JP2014108995A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】新規なシランカップリング剤を含有し、ゴムの発熱性、耐摩耗性、及びウェットグリップ性をバランス良く改良できるゴム組成物及びこれを用いてなる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカを30〜120質量部含有し、かつ次式(1)で表されるシラン化合物をシリカに対し2〜20質量%含有してなるものとする。
【化1】
式(1)中、Aはヘテロ原子を少なくとも1つ含むモノマーの重合度6以上の重合体、Bは、メチル基、ビニル基、メルカプト基又は−S−CxHy−Si−R1R2R3を示す。R1、R2、R3は、それぞれ炭素数1〜3のアルコキシ基又はアルキル基を示し、R1、R2、R3のうちの少なくとも1つはアルコキシ基である。xは2〜4、yは4〜8の数を示す。
【選択図】なし
【解決手段】ジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカを30〜120質量部含有し、かつ次式(1)で表されるシラン化合物をシリカに対し2〜20質量%含有してなるものとする。
【化1】
式(1)中、Aはヘテロ原子を少なくとも1つ含むモノマーの重合度6以上の重合体、Bは、メチル基、ビニル基、メルカプト基又は−S−CxHy−Si−R1R2R3を示す。R1、R2、R3は、それぞれ炭素数1〜3のアルコキシ基又はアルキル基を示し、R1、R2、R3のうちの少なくとも1つはアルコキシ基である。xは2〜4、yは4〜8の数を示す。
【選択図】なし
Description
本発明は、新規なシランカップリング剤を含有するゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
ゴム組成物には、補強材としてカーボンブラックやシランなどの補強性フィラーが充填されることが多いが、フィラーの充填量が増加するに従い、分散不良などの問題が発生するようになる。そこで、フィラーの分散を促進し、ゴムの諸性能を向上させるために種々のシランカップリング剤が用いられている。
シランカップリング剤は、組成物中でゴム成分等の有機ポリマーとの反応や相互作用が可能な官能基と、加水分解してフィラー等の無機物表面と結合可能な加水分解性基とを有し、その代表例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられる。しかしながら、このシランカップリング剤は、高価であるうえに、カップリング剤としての機能を十分に発現させるためには、配合量を多くする必要があるなどの問題点があった。
上記のように多量の配合量が必要となるのは、シランの細孔内中に低分子化合物であるシランカップリング剤の一部が取り込まれてしまい、シラン表面上でカップリング剤としての機能を果たせなくなるためである。そこで、例えば特許文献1では、シランカップリング剤の分子量を大きくすることにより、シラン細孔内中へ取り込まれる量を小さくしたシランカップリング剤として、例えばポリスルフィドポリエーテルシランが提案されており、これによれば従来の低分子シランカップリング剤よりも少ないケイ素含量で配合された場合においても、低分子のものと同程度のシランカップリング剤としての機能が得られるとされている。
しかし、上記ポリスルフィドポリエーテルシランを合成する際には、副生成物として塩化水素ガスや金属塩が形成されてしまうため、シランカップリング剤を単品として得るためには、ろ別除去、洗浄等の煩雑な操作が必要であった。また、ポリスルフィドポリエーテル鎖の重合反応とシラン化合物による末端封鎖反応とを同時並行的に行うため、ポリエーテル鎖とシラン化合物との反応性の違いによって、様々な分子量を持ったものや末端シリル基で封鎖されていないものとの混合物として合成されるおそれがあった。
上記のような従来のシランカップリング剤の問題に対して、例えば特許文献2には、チオール基含有ポリスルフィド重合体にエポキシ基及びアルコキシシリル基を有するシラン化合物を反応させて得られるシランカップリング剤が開示されている。
また、特許文献3には、メルカプトシランにビニルエーテル基を有する化合物を、例えばリン酸エステル触媒等と共に反応させることにより得られる、メルカプトシランカップリング剤が開示されている。
さらに、特許文献4には、チオール基を有するポリスルフィド重合体とアルコキシシリル基及びエポキシ基を有するシラン化合物とを反応させて得られるシランカップリング剤が開示されている。
しかしながら、これらの従来のシランカップリング剤では、ゴムの発熱性、耐摩耗性、及びウェットグリップ性を所望の程度までバランス良く向上させるには至っていなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、新規なシランカップリング剤を含有することにより、ゴムの発熱性、耐摩耗性、ウェットグリップ性をバランス良く向上させたゴム組成物及びこれを用いてなる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
但し、式(1)において、Aはヘテロ原子を少なくとも1つ含むモノマーの重合度6以上の重合鎖を示し、Bは、メチル基、ビニル基、メルカプト基又は−S−CxHy−Si−R1R2R3を示す。R1、R2、R3は、それぞれ炭素数1〜3のアルコキシ基又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R1、R2、R3のうちの少なくとも1つはアルコキシ基である。xは2〜4の数を示し、yは4〜8の数を示す。
また、上記重合鎖は、ポリエーテル鎖、ポリチオエーテル鎖、及びポリジメチルシロキサン鎖からなる群から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、上記本発明のゴム組成物を用いてなるものとする。
本発明のゴム組成物によれば、発熱性、耐摩耗性、及びウェットグリップ性がバランス良く改良されたゴムが得られる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明で使用可能なジエン系ゴムとしては、各種天然ゴム(NR)、各種ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレンブタジエンゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)等が挙げられ、これらはいずれか一種を用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。好ましくは、スチレンブタジエンゴム、各種ポリブタジエンゴムを用いる。また、これらのゴムとしては、アミノ基、アルコキシシラン基、ヒドロキシ基、エポキシ基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン等を導入した変性ジエンゴムも必要に応じて用いることができる。
本発明のゴム組成物は、補強性充填剤としてシリカを含有する。シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも湿式シリカが好ましい。
シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して30〜120質量部が好ましい。
また、本発明の目的を外れない範囲であれば、補強性充填剤としてカーボンブラックをシリカと併用することもできる。
また、本発明のゴム組成物は、シランカップリング剤として式(1)で表されるシラン化合物(以下、シラン化合物(1))を含有する。このシラン化合物(1)の含有量はシリカに対して2〜20質量%が好ましい。
本発明で用いるシラン化合物(1)は、重合鎖Aの少なくとも一方の末端にメルカプト基又はビニル基を1個有する重合体A’と、次式(2)で表されるビニル基を有する化合物(以下、化合物(2))又は次式(3)で表されるメルカプト基を有する化合物(以下、化合物(3))とを、ビニル基とメルカプト基とのエンチオール反応によって結合させることにより得ることができる。式(2)及び(3)におけるR1、R2、R3、x及びyは、それぞれ式(1)におけるR1、R2、R3、x及びyと同じである。エンチオール反応とは、チオール基と炭素−炭素二重結合とが1対1で付加する反応である。すなわち、チオールに光照射するか又は過酸化物等のラジカル開始剤を加えると、容易にチイルラジカルが発生し、炭素−炭素二重結合に付加する。生成した炭素ラジカルがチオール基から水素を引き抜くことで1対1付加体が生成する。水素を引き抜かれたラジカルはチイルラジカルとなるので、反応は連鎖的に進行する。
式(1)における重合鎖Aは、末端基を除き、反応に供される重合体A’と同じ構造を有する。重合体A’は、ヘテロ原子を少なくとも1つ以上含むモノマーの重合度6以上の重合体であり、少なくとも一方の末端にメルカプト基又はビニル基を有するものであれば特に限定されない。重合体A’の末端基は化合物(A)又は(B)とのエンチオール反応に供されるので、重合体A’の末端基がメルカプト基であるときは、末端にビニル基を有する化合物(2)と反応させ、末端基がビニル基であるときは、末端にメルカプト基を有する化合物(3)と反応させる。
重合体A’を構成するモノマーに含まれるヘテロ原子の例としては、酸素、イオウ、ケイ素等が挙げられ、重合体A’の例としては、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
ポリエーテルの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドの重合体である、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。ポリチオエーテルの例としては、チオコール基を有するモノマーの重合体であるポリサルファイド結合を有するポリマーが挙げられる。また、ポリシロキサンの例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン等のオルガノポリシロキサン(シリコーン)が挙げられる。
本発明において上記シラン化合物をシランカップリング剤として使用することにより期待される効果を得るためには、重合体A’としては上記の中でもポリチオエーテルが好ましい。
上記重合体A’を構成するモノマーの重合度は、平均重合度で6以上であり、6〜50であることがより好ましい。平均重合度が6未満であるとシランカップリング剤として使用した場合にゴム成分との親和性が不十分になるおそれがある。また、同様の理由により重合体Aの分子量としては重量平均分子量で500以上が好ましく、500〜10000がより好ましい。
また重合体A’はガラス転移点(Tg)が−10℃以下であることが好ましい。ガラス転移点が−10℃以下であることによりジエン系エラストマーとの相溶性が高まり、シランカップリング剤としての効果をより高めることができる。
上記重合体A’は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、式(1)におけるR1R2R3−Si−、及びBが−S−CxHy−Si−R1R2R3である場合の−Si−R1R2R3は、化合物(2)又は化合物(3)のR1R2R3−Si−に由来し、R1、R2、R3は、上記の通り、それぞれ炭素数1〜3のアルコキシ基又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R1、R2、R3のうちの少なくとも1つはアルコキシ基である。シラン化合物(1)をシランカップリング剤として用いる場合は、R1、R2、R3は、全てアルコキシ基であることが好ましく、炭素数2のエトキシ基であることが特に好ましい。
次に、式(1)における−CxHy−、及びBが−S−CxHy−Si−R1R2R3である場合の−CxHy−は、ともに化合物(2)の−C(X−2)H(y−2)−CH=CH2又は化合物(3)の−CxHy−に由来する。従って、式(1)におけるx及びyは、式(2)及び(3)におけるx及びyとそれぞれ同じである。xは2以上の数を示し、2〜4であることが好ましい。また、yは4以上の数を示し、4〜8であることが好ましい。xが4を超え、yが8を超える場合は反応に時間がかかり、収率の低下を招くおそれがある。
次に、式(1)におけるBは、上記の通り、メチル基、ビニル基、メルカプト基又は−S−CxHy−Si−R1R2R3である。重合体A’の末端のビニル基又はメルカプト基が未反応で残った場合はそれらの基であり、化合物(2)又は(3)と反応した場合は−S−CxHy−Si−R1R2R3である。Bがメチル基である場合とは、例えば重合体A’として末端が封鎖されたポリエーテルを用いた場合である。
次に、式(1)におけるSは、重合体A’又は化合物(3)のメルカプト基の残基である。
上記の通り、化合物(2)及び(3)は、重合体A’とエンチオール反応により結合してシラン化合物(1)を構成するので、目的とするシラン化合物(1)の構造に応じて、R1、R2、R3、xおよびyを上記範囲から選択して用いる。これら化合物(2)及び(3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記重合体A’と化合物(2)又は(3)の仕込み量は、重合体A’の両末端に化合物(2)又は(3)が導入されるように、重合体A’の末端チオール基又はビニル基1モルに対し、化合物(2)のビニル基又は化合物(3)のチオール基が1〜2モルとなる割合とするのが好ましい。
エンチオール反応に際しては、ラジカル発生剤(光重合開始剤)は必ずしも必要ではないが、用いることが好ましい。本発明で用いられるラジカル発生剤は特に限定されるものではないが、例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
反応条件等は公知の条件に準じて適宜選択すればよいが、通常は反応温度50〜80℃で3〜10時間程度反応させるのが好ましい。
本発明に係るゴム組成物には、上記シリカ及びシラン化合物(1)以外では、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤など、タイヤ用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を適宜配合することができる。上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、特に限定されるものではないが、その配合量は上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。ゴム組成物は、通常のバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム用混練機を用いて、常法に従い混練することで調製される。
以上よりなるゴム組成物は、タイヤのトレッドゴムやサイドウォールゴムとして用いることができ、このゴム組成物を、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、タイヤを形成することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下で示す配合割合は、特にことわらない限り質量基準(「質量部」、「質量%」等)とする。
[製造例1]
平均分子量500のポリエチレングリコールジアリルエーテル(日油(株)製 ユニオックスAA−480R)150gと(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)71.4g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製)4.29gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。得られた反応溶液を濃縮し、217gの無色の粘性液体が得られた(収率:98%)。
平均分子量500のポリエチレングリコールジアリルエーテル(日油(株)製 ユニオックスAA−480R)150gと(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)71.4g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製)4.29gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。得られた反応溶液を濃縮し、217gの無色の粘性液体が得られた(収率:98%)。
1H NMR(CDCl3, δ in ppm)の結果より、ポリエチレングリコールジアリルエーテルのアリル基に由来するピーク5.80-6.12 (m, 3H, -CH=CH 2)が消滅していることからエンチオール反応が完結していることを確認した。
[製造例2]
平均分子量1000の液状ポリサルファイドポリマー(東レ・ファインケミカル(株)(株)製 チオコールLP−3)150gとビニルトリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)57.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製)3.57gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。得られた反応溶液を濃縮し、194gの黄色の粘性液体が得られた(収率:94%)。
平均分子量1000の液状ポリサルファイドポリマー(東レ・ファインケミカル(株)(株)製 チオコールLP−3)150gとビニルトリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)57.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製)3.57gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。得られた反応溶液を濃縮し、194gの黄色の粘性液体が得られた(収率:94%)。
1H NMR(CDCl3, δ in ppm)の結果より、ビニルトリエトキシシランのビニル基に由来するピーク5.80-6.20 (m, 3H, -CH=CH 2)が消滅していることからエンチオール反応が完結していることを確認した。
[製造例3]
平均分子量2500の液状ポリサルファイドポリマー(東レ・ファインケミカル(株)製 チオコールLP−23)150gとビニルトリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)22.8g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製)1.43gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。得られた反応溶液を濃縮し、158gの黄色の粘性液体が得られた(収率:91%)。
平均分子量2500の液状ポリサルファイドポリマー(東レ・ファインケミカル(株)製 チオコールLP−23)150gとビニルトリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)22.8g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製)1.43gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。得られた反応溶液を濃縮し、158gの黄色の粘性液体が得られた(収率:91%)。
1H NMR(CDCl3, δ in ppm)の結果より、ビニルトリエトキシシランのビニル基に由来するピーク5.80-6.20 (m, 3H, -CH=CH 2)が消滅していることからエンチオール反応が完結していることを確認した。
[製造例4]
平均分子量3340の両末端メルカプト変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製 X−22−167B)150gとビニルトリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)17.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製)1.07gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。得られた反応溶液を濃縮し、160gの無色の粘性液体が得られた(収率:96%)。
平均分子量3340の両末端メルカプト変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製 X−22−167B)150gとビニルトリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)17.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製)1.07gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。得られた反応溶液を濃縮し、160gの無色の粘性液体が得られた(収率:96%)。
1H NMR(CDCl3, δ in ppm)の結果より、ビニルトリエトキシシランのビニル基に由来するピーク5.80-6.20 (m, 3H, -CH=CH 2)が消滅していることからエンチオール反応が完結していることを確認した。
上記製造例1〜4で用いた重合体A(A’)の詳細、化合物(1)又は(2)の種類、収率等を次表1に示す。ガラス転移点(Tg)の測定は、示差走査熱量測定(DSC)により行った。
[実施例・比較例]
下記表2に示す配合(特に示した以外は質量部)に従い、まず硫黄、加硫促進剤を除く成分を混合し、次いで硫黄と加硫促進剤を添加混合して、タイヤ用ゴム組成物を調製した。表2中の各配合物の詳細は以下の通りである。
下記表2に示す配合(特に示した以外は質量部)に従い、まず硫黄、加硫促進剤を除く成分を混合し、次いで硫黄と加硫促進剤を添加混合して、タイヤ用ゴム組成物を調製した。表2中の各配合物の詳細は以下の通りである。
・シランカップリング剤:エボニック・デグサ製社「Si69」
・シラン化合物1:製造例1により得られたシラン化合物
・シラン化合物2:製造例2により得られたシラン化合物
・シラン化合物3:製造例3により得られたシラン化合物
・シラン化合物4:製造例4により得られたシラン化合物
・SBR:ランクセス(株)製 VSL5025−0HM
・変性SSBR(アルコキシ及びアミン変性):JSR(株)製 HPR350
・BR:宇部興産(株)製 BR150B
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製 ニップシールAQ(BET:200m2/g)
・カーボンブラック:三菱化学(株)製 ダイアブラックN341
・オイル:昭和シェル石油(株)製 エキストラクト4号S
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製 亜鉛華1号
・老化防止剤:住友化学(株)製 アンチゲン6C
・ステアリン酸:花王(株)製 ルナックS20
・ワックス:日本精蝋(株)製 OZOACE0355
・硫黄:鶴見化学工業(株)製 5%油処理微粉末硫黄
・加硫促進剤:住友化学(株)製 ソクシノールCZ
・シラン化合物1:製造例1により得られたシラン化合物
・シラン化合物2:製造例2により得られたシラン化合物
・シラン化合物3:製造例3により得られたシラン化合物
・シラン化合物4:製造例4により得られたシラン化合物
・SBR:ランクセス(株)製 VSL5025−0HM
・変性SSBR(アルコキシ及びアミン変性):JSR(株)製 HPR350
・BR:宇部興産(株)製 BR150B
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製 ニップシールAQ(BET:200m2/g)
・カーボンブラック:三菱化学(株)製 ダイアブラックN341
・オイル:昭和シェル石油(株)製 エキストラクト4号S
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製 亜鉛華1号
・老化防止剤:住友化学(株)製 アンチゲン6C
・ステアリン酸:花王(株)製 ルナックS20
・ワックス:日本精蝋(株)製 OZOACE0355
・硫黄:鶴見化学工業(株)製 5%油処理微粉末硫黄
・加硫促進剤:住友化学(株)製 ソクシノールCZ
得られた各ゴム組成物について、発熱特性、ウェットグリップ性、及び耐摩耗性を以下の方法で測定した。結果を表2に示す。
発熱特性:東洋精機(株)製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪10%、動歪1%、温度60℃で損失係数tanδを測定し、比較例2の値を100とした指数で示した。数値が小さい方が発熱特性が良好であることを示す。
ウェットグリップ性:東洋精機(株)製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪10%、動歪1%、温度0℃で損失係数tanδを測定し、比較例2の値を100とした指数で示した。数値が大きい方がウェットグリップ性が良好であることを示す。
耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、荷重40N、スリップ率30%の条件で摩耗減量を測定し、比較例2の値を100とした指数で示した。数値が大きい方が耐摩耗性が良好であることを示す。
表2に示された結果から分かるように、シラン化合物(1)を用いた本発明の実施例のゴム組成物によれば、いずれも従来のシランカップリング剤と比較して少量のシラン化合物(1)の使用により、ゴムの発熱特性、ウェットグリップ性、及び耐摩耗性をバランスよく向上させることができた。
発明のゴム組成物は、乗用車、ライトトラック、トラック、バス等の各種タイヤに用いることができる。
Claims (3)
- 前記重合鎖Aは、ポリエーテル鎖、ポリチオエーテル鎖、及びポリジメチルシロキサン鎖からなるから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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