JP2014108705A - 自動二輪車の連動ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液圧式と機械式のブレーキを連動作動させる連動ブレーキ装置に備えるブレーキロック機構に関し、部品点数の増加を極力抑えつつ簡素な構造とする。
【解決手段】左ブレーキレバー17の操作力を液圧式ブレーキと機械式ブレーキとに分配する分配機構36は、支軸45を中心に回動可能に支持され、一端にブレーキケーブル35が接続されるケーブルアーム51と、一端部がケーブルアーム51の他端に回動可能に支持され、ケーブルアーム51の一端部と他端部との間に左ブレーキレバー17が当接することにより一端部を中心にして回動して他端部で左マスターシリンダ37を押圧するイコライザ53とを備え、ケーブルアーム51は、ブレーキロックレバー39によりブレーキケーブル35を引いた状態で保持可能である。
【選択図】図12

Description

本発明は、パーキングブレーキ機能を有する自動二輪車の連動ブレーキ装置に関する。
後ブレーキレバーを操作すると、後輪ブレーキに制動力を与えるとともに、ケーブルアーム機構で分配された操作力によって前輪ブレーキにも制動力を与える連動ブレーキ装置(Combined Brake System)(インテグラルブレーキとも呼ばれる)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4801825号公報
駐車時にパワーユニット側と駆動輪側とが切断状態になる自動二輪車では、自動二輪車を停車状態で保持するために後輪ブレーキに制動力を作用させたままにしておく、所謂ブレーキロック(パーキングブレーキ)機構を搭載したものがある。一方で連動ブレーキは、操作子を操作することにより、2つのブレーキを制動状態にするため、液圧式と機械式を併用する自動二輪車にあっては、液圧式ブレーキに圧力が作用したまま駐車状態(配管圧が高い状態)にしておくことを避けるため、機械式ブレーキに接続するブレーキロック操作子を別途設けることにより、上記問題を解消することが可能である。しかし、操作子やケーブルが増えるとともに、制動用と駐車用の2つの入力で機械式ブレーキに作用させる機構が必要になり、構造が複雑化する傾向にある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、液圧式と機械式のブレーキを連動作動させることができる自動二輪車の連動ブレーキ装置であって、部品点数の増加を極力抑え、簡素な構造のブレーキロック機構を備えた自動二輪車の連動ブレーキ装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、液圧式ブレーキ(15)と、機械式ブレーキ(16)と、支持体(37a)に支持される連動ブレーキ操作子(17)と、前記連動ブレーキ操作子(17)の操作力を前記機械式ブレーキ(16)に伝達するケーブル(35)と、前記連動ブレーキ操作子(17)の操作力により液圧を発生し、前記液圧式ブレーキ(15)に制動力を与えるマスターシリンダ(37)と、前記連動ブレーキ操作子(17)の操作力を前記液圧式ブレーキ(15)と前記機械式ブレーキ(16)とに分配する分配機構(36)と、を備え、前記分配機構(36)は、前記支持体(37a)に支軸(45)を中心に回動可能に支持され、一端に前記ケーブル(35)が接続されるケーブルアーム(51)と、一端部が前記ケーブルアーム(51)の他端に回動可能に支持され、この一端部と他端部との中間部に前記連動ブレーキ操作子(17)が当接することにより一端部を中心にして回動して他端部で前記マスターシリンダ(37)を押圧するイコライザ(53)とを備え、前記マスターシリンダ(37)はマスターピストン(71)を初期位置側に付勢するピストンリターンスプリング(72)を備える自動二輪車の連動ブレーキ装置において、前記ケーブルアーム(51)を前記ケーブル(35)を引いた状態で保持可能なブレーキロック部材(39)を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、ケーブルアームとイコライザは接続されているものの、イコライザは連動ブレーキ操作子に当接されて押されることでマスターシリンダを押圧しているので、ケーブルアームをブレーキロック部材で固定しても、連動ブレーキ操作子の操作をやめることで、イコライザには連動ブレーキ操作子の操作力が作用しなくなり、マスターピストンがピストンリターンスプリングによって初期位置に戻ることによりマスターシリンダには液圧が発生していない状態で機械式ブレーキのみ制動状態を維持できる。分配機構を構成するケーブルアームを引いた状態でブレーキロック部材により保持するだけであるから、部品数の増加が抑えられ、簡素な構造のブレーキロック機構とすることができる。
上記構成において、前記ブレーキロック部材(39)は、前記連動ブレーキ操作子(17)の前方に回動可能に支持され、ロックする際の回動方向は、前記連動ブレーキ操作子(17)の回動方向と同一であっても良い。この構成によれば、ブレーキロック部材を連動ブレーキ操作子と同一方向に回動させてロックするので、操作方向が同じになるため一連の操作がしやすくなる。
また、上記構成において、前記ケーブルアーム(51)は、前記支軸(45)から他端までは前後方向に延び、前記支軸(45)から一端までは屈曲して車幅方向内側に延び、前記ケーブルアーム(51)の一端に車両後方側から前記ケーブル(35)が接続されるようにしても良い。この構成によれば、ケーブルアームは支軸の部分で車幅方向内側に屈曲しているので、ケーブルを後方に導きやすく、ケーブルの配索が容易になる。
また、上記構成において、前記連動ブレーキ操作子(17)の初期位置において、前記イコライザ(53)の一端部は、前記マスターシリンダ(37)と前記支軸(45)との間に挟まれて保持され、前記支軸(45)に接する面(53e)及び前記マスターシリンダ(37)に接する面(53f)は湾曲していても良い。この構成によれば、ケーブルアームをスムーズに回動させることができる。
また、前記ケーブルアーム(51)は、前記連動ブレーキ操作子(17)の下側に設けられ、ブレーキ操作のオンオフを検出するブレーキスイッチ(57)の検出部(57a)は、前記ケーブルアーム(51)に当接していても良い。この構成によれば、ブレーキスイッチが外部から視認しにくくなり、美感性を向上させることができる。
また、上記構成において、前記ブレーキロック部材(39)は、前記支軸(45)を前方から覆うように配置されていても良い。この構成によれば、支軸と、支軸の周囲が外部から視認しにくくなり、美感性を向上させることができる。また、特別に支軸及び支軸周りを前方から覆うカバー部材を設ける必要がない。
本発明は、ケーブルアームをケーブルを引いた状態で保持可能なブレーキロック部材を備えているので、ケーブルアームとイコライザは接続されているものの、イコライザは連動ブレーキ操作子に当接されて押されることでマスターシリンダを押圧しているので、ケーブルアームをブレーキロック部材で固定しても、連動ブレーキ操作子の操作をやめることで、イコライザには連動ブレーキ操作子の操作力が作用しなくなり、マスターピストンがピストンリターンスプリングによって初期位置に戻ることによりマスターシリンダには液圧が発生していない状態で機械式ブレーキのみ制動状態を維持できる。分配機構を構成するケーブルアームを引いた状態でブレーキロック部材により保持するだけであるから、部品数の増加が抑えられ、簡素な構造のブレーキロック機構とすることができる。
また、ブレーキロック部材は、連動ブレーキ操作子の前方に回動可能に支持され、ロックする際の回動方向は、連動ブレーキ操作子の回動方向と同一であるので、ブレーキロック部材を連動ブレーキ操作子と同一方向に回動させてロックするので、操作方向が同じになるため一連の操作がしやすくなる。
また、ケーブルアームは、支軸から他端までは前後方向に延び、支軸から一端までは屈曲して車幅方向内側に延び、ケーブルアームの一端に車両後方側からケーブルが接続されるので、ケーブルアームが支軸の部分で車幅方向内側に屈曲することで、ケーブルを後方に導きやすく、ケーブルの配索が容易になる。
また、連動ブレーキ操作子の初期位置において、イコライザの一端部は、マスターシリンダと支軸との間に挟まれて保持され、支軸に接する面及びマスターシリンダに接する面は湾曲しているので、ケーブルアームをスムーズに回動させることができる。
また、ケーブルアームは、連動ブレーキ操作子の下側に設けられ、ブレーキ操作のオンオフを検出するブレーキスイッチの検出部は、ケーブルアームに当接しているので、ブレーキスイッチが外部から視認しにくくなり、美感性を向上させることができる。
また、ブレーキロック部材は、支軸を前方から覆うように配置されているので、支軸と、支軸の周囲が外部から視認しにくくなり、美感性を向上させることができる。また、特別に支軸及び支軸周りを前方から覆うカバー部材を設ける必要がない。
本発明のー実施形態を適用した自動二輪車のブレーキ系統図である。 分配機構を含む左ブレーキ操作機構を示す説明図である。 左ブレーキ操作機構を示す第1斜視図である。 左ブレーキ操作機構を示す第2斜視図である。 左ブレーキ操作機構を示す正面図である。 左ブレーキ操作機構の細部構造を示す第1説明図である。 左ブレーキ操作機構の細部構造を示す第2説明図である。 連動ブレーキ装置の作用を示す第1作用図である。 連動ブレーキ装置の作用を示す第2作用図である。 連動ブレーキ装置の作用を示す第3作用図である。 連動ブレーキ装置のブレーキロックレバーの作用を示す作用図である。 連動ブレーキ装置の作用を示す第4作用図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LEは車体左方を示している。
図1は、本発明のー実施形態を適用した自動二輪車のブレーキ系統図である。
自動二輪車10は、前輪11と、後輪12と、前輪11を操舵するバーハンドル13とを備え、前輪11に液圧式の前輪用ブレーキ装置15が設けられ、後輪12に機械式の後輪用ブレーキ装置16が設けられ、バーハンドル13に、左ブレーキレバー17及び右ブレーキレバー18が設けられている。なお、符号21,22はバーハンドル13の両端に取付けられた左グリップ及び右グリップである。
前輪用ブレーキ装置15は、ディスクブレーキであり、前輪11に一体的に設けられたブレーキディスク24と、このブレーキディスク24を挟み込んで制動させるブレーキキャリパ25とを備える。後輪用ブレーキ装置16は、ドラムブレーキであり、後輪12に一体的に取付けられたブレーキドラムと、このブレーキドラムを押し付けて制動するブレーキシューとを備える。
ブレーキ装置30は、左ブレーキレバー17及び右ブレーキレバー18と、右ブレーキレバー18を操作することによりブレーキ液の液圧を発生させる右マスターシリンダ31と、前輪11を制動させる前輪用ブレーキ装置15と、この前輪用ブレーキ装置15に設けられたブレーキキャリパ25及び右マスターシリンダ31のそれぞれに接続されて右マスターシリンダ31からブレーキキャリパ25にブレーキ液圧を伝えるブレーキ配管34と、後輪用ブレーキ装置16と、左ブレーキレバー17側から後輪用ブレーキ装置16に至り、左ブレーキレバー17の操作力を後輪用ブレーキ装置16に伝達するブレーキケーブル35と、左ブレーキレバー17の操作力を分配して前輪用ブレーキ装置15及び後輪用ブレーキ装置16を連動させるための分配機構36と、この分配機構36の作動によりブレーキ液の液圧を発生させる左マスターシリンダ37と、前輪用ブレーキ装置15のブレーキキャリパ25及び左マスターシリンダ37のそれぞれに接続されて左マスターシリンダ37からブレーキキャリパ25にブレーキ液圧を伝えるブレーキ配管38と、分配機構36を利用して後輪用ブレーキ装置16が制動された状態を維持するブレーキロックレバー39とを備える。ブレーキロックレバー39は、駐車時(パーキング)に使用するものである。
上記の左ブレーキレバー17、分配機構36、左マスターシリンダ37及びブレーキロックレバー39は、左ブレーキ操作機構41を構成し、上記の右ブレーキレバー18、右マスターシリンダ31は、右ブレーキ操作機構42を構成している。
また、上記の右ブレーキレバー18、右マスターシリンダ31、ブレーキ配管34及び前輪用ブレーキ装置15は、前輪11を単独で制動する単独ブレーキ装置43を構成する。また、左ブレーキレバー17、分配機構36、ブレーキケーブル35、左マスターシリンダ37、ブレーキ配管38、ブレーキロックレバー39、後輪用ブレーキ装置16及び前輪用ブレーキ装置15は、前輪11及び後輪12を連動させて制動する連動ブレーキ装置46を構成する。
図2は、分配機構36を含む左ブレーキ操作機構41を示す説明図であり、左ブレーキレバー17を回動可能に支持する支軸45の軸方向上方から見た図である。
左マスターシリンダ37は、シリンダ本体37aと、このシリンダ本体37aの上部に一体に設けられたリザーバタンク37bとを備える。シリンダ本体37aは、車両後方に延びてバーハンドル13に取付けられるブラケット部37dと、車幅方向外側に延びる外方延出部37eとを一体に備える。シリンダ本体37aの内端部37gにはブレーキ配管38が接続されている。
リザーバタンク37bは、ブレーキ液が貯められ、シリンダ本体37a内のシリンダ穴に連通している。
ブラケット部37dの端部には、ホルダ47がバーハンドル13を挟み込むように配置され、ホルダ47がボルトでブラケット部37dに締結されることで、バーハンドル13に左マスターシリンダ37が取付けられる。
外方延出部37eには、ボルト状の支軸45が貫通するように取付けられ、この支軸45に左ブレーキレバー17が揺動可能に支持されている。
左ブレーキレバー17は、運転者の操作により、図中の初期位置A(実線で描かれた位置)から左グリップ21側の中間位置B(想像線で描かれた部分)を通って最大揺動位置C(想像線で描かれた部分)に至る。
ブレーキロックレバー39は、運転者が指を掛けて操作することにより、図中に示す初期位置から車両後方に支持ピン67を中心にして揺動可能である。
図3は、左ブレーキ操作機構41を示す第1斜視図であり、左ブレーキ操作機構41の左方斜め後方から見た図である。
シリンダ本体37aに付設された外方延出部37eは、上下に隔てて設けられた上延出部37jと下延出部37kとからなり、これらの上延出部37j及び下延出部37kに支軸45が上下に延びるように貫通している。支軸45には、左ブレーキレバー17と共に、左ブレーキレバー17の下方に配置されたケーブルアーム51が回動可能に支持され、このケーブルアーム51の端部に連結ピン52を介してイコライザ53が揺動可能に連結されている。これらのケーブルアーム51、連結ピン52及びイコライザ53は分配機構36を構成している。
ケーブルアーム51は、ブレーキケーブル35(図1参照)が接続された部品であり、左ブレーキレバー17の操作に伴って揺動することによりブレーキケーブル35が引かれて後輪用ブレーキ装置16(図1参照)が作動する。イコライザ53は、左ブレーキレバー17の下面に一体成形された下方突出部17aにより押圧されて左マスターシリンダ37に備えるマスターピストンを押圧可能な部品であり、マスターピストンを押圧することで前輪用ブレーキ装置15(図1参照)を作動させる液圧が左マスターシリンダ37に発生する。このように、分配機構36は、左ブレーキレバー17の操作力を、ブレーキケーブル35と左マスターシリンダ37とに分配するものであり、前輪用ブレーキ装置15と後輪用ブレーキ装置16との両方を連動して制動させる。
支軸45は、その軸方向にケーブルアーム51の位置を規制する大径部45aと、この大径部45aよりも小径でケーブルアーム51を回動可能に支持するとともに軸方向に左ブレーキレバー17の位置を上端で規制する中間径部45bと、この中間径部45bよりも小径で左ブレーキレバー17を回動可能に支持する小径部45cと、この小径部45cに隣接して設けられたおねじ部45dとからなり、おねじ部45dは上延出部37jの内側に形成されためねじ部37cと袋ナット55によりねじ結合されている。なお、符号37mはブラケット部37dの端面、37nはバーハンドル13に取付けるために端面37mに形成された凹形円弧面、37pはブラケット部37dにホルダ47を締結するボルトをねじ結合するために端面37mに形成されためねじである。
左ブレーキレバー17は、支軸45の小径部45cが通される支軸挿通穴17cが開けられている。また、上延出部37jには、支軸45の小径部45cの先端に形成されたおねじ部45dが螺合できるめねじ部37cが形成され、下延出部37kは、支軸45の中間径部45bが通される支軸挿通穴37hが開けられている。
左ブレーキレバー17とケーブルアーム51とは、それぞれの支軸45に支持される部分が上下に隔てて配置され、ケーブルアーム51の支軸45で支持される部分とイコライザ53側とは、ケーブルアーム51に形成された傾斜部51sで繋がれている。
ケーブルアーム51は、その前側に形成された一対のピン支持部51g,51hを備え、これらのピン支持部51g,51hにロックピン65が渡されて取付けられている。
図4は、左ブレーキ操作機構41を示す第2斜視図であり、左ブレーキ操作機構41のほぼ下方斜め左方から見た図である。
左マスターシリンダ37のシリンダ本体37aは、その下部にブレーキケーブル取付部37f1とスイッチ取付部37f2とがケーブル・スイッチ取付部37fとして一体に形成され、このケーブル・スイッチ取付部37fのブレーキケーブル取付部37f1に、ブレーキケーブル35の端部(詳しくは、アウタケーブル61)が挿入されて固定されるとともに、スイッチ取付部37f2に左ブレーキレバー17を操作した際に車両に備えるブレーキランプのスイッチとなるブレーキスイッチ57が取付けられる。
ブレーキケーブル35は、アウタケーブル61と、このアウタケーブル61の内側に移動可能に挿入されたインナワイヤ62(図7(A)参照)とからなり、アウタケーブル61の端部がブレーキケーブル取付部37f1に取付けられ、インナワイヤ62の端部に設けられた円柱状の端部部材63がケーブルアーム51の端部に形成された係合穴51aに係合されている。なお、符号51bは端部部材63を係合穴51aに係合させる際にインナワイヤ62を通すためにケーブルアーム51の端部に形成されたワイヤ挿通溝である。
ケーブルアーム51は、その下面に形成された複数の下面凹部51d,51e,51fと、側面から車両前方に延びるように形成された一対のピン支持部51g,51hとを備える。下面凹部51eには、支軸45の大径部45aが収容される。なお、符号51jは下面凹部51eの底面である。
支軸45よりも車両前方には、ブレーキロックレバー39が配置され、ブレーキロックレバー39の一端部が、シリンダ本体37a及びリザーバタンク37bの前面に一体成形された上下一対の前方突出部37q,37rに支持ピン67を介して回動可能に取付けられている。
ブレーキロックレバー39は、その下壁39eの縁部に、ケーブルアーム51に設けられたロックピン65に係合可能なロック爪39aが一体成形され、揺動した状態にあるケーブルアーム51が初期位置に戻るのをロックする機能を有する。
図5は、左ブレーキ操作機構41を示す正面図であり、支軸45に直交する方向で車両前方から見た図である。
支軸45を支持する外方延出部37eは、上部外方延出部37Uと、この上部外方延出部37Uから隔てて下方に配置された下部外方延出部37Lとから構成され、これらの上部外方延出部37Uと下部外方延出部37Lとの間で左ブレーキレバー17が支軸45に支持され、下部外方延出部37Lの下方でケーブルアーム51が支軸45に支持されている。
ブレーキロックレバー39は、前壁39c、上壁39d、下壁39e及び側壁39fを備え、上壁39d及び下壁39eが支持ピン67で支持され、支軸45及びその周囲、詳しく、左ブレーキレバー17の付け根、外方延出部37e、前方突出部37q,37r、ケーブルアーム51の上部、ピン支持部51g、イコライザ53、ロックピン65の上部、支持ピン67の軸部67a等を前方から覆っている。このように、ブレーキロックレバー39によって支軸45及びその周囲を前方から覆うことで、左ブレーキ操作機構41の美感性を高めることができ、自動二輪車10(図1参照)の商品性を向上させることができる。
ブレーキロックレバー39を支持する支持ピン67は、軸部67aと、この軸部67aの一端部に形成された頭部67bとからなり、軸部67aの他端部に止め輪68が嵌められてブレーキロックレバー39から抜け止めされている。支持ピン67の頭部67b、軸部67aの先端部及び止め輪68は、ブレーキロックレバー39から上方及び下方に突出している。
図6は、左ブレーキ操作機構41の細部構造を示す第1説明図であり、図6(A)は左マスターシリンダ37と左ブレーキレバー17との関係を示す図、図6(B)は左マスターシリンダ37の構造、及び左マスターシリンダ37とイコライザ53との関係を示す図である。
図6(A)に示すように、左マスターシリンダ37におけるシリンダ本体37aの左側面37sには、左ブレーキレバー17の前部内側部に一体成形された被ストッパ部17bが当たり、左ブレーキレバー17の時計回りの回動が規制される。この位置が、左ブレーキレバー17の初期位置A(図2参照)である。左ブレーキレバー17の後部内側部には、円柱状の下方突出部17aが一体成形され、左マスターシリンダ37のブラケット部37dにはバックミラーが取付けられるミラー取付ボス部37tが一体成形されている。
図6(B)に示すように、左マスターシリンダ37のシリンダ本体37aは、シリンダボディ37vと、このシリンダボディ37vに形成されたシリンダ穴37wに移動自在に挿入されたマスターピストン71と、このマスターピストン71をシリンダ穴37wの開口37x側へ付勢する圧縮コイルばね72と、マスターピストン71の開口37x側への移動を規制するためにシリンダ穴37wに隣接する大径穴37yに形成された環状溝に装着された止め輪73及びワッシャ74と、マスターピストン71に装着されたシール部材76,77と、マスターピストン71の先端部71aから大径穴37yの内周面に亘って設けられたラバー製のブーツ78とから構成されている。
上記シリンダ穴37w、マスターピストン71及びシール部材76,77は、ブレーキ液が満たされる第1ブレーキ液室81及び第2ブレーキ液室82を形成している。なお、符号37zはブレーキ配管38が接続される配管接続口、33aはイコライザ53が移動したときに左マスターシリンダ37との干渉を避けるためにシリンダ本体37a及びブラケット部37dに形成された切欠き部である。
シリンダ穴37wの軸線84は、支軸45の軸線45e(軸線45eは紙面の表裏方向に延びている。)と直交している。
イコライザ53は、略W形状で、一端部に連結ピン52が嵌合する連結穴53aが開けられ、中間部に左ブレーキレバー17の下方突出部17aに押圧される第1湾曲部53bが形成され、他端部に支軸45とマスターピストン71の先端部71aとの間に配置される第2湾曲部53cが形成されている。
第2湾曲部53cは、支軸45に当接可能で凹形状に湾曲した支軸側湾曲面53eと、マスターピストン71の先端部71aに当接可能で凸形状に湾曲したピストン側湾曲面53fとを有し、ピストン側湾曲面53fは、左ブレーキレバー17が操作された際にマスターピストン71を軸線84の延びる方向に押圧する部分である。
図7は、左ブレーキ操作機構41の細部構造を示す第2説明図であり、図7(A)はイコライザ53とケーブルアーム51との関係を示す図、図7(B)はケーブルアーム51とブレーキロックレバー39との関係を示す図である。
図7(A)に示すように、ケーブルアーム51は、支軸45で支持された部分で屈曲した「くの字」形状の部材であり、連結ピン52が通されるピン穴51mから支軸45が通される支持穴51nまでのほぼ前後方向に延びる第1アーム部51pと、係合穴51aから支持穴51nまでのほぼ車幅方向に延びる第2アーム部51qとを備える。第2アーム部51qは、支持穴51nの近傍に車両前方に延びるピン支持部51g,51hを一体に備え、係合穴51aの近傍に、シリンダ本体37aのケーブル・スイッチ取付部37fに当てられる被ストッパ面51rを備える。
図中の符号86は、支軸45に巻かれるように配置されたねじりコイルばねであり、その一端がシリンダ本体37aの外方延出部37eに掛けられ、他端がピン支持部51gに掛けられてケーブルアーム51を時計回りに付勢している。従って、ケーブルアーム51の時計回りの回動は、被ストッパ面51rがケーブル・スイッチ取付部37fに当たることで規制される。
ケーブル・スイッチ取付部37fは、ブレーキケーブル35のアウタケーブル61が車両後方側から挿入されるケーブル挿通穴33cと、ブレーキケーブル35のインナワイヤ62を通すためにケーブル挿通穴33cの底壁33dを貫通するように開けられたワイヤ挿通穴33eと、ブレーキスイッチ57が挿入されて固定されるスイッチ挿入穴33fと、ブレーキスイッチ57に進退可能に備える検知片57aをケーブルアーム51側に突出させるためにスイッチ挿入穴33fの底壁33gを貫通するように開けられた検知片挿通穴33hとが形成されている。
ブレーキスイッチ57の検知片57aは、ケーブルアーム51側に付勢された状態にあり、図では、検知片57aは、その先端がケーブルアーム51の被ストッパ面51rに当たって突出しないように規制され、ブレーキスイッチ57はオフになっている。
左ブレーキレバー17の操作時には、ケーブルアーム51の回動に伴いケーブル・スイッチ取付部37fから被ストッパ面51rが離れると、検知片57aがケーブルアーム51側に突出してブレーキスイッチ57はオンになり、車両のブレーキランプが点灯する。
図7(B)に示すように、左マスターシリンダ37の前方突出部37q,37rに支持ピン67を介してブレーキロックレバー39が揺動可能に取付けられている。支持ピン67には、ねじりコイルばね88が巻かれるように配置され、ねじりコイルばね88の一端が前方突出部37rに掛けられ、他端がブレーキロックレバー39の内側面に当接されることで、ブレーキロックレバー39が時計回りに付勢されている。図の状態では、ブレーキロックレバー39の前壁39cの内端部39hがシリンダ本体37aの前部に設けられたストッパ部33jに当たって時計回りの回動が規制されている。
ブレーキロックレバー39の下壁39eの縁部39gは、その一部が、ケーブルアーム51のロックピン65の揺動時の軌跡に沿って且つその軌跡に干渉しない形状に形成され、この縁部39gにロック爪39aが形成されている。
以上に述べた連動ブレーキ装置46の作用を次に説明する。
図8は、連動ブレーキ装置46の作用を示す第1作用図であり、左ブレーキレバー17を操作する前の状態を示している。
左ブレーキレバー17は、初期位置A(図2参照)に有り、ケーブルアーム51の被ストッパ面51rはケーブル・スイッチ取付部37fに当たり、イコライザ53の第2湾曲部53cは、支軸45とマスターピストン71との間に配置され、ブレーキロックレバー39の内端部39hは、シリンダ本体37aのストッパ部33jに当たり、ブレーキスイッチ57は、検知片57aが後退した位置にあってオフになっている。
図9は、連動ブレーキ装置46の作用を示す第2作用図であり、左ブレーキレバー17を操作して中間位置B(図2参照)まで引いた状態を説明する図である。
図10は、連動ブレーキ装置46の作用を示す第3作用図であり、左ブレーキレバー17を中間位置Bから最大揺動位置Cよりも手前の位置、あるいは最大揺動位置C(図2参照)まで引いた状態を説明する図である。
図9に示すように、左ブレーキレバー17を初期位置Aから矢印Dで示すように中間位置Bまで引くと、左ブレーキレバー17の下方突出部17aが反時計回りに回動し、白抜き矢印Eで示すように下方突出部17aがイコライザ53を押し付ける。このときの押圧力は、(1)イコライザ53を連結ピン52を中心にして時計回りに回動させ、白抜き矢印Fで示すようにイコライザ53の第2湾曲部53cがマスターピストン71を押し付ける力と、(2)第2湾曲部53cがマスターピストン71を押し付ける際の反力により、イコライザ53と、イコライザ53に連結ピン52を介して連結されたケーブルアーム51とを、支軸45を中心にして矢印Gで示すように反時計回りに回動させる力とに分配される。
例えば、左マスターシリンダ37の圧縮コイルばね72(図6(B)参照)のセット荷重に対して、左ブレーキレバー17の操作時にマスターピストン71を押し付ける押圧力が小さい場合には、マスターピストン71は初期位置に保持される。従って、イコライザ53のピストン側湾曲面53fがマスターピストン71の先端部71aに当たった状態で、矢印Gで示すようにイコライザ53と共にケーブルアーム51が支軸45を中心にして回動する。このとき、イコライザ53の第2湾曲部53cは、支軸45の外周面に沿って回動する。
ケーブルアーム51が回動すると、矢印Hで示すようにブレーキケーブル35のインナワイヤ62が引かれ、後輪用ブレーキ装置16(図1参照)が作動して後輪12(図1参照)が制動される。また、ブレーキスイッチ57の検知片57aが、矢印Jで示すように、突出してブレーキスイッチ57がオンになるので、ブレーキランプが点灯する。
図10に示すように、左ブレーキレバー17を更に引いていくと、イコライザ53及びケーブルアーム51が反時計回りに更に回動し、ブレーキケーブル35のインナワイヤ62が更に引かれて後輪用ブレーキ装置16(図1参照)の制動力が高くなる。この間に、左ブレーキレバー17の操作力の増加に伴って、左マスターシリンダ37の圧縮コイルばね72のセット荷重よりも、左ブレーキレバー17の操作時にマスターピストン71を押し付ける押圧力が大きくなり、イコライザ53は、左ブレーキレバー17の下方突出部17aから、矢印Mで示すように増加した押圧力を第1湾曲部53bに受けて、連結ピン52を中心として矢印Qで示すように回動し、矢印Nで示すように第2湾曲部53cのピストン側湾曲面53fでマスターピストン71を押し付け、マスターピストン71を矢印Sで示すように移動させる。
これにより、第2ブレーキ液室82(図6(B)参照)に液圧が発生するため、この液圧が前輪用ブレーキ装置15(図1参照)に伝わり、前輪11が制動される。
図に示す左ブレーキレバー17の最大揺動位置C(図2参照)では、ブレーキケーブル35のインナワイヤ62及びマスターピストン71の各ストロークが最大になり、後輪用ブレーキ装置16及び前輪用ブレーキ装置15の制動力が最大となる。
上記した連結ピン52とマスターピストン71の先端部71aとの間で、左ブレーキレバー17の下方突出部17aの位置を変更することで、分配機構36によるブレーキケーブル35側と左マスターシリンダ37側との操作力(押圧力)の分配比率及び作動タイミングを変更することが可能である。例えば、下方突出部17aを連結ピン52寄りに配置すれば、前輪用ブレーキ装置15(図1参照)(マスターピストン71)側への操作力の分配比率を下げるとともに前輪用ブレーキ装置15の作動タイミングを遅らせることができる。これにより、後輪用ブレーキ装置16による後輪12の制動タイミングに対して前輪用ブレーキ装置15による前輪11の制動タイミングを遅らせることができ、特別に前輪11の制動タイミングを遅らせるディレイ装置等を設ける必要がない。前輪用ブレーキ装置15の作動タイミング(ディレイ機能)は、圧縮コイルばね(ピストンリターンスプリング)72のセット荷重を調整することによっても可能である。
また、下方突出部17aをマスターピストン71の先端部71a寄りに配置すれば、左マスターシリンダ37側への操作力の分配比率を高めるとともに左マスターシリンダ37側の作動タイミングを早めることができる、即ち、前輪用ブレーキ装置15による前輪11の制動タイミングを早めることができる。
図11は、連動ブレーキ装置46のブレーキロックレバー39の作用を示す作用図であり、図11(A)はブレーキロックレバー39の操作を示す図、図11(B)はブレーキロックレバー39によるケーブルアーム51のロック状態を示す図である。
図11(A)に示すように、左ブレーキレバー17(図10参照)を最大揺動位置C(図10参照)又はその近傍まで、例えば中指、薬指、小指で握った状態で、ブレーキロックレバー39を支持ピン67を中心にして、矢印Tで示すように、ブレーキロックレバー39の縁部39gがケーブルアーム51のロックピン65に当たるまで、例えば人差し指で手前に回動させる。
図11(B)に示すように、ブレーキロックレバー39を回動させた状態を維持しながら左ブレーキレバー17(図10参照)を引いた状態からわずかに戻すと、これに伴ってケーブルアーム51も、矢印Uで示すように支軸45を中心にして揺動している状態からわずかに戻る。この結果、ロックピン65がブレーキロックレバー39の縁部39gを伝ってロック爪39aに至り、ロックピン65がロック爪39aと係合する。
図12は、連動ブレーキ装置46の作用を示す第4作用図であり、パーキングブレーキが作動中の状態を示している。
即ち、ケーブルアーム51のロックピン65がブレーキロックレバー39のロック爪39aと係合することで、左ブレーキレバー17及びブレーキロックレバー39から手を離しても、ケーブルアーム51の揺動した状態が維持され、ケーブルアーム51に連結されたブレーキケーブル35のインナワイヤ62の引かれた状態が維持され、後輪用ブレーキ装置16(図1参照)によって後輪12(図1参照)の制動状態が維持される。
このとき、左ブレーキレバー17から手を離すことで、左ブレーキレバー17からイコライザ53を介してマスターピストン71に押圧力が伝わらなくなり、マスターピストン71は、圧縮コイルばね72(図6(B)参照)の付勢力によって初期位置に戻り、イコライザ53の第2湾曲部53cは、支軸45側へ移動する。従って、シリンダ本体37aの各部、特にシール部材76,77(図6(B)参照)及び圧縮コイルばね72に負荷が作用し続けることがなく、へたり等を抑えることができ、長期に渡って性能を確保することができる。
上記パーキングブレーキ作動状態を解除するには、左ブレーキレバー17を握ってケーブルアーム51を図の位置から反時計回りにわずかに揺動させればよい。ケーブルアーム51が揺動すれば、ケーブルアーム51のロックピン65がブレーキロックレバー39のロック爪39aから外れ、ブレーキロックレバー39は、ねじりコイルばね88(図7(B)参照)の付勢力により時計回りに回動し、初期位置に戻る。そして、左ブレーキレバー17から手を離す(握りをやめる)ことでケーブルアーム51が、ねじりコイルばね86(図7(A)参照)の付勢力及びブレーキケーブル35のインナワイヤ62の引張力によって時計回りに回動し、初期位置に戻る。
上記の図1、図3、図8及び図12に示したように、液圧式ブレーキとしての前輪用ブレーキ装置15と、機械式ブレーキとしての後輪用ブレーキ装置16と、支持体としてのシリンダ本体37aに支持される連動ブレーキ操作子としての左ブレーキレバー17と、左ブレーキレバー17の操作力を後輪用ブレーキ装置16に伝達するブレーキケーブル35と、左ブレーキレバー17の操作力により液圧を発生し、前輪用ブレーキ装置15に制動力を与える左マスターシリンダ37と、左ブレーキレバー17の操作力を前輪用ブレーキ装置15と後輪用ブレーキ装置16とに分配する分配機構36と、を備え、分配機構36は、シリンダ本体37aに支軸45を中心に回動可能に支持されて一端にブレーキケーブル35が接続されるケーブルアーム51と、一端部がケーブルアーム51の他端に回動可能に支持され、この一端部と他端部との中間部に左ブレーキレバー17が当接することにより一端部を中心にして回動して他端部で左マスターシリンダ37を押圧するイコライザ53とを備え、マスターシリンダ37は、マスターピストン71を初期位置側に付勢するピストンリターンスプリングとしての圧縮コイルばね72を備える自動二輪車10の連動ブレーキ装置46において、ケーブルアーム51をブレーキケーブル35を引いた状態で保持可能なブレーキロック部材としてのブレーキロックレバー39を備えている。
この構成によれば、ケーブルアーム51とイコライザ53は接続されているものの、イコライザ53は左ブレーキレバー17に当接されて押されることで左マスターシリンダ37、詳しくはマスターピストン71を押圧しているので、ケーブルアーム51をブレーキロックレバー39で固定しても、左ブレーキレバー17から手を離して操作をやめることで、イコライザ53には左ブレーキレバー17の操作力が作用しなくなり、マスターピストン71が圧縮コイルばね72によって初期位置に戻ることにより左マスターシリンダ37には液圧が発生していない状態で後輪用ブレーキ装置16のみ制動状態を維持できる。従って、前輪用ブレーキ装置15のシール部材76,77、圧縮コイルばね72に継続的に負荷が作用せず、へたり等を防止することができ、長期に亘って性能を維持することができる。分配機構36を構成するケーブルアーム51を利用して、ケーブルアーム51を引いた状態でブレーキロックレバー39により保持するだけであるから、特別にブレーキケーブル35を引く部品を設ける等必要がなく、部品数の増加が抑えられ、簡素な構造のブレーキロック機構とすることができる。従って、コストが低減できるとともに組付性を向上させることができる。
また、図2、図9及び図11に示したように、ブレーキロックレバー39は、左ブレーキレバー17の前方に回動可能に支持され、ロックする際の回動方向は、左ブレーキレバー17の回動方向と同一であるので、ブレーキロックレバー39を左ブレーキレバー17と同一方向に回動させてロックするため、例えば、左ブレーキレバー17に中指、薬指及び小指を握った状態でブレーキロックレバー39を人差し指で操作することができ、操作方向が同じになるため一連の操作がしやすくなる。
また、図7に示したように、ケーブルアーム51は、支軸45から他端までは前後方向に延び、支軸45から一端までは屈曲して車幅方向内側に延び、ケーブルアーム51の一端に車両後方側からブレーキケーブル35が接続されるので、ケーブルアーム51は支軸45の部分で車幅方向内側に屈曲しているため、ブレーキケーブル35を後方に導きやすく、配索が容易になるので、組付性を向上させることができる。また、ケーブルアーム51の前方への突出量を小さくすることができるので、外観カバーの形状をコンパクトにすることができる。
また、図8に示したように、左ブレーキレバー17の初期位置において、イコライザ53の一端部(第2湾曲部53c)は、左マスターシリンダ37のマスターピストン71と支軸45との間に挟まれて保持され、支軸45に接する支軸側湾曲面53e及びマスターピストン71に接するピストン側湾曲面53fは湾曲しているので、イコライザ53の第2湾曲部53cがマスターピストン71と支軸45との間をスムーズに移動でき、図10に示したように下方突出部17aとイコライザ53の接点は第1湾曲部53bの湾曲面53gによって吸収できるため、ケーブルアーム51を支軸45回りにスムーズに回動させることができる。尚、図8において、支持側湾曲面53eは、支軸45の接点部の組付時の誤差を吸収することができる。ピストン側湾曲面53fは、マスターピストン71をスムーズに押圧するために設けられた湾曲面である。
また、図3及び図7に示したように、ケーブルアーム51は、左ブレーキレバー17の下側に設けられ、ブレーキ操作のオンオフを検出するブレーキスイッチ57の検出部としての検知片57aは、ケーブルアーム51に当接しているので、ブレーキスイッチ57が外部から視認しにくくなり、美感性を向上させることができ、商品性を高めることができる。
また、図5及び図7に示したように、ブレーキロックレバー39は、支軸45を前方から覆うように配置されているので、支軸45と、支軸45の周囲とが外部から視認しにくくなり、美感性を向上させることができる。また、支軸45及び支軸45周りを飛び石等から保護することができる。更に、特別に支軸45及び支軸45周りを前方から覆うカバー部材を設ける必要がなく、部品数が増加しないのでコストを抑えることができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態において、図6(B)に示したように、イコライザ53をW形状としたが、この形状に限らない。要は、左ブレーキレバー17の下方突出部17aを受ける湾曲部と、支軸45及びマスターピストン71のそれぞれの間に配置される湾曲部とを有していれば良い。
また、図8に示したように、ケーブルアーム51にロックピン65を設け、ブレーキロックレバー39にロック爪39aを設けたが、これに限らず、ケーブルアーム51にロック爪、ブレーキロックレバー39にロックピンを設けても良い。
また、本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。
10 自動二輪車
15 前輪用ブレーキ装置(液圧式ブレーキ)
16 後輪用ブレーキ装置(機械式ブレーキ)
17 左ブレーキレバー(連動ブレーキ操作子)
35 ブレーキケーブル(ケーブル)
36 分配機構
37 左マスターシリンダ(マスターシリンダ)
37a シリンダ本体(支持体)
38 ブレーキ配管
39 ブレーキロックレバー(ブレーキロック部材)
45 支軸
46 連動ブレーキ装置
51 ケーブルアーム
53 イコライザ
53e 支軸側湾曲面(面)
53f ピストン側湾曲面(面)
57 ブレーキスイッチ
57a 検知片(検出部)
71 マスターピストン
72 圧縮コイルばね(ピストンリターンスプリング)
86 ねじりコイルばね(リターンスプリング)

Claims (6)

  1. 液圧式ブレーキ(15)と、機械式ブレーキ(16)と、
    支持体(37a)に支持される連動ブレーキ操作子(17)と、
    前記連動ブレーキ操作子(17)の操作力を前記機械式ブレーキ(16)に伝達するケーブル(35)と、
    前記連動ブレーキ操作子(17)の操作力により液圧を発生し、前記液圧式ブレーキ(15)に制動力を与えるマスターシリンダ(37)と、
    前記連動ブレーキ操作子(17)の操作力を前記液圧式ブレーキ(15)と前記機械式ブレーキ(16)とに分配する分配機構(36)と、
    を備え、
    前記分配機構(36)は、前記支持体(37a)に支軸(45)を中心に回動可能に支持され、一端に前記ケーブル(35)が接続されるケーブルアーム(51)と、一端部が前記ケーブルアーム(51)の他端に回動可能に支持され、この一端部と他端部との中間部に前記連動ブレーキ操作子(17)が当接することにより一端部を中心にして回動して他端部で前記マスターシリンダ(37)を押圧するイコライザ(53)とを備え、前記マスターシリンダ(37)はマスターピストン(71)を初期位置側に付勢するピストンリターンスプリング(72)を備える自動二輪車の連動ブレーキ装置において、
    前記ケーブルアーム(51)を前記ケーブル(35)を引いた状態で保持可能なブレーキロック部材(39)を備えていることを特徴とする自動二輪車の連動ブレーキ装置。
  2. 前記ブレーキロック部材(39)は、前記連動ブレーキ操作子(17)の前方に回動可能に支持され、ロックする際の回動方向は、前記連動ブレーキ操作子(17)の回動方向と同一であることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の連動ブレーキ装置。
  3. 前記ケーブルアーム(51)は、前記支軸(45)から他端までは前後方向に延び、前記支軸(45)から一端までは屈曲して車幅方向内側に延び、前記ケーブルアーム(51)の一端に車両後方側から前記ケーブル(35)が接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車の連動ブレーキ装置。
  4. 前記連動ブレーキ操作子(17)の初期位置において、前記イコライザ(53)の一端部は、前記マスターシリンダ(37)と前記支軸(45)との間に挟まれて保持され、前記支軸(45)に接する面(53e)及び前記マスターシリンダ(37)に接する面(53f)は湾曲していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動二輪車の連動ブレーキ装置。
  5. 前記ケーブルアーム(51)は、前記連動ブレーキ操作子(17)の下側に設けられ、ブレーキ操作のオンオフを検出するブレーキスイッチ(57)の検出部(57a)は、前記ケーブルアーム(51)に当接していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動二輪車の連動ブレーキ装置。
  6. 前記ブレーキロック部材(39)は、前記支軸(45)を前方から覆うように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の自動二輪車の連動ブレーキ装置。
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