JP2014108506A - エンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】直径2mm以下の小径の場合でも安定した強度を維持しながら切削でき、切削性の向上と長寿命化を図ることができるエンドミルを提供する。
【解決手段】エンドミル1は、軸線D回りに回転される直径が2mm以下の工具先端部2に、その工具先端部2の外周に配置される外周刃12と、工具先端部2の先端に配置される底刃13とからなる少なくとも一対の切刃部11が軸線Dを挟んで互いに反対側に形成されてなり、底刃13の逃げ面16の軸線D側に緩やかな凹面で形成されたポケット部17を有し、ポケット部17の凹面には、半径方向に対して底刃13のすくい面14に向かう方向に傾斜する多数のガイド溝18が互いに略平行に並んで形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、精密金型等の加工に用いられる小径のエンドミルに関する。
エンドミルは、外周部に形成される外周刃と先端に形成される底刃とからなる切刃部と、シャンク部とを有している。このエンドミルは軸線回りに回転し、その外周刃により軸方向に沿った垂直面の切削加工が行われ、底刃により軸方向と直交する水平面の切削加工が行われる。
この種のエンドミルにおいては、底刃によって被削材を切削する際に生成される切屑が分断されることなく長く成長すると、その長い切屑がエンドミルに巻きついたり、エンドミルと被削材との間に詰まったりすることによって、エンドミルに傷をつけることがある。そこで、底刃で生成される切屑の排出性を向上させるための様々な対策がなされている。
例えば、特許文献1には、エンドミル(切削工具)に、外周刃(第2切刃)を分断する溝(第2溝)が設けられており、底刃(第1切刃)によって被削材を切削する際に出てくる切屑が、第1溝(第1切刃から工具本体の後端部に向かって延びる溝)を通って排出される際に、第2溝の壁に衝突することによって、短片に分断され、あるいは長く成長することが抑制されることが記載されている。また、第1溝に加えて第2溝を通じて切屑を排出することができ、切屑の排出性を向上させることができる。さらに、第2溝によって、エンドミルを冷却するための冷却オイルが第1切刃及び第2切刃に供給され易くなるため、別途のオイル供給用の貫通穴などを設ける必要が無く、エンドミルの冷却性を向上させることができるとされている。
特開2011‐93036号公報
特許文献1の切削工具では、切刃に溝形状(第2溝)を設けることにより切屑の排出性を向上させることが記載されているが、一方で、切屑が溝形状に衝突することにより、その溝形状を起点として欠損が生じるおそれがある。
また、近年では、金型の形状の複雑化や小径化に伴って直径2mm以下の小径のエンドミルの需要の増加が見込まれており、このような小径のエンドミルにおいて、特に切削抵抗の減少と耐欠損性の向上を果たすことが重要となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、直径2mm以下の小径の場合でも安定した強度を維持しながら切削でき、切削性の向上と長寿命化を図ることができるエンドミルを提供することを目的とする。
本発明のエンドミルは、軸線回りに回転される直径が2mm以下の工具先端部に、該工具先端部の外周に配置される外周刃と、該工具先端部の先端に配置される底刃とからなる少なくとも一対の切刃部が前記軸線を挟んで互いに反対側に形成されてなり、前記底刃の逃げ面の前記軸線側に緩やかな凹面で形成されたポケット部を有し、該ポケット部の凹面には、半径方向に対して前記底刃のすくい面に向かう方向に傾斜する多数のガイド溝が互いに略平行に並んで形成されていることを特徴とする。
軸線を中心として回転する工具では、底刃の軸線に近い側と外周部に近い側とでは回転速度が異なり、軸線側から外周部側に向かって回転速度が速くなる。本発明のエンドミルにおいては、軸線側に設けられたポケット部により切削油を保持できるとともに、その保持された切削油が、エンドミルの回転に伴いガイド溝に沿って底刃のすくい面に円滑に流れるようになっている。したがって、底刃に切削油を円滑に供給することができ、切屑が工具の後方に流れやすくなるとともに、その切屑が分断されやすくなることから、小径のエンドミルでも安定した切削性の向上と長寿命化を図ることができる。
本発明のエンドミルにおいて、隣接する前記ガイド溝間に、該ガイド溝と交差する方向に延在する多数の微細溝を有し、網目状の微細凹凸が形成されている。
ガイド溝の隣接する方向に延在する微細溝を設けることで、ポケット部の切削油をさらに保持しやすくなり、より安定して底刃に切削油を供給することができる。
また、前記ガイド溝は2μm以上10μm以下の間隔で形成され、前記微細溝は0.1μm以上1μm以下の間隔で形成されるとともに、前記ガイド溝及び前記微細溝は、深さ0.1μm以上0.64μm以下に形成されているとよい。
ガイド溝と微細溝を上記のように形成することで、安定して底刃に切削油を供給することができる。さらに、液体潤滑状態を維持して円滑に切削油を保持するためには、切削油の十分な供給がされること、及び切削油との接触面の摩擦が小さくなることが望ましいことから、深さ0.1μm以上の溝形状とすることが好ましい。また、深さ0.64μmを超える溝形状では、その溝形状を起点として応力が集中し、エンドミルに欠損が生じるおそれがあるため、機械的強度を損なわないために0.64μm以下の深さにすることが好ましい。
本発明によれば、小径の場合であっても切削性を向上しつつ安定した強度を確保して切刃部の消耗や破損を防止しながら切削でき、工具として長寿命化を図ることができる。
本発明に係るエンドミルの一実施形態を示す工具先端部の斜視図である。 工具先端部を先端方向から見た正面図である。 工具先端部の図1に示すA矢視図である。 エンドミル全体の概略側面図である。 本発明に係るエンドミルの実施例において、ポケット面の凹面を示す拡大画像である。 エンドミルの製造方法に使用されるレーザ加工装置を示す全体構成図である。 加工レイヤー毎の加工を説明する模式図である。 凹面形状の加工を説明する模式図であり、(a)が加工前の状態、(b)が加工後の状態を示す。 溝の間隔と深さを調整して加工する方法を説明する模式図であり、(a)が加工面の傾斜角度を小さくした場合、(b)が加工面の傾斜角度を大きくした場合を示す。 レーザビームが照射されて加工された部分の断面形状を示す概念図であり、(a)がレーザビーム照射中の状態、(b)がレーザビーム照射後の状態を示す。 レーザビームのビーム形状と、その断面方向における強度分布の違いを説明する図である。
以下、本発明に係るエンドミルの一実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態のエンドミル1は、図1〜図3に示すように、軸線D回り(図2に示す矢印T方向)に回転される工具先端部2に、一対の切刃部11が二組、軸線Dを挟んで互いに反対側に形成された4枚刃のスクエアエンドミルであり、工具先端部2の外径は、2mm以下の小径に設けられる。
図4に示すように、エンドミル1には円柱状のシャンク部3が設けられ、このシャンク部3の先端部が小径に形成され、その小径の首部4の先端に略円周状のチップ部5が接続された構成とされている。チップ部5は、首部4に接合される超硬合金部6と、その超硬合金部6に接続され、切刃部11が形成されるcBN焼結体、焼結ダイヤモンド等の工具先端部2とで構成されている。
切刃部11は、工具先端部2の外周に配置される外周刃12と、工具先端部2の先端に配置される底刃13とにより形成され、これら外周刃12の先端と底刃13の外周端とが鋭利な角度で交差している。そして、切刃部11のそれぞれが、周方向に90°離間した位置に配置されている。
この場合、外周刃12は、工具先端部2に周方向に90°離間して形成されたすくい面14と外周の逃げ面15とにより形成され、底刃13は、すくい面14と先端の逃げ面16とにより形成される。
そして、底刃13の逃げ面16の軸線D側には、緩やかな凹面で形成されたポケット部17が設けられる。このポケット部17の凹面には、図1及び図2、図5に示すように、半径方向に対して底刃13及び外周刃12のすくい面14に向かう方向に傾斜する多数のガイド溝18が、互いに略平行に並んで形成されている。また、これら隣接するガイド溝18間には、ガイド溝18と交差する方向に延在する多数の微細溝19が形成されており、これらガイド溝18及び微細溝19によって網目状の微細凹凸が形成されている。
具体的には、ガイド溝18は、2μm以上10μm以下の間隔で形成され、微細溝19は0.1μm以上1μm以下の間隔で形成されている。また、これらガイド溝18及び微細溝19は、深さ0.1μm以上0.64μm以下に形成されている。
このように構成されるエンドミル1を製造する場合、レーザ加工により、工具先端部2となる円柱状素材20の外周側の逃げ面15を形成した後にすくい面14を形成して外周刃12を形成し、次に先端側の逃げ面16を形成して底刃13を形成する。最後にポケット部17を形成して、その凹面にガイド溝18及び微細溝19の溝加工を施す。
この製造方法に用いられるレーザ加工装置100は、図6に示すように、超硬合金からなる円柱状素材20にレーザビームLを照射して工具先端部2全体を三次元加工する装置である。このレーザ加工装置100は、レーザビームLをパルス発振して円柱状素材20に一定の繰り返し周波数で照射しながら走査するレーザ光照射機構22と、円柱状素材20を保持した状態で回転、旋回及びxyz軸方向にそれぞれ移動可能な素材保持機構24と、これらを制御する制御部25とを備えている。
素材保持機構24は、被加工物をx‐y‐zの各方向に並進運動でき、且つ旋回運動、及び自転運動できる機構を有している。具体的には、水平面に平行なx方向に移動可能なx軸ステージ部31xと、そのx軸ステージ部31x上に設けられx方向に対して垂直で水平面に平行なy方向に移動可能なy軸ステージ部31yと、y軸ステージ部31y上に設けられ水平面に対して垂直方向に移動可能なz軸ステージ部31zと、z軸ステージ部31z上に設けられた旋回機構32と、旋回機構32に固定され、円柱状素材20を保持可能な回転機構33とを備える構成とされている。これら各ステージ部31x〜31z、旋回機構32、回転機構33の各駆動部は、例えばステッピングモータが用いられ、エンコーダにより位相をフィードバックすることができるようになっている。
レーザ光照射機構22は、QスイッチによりレーザビームLとなるレーザ光をパルス発振するとともにスポット状に集光させる光学系を有するレーザ光源26と、照射するレーザビームLを走査させるガルバノスキャナ27とを備えている。
レーザ光源26は、190nm〜550nmの短波長のレーザ光を照射できる光源を使用することができ、例えば、本実施形態では、波長355nmのレーザ光を発振して出射できるものを用いている。また、ガルバノスキャナ27は、素材保持機構24の真上に配置されている。
ところで、工具先端部2に使用されるcBN焼結体は、cBN(cubic Boron Nitride)の粒子とバインダとの複合材である。約6eVと大きなバンドギャップをもつcBN粒子とバインダとの間には大きなバンドギャップ差がある。また、PCD(ダイヤモンド焼結体)は、ミクロンサイズの合成ダイヤモンドパウダーを高温高圧下で焼結して結合させたもので、ダイヤモンドの微結晶と焼結時に必要な焼結助材の複合材である。主に5.47eVと大きなバンドギャップをもつダイヤモンドと焼結助材との間にも、大きなバンドギャップ差がある。
このため、多光子吸収により加工する場合であっても、s偏光ではレーザビームを入射すると吸収率の変動を大きくすることで、cBN粒子やダイヤモンド微結晶は加工がよりされにくくなり、加工後の微細溝の間隔が安定しなくなる。したがって、cBN結晶体やPCDの工具先端部2を加工する際には、特にラジアル偏光のレーザビームを使用することで、本発明の効果を発揮させることができる。
なお、本実施形態では、レーザビームLの走査を行う際に、図7に示すように、走査プログラム上、複数の加工レイヤー41を積み重ねて設定することで、各加工レイヤー41に対してレーザビームLを垂直に照射し、加工レイヤー41毎に所定部分を除去して、三次元形状の加工面42を形成していく。すなわち、レーザビームLの走査制御において、まず加工対象物のチップ部5をレーザビームLの照射方向に積層された複数の加工レイヤー41に分けて設定する。
そして、加工前の形状と設計上の加工後形状とから加工除去する部分を、加工レイヤー41毎に設定し、加工レイヤー41毎にレーザビームLを走査して所定部分を除去することにより、所定の加工面42を形成し、複雑な形態を形成することができる。
ガイド溝18及び微細溝19を形成する方法について詳述する。
工具先端部2の先端部分のポケット部17を形成するには、図8(a)に示すように、前述した複数の加工レイヤー41を積み重ねて設定し、各加工レイヤー41に対してレーザビームLを照射し、加工レイヤー41毎に所定部分を除去して、図8(b)に示すように凹面形状の加工面42を形成していく。ここで、1つの加工レイヤー41毎の加工除去量をビーム強度により調整し、且つ凹面形状の加工面42を形成する際の角度θを調整することによって、ガイド溝18及び微細溝19の間隔と深さを調整することができる。
図9に、図8のB線に沿う要部断面図を示す。図9(a)に示すように、例えば、凹面形状の加工面42を形成する際の角度θを小さくして、レーザビームLの強度調整により1つの加工レイヤー41当たりの加工除去量を減らすことで、溝深さaを浅く、溝の間隔(溝幅)bを狭くすることができる。また、図9(b)に示すように、凹面形状を形成する際の角度θを大きくして、レーザビームLの強度調整により1つの加工レイヤー41当たりの加工除去量を増やすことで、溝深さaを深く、溝の間隔bを広くすることができる。また、同じレーザビームLの条件で角度θを大きくした場合には、角度θの変更前と変更後とで加工レイヤー41毎の加工除去量は変わらないので、走査間隔cを狭く設定することにより、溝深さaを変えずに溝の間隔bを狭くすることができる。
なお、本発明でいう微細溝19の間隔は、図9の模式図で示されるように、各溝が隙間なく隣接して配置されていることから、隣接する各溝の最も深い形状位置の傾斜方向の間隔(間隔b)で定義している。
レーザビームLのビーム断面の光強度分布がガウシアン分布を有しているため、図10(a)に示すように、レーザビームLの中心ほど強度が強く、レーザビームLの中心ほど深く加工される。一方、周辺ほど浅く加工される。そして、図10(a)に示すように、ガウシアン分布の強度分布を有するレーザビームLをガイド溝18の間隔bと一致するように一定の繰り返し周波数で照射しながら走査(図10(a)では手前から奥に向けて走査)することで、図10(b)に示すようなガイド溝18が形成される。また、図9(a),(b)に示すように、レーザビームLの走査間隔cと加工レイヤー41当たりの加工深さd及び形成する凹面形状の傾斜角度θを調整することによって、ガイド溝18と微細溝19とを組み合わせた網目状の微細凹凸を形成することができる。
さらに、ガイド溝18を形成する際に、レーザビームLの強度及び繰り返し周波数、走査間隔cを調整することによっても、溝深さaの調整が可能である。また、レーザビームLのビーム形態(楕円率)及び走査方向に角度を設けることで、ガウシアン分布の形状を変えることが可能であり、例えば、ビーム形状を楕円とする光学系(シリンドリカルレンズ等)を図6に示すレーザ加工装置100のレーザ光源26とガルバノスキャナ27の間に設けることで、図11に示すように、レーザビームLビーム形状sを楕円としてガウシアン分布の形状を変更することが可能である。
このように、走査間隔cとレーザ走査方向を組み合わせることにより溝間隔bの微調整が可能となる。なお、レーザビームLの走査方向にガイド溝18が発生するため、レーザ加工装置100では、レーザビームLの走査方向とガイド溝18の方向が一致するように回転機構33を回転制御して、加工対象物(円柱状素材20)の回転軸を調整する。
このようにして製造されたエンドミル1は、底刃13の逃げ面16の軸線D側に設けられたポケット部17により切削油を保持でき、その保持された切削油が、エンドミル1の回転に伴いガイド溝18に沿ってすくい面14に円滑に流れるようになっている。したがって、底刃13に切削油を円滑に供給することができ、切屑が工具の後方に流れやすくなるとともに、その切屑が分断されやすくなることから、小径のエンドミルでも安定した切削性の向上と長寿命化を図ることができる。
また、ガイド溝18と交差する方向に延在する多数の微細溝19を設けることで、ポケット部17の切削油をさらに保持しやすくなり、より安定して底刃13に切削油を供給することができるようになっている。
なお、安定して底刃13に切削油を供給するためには、ガイド溝18を2μm以上10μm以下の間隔で形成し、微細溝19を0.1μm以上1μm以下の間隔で形成するとともに、ガイド溝18及び微細溝19を、深さ0.1μm以上0.64μm以下に形成することが好ましい。また、円滑に切削油を保持するために、上記のように深さ0.1μm以上の溝形状とすることが好ましいが、深さ0.64μmを超える溝形状では、その溝形状を起点として応力が集中し、エンドミルに欠損が生じるおそれがあるため、深さを0.1μm以上0.64μm以下に設定している。
すなわち、エンドミル1の機械的強度を損なわないためには、ガイド溝18及び微細溝19の深さを0.64μm以下とすることが好ましいが、これらの溝を形成した加工面と加工対象物とが接触しない良好な潤滑状態(流体潤滑状態)を維持するためには、切削油の十分な供給及び切削油と接触面との摩擦を小さくする必要があり、溝深さをなるべく大きく設定することが望ましい。
また、機械面精度の観点からは、溝を形成した加工面の面粗さを例えばRa(算術平均粗さ)≦0.2μm、Rz(最大高さ)≦0.8μmに設定することが望ましい。そのため、ガイド溝18及び微細溝19の深さのばらつきが±20%と仮定した場合に、設計するガイド溝18及び微細溝19の深さは、0.1μm以上0.64μm以下の範囲に設定することが好ましい。
また、ガイド溝18の間隔が4μm以上10μm以下の場合には、そのガイド溝18の深さを0.64μmにすることによりRa≦0.2μm(実測)にすることができ、且つ切削油の摩擦を小さくすることができる。また、ガイド溝18の間隔が2μm以上4μm未満の場合には、ガイド溝18の深さを0.1μm以上0.5μm以下にすることによってRa≦0.2μm以下とすることができ、且つ切削油の摩擦を小さくすることができる。
次に、上記本実施形態のエンドミルの製造方法により実際に作製したエンドミルの実施例について、ポケット部17を拡大した写真画像(1000倍の拡大画像)を、図5に示す。
この画像からわかるように、本実施例のエンドミルのポケット部17には、互いに略平行に並んで延材する多数のガイド溝18と、隣接するガイド溝18間にそのガイド溝18と交差する方向に延材する多数の微細溝19とからなる網目状の微細凹凸が形成されている。そして、ガイド溝18は約3.3μmの間隔で形成され、微細溝19は0.4μmの間隔で形成されている。なお、このようにポケット部17に網目状の微細凹凸を有するエンドミルは、従来品の1.2倍〜2倍の寿命を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明をスクエアエンドミルに適用したが、ラジアスエンドミル等の他のエンドミルにも適用することができる。
また、本実施形態では、外周刃12、底刃13ともレーザ加工によって形成したが、ポケット部17の凹面に施したガイド溝18及び微細溝19以外の形態はレーザ加工以外の方法によって加工することも可能である。
1 エンドミル
2 工具先端部
3 シャンク部
4 首部
5 チップ部
11 切刃部
12 外周刃
13 底刃
14 すくい面
15,16 逃げ面
17 ポケット部
18 ガイド溝
19 微細溝
20 円柱状素材
22 レーザ光照射機構
24 素材保持機構
25 制御部
26 レーザ光源
27 ガルバノスキャナ
31x〜31z ステージ部
32 旋回機構
33 回転機構
41 加工レイヤー
42 加工面
100 レーザ加工装置

Claims (3)

  1. 軸線回りに回転される直径が2mm以下の工具先端部に、該工具先端部の外周に配置される外周刃と、該工具先端部の先端に配置される底刃とからなる少なくとも一対の切刃部が前記軸線を挟んで互いに反対側に形成されてなり、前記底刃の逃げ面の前記軸線側に緩やかな凹面で形成されたポケット部を有し、該ポケット部の凹面には、半径方向に対して前記底刃のすくい面に向かう方向に傾斜する多数のガイド溝が互いに略平行に並んで形成されていることを特徴とするエンドミル。
  2. 隣接する前記ガイド溝間に、該ガイド溝と交差する方向に延在する多数の微細溝を有し、網目状の微細凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1記載のエンドミル。
  3. 前記ガイド溝は2μm以上10μm以下の間隔で形成され、前記微細溝は0.1μm以上1μm以下の間隔で形成されるとともに、前記ガイド溝及び前記微細溝は、深さ0.1μm以上0.64μm以下に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のエンドミル。
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