JP2014108106A - 飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】飲用後カフェインによる覚醒作用が得られ、かつ、カフェインによる覚醒作用が早期に解消される飲料の提供。
【解決手段】非結晶状態のリコピンを含み平均粒子径が120nm以下であるエマルション粒子と、カフェインと、を含有する水中油型エマルション組成物を含む飲料。
【選択図】なし
【解決手段】非結晶状態のリコピンを含み平均粒子径が120nm以下であるエマルション粒子と、カフェインと、を含有する水中油型エマルション組成物を含む飲料。
【選択図】なし
Description
本発明は、飲料に関する。
従来から、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶等の茶類などのカフェインを含む飲料の飲用により覚醒作用が得られることが知られている。カフェインによる覚醒作用を期待して、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶等の茶類などの他、カフェインを含有する多種の飲料が上市され、仕事中や自動車等を運転する際などに生じる眠気を除去するべく飲用されている。
一方、近年、リコピンの高い機能性に着目して、リコピンを含有する組成物、その製造方法について種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、リコピンの溶液にテルペン類を共存させ乳化したリコピン色素液の製造方法が記載される。特許文献1に記載の製造方法により得られたリコピン色素液は、加工食品、嗜好品類、飲料、医薬品類、化粧品類、飼料等において、着色や栄養強化等の目的で使用できると記載されている。
カフェインを含有する飲料には、カフェインの摂取により期待される覚醒作用が飲用後に得られることが求められる。その一方で、カフェインの摂取による覚醒作用の持続が問題となることがある。例えば、人によっては、昼間に摂取したカフェインによる覚醒作用が夜間まで持続し、入眠を阻害することがある。
本発明は、上記の実情に鑑みなされてものであり、カフェインによる覚醒作用が飲用後に得られ、かつ、カフェインによる覚醒作用が早期に解消する飲料を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 非結晶状態のリコピンを含み平均粒子径が120nm以下であるエマルション粒子と、カフェインと、を含有する水中油型エマルション組成物を含む飲料。
[2] リコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜500ppmである[1]に記載の飲料。
[3] リコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜200ppmである[1]又は[2]に記載の飲料。
[4] エマルション粒子の粒子径が、10nm〜115nmである[1]〜[3]のいずれか1項に記載の飲料
[5] エマルション粒子の粒子径が、10nm〜115nmであり、かつ前記リコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜200ppmである[1]〜[4]のいずれか1項に記載の飲料。
[6] カフェインの含有量が、飲料の全質量に対して5ppm〜4000ppmである[1]〜[5]のいずれか1項に記載の飲料。
[7] 更に、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにそれらの塩からなる群から選択された少なくとも1種を含有する[1]〜[6]のいずれか1項に記載の飲料。
[1] 非結晶状態のリコピンを含み平均粒子径が120nm以下であるエマルション粒子と、カフェインと、を含有する水中油型エマルション組成物を含む飲料。
[2] リコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜500ppmである[1]に記載の飲料。
[3] リコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜200ppmである[1]又は[2]に記載の飲料。
[4] エマルション粒子の粒子径が、10nm〜115nmである[1]〜[3]のいずれか1項に記載の飲料
[5] エマルション粒子の粒子径が、10nm〜115nmであり、かつ前記リコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜200ppmである[1]〜[4]のいずれか1項に記載の飲料。
[6] カフェインの含有量が、飲料の全質量に対して5ppm〜4000ppmである[1]〜[5]のいずれか1項に記載の飲料。
[7] 更に、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにそれらの塩からなる群から選択された少なくとも1種を含有する[1]〜[6]のいずれか1項に記載の飲料。
本発明によれば、カフェインによる覚醒作用が飲用後に得られ、かつ、カフェインによる覚醒作用が早期に解消する飲料が提供される。
本発明の飲料は、非結晶状態のリコピンを含み平均粒子径が120nm以下であるエマルション粒子(以下、単に「エマルション粒子」と称する場合がある。)と、カフェインと、を含有する水中油型エマルション組成物を含む飲料である。
本発明の飲料は、上記の構成を有することにより、カフェインによる覚醒作用が飲用後に得られる。その一方で、本発明の飲料の飲用により得られたカフェインによる覚醒作用は早期に解消される。このため、本発明の飲料の飲用後であっても、カフェインによる覚醒作用が長時間持続することにより生じる入眠阻害は効果的に抑制される。
ここで、「カフェインによる覚醒作用が飲用後に得られる」とは、カフェインの摂取により期待される覚醒作用が、本発明の飲料の飲用後に得られることを意味する。飲用者による個人差はあるが、飲用者が飲料の飲用後30分以内程度で覚醒作用を自覚できれば、カフェインによる覚醒作用が飲用後に得られたと判断される。
また、「カフェインによる覚醒作用が早期に解消する」とは、カフェインの摂取により得られた覚醒作用を、飲用者が自覚できなくなるまでの時間が短いことを意味する。飲用者による個人差はあるが、飲料の飲用後2時間以内程度で、覚醒作用が飲用者に自覚できないレベルまで低下すれば、カフェインによる覚醒作用が早期に解消したと判断される。
また、「カフェインによる覚醒作用が早期に解消する」とは、カフェインの摂取により得られた覚醒作用を、飲用者が自覚できなくなるまでの時間が短いことを意味する。飲用者による個人差はあるが、飲料の飲用後2時間以内程度で、覚醒作用が飲用者に自覚できないレベルまで低下すれば、カフェインによる覚醒作用が早期に解消したと判断される。
本発明の作用は未だ明確ではないが以下の如く推測される。
本発明の飲料はカフェインを含有していることから、本発明の飲料を飲用することにより、カフェインによる所期の覚醒作用が発揮される。一方で、非結晶状態のリコピンについては、体内に摂取されたカフェインの代謝促進機能をその機能の一つとして有する成分であろうと本発明者らは推測している。さらに、本発明において、かかる非結晶状態のリコピンを含有するエマルション粒子は、体内におけるリコピン吸収の向上効果が期待できる平均粒子径が120nm以下の微細なエマルション粒子である。
したがって、本発明の飲料は、カフェインと共に、上記の如き特定エマルション粒子を含有することで、カフェインによる所期の覚醒作用が一時的には得られるものの、その後速やかにリコピンの作用によりカフェインの代謝が促進されて、カフェインによる覚醒作用が早期に解消されると推測される。
本発明の飲料はカフェインを含有していることから、本発明の飲料を飲用することにより、カフェインによる所期の覚醒作用が発揮される。一方で、非結晶状態のリコピンについては、体内に摂取されたカフェインの代謝促進機能をその機能の一つとして有する成分であろうと本発明者らは推測している。さらに、本発明において、かかる非結晶状態のリコピンを含有するエマルション粒子は、体内におけるリコピン吸収の向上効果が期待できる平均粒子径が120nm以下の微細なエマルション粒子である。
したがって、本発明の飲料は、カフェインと共に、上記の如き特定エマルション粒子を含有することで、カフェインによる所期の覚醒作用が一時的には得られるものの、その後速やかにリコピンの作用によりカフェインの代謝が促進されて、カフェインによる覚醒作用が早期に解消されると推測される。
本発明において「飲料」とは、所定の成分を含有し、飲用に供される液体組成物を意味する。
本発明において「リコピン」とは、特に断らない限り、「非結晶状態のリコピン」を意味する。
本発明において「リコピンの溶解温度」とは、リコピン結晶体又はリコピン結晶体を含有する組成物をその温度で1分間維持した際に、リコピンの結晶体がすべて溶解する最も低い温度を意味する。
本発明において「リコピン」とは、特に断らない限り、「非結晶状態のリコピン」を意味する。
本発明において「リコピンの溶解温度」とは、リコピン結晶体又はリコピン結晶体を含有する組成物をその温度で1分間維持した際に、リコピンの結晶体がすべて溶解する最も低い温度を意味する。
本発明において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本発明において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明において「水相」とは、溶媒の種類にかかわらず「油相」に対する語として使用する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル」との表現には、グリセリン単位及び脂肪酸単位をそれぞれ1つずつ含むグリセリン脂肪酸エステル、いずれか一方を複数含むグリセリン脂肪酸エステル、いずれも複数含むグリセリン脂肪酸エステルのすべてが包含され、これらのグリセリン脂肪酸エステルを区別せずに用いる場合に使用される。
本発明において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明において「水相」とは、溶媒の種類にかかわらず「油相」に対する語として使用する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル」との表現には、グリセリン単位及び脂肪酸単位をそれぞれ1つずつ含むグリセリン脂肪酸エステル、いずれか一方を複数含むグリセリン脂肪酸エステル、いずれも複数含むグリセリン脂肪酸エステルのすべてが包含され、これらのグリセリン脂肪酸エステルを区別せずに用いる場合に使用される。
以下、本発明の飲料における各構成要素ついて詳細に説明する。
本発明の飲料は、非結晶状態のリコピンを含み平均粒子径が120nm以下であるエマルション粒子と、カフェインと、を含有する水中油型エマルション組成物(以下、単に「エマルション組成物」と称する場合がある。)を含む。本発明におけるエマルション粒子は、エマルション組成物において油相(分散相)として存在する。
本発明の飲料は、非結晶状態のリコピンを含み平均粒子径が120nm以下であるエマルション粒子と、カフェインと、を含有する水中油型エマルション組成物(以下、単に「エマルション組成物」と称する場合がある。)を含む。本発明におけるエマルション粒子は、エマルション組成物において油相(分散相)として存在する。
本発明におけるエマルション組成物は、後述する如く、水相成分を含有する水相組成物と、油相成分を含有する油相組成物とを乳化混合して得られることが好ましい。
本発明におけるエマルション粒子は、平均粒子径が120nm以下のエマルション粒子である。ここで、エマルション粒子の平均粒子径とは、本発明の飲料中に存在するエマルション粒子(油滴)の平均粒子径を意味する。
本発明におけるエマルション粒子の平均粒子径は、飲料の透明性及びカフェイン代謝などのリコピンに期待される機能の観点から、120nm以下であり、10nm〜115nmが好ましく、10nm〜100nmがより好ましく、25nnm〜90nmが更に好ましく、40nm〜80nmが更に好ましい。
粒径範囲及び測定の容易さから、本発明におけるエマルション粒子の平均粒子径の測定方法としては、動的光散乱法が好ましい。動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))等が挙げられるが、本発明における粒子径は、粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))を用いて25℃で測定した値を採用する。
エマルション粒子の平均粒子は、エマルション組成物を必要に応じて純水で希釈し、粒径アナライザー「FPAR−1000(大塚電子(株)製)」を用いてメジアン径(d=50)として求める。
エマルション粒子の平均粒子径は、組成物の成分以外に、製造方法における攪拌条件(せん断力、温度、圧力等)や、油相と水相比率、などの要因によっても調整することができる。
本発明の飲料の好適な態様の一つは、カフェインによる覚醒作用を充分に発揮させる観点から、非結晶状態のリコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜500ppmである態様である。非結晶状態のリコピンの含有量としては、カフェインによる覚醒作用の持続時間の短縮効果の観点からは、飲料の全質量に対して1ppm〜500ppmであることがより好ましく、1ppm〜200ppmであることが更に好ましい。
本発明の飲料の更に好適な態様は、エマルション粒子の粒子径が、10nm〜115nmであり、かつ前記リコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜200ppmである態様である。
エマルション粒子におけるリコピンの含有量は、リコピンに期待される機能を発揮させる観点からは、0.1質量%〜7質量%が好ましく、0.3質量%〜5質量%がより好ましく、0.5質量%〜4質量%が更に好ましい。
本発明の飲料におけるリコピンの含有量は、所定の成分を含有する希釈用飲料組成物を用いて、最終形態である飲料よりもリコピンを高含有量で含有するリコピン含有エマルション組成物(以下、適宜「希釈前のリコピン含有エマルション組成物」とも称する。)を希釈して調整した後の含有量であってもよい。希釈前のリコピン含有エマルション組成物におけるリコピンの含有量は、該エマルション組成物の全質量に対して、0.00001質量%〜0.1質量%であることが好ましく、0.0002質量%〜0.05質量%がより好ましく、0.001質量%〜0.02質量%が更に好ましい。
また、希釈前のリコピン含有エマルション組成物において、エマルション粒子として含まれる油相組成物の含有量は、油性成分の機能発揮の観点から、0.001質量%〜50質量%であることが好ましく、0.005質量%〜40質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
<リコピン>
リコピン(lycopene)は、化学式C40H56(分子量536.87)で表されるカロチノイドであり、カロチノイドの一種カロテン類に属し、474nm(アセトン)に吸収極大を示す赤色色素である。
リコピン(lycopene)は、化学式C40H56(分子量536.87)で表されるカロチノイドであり、カロチノイドの一種カロテン類に属し、474nm(アセトン)に吸収極大を示す赤色色素である。
リコピンは、酸化防止効果、美白効果等が非常に高いことで知られ、従来、食品、化粧品、医薬品の原材料及びそれらの加工品等への添加が要望、検討、実施されている。
リコピンには、分子中央の共役二重結合のcis−、trans−の異性体も存在し、例えば、全trans−、9−cis体と13−cis体などが挙げられるが、本発明においては、これらのいずれであってもよい。
リコピンは、それを含有する天然物から分離・抽出されたリコピン含有オイルやリコピン含有ペーストとして、本発明におけるエマルション組成物の調製において用いられてもよい。
リコピンは、天然においては、トマト、柿、スイカ、ピンクグレープフルーツに含まれており、上記のリコピン含有オイル又はペーストは、これらの天然物から分離及び抽出されたものであってもよい。製品での形態は、オイルタイプ、乳化液タイプ、ペーストタイプ、粉末タイプの4種類が知られている。
また、本発明で用いられるリコピンは、天然物からの抽出物、また、更にこの抽出物を必要に応じて適宜精製したものでもよく、また、合成品であってもよい。
また、本発明で用いられるリコピンは、天然物からの抽出物、また、更にこの抽出物を必要に応じて適宜精製したものでもよく、また、合成品であってもよい。
本発明におけるリコピンの好ましい形態の一つとしては、トマト由来のリコピンが挙げられる。該トマト由来のリコピンとしては、トマトパルプから抽出された油溶性抽出物に含まれるリコピンが挙げられる。該トマトパルプから抽出された油溶性抽出物に含まれるリコピンは、安定性、品質、生産性の点から特に好ましい。
ここで、トマトパルプから抽出された油溶性抽出物とは、トマトを粉砕して得られた粉砕物を遠心分離して得られたパルプ状の固形物から、油性溶剤を用いて抽出された抽出物を意味する。
ここで、トマトパルプから抽出された油溶性抽出物とは、トマトを粉砕して得られた粉砕物を遠心分離して得られたパルプ状の固形物から、油性溶剤を用いて抽出された抽出物を意味する。
トマトパルプから抽出された油溶性抽出物としては、リコピン含有オイル又はペーストとして広く市販されているトマト抽出物を用いることができ、例えば、サンブライト(株)より販売されているLyc−O−Mato 15%、Lyc−O−Mato 6%、協和発酵バイオ(株)より販売されているリコピン18等が挙げられる。
トマト由来の油溶性抽出物の精製方法としては、例えば以下に示す方法が挙げられる。
トマトパルプから抽出された油溶性抽出物を準備する。次いで、該油溶性抽出物を油性溶剤(例えば、酢酸エチルなど)に溶解して溶解液を調製し、該溶解液にイオン交換水を加えて攪拌した後、油相液と水相液とに分液する。得られた油相液を乾燥させて油溶性成分を含む精製物を得る。
トマトパルプから抽出された油溶性抽出物を準備する。次いで、該油溶性抽出物を油性溶剤(例えば、酢酸エチルなど)に溶解して溶解液を調製し、該溶解液にイオン交換水を加えて攪拌した後、油相液と水相液とに分液する。得られた油相液を乾燥させて油溶性成分を含む精製物を得る。
本発明におけるエマルション組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、リコピン以外の他のカロチノイド成分を含有してもよい。リコピン以外のカロチノイド成分として、具体的には、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、アクチニオエリスロール、ビキシン、カンタキサンチン、カプソルビン、β−8’−アポ−カロテナール(アポカロテナール)、β−12’−アポ−カロテナール、キサントフィル類(例えば、アスタキサンチン、フコキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、カプサンチン、β−クリプトキサンチン、ビオラキサンチン等)、及びこれらのヒドロキシル又はカルボキシル誘導体が挙げられる。これらの他のカロチノイド成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
リコピンは結晶性のカロチノイドであるが、非結晶状態で本発明におけるエマルション組成物に含まれている。リコピンが非結晶状態であることで、エマルション粒子の平均粒子径を120nm以下にすることが容易になる。さらに、非結晶状態のリコピンは、本発明においてリコピンの保存安定性向上に寄与するのみならず、体内でのリコピンの吸収性を高めることができる。
本発明の飲料に含まれる「非結晶状態のリコピン」とは、含有されるリコピンの90質量%〜100質量%、さらに好ましくは95質量%〜100質量%、最も好ましくは100質量%が非結晶であることを意味する。即ち、本発明の飲料には、全リコピン含有量の10質量%以下、より好ましくは5質量%以下の結晶状態のリコピンが含有されていてもよい。
リコピンが非結晶状態であること及び該非結晶状態のリコピンの含有率は、常法によって確認すればよく、例えば、示差走査熱量測定(Differential scanning calorimetry,DSC)、偏光顕微鏡観察、X線回折等を利用することができる。
リコピンの含有率、例えば、示差走査熱量測定(DSC)で測定したエマルション組成物中のリコピン結晶由来の吸熱ピークの吸熱量をリコピン結晶標品の吸熱ピークの吸熱量と比較することによって確認することができる。
また、X線回折により得られたエマルション組成物のスペクトルを、リコピン結晶標品のスペクトルと比較することによっても確認することができる。
リコピンの含有率、例えば、示差走査熱量測定(DSC)で測定したエマルション組成物中のリコピン結晶由来の吸熱ピークの吸熱量をリコピン結晶標品の吸熱ピークの吸熱量と比較することによって確認することができる。
また、X線回折により得られたエマルション組成物のスペクトルを、リコピン結晶標品のスペクトルと比較することによっても確認することができる。
これらの公知の技術により、リコピンが非結晶であるとすることができる。具体的には、DSC Q2000(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株))を使用し、凍結乾燥し水分を除去した状態で、30℃〜200℃の温度範囲で昇温−降温(15℃/min)の1サイクルで吸熱及び発熱温度を求め、認識可能な吸熱ピークの存在が認められないこと、偏光顕微鏡観察で、リコピン含有量が0.1質量%のエマルションを観察した場合に、1cm×1cmの視野において、確認できる結晶体が1000個以下であること、の少なくとも一方を満たすことをもって、非結晶状態とすることが好ましい。
また、リコピンの含有比率は、市販品として入手可能な結晶体である試薬を用い、これを100%として、DSCピーク面積やXRD(X線回折)により得られた結果から換算することができる。結晶体である試薬の市販品としては、例えば、和光純薬工業(株)から入手できる生化学用試薬などがある。
<カフェイン>
カフェイン(caffeine)は、化学式C8H10N4O2(分子量194)で表されるキサンチン誘導体の一つである。
カフェイン(caffeine)は、化学式C8H10N4O2(分子量194)で表されるキサンチン誘導体の一つである。
カフェインは、覚醒作用、利尿作用、脳動脈収縮作用などを有することが知られており、従来、食品、医薬品などに用いられている。
本発明におけるカフェインとしては、カフェインを含有する天然物から分離・抽出されたカフェインであってもよいし、合成品であってもよい。
カフェインを含有する天然物としては、コーヒー豆、紅茶、緑茶、ウーロン茶、マテ茶などの茶葉、コーラの実、ガラナなどが挙げられる。
本発明におけるカフェインとしては、食品添加物として使用可能な市販品を用いてもよい。
カフェインを含有する天然物としては、コーヒー豆、紅茶、緑茶、ウーロン茶、マテ茶などの茶葉、コーラの実、ガラナなどが挙げられる。
本発明におけるカフェインとしては、食品添加物として使用可能な市販品を用いてもよい。
本発明の飲料におけるカフェインの含有量としては、カフェインによる覚醒作用を充分に発揮させる観点から、飲料の全質量に対して5ppm〜4000ppmであることが好ましく、100ppm〜2000ppmがより好ましく、300ppm〜1500ppmが更に好ましく、400ppm〜1200ppmが最も好ましい。
飲用後の覚醒作用と、覚醒作用の早期解消を両立するために、リコピンの含有量が飲料の全質量に対して1ppm〜200ppmであり、カフェインの含有量が飲料の全質量に対して300ppm〜1500ppmであることが好ましい。
<アスコルビン酸及びその誘導体、並びにそれらの塩>
本発明の飲料は、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにそれらの塩(以下、適宜「アスコルビン酸化合物」と称する。)からなる群から選択された少なくとも1種を含有することが好ましい。
アスコルビン酸化合物は、一種単独で含有されていてもよく、二種以上が併用されていてもよい。
本発明の飲料は、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにそれらの塩(以下、適宜「アスコルビン酸化合物」と称する。)からなる群から選択された少なくとも1種を含有することが好ましい。
アスコルビン酸化合物は、一種単独で含有されていてもよく、二種以上が併用されていてもよい。
アスコルビン酸化合物としては、L体、D体、及びDL体のいずれであってもよいが、入手性等の観点からL体が好ましい。水溶性のアスコルビン酸化合物が好ましい。
アスコルビン酸化合物としては、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステルのマグネシウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム塩、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、L−アスコルビル酸パルミチン酸エステル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル等;ステアリン酸L−アスコルビルエステル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビルエステル、パルミチン酸L−アスコルビルエステル等のアスコルビン酸の脂肪酸エステル類等を挙げることができる。
上記のアスコルビン酸化合物群の中でも、リコピンの分解抑制及び保存安定性の観点から、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウムが好ましい。
また、アスコルビン酸化合物としては、適宜、市販品を使用してもよい。
アスコルビン酸化合物の特に好適な態様の一つは、少量でも十分な効果が得られる観点から、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、又はこれらの組合せである。
本発明の飲料に含有されるアスコルビン酸化合物の総含有量は、リコピンの分解抑制及び保存安定性の観点から、該飲料の全質量に対して、0.01%質量%〜10質量%であることが好ましく、0.03%質量%〜5質量%であることが更に好ましく、0.1%質量%〜2質量%であることが更により好ましい。アスコルビン酸化合物の質量が、エマルション組成物の0.01%質量%以上であれば、リコピン含量の低下抑制効果の発揮に充分であり、10質量%以下であれば、エマルション組成物におけるエマルション粒子の粒径安定性を損なうことがない。
<(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル>
本発明におけるエマルション組成物は、エマルション粒子に含まれる油相成分として、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを含有することが好ましい。
本発明におけるエマルション組成物は、エマルション粒子に含まれる油相成分として、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを含有することが好ましい。
(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリン単位の数が1〜5であり脂肪酸単位の数が1〜6であって、グリセリン単位の水酸基を少なくとも1つ有する(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルであることが好ましい。
このような所定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルとリコピンとの共溶解物では、リコピンの再結晶化が抑制される。
このような所定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルとリコピンとの共溶解物では、リコピンの再結晶化が抑制される。
グリセリン単位の数が5以下の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルは、リコピンとの親和性が高く、一方、脂肪酸単位の数が6以下の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルは、リコピンの結晶抑制効果が高い。また、グリセリン単位の水酸基を含む(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを含むことによりリコピンの結晶化を充分に抑制できる。
(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルは、リコピンの再結晶抑制等の観点から、グリセリン単位数(平均重合度)が1〜5、より好ましくは1〜4であるグリセリンと、脂肪酸単位の数が1〜6、より好ましくは1〜5であり且つ、炭素数8〜22の脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびベヘン酸)、より好ましくは炭素数14〜18の脂肪酸とのエステルであることが好ましい。
これらの(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルの中でも、共溶解時における均一溶解性の観点から、分子量が10000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましく、2500以下であることが更に好ましい。また、リコピンとの親和性の観点から、HLBが9以下であることが好ましく、HLBが6以下であることがより好ましい。
本発明におけるエマルション組成物に使用可能な(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸トリグリセリル、モノグリセリン酸ペンタグリセリル、ジパルミチン酸トリグリセリル、ジステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル等が挙げられ、再結晶抑制及び均一溶解性の観点から、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、又はトリステアリン酸テトラグリセリルが好ましい。
(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルの含有量(質量)は、エマルション組成物の安定性の観点から、リコピンの全質量に対して0.01倍〜9倍であることが好ましく、0.1倍〜8倍であることがより好ましく、0.3倍〜5倍であることが更に好ましい。
エマルション組成物におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの全質量が、リコピンの全質量の0.01倍量であれば、充分な結晶抑制効果が期待でき、一方、9倍量以下であればエマルションとしたときのエマルション粒子の粒子径の増大を抑制することができる。
エマルション組成物におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの全質量が、リコピンの全質量の0.01倍量であれば、充分な結晶抑制効果が期待でき、一方、9倍量以下であればエマルションとしたときのエマルション粒子の粒子径の増大を抑制することができる。
<他の脂肪酸エステル>
本発明におけるエマルション組成物は、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル及び1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステル(以下、「他の脂肪酸エステル」とも言う。)を含有することが好ましい。
本発明におけるエマルション組成物は、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル及び1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステル(以下、「他の脂肪酸エステル」とも言う。)を含有することが好ましい。
他の脂肪酸エステル成分は、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル及び1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、分子内に水酸基を有しない総炭素数10〜60の脂肪酸エステル成分であることが好ましい。
このような所定の脂肪酸エステル成分は、前記グリセリン単位の水酸基を含む(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルに比べて結晶体であるリコピンの溶解温度を低下させる効果が大きいため、加熱によりリコピンを非結晶化させる際の熱分解を抑制することができる。また、脂肪酸エステル成分により、本発明におけるエマルション粒子の微細性が安定的に保たれる。
このような所定の脂肪酸エステル成分は、前記グリセリン単位の水酸基を含む(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルに比べて結晶体であるリコピンの溶解温度を低下させる効果が大きいため、加熱によりリコピンを非結晶化させる際の熱分解を抑制することができる。また、脂肪酸エステル成分により、本発明におけるエマルション粒子の微細性が安定的に保たれる。
他の脂肪酸エステルにおける総炭素数が10以上である場合には、エマルション粒子の粒子径増大が抑制される傾向にある。また、総炭素数が60以下である場合には、充分に結晶性カロチノイドであるリコピンの溶解温度を低下させることができる傾向にある。
他の脂肪酸エステルは、リコピンの如き結晶性カロチノイドの溶解温度低下の観点より、総炭素数が10〜60であることが好ましく、総炭素数が27〜57であることがより好ましい。
他の脂肪酸エステルは、リコピンの如き結晶性カロチノイドの溶解温度低下の観点より、総炭素数が10〜60であることが好ましく、総炭素数が27〜57であることがより好ましい。
また、他の脂肪酸エステルにおける各脂肪酸単位は、エマルション粒子の粒子径増大抑制の観点から、炭素数8〜18の脂肪酸単位であることが好ましく、炭素数8〜12の脂肪酸単位であることがより好ましく、炭素数8〜10の脂肪酸単位であることがさらに好ましい。
グリセリンと脂肪酸とのトリエステルは、リコピンの如き結晶性カロチノイドの溶解温度低下の観点より、総炭素数が10〜60であることが好ましく、総炭素数が27〜57であることがより好ましい。
グリセリンと脂肪酸とのトリエステルにおける3つの各脂肪酸単位では、乳化物としたときの分散粒子の粒子径増大抑制の観点から、炭素数8〜18の脂肪酸単位であることが好ましく、炭素数8〜12の脂肪酸単位であることがより好ましく、炭素数8〜10の脂肪酸単位であることがさらに好ましい。該脂肪酸単位は、飽和脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよく、不飽和脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよい。また該脂肪酸単位は、直鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよく、分岐鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよい。中でも、リコピンの如き結晶性カロチノイドの溶解温度低下の観点より該脂肪酸単位は、直鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であることが好ましい。
グリセリンと脂肪酸とのトリエステルにおける3つの各脂肪酸単位では、乳化物としたときの分散粒子の粒子径増大抑制の観点から、炭素数8〜18の脂肪酸単位であることが好ましく、炭素数8〜12の脂肪酸単位であることがより好ましく、炭素数8〜10の脂肪酸単位であることがさらに好ましい。該脂肪酸単位は、飽和脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよく、不飽和脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよい。また該脂肪酸単位は、直鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよく、分岐鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよい。中でも、リコピンの如き結晶性カロチノイドの溶解温度低下の観点より該脂肪酸単位は、直鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であることが好ましい。
グリセリンと脂肪酸とのトリエステルとしては、具体的には、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリパルミトレイン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル等が挙げられる。
リコピンの如き結晶性カロチノイドの溶解温度低下の観点より、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル等が好ましい。
リコピンの如き結晶性カロチノイドの溶解温度低下の観点より、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル等が好ましい。
グリセリン及び脂肪酸のトリエステルとしては、一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
また、グリセリンと脂肪酸とのトリエステルの混合物であるオリーブ油、ヤシ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アボガド油、月見草油、タートル油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、アマニ油、綿実油、エノ油、大豆油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルチミン酸グリセリン、サラダ油、サフラワー油(ベニバナ油)、ココナッツ油、ピーナッツ油、アーモンド油、ヘーゼルナッツ油、ウォルナッツ油、グレープシード油、カカオ脂、パーム油、ショートニング等を用いることもできる。
また、グリセリンと脂肪酸とのトリエステルの混合物であるオリーブ油、ヤシ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アボガド油、月見草油、タートル油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、アマニ油、綿実油、エノ油、大豆油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルチミン酸グリセリン、サラダ油、サフラワー油(ベニバナ油)、ココナッツ油、ピーナッツ油、アーモンド油、ヘーゼルナッツ油、ウォルナッツ油、グレープシード油、カカオ脂、パーム油、ショートニング等を用いることもできる。
1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステルでは、エマルション粒子の粒子径増大抑制の観点より、総炭素数が10〜50であることが好ましく、総炭素数が10〜30であることがより好ましい。
1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステルにおける脂肪酸単位では、リコピンの如き結晶性カロチノイドの溶解温度低下の観点から、炭素数8〜18の脂肪酸単位であることが好ましく、炭素数8〜12の脂肪酸単位であることがより好ましく、炭素数8〜10の脂肪酸単位であることがさらに好ましい。該脂肪酸単位は、飽和脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよく、不飽和脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよい。また、該脂肪酸単位は、直鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよく、分岐鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよい。中でも、リコピンの溶解温度低下の観点より該脂肪酸単位は、直鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であることが好ましい。
1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステルにおける脂肪酸単位では、リコピンの如き結晶性カロチノイドの溶解温度低下の観点から、炭素数8〜18の脂肪酸単位であることが好ましく、炭素数8〜12の脂肪酸単位であることがより好ましく、炭素数8〜10の脂肪酸単位であることがさらに好ましい。該脂肪酸単位は、飽和脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよく、不飽和脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよい。また、該脂肪酸単位は、直鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよく、分岐鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であってもよい。中でも、リコピンの溶解温度低下の観点より該脂肪酸単位は、直鎖状脂肪酸に由来する脂肪酸単位であることが好ましい。
1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステルにおけるアルコール単位では、リコピンの溶解温度低下の観点から、炭素数2〜35のアルコール単位であることが好ましく、炭素数4〜20のアルコール単位であることがより好ましく、炭素数5〜15のアルコール単位であることがさらに好ましい。該アルコール単位は、飽和アルコールに由来するアルコール単位であってもよく、不飽和アルコールに由来するアルコール単位であってもよい。また、該アルコール単位は、直鎖状アルコールに由来するアルコール単位であってもよく、分岐鎖状アルコールに由来するアルコール単位であってもよい。中でも、リコピンの溶解温度低下の観点より該アルコール単位は、直鎖状アルコールに由来するアルコール単位であることが好ましい。
1つの水酸基を有するアルコール及び脂肪酸のエステルとしては、カプリル酸ヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸メチルヘプチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。リコピンの溶解温度低下の観点より、ラウリル酸メチルヘプチル、イソステアリン酸メチルヘプチル等が好ましい。
1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステルとしては、一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
また、前記脂肪酸エステル成分としては、グリセリン及び脂肪酸のトリエステルと、1つの水酸基を有するアルコール及び脂肪酸のエステルとの種類にかかわらず、2種以上併用してもよい。
1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステルとしては、一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
また、前記脂肪酸エステル成分としては、グリセリン及び脂肪酸のトリエステルと、1つの水酸基を有するアルコール及び脂肪酸のエステルとの種類にかかわらず、2種以上併用してもよい。
他の脂肪酸エステルの含有量(質量)は、エマルション組成物中のリコピンの溶解温度低下の観点から、リコピンの全質量に対して3倍〜300倍であることが好ましく、5倍〜200倍であることがより好ましく、7倍〜100倍であることが更に好ましい。
エマルション組成物における他の前記脂肪酸エステル成分の全質量が、リコピンの全質量の3倍量以上であれば、充分な結晶抑制効果が期待できる。一方、300倍量以下であれば、充分な量のリコピンの配合を損なうことがない。
エマルション組成物における他の前記脂肪酸エステル成分の全質量が、リコピンの全質量の3倍量以上であれば、充分な結晶抑制効果が期待できる。一方、300倍量以下であれば、充分な量のリコピンの配合を損なうことがない。
他の脂肪酸エステルの含有量(質量)は、用いられる(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルの種類又は含有量によって異なるが、エマルション組成物の安定性の観点から、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルの全質量に対して0.8倍〜750倍であることが好ましく、1倍〜300倍であることがより好ましく、2倍〜100倍であることが更に好ましい。
エマルション組成物における他の脂肪酸エステルの全質量が、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルの全質量の0.8倍量以上であれば、リコピンを含有する組成物の充分な安定性向上効果が期待でき、一方、750倍量以下であれば、充分な量のリコピンの配合を損なうことがない。
エマルション組成物における他の脂肪酸エステルの全質量が、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルの全質量の0.8倍量以上であれば、リコピンを含有する組成物の充分な安定性向上効果が期待でき、一方、750倍量以下であれば、充分な量のリコピンの配合を損なうことがない。
他の脂肪酸エステルがグリセリンと脂肪酸とのトリエステルであり、他の脂肪酸エステルの含有量(質量)が、リコピンの全質量の7倍〜100倍であり、ポリグリセリン脂肪酸エステルの全質量が、リコピンの全質量の0.3倍〜5倍であり、他の脂肪酸エステルの含有量(質量)が、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルの全質量に対して2倍〜100倍であることが、リコピンの結晶化抑制と安定性の点で好ましい。
<他の油性成分>
本発明におけるエマルション組成物に含まれるエマルション粒子を構成する成分として、上記にて既に言及した各成分の他、他の油性成分を含んでもよい。
他の油性成分としては、25℃における水への溶解度が0.5質量%未満であり、本発明におけるリコピンを含有する油相成分に90℃で5質量%以上溶解する成分であれば、特に限定はなく、目的に応じた物性や機能性を有するものを適宜選択して使用することができる。例えば、酸化防止剤、非結晶性のカロチノイド類、不飽和脂肪酸類、スクワラン、スクワレン等が好ましく用いられる。
本発明におけるエマルション組成物に含まれるエマルション粒子を構成する成分として、上記にて既に言及した各成分の他、他の油性成分を含んでもよい。
他の油性成分としては、25℃における水への溶解度が0.5質量%未満であり、本発明におけるリコピンを含有する油相成分に90℃で5質量%以上溶解する成分であれば、特に限定はなく、目的に応じた物性や機能性を有するものを適宜選択して使用することができる。例えば、酸化防止剤、非結晶性のカロチノイド類、不飽和脂肪酸類、スクワラン、スクワレン等が好ましく用いられる。
不飽和脂肪酸としては、例えば、炭素数10以上、好ましくは18〜30の一価高度不飽和脂肪酸(ω−9、オレイン酸など)又は多価高度不飽和脂肪酸(ω−3、ω−6)が挙げられる。このような不飽和脂肪酸類は公知のもののいずれであってよく、例えば、ω−3油脂類としては、リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)並びにこれらを含有する魚油などを挙げることができる。
ユビキノン類としては、コエンザイムQ10のようなコエンザイムQ類等が挙げられる。
ユビキノン類としては、コエンザイムQ10のようなコエンザイムQ類等が挙げられる。
また、パルミチン酸エリソルビルエステル、テトライソパルミチン酸エリソルビルエステル等のエリソルビン酸の脂肪酸エステル類;ジパルミチン酸ピリドキシン、トリパルミチン酸ピリドキシン、ジラウリン酸ピリドキシン、ジオクタン酸ピリドキシン等のビタミンB6の脂肪酸エステル類等も、脂溶性ビタミン類として挙げることができる。
<酸化防止剤>
本発明におけるエマルション組成物は、油相に酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。本発明におけるエマルション組成物は油相に酸化防止剤を含有することにより、リコピンの加熱による分解(例えば、酸化分解等)を確実に抑制することが可能になるものと推測される。
本発明におけるエマルション組成物は、油相に酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。本発明におけるエマルション組成物は油相に酸化防止剤を含有することにより、リコピンの加熱による分解(例えば、酸化分解等)を確実に抑制することが可能になるものと推測される。
油相に含まれる酸化防止剤としては、「抗酸化剤の理論と実際」(梶本著、三書房 1984)や、「酸化防止剤ハンドブック」(猿渡、西野、田端著、大成社 1976)に記載の各種酸化防止剤のうち、酸化防止剤として機能するものであればよく、具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物らなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
以下に好ましい酸化防止剤を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に好ましい酸化防止剤を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
好適な酸化防止剤の一つは、フェノール系酸化防止剤である。本発明のエマルション組成物は、フェノール系酸化防止剤を含有することにより、リコピンの如き結晶性カロチノイドの加熱による分解(例えば、酸化分解等)を確実に抑制することが可能になるものと推測される。ここで、フェノール系酸化防止剤フェノール性水酸基を有する化合物のうち酸化防止剤として機能する化合物を指す。
フェノール系酸化防止剤としては、芳香族カルボン酸類、ケイ皮酸類又はエラグ酸類、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、ビタミンE類等が挙げられる。
芳香族カルボン酸類の例としては、没食子酸(3,4,5−ヒドロキシ安息香酸)、並びにそれら誘導体を挙げることができる。没食子酸(3,4,5−ヒドロキシ安息香酸)の誘導体としては、没食子酸プロピル、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等の没食子酸エステル、ガロタンニン等の没食子酸配糖体を挙げることができる。
ケイ皮酸類の例としては、フェルラ酸及びクロロゲン酸等、並びにそれらの誘導体を挙げることができる。フェルラ酸及びクロロゲン酸の誘導体としては、フェルラ酸エステルを挙げることができる。具体的には、フェルラ酸、γ−オリザノール(米ぬか抽出物)、コーヒー酸(カフェ酸又は3,4−ジヒドロキシケイ皮酸)、クロロゲン酸、グリセリルフェルラ酸、ジヒドロフェルラ酸等を挙げることができる。
エラグ酸類としては、エラグ酸を挙げることができる。
ケイ皮酸類の例としては、フェルラ酸及びクロロゲン酸等、並びにそれらの誘導体を挙げることができる。フェルラ酸及びクロロゲン酸の誘導体としては、フェルラ酸エステルを挙げることができる。具体的には、フェルラ酸、γ−オリザノール(米ぬか抽出物)、コーヒー酸(カフェ酸又は3,4−ジヒドロキシケイ皮酸)、クロロゲン酸、グリセリルフェルラ酸、ジヒドロフェルラ酸等を挙げることができる。
エラグ酸類としては、エラグ酸を挙げることができる。
ビタミンE類としては、特に限定されず、例えばトコフェロール及びその誘導体からなる化合物群、並びにトコトリエノール及びその誘導体からなる化合物群から選ばれるものを挙げられる。これらは単独で用いても、複数併用して用いてもよい。またトコフェノール及びその誘導体からなる化合物群とトコトリエノール及びその誘導体からなる化合物群からそれぞれ選択されたものを組み合わせて使用してもよい。
トコフェロール及びその誘導体からなる化合物群としては、dl−α−トコフェロール、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等が含まれる。これらの内で、dl−α−トコフェロール、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、及び、これらの混合物(ミックストコフェロール)がより好ましい。また、トコフェロール誘導体としては、これらのカルボン酸エステル、特に酢酸エステルが好ましく用いられる。
トコトリエノール及びその誘導体からなる化合物群としては、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール等が含まれる。また、トコトリエノール誘導体としては、これらの酢酸エステルが好ましく用いられる。
トコトリエノール及びその誘導体からなる化合物群としては、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール等が含まれる。また、トコトリエノール誘導体としては、これらの酢酸エステルが好ましく用いられる。
フェノール系酸化防止剤としては、リコピンを含むカロチノイド成分の安定性の観点から、ケイ皮酸類(例えば、フェルラ酸、γ−オリザノール又はこれらの混合物)又はビタミンE類(例えば、トコフェロール及びその誘導体からなる化合物群)であることが好ましく、中でも、トコフェロール、トコトリエノール、及びこれらの誘導体からなる化合物群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
フェノール系酸化防止剤の分子量としては、リコピンの安定性の観点から低分子量であることが好ましく、例えば、分子量が100〜3000であることが好ましく、分子量が100〜1000であることがより好ましい。
フェノール系酸化防止剤の本発明のエマルション組成物における総含有量は、リコピンの分解又は消失を抑制するために有効な量であればよく、リコピンの1.3倍モル〜15.0倍モルとすることができ、2倍モル〜10倍モルとすることが好ましく、3倍モル〜8倍モルとすることがより好ましい。フェノール系酸化防止剤の総含有量がリコピンの1.3倍モル以上であれば、リコピンの分解又は消失低下抑制効果の発揮に充分であり、15.0倍モル以下であれば、充分な量のリコピンの配合を損なうことがない。
また、フェノール系酸化防止剤は、油相成分から構成された油相組成物に含有されることが好ましい。この場合、油相組成物にはフェノール系酸化防止剤とアスコルビン酸化合物とを共に用いることも好ましい。フェノール系酸化防止剤とアスコルビン酸化合物とを共に用いることよって、リコピンを含むカロチノイド成分の加熱による分解(例えば、酸化分解等)を確実に抑制して、エマルション組成物の製造工程におけるカロチノイド成分の減少を抑えることができるため好ましい。
油相に含まれる酸化防止剤としてアスコルビン酸化合物を用いることもできる。
アスコルビン酸化合物としては、アスコルビン酸化合物として既述の化合物を用いることができる。但し、アスコルビン酸化合物の分解物がエマルション粒子の粒径安定性を阻害する場合があるため、油相にはアスコルビン酸化合物を極力使用しないことが好ましい。
アスコルビン酸化合物としては、アスコルビン酸化合物として既述の化合物を用いることができる。但し、アスコルビン酸化合物の分解物がエマルション粒子の粒径安定性を阻害する場合があるため、油相にはアスコルビン酸化合物を極力使用しないことが好ましい。
<乳化剤>
本発明におけるエマルション組成物には、既述した成分の他、油相成分として使用可能な乳化剤を含んでもよい。このような油相成分として使用可能な乳化剤としては、例えば、後述する乳化剤のうちHLBが7以下のものが挙げられる。
本発明におけるエマルション組成物には、既述した成分の他、油相成分として使用可能な乳化剤を含んでもよい。このような油相成分として使用可能な乳化剤としては、例えば、後述する乳化剤のうちHLBが7以下のものが挙げられる。
また、水相組成物は、水性媒体、特に水で構成されており、少なくとも乳化剤を含むものであることが好ましい。
乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
また、乳化剤は、乳化力の観点から、HLBが10以上であることが好ましく、12以上が更に好ましい。HLBが低すぎると、乳化力が不十分となることがある。なお、抑泡効果の観点からHLB=5以上10未満の乳化剤を併用してもよい。
ここで、HLBは、通常界面活性剤の分野で使用される親水性−疎水性のバランスで、通常用いる計算式、例えば川上式等が使用できる。川上式を次に示す。
HLB=7+11.7log(Mw/M0)
ここで、Mwは親水基の分子量、M0は疎水基の分子量である。
また、カタログ等に記載されているHLBの数値を使用してもよい。
また、上記の式からも分かるように、HLBの加成性を利用して、任意のHLB値の乳化剤を得ることができる。
また、乳化剤は、乳化力の観点から、HLBが10以上であることが好ましく、12以上が更に好ましい。HLBが低すぎると、乳化力が不十分となることがある。なお、抑泡効果の観点からHLB=5以上10未満の乳化剤を併用してもよい。
ここで、HLBは、通常界面活性剤の分野で使用される親水性−疎水性のバランスで、通常用いる計算式、例えば川上式等が使用できる。川上式を次に示す。
HLB=7+11.7log(Mw/M0)
ここで、Mwは親水基の分子量、M0は疎水基の分子量である。
また、カタログ等に記載されているHLBの数値を使用してもよい。
また、上記の式からも分かるように、HLBの加成性を利用して、任意のHLB値の乳化剤を得ることができる。
本発明におけるエマルション組成物の調製において、乳化操作を行うことでエマルション粒子の粒子径を120nm以下(好ましくは100nm以下)に調整する際における乳化剤の含有量は、エマルション粒子の微細化と分散安定性の点から、該油相成分の全質量に対して0.5倍以上が好ましく、0.55倍以上がより好ましく、0.6倍以上が更に好ましい。乳化剤の含有量の上限値については特に制限はないが、例えば、3倍以下とすることができる。
また、エマルション組成物の発泡抑制の点からは、乳化剤の含有量は、エマルション組成物の全質量に対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。乳化剤の含有量の下限値については特に制限はなく、例えば、エマルション組成物の全質量に対して1質量%以上とすることができる。
また、エマルション組成物の発泡抑制の点からは、乳化剤の含有量は、エマルション組成物の全質量に対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。乳化剤の含有量の下限値については特に制限はなく、例えば、エマルション組成物の全質量に対して1質量%以上とすることができる。
乳化剤の中でも、低刺激性であること、環境への影響が少ないこと等から、非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤の例としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、エマルション粒子の微細化の点から、ポリグリセリン脂肪酸エステルが特に好ましい。
本発明におけるエマルション組成物の好適な態様の一つは、HLBが10以上の乳化剤を、前記油相量の50質量%以上かつエマルション組成物の全質量に対して15質量%以下の量で含有する態様である。該HLBが10以上の乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルであることが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、組成物における分散粒子の安定性の観点から、ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数が12〜20のものが好ましく、14〜16がより好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルの好ましい例としては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル等が挙げられ、これらの中でも、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステルがより好ましい。
本発明においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
本発明においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
水相組成物には、上述した所定のポリグリセリン脂肪酸エステルとは別に、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことができる。
このようなポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が6以上、好ましくは6〜15、より好ましくは8〜10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノール酸と、のエステルである。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。
これらの中でも、より好ましくは、デカグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノステアリン酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル(HLB=13)、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル(HLB=14)、デカグリセリンモノラウリン酸エステル(HLB=16)などである。
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
このようなポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が6以上、好ましくは6〜15、より好ましくは8〜10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノール酸と、のエステルである。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。
これらの中でも、より好ましくは、デカグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノステアリン酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル(HLB=13)、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル(HLB=14)、デカグリセリンモノラウリン酸エステル(HLB=16)などである。
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
本発明におけるソルビタン脂肪酸エステルとしては、脂肪酸の炭素数が8以上のものが好ましく、12以上のものがより好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルの好ましい例としては、モノカプリル酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
本発明においては、これらのソルビタン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
本発明においては、これらのソルビタン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、脂肪酸の炭素数が8以上のものが好ましく、12以上のものがより好ましい。また、ポリオキシエチレンのエチレンオキサイドの長さ(付加モル数)としては、2〜100が好ましく、4〜50がより好ましい。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ポリオキシエチレンモノカプリル酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセスキステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセスキイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセスキオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
これらのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ポリオキシエチレンモノカプリル酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセスキステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセスキイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセスキオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
これらのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
更に、本発明における乳化剤として、レシチンなどのリン脂質を含有してもよい。
本発明に用いうるリン脂質は、グリセリン骨格と脂肪酸残基及びリン酸残基を必須構成成分とし、これに、塩基や多価アルコール等が結合したもので、レシチンとも称されるものである。リン脂質は、分子内に親水基と疎水基を有しているため、従来から、食品、医薬品、化粧品分野で、広く乳化剤として使用されている。
本発明に用いうるリン脂質は、グリセリン骨格と脂肪酸残基及びリン酸残基を必須構成成分とし、これに、塩基や多価アルコール等が結合したもので、レシチンとも称されるものである。リン脂質は、分子内に親水基と疎水基を有しているため、従来から、食品、医薬品、化粧品分野で、広く乳化剤として使用されている。
産業的にはレシチン純度60%以上のものがレシチンとして利用されており、本発明でも利用できるが、微細な油滴粒径の形成及び機能性油性成分の安定性の観点から、好ましくは一般に高純度レシチンと称されるものであり、これはレシチン純度が80%以上、より好ましくは90%以上のものである。
リン脂質としては、植物、動物及び微生物の生体から抽出分離された従来公知の各種のものを挙げることができる。
このようなリン脂質の具体例としては、例えば、大豆、トウモロコシ、落花生、ナタネ、麦等の植物や、卵黄、牛等の動物及び大腸菌等の微生物等から由来する各種レシチンを挙げることができる。
このようなレシチンを化合物名で例示すると、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ビスホスアチジン酸、ジホスファチジルグリセリン(カルジオリピン)等のグリセロレシチン;スフィンゴミエリン等のスフィンゴレシチン等を挙げることができる。
また、本発明においては、上記の高純度レシチン以外にも、水素添加レシチン、酵素分解レシチン、酵素分解水素添加レシチン、ヒドロキシレシチン等を使用することができる。本発明で用いることができるこれらのレシチンは、単独又は複数種の混合物の形態で用いることができる。
このようなリン脂質の具体例としては、例えば、大豆、トウモロコシ、落花生、ナタネ、麦等の植物や、卵黄、牛等の動物及び大腸菌等の微生物等から由来する各種レシチンを挙げることができる。
このようなレシチンを化合物名で例示すると、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ビスホスアチジン酸、ジホスファチジルグリセリン(カルジオリピン)等のグリセロレシチン;スフィンゴミエリン等のスフィンゴレシチン等を挙げることができる。
また、本発明においては、上記の高純度レシチン以外にも、水素添加レシチン、酵素分解レシチン、酵素分解水素添加レシチン、ヒドロキシレシチン等を使用することができる。本発明で用いることができるこれらのレシチンは、単独又は複数種の混合物の形態で用いることができる。
<その他の添加成分>
本発明の飲料には、上記各成分の他、食品の分野において通常用いられる添加成分を、本発明の効果を損なわない限りにおいて、適宜配合してもよい。
添加成分は、添加成分の特性によって、エマルション組成物を調製する際の油相組成物又は水相組成物の成分として配合してもよく、エマルション組成物を含んで調製された飲料への添加成分として配合してもよい。
本発明の飲料には、上記各成分の他、食品の分野において通常用いられる添加成分を、本発明の効果を損なわない限りにおいて、適宜配合してもよい。
添加成分は、添加成分の特性によって、エマルション組成物を調製する際の油相組成物又は水相組成物の成分として配合してもよく、エマルション組成物を含んで調製された飲料への添加成分として配合してもよい。
添加成分の例としては、香料、果汁、甘味料、各種ビタミン類、動植物エキス類、アミノ酸類、ミネラル、着色料、増粘剤、pH調製剤、安定剤、保存料、消泡剤、その他の食品添加物などが挙げられる。
本発明に適用されるエマルション組成物は、リコピンの分解が抑制され、保存安定性にも優れることから、リコピンによるカフェイン代謝の促進などの所期の効果が充分に期待されるエマルション組成物である。該エマルション組成物を含む本発明の飲料は、リコピンの分解やエマルション状態の劣化に起因して充分に発揮されない場合がある効果、例えばリコピンの良好な吸収性を示し得る。
本発明の飲料は、嗜好性飲料、栄養ドリンク、滋養強壮剤などの種々の態様の飲料に好適に使用される。
〜飲料の製造方法〜
本発明の飲料は、リコピンを含有する水中油型エマルション組成物を含むものであり、該エマルション組成物は、公知の方法に従い製造することが可能である。本発明におけるエマルション組成物の好ましい製造方法としては、以下に述べる製造方法が挙げられる。
本発明の飲料は、リコピンを含有する水中油型エマルション組成物を含むものであり、該エマルション組成物は、公知の方法に従い製造することが可能である。本発明におけるエマルション組成物の好ましい製造方法としては、以下に述べる製造方法が挙げられる。
本発明におけるエマルション組成物は、リコピンを含有する油相組成物と、水相組成物とを混合し、加圧乳化すること、を含む製造方法により製造することが好ましい。
本発明の飲料の好適な製造方法は、リコピンを含有する油相組成物と、水相組成物とを混合し、加圧乳化して、希釈前のリコピン含有エマルションを調製すること、希釈用飲料組成物を用いて該希釈前のリコピン含有エマルション組成物を希釈すること、を含む製造方法である。
本発明の飲料に含有されるカフェインは、油相組成物と水相組成物とを用いてエマルション組成物を調製する際のいずれかの工程において添加されてもよいし、調製された後のエマルション組成物に添加されてもよいが、調製された後のエマルション組成物に添加されることがより好ましい。
調製された後のエマルション組成物にカフェインを添加する添加態様は、特に限定されない。エマルション組成物にカフェインを添加する態様としては、例えば、i)調製後のエマルション組成物にカフェインを直接添加する態様、ii)カフェインを含有する希釈用飲料組成物を調製し、該希釈用飲料組成物を調製後のエマルション組成物に添加する態様、又は、iii)カフェインを含有しない希釈用飲料組成物を調製し、該希釈用飲料組成物をカフェインと共に調製後のエマルション組成物に添加する態様が好ましく、ii)の態様がより好ましい。
希釈用飲料組成物を用いる場合、該希釈用飲料組成物は、水等の水系媒体の他、所望により用いられる任意の添加剤を含有してもよい。
希釈用飲料組成物を用いる場合、該希釈用飲料組成物は、水等の水系媒体の他、所望により用いられる任意の添加剤を含有してもよい。
また、本発明のエマルション組成物がアスコルビン酸化合物を含有する場合、アスコルビン酸化合物の添加態様は、油相組成物と混合する前の水相組成物にアスコルビン酸化合物を添加する態様であってもよいし、油相組成物と水相組成物とを混合し、加圧乳化して調製されたエマルション組成物に、アスコルビン酸化合物を添加する態様でもよいが、リコピンの分解抑制の観点からは、後者の添加態様がより好ましい。
リコピンを含有する油相組成物を得るための好ましい態様の一つは、後述の如く水相組成物と混合する前の油相組成物を90℃以上の温度条件で加熱することを含む態様である。かかる態様により油相組成物を得る場合、アスコルビン酸化合物が示す熱分解性を考慮すれば、リコピンを含有するエマルション組成物が調製された後に、該水中油型エマルション組成物にアスコルビン酸化合物を添加する態様が好ましい。
アスコルビン酸化合物は、それ自体を水相組成物又は調製後のエマルション組成物に直接添加してもよいが、アスコルビン酸化合物を含有する水溶液を調製し、該水溶液を水相組成物又は調製後のエマルション組成物に添加することがより好ましい。該水溶液は所望により任意の添加剤を含有してもよい。調製後のエマルション組成物にアスコルビン酸化合物を含有する水溶液を添加する場合、該水溶液は希釈用飲料組成物であってもよい。
本発明のエマルション組成物の好ましい製造方法の一つは、本発明のエマルション組成物におけるリコピン含有量よりも高い含有量でリコピンを含有するエマルション組成物を予め調製した後、得られたエマルション組成物にアスコルビン酸化合物を含有する水溶液を希釈液として用いて添加して、リコピン含有量を所定量に調整する方法である。
アスコルビン酸化合物を含有する水溶液を添加するエマルション組成物におけるリコピンの含有量としては、エマルション組成物の全質量に対して、0.001質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上1質量%以下がより好ましく0.1質量%以上0.6質量%以下が更に好ましい。
以下、本発明におけるエマルション組成物の好適な製造方法について、更に詳細に説明する。
本発明におけるエマルション組成物の好適な製造方法において、リコピンを含有する油相組成物を得るための好ましい態様の一つとしては、リコピンと、グリセリン単位の数が1〜3であり脂肪酸単位の数が1〜6であって、グリセリン単位の水酸基を少なくとも1つ有する(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルと、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル、及び、1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、分子内に水酸基を有しない総炭素数10〜60の脂肪酸エステル成分と、酸化防止剤と、を含む油相成分混合液を、90℃以上の温度条件で加熱することを含む態様が挙げられる。
以下、本態様の油相組成物を用いたエマルション組成物の製造方法を例に、本発明に適用されるエマルション組成物の製造方法を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
本態様の製造方法によれば、リコピンを所定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、所定の脂肪酸エステル成分及び酸化防止剤と共にリコピンの溶解温度以上の温度条件下で加熱するので、リコピンが所定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル及び所定の脂肪酸エステル成分と共に共溶解する。水溶性乳化剤を含む水相組成物と共に加熱乳化する油相組成物を、この共溶解により得られたリコピン含有油相組成物とすることによって、乳化により得られたエマルション組成物は、結晶性カロチノイドであるリコピンの結晶化が抑制された組成物となる。
本態様の製造方法は、前記所定の脂肪酸エステル成分を添加するものである。これにより、該所定の脂肪酸エステル成分を添加しないときに比べて、リコピンの溶解温度を下げることが可能となる。
本態様の製造方法は、前記所定の脂肪酸エステル成分を添加するものである。これにより、該所定の脂肪酸エステル成分を添加しないときに比べて、リコピンの溶解温度を下げることが可能となる。
本態様の製造方法においては、まず、リコピンと、グリセリン単位の数が1〜6であり脂肪酸単位の数が1〜6であって、グリセリン単位の水酸基を少なくとも1つ有する(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルと、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル、及び、1つの水酸基を有するアルコールと脂肪酸とのエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、分子内に水酸基を有しない総炭素数10〜60の脂肪酸エステル成分と、酸化防止剤とを混合し、油相成分混合液を得る(以下、「油相成分混合工程」ともいう。)ことができる。該油相成分混合液は、必要に応じてその他の油相成分を含んでいてもよい。
油相成分混合工程において用いられる油相成分混合液に含まれるリコピン、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル成分、酸化防止剤及び他の油性成分の具体例、含有量及これらの好ましい範囲は、本発明のエマルション組成物に含まれる各成分について記載したものと同じである。
その後、油相成分混合液を、リコピンの結晶体を効率よく非結晶化する観点から90℃以上の温度条件で加熱することにより、油相組成物を得る(以下、「油相成分加熱工程」ともいう。)ことができる。加熱温度は、90℃以上であればよく、加熱温度は90℃〜155℃とすることができ、リコピンの結晶体を効率よく非結晶化し、かつリコピンの熱分解を抑制する観点から、110℃〜150℃であることが好ましく、120℃〜145℃であることがより好ましい。
油相成分加熱工程における加熱時間は、油相成分混合液中のリコピンが溶解する時間であればよく、効率よくリコピンの結晶体を非結晶化し、過剰な熱によるリコピンの分解を抑制する観点から10分〜60分であることが好ましく、5分〜45分であることがより好ましいが、これに限定されない。
このような加熱処理によって、リコピンを含む油相成分混合液から油相組成物を得ることができる。
このような加熱処理によって、リコピンを含む油相成分混合液から油相組成物を得ることができる。
なお、加熱処理においては、油相成分混合液全体が均一な温度となるようにすることが好ましいため、加熱しながら充分に攪拌することが好ましく、密閉容器を用い攪拌しながら過熱し一定温度に保持することが望ましい。
上記油相成分加熱工程によって、油相組成物が得られる。
上記油相成分加熱工程によって、油相組成物が得られる。
油相成分加熱工程の後に、油相成分加熱工程により得られた油相組成物と、所定の水相成分を含有する水相組成物(アスコルビン酸化合物を含有してもよい。)と、を乳化すること(乳化工程)を含む。これにより、リコピンを含む油相成分が油滴(エマルション粒子)として水中に微細分散された水中油型エマルション組成物を得ることができる。この組成物では、リコピンが安定して維持される。
乳化における油相と水相との比率(質量)は、特に限定されるものではないが、油相/水相比率(質量%)として0.1/99.9〜50/50が好ましく、0.5/99.5〜30/70がより好ましく、1/99〜20/80が更に好ましい。
油相/水相比率を0.1/99.9以上とすることにより、有効成分が低くならないためエマルション組成物の実用上の問題が生じない傾向となり好ましい。また、油相/水相比率を50/50以下とすることにより、乳化剤濃度が薄くなることがなく、エマルション組成物の安定性が悪化しない傾向となり好ましい。
油相/水相比率を0.1/99.9以上とすることにより、有効成分が低くならないためエマルション組成物の実用上の問題が生じない傾向となり好ましい。また、油相/水相比率を50/50以下とすることにより、乳化剤濃度が薄くなることがなく、エマルション組成物の安定性が悪化しない傾向となり好ましい。
加圧乳化は、1ステップの乳化操作を行うことでもよいが、2ステップ以上の乳化操作を行うことが均一で微細なエマルション粒子(乳化粒子)を得る点から好ましい。
具体的には、剪断作用を利用する通常の乳化装置(例えば、スターラーやインペラー攪拌、ホモミキサー、連続流通式剪断装置等)を用いて乳化するという1ステップの乳化操作に加えて、高圧ホモジナイザー等を通して乳化する等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのが特に好ましい。高圧ホモジナイザーを使用することで、エマルション組成物におけるエマルション粒子を更に均一な微粒子の液滴に揃えることができる。また、乳化操作は、更に均一な粒子径を有する液滴を得る目的で複数回行ってもよい。
具体的には、剪断作用を利用する通常の乳化装置(例えば、スターラーやインペラー攪拌、ホモミキサー、連続流通式剪断装置等)を用いて乳化するという1ステップの乳化操作に加えて、高圧ホモジナイザー等を通して乳化する等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのが特に好ましい。高圧ホモジナイザーを使用することで、エマルション組成物におけるエマルション粒子を更に均一な微粒子の液滴に揃えることができる。また、乳化操作は、更に均一な粒子径を有する液滴を得る目的で複数回行ってもよい。
ここで使用可能な乳化手段は、自然乳化法、界面化学的乳化法、電気乳化法、毛管乳化法、機械的乳化法、超音波乳化法等一般に知られている乳化法のいずれも使うことができる。
エマルション組成物中のエマルション粒子をより微細化するための有用な方法として、PIT乳化法、ゲル乳化法等の界面化学的乳化法が知られている。この方法は消費するエネルギーが小さいという利点があり、熱で劣化しやすい素材を微細に乳化する場合に適している。
また、汎用的に用いられる乳化法として、機械力を用いた方法、すなわち外部から強い剪断力を与えることで油滴を分裂させる方法が適用されている。機械力として最も一般的なものは、高速、高剪断攪拌機である。このような攪拌機としては、ホモミキサー、ディスパーミキサーおよびウルトラミキサーと呼ばれるものが市販されている。
また、微細化に有用な別な機械的な乳化装置として高圧ホモジナイザーがあり、種々の装置が市販されている。高圧ホモジナイザーは、攪拌方式と比べて大きな剪断力を与えることが出来るために、乳化剤の量を比較的少なくても微細化が可能である。
高圧ホモジナイザーには大きく分けて、固定した絞り部を有するチャンバー型高圧ホモジナイザーと、絞りの開度を制御するタイプの均質バルブ型高圧ホモジナイザーがある。
チャンバー型高圧ホモジナイザーの例としては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)、アルティマイザー((株)スギノマシン製)等が挙げられる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等が挙げられる。
高圧ホモジナイザーには大きく分けて、固定した絞り部を有するチャンバー型高圧ホモジナイザーと、絞りの開度を制御するタイプの均質バルブ型高圧ホモジナイザーがある。
チャンバー型高圧ホモジナイザーの例としては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)、アルティマイザー((株)スギノマシン製)等が挙げられる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等が挙げられる。
比較的エネルギー効率の良い分散装置で、簡単な構造を有する乳化装置として超音波ホモジナイザーがある。製造も可能な高出力超音波ホモジナイザーの例としては、超音波ホモジナイザーUS−600、US−1200T、RUS−1200T、MUS−1200T(以上、(株)日本精機製作所製)、超音波プロセッサーUIP2000、UIP−4000、UIP−8000、UIP−16000(以上、ヒールッシャー社製)等が挙げられる。これらの高出力超音波照射装置は、25kHz以下、好ましくは15kHz〜20kHzの周波数で使用される。
また、他の公知の乳化手段として、外部からの攪拌部を持たず、低エネルギーしか必要としない、スタチックミキサー、マイクロチャネル、マイクロミキサー、膜乳化装置等を使う方法も有用な方法である。
本態様の製造方法において、乳化分散する際の温度条件は、特に限定されるものでないが、機能性油性成分の安定性の観点から10℃〜100℃であることが好ましく、取り扱う機能性油性成分の融点などにより、適宜好ましい範囲を選択することができる。
また、本発明において高圧ホモジナイザーを用いる場合には、その圧力は、好ましくは50MPa以上、より好ましくは50MPa〜280MPa、更に好ましくは100MPa〜280MPaで処理することが好ましい。
また、乳化分散された組成物はチャンバー通過直後30秒以内、好ましくは3秒以内に何らかの冷却器を通して冷却することが、エマルション粒子の粒子径保持の観点から好ましい。
また、本発明において高圧ホモジナイザーを用いる場合には、その圧力は、好ましくは50MPa以上、より好ましくは50MPa〜280MPa、更に好ましくは100MPa〜280MPaで処理することが好ましい。
また、乳化分散された組成物はチャンバー通過直後30秒以内、好ましくは3秒以内に何らかの冷却器を通して冷却することが、エマルション粒子の粒子径保持の観点から好ましい。
本発明の飲料は、所望の収納容器に充填して容器詰飲料としてもよい。
収納容器としては、通常飲料用容器として使用されているものであればよく、例えば、PETボトル、紙パック、ガラス容器、アルミ缶、スチール缶、パウチ等を挙げることができる。
収納容器としては、通常飲料用容器として使用されているものであればよく、例えば、PETボトル、紙パック、ガラス容器、アルミ缶、スチール缶、パウチ等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の記載で「部」又は「%」で表示されているものは、特に断らない限り質量基準である。
[実施例1〜6、比較例1〜3]
実施例1〜6及び比較例1〜3の各飲料を、以下の通り調製した。
実施例1〜6及び比較例1〜3の各飲料を、以下の通り調製した。
1.エマルションA〜Dの調製
<エマルションAの調製>
下記油相組成物を、135℃のホットプレート上にて攪拌しながら5分間加熱混合し、よく混合されたことを確認した。
下記水相組成物を、70℃の恒温槽にて攪拌しながら加熱混合し、よく混合されたことを確認し、70℃で保持した。
水相組成物を油相組成物に加えて攪拌混合し、超音波ホモジナイザーを用いて分散させて粗分散物を得た。その後、得られた粗分散物を更に超高圧乳化装置(アルティマイザー、(株)スギノマシン社製)を用い、乳化条件を、乳化圧力:245MPa、パス回数(乳化操作回数):3回として高圧乳化を行った。
以上により、エマルションA(希釈前のリコピン含有エマルション組成物)を得た。
<エマルションAの調製>
下記油相組成物を、135℃のホットプレート上にて攪拌しながら5分間加熱混合し、よく混合されたことを確認した。
下記水相組成物を、70℃の恒温槽にて攪拌しながら加熱混合し、よく混合されたことを確認し、70℃で保持した。
水相組成物を油相組成物に加えて攪拌混合し、超音波ホモジナイザーを用いて分散させて粗分散物を得た。その後、得られた粗分散物を更に超高圧乳化装置(アルティマイザー、(株)スギノマシン社製)を用い、乳化条件を、乳化圧力:245MPa、パス回数(乳化操作回数):3回として高圧乳化を行った。
以上により、エマルションA(希釈前のリコピン含有エマルション組成物)を得た。
−油相組成物−
(1)Lyc−O−Mato 6%(リコピン含有量:6%)*1 5.7部
(2)トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン*2 8.4部
(3)ミックストコフェロール*3 0.64部
(4)モノステアリン酸ジグリセリル*4 0.28部
(1)Lyc−O−Mato 6%(リコピン含有量:6%)*1 5.7部
(2)トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン*2 8.4部
(3)ミックストコフェロール*3 0.64部
(4)モノステアリン酸ジグリセリル*4 0.28部
*1:サンブライト株式会社製「Lyc−O−Mato 6%」、トマト由来抽出物
*2:花王株式会社製「ココナードMT」(HLB=1)
*3:理研ビタミン(株)製「理研Eオイル800」
*4:日光ケミカルズ株式会社製「NIKKOL DGMS」(HLB=5.0)
*2:花王株式会社製「ココナードMT」(HLB=1)
*3:理研ビタミン(株)製「理研Eオイル800」
*4:日光ケミカルズ株式会社製「NIKKOL DGMS」(HLB=5.0)
−水相組成物−
(1)オレイン酸デカグリセリル*5 10部
(2)グリセリン 45.0部
(3)精製水 30.0部
*5:日光ケミカルズ製株式会社「Decaglyn 1−O」
(1)オレイン酸デカグリセリル*5 10部
(2)グリセリン 45.0部
(3)精製水 30.0部
*5:日光ケミカルズ製株式会社「Decaglyn 1−O」
<エマルションBの調製>
エマルションAの調製において、高圧乳化に適用した乳化条件(乳化圧力、パス回数)を、表1に示すように変更した以外は、エマルションAと同様にして、エマルションBを得た。
エマルションAの調製において、高圧乳化に適用した乳化条件(乳化圧力、パス回数)を、表1に示すように変更した以外は、エマルションAと同様にして、エマルションBを得た。
<エマルションCの調製>
エマルションAの調製において、油相組成物を調製する際のホットプレート温度を70℃に変更した以外は、エマルションAと同様にして、エマルションCを得た。
エマルションAの調製において、油相組成物を調製する際のホットプレート温度を70℃に変更した以外は、エマルションAと同様にして、エマルションCを得た。
<エマルションDの調製>
エマルションAの調製において、高圧乳化を行なわず、超音波ホモジナイザーを用いた分散のみを行なった以外は、エマルションAと同様にして、エマルションDを得た。
エマルションAの調製において、高圧乳化を行なわず、超音波ホモジナイザーを用いた分散のみを行なった以外は、エマルションAと同様にして、エマルションDを得た。
上記で得られたエマルションA〜Dについて、調製直後の粒子径及び結晶の有無の確認を下記の通り行なった。結果を表1に併記する。
−粒子径−
エマルションA〜Dを、それぞれ5mLガラスバイアルに充填し、それぞれのガラスバイアルに精製水を加えて0.33%希釈液を調製した。希釈液中のエマルション粒子の体積基準での平均粒子径(メジアン粒子径)を動的光散乱計(商品名FPAR−1000、大塚電子株式会社製)にて測定した。
エマルションA〜Dを、それぞれ5mLガラスバイアルに充填し、それぞれのガラスバイアルに精製水を加えて0.33%希釈液を調製した。希釈液中のエマルション粒子の体積基準での平均粒子径(メジアン粒子径)を動的光散乱計(商品名FPAR−1000、大塚電子株式会社製)にて測定した。
−結晶の有無−
偏光顕微鏡(製品名:PCLIPSE LV100POL、株式会社ニコン製)を使用して、1cm×1cmの視野において、エマルションA〜Dをそれぞれ目視にて観察し、下記の基準によりエマルション中に存在するリコピン由来の結晶の有無を確認した。観察基準は以下の通りである。
無:視野内に、確認できるリコピン由来の結晶が1000個以下。
有:視野内に、確認できるリコピン由来の結晶が1000個以上認められる。
偏光顕微鏡(製品名:PCLIPSE LV100POL、株式会社ニコン製)を使用して、1cm×1cmの視野において、エマルションA〜Dをそれぞれ目視にて観察し、下記の基準によりエマルション中に存在するリコピン由来の結晶の有無を確認した。観察基準は以下の通りである。
無:視野内に、確認できるリコピン由来の結晶が1000個以下。
有:視野内に、確認できるリコピン由来の結晶が1000個以上認められる。
2.カフェイン含有飲料の調製
上記で得られたエマルションA〜Dのいずれかとカフェイン(和光純薬工業株式会社製)とを、リコピン及びカフェインの配合濃度が表1に示す配合濃度になるように、下記組成を有する希釈用飲料組成物を用いて希釈混合し、実施例1〜6及び比較例2及び3のカフェイン含有飲料を調製した。
比較例1については、カフェイン(和光純薬工業株式会社製)の配合濃度が表1に示す配合濃度となるように、下記組成を有する希釈用飲料組成物にカフェインを添加して、カフェイン含有飲料を調製した。
なお、実施例1〜6の飲料中のアスコルビンの総含有量は、いずれも0.8質量%〜1質量%の範囲内であった。
上記で得られたエマルションA〜Dのいずれかとカフェイン(和光純薬工業株式会社製)とを、リコピン及びカフェインの配合濃度が表1に示す配合濃度になるように、下記組成を有する希釈用飲料組成物を用いて希釈混合し、実施例1〜6及び比較例2及び3のカフェイン含有飲料を調製した。
比較例1については、カフェイン(和光純薬工業株式会社製)の配合濃度が表1に示す配合濃度となるように、下記組成を有する希釈用飲料組成物にカフェインを添加して、カフェイン含有飲料を調製した。
なお、実施例1〜6の飲料中のアスコルビンの総含有量は、いずれも0.8質量%〜1質量%の範囲内であった。
−希釈用飲料組成物−
(1)L(+)-アスコルビン酸ナトリウム*6 0.9部
(2)L(+)-アスコルビン酸*7 0.1部
(3)クエン酸*8 0.8部
(4)水 98.2部
(1)L(+)-アスコルビン酸ナトリウム*6 0.9部
(2)L(+)-アスコルビン酸*7 0.1部
(3)クエン酸*8 0.8部
(4)水 98.2部
*6:和光純薬工業株式会社製「L(+)−アスコルビン酸ナトリウム」
*7:和光純薬工業株式会社製「L(+)−アスコルビン酸」
*8:和光純薬工業株式会社製「クエン酸」
*7:和光純薬工業株式会社製「L(+)−アスコルビン酸」
*8:和光純薬工業株式会社製「クエン酸」
3.評価
上記で得られた実施例及び比較例の各飲料について、以下に示す評価を行った。評価結果を表1に併記する。
上記で得られた実施例及び比較例の各飲料について、以下に示す評価を行った。評価結果を表1に併記する。
(1)飲用30分後の眠気評価
朝7時に起床した被験者に、夜22時に500mLの評価対象の飲料を飲用させた。飲用30分後の眠気について、下記の評価基準に基づいてランク付けして評価した。
評価結果が、ランク「A」又は「B」である場合、カフェインによる覚醒作用が得られたと判断する。
−評価基準−
A:眠気を感じない
B:軽い眠気を感じる
C:強い眠気を感じる
朝7時に起床した被験者に、夜22時に500mLの評価対象の飲料を飲用させた。飲用30分後の眠気について、下記の評価基準に基づいてランク付けして評価した。
評価結果が、ランク「A」又は「B」である場合、カフェインによる覚醒作用が得られたと判断する。
−評価基準−
A:眠気を感じない
B:軽い眠気を感じる
C:強い眠気を感じる
(2)飲用後の入眠評価
朝7時に起床した被験者に、夜22時に500mLの評価対象の飲料を飲用させた。飲用2時間後の24時に睡眠を試みてから睡眠に入るまでの時間を、下記の評価基準に基づいてランク付けして評価した。
睡眠を試みてから睡眠に入るまでの時間は、寝返りなどによる寝具の動きから睡眠に入った時間を計測する「ねむり時間計」(オムロン社、HSL−001)により測定した。
評価結果が、ランク「A」又は「B」である場合、カフェインによる覚醒作用が早期に解消したと判断する。
−評価基準−
A:睡眠を試みてから30分未満で睡眠に入った
B:睡眠を試みてから30分〜1時間で睡眠に入った
C:睡眠を試みてから1時間を過ぎても睡眠できない
朝7時に起床した被験者に、夜22時に500mLの評価対象の飲料を飲用させた。飲用2時間後の24時に睡眠を試みてから睡眠に入るまでの時間を、下記の評価基準に基づいてランク付けして評価した。
睡眠を試みてから睡眠に入るまでの時間は、寝返りなどによる寝具の動きから睡眠に入った時間を計測する「ねむり時間計」(オムロン社、HSL−001)により測定した。
評価結果が、ランク「A」又は「B」である場合、カフェインによる覚醒作用が早期に解消したと判断する。
−評価基準−
A:睡眠を試みてから30分未満で睡眠に入った
B:睡眠を試みてから30分〜1時間で睡眠に入った
C:睡眠を試みてから1時間を過ぎても睡眠できない
表1に示されるように、実施例の各飲料は、いずれも飲用後カフェインによる覚醒作用が得られ、かつ、カフェインによる覚醒作用が早期に解消する飲料であることが分かる。
Claims (7)
- 非結晶状態のリコピンを含み平均粒子径が120nm以下であるエマルション粒子と、カフェインと、を含有する水中油型エマルション組成物を含む飲料。
- 前記リコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜500ppmである請求項1に記載の飲料。
- 前記リコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜200ppmである請求項1又は請求項2に記載の飲料。
- 前記エマルション粒子の粒子径が、10nm〜115nmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の飲料。
- 前記エマルション粒子の粒子径が、10nm〜115nmであり、かつ前記リコピンの含有量が、飲料の全質量に対して1ppm〜200ppmである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の飲料。
- 前記カフェインの含有量が、飲料の全質量に対して5ppm〜4000ppmである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の飲料。
- 更に、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにそれらの塩からなる群から選択された少なくとも1種を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の飲料。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014122192A (ja) * | 2012-12-21 | 2014-07-03 | L'oreal Sa | 油、非イオン界面活性剤及びキサンチン塩基を含む化粧品組成物 |
US11166886B2 (en) | 2012-12-21 | 2021-11-09 | L'oreal | Cosmetic composition |
-
2012
- 2012-12-04 JP JP2012265769A patent/JP2014108106A/ja active Pending
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