偏光成分とs偏光成分の振幅の絶対値、及びp偏光成分とs偏光成分の位相差を取得することができるため、従来よりも少ない測定回数で測定対象の偏光情報を取得することができる。
検査光走査部を備え、測定対象に対する検査光の照射位置を走査しながら各位置で測定対象の偏光情報を取得することにより、検査対象の検査ラインに沿った一次元像あるいは検査面の二次元像を取得することができる。検査光走査部は、ガルバノミラーや対物レンズを駆動するアクチュエータを利用して構成することができる。
別の手段として、第一の干渉光学系あるいは第二の干渉光学系により生成される干渉光は4つであり、4つの干渉光は互いに干渉の位相がほぼ90度ずつ異なり、位相がほぼ180度ずつ異なる干渉光の対を電流差動型の差動検出器によって検出することとした。
これにより、検出器が飽和しにくくなるため参照光の強度を大きくすることが可能になり、高いSN比を確保することができる。
別の手段として、光分岐手段と偏光調整手段と偏光分離手段とを有する光観察ユニットと、光源と第一,第二の干渉光学系と第一,第二の検出部とを有する光検出ユニットを、取り外し可能な2本以上の偏波保持光ファイバによって接続することとした。
これにより、人体などの大きな測定対象を測定する場合に、光観察ユニットだけを測定対象に近づけることで測定が可能になるため、測定が容易になる。
別の手段として、光分岐手段と偏光分離手段を1つの偏光分離素子によって実現し、光源方向に戻った信号光と参照光を光サーキュレータ等の戻り光利用手段によって第一の干渉光学系あるいは第二の干渉光学系へ導くこととした。
これにより、光計測装置の部品点数を削減することができ、より簡素な構成で信号光と参照光を合波することが可能になる。
別の手段として、第一の干渉光学系と、第二の干渉光学系を一つの干渉光学系により実現することとした。
これにより、光計測装置の部品点数をさらに削減することができる。
別の手段として、第一の検出部と、第二の検出部を同一の検出部とし、光スイッチや光シャッター等の光切り替え手段を用いて第一の干渉光学系によって生成された干渉光が検出部へ入射する時間帯と、第二の干渉光学系によって生成された干渉光が検出部へ入射する時間帯を異ならしめることとした。
これにより、光計測装置の検出器の数を削減することができる。
本発明によれば、従来に比べて少ない測定回数で測定対象の偏光情報を取得可能な、偏光感受型光計測装置を提供することができる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の光計測装置の例を表す図。 本発明に用いられる干渉光学系の例を表す図。 本発明に用いられる干渉光学系の例を表す図。 本発明の光計測装置の例を表す図。 本発明の光計測装置の例を表す図。 本発明の光計測装置の例を表す図。 本発明の光計測装置の例の断面図。 本発明の光計測装置の例を表す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施例1]
図1は本発明の基本的な実施例を示す模式図である。
光源101から出射された光はコリメートレンズ102によって平行光に変換された後、ハーフビームスプリッタ103によって検査光と参照光に2分岐される。検査光は結晶軸方向が調整可能なλ/2板104によって偏光状態をp偏光もしくはs偏光に調整された後、対物レンズ105によって集光されて測定対象107に照射される。ここで、測定対象物への集光位置はアクチュエイター106によって対物レンズ105の位置を動かすことにより走査される。測定対象から反射された検査光(以下、信号光と称する)は対物レンズ105によって平行光に変換され、λ/2板104とハーフビームスプリッタ103を透過して偏光ビームスプリッタ111に導かれる。ここで、信号光の強度はハーフビームスプリッタ103を透過する際に半分になる。
一方参照光は、ミラー108とミラー109反射した後、λ/2板110によって偏光状態を45度直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ111に入射する。
偏光ビームスプリッタ111へ入射する時点での信号光のp偏光成分と参照光のs偏光成分は偏光ビームスプリッタ111によって合波され、第一の合成光となる。当該第一の合成光はハーフビームスプリッタ114a,λ/2板115a,λ/4板115b,集光レンズ116a,116b,ウォラストンプリズム117a,117bから成る第一の干渉光学系113aへ導かれる。同様にして、偏光ビームスプリッタ111へ入射する時点での信号光のs偏光成分と参照光のp偏光成分は偏光ビームスプリッタ111によって合波され、第二の合成光となる。当該第二の合成光はミラー112を反射した後ハーフビームスプリッタ114b,λ/2板115c,λ/4板115d,集光レンズ116c,116d,ウォラストンプリズム117c,117dから成る第二の干渉光学系113bへ導かれる。
第一の干渉光学系113aと第二の干渉光学系113bの構成は同一であるから、以下では第一の干渉光学系の構成についてのみ説明する。
第一の干渉光学系113aへ入射した第一の合成光は、ハーフビームスプリッタ114aによって透過光と反射光に2分岐される。第一の合成光の透過光は光学軸が水平方向に対して約22.5度に設定されたλ/2板115aを透過した後集光レンズ116aによって集光されると共にウォラストンプリズム117aによって2分岐されることにより互いに位相関係が180度異なる第一の干渉光と第二の干渉光が生成され、電流差動型の検出器118aによって検出され、それらの強度の差に比例した信号119aが出力される。
第一の合成光の反射光は光学軸が水平方向に対して約45度に設定されたλ/4板115bを透過した後集光レンズ116bによって集光されると共にウォラストンプリズム117bによって2分岐されることにより互いに位相関係が180度異なる第三の干渉光と第四の干渉光が生成され、電流差動型の検出器118bによって検出され、それらの強度の差に比例した信号119bが出力される。
同様にして、第二の干渉光学系113bによって第二の合成光から生成された4つの干渉光は検出器118c,118dによって検出され、信号119cと信号119dが生成される。
このようにして生成された信号119a,119b,119c,119dは信号処理部120に入力され、演算されることにより測定対象物の偏光情報(ミュラー行列)が可視化される。
以下、本実施例の光計測装置によって測定対象のミュラー行列を求める原理について数式を用いて説明する。
まずは信号光のジョーンズベクトルを求める方法について述べる。
偏光ビームスプリッタ111へ入射する時点での信号光と参照光(以下では単に信号光,参照光と称する)のジョーンズベクトルをそれぞれ以下のように表すこととする。
Figure 2014109556
ここで、Esig (p),Esig (s)はそれぞれ信号光電場のp偏光成分とs偏光成分である。
参照光は45度直線偏光であるから、p偏光成分とs偏光成分は等しくなっている。このとき、第一の合成光及び第二の合成光のジョーンズベクトルはそれぞれ以下のように表すことができる。
Figure 2014109556
第一の合成光から4つの干渉光が生成されるプロセスと第二の合成光から4つの干渉光が生成されるプロセスは同じであるから、以下では第一の合成光から4つの干渉光が生成されるプロセスについてのみ説明する。
ハーフビームスプリッタ114aを透過し、さらにλ/2板115aを透過した後の第一の合成光のジョーンズベクトルは以下のようになる。
Figure 2014109556
ウォラストンプリズム117aによって、式(5)で示される第一の合成光はp偏光成分とs偏光成分に2分岐された後、検出器118aによって差動検出されるので、検出信号119aは以下の様に表される。
Figure 2014109556
ここで、θsig (p),θrefはそれぞれ複素数Esig (p),Erefを極座標表示で表した際の位相である。簡単のため検出器の変換効率は1とした。
一方、ハーフビームスプリッタ114aを反射し、さらにλ/4板115bを透過した後の第一の合成光のジョーンズベクトルは次のようになる。
Figure 2014109556
ウォラストンプリズム117bによって、式(7)で示される第一の合成光はp偏光成分とs偏光成分に2分岐された後、検出器118bによって差動検出されるので、検出信号119bは以下の様に表される。
Figure 2014109556
これらの出力に対して以下の演算を行うことにより、信号光のp偏光成分の振幅の絶対値に比例した信号が得られる。
Figure 2014109556
また、以下の演算を行うことにより参照光の位相を基準とした信号光のp偏光成分の位相を取得することができる。
Figure 2014109556
全く同様にして、第二の合成光から信号光のs偏光成分の振幅の絶対値と位相が取得される。このようにすることにより、信号光の各偏光成分の振幅の絶対値と位相、すなわち信号光のジョーンズベクトルを1度の測定で得ることができる。
次に、得られた信号光のジョーンズベクトルから測定対象のミュラー行列を求める方法について述べる。
信号光のジョーンズベクトルはλ/2板104を透過直後の検査光(以下では単に検査光と称する)のジョーンズベクトルと以下の関係によって結ばれている。
Figure 2014109556
ここで、Esig,E0はそれぞれ信号光と検査光のジョーンズベクトル,JHWPは復路でのλ/2板104のジョーンズ行列,JHBSはハーフビームスプリッタ103のジョーンズ行列,J0は測定対象のジョーンズ行列,Jは全体のジョーンズ行列である。
式(11)より、検査光の偏光状態をp偏光,s偏光とした場合の、信号光のジョーンズベクトルはそれぞれ以下のように表される。
Figure 2014109556
これにより、検査光の偏光状態をp偏光,s偏光としたそれぞれの場合の信号光のジョーンズベクトルを求めることにより全体のジョーンズ行列Jが得られることが分かる。上で述べた様に、本実施例の光計測装置は1度の測定で信号光のジョーンズベクトルを求めることができるため、合計2度の測定で全体のジョーンズ行列が得られる。
λ/2板104とハーフビームスプリッタ103のジョーンズ行列JHWP,JHBSはいずれも事前に測定可能(あるいは設計値を用いても良い)であるため、全体のジョーンズ行列Jが分かれば以下の演算により測定対象のジョーンズ行列を求めることができる。
Figure 2014109556
さらに以下の演算を行うことにより、測定対象物のミュラー行列M0が求められる。
Figure 2014109556
ここで、・はクロネッカーのテンソル積を表す。
このように、本実施例によれば、従来のよりも少ない測定回数で測定対象のミュラー行列を求めることができる。
なお、第一の干渉光学系113aもしくは第二の干渉光学系113bとしては図1に示したもの以外に、例えば図2に示す干渉光学系を用いることができる。図2示す干渉光学系201において、信号光と参照光が合波された合成光は、まず回折格子202によって±1次の回折光に分岐され、第一の分岐合成光と第二の分岐合成光が生成される。これらの合成光は、第一の分岐合成光のs偏光成分とp偏光成分の位相差と、第二の分岐合成光のs偏光成分とp偏光成分の位相差が、90度異なるように配置された位相板203を通過する。その後、水平方向に対して約22.5度に設定されたλ/2板204にて偏光方向が回転され、ウォラストンプリズム205によって偏光分離されることにより、互いに干渉の位相がほぼ90度ずつ異なる4つの干渉光が生成される。これらの干渉光は集光レンズ206によって集光され、検出器207によって位相関係が180度異なる干渉光の対が差動検出される。
また、本実施例では4つの干渉光の強度から信号光の各偏光成分の振幅と位相の情報を取得したが、干渉光強度を決めるパラメータは(1)信号光強度,(2)参照光強度,(3)信号光と参照光の位相差、の3つであるため、原理的には3つの以上の異なる位相の干渉光強度を検出することにより振幅と位相の情報を取得可能である。
これにより、例えば第一の干渉光学系113aもしくは第二の干渉光学系113bの代わりに図3に示す干渉光学系301を用いることができる。以下、干渉光学系301の機能について説明する。無偏光ビームスプリッタ302,303によって第一の分岐合成光,第二の分岐合成光及び第三の分岐合成光に3分割され、そのうち第一の分岐合成光はs偏光がp偏光に対して120度の位相差を生じる位相板304を, 第二の分岐合成光はs偏光がp偏光に対して240度の位相差を生じる位相板305を通過し、3つの分岐合成光のいずれも45度直線偏光のみを透過する偏光子306,307,308を透過し、集光レンズ309,310,311によって集光され、検出器312,313,314によって検出される。これらの検出器の出力315,316,317は、次のように表される。
Figure 2014109556
これらの出力に対して、次の演算を行うことにより、各偏光成分の振幅と位相の情報が得られる。
Figure 2014109556
[実施例2]
図4は本発明の別の実施例を示す模式図である。
以下、本実施例を図4に基づいて説明する。なお、図1に記載されているものと同一の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
光検出ユニット401内の光源101から出力された光は偏波保持光ファイバ402及び偏波保持光ファイバ403を伝搬し光観察ユニット404へ入力される。ここで、偏波保持光ファイバ403は光検出ユニット401及び光観察ユニット404から取り外し可能になっている。光観察ユニットに入力された光は、実施例1の場合と同様にハーフビームスプリッタ103によって2分岐された後、偏光ビームスプリッタ111によって合波され、第一の合成光と第二の合成光が生成される。第一の合成光と第二の合成光はそれぞれ集光レンズ406と集光レンズ407によって偏波保持光ファイバ408と偏波保持光ファイバ409に結合され、光検出ユニット401へ入力される。ここで、偏波保持光ファイバ408と偏波保持光ファイバ409は光検出ユニット401及び光観察ユニット404から取り外し可能になっている。光検出ユニット401へ入力された第一の合成光及び第二の合成光は、それぞれ偏波保持光ファイバ410と偏波保持光ファイバ411を伝搬した後、コリメートレンズ412とコリメートレンズ413によって平行光に変換され、第一の干渉光学系113a及び第二の干渉光学系113bへ入射される。その後の処理は実施例1と全く同様であるため説明を省略する。
本実施例によれば、光検出ユニット401と光観察ユニット404が偏波保持光ファイバ403,408,409によって接続されているため、人体などの大きな測定対象を測定する場合に、光観察ユニット404だけを測定対象に近づけることで測定が可能になり、測定が容易になる。
[実施例3]
図5は本発明の別の実施例を示す模式図である。
以下、本実施例を図5に基づいて説明する。なお、図1〜4に記載されているものと同一の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
光検出ユニット401内の光源101から出力された光は光サーキュレータ501によって偏波保持光ファイバ402へ導かれ、偏波保持光ファイバ402と偏波保持光ファイバ403を伝搬した後、光観察ユニット404へ入力される。光観察ユニット404に入力された光はコリメートレンズ102によって平行光に変換された後、偏光ビームスプリッタ502によって検査光と参照光に分離される。検査光はλ/2板104によってp偏光もしくはs偏光に変換された後、対物レンズ105によって集光されて測定対象107に照射される。測定対象から反射された検査光(以下、信号光と称する)は対物レンズ105によって平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ502に入射する。
一方参照光は、光学軸方向が水平方向に対して約22.5に設定されたλ/4板503を透過後ミラー504によって反射され、再びλ/4板503を透過した後、偏光ビームスプリッタ502に入射する。このとき、参照光はλ/4を二度通過することによりp偏光から45度直線偏光に変換されている。
偏光ビームスプリッタ502へ入射する時点での信号光のp偏光成分と参照光のs偏光成分は偏光ビームスプリッタ502によって合波され、第一の合成光となる。当該第一の合成光は、集光レンズ505によって偏波保持光ファイバ506に結合され、光検出ユニット401へ入力される。ここで、偏波保持光ファイバ506は光検出ユニット401と光観察ユニット404からは取り外し可能になっている。
同様にして、偏光ビームスプリッタ502へ入射する時点での信号光のs偏光成分と参照光のp偏光成分は偏光ビームスプリッタ502によって合波され、第二の合成光となる。当該第二の合成光は、コリメートレンズ102によって偏波保持光ファイバ403に結合され、光検出ユニット401へ入力される。
光検出ユニット401へ入力された第一の合成光は、偏波保持光ファイバ410を伝搬した後、コリメートレンズ412によって平行光に変換されて干渉光学系113aに入射する。
光検出ユニット401に入射された第二の合成光は偏波保持光ファイバ402を伝搬した後、光サーキュレータ501によって偏波保持光ファイバ507へ導かれ、コリメートレンズ413によって平行光に変換されて第二の干渉光学系113bに入射する。その後の処理は実施例1と全く同様であるため説明を省略する。
本実施例によれば、光源からの光を検査光と参照光に分離する手段と、信号光の偏光分離手段と、信号光と参照光の合波手段が1つの偏光ビームスプリッタによって実現されているため、実施例2に比べて光観察ユニットをより簡素でより小型にすることができる。
[実施例4]
図6は本発明の別の実施例を示す模式図である。
以下、本実施例を図6に基づいて説明する。なお、図1〜5に記載されているものと同一の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
実施例3の場合と同様に、光検出ユニット401内の光源101から生成された光は光観察ユニット404へ入射され、そこで第一の合成光と第二の合成光が生成される。第一の合成光は偏波保持光ファイバ506を伝搬して光検出ユニット401に入力され、さらに偏波保持光ファイバ410を伝搬した後コリメートレンズ412に入射する。
第二の合成光は偏波保持光ファイバ403と偏波保持光ファイバ402を伝搬後に光サーキュレータ501によって偏波保持光ファイバ507に導かれ、同様にコリメートレンズ413に入射する。コリメートレンズ412に入射した第一の合成光と第二の合成光は、平行光に変換された後に干渉光学系113aへ入射される。
ここで、干渉光学系113aへ入射した第一の合成光と第二の合成光の光軸位置は、高さ方向(ハーフビームスプリッタ114aやλ/2板115a等が配置されている平面に対してほぼ垂直な方向)に対して異なる。図7は、第一の合成光と第二の合成光が偏波保持光ファイバ410と偏波保持光ファイバ507から出射されてから検出器118a,118cによって検出されるまでの経路を示す、図6の断面図である。このように第一の合成光と第二の合成光の光軸位置を高さ方向に異ならしめることにより、ハーフビームスプリッタ114a、λ/2板115a,115b、λ/4板115b及びウォラストンプリズム117a,117b等を共用化することができる。
本実施例によれば、1つの干渉光学系によって第一の合成光と第二の合成光から干渉光を生成することが可能となるため、部品点数を削減し光計測装置をより簡素でより小型にすることができる。
[実施例5]
図8は本発明の別の実施例を示す模式図である。
以下、本実施例を図8に基づいて説明する。なお、図1〜7に記載されているものと同一の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
実施例3の場合と同様に、光検出ユニット401内の光源101から生成された光は光観察ユニット404へ入射され、そこで第一の合成光と第二の合成光が生成される。第一の合成光は偏波保持光ファイバ506を伝搬して光検出ユニット401に入力され、さらに偏波保持光ファイバ410を伝搬した後、光スイッチ801に入射される。
第二の合成光は偏波保持光ファイバ403と偏波保持光ファイバ402を伝搬後に光サーキュレータ501によって偏波保持光ファイバ507に導かれ、光スイッチ801に入射する。
光スイッチ801に入射した第一の合成光と第二の合成光は、ある時間間隔で交互に光スイッチ801から出射され、コリメートレンズ412により平行光に変換された後に干渉光学系113aへ入射される。
本実施例においては、信号光のp偏光成分とs偏光成分それぞれに関する情報は、光スイッチ801を切り替える時間間隔に従って検出器118aと検出器118bによって交互に検出されることとなる。
本実施例によれば、1つの干渉光学系及びそれに対応した検出部によって第一の合成光と第二の合成光から干渉光を生成し検出することが可能となるため、部品点数を削減し光計測装置をより簡素でより小型にすることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101:光源、102,412,413:コリメートレンズ、103,114a,114b:ハーフビームスプリッタ、104,110,115a,115c:λ/2板、105:対物レンズ、107:測定対象、108,109,112,405,504:ミラー、111,502:偏光ビームスプリッタ、113a,113b,201,301:干渉光学系、115b,115d,503:λ/4板、116a,116b,116c,116d,309,310,311,406,407,505:集光レンズ、117a,117b,117c,117d:ウォラストンプリズム、118a,118b,118c,118d,312,313,314:検出器、119a,119b,119c,119d,315,316,317:出力信号、120:信号処理部、302,303:無偏光ビームスプリッタ、304,305:偏光板、306,307,308:偏光子、401:光検出ユニット、402,403,408,409,410,411,506,507:偏波保持光ファイバ、404:光観察ユニット、501:光サーキュレータ、801:光スイッチ

Claims (9)

  1. 光源と、
    前記光源から出射された光を測定対象に照射する検査光と測定対象に照射しない参照光とに分岐する光分岐手段と、
    前記検査光の偏光状態を調整可能な偏光調整手段と、
    前記検査光が測定対象によって反射もしくは散乱されることによって得られる信号光を互いに直交する2つの偏光成分である第一の分岐信号光と第二の分岐信号光に分離する偏光分離手段と、
    前記第一の分岐信号光と前記参照光とを干渉させ、互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成する第一の干渉光学系と、
    前記第二の分岐信号光と前記参照光とを干渉させ、互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成する第二の干渉光学系と、
    前記第一の干渉光学系によって生成された干渉光を検出する第一の検出部と、
    前記第二の干渉光学系によって生成された干渉光を検出する第二の検出部と、
    前記第一の検出部と第二の検出部から出力された信号に対して演算を行う信号処理部と、
    を有することを特徴とする光計測装置。
  2. 請求項1に記載の光計測装置において、
    前記検査光の前記測定対象に対する照射位置を走査する検査光走査手段を有することを特徴とする光計測装置。
  3. 請求項1に記載の光計測装置において、
    前記第一の干渉光学系によって生成される干渉光の数と、前記第二の干渉光学系によって生成される干渉光の数の少なくとも一方は4つであり、
    前記第一の干渉光学系あるいは前記第二の干渉光学系により生成された4つの干渉光は互いに干渉の位相がほぼ90度ずつ異なり、位相がほぼ180度異なる干渉光の対が電流差動型の差動検出器によって検出される
    ことを特徴とする光計測装置。
  4. 光源と、光観察ユニットと、光検出ユニットを有し、
    前記光観察ユニットは、
    前記光源から出射された光を測定対象に照射する検査光と測定対象に照射しない参照光とに分岐する光分岐手段と、
    前記検査光の偏光状態を調整可能な偏光調整手段と、
    前記検査光の前記測定対象に対する照射位置を走査する検査光走査手段と、
    前記検査光が測定対象によって反射もしくは散乱されることによって得られる信号光を互いに直交する2つの偏光成分である第一の分岐信号光と第二の分岐信号光に分離する偏光分離手段と、
    を有し、
    前記光検出ユニットは、
    前記第一の分岐信号光と前記参照光と干渉させ、互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成する第一の干渉光学系と、
    前記第二の分岐信号光と前記参照光と干渉させ、互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成する第二の干渉光学系と、
    前記第一の干渉光学系によって生成された干渉光を検出する第一の検出部と、
    前記第二の干渉光学系によって生成された干渉光を検出する第二の検出部と、
    前記第一の検出部と第二の検出部から出力された信号に対して演算を行う信号処理部と、
    を有し、
    前記光観察ユニットと前記光検出ユニットは互いに2本以上の偏波保持光ファイバによって接続されていることを特徴とする光計測装置。
  5. 請求項1に記載の光計測装置において、
    前記光分岐手段と前記偏光分離手段は1つの偏光分離素子によって実現され、
    光源方向に戻った前記信号光と前記参照光を前記第一の干渉光学系あるいは前記第二の干渉光学系へ導く戻り光利用手段をさらに有する
    ことを特徴とする光計測装置。
  6. 請求項1に記載の光計測装置において、
    前記第一の干渉光学系と前記第二の干渉光学系は1つの干渉光学系によって実現されることを特徴とする光計測装置。
  7. 請求項1に記載の光計測装置において、
    前記第一の検出部と前記第二の検出部は同一の検出部であり、
    前記第一の干渉光学系によって生成された干渉光が前記検出部へ入射する時間帯と、前記第二の干渉光学系によって生成された干渉光が前記検出部へ入射する時間帯を異ならしめる光切り替え手段をさらに有することを特徴とする光計測装置。
  8. 光源と、光源からの光を偏波保持光ファイバによって外部に出力する光出力部と、
    偏波保持光ファイバによって外部から第一の入力光と第二の入力光が入力される光入力部と、
    前記第一の入力光のp偏光成分とs偏光成分を干渉させ、互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成する第一の干渉光学系と、
    前記第二の入力光のs偏光成分とp偏光成分を干渉させ、互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成する第二の干渉光学系と、
    前記第一の干渉光学系によって生成された3つ以上の干渉光を検出する第一の検出部と、
    前記第二の干渉光学系によって生成された3つ以上の干渉光を検出する第二の検出部と、
    前記第一の検出部と第二の検出部から出力された信号に対して演算を行う信号処理部と、
    を有することを特徴とする光検出ユニット。
  9. 請求項8に記載の光検出ユニットにおいて、
    前記信号処理部は、前記第一の検出部で検出された3つ以上の干渉光の検出信号を演算して前記第一の入力光のp偏光成分の振幅と前記第一の入力光のs偏光成分の位相を基準とした当該p偏光成分の位相の情報を取得し、前記第二の検出部で検出された3つ以上の干渉光の検出信号を演算して前記第二の入力光のs偏光成分の振幅と前記第二の入力光のp偏光成分の位相を基準とした当該s偏光成分の位相の情報を取得することを特徴とする光検出ユニット。
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