JP2014106281A - 速度検出装置及び駆動機構制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一マークの特定を確実に実行可能とすることで、被検出マークに繋ぎ目や傷・汚れ等のマーク不良があっても制御誤差を増大させない構成を備えた速度検出装置及び駆動機構制御装置を提供する。
【解決手段】速度検出装置は、第1センサ7a及び第2センサ7bが任意の被検出マーク2をそれぞれに検出した時刻と、検出した被検出マーク2に対応するアドレスとを記憶する記憶手段を備える。更に速度検出装置は、基準速度検出手段(10)の出力情報に基づき、記憶手段に記憶されたアドレスと時刻とから、第1センサと第2センサとが同一マークを検出した時刻を特定する同一マーク検出時刻特定手段(20,30)と、同一マーク検出時刻特定手段の出力情報に基づき、第1センサ及び第2センサとスケール部材との相対速度を算出する相対速度算出手段(40)とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】速度検出装置は、第1センサ7a及び第2センサ7bが任意の被検出マーク2をそれぞれに検出した時刻と、検出した被検出マーク2に対応するアドレスとを記憶する記憶手段を備える。更に速度検出装置は、基準速度検出手段(10)の出力情報に基づき、記憶手段に記憶されたアドレスと時刻とから、第1センサと第2センサとが同一マークを検出した時刻を特定する同一マーク検出時刻特定手段(20,30)と、同一マーク検出時刻特定手段の出力情報に基づき、第1センサ及び第2センサとスケール部材との相対速度を算出する相対速度算出手段(40)とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、被検出マークを有するスケール部材と第1及び第2センサとの相対速度を高精度に検出可能な速度検出装置、及びこの速度検出装置を用いた駆動機構制御装置に関する。
従来より、中間転写ベルト等の移動体の速度を高精度に検出するための技術、及びそれを用いた移動体の速度を制御するための技術が提案されている。例えば、一定ピッチで複数の被検出マークを設けたスケール部材を移動体に貼り付け、移動体に対向して配置されたセンサからの信号を検出し、その検出信号に基づきマークの周期時間を測定し、周期時間とマークピッチから移動体速度を検出する方法が知られている。しかし、この方式によると、移動体上のマークピッチ精度の影響を受け、マークピッチ精度が低い場合には検出誤差が大きくなる。
これに対し、マークピッチ精度の影響を受けない速度検出方法(区間速度検出方法)として、相対移動方向に2つのセンサを配置したセンサを備えたものが知られている。この速度検出方法では、同一の被検出マークが2つのセンサを順次通過するのに要した区間時間(時間差)TLと、これら両センサ間の所定距離Lとに基づき、相対速度Vを、V=L/TLで求める。
図13に示すように、第1及び第2センサ70a,70bからの信号を検出し、検出した2つの信号の区間時間(時間差,時刻差)TLを測定して、速度を検出する。この区間速度検出方法を用いることで、中間転写ベルト等の移動体100上の被検出マーク200のピッチ精度による検出誤差をなくし、正確な速度検出が可能となる。なお、図13において、31は従動ローラ、41は2次転写上ローラ、51は駆動ローラ、80a,80bはマーク検出回路、400は区間時間算出回路、500は制御部を示す。
このような区間速度検出方法として、以下のような複写機におけるベルト速度制御装置が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
すなわち、特許文献1記載のベルト速度制御装置では、ベルト表面に所定ピッチで複数の被検出マークを設け、マーク間隔と等しい距離に配置された2つの光学式センサを備えている。この構成により、前方(移動体移動方向の上流側)の光学式センサで被検出マークを検出した時刻と、その後続いて、後方(移動体移動方向の下流側)の光学式センサで被検出マークを検出した時刻との時刻差(時間差)を算出する。更に、この時刻差に基づいてベルト速度を検出する。このように、ベルト移動時に同一の被検出マークがセンサ間を通過する時間を計測することによってベルト速度を検出している。
また、特許文献2記載のベルト速度制御装置では、2つの光学式センサ間の距離をマークピッチ間隔の整数倍として、マークN個分の時間を積算することで、ベルト移動時に同一マークがセンサ間を通過する時間を算出して、ベルト速度を検出する。
しかし、上述した特許文献1及び2記載のベルト速度制御装置では、被検出マークに繋ぎ目や傷・汚れ等のマーク不良があると、反射光量が低下し、マーク検出欠落や検出周期変動等のマーク検出エラーが発生して、正確なベルト速度の検出が困難になる。
ここで、図14に、マーク検出回路80a,80bのうちの回路80bにマーク検出欠落があった場合について説明する。すなわち、図14に示すように、マーク検出エラーが発生すると、同一マークが2つのセンサ間を通過する時刻差とは異なる時間差(時刻差)TNGに基づいてベルト速度を検出することになる。
つまり、本来は図13のような区間時間(時間差,時刻差)TLが検出されるべきところ、数倍の時間差TNGを検出してしまうため、検出したベルト速度が実際のベルト速度に比べて遅くなってしまう。
そのため、このような誤差が含まれるベルト速度を用いてベルト制御を行うと、ベルト駆動に過大な駆動力を指令したりして、ベルト速度を大きく変動させる可能性がある。この場合、中間転写ベルト等の移動体100に転写されるトナーの位置が大きくずれ、出力画像のひずみ、色ずれが発生するなど、検出速度の誤検出が駆動機構制御へ多大な影響を及ぼすおそれがある。
また特許文献2記載の技術では、前述のように、2つのセンサ間距離がマークピッチの整数倍とされている。この技術では、所定距離離れたセンサ間を同一の検出マークが通過する区間速度検出においては、同一マークの通過時刻差を計測している。2つのセンサ間に複数のマーク周期が存在する2つのセンサ間距離及びマーク周期の関係の場合、2つのセンサでの同一マークの特定が難しくなる。
同一マークの特定には、2つのセンサ間距離の間に存在するマーク周期数を、1つのセンサで移動と共に計数し、この計数値に基づいて後方のセンサ(下流センサ)で検出する同一マークを特定する手法が考えられる。
しかし、特に特許文献2のように、柔軟体の移動体に被検出マークが設けられると共に2つのセンサ間距離がマークピッチの整数倍とされる場合には、柔軟体への負荷変化や環境温度変化により、2つのセンサ間のマーク周期数が変化する。そのため、同一マークの特定誤りが発生し易く、区間速度の誤検出が発生する可能性がある。
ここで、移動体が剛体であったとしても、フィルム上の基材上に被検出マークを形成したフィルムスケールを剛体に貼り付けるような場合には、貼り付け時の負荷変動によるフィルムスケールの伸縮等によって、マーク周期ムラが発生する可能性がある。この場合も同様に、同一マークの誤特定が発生し易く、区間速度の誤検出を発生させるおそれがある。
さらに、2つのセンサのいずれかにおいて、繋ぎ目や傷・汚れ等によるマーク検出エラーが発生した場合には、同一マークの特定ができなくなり、結果として検出速度エラーを発生させるおそれがある。そのため、この速度検出装置を利用した駆動機構制御装置では、制御誤差が増大してしまう。
本発明は、同一マークの特定を確実に実行可能とすることで、被検出マークに繋ぎ目や傷・汚れ等のマーク不良があっても制御誤差を増大させない構成を備えた速度検出装置、及びこの速度検出装置を備えた駆動機構制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、速度検出装置において、所定ピッチで連続する複数の被検出マークを有するスケール部材と、前記所定ピッチより大きい所定距離だけ離れ且つ前記被検出マークに対向する状態で前記被検出マークを検知し、前記スケール部材と相対移動する第1センサ及び第2センサと、前記第1センサと前記第2センサとのうちの少なくとも一方と前記スケール部材との相対移動時における基準速度を検出する基準速度検出手段と、前記第1センサ及び前記第2センサが任意の前記被検出マークをそれぞれに検出した時刻と、前記検出した被検出マークに対応するアドレスとを記憶する記憶手段と、前記基準速度検出手段の出力情報に基づき、前記記憶手段に記憶された前記アドレスと前記時刻とから、前記第1センサと前記第2センサとが同一マークを検出した時刻を特定する同一マーク検出時刻特定手段と、前記同一マーク検出時刻特定手段の出力情報に基づき、前記第1センサ及び前記第2センサと前記スケール部材との相対速度を算出する相対速度算出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1センサと第2センサとが同一マークを検出した時刻を同一マーク検出時刻特定手段により特定できるので、同一マークの特定を確実に実行可能とすることができる。これにより、被検出マークに繋ぎ目や傷・汚れ等のマーク不良があっても制御誤差を増大させない構成を実現することができる。
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る速度検出装置及び駆動機構制御装置の実施形態について図を参照して説明する。なお、各図面を通して同一符号は、同一又は対応する部分を示す。図8は、本発明の速度検出装置及び駆動機構制御装置を搭載可能な電子写真方式の画像形成装置110における画像形成部周辺について示した断面図である。画像形成装置110は、プリンタ制御I/F(不図示)からの制御信号に基づいて以下で説明する動作を行う。
以下、本発明に係る速度検出装置及び駆動機構制御装置の実施形態について図を参照して説明する。なお、各図面を通して同一符号は、同一又は対応する部分を示す。図8は、本発明の速度検出装置及び駆動機構制御装置を搭載可能な電子写真方式の画像形成装置110における画像形成部周辺について示した断面図である。画像形成装置110は、プリンタ制御I/F(不図示)からの制御信号に基づいて以下で説明する動作を行う。
すなわち、図8に示すように、画像形成装置110は、M画像形成部112、C画像形成部113、Y画像形成部114及びK画像形成部115を有する画像形成部111を備えている。なお、Mはマゼンタ、Cはシアン、Yはイエロー、Kはブラックをそれぞれ示す。
以上の各画像形成部の構成は、全て同様なので、以下ではM画像形成部112を詳細に説明し、他の画像形成部113,114,115の説明については省略する。また、本構成では4つの画像形成部を採用しているが、これに限定されるものでない。
M画像形成部112は、感光体ドラム119、1次帯電器116、ドラムクリーニングブレード117及び現像器118を有している。感光体ドラム119は、レーザスキャナ124からの光によってその表面に潜像が形成される。
1次帯電器116は、感光体ドラム119の表面を所定の電位に帯電させ、潜像形成の準備をする。ドラムクリーニングブレード117は、転写終了後に感光体ドラム119に残存したトナーを掻き落とし、感光体ドラム119を次の画像形成に供する。現像器118は、感光体ドラム119上の潜像を現像して、トナー画像を形成する。現像器118には、現像バイアスを印加して現像するためのスリーブ(不図示)が含まれている。
次に、移動体1を備えたベルトユニット125について説明する。すなわち、ベルトユニット125は、移動体1を回動可能に支持する張架部材である、駆動モータ6の駆動で回転する駆動ローラ5と、従動ローラ3と、2次転写上ローラ4とを有している。
中間転写ベルト等の移動体1の背面(内周面)には、移動体背面から電圧を印加して、各感光体ドラム119に形成されたトナー画像を移動体1に転写させる1次転写ローラ120が配置されている。
先ず、駆動ローラ5の回転で移動体1をX方向に回動走行させると、これに従って従動ローラ3と2次転写上ローラ4が連れ回り回転(従動回転)する。このベルト走行中において、任意の出力タイミングを基準に各々の画像形成部112,113,114,115で画像の書き込みが順に開始される。
次いで、移動体1上には、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色画像が順次重ね転写(1次転写)され、これによって一つのカラー画像が形成される。その後、カラー画像は、移動体1の走行に伴い、2次転写上ローラ4と2次転写下ローラ123間の2次転写部へと送り込まれる。
2次転写部において、移動体1上のカラー画像が、給紙カセット127からピックアップローラ126によって2次転写領域に搬送されてきた記録材Pに一括転写(2次転写)される。この際、転写しきれずに移動体1上に残った廃トナーは、移動体1に当接する当接部材であるクリーニングブレード121によって除去される。これにより移動体1は、次の画像形成に供される。
カラー画像を2次転写された記録材Pは、次工程の定着装置(不図示)に送られ、そこで画像の定着処理(加熱、加圧等)を施されたのち、トレイ(不図示)に排出される。
このような一連の画像形成動作において、ベルト走行方向Xにおける移動体1の搬送速度は、クリーニングブレード121や記録材Pの2次転写突入の影響等によって動的に変動する。その結果、記録材P上に、搬送方向において色ずれを生じた画像が出力される可能性がある。
次に、図1を参照して、本実施形態の画像形成装置110における速度検出装置及びそれを用いた駆動機構制御装置について説明する。なお、図1は、本実施形態における速度検出装置及び駆動機構制御装置の概略構成図である。
すなわち、図1に示すように、無端ベルト状の移動体1から上方に若干の隙間をあけた位置に、第1及び第2センサ7a,7bが配置されている。移動体1の外周面上には、所定ピッチ(所定間隔,マークピッチ距離)Pm(例えば所定ピッチPm=500μm)で、ベルト回動方向(移動体移動方向)に連続的に複数の被検出マーク2が設けられている。
複数の被検出マーク2は、移動体1における画像形成とは無関係な周縁部等の画像形成領域外に設けられる。なお、図1では便宜上、検出マーク2が移動体1の内周面に位置するように描かれているが、実際は上記のように移動体1の外周面に設けられている。
本実施形態では、複数の被検出マーク2が薄いテープ状樹脂上に形成されてスケール部材が構成され、このスケール部材は、所定ピッチPm(マークピッチ距離)で連続する複数の被検出マークを有している。このスケール部材が、移動体1上の全周(ベルト外周面の全周)に亘って貼り付けられている。
また、移動体1の内周面全周に被検出マーク2を形成するように構成することもでき、その場合、第1及び第2センサ7a,7bは移動体1の内周面側に配置される。なお、スケール部材として、移動体1に被検出マーク2を直接形成する構成とすることもできる。
このような本実施形態の画像形成装置110は、複写機、LBP、インクジェットプリンタのようなカラー画像形成装置として構成することができる。画像形成装置110では、露光装置、現像装置によって4色のトナー画像を各々感光体ドラム119に形成し、中間転写ベルト(中間転写体)としての移動体1上に4色を順次重ね合わせて、カラー画像を得る。画像ひずみや色ずれ等の防止のために、感光体・中間転写ベルト表面の高精度な駆動制御を必要とする。
このような画像形成装置110の場合、無端ベルト状の移動体1の上には画像が形成されるため、被検出マーク2は、前述のように画像形成領域外に設けられる。画像形成領域外とは、ベルト移動方向に対して幅方向の領域外や、裏面であっても良く、画像形成領域外であれば、特に限定されるものではない。
従動ローラ3及び2次転写上ローラ4は、移動体1の回動移動に伴って移動体1と共に回転する。本実施形態では、駆動ローラ5を駆動する駆動モータ6としてパルスモータを使用し、制御部50からのパルス信号に基づいて回転制御を行う。駆動モータ6によって駆動された駆動ローラ5の回転により、移動体1が矢印Xの方向に回転移動する。
駆動ローラ5の偏芯をゼロにすることは現実的に不可能であり、駆動モータ6により一定回転で駆動制御されていても、駆動ローラ5の表面速度は、駆動ローラ偏芯によって変化している。従って、本実施形態における速度検出装置は、この駆動ローラ偏芯による移動体1の速度変化を検出すること、及び、移動体1の厚みムラに起因する実効的な駆動ローラ径の変化に依存した速度変化を検出することを主な目的とする。
本実施形態の速度検出装置及び駆動機構制御装置は、第1及び第2センサ7a,7b、マーク検出回路8a,8b、第1センサマーク検出時刻記憶処理回路10、及び、区間遅延時間推定回路20を有している。さらに、速度検出装置及び駆動機構制御装置は、同一マーク特定回路30、区間速度算出回路40、制御部50、駆動モータ6を有している。
第1及び第2センサ7a,7bは、被検出マーク2を読み取る(検知する)ためのもので、移動体1の移動方向に沿った上流側と下流側とにおいて移動体1から上方に若干の隙間をあけた状態で配置されている。上流側の第1センサ7aと下流側の第2センサ7bは、互いに所定距離L(例えば10mm)だけ離間した状態で、移動体1の移動中での被検出マーク2を検出可能な位置に配置されている。第1センサ7a及び第2センサ7bは、本実施形態例では光学式のセンサを用いている。
つまり、第1及び第2センサ7a,7bは、被検出マーク2の所定間隔(所定ピッチ)より大きい所定距離Lだけ離れ且つ被検出マーク2に対向する状態で被検出マーク2を検知するもので、スケール部材と相対移動する。なお、本実施形態では、装置本体側に固定された第1及び第2センサ7a,7bに対して移動するスケール部材の速度を検出するように構成したが、この関係は逆でも可能である。即ち、固定されたスケール部材に対して移動する第1及び第2センサ7a,7bの速度を検出するように構成ことも可能である。このことは、後述する第2の実施形態においても同様である。
上記光学式センサは、基本的に光源及び受光センサから構成される。例えば、光源をLEDとする場合、LED光源からの光を反射部・非反射部を一定ピッチ(所定ピッチ)で繰り返す構造の被検出マーク2に照射し、その反射光を受光センサで検出する。さらに、受光センサで検出した反射光に基づく出力を、マーク検出回路8a,8bで受信して、2値化処理を行う。
2値化されたマーク検出回路8aの出力は、タイマラッチによりマーク検出時刻を特定され、第1センサマーク検出時刻記憶処理回路10と区間遅延時間推定回路20とにそれぞれ入力される。そして、このように入力されたマーク検出回路8aの出力は、区間時間の制定に関する第1センサ7aの時刻の記憶、及び、区間時間推定のためのベルト基準速度算定に利用される。
なお、第1センサマーク検出時刻記憶処理回路10は、第1センサ7aと第2センサ7bとのうちの少なくとも一方(本実施形態では第1センサ7a)とスケール部材との相対移動時における基準速度を検出する基準速度検出手段を構成する。この基準速度検出手段は、第1センサ7aと第2センサ7bとのうちの少なくとも一方による被検出マーク2のマーク周期検出時間と、第1センサ7a及び第2センサ7b間の所定距離とに基づき、基準速度を検出する。
また、基準速度検出手段としての上記処理回路10は、第1及び第2センサ7a,7bの双方を用いて基準速度(概略速度)の検出する際に、第1センサ7aを用いて検出した基準速度と第2センサ7bを用いて検出した基準速度とを平均化処理して用いる。
一方、2値化されたマーク検出回路8bの出力は、マーク検出回路8aの場合と同様に、マーク検出相対時刻が特定され、区間遅延時間推定回路20と同一マーク特定回路30とに入力される。
区間遅延時間推定回路20では、入力された第1及び第2センサ7a,7bからのマーク検出時刻情報とマーク周期情報とに基づいて、ベルト基準速度を算出する。そして、このベルト基準速度と、第1及び第2センサ7a,7b間の所定距離Lとに基づいて、2つのセンサ区間を1つの被検出マーク2が通過するのに要する時間の推定値、即ち、区間遅延時間の推定値を算出する。なお、区間遅延時間推定回路20は、同一マーク特定回路30により同一マークが一旦特定された後は、特定の直前に採用した区間遅延時間を出力とする。
同一マーク特定回路30は、区間遅延時間推定回路20から出力される区間遅延時間推定値と、第2センサ7bのマーク検出時刻とに基づいて、センサマーク検出時刻の推定値を算出する。そして、第1センサマーク検出時刻記憶処理回路10に記憶されたメモリ中の情報から、同一マークとして最も確からしい被検出マーク2を特定し、第1及び第2センサ7a,7bの検出時刻を区間速度算出回路40に出力する。
なお、区間遅延時間推定回路20及び同一マーク特定回路30により、同一マーク検出時刻特定手段が構成される。同一マーク検出時刻特定手段は、上記処理回路(基準速度検出手段)10の出力情報に基づき、タイマ値メモリ(記憶手段)102(図4参照)に記憶されたアドレスと時刻とから、第1及び第2センサ7a,7bが同一マークを検出した時刻を特定する。
区間速度算出回路40では、これら第1及び第2センサ7a,7bの検出時刻差、及び、所定距離(センサ間距離)Lに基づいて移動体1の速度を算出し、制御部50に出力する。制御部50は、区間速度算出回路40からの出力情報に基づいて駆動モータ6を制御する。
また、相対速度算出手段としての区間速度算出回路40は、区間遅延時間推定回路20の出力情報と、同一マーク特定回路30により特定された同一マーク検出時刻差の出力情報とを区間検出時間異常判定回路401で比較する。そして、補間処理手段としての区間時間補間処理回路402では、区間検出時間異常判定回路401の判定結果に基づいて区間時間を補間(補正)し、この補間結果に基づいて基準速度(相対速度)を算出する。
なお、区間速度算出回路40は、区間遅延時間推定回路20及び同一マーク特定回路30から成る同一マーク検出時刻特定手段の出力情報に基づき、第1及び第2センサ7a,7bとスケール部材との相対速度を算出する相対速度算出手段を構成する。
また、区間検出時間異常判定回路401は、上記相対速度算出手段で算出された相対速度が閾値内にあるか否かを判定することに基づいて異常の有無を判定する異常判定手段を構成する。そして、区間時間補間処理回路402は、異常判定手段としての区間検出時間異常判定回路401が異常有りと判定した場合には、区間時間TL値に補間処理を施して(つまり、相対速度に補間処理を施して)出力する補間処理手段を構成する。
以上の速度検出装置及び駆動機構制御装置の構成において、図2に、第1及び第2センサ7a,7b及びマーク検出回路8a,8bの詳細な構成を示す。なお、図2は、互いに同じ構成の第1及び第2センサ7a,7bのうちの何れか一方、並びに、互いに同じ構成のマーク検出回路8a,8bのうちの何れか一方の構成を表しており、実際はこれを2つずつ使用する。
第1及び第2センサ7a,7bは、ともに構成は同じで、図2における符号7(7a,7b)で示す破線内に示すように構成されている。第1及び第2センサ7a,7bは、図2に示すように、LED71とフォトダイオードアレイ72(以下、フォトダイオードアレイ721〜724ともいう)とによって光源と受光部が構成されている。そして、LED71から発光されて移動体1の検出マーク2で反射した光がフォトダイオードアレイ72(721〜724)で受光される。
ここで、図2におけるLED71の動作に関して説明する。LED71のアノード側には一定のプラス電圧が加えられており、LED71のカソード側には、差動アンプ75の出力が接続されている。この差動アンプ75には、符号95で示す目標電圧Tgt(=基準光量相当)と、電流電圧変換アンプ73の電流電圧変換アンプ731〜734の対応する各抵抗器96を介して送られる検出電圧(=受光量)とが接続されている。
この回路構成により、検出電圧(=受光量)が小さくなった場合(=受光量が小さい)には、差動アンプ75のカソードにマイナスの電圧がかかり、LED71のアノードにかかる電圧が大きくなって発光が強くなる。一方、検出電圧が大きくなった場合(=受光量が大きい)には、差動アンプ75のカソードにプラスの電圧がかかり、LED71のアノードにかかる電圧が小さくなって発光が弱くなる。
以上の動作によって、フォトダイオードアレイ72(721〜724)に入力される光量は、一定になるように差動アンプ75によってフィードバック制御される。
フォトダイオードアレイ721〜724の各間隔は、移動体1上に周期的に配置された被検出マーク2の所定ピッチPmの略光学倍率/4[倍]になるように設定されている。例えば、発散光束光源LEDを使用し、光源であるLED71から移動体1までの距離、移動体1からフォトダイオードアレイ72までの距離との往路復路比が1:1の場合、フォトダイオードアレイ72上でのイメージ像倍率が2倍になる。そのため、フォトダイオードアレイ72上の被検出マーク2の間隔も2倍になる。
本実施形態においては、この周期を4分割しているため、フォトダイオードアレイ721〜724の間隔は、移動体1上のマーク周期の光学倍率/4[倍]、すなわち1/2[倍]となる。
被検出マーク2の検出周期に対してフォトダイオードアレイ721と723、及びフォトダイオードアレイ722と724の検出周期信号は、180度の位相関係にある。また、フォトダイオードアレイ721と722、及びフォトダイオードアレイ723と724の検出周期信号は、90度の位相関係となる。
フォトダイオードアレイ721〜724の出力は、電流電圧変換アンプ73(以下、電流電圧変換アンプ731〜734ともいう)で電圧出力に変換される。さらに、互いに180度位相の異なる電流電圧変換アンプ731と733の出力が、差動アンプ回路74の差動アンプ741で差動出力を所定の基準電圧に対して出力される。同様に、電流電圧変換アンプ732と734の出力が、差動アンプ742による差動出力として所定の基準電圧に対して出力される。
これにより、同相ノイズ、及びDC光成分に対応するDC電圧出力の除去を行っている。このため、差動アンプ回路74の差動アンプ741,742の出力は、基準電圧を中心に90度位相の異なる疑似正弦波となる。
マーク検出回路8a,8bは、ともに構成は同じで、図2の符号8で示す破線内に示すように構成され、差動アンプ741,742の出力をコンパレータ811,812に入力し、比較電圧82と比較し、位相の90度異なるPA,PBの2値化出力を得る。
図3に、差動アンプ741,742の出力である疑似正弦波信号と、コンパレータ811,812の2値化出力波形の出力(2値化出力)である信号PA,PBとを示す。
次に、図4を参照して、図1に示した第1センサマーク検出時刻記憶処理回路10、区間遅延時間推定回路20、同一マーク特定回路30、区間速度算出回路40の詳細なブロック図を示し、処理動作に関して説明する。
第1センサマーク検出時刻記憶処理回路10は、第1タイマラッチ回路101及びタイマ値メモリ102を有している。
区間遅延時間推定回路20は、第1マーク周期異常検出回路202、第2マーク周期異常検出回路204、第1基準速度算出処理回路203、第2基準速度算出処理回路205、第3基準速度算出処理回路206、区間遅延時間推定処理回路208を有している。
区間速度算出回路40は、区間検出時間異常判定回路401、区間時間補間処理回路402を有している。
タイマ90は、不図示のクロック(本実施形態では100MHz)でカウントアップを続けるタイマである。
第1センサマーク検出時刻記憶処理回路10では、移動体1の移動方向に対し先行して被検出マーク2を検出する第1センサ7aからマーク検出回路8aを経由したマーク検出信号1を入力として、第1センサ7aのマーク検出時刻を出力し、記憶処理する。
マーク検出信号1として、第1センサ7aで検出したマーク検出信号1をマーク検出回路8aにより2値化処理した2値化マーク検出信号を用いる。本実施形態では、図2に示すコンパレータ811の出力である信号PAを使用する。
第1センサマーク検出時刻記憶処理回路10は、第1タイマラッチ回路101にて、タイマ90のタイマカウント値をマーク検出信号1の立ち上がりエッジでラッチする。
第1タイマラッチ回路101でラッチしたタイマカウント値を、タイマ値メモリ102に記憶する。このタイマ値メモリ102のサイズは、2つのセンサ間隔分のマーク数以上あればよく、本実施形態では、2つのセンサの間隔の中に存在するマークの数は、約20個(≒10mm/0.5mm)なので、それ以上の数があればよい。タイマ値メモリ102は、タイマカウント値を検出した順に記憶する。
これと同時に、区間遅延時間推定回路20の第1マーク周期異常検出回路202において、クロックでマーク検出信号1のマーク周期の測定と、異常判定を行う。この異常判定では、測定したマーク検出周期時間が所定時間内に収まっているか否かを判定する。この判定情報とマーク周期情報201とに基づき、第1基準速度算出処理回路203にて第1基準速度の算出処理を行う。
また、区間遅延時間推定回路20では、マーク検出信号2に対しても第2マーク周期異常検出回路204にて同様な処理を行う。つまり、移動体1の移動方向に対し後行して被検出マーク2を検出する第2センサ7bからマーク検出回路8bを経由したマーク検出信号2を入力として、第2センサ7bのマーク検出時刻を、第2マーク周期異常検出回路204に出力する。第2マーク周期異常検出回路204では、マーク周期時間の測定とその異常判定を行う。この判定情報とマーク周期情報201とに基づいて、第2基準速度算出処理回路205にて第2基準速度の算出処理を行う。
ベルト基準速度の算出処理は、検出したマーク周期時間の所定個数の平均値と、所定ピッチPmの実力値とから、速度算出処理を行う。この際、ゴミ傷等による被検出マーク周期の誤差やマーク検出の欠落は、ベルト基準速度の誤差を招き、区間遅延推定時間の精度を損なうため、異常判定で異常有りの場合には、平均値算出の対象から除外する。除外の方法としては特に限定するものではないが、異常判定の場合は一つ前の値を代用する、或いは、平均値個数を減数する等も考えられる。
また、平均値算出の個数としては、検出速度の周波数成分(帯域)を区間検出速度の周波数成分(帯域)に合せること、すなわち、2つのセンサ間隔分のマーク周期数の平均とすることが望ましい。ここでは、前述したように20個の平均値となる。
なお、パルス異常判定の閾値としては、区間検出におけるマーク特定を正確に行うために、平均値算出時の概略速度誤差を区間検出におけるマーク特定の±1/2[個]の誤差内、ここでは少なくとも1/20区間長誤差の精度に収める必要がある。さらに、マーク周期精度の実力値等を加味した閾値の設定が必要となる。
以上説明したように、基準速度の算出処理では、検出したマーク周期時間において異常値と判定したものを除外して平均化処理を行い、この値とマークピッチ間隔から、平均速度を算出する。さらに、これら処理は、マーク検出信号1,2に対して同様の処理が可能なため、それぞれ個別の処理を第1基準速度算出処理回路203及び第2基準速度算出処理回路205において行う。そして最終的には、これらの平均値を第3基準速度算出処理回路206にて更に平均化処理を行い、最終的なベルト基準速度を算出する。
以上のように、マーク検出信号1,2を用いた基準速度算出処理を第1基準速度算出処理回路203と第2基準速度算出処理回路205で行った後、第3基準速度算出処理回路206で更に平均化処理を行うことで、より高い精度での基準速度算出を可能にできる。
本実施形態では、基準速度検出に関して、マーク検出回路8bの信号PAのパルス周期から算出したが、マーク周期時間検出以外の速度検出方法を用いることができる。例えば、マーク検出回路8a,8bの2値化出力である信号PA,PBの出力周期に対して90°位相差となるPA出力とPB出力との時間差等がある。
なお、上記説明では、マーク検出回路8bの信号PAのパルス周期のみを使用したが、これらを複数用いて基準速度を検出すれば、ピッチ誤差の平均化効果により基準速度の確度を高めることが可能となる。
90°位相差となるPA出力とPB出力との時間差を利用する場合は、平均値算出の個数等は上述の考えに基づいて最適化すればよい。これらは、処理負荷や回路負荷と必要基準速度精度との兼ね合いで決定すればよく、処理負荷の低減を優先する場合には、マーク検出信号1或いはマーク検出信号2のいずれかに限定した使用でも、本発明から逸脱するものではない。
本実施形態では、移動体1上のマーク周期時間の計測により基準速度を算出しているが、基準速度の精度如何によっては、移動体1を駆動している駆動ローラ5の回転速度を検出し、この回転速度から移動体1の基準速度を求め、適用することも可能である。
上述したベルト基準速度を求めた後、区間遅延時間推定回路20では、区間遅延時間推定処理回路208にて、ベルト基準速度と2つのセンサ間距離207(所定距離L)から区間遅延推定時間を、次式により算出する。
区間遅延推定時間=センサ間距離(L)/ベルト基準速度
区間遅延推定時間=センサ間距離(L)/ベルト基準速度
また、区間遅延時間の推定精度を向上させるために、所定時間経過後ベルト基準速度を区間速度検出結果に変更することが考えられ、区間速度更新の直前の区間速度を基準速度とするように切り替えても良い。この場合、ベルト搬送速度が安定状態になるまでの期間は、マーク検出回路8a,8bのマーク検出周期や位相差を用いて区間遅延時間の推定を行い、速度が安定状態になった後、区間速度検出の結果を元に区間遅延時間の推定を行うことが望ましい。
同一マーク特定回路30は、第2センサ7bからのマーク検出信号2に係る検出タイマ値2と、区間遅延時間推定回路20からの区間遅延時間とを入力として、第1センサ7aでの検出タイマ値1の推定値を算出する。そして、タイマ値メモリ102内から同一マークによる検出タイマ値1を特定し、それぞれのタイマ値1,2を出力する。なお、マーク検出信号2は、マーク検出信号1と同種の検出信号、例えば信号PAを使用する。
タイマ値メモリ102は、第1及び第2センサ7a,7bが任意の被検出マーク2をそれぞれに検出した時刻(検出タイマ値1,2)と、検出した被検出マーク2に対応するように付されるアドレス(不図示)とを記憶する記憶手段を構成する。
図5に、同一マーク特定回路30による同一マーク特定シーケンスを示し、説明を加える。
即ち、区間速度検出が開始されると、ステップS1では、区間速度検出時、タイマ値1をラッチした第1センサ7aのマーク検出信号1と同種/同極性のマーク検出信号2を使用し、マーク検出信号2でラッチしたタイマ値2の取得更新を判断する。
ステップS2において、タイマ値2の取得更新が発生した場合、このときのベルト基準速度から、区間遅延時間推定回路20により第1センサ推定タイマ値を算出する。
次に、探索アドレスを元に、タイマ値メモリ102から第1センサ7aのタイマ値を取得する。そして、ステップS3において、この第1センサメモリ値(タイマ値)と、第1センサ推定タイマ値との差分の絶対値を計算する。
さらにステップS4において、差分絶対値が最小となるアドレスを探索する。現計算値と前回の計算値(アドレス−1の計算値)とを比較して、現計算値が前回の計算値より大きくなるアドレスを特定する。現計算値>前回の計算値を満たさない間は、メモリアドレスを1インクリメントして、ステップS3の処理を繰り返す。
ステップS5において、特定した「メモリアドレス−1」のタイマ値が、差分絶対値が最小となるアドレスなので、そのアドレスの第1センサ7aのタイマ値を検出タイマ値1として、同一マーク特定回路30から出力する。
マーク検出信号2でラッチしたタイマ値2の取得更新毎に、同様のシーケンスを区間速度検出中に繰り返すことにより、区間速度検出中は、常にマーク特定動作を実施する。
ここで、図6に、同一マーク特定シーケンスの概念図を示す。図6における横軸は、第2センサ7bにより被検出マーク2が検出され、タイマ値2が更新された時刻tを示しており、矢印により検出時刻が示されている。縦軸は、第1センサ7aと第2センサ7bとの検出時刻差、即ち、タイマ値差を示しており、速度に相当する情報である。
図6中、黒塗りの丸は、確定した区間時間を示している。白抜きの丸は、基準速度から算出した第1センサ7aと第2センサ7bとの時刻差の区間推定時間を示している。黒塗り三角は、第2センサ7bのマーク検出時刻tnにおける、第1センサ7aのマーク検出タイマ値の複数のメモリ値(Mk:kはアドレス値)との差分値を表しており、区間検出時刻差の候補値となる。
なお、本実施形態におけるマーク特定シーケンスでは、白抜きで示す区間推定時間に基づいて、黒塗り三角で示す複数のタイマメモリ値(Mk)から最も確からしい第1マーク検出時刻を特定する。
次に、図1及び図4に示す区間速度算出回路40の処理動作について説明する。区間速度算出回路40は、区間検出時間異常判定回路401及び区間時間補間処理回路402を有している。区間速度算出回路40は、同一マーク特定回路30からの検出タイマ値1及び検出タイマ値2の2つの出力と、区間遅延時間推定回路20からの区間遅延推定時間とに基づいて区間速度を算出し、制御部50に出力する。
ここでは、まず検出タイマ値1と検出タイマ値2から、2つのセンサ間を同一マークが通過する時刻差、すなわち区間時間TLを算出する。
さらに、区間検出時間異常判定回路401で、まず、区間時間TLと、区間遅延時間推定回路20が出力する区間遅延推定時間との差分を計算し、その計算結果が所定時間内に収まっているか否かで異常判定を行う。異常判定の閾値は、マーク検出周期の±1/2を上限とし、算出基準速度の精度等を加味し、さらに狭い範囲を設定することが望ましい。
引き続き、上記の異常判定結果に基づいて、区間時間補間処理回路402において補間処理を行う。異常判定結果が異常無しの場合には、検出タイマ値1、検出タイマ値2から差分算出した区間時間TL値をそのまま区間時間値として出力する。それに対し、異常判定結果が異常有りの場合には、区間時間TL値に補間処理を施して出力値を決定する。補間処理に関しては、所定時間内の区間検出時間の平均値を出力する、もしくは前回の区間検出時間を維持する等が考えられる。
なお、これら異常判定処理及び補間処理は、後述する第2の実施形態においても同様に適用することができる。
以上説明した区間時間異常判定並びに異常時の補間処理を行った結果の検出区間時間と、2つのセンサ間距離(所定距離L)とから速度を算出し、制御部50に検出速度を出力する。なお、本実施形態では、制御部50への出力を速度としたが、算出区間時間をそのまま出力する形態も考えられる。
さらに、図7に、第1センサ7a、第2センサ7bにおいて、マーク検出エラーが発生した場合の、本実施形態における検出区間時間の検出挙動に関して説明する。なお、図7は、本実施形態におけるマーク検出エラー発生時の速度検出動作を説明するための図である。
図中、マーク検出信号前半部は、第1センサ7aにてマークMkを検出する時刻T1k近傍時刻での2つのマーク検出信号1及び2を示している。マーク検出信号後半部は、第2センサ7bにてマークMkを検出する時刻T2k近傍時刻での2つのマーク検出信号1及び2を示している。
図7の(a)は、第1センサ7aにおいて、マークMkのマーク検出エラーが発生せず、第2センサ7bにおいて、マーク検出エラーが発生した場合を示している。図7(a)における下側の図は、第2センサ7bにおいて、マークMkのマーク検出エラーが発生した場合を示している。この場合、第2センサ7bのタイマ値更新が行われないため、特にマーク同定処理動作が実施されず、出力される区間速度が保留状態となる。図5のシーケンス図で説明したように、第2センサ7bのタイマ値更新が区間時間更新の最優先条件となる。
図7の(b)は、第1センサ7aにおいて、マークMkのマーク検出エラーが発生し、第2センサ7bにおいて、マーク検出エラーが発生しない場合を示している。この場合、第2センサ7bのタイマ値更新により同一マーク特定の探索が開始され、区間遅延時間が最小となるアドレスのタイマ値が検出タイマ値1として同一マーク特定回路30から算出される。
しかし、検出した区間時間と区間遅延時間推定値との差分が閾値を越えるため、区間検出時間異常判定回路401にて区間時間異常と判定し、区間時間を、上述したように補間処理を行った結果に更新する。
なお、上述の各場合において、基準速度算出処理では、前述したように各センサに対応してマーク周期異常が検出され、基準速度算出の計算対象から除外して基準速度算出が行われるため、区間時間推定におけるマーク周期異常の影響は抑制されている。
以上説明した区間時間算出処理に基づき、算出した区間速度或いは区間時間を制御部50に出力する。制御部50は、この区間速度或いは区間時間に基づいて駆動モータ6の駆動を制御し、駆動ローラ5による移動体1の移動速度を制御する。
なお、本実施形態では、移動体1の移動方向が一方向である場合に限定した構成としている。しかし、記憶手段を、第1センサ7aと同様に第2センサ7bにも備える構成、或いは切り換える構成として、移動方向に応じて処理を対応させれば、双方向移動に対応できることは明らかである。
本実施形態では、光学式センサを例に挙げて説明を行ったが、センサ種やマーク形態は特に限定されるものではなく、磁気式や静電式のセンサに対応するマーク形態であっても、本発明を適用することは可能であり、本発明から逸脱するものではない。
また、本実施形態の駆動機構制御装置として、画像形成装置110に搭載したものを例に挙げて説明したが、本発明に係る速度検出装置の適用形態は、これに限定されるものではない。
例えば、産業機器システム等におけるステージ等の駆動機構制御装置等にも適用可能であり、速度検出装置の検出速度情報に基づいてステージ等の駆動機構を制御することができる。この場合、基準速度検出手段としての第1センサマーク検出時刻記憶処理回路10での概略速度の検出は、上記駆動機構制御装置の駆動信号或いは駆動部(不図示)における変位計測信号に基づいて算出することができる。以上のように、速度検出装置の適用先は特に限定されるものではない。
以上の本駆動機構制御装置は、前述の速度検出装置を有すると共に、スケール部材が取り付けられた無端状ベルト部材である移動体1を駆動するベルト駆動機構と、速度検出装置からの検出速度情報に基づきベルト駆動機構を制御する制御部50とを備える。上記ベルト駆動機構は、駆動ローラ5と駆動モータ6とにより構成される。これらの構成は、後述する第2の実施形態においても同様である。
以上の本実施形態によれば、同一マーク特定回路30が、区間遅延時間推定回路20による時間情報と、移動体1の回動方向下流の第2センサ7bによるマーク検出時刻とに基づき、上流の第1センサ7aにおける同一マークの検出時刻を推定する。そして、この推定時刻に対して最も確からしい第1センサ7aのマーク検出時刻を逐次特定する。更に、それぞれの時刻差から、区間速度算出回路40で検出速度を算出する。これにより、同一マークの特定精度を大幅に向上することができ、移動体1のより正しい速度を検出することができる。
さらに、区間速度算出回路40の区間検出時間異常判定回路401にて、算出した区間検出時刻差の推定時間と検出区間時間との差による同一マーク特定の良否判定(異常判定)を行うことができる。この判定結果を利用することで、傷やごみの周辺で検出信号の歪により検出周期が変化し、さらに未検出状態に至ったような場合でも、同一マークを誤って特定することなく、速度の誤検出を確実に回避することが可能になる。
そして、第1及び第2センサ7a,7bのそれぞれが傷や汚れによる不良の影響を受ける期間のみ速度検出を行わない、或いは、補間等処理により検出速度を決定する構成を備える。このため、傷や汚れの影響を抑制した精度の高い速度検出を行うことができ、速度情報を入力とする制御部50による制御誤差の増大を抑制し、駆動機構に過大な駆動力を発生させず、駆動物の速度安定性を向上させた駆動機構制御装置を実現できる。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る第2の実施形態における速度検出装置及び駆動機構制御装置について、図9を用いて説明する。本実施形態における基本的な構成は第1の実施形態と同様であるが、本実施形態では特定位置検出回路9a,9b及びセンサ間距離測定回路80が追加されている。
次に、本発明に係る第2の実施形態における速度検出装置及び駆動機構制御装置について、図9を用いて説明する。本実施形態における基本的な構成は第1の実施形態と同様であるが、本実施形態では特定位置検出回路9a,9b及びセンサ間距離測定回路80が追加されている。
本実施形態では、無端ベルト状の移動体1上には、所定ピッチPm(例えばPm=500μm)で、移動体1の移動方向に連続的に複数の被検出マーク2が設けられている。被検出マーク2は、薄いテープ状の樹脂上に形成され、移動体1の画像形成領域外における外周面全周に亘って貼り付けられている。
また移動体1上には、被検出マーク2とともに、ベルト周方向の基準位置を示す基準マークが設けられており、本実施形態では、この基準マークとして、図11に示すマーク列の繋ぎ目部分(継ぎ目部分)2aを用いている。この繋ぎ目部分2aは、複数の被検出マーク2の中にあって識別可能な特殊マークを構成している。つまり、複数の被検出マーク2には、他の被検出マーク2と識別可能な特殊マークとしての繋ぎ目部分2aが含まれている。
なお、図9では便宜上、繋ぎ目部分2aと共に検出マーク2が移動体1の内周面に位置するように描かれているが、実際は上記のように移動体1の外周面に設けられている。また、移動体1の内周面全周に被検出マーク2及び繋ぎ目部分2aを設けるように構成することもでき、その場合、第1及び第2センサ7a,7bは移動体1の内周面側に配置される。なお、スケール部材として、移動体1に被検出マーク2及び繋ぎ目部分2aを直接形成する構成とすることもできる。
第1及び第2センサ7a,7bはそれぞれ、内部のLEDから発光した光を移動中の移動体1上の被検出マーク2に反射させて読み取る。第1及び第2センサ7a,7bの各出力は、マーク検出回路8a及び特定位置検出回路9aと、マーク検出回路8a及び特定位置検出回路9bとにそれぞれ入力される。
特定位置検出回路9a,9bでは、上述の基準マーク(特殊マーク)としての繋ぎ目部分2aを検出し、その検出信号をセンサ間距離測定回路80に出力する。
センサ間距離測定回路80は、基準速度情報と特定位置検出回路9a,9bとの出力から、第1及び第2センサ7a,7bのセンサ間距離を算出し、その算出値を、区間遅延時間推定回路20に出力する。
なお、特定位置検出回路9a,9bは、第1センサ7aが繋ぎ目部分2aを検出した時刻と第2センサ7bが繋ぎ目部分2aを検出した時刻との時間差を検出する特殊マーク検出時刻差検出手段を構成する。
また、センサ間距離測定回路80は、特定位置検出回路9a,9bの出力情報と第1センサマーク検出時刻記憶処理回路10の出力情報とに基づき、第1センサ7aと第2センサ7b間の距離を測定するセンサ間距離測定手段を構成する。このセンサ間距離測定手段としてのセンサ間距離測定回路80で測定された距離は、第1及び第2センサ7a,7b間の所定距離とされる。
まず、図10を用いて、特定位置検出回路構成について説明する。なお、図10は、本実施形態における第1及び第2センサ、マーク検出回路、基準マーク(特殊マーク)検出回路のブロック図である。特定位置検出回路9a,9bは、ともに構成は同じであり、図10中の9の破線内に示すように構成されている。図10における7,8の破線内の構成は、第1の実施形態における図2と同様である。
特定位置検出回路9(9a,9b)は、コンパレータ91と、比較電圧(Th)92とを有している。コンパレータ91は、一方の端子に入力される比較電圧92と、他方の端子に入力される電流電圧変換アンプ731〜734の平均出力電圧とを比較して、デジタル出力PSを出力する。ここで、デジタル出力PSは、比較電圧92よりも平均光量が大きいときにHighとなるように設定されている。
次に、図11を用いて、特定位置検出回路9a,9bの動作及び処理に関して説明する。図中、コンパレータ91のデジタル出力PSと、平均受光光量と、移動体1上の被検出マーク2の様子とを示したものである。
被検出マーク2は、図中に示すように反射率の高い部分(白抜き部分)と低い部分(黒塗り部分)とで構成され、被検出マーク2の間隔は所定ピッチPmとされている。通常、平均受光光量は、目標電圧(Tgt)となるようにLED71の発光量がAPC制御(光量調整制御:Auto Power Control)されている。
第1及び第2センサ7a,7bにおけるLED71の光は、複数の被検出マーク2を同時に照射している。被検出マーク2が連続している部分では、反射率の高い部分と低い部分との平均的な反射率となっているが、被検出マーク2が繋ぎ目部分2aにくると、被検出マーク2が無くなり、反射率が低い部分だけとなる。
繋ぎ目部分2aでも、平均受光光量はTgt値になるようにAPC制御されているので、反射率が低い分だけLED71の電流を多く流そうとするが、実際にはAPC制御応答時間により、図11に示すように一旦平均受光光量は低下する。
その後、APC応答により、LED71の光量出力が増大し、平均受光光量は上昇するが、この時点で繋ぎ目部分2aを通過し、再び被検出マーク2が有る部分に達すると、図11に示すように反射光量が上がる。今度は、平均受光光量がTgt値を超え、さらに比較電圧(92)Thを超えることになる。その後、APC制御応答により、平均受光光量はTgt値へと再び収束する動作となる。
コンパレータ91は、この平均受光光量が比較電圧Thを超える状態を検出し、特定位置検出信号としてのデジタル出力PSを出力する。なお、ここまで説明した図10に相当する部分は、ひとつのセンサパッケージ内にICとして実装可能なものである。
次に、図9に示したセンサ間距離測定回路80について、図12を参照して詳細に説明する。なお、図12は、本実施形態におけるセンサ間距離測定回路80のブロック図である。
図12に示すように、センサ間距離測定回路80は、ラッチ回路601,602及びセンサ間距離算出回路603を有している。特定位置検出信号1,2はそれぞれ特定位置検出回路9a,9bの出力信号であり、また基準速度情報Vrefは、区間遅延時間推定回路20で算出した情報である。センサ間距離測定回路80には、これら特定位置検出信号1,2及び基準速度情報Vrefと、タイマ値とがそれぞれ入力されている。
ラッチ回路601,602は、それぞれ、特定位置検出信号1,2の立ち上がりエッジでタイマ値をラッチする。
センサ間距離算出回路603では、ラッチ回路602から出力されたタイマカウント値から、ラッチ回路601から出力されたタイマカウント値を減算し、特定位置検出信号の時間差を演算する。この時間差は、第1及び第2センサ7a,7b間を、特定位置である繋ぎ目部分2aが通過する区間時間(時間差)TLである。
この区間時間TLと基準速度情報Vrefとから、
L=Vref×TL
として、第1及び第2センサ7a,7bのセンサ間距離(所定距離L)を算出することができる。なお、この時の基準速度情報Vrefは、特定位置検出信号の検出時刻近傍の基準速度情報を使用することが望ましい。
L=Vref×TL
として、第1及び第2センサ7a,7bのセンサ間距離(所定距離L)を算出することができる。なお、この時の基準速度情報Vrefは、特定位置検出信号の検出時刻近傍の基準速度情報を使用することが望ましい。
センサ間距離測定回路80は、算出したセンサ間距離(所定距離L)を出力し、区間遅延時間推定回路20における区間センサ間距離として利用する。なお、センサ間距離を算出する動作は、例えば工場出荷時やベルト搬送スタート時等に実施すれば良い。
また、この処理におけるセンサ間距離検出精度は、基準速度を検出する手法に依存し、例えば、本実施形態ではマーク周期精度に依存するが、例えば、設計における2つのセンサの基板上への実装精度等と比較すると十分高い精度で検出が可能である。
また、本実施形態において示すような画像形成装置110においては、速度変化の相対速度変化の検出精度が要求されるため、本実施形態に示す形態は十分効果がある。
以上のような本実施形態によっても、先の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
1…無端状ベルト部材(移動体)、2…複数の被検出マーク、2a…特殊マーク(繋ぎ目部分)、5,6…ベルト駆動機構(駆動ローラ,駆動モータ)、7a…第1センサ、7b…第2センサ、9a,9b…特殊マーク検出時刻差検出手段(特定位置検出回路)、10…基準速度検出手段(第1センサマーク検出時刻記憶処理回路)、20,30…同一マーク検出時刻特定手段(区間遅延時間推定回路,同一マーク特定回路)、40…相対速度算出手段(区間速度算出回路)、50…制御部、80…センサ間距離測定手段(センサ間距離測定回路)、102…記憶手段(タイマ値メモリ)、401…異常判定手段(区間検出時間異常判定回路)、402…補間処理手段(区間時間補間処理回路)、Pm…所定ピッチ
Claims (7)
- 所定ピッチで連続する複数の被検出マークを有するスケール部材と、
前記所定ピッチより大きい所定距離だけ離れ且つ前記被検出マークに対向する状態で前記被検出マークを検知し、前記スケール部材と相対移動する第1センサ及び第2センサと、
前記第1センサと前記第2センサとのうちの少なくとも一方と前記スケール部材との相対移動時における基準速度を検出する基準速度検出手段と、
前記第1センサ及び前記第2センサが任意の前記被検出マークをそれぞれに検出した時刻と、前記検出した被検出マークに対応するアドレスとを記憶する記憶手段と、
前記基準速度検出手段の出力情報に基づき、前記記憶手段に記憶された前記アドレスと前記時刻とから、前記第1センサと前記第2センサとが同一マークを検出した時刻を特定する同一マーク検出時刻特定手段と、
前記同一マーク検出時刻特定手段の出力情報に基づき、前記第1センサ及び前記第2センサと前記スケール部材との相対速度を算出する相対速度算出手段と、を備える、
ことを特徴とする速度検出装置。 - 前記基準速度検出手段は、
前記第1センサと前記第2センサとのうちの少なくとも一方による前記被検出マークのマーク周期検出時間と、前記第1センサと前記第2センサとの間の前記所定距離とに基づき、前記基準速度を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の速度検出装置。 - 前記基準速度検出手段は、
前記第1センサ及び前記第2センサの双方を用いて前記基準速度の検出する場合に、前記第1センサを用いて検出した前記基準速度と、前記第2センサを用いて検出した前記基準速度とを平均化処理する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の速度検出装置。 - 前記複数の被検出マークが、他の被検出マークと識別可能な特殊マークを含み、
前記第1センサが前記特殊マークを検出した時刻と前記第2センサが前記特殊マークを検出した時刻との時間差を検出する特殊マーク検出時刻差検出手段と、
前記特殊マーク検出時刻差検出手段の出力情報と前記基準速度検出手段の出力情報とに基づき、前記第1センサと前記第2センサとの間の距離を測定するセンサ間距離測定手段と、を有し、
前記センサ間距離測定手段で測定した距離を前記所定距離とする、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の速度検出装置。 - 前記相対速度算出手段で算出された相対速度が閾値内にあるか否かを判定することに基づいて異常の有無を判定する異常判定手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の速度検出装置。 - 前記異常判定手段が異常有りと判定した場合に前記相対速度に補間処理を施して出力する補間処理手段を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の速度検出装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の速度検出装置と、
前記スケール部材が取り付けられた無端状ベルト部材を駆動するベルト駆動機構と、
前記速度検出装置からの検出速度情報に基づいて前記ベルト駆動機構を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする駆動機構制御装置。
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