JP2014106169A - 電位差測定のための電位差計および電位差測定方法 - Google Patents

電位差測定のための電位差計および電位差測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高電圧の計測に用いられてきた電気光学効果(ポッケルス効果)を利用した電位差測定において、高電圧のみならず、商用電源から発生されるような低強度電界の低電圧の測定にも適応可能な電位差計を提供する。
【解決手段】電気光学効果を利用した電位差測定のための電位差計は、対向する第1および第2の表面を有する光学結晶10’、この光学結晶表面上に密着被覆され計測光が入射および出射される第1および第2の透明電極11a、11b、ならびに光学結晶の第1および第2の表面のうち第1および第2の透明電極以外の表面上に密着被覆される反射ミラーとして機能する第1および第2の金属電極15a、15bであり、電位差を計測すべき一対の被測定端子に接続され、第2透明電極から出射される計測光の強度に基づいて、一対の被測定端子の間の電位差を算出可能とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電圧が印加された導体についての電位差計および電位差測定方法に関し、さらに特定すれば、交流電圧が印加された導電線の電圧を直接接触する必要がなく測定可能とする非接触型の電位差測定のうち、電気光学効果(ポッケルス効果)を利用した光電位差計に関するものである。
導体に印加された電圧を測定するには、一般に、導体と計測器の配線を直接接続し導通を得ることで測定する方法が用いられている。しかしながら、この方法では、測定対象が被覆導線のような場合には被覆を除去する必要があり、その上で導線に配線を行わなければならなかった。
これに対し、このような接触状態での配線を必要とせず、すなわち、測定対象に対して非接触状態で電位差測定を可能とする方法も提案されてきた(特許文献1)。その中でも、電気光学効果(ポッケルス効果)を利用した測定方法が知られている。電気光学効果とは、物質に電界を印加することにより誘電率の異方性が発生する(つまり複屈折が生じる)という現象の総称であり、この電気光学効果を利用することにより、複屈折の結果として生じる位相差を測定して電位差を求めることができる(特許文献2)。
より具体的には、特許文献2は、ポッケルスセンサを備えた光応用計器用変圧器について開示する。このポッケルスセンサは、いわゆる縦型変調のポッケルスセンサであり、高電圧についての測定を可能としてきた。なお、縦型変調のポッケルスセンサとは、電界が印加される方向と光が透過する方向が同じ向きとなるポッケルスセンサのことである。電気光学効果(ポッケルス効果)は、結晶の3方向からの電界がそれぞれ複合した形で現れるというものであり、透過光の方向を適切に選ぶと、特定の方向の電界だけ影響するように構成することができる。つまり、縦型方式では、光を通す向きと同じ方向の電界のみを検出する。
このような従来技術のポッケルス効果を利用した一般的な非接触状態での電位差測定について、図1及び数式を用いてさらに説明する。
図1は、従来技術による電位差計が備える測定素子を示している。この測定素子は、物質、すなわち光学結晶(BGO)10、およびこのBGO10の対向面に透明電極1a,1bを備えている。また、透明電極1a,1bは、被測定端子2a,2bに結合されており、透明電極間の電位差はVABであり、電界Eを有している。
図示のとおり、入射された測定光は、偏波保持ファイバ3およびロッドレンズ4aを経由し、偏光ビーム・スプリッタ(PBS)6aにより入射光の偏光成分が分岐された後に、λ/4板5を介して入射光の偏光面にλ/4の位相差が与えられる。次いで、BGO10中を電極間の距離Lにわたり透過し、その際に、このBGO10において複屈折が生じる。そして、透明電極1bから出射され、PBS6bを通じ、さらにロッドレンズ4bおよびMMファイバ7を経由して外部(すなわち、電位差を算出するための手段)に出射される。
透明電極1a,1b間において印加される電界の方向は、BGO内を計測光が透過する方向と同じであり、すなわち、図1に示される従来技術の例は、縦型変調方式による電位差測定素子である。縦型変調方式による電位差測定素子は、このように構成することにより、透明電極間の電位差を検出することが可能になる。
具体的には、ポッケルス効果により測定光に生じる位相差Δθは、電極間方向に測定光が移動した距離Lに依存する。実際には、このΔθは、偏光板を用いて物質通過前後での光強度比として検出される。ここで、測定光の波長をλ、電極間の電位差をVAB、物質に印加された電界をE、電界の印加されていないときの物質の屈折率をn、ポッケルス係数をγとすると、光強度比は以下の数式により求めることができる。
ここでVπは半波長電圧と呼ばれ、物質に固有の値である。
上記数式(A)より、ポッケルス効果をより大きくし、電界に対する感度を高めるためには、VAB/Vπの値を大きくすればよく、すなわち、より小さい値のVπを有する物質を適応すること、および/またはVABをより大きくすること(すなわち高電圧計測)が必要となる。
しかしながら、十分な大きさの抵抗率を持ち、また取り扱いの容易な物質で(結晶加工できる十分な大きさの単結晶が容易に製造できる、潮解性がない、人体に無害という意味合いです。)このような小さい値のVπを有するものの存在は現時点で未だ確認されていない。このため、このようなポッケルス効果を利用した公知の電位差の計測は、低電界での計測における感度が不十分であり、主に高電圧計測の用途に制限されるというのが現状である。
横型変調とし、光路長を長くする、結晶を薄くし印加電界を大きくすることも考えられるが、この場合、測定素子が大型化するのみならず、静電容量も大きくなるため現実的ではない。
特開平7−83965号公報 特開2006−275974号公報
本発明は、このように従来技術において高電圧の計測に用いられてきた電気光学効果(ポッケルス効果)を利用した電位差測定について、高電圧のみならず、例えば商用電源から発生されるような低強度電界の低電圧の測定にも適応できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明において、電気光学効果を利用した電位差測定のための電位差計、および電位差測定方法を提供する。
本発明の電気光学効果を利用した電位差測定のための電位差計は、対向する第1および第2の表面を有する光学結晶であって、この第1および第2の表面が光学研磨された光学結晶、光学結晶の第1または第2の表面の端部の近傍に配置される、この表面上に密着被覆される第1および第2の透明電極であって、計測光が入射および出射される透明電極、ならびに、光学結晶の第1および第2の表面のうち第1および第2の透明電極以外の表面上に密着被覆される、反射ミラーとして機能する第1および第2の金属電極であって、電位差を計測すべき一対の被測定端子に接続される金属電極を備えており、第2透明電極から出射される計測光の強度に基づいて、一対の被測定端子の間の電位差を算出可能とすることを特徴とする。
また、本発明の上記電位差計は、従来技術と同様、縦型変調方式の配置とすることができる。すなわち、出射される光の強度が、対向する第1および第2の表面に対する垂直方向の電界成分に基づいて変化する。
ここで、第1および第2の透明電極は、光学結晶の第1および第2の表面の何れか一方の一対の端部の近傍に配置されるか、または、光学結晶の第1および第2の表面のそれぞれの端部であって、対向していない一対の端部の近傍に配置される。
また、一対の被測定端子の一方はグランド線に結合され、その他方は測定対象の導電線の近傍に配置された検出導体に結合されるか、または、その一方は測定対象の導電線の近傍に配置した第1検出導体に結合され、その他方は測定対象の導電線の近傍に配置した第2検出導体に結合される。
さらに、本発明の電位差計は、入射された計測光が、第1透明電極に第1の光ファイバを通じて入射され、第2透明電極から出射された計測光は、さらに第2の光ファイバを通じて出射される。
さらに、本発明の電位差計は、発振器とロック・イン・アンプを備えており、発振器が第1および第2の金属電極の一方とロック・イン・アンプとに結合されており、この発振器が、入射された計測光を一方の金属電極において変調させると共に、ロック・イン・アンプに参照信号を供給するように構成され、このロック・イン・アップが、変調および出射された計測光の電気信号について、参照信号を用いて同期検波を行うように構成される。
加えて、本発明の電気光学効果を利用した電位差計による電位差測定方法は、金属電極に電圧を印加して金属電極間に電界を形成するステップ、一対の透明電極の一方を通じて計測光を入射するステップであって、光学結晶の表面に対して所与の角度をつけて計測光を入射するステップ、反射ミラーにより計測光を光学結晶内で多重反射させるステップ、多重反射された計測光を一対の透明電極の他方を通じて出射するステップ、および、出射された計測光が有する出射強度に基づいて、一対の金属電極間の電位差を算出するステップを含む。
本発明の電気光学効果を利用した電位差測定のための電位差計(および電位差測定方法)は、上記のような構成とすることにより、従来技術にはない新たな効果を奏することができる。
すなわち、本発明の電気光学効果を利用した電位差計は、電位差測定において、従来、光学結晶内を直進させていた計測光を、光学結晶内で多重反射させることによって測定感度の向上を図り、商用電源のような低電位差へも適用可能とするものである。より詳細には、次のような効果を奏することができる。
(1)電磁無誘導性、電気絶縁性、広帯域性などの光測定の特徴を生かした測定を、素子のサイズを大きくすることなく、低電位差領域で実施をすることができる。
(2)高インピーダンス測定において電位差測定対象の導電線とは非接触状態での測定を可能とする。
(3)光の入出力に光ファイバを用いることにより、遠隔地におけるリモートでの計測を可能とする。
(4)電位差測定において変調と同期検波を共に行うことにより、重畳信号の振幅を小さく抑えることができ、電界に対する感度を向上させることができる。
図1は、従来技術の電位差計の測定素子を示す概略図である。 図2は、本発明の実施形態による電位差計の測定素子を示す概略図である。 図3は、従来技術の電位差計を用いて測定した実験結果を示すグラフである。 図4は、本発明の電位差計を用いて測定した実験結果を示すグラフである。 図5は、本発明の電位差計を備える電位差測定装置の一実施例を示すブロック図である。 図6は、本発明の電位差計を備える電位差測定装置の他の実施例を示すブロック図である。 図7は、本発明の電位差計が有する端子が結合する検出子のいくらかの実施例である。
本発明の実施形態に係る電位差計について、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。
上述のとおり、図1のような従来技術の縦型変調方式による電位差測定素子では、高電位差測定には有効である一方、低電界測定では、通常、感度が不足するために適用が困難である。これに対し、図2に示される本発明の実施形態による電位差計の測定素子は、測定光の光路の幾何学的な改善により従来技術による測定感度の向上を可能とする。
図2に示される本実施形態による電位差計の測定素子は、対向する表面を有する光学結晶(BGO)10’、BGO10’の対向面の表面上にそれぞれ密着被覆される一対の金属電極15a,15b、およびBGO10’の対向面の表面上に密着被覆された計測光を入射および出射させるための一対の透明電極11a,11bを備えている。そして、BGO10’の対向面の表面は光学研磨されており、金属電極15a,15bは反射ミラーとして機能するように形成される。金属電極15a,15bは、BGO10’の対向面の表面のうち透明電極11a,11bが密着被覆される部分以外の表面部分上に密着被覆される。また、金属電極15a,15bは、電位差を計測すべき一対の被測定端子に接続される。
なお、好ましくは、一対の透明電極11a,11bは、BGO10’の対向面の表面の端部近傍に配置するのがよい。より詳細には、図2のように一対の透明電極11a,11bは、BGO10’の対向面のうち何れか一方(図2では金属電極15b側)における一対の端部の近傍(図2では向かって左右両端部近傍)に配置してもよく、また、BGO10’の対向面のそれぞれの端部のうち対向していない一対の端部の近傍に配置してもよい(例えば、金属電極15b側且つ向かって左側端部近傍に透明電極11aを、金属電極15a側、且つ向かって右側端部近傍に透明電極11bを配置してもよい)。すなわち、BGO10’の対向面に対して一対の透明電極11a,11bを任意の位置に配置できることは言うまでもない。
さらに、図2において、計測光は、偏波保持ファイバおよび偏光板を経由し、波長板を経由し偏波間に所与の初期位相差を加算して透明電極11aに入射される。
図示のとおり、偏波保持ファイバ13、偏光板16、波長板14,偏光板16’、MMファイバ17は、学結晶の対向面に対し所与の角度傾けて配置されている。つまり、透明電極11aへの計測光の入射は、光学結晶の対向面に対し所与の角度をつけてなされる。この入射角度は、入射光のスポットと往復反射してきた光スポットが重ならないように設定すれば十分である。
このようにして入射された計測光は、反射ミラーによりBGO10’内で多重反射される。このように多重反射させることにより、測定光について、光学結晶の対向面に対する垂直方向に光成分が移動する距離L’が、図1の場合の距離Lと比べて、十分に長いものとなる。すなわち、電極間距離をL、金属電極内での計測光の往復数をnとすると、L’=n×Lとなる。
上記のとおり、ポッケルス効果により測定光に生じる位相差Δθは、上記垂直方向に測定光が移動した距離Lに依存する。すなわち、図2のように、計測光をBGO10’内で多重反射する構成とすることにより、電界に対する感度を向上できることが理解される。この点について以下に数式を用いて説明する。
図2に示される構成とした場合、上記数式(A)に対応する光強度比は下式のとおりとなる。
数式(B)を上記数式(A)と比較すると、等価的にVπがN/2倍になることが理解できる。言い換えると、電界に対する感度が2×N倍に向上されると理解することができる。
測定光は、透明電極11bから出射され、偏光板およびMMファイバを経由して出射される。電位差を計測すべき一対の被測定端子の間の電位差(すなわち、一対の金属電極間の電位差VAB)は、数式(B)のとおり、この透明電極から出射される計測光の強度に基づいて、このような測定素子に接続された算出手段(図示せず)により最終的に算出される。
なお、本発明の実施形態による電位差計とは、上述のような、電位差素子、偏波保持ファイバ13およびMMファイバ17、偏光板16,16’、並びに波長板14を備えるものである。
このように、本発明の本実施形態による電位差計を用いることにより、電磁無誘導性、電気絶縁性、広帯域性などの光測定の特徴を生かした電位差測定を、測定素子のサイズを大きくすることなく低電位差領域で実施をすることができる。
次に、図3および図4を参照して、実際の測定結果に基づいて検証する。
図3は、従来技術の(図1に例示した)電位差計を用いて測定した実験結果を示すグラフである。交流電圧およびインパルス電圧に対する実験データをプロットすると共に、当該結果に基づいて近似直線を描いている。また、実験データの標準偏差σに基づく直線(±σ、±3σ)も描いている。なお、横軸は電極間の電位差(kV)、縦軸は光出力強度(V)を示している。
また図4は、本発明の電位差計を用いて測定した実験結果を示す同様のグラフである。図4では、横軸は電極間の電位差(V)である。
図3に示した測定光電位差感度曲線から考察すると、測定光量に重畳するノイズによる変動分σ(σは測定データの分散を示す)以上の光変位を与える電位差(これを検出可能な最小電位差Vminと定義する)は、図1に例示した従来型の電位差計では、約130Vと読みとれる。これに対し、一例として15往復(すなわち、N=15)の多重反射方式を採用した本発明の電位差計では、図4に示されるとおり、検出可能な最小電位差Vminは約4.3Vであり、ほぼ30倍改善されていることがわかる。
図4の測定に使用した電位差測定装置全体のブロック図を図5に示す。この電位差測定装置は、本発明の実施形態による電位差計(多重反射型ポッケルス電位差計)50、偏波保持ファイバ52を介して電位差計50に測定光を入射するための光源51、および、電位差計50から出射された計測光を光信号から電気信号に変換するためのO/E(光信号−電気信号)変換器54を備えている。
光源51から発せられる測定光は、偏波保持ファイバ52を介して電位差計50に入射される。電位差測定素子50において計測光は透明電極を介して光学結晶内で金属ミラーにより多重反射されて透明電極から出射される。この出射された計測光は、MMファイバ53等を介してO/E(光信号−電気信号)変換器54に供給され、電気信号に変換されて出力される。電位差計50に対し、このように計測光の入出力に光ファイバ52,53を用いることにより、遠隔地における(リモートでの)計測を容易に実現可能としている。
図5に示した本発明の電位差計を備える電位差測定装置の一実施例に対し、図6に示す電位差測定装置の実施例は、さらに、当業者にとって通常用いられる変調技術および同期検波技術を組み合わせたものであり、これにより、測定感度をさらに向上させることができる。具体的には、検出可能な最小電位差Vminを低下させることができる。
図6の電位差測定装置は、図5に記載のものに加え、発振器56およびロック・イン・アンプ57を備え、発振器56とロック・イン・アンプ57に電位差計50が結合されている。また、発振器56は、一対の金属電極の一方とロック・イン・アンプ57とに結合されており、入射した計測光をこの一方の金属電極において変調すると共に、ロック・イン・アンプに参照信号を供給するように構成される。更に、ロック・イン・アップ57は、このように変調および出射され、電気信号に変換された計測光について、この発振器からの参照信号を用いて同期検波を行うように構成される。
図6に示す電位差測定装置は、このような構成とすることにより、重畳信号の振幅を小さく抑え、電界に対する感度を向上させることを可能とする。この点について、以下に数式を用いて説明する。重畳する変調信号をVsin(ωt)とすると、光同期検波出力はベッセル関数を用いて以下のように表される。
数式(C)によれば、光強度比はJ(θ)に依存することが理解できる。J(θ)は、θが1.8radのときに極大値となることから、V=0.57Vπが最適設定となる。すなわち、このような最適設定となるVを採用することが必要となるものの、例えば、測定光の波長λがλ=830nmとした場合にはVπ=46kVとなり、これは現実的に採用できる値とは言えない。したがって、Vをできる限り大きくすることが必要となると理解できる。
ここで、上記数式(B)において測定光が電極間をN回往復するとした場合にVπが等価的にN/2倍になることを考慮すると、上記数式(C)は以下のように変形できる。
上述の電極間の多重反射方式を用いることにより、数式(C’)は、等価的にVは2×N倍となり、小さな変調振幅であっても大きな出力を得ることが可能になることを示している。すなわち、低電界を測定対象とした場合、本方式はVminを一層低下させることが可能になることを示しており、非常に有利なものとなる。
以上説明した本発明の実施形態による電位差計が有する被測定端子に接続される、検出子の実施例について、以下に図7のa〜cを用いて説明する。
図7aおよび7bは、測定対象の導電線70の周囲の電位差を導電線70と非接触状態で検出するものであり、図7cは、測定対象周囲の電位差を導電線70に直接接触して検出するものである。
より具体的には、図7aの実施例では、一対の被測定端子の一方72bをグランド線に結合し、その他方72aを測定対象の導電線の近傍に配置された検出導体に結合することにより、測定対象の導電線70と非接触状態での電位差測定を可能とする。
また、図7bの実施例では、一対の被測定端子の一方72aを測定対象の導電線70の近傍に配置した第1検出導体71a’に結合し、その他方72bを測定対象の導電線70の近傍に配置した第2検出導体71b’に結合することにより、測定対象の導電線と非接触状態での電位差測定を可能とする。
さらに、図7cの実施例では、一対の被測定端子の一方72bをグランド線に結合し、その他方72aを測定対象の導電線70に直接結合することにより、測定対象の導電線と接触状態での電位差測定を可能とする。
すなわち、本発明の実施形態による電位差計は、非接触状態での電位差測定および接触状態での電位差測定のいずれの場合にも適用することができ、いずれの場合を採用しても、電気光学効果(ポッケルス効果)を利用した電位差計測における優れた電気絶縁性にしたがい測定対象に与える外乱を極めて小さくすることができる。
以上、本発明の実施形態による電位差計について説明した。本発明の電位差計の別の実施形態として、光学結晶外において測定光を反射させることにより感度向上を可能とする実施形態がある。上述の実施形態においては、光学結晶面を反射ミラー化することにより光軸調整を簡素化しているのに対し、この実施形態では、光学結晶と金属ミラーの光軸調整が別途必要となる。
上述した本発明の実施形態による測定素子を用いることにより、低電位差から高電位差まで幅広い測定領域を持つ電位差測定計や電位差測定装置を構成することが可能となる。この測定素子は、電磁無誘導性、電気絶縁性、広帯域性などの光測定の特徴を生かしたものとなる。
また、クランプ型のCT素子やホール素子と共に使用することにより、非接触での電力量計を構成することが可能となる。これにより、既存の被覆配線を切断したり、通電状態を停止したりすることなく着脱可能な電力量計を構成することができる。
以上、図面を参照して本発明を詳細に説明したが、上記の説明は例示的な目的でなされたものであり、特徴を限定することを意図するものではない。上記の説明は、単に好適な実施形態を示し説明するためのものであって、本発明の技術的範囲内のすべての変更及び変形は、保護されるべきものである。
1a,1b,11a,11b 透明電極
2a,2b,12a,12b,72a,72b 被測定端子(接続端子)
3,13,52 偏波保持ファイバ
4a,4b ロッドレンズ
5 λ/4板
6a,6b 偏光ビーム・スプリッタ(PBS)
7,17,53 MMファイバ
10,10’ 光学結晶(BGO)
14 波長版(λ/4板またはλ/8板)
15a,15b 金属電極
16,16’ 偏光板
50 多重反射型ポッケルス電位差計
51 光源
54 O/E変換器
56 発振器
57 ロック・イン・アンプ
70 測定対象の導電線
71a,71a’,71b,71b’ 検出導体

Claims (10)

  1. 電気光学効果を利用した電位差測定のための電位差計であって、
    対向する第1および第2の表面を有する光学結晶であって、該第1および第2の表面が光学研磨された光学結晶と、
    前記光学結晶の第1または第2の表面の端部の近傍に配置される、該表面上に密着被覆される第1および第2の透明電極であって、計測光が入射および出射される第1および第2の透明電極と、
    光学結晶の第1および第2の表面のうち前記第1および第2の透明電極以外の表面上に密着被覆される、反射ミラーとして機能する第1および第2の金属電極であって、電位差を計測すべき一対の被測定端子に接続される第1および第2の金属電極と、を備えており、
    前記第2透明電極から出射される計測光の強度に基づいて、前記一対の被測定端子の間の電位差を算出可能とすることを特徴とする、電位差計。
  2. 前記出射される光の強度が、前記対向する第1および第2の表面に対する垂直方向の電界成分に基づいて算出されることを特徴とする、請求項1に記載の電位差計。
  3. 前記第1および第2の透明電極が、前記光学結晶の第1および第2の表面の何れか一方の一対の端部の近傍に配置される、請求項1または2に記載の電位差計。
  4. 前記第1および第2の透明電極が、前記光学結晶の第1および第2の表面のそれぞれの端部であって、対向していない一対の端部の近傍に配置される、請求項1に記載の電位差計。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の電位差計において、前記一対の被測定端子の一方をグランド線に結合し、その他方を測定対象の導電線の近傍に配置された検出導体に結合することにより、前記測定対象の導電線と非接触状態での電位差測定を可能とする、電位差計。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の電位差計において、前記一対の被測定端子の一方を測定対象の導電線の近傍に配置した第1検出導体に結合し、その他方を前記測定対象の導電線の近傍に配置した第2検出導体に結合することにより、前記測定対象の導電線と非接触状態での電位差測定を可能とする、電位差計。
  7. 請求項1から4のいずれか一項に記載の電位差計において、前記一対の被測定端子の一方をグランド線に結合し、その他方を測定対象の導電線に直接結合することにより、前記測定対象の導電線と接触状態での電位差測定を可能とする、電位差計。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の電位差計であって、入射された前記計測光が、前記第1透明電極に第1の光ファイバを通じて入射され、前記第2透明電極から出射された前記計測光は、更に第2の光ファイバを通じて出射される、電位差計。
  9. 請求項8に記載の電位差計において、前記電位差計が発振器とロック・イン・アンプとに結合されており、また、前記発振器が前記第1および第2の金属電極の一方と前記ロック・イン・アンプとに結合されており、
    前記発振器が、入射された前記計測光を前記一方の金属電極において変調させると共に、前記ロック・イン・アンプに参照信号を供給するように構成され、
    前記ロック・イン・アップが、変調および出射された前記計測光の電気信号について、前記参照信号を用いて同期検波を行うように構成されることを特徴とする、電位差測定装置。
  10. 電気光学効果を利用した電位差計による電位差測定方法であって、
    前記電位差計が、光学結晶の対向面にそれぞれ設けられ、電圧が印加される一対の金属電極であって、光学研磨された前記対向する一対の対向面の表面上に密着被覆されて反射ミラーとして機能する金属電極と、前記光学結晶の表面端部の近傍に配置して、表面上に密着被覆される一対の透明電極と、前記一対の金属電極間の電位差を算出する算出手段とを備えており、前記電位差測定方法が、
    前記金属電極に電圧を印加して前記金属電極間に電界を形成するステップと、
    前記一対の透明電極の一方を通じて計測光を入射するステップであって、前記光学結晶の表面に対し所与の角度をつけて前記計測光を入射するステップと、
    前記反射ミラーにより、前記計測光を前記光学結晶内で多重反射させるステップと、
    前記多重反射された計測光を前記一対の透明電極の他方を通じて出射するステップと、
    前記出射された計測光が有する出射強度に基づいて、前記一対の金属電極間の電位差を算出するステップと、を含む電位差測定方法。
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