JP2011242307A - 被検体測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート状の被検体の厚みおよび厚みムラの測定において、厚み測定の精度を向上させることが可能な被検体測定装置を得る。
【解決手段】低可干渉光源11から出力された低可干渉光を迂回路部2において2光束に分岐し、一方の光束が他方の光束よりも光路長が長くなるように該2光束を別々の経路を進行させた後に1光束に再合波して被検体90に照射する。被検体90を透過した光束のうち、該被検体90での内部反射の回数が2回だけ異なる光束同士が干渉するように迂回路部2における2光束の光路長差を調整し、撮像素子43上に結像された干渉縞を撮像する。撮像された干渉縞のコントラストと、迂回路部2における2光束の光路長差との対応関係に基づき、被検体90の厚みを算出するとともに、撮像された干渉縞を解析して被検体90の厚みムラを求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート状の被検体の厚みおよび厚みムラを測定する被検体測定装置に関する。
従来、測定光に対して不透明な平行平板(被検体)の厚みムラを測定する手法として、平行平板を挟んで互いに対向するように一対の干渉計を配置し、平行平板の一方の面と干渉計の基準面との形状差と、平行平板の他方の面と他方の干渉計の基準面との形状差とをそれぞれ測定し、測定された各形状差に基づき、平行平板の厚みムラを算定する手法が知られている(下記特許文献1参照)。
また、測定光に対して不透明な平行平板(被検体)の厚み(絶対厚み)を測定する手法として、平行平板を挟んで互いに対向するように一対の干渉計を配置するとともに、波長変調光源を用いる手法が知られている(下記特許文献2参照)。この手法では、測定光を所定の波長ずつ変化させる毎に撮像された複数枚の干渉縞画像に基づき、平行平板の一方の面から一方の干渉計の基準面までの距離と、平行平板の他方の面から他方の干渉計の基準面までの距離と、一対の干渉計各々の基準面間の距離とをそれぞれ測定し、測定された各距離に基づき、平行平板の厚みを算定するようになっている。
また、測定光に対して透明なシート状の被検体において、所定の被検層の厚みまたは厚みムラを測定する手法として、被検層の厚みの光学距離の2倍よりも短い可干渉距離を有する測定光を被検体に照射し、被検層の両面での反射回数が被検層の厚みの光学距離の2倍だけ異なる光束同士の干渉光によって形成される干渉縞を解析する手法が知られている(下記特許文献3参照)。
特開2000−275022号公報 特開2003−269923号公報 特開2009−25181号公報
上記特許文献3に記載の手法は、上記特許文献1,2に記載の手法と比較して、被検体の姿勢が変化しても干渉縞を形成する光束間の光路長差が殆ど変化しないので、被検体の姿勢変化に影響されることなく被検層の厚みまたは厚みムラを測定し得るという利点を有しているが、近年、被検体(被検層)の厚みを、より高精度に測定し得るようにすることが要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、シート状の被検体の厚みおよび厚みムラの測定において、厚み測定の精度を向上させることが可能な被検体測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明に係る被検体測定装置は、以下の特徴を備えている。
すなわち、本発明に係る被検体測定装置は、シート状の被検体の厚みおよび厚みムラを測定する被検体測定装置であって、
前記被検体の厚みの光学距離の2倍よりも短い可干渉距離を有する低可干渉光を出力する光源部、
該光源部から出力された前記低可干渉光を2光束に分岐し、一方の光束が他方の光束よりも光路長が長くなるように該2光束を別々の経路を進行させた後に1光束に再合波して出射する迂回路部、
該迂回路部から出射された光束を平行光に変換して前記被検体の一面側から該被検体に照射する光照射部、
該光照射部から前記被検体に照射され該被検体を透過して該被検体の他面側に出射された光束のうち、該被検体の両面での内部反射の回数が所定数だけ異なる光束同士の干渉光によって得られる干渉縞を撮像する撮像手段、
前記迂回路部における前記一方の光束と前記他方の光束との光路長差を調整する光路長差調整手段、
前記撮像手段により撮像された前記干渉縞のコントラストと、前記光路長差調整手段により調整された前記光路長差との対応関係に基づき、前記被検体の厚みを算出する厚み算出手段、
および前記撮像手段により撮像された前記干渉縞を解析して前記被検体の厚みムラを求める厚みムラ解析手段、を備えてなることを特徴とする。
本発明に係る被検体測定装置において、前記迂回路部における前記一方の光束の光路中にNDフィルタが配置され、前記他方の光束の光路中に前記NDフィルタと同じ厚み、同じ屈折率を有する透明材が配置されているとすることができる。
また、前記迂回路部において、前記一方の光束と前記他方の光束との光路長差を微小変化させるフリンジスキャン機構が設けられているとすることができる。
一方、前記迂回路部における前記一方の光束を第1の円偏光、前記他方の光束を該第1の円偏光とは偏光の回転方向が逆向きとなる第2の円偏光とする円偏光生成手段を備え、
前記撮像手段は、前記干渉光を複数に分割する干渉光分割素子と、分割された複数の干渉光の各光路上にそれぞれ配置された、透過軸の方向が互いに異なる複数の偏光子と、該複数の偏光子の各々を通過した各干渉光により形成される、互いに位相が異なる複数の干渉縞画像をそれぞれ撮像する複数の撮像素子と、を有してなるとすることができる。
また、前記干渉縞に空間キャリア縞を重畳せしめるキャリア縞重畳手段を備え、
前記厚みムラ解析手段は、前記キャリア縞が重畳された干渉像を、フーリエ変換法を用いて解析するものとしてもよい。
また、前記光源部において、前記低可干渉光をパルス光として前記迂回路部に出射せしめるパルス化手段と、
該パルス化手段による前記迂回路部への前記パルス光の出射タイミングと前記撮像手段による撮像タイミングとを調整する測定タイミング調整手段と、を備えることができる。
本発明に係る被検体測定装置は、撮像された干渉縞のコントラストと迂回路部における2光束間の光路長差との対応関係に基づき被検体の厚みを算出する厚み算出手段を備えていることにより、被検体の厚みおよび厚みムラの測定において、被検体の厚みを高精度に測定することが可能となる。
第1実施形態に係る被検体測定装置の概略構成図である。 第1実施形態における解析制御装置の構成を示すブロック図である。 パルス光が迂回路部に入射するタイミングを示す図である。 第2実施形態に係る被検体測定装置の概略構成図である。 第3実施形態に係る被検体測定装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について、上述の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態の説明に使用する各図は概略的な説明図であり、詳細な形状や構造を示すものではなく、各部材の大きさや部材間の距離等については適宜変更して示してある。
〈第1実施形態〉
第1実施形態に係る被検体測定装置は、図1に示すように、平行平面ガラスからなる被検体90の厚みおよび厚みムラを測定するものであり、被検体90の厚みの光学距離の2倍よりも短い可干渉距離を有する低可干渉光を出力する光源部1と、該光源部1から出力された低可干渉光を2光束に分岐し、一方の光束が他方の光束よりも光路長が長くなるように該2光束を別々の経路を進行させた後に1光束に再合波して出射する迂回路部2と、該迂回路部2から出射された光束を平行光に変換して被検体90の一面(第1被検面91)側から該被検体90に照射する光照射部3と、被検体90を挟んで光照射部3と対向するように配置された撮像部4と、種々の解析等を行う解析制御部5とを備えてなる。
上記光源部1は、低可干渉光源11(本実施形態ではSLDにより構成されるが、LEDや、白色光源とその出力光の波長帯域を制限する帯域フィルタとを組み合わせたもの等を用いることもできる)と、コリメータレンズ13と、該コリメータレンズ13を介して低可干渉光源11から出射された光束の出射方向を音響光学効果により切り替えることにより、該光束を、所定のタイミング毎に極めて短い時間(例えば、10μs)のみ出力されるパルス光として図中左方に出射するAOM15(本実施形態におけるパルス化手段を構成する)と、該AOM15からの光束のビーム径を拡大するビーム径変換用レンズ17とを備えてなる。
上記迂回路部2は、上記ビーム径変換用レンズ17から入射した光束を、光束分岐面19aにおいて図中左方に向かう第1光束と図中上方に向かう第2光束とに分岐するビームスプリッタ19と、該ビームスプリッタ19からの第1光束の光路上に配された光量調整用のNDフィルタ21、マスターガラス23および固定ミラー25と、ビームスプリッタ19からの第2光束の光路上に配された透明材27および可動ミラー29と、該可動ミラー29を図中上下方向に移動せしめる可動ミラー位置調整部31とを備え、第1光束を第2光束に対して所定距離(ビームスプリッタ19の光束分岐面19aから固定ミラー25および可動ミラー29までの各光学距離の差の2倍分)だけ迂回させた後に、ビームスプリッタ19の光束分岐面19aにおいて1光束に再合波して、光照射部3に向けて出力するように構成されている。
なお、上記可動ミラー位置調整部31は、上述の第1光束と第2光束との光路長差を微小変化させることにより干渉縞の位相をシフトさせるフリンジスキャン機構としても構成されている。また、上記マスターガラス23は、被検体90の設計値通りの厚みおよび屈折率を有するものであり、上記透明材27は、上記NDフィルタ21と同じ厚みおよび屈折率を有するものである。
上記光照射部3は、上記迂回路部2からの光束のビーム径を拡大するビーム径変換用レンズ33と、該ビーム径変換用レンズ33を介して上記迂回路部2から出力された光束を平行光に変換し、被検体90の第1被検面91側から該被検体90に照射するコリメータレンズ35とを備えている。
上記撮像部4は、集光レンズ37、結像レンズ39および撮像カメラ41(本実施形態における撮像手段を構成するものであり、CCDやCMOS等からなる撮像素子43を有する)を備え、上記光照射部3側から被検体90を透過して該被検体90の他面(第2被検面92)側に出射された光束のうち、該被検体90の両面(第1被検面91および第2被検面92)での内部反射の回数が所定数(本実施形態では2回)だけ異なる光束同士の干渉光によって得られる干渉縞を、撮像カメラ41により撮像するようになっている。
上記解析制御部5は、コンピュータ等からなる解析制御装置51と、干渉縞画像等を表示するモニタ装置52と、解析制御装置51に対する各種入力を行うための入力装置53とを備えており、この解析制御装置51は、図2に示すように、コンピュータ内に搭載されるCPUやハードディスク等の記憶部および該記憶部に格納されたプログラム等により構成される測定タイミング調整部54、光路長差調整制御部55、解析用画像生成部56、厚み算出部57および厚みムラ解析部58を備えてなる。
上記測定タイミング調整部54は、上記AOM15からのパルス光が上記ビーム径変換用レンズ17を介して上記迂回路部2に入射するタイミングと、上記撮像カメラ41による撮像タイミングとを同期させる測定タイミング調整手段を構成するものであり、上記撮像カメラ41からの画像信号(ビデオ信号として出力される)に基づき、上記撮像素子43の光蓄積時間内の所定のタイミングで、迂回路部2にパルス光が入射するようにAOM15の駆動を制御するように構成されている。
上記光路長差調整制御部55は、本実施形態において上記可動ミラー位置調整部31(図1参照)と共に光路長差調整手段を構成するものであり、該可動ミラー位置調整部31の駆動を制御することにより、上記可動ミラー29の位置を変更して、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差を調整するように構成されている。
上記解析用画像生成部56は、上記撮像カメラ41により撮像された干渉縞の画像信号に基づき、被検体90の厚みおよび厚みムラの解析を行うための干渉縞画像(撮像素子43上に結像された干渉縞をデジタル化した画像)を生成するように構成されている。
上記厚み算出部57は、本実施形態における厚み算出手段を構成するものであり、上記解析用画像生成部56により生成された干渉縞画像のコントラストと、上記迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差との対応関係に基づき、被検体90の厚みを算出するように構成されている。
上記厚みムラ解析部58は、本実施形態における厚みムラ解析手段を構成するものであり、上記解析用画像生成部56により生成された干渉縞画像を解析して、被検体90の厚みムラを求めるように構成されている。
以下、第1実施形態に係る被検体測定装置の測定時の作用について説明する。なお、光照射部3および撮像部4のアライメント調整は完了しているものとする(後述する第2実施形態および第3実施形態についても同様)。
(測定時の作用)
〈1〉図1に示す低可干渉光源11から低可干渉光が出力されると、この低可干渉光は、コリメータレンズ13によりコリメートされた後、AOM15に入射する。
〈2〉AOM15に入射した低可干渉光は、該AOM15により所定のタイミングで方向変換され、パルス光としてビーム径変換用レンズ17に向けて出射され、該ビーム径変換用レンズ17を介して迂回路部2に入射する。パルス光が迂回路部2に入射するタイミングは、上記測定タイミング調整部54により、撮像カメラ41における撮像タイミングに応じて調整される。すなわち、撮像カメラ41の撮像素子43による信号電荷の転送がインターライン・トランスファ方式で行われ、その読み出しがNTSC規格のインタレース方式に適合するフレーム読み出しで行われる場合、図3に示すように、パルス光は、1フレームを構成する1組の奇数および偶数フィールドの各々の電荷蓄積期間が互いにオーバーラップした期間内の略中央の位置において、例えば10μs幅で1回のみ迂回路部2に入射するようになっている(図3ではパルス発光タイミングとして図示)。したがって、1フレームを構成する1組の奇数および偶数フィールドには、このパルス光が迂回路部2に入射した期間においてのみ電荷が蓄積されるようになっている。このように構成することにより、干渉縞を撮像する際に生じる振動の影響を排除することが可能になるので、インライン(オンプロセス)での測定が可能となる。
〈3〉迂回路部2に入射したパルス光は、ビームスプリッタ19の光束分岐面19aにおいて、固定ミラー25に向かう第1光束と可動ミラー29に向かう第2光束とに分岐される。分岐された第1光束は、NDフィルタ21およびマスターガラス23を透過して固定ミラー25に入射し、該固定ミラー25より再帰反射され、再びマスターガラス23およびNDフィルタ21を透過してビームスプリッタ19に戻る。このとき、第1光束の光量がNDフィルタ21により減衰せしめられる。一方、第2光束は、透明材27を透過して可動ミラー29に入射し、該可動ミラー29より再帰反射され、再び透明材27を透過してビームスプリッタ19に戻り、光束分岐面19aにおいて第1光束と再合波される。本実施形態では、分岐されてから再合波されるまでの各々の光路長が、第1光束の方が第2光束よりも長くなるように設定されている。
〈4〉再合波された光束は、ビームスプリッタ19から光照射部3に向けて出射され、該光照射部3のビーム径変換用レンズ33およびコリメータレンズ35を介して、被検体90の第1被検面91側から該被検体90に照射される。
〈5〉被検体90に照射された光束の一部は、該被検体90を透過して第2被検面92側から出射される。被検体90を透過して第2被検面92側から出射される光束は、被検体90の第1被検面91および第2被検面92において内部反射することなく、そのまま被検体90を透過した光束(内部反射回数が0回の透過光束)や、第1被検面91を透過した後、第2被検面92で内部反射され、さらに第1被検面91で内部反射されて第2被検面92を透過した光束(内部反射回数が2回の透過光束)の他、第1被検面91および第2被検面92での内部反射回数が4回、6回…と多数回に及ぶ光束等に分類できる。
本実施形態では、被検体90での内部反射回数が2回だけ異なる光束同士が干渉するように、特に、被検体90での内部反射回数が0回の透過光束のうち、迂回路部2において上記第1光束の経路を辿った光束成分(以下「第1被検光束」と称する)と、上述の内部反射回数が2回の透過光束のうち、迂回路部2において上記第2光束の経路を辿った光束成分(以下「第2被検光束」と称する)とが互いに干渉し、これらの干渉光による干渉縞が良好に結像されるように、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差が調整される。すなわち、図1に示す番号の順番で、11→13→15→17→19a→21→23→25→23→21→19a→33→35→91→92までの光路長と、11→13→15→17→19a→27→29→27→19a→33→35→91→92→91→92までの光路長との差が、上記低可干渉光の可干渉距離以下となるように、迂回路部2における可動ミラー29の位置の初期調整がなされる。また、上述の第1被検光束および第2被検光束の各光量が略等しくなるように、迂回路部2の第1光束の光路上に配置されたNDフィルタ21の光透過率が設定されている。なお、被検体90の厚みの設計値が既知の場合、可動ミラー29の位置の初期調整は、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差が、被検体90の厚み(設計値)の光学距離のN倍(Nは第1被検光束および第2被検光束の被検体90での内部反射回数の差、本実施形態では2)と一致するように行われる(以下の第2実施形態および第3実施形態において同じ)。
〈6〉上記第1被検光束と上記第2被検光束との干渉光は、集光レンズ37および結像レンズ39を介して撮像カメラ41の撮像素子43上に集光され、該撮像素子43上に干渉縞が結像される。この干渉縞が撮像カメラ41により撮像され、その画像信号(ビデオ信号)が上記解析用画像生成部56に出力される。なお、撮像カメラ41による撮像は、迂回路部2において可動ミラー29の位置が微小距離(例えば、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差が上記低可干渉光の中心波長の1/4に相当する分だけ変化する距離)ずつ変更される度に行われ、干渉縞の位相が互いに等位相(例えば、1/4π)ずつ異なる複数の干渉縞が撮像される。また、可動ミラー29の位置が変更される毎に、その時点での、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差のデータが上記光路長差調整制御部55より上記厚み算出部57に出力される。
〈7〉解析用画像生成部56に入力された画像信号により、該解析用画像生成部56において、可動ミラー29の位置別に対応した、互いに等位相ずつ位相が異なる複数の干渉縞画像(以下「解析用干渉縞画像」と称する)がそれぞれ生成され、それらの画像データ(解析用画像データ)が、上述の厚み算出部57および厚みムラ解析部58にそれぞれ出力される。
〈8〉厚み算出部57において、可動ミラー29の位置別に対応した各解析用干渉縞画像のコントラスト(モジュレーションでも良い)がそれぞれ求められる。また、各解析用干渉縞画像の元になる各干渉縞が撮像された時点での、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差と、各解析用干渉縞画像のコントラストとの対応関係から、コントラストが最大となるときの、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差が算出され、この光路長差の算出値に基づき被検体90の厚みが算出される。具体的には、コントラストが最大となるときの、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差は、被検体90の内部における第1被検光束と第2被検光束の光路長差、すなわち被検体90の厚みの光学距離の2倍に一致するので、求められた光路長差の値から被検体90の厚みを高精度に算出することができる。
〈9〉厚みムラ解析部58において、互いに等位相ずつ位相が異なる複数の解析用干渉縞画像が解析され(従来公知の位相シフト法等のサブフリンジ縞解析法を用いることができる)、その解析結果に基づき被検体90の厚みムラが高精度に求められる。
〈第2実施形態〉
次に、本発明の第2実施形態に係る被検体測定装置について図4に基づいて説明する。第1実施形態の構成要素(図1参照)と概念的に同一のものには、図4でも同一の番号を付すこととし、その詳細な説明は省略する。また、解析制御装置51については、その概念的構成が第1実施形態と同様であるので、図2を用いて説明する。
第2実施形態に係る被検体測定装置において第1実施形態と異なっているのは、図4に示すように、光源部1におけるコリメータレンズ13とAOM15との間の光路上に直線偏光板14が配されている点、ビーム径変換用レンズ17とビームスプリッタ19との間の光路上に1/4λ板18が配されている点、迂回路部2におけるマスターガラス23と固定ミラー25との間の第1光束の光路上に1/4λ板24が配されている点、および撮像部4において第1実施形態の撮像カメラ41(図1参照)とは異なる構成の撮像カメラ45が配置されている点にある。
上記直線偏光板14は、コリメータレンズ13を介して低可干渉光源11から出力された低可干渉光を直線偏光に変換するものであり、上記1/4λ板18は、ビーム径変換用レンズ17を介してAOM15から出射された直線偏光のパルス光を円偏光に変換するものである。また、上記1/4λ板24は、ビームスプリッタ19の光束分岐面19aにおいて第2光束と分岐された第1光束が固定ミラー25に入射し、該固定ミラー25から再帰反射されて光束分岐面19aに戻る際に、該第1光束の円偏光の回転方向を逆向きに変換するものである。本実施形態では、これらの直線偏光板14、1/4λ板18および1/4λ板24により、迂回路部2の光束分岐面19aにおいて再合波される時点における第1光束を第1の円偏光、第2光束を該第1の円偏光とは偏光の回転方向が逆向きとなる第2の円偏光とする円偏光生成手段が構成されている。
上記撮像カメラ45は、本実施形態における撮像手段を構成するものであり、結像レンズ39側から入射された干渉光を3つに分割する、3個のプリズム46A,46B,46Cからなる光束分岐プリズム46(本実施形態における干渉光分割素子を構成する)、各プリズム46A,46B,46Cの光出射端面側にそれぞれ配置された、各々の透過軸の方向が互いに異なる3枚の偏光板47A,47B,47C(本実施形態における偏光子を構成する)および各偏光板47A,47B,47Cの後段側にそれぞれ配置された3個の撮像素子48A,48B,48C(本実施形態における複数の撮像素子を構成するもので、CCDやCMOS等からなる)を備えてなる。
図4に示す解析制御部5は、第1実施形態と同様に、コンピュータ等からなる解析制御装置51と、干渉縞画像等を表示するモニタ装置52と、解析制御装置51に対する各種入力を行うための入力装置53とを備えており、この解析制御装置51は、図2に示すように、コンピュータ内に搭載されるCPUやハードディスク等の記憶部および該記憶部に格納されたプログラム等により構成される測定タイミング調整部54、光路長差調整制御部55、解析用画像生成部56、厚み算出部57および厚みムラ解析部58を備えてなる。
上記測定タイミング調整部54は、上記AOM15からのパルス光が上記ビーム径変換用レンズ17および1/4λ板18を介して上記迂回路部2に入射するタイミングと、上記撮像カメラ45による撮像タイミングとを同期させる測定タイミング調整手段を構成するものであり、上記撮像カメラ45からの画像信号(ビデオ信号として出力される)に基づき、上記各撮像素子48A,48B,48Cの光蓄積時間内の所定のタイミングで、迂回路部2にパルス光が入射するようにAOM15の駆動を制御するように構成されている。
上記光路長差調整制御部55は、本実施形態において可動ミラー位置調整部31(図4参照)と共に光路長差調整手段を構成するものであり、該可動ミラー位置調整部31の駆動を制御することにより、上記可動ミラー29の位置を変更して、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差を調整するように構成されている。
上記解析用画像生成部56は、上記撮像カメラ45により撮像された干渉縞の画像信号に基づき、被検体90の厚みおよび厚みムラの解析を行うための干渉縞画像(各撮像素子48A,48B,48C上に結像された干渉縞をデジタル化した画像)を生成するように構成されている。
上記厚み算出部57は、本実施形態における厚み算出手段を構成するものであり、上記解析用画像生成部56により生成された干渉縞画像のコントラストと、上記迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差との対応関係に基づき、被検体90の厚みを算出するように構成されている。
上記厚みムラ解析部58は、本実施形態における厚みムラ解析手段を構成するものであり、上記解析用画像生成部56により生成された干渉縞画像を解析して、被検体90の厚みムラを求めるように構成されている。
以下、第2実施形態に係る被検体測定装置の測定時の作用について説明する。なお、以下では、図4と共に図2および図3を参照しながら説明を行うこととする。
(測定時の作用)
〈1〉図4に示す低可干渉光源11から低可干渉光が出力されると、この低可干渉光は、コリメータレンズ13によりコリメートされた後、直線偏光板14に入射し、該直線偏光板14により直線偏光とされてAOM15に入射する。
〈2〉AOM15に入射した直線偏光の低可干渉光は、該AOM15により所定のタイミングで方向変換され、パルス光としてビーム径変換用レンズ17に向けて出射され、該ビーム径変換用レンズ17を介して1/4λ板18に入射し、該1/4λ板18により円偏光に変換されて迂回路部2に入射する。パルス光が迂回路部2に入射するタイミングは、上記測定タイミング調整部54(図2参照)により、撮像カメラ45における撮像タイミングに応じて調整される。すなわち、撮像カメラ45の各撮像素子48A,48B,48Cによる信号電荷の転送がインターライン・トランスファ方式で行われ、その読み出しがNTSC規格のインタレース方式に適合するフレーム読み出しで行われる場合、図3に示すように、パルス光は、1フレームを構成する1組の奇数および偶数フィールドの各々の電荷蓄積期間が互いにオーバーラップした期間内の略中央の位置において、例えば10μs幅で1回のみ迂回路部2に入射するようになっている。したがって、1フレームを構成する1組の奇数および偶数フィールドには、このパルス光が迂回路部2に入射した期間においてのみ電荷が蓄積されるようになっている。
〈3〉迂回路部2に入射した円偏光のパルス光は、ビームスプリッタ19の光束分岐面19aにおいて、固定ミラー25に向かう第1光束と可動ミラー29に向かう第2光束とに分岐される。分岐された第1光束は、NDフィルタ21、マスターガラス23および1/4λ板24を介して固定ミラー25に入射し、該固定ミラー25より再帰反射され、再び1/4λ板18、マスターガラス23およびNDフィルタ21を透過してビームスプリッタ19に戻る。このとき、1/4λ板24により第1光束の偏光の回転方向が第2光束とは逆向きに変換され(第2光束を右円偏光とすると左円偏光となる)、また、第1光束の光量がNDフィルタ21により減衰せしめられる。一方、第2光束は、透明材27を透過して可動ミラー29に入射し、該可動ミラー29より再帰反射され、再び透明材27を透過してビームスプリッタ19に戻り、光束分岐面19aにおいて第1光束と再合波される。本実施形態においても、分岐されてから再合波されるまでの各々の光路長は、第1光束の方が第2光束よりも長くなるように設定されている。
〈4〉再合波された光束は、ビームスプリッタ19から光照射部3に向けて出射され、該光照射部3のビーム径変換用レンズ33およびコリメータレンズ35を介して、被検体90の第1被検面91側から該被検体90に照射される。
〈5〉被検体90に照射された光束の一部は、該被検体90を透過して第2被検面92側から出射される。本実施形態でも、第1実施形態と同様に、被検体90での内部反射回数が0回の透過光束のうち、迂回路部2において上記第1光束の経路を辿った光束成分(第1被検光束)と、内部反射回数が2回の透過光束のうち、迂回路部2において上記第2光束の経路を辿った光束成分(第2被検光束)とが互いに干渉し、これらの干渉光による干渉縞が良好に形成されるように、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差が調整される。すなわち、図4に示す番号の順番で、11→13→14→15→17→18→19a→21→23→24→25→24→23→21→19a→33→35→91→92までの光路長と、11→13→14→15→17→18→19a→27→29→27→19a→33→35→91→92→91→92までの光路長との差が、上記低可干渉光の可干渉距離以下となるように、迂回路部2における可動ミラー29の位置の初期調整がなされる。また、上述の第1被検光束および第2被検光束の各光量が略等しくなるように、迂回路部2の第1光束の光路上に配置されたNDフィルタ21の光透過率が設定されている。
〈6〉上記第1被検光束と上記第2被検光束との干渉光は、集光レンズ37および結像レンズ39を介して撮像カメラ45内に入射する。撮像カメラ45内に入射した干渉光は、光束分岐プリズム46により3つに分岐され、プリズム46A,46B,46Cの各光出射端面側に各々配置された各偏光板47A,47B,47Cをそれぞれ透過した後、各偏光板47A,47B,47Cの後段側に各々配置された各撮像素子48A,48B,48C上に集光され、該各撮像素子48A,48B,48C上において干渉縞がそれぞれ結像される。これらの干渉縞が撮像カメラ45の各撮像素子48A,48B,48Cにより同時に撮像され、その画像信号が各撮像素子48A,48B,48Cからそれぞれ別個のビデオ信号として上記解析用画像生成部56に出力される。なお、撮像カメラ45による撮像は、迂回路部2において可動ミラー29の位置が微小距離ずつ変更される度に行われる(第1実施形態とは異なり、可動ミラー29の位置の変動幅を互いに等しくする必要はない)。また、可動ミラー29の位置が微小変更される毎に、その時点での、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差のデータが上記光路長差調整制御部55より上記厚み算出部57に出力される。
〈7〉3枚の偏光板47A,47B,47Cは、各々の透過軸の方向が互いに異なるように設定されているので(例えば、偏光板47Aの透過軸の方向に対し、偏光板47Bの透過軸の方向が45度、偏光板47Cの透過軸の方向が90度回転するように設定される)、各撮像素子48A,48B,48C上に同時に形成される各干渉縞は、互いに等位相(1/4π)ずつ位相が異なったものとなる。なお、位相が互いに異なる複数枚の干渉縞画像を1回の撮像により得る技術は、例えば、特開平2−287107号公報に詳述されている。
〈8〉解析用画像生成部56に入力された画像信号により、該解析用画像生成部56において互いに等位相ずつ位相が異なる3枚の干渉縞画像(以下「解析用干渉縞画像」と称する)が、可動ミラー29の位置別に対応してそれぞれ生成され、それらの画像データ(解析用画像データ)が、上述の厚み算出部57および厚みムラ解析部58にそれぞれ出力される。
〈9〉厚み算出部57において、可動ミラー29の位置別に対応した各解析用干渉縞画像のコントラスト(モジュレーションでも良い)がそれぞれ求められる。また、各解析用干渉縞画像の元になる各干渉縞が撮像された時点での、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差と、各解析用干渉縞画像のコントラストとの対応関係から、コントラストが最大となるときの、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差が算出され、この光路長差の算出値に基づき被検体90の厚みが高精度に算出される(算出方法は、第1実施形態と同様)。
〈10〉厚みムラ解析部58において、互いに等位相ずつ位相が異なる3枚の解析用干渉縞画像が解析され(従来公知の位相シフト法等を用いることができる)、その解析結果に基づき被検体90の厚みムラが高精度に求められる。
〈第3実施形態〉
次に、本発明の第3実施形態に係る被検体測定装置について図5に基づいて説明する。第1実施形態の構成要素(図1参照)と概念的に同一のものには、図5でも同一の番号を付すこととし、その詳細な説明は省略する。また、解析制御装置51については、その概念的構成が第1実施形態と同様であるので、図2を用いて説明する。
第3実施形態に係る被検体測定装置において第1実施形態と異なっているのは、図5に示すように、迂回路部2における固定ミラー25が第1光束の軸と垂直な面に対して微小角度だけ傾斜している点(第1実施形態では、固定ミラー25が第1光束の軸に対し垂直となっている)にある。
この固定ミラー25は、該固定ミラー25に入射した第1光束を再帰反射する際に、該第1光束の波面を傾斜させることにより、撮像カメラ41により撮像される干渉縞に空間キャリア縞を重畳せしめるキャリア縞重畳手段を構成するものである。
図5に示す解析制御部5は、第1実施形態と同様に、コンピュータ等からなる解析制御装置51と、干渉縞画像等を表示するモニタ装置52と、解析制御装置51に対する各種入力を行うための入力装置53とを備えており、この解析制御装置51は、図2に示すように、コンピュータ内に搭載されるCPUやハードディスク等の記憶部および該記憶部に格納されたプログラム等により構成される測定タイミング調整部54、光路長差調整制御部55、解析用画像生成部56、厚み算出部57および厚みムラ解析部58を備えてなる。
上記測定タイミング調整部54は、図5に示すAOM15からのパルス光がビーム径変換用レンズ17を介して迂回路部2に入射するタイミングと、撮像カメラ41による撮像タイミングとを同期させる測定タイミング調整手段を構成するものであり、撮像カメラ41からの画像信号(ビデオ信号として出力される)に基づき、該撮像カメラ41における撮像素子43の光蓄積時間内の所定のタイミングで、迂回路部2にパルス光が入射するようにAOM15の駆動を制御するように構成されている。
上記光路長差調整制御部55は、本実施形態において可動ミラー位置調整部31(図5参照)と共に光路長差調整手段を構成するものであり、該可動ミラー位置調整部31の駆動を制御することにより、可動ミラー29の位置を変更して、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差を調整するように構成されている。
上記解析用画像生成部56は、撮像カメラ41により撮像された干渉縞の画像信号に基づき、被検体90の厚みおよび厚みムラの解析を行うための干渉縞画像(撮像素子43上に結像された干渉縞をデジタル化した画像)を生成するように構成されている。
上記厚み算出部57は、本実施形態における厚み算出手段を構成するものであり、上記解析用画像生成部56により生成された干渉縞画像のコントラストと、上記迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差との対応関係に基づき、被検体90の厚みを算出するように構成されている。
上記厚みムラ解析部58は、本実施形態における厚みムラ解析手段を構成するものであり、上記解析用画像生成部56により生成された干渉縞画像を、フーリエ変換法を用いて解析することにより、被検体90の厚みムラを求めるように構成されている。
以下、第3実施形態に係る被検体測定装置の測定時の作用について説明する。
(測定時の作用)
〈1〉図5に示す低可干渉光源11から低可干渉光が出力されると、この低可干渉光は、コリメータレンズ13によりコリメートされた後、AOM15に入射する。
〈2〉AOM15に入射した低可干渉光は、該AOM15により所定のタイミングで方向変換され、パルス光としてビーム径変換用レンズ17に向けて出射され、該ビーム径変換用レンズ17を介して迂回路部2に入射する。パルス光が迂回路部2に入射するタイミングは、上述の第1実施形態と同様に上記測定タイミング調整部54により、撮像カメラ41における撮像タイミングに応じて調整される。
〈3〉迂回路部2に入射したパルス光は、ビームスプリッタ19の光束分岐面19aにおいて、固定ミラー25に向かう第1光束と可動ミラー29に向かう第2光束とに分岐される。分岐された第1光束は、NDフィルタ21およびマスターガラス23を透過して固定ミラー25に入射し、該固定ミラー25より再帰反射され、再びマスターガラス23およびNDフィルタ21を透過してビームスプリッタ19に戻る。このとき、第1光束の波面が固定ミラー25により微小角度だけ傾斜せしめられる。また、第1光束の光量がNDフィルタ21により減衰せしめられる。一方、第2光束は、透明材27を透過して可動ミラー29に入射し、該可動ミラー29より再帰反射され、再び透明材27を透過してビームスプリッタ19に戻り、光束分岐面19aにおいて第1光束と再合波される。本実施形態でも、分岐されてから再合波されるまでの各々の光路長は、第1光束の方が第2光束よりも長くなるように設定されている。
〈4〉再合波された光束は、ビームスプリッタ19から光照射部3に向けて出射され、該光照射部3のビーム径変換用レンズ33およびコリメータレンズ35を介して、被検体90の第1被検面91側から該被検体90に照射される。
〈5〉被検体90に照射された光束の一部は、該被検体90を透過して第2被検面92側から出射される。本実施形態でも、第1実施形態と同様に、被検体90での内部反射回数が0回の透過光束のうち、迂回路部2において上記第1光束の経路を辿った光束成分(第1被検光束)と、内部反射回数が2回の透過光束のうち、迂回路部2において上記第2光束の経路を辿った光束成分(第2被検光束)とが互いに干渉し、これらの干渉光による干渉縞が形成されるように、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差が調整される。すなわち、図5に示す番号の順番で、11→13→15→17→19a→21→23→25→23→21→19a→33→35→91→92までの光路長と、11→13→15→17→19a→27→29→27→19a→33→35→91→92→91→92までの光路長との差が、上記低可干渉光の可干渉距離以下となるように、迂回路部2における可動ミラー29の位置の初期調整がなされる。また、上述の第1被検光束および第2被検光束の各光量が略等しくなるように、迂回路部2の第1光束の光路上に配置されたNDフィルタ21の光透過率が設定されている。
〈6〉上記第1被検光束と上記第2被検光束との干渉光は、集光レンズ37および結像レンズ39を介して撮像カメラ41の撮像素子43上に集光され、該撮像素子43上に、空間キャリア縞が重畳された干渉縞が結像される。この干渉縞が撮像カメラ41により撮像され、その画像信号(ビデオ信号)が上記解析用画像生成部56に出力される。なお、撮像カメラ41による撮像は、迂回路部2において可動ミラー29の位置が微小距離ずつ変更される度に行われる(第1実施形態とは異なり、可動ミラー29の位置の変動幅を互いに等しくする必要はない)。また、可動ミラー29の位置が微小変更される毎に、その時点での、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差のデータが上記光路長差調整制御部55より上記厚み算出部57に出力される。
〈7〉解析用画像生成部56に入力された画像信号により、該解析用画像生成部56において、可動ミラー29の位置別に対応した、互いに位相が異なる複数の干渉縞画像(以下「解析用干渉縞画像」と称する)がそれぞれ生成され、それらの画像データ(解析用画像データ)が、上述の厚み算出部57および厚みムラ解析部58にそれぞれ出力される。
〈8〉厚み算出部57において、可動ミラー29の位置別に対応した各解析用干渉縞画像のコントラスト(モジュレーションでも良い)がそれぞれ求められる。また、各解析用干渉縞画像の元になる各干渉縞が撮像された時点での、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差と、各解析用干渉縞画像のコントラストとの対応関係から、コントラストが最大となるときの、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差が算出され、この光路長差の算出値に基づき被検体90の厚みが算出される(算出方法は、第1実施形態と同様)。
〈9〉厚みムラ解析部58において、互いに位相が異なる複数の解析用干渉縞画像のうち、所定の1枚の解析用干渉縞画像が選択され(例えば、最もコントラストが良いものが選択される)、その解析用干渉縞画像に対しフーリエ変換法による解析が行われる。すなわち、解析用干渉縞画像をフーリエ変換し、その空間周波数領域におけるスペクトル分布を求め、予め重畳されたキャリア縞(空間キャリア周波数)に付随している信号のスペクトルのみを取り出し、それを原点に向けてシフトする。この処理により、解析用干渉縞画像に重畳されていた不要信号および空間キャリア縞が除去されるので、除去後の画像データを解析することにより、高精度に被検体90の厚みムラを求めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々に態様を変更することが可能である。
例えば、上記各実施形態では、被検体90での内部反射回数が2回だけ異なる光束同士が干渉するように、迂回路部2における第1光束と第2光束との光路長差が調整されるが、被検体90での内部反射回数が4回、6回…と他の所定回数(遇数回)だけ異なる光束同士が干渉するように構成することも可能である。
また、上記各実施形態では、迂回路部2の第1光束の光路中にNDフィルタ21およびマスターガラス23が配置され、第2光束の光路中に透明材27が配置されている。これらは、第1光束と第2光束との光量調整(干渉縞のコントラストを向上させるためのもの)を行うためだけではなく、被検体90やNDフィルタ21等における分散の影響を低減することにも寄与しているが、必須の構成要件ではない。
また、上記各実施形態では、被検体90が平行平面ガラスとされているが、本発明に係る被検体測定装置は、被検体が可撓性を有するフィルム等である場合でも、その厚みおよび厚みムラの測定に用いることが可能である。
1 光源部
2 迂回路部
3 光照射部
4 撮像部
5 解析制御部
11 低可干渉光源
13,35 コリメータレンズ
14 直線偏光板
15 AOM
17,33 ビーム径変換用レンズ
18,24 1/4λ板
19 ビームスプリッタ
19a 光束分岐面
21 NDフィルタ
23 マスターガラス
25 固定ミラー
27 透明材
29 可動ミラー
31 可動ミラー位置調整部
37 集光レンズ
39 結像レンズ
41,45 撮像カメラ
43,48A,48B,48C 撮像素子
46 光束分岐プリズム
46A,46B,46C プリズム
47A,47B,47C 偏光板
51 解析制御装置
52 モニタ装置
53 入力装置
54 測定タイミング調整部
55 光路長差調整制御部
56 解析用画像生成部
57 厚み算出部
58 厚みムラ解析部
90 被検体
91 第1被検面
92 第2被検面

Claims (6)

  1. シート状の被検体の厚みおよび厚みムラを測定する被検体測定装置であって、
    前記被検体の厚みの光学距離の2倍よりも短い可干渉距離を有する低可干渉光を出力する光源部、
    該光源部から出力された前記低可干渉光を2光束に分岐し、一方の光束が他方の光束よりも光路長が長くなるように該2光束を別々の経路を進行させた後に1光束に再合波して出射する迂回路部、
    該迂回路部から出射された光束を平行光に変換して前記被検体の一面側から該被検体に照射する光照射部、
    該光照射部から前記被検体に照射され該被検体を透過して該被検体の他面側に出射された光束のうち、該被検体の両面での内部反射の回数が所定数だけ異なる光束同士の干渉光によって得られる干渉縞を撮像する撮像手段、
    前記迂回路部における前記一方の光束と前記他方の光束との光路長差を調整する光路長差調整手段、
    前記撮像手段により撮像された前記干渉縞のコントラストと、前記光路長差調整手段により調整された前記光路長差との対応関係に基づき、前記被検体の厚みを算出する厚み算出手段、
    および前記撮像手段により撮像された前記干渉縞を解析して前記被検体の厚みムラを求める厚みムラ解析手段、を備えてなることを特徴とする被検体測定装置。
  2. 前記迂回路部における前記一方の光束の光路中にNDフィルタが配置され、前記他方の光束の光路中に前記NDフィルタと同じ厚み、同じ屈折率を有する透明材が配置されていることを特徴とする請求項1記載の被検体測定装置。
  3. 前記迂回路部において、前記一方の光束と前記他方の光束との光路長差を微小変化させるフリンジスキャン機構が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の被検体測定装置。
  4. 前記迂回路部における前記一方の光束を第1の円偏光、前記他方の光束を該第1の円偏光とは偏光の回転方向が逆向きとなる第2の円偏光とする円偏光生成手段を備え、
    前記撮像手段は、前記干渉光を複数に分割する干渉光分割素子と、分割された複数の干渉光の各光路上にそれぞれ配置された、透過軸の方向が互いに異なる複数の偏光子と、該複数の偏光子の各々を通過した各干渉光により形成される、互いに位相が異なる複数の干渉縞画像をそれぞれ撮像する複数の撮像部と、を有してなることを特徴とする請求項1または2記載の被検体測定装置。
  5. 前記干渉縞に空間キャリア縞を重畳せしめるキャリア縞重畳手段を備え、
    前記厚みムラ解析手段は、前記キャリア縞が重畳された干渉像を、フーリエ変換法を用いて解析するものであることを特徴とする請求項1または2記載の被検体測定装置。
  6. 前記光源部において、前記低可干渉光をパルス光として前記迂回路部に出射せしめるパルス化手段と、
    該パルス化手段による前記迂回路部への前記パルス光の出射タイミングと前記撮像手段による撮像タイミングとを調整する測定タイミング調整手段と、を備えていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の被検体測定装置。
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