JP3702962B2 - 透磁率測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低周波数帯域から高周波数帯域まで高精度に磁界情報を取得して磁性材料の透磁率を正確に測定する透磁率測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁性材料の透磁率の測定にはインダクタンス法やヨーク法等が利用されている他、下記の特許文献1、2に開示された透磁率測定装置も高周波透磁率測定用としてそれぞれ知られている。この内の例えば特許文献1には、図5に示すように磁性試料Mを挿入する貫通穴を有した測定用コイル116が、磁界発生用コイル112内に設置された構造となる透磁率測定装置が開示されている。
【0003】
この透磁率測定装置では、高周波電源114からの電圧によりこの磁界発生用コイル112に交流磁界を発生させ、測定用コイル116でこの交流磁界を検出すると共に、得た磁界情報を電気信号として金属伝送路である信号引出し部118及びアース導体120を介して図示しない測定機側に伝送するような、磁界センサとして機能するようになっていた。
【0004】
そして、測定用コイル116の貫通穴に磁性試料Mを挿入していない場合の測定用コイル116の出力となる電気信号と、測定用コイル116の貫通穴に磁性試料Mを挿入した場合の出力となる電気信号が、信号引出し部118及びアース導体120を介して伝送された測定機においてそれぞれ計測され、これら各場合の出力からこの磁性試料Mの比透磁率を求めていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−104044号公報
【特許文献2】
特開昭61−57871号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1にて開示された透磁率測定装置により、高周波透磁率を測定しようとした場合、測定用コイル116と信号引出し部118等の金属伝送路との接続部におけるインピーダンス整合が不十分な為に反射が生じることや、測定用コイル116や信号引出し部118等の金属伝送路が受信する電界による信号が重畳されることにより、測定精度が低下してしまう虞を有していた。つまり、この結果として、100MHz程度までしか比透磁率の測定ができず、GHz帯での高精度な比透磁率の測定は出来なかった。
【0007】
以上より、従来の透磁率測定装置によっては、GHz帯のような高周波数帯域における比透磁率の高精度な測定は困難であった。
本発明は上記事実を考慮し、低周波数帯域から高周波数帯域まで高精度に磁界情報を取得して正確な比透磁率を得る透磁率測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1による透磁率測定装置は、光を発生する光源と、
交流磁界を発生し得る磁界発生用コイルと、
磁界発生用コイル内に配置され且つ、ギャップを有しつつ導電性材料により環状に形成された磁界検出用コイルと、
磁界検出用コイルのギャップに挿入され且つ、光源からの光が通過され得る電気光学結晶と、
電気光学結晶を通過した光の状態を検出する光検出部材と、
を有したことを特徴とする。
【0009】
請求項1に係る透磁率測定装置によれば、ギャップを有しつつ導電性材料により環状に形成された磁界検出用コイルが、交流磁界を発生し得る磁界発生用コイル内に配置され、この磁界検出用コイルのギャップに電気光学結晶が挿入された構成を有している。さらに、光を発生する光源からの光がこの電気光学結晶を通過し、この通過した光の状態を光検出部材が検出するようになる。
【0010】
従って、本請求項に係る透磁率測定装置は、磁界発生用コイル内に配置された磁界検出用コイルにギャップが形成され、このギャップに電気光学結晶が挿入される構成とされている。そして、この電気光学結晶に光源からの例えばレーザー光等の光を通過させることで、この磁界検出用コイルが検出して取得した磁界情報を電気光学結晶の電気光学効果を利用して光信号に変換することができる。
【0011】
具体的には、磁界検出用コイル内に磁性試料を挿入していない場合の出力及び、この磁界検出用コイル内に磁性試料を挿入した場合の出力が、電気光学結晶を通過した光の状態を光検出部材により検出することでそれぞれ得られ、これら各場合の出力を基に、この磁性試料の比透磁率を得ていた。
【0012】
これに伴い本請求項に係る透磁率測定装置のセンサ部分は、磁界検出用コイル及び電気光学結晶によって磁界を光信号に変換しこの光信号を伝送するような簡易な構成であり、この電気光学結晶を通過した光源からの光の状態を光検出部材が検出するようになっているので、電気信号を金属伝送路により伝送する従来の磁界センサと異なって、金属伝送路を使用していないことになる。
【0013】
この為、電界の影響が少ない状態での磁界測定が可能であり、また磁界検出用コイルと金属伝送路との接続部におけるインピーダンス整合が不十分なことによる反射を無くすこともできる。つまり、光を用いていることから、低周波数帯域だけでなく特にGHz帯等の高周波数帯域においても、高精度に高周波透磁率の測定が可能になる。
【0014】
以上の結果として、本請求項に係る透磁率測定装置によれば、低周波数帯域から高周波数帯域まで高精度な磁界の測定が可能となると共に高精度なままでの磁界情報の伝送が可能となるのに伴って、高精度に磁界情報を取得して正確な比透磁率を得ることができる。
【0015】
請求項2に係る透磁率測定装置によれば、請求項1の透磁率測定装置と同様の構成の他に、基板上に配置された導体パターンにより磁界検出用コイルが形成され、この基板の磁界検出用コイル内の部分に貫通穴が設けられるという構成を有している。
【0016】
つまり、本請求項によれば請求項1の作用効果だけでなく、基板上に配置された導体パターンにより磁界検出用コイルが形成されることで、磁界検出用コイルの形状が安定し、これに伴って測定データも安定化するという作用効果をも有する。また、基板上に磁界検出用コイルが配置されているので、この磁界検出用コイルのギャップ内への電気光学結晶の取り付けも容易になる。
【0017】
請求項3に係る透磁率測定装置によれば、請求項1及び請求項2の透磁率測定装置と同様の構成の他に、電気光学結晶が、ニオブ酸リチウム又はタンタル酸リチウムにより形成されるという構成を有している。つまり、ニオブ酸リチウム又はタンタル酸リチウムを電気光学結晶として採用することで、請求項1の作用効果をより確実に達成可能となる。
【0018】
請求項4に係る透磁率測定装置によれば、請求項1から請求項3の透磁率測定装置と同様の構成の他に、磁界検出用コイルのギャップ周辺部分に支持部を設け、この支持部間で電気光学結晶を挟持することで、電気光学結晶がギャップに挿入されるという構成を有している。
【0019】
つまり、磁界検出用コイルを請求項2のように基板上に配置された導体パターンとすれば、ギャップに電気光学結晶を単に挿入しただけでは、電気光学結晶の広い範囲で均一に電界を印加できないが、例えば金属製の支持部をギャップ周辺部分に設けた場合には、この支持部間で電気光学結晶を挟持する形となるので、支持部が電極となって電気光学結晶の広い範囲で電界を均一に印加できるようになる。この結果として、電気光学結晶の電気光学効果をより確実に利用できるのに伴って、請求項1の作用効果をより一層確実に達成可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る透磁率測定装置の一実施の形態を図面に基づき説明する。本実施の形態に係る透磁率測定装置10は、図1から図4に示すように、被測定対象とする電磁界中に配置される光磁界センサであるセンサ本体12及び、レーザー光Lを送受光し得る光学系等により、構成されている。
【0021】
図1及び図2に示すように、このセンサ本体12の外枠となる磁界発生用コイル14が、金属板を屈曲した四角形の筒状であって一端が開放された形に形成されている。この開放された磁界発生用コイル14の両側の端部に配線16がそれぞれ接続されており、高周波数の交流電流を発生する高周波電源18が、この配線16を介して磁界発生用コイル14の端部にそれぞれ接続されている。この為、高周波電源18からの交流電流によって、磁界発生用コイル14がほぼ一様な交流磁界を発生することになる。
【0022】
この磁界発生用コイル14内には、図1から図3に示すようなガラスエポキシ製のプリント基板20が、磁界発生用コイル14の貫通方向に対して面を直交する形で配置されており、このプリント基板20上には、環状の内の例えば長方形に形成された磁界検出用コイルである導体パターン22が、金属等の導電性材料で平面的に設けられている。そして、このプリント基板20の導体パターン22内の部分には、導体パターン22の内周側に沿った内周面を有する貫通穴26が、設けられており、また、この導体パターン22の途中の部分には、隙間であるギャップ24がプリント基板20を切り欠きつつ、設けられている。
【0023】
一方、特に本実施の形態の要部を詳細に表す図3に示すように、このギャップ24を形成する導体パターン22の端部には、支持部である一対の平行平板電極25A、25Bが相互に平行になるようにそれぞれ配置されている。つまり、導体パターン22のギャップ24の周辺部分には、L字形に銅等で形成された一対の平行平板電極25A、25Bが、半田づけによってそれぞれ接続されている。
【0024】
また、導体パターン22のギャップ24内には、直方体状に形成された電気光学素子28が、これら一対の平行平板電極25A、25Bの相互に対向する側にそれぞれ当接されると共に例えば図示しない導電性接着剤で接着される形で、挿入されて配置されている。この電気光学素子28は、電気光学結晶により形成されているが、この電気光学結晶としては、加わる電圧の変化により屈折率が変化する例えばニオブ酸リチウム(LiNbO3 )の結晶が、用いられている。
【0025】
従って、本実施の形態に係るセンサ本体12は、磁界発生用コイル14、高周波電源18、プリント基板20、導体パターン22、平行平板電極25A、25B及び電気光学素子28等により、製作できることになり、また、本実施の形態では、磁界情報を確実に抽出できるように光学軸方向が所定の方向に向く形で、この電気光学素子28は配置されている。
【0026】
次に、本実施の形態に係る透磁率測定装置10の光学系全体について、図4に基づき説明する。
図4に示すように本実施の形態では、レーザー光Lを発生するレーザー光源30を有しており、このレーザー光源30に接続された光ファイバ32の端部に設けられた発光部となるレンズ32Aがレーザー光源30から送られたレーザー光Lを射出するようになっている。
【0027】
一方、光の強度の変化を電流量の変化に変換する光検出部材であるフォトレシーバ42に光ファイバ40が繋がれており、この光ファイバ40の端部に設けられて受光部となるレンズ40Aが、レーザー光Lを受光するようになっている。この為、レンズ40Aが受光したレーザー光Lが光ファイバ40内を通過し、フォトレシーバ42がこのレーザー光Lの状態を検出し得るようになっている。そして、このフォトレシーバ42には、フォトレシーバ42で変換された電流量の変化を表示し得るネットワークアナライザ44が接続されており、またこのネットワークアナライザ44が磁界発生用コイル14にも接続されている。
【0028】
さらに、前述のレンズ32Aから射出されたレーザー光Lを受光し得る位置にこのレンズ40Aは配置されており、これらのレンズ32Aとレンズ40Aとの間には、レンズ32A側から順に、レーザー光Lを偏光する偏光子34、電気光学素子28、波長板36及び、偏光状態の変化を光の強度変化に変換する検光子38が、直線上に並んで配置されている。つまり、本実施の形態はレーザー光Lが直進する直進系となっている。
【0029】
以上より、レーザー光源30がレーザー光Lを発生すると、この光ファイバ32内を通過すると共にレンズ32Aから射出されて、上記の順でレーザー光Lが通過し、光ファイバ40のレンズ40Aで受光するようになる。そして、レンズ40Aから光ファイバ40内に入ったこのレーザー光Lの状態をフォトレシーバ42が検出することになる。
【0030】
他方、導電性のループである図1から図3に示す導体パターン22の貫通穴26内を例えば磁束が貫通した場合には、この導体パターン22に電流が流れる。これに伴って、この導体パターン22のギャップ24周辺に電圧が生じると共に、このギャップ24内に配置された電気光学素子28にこの電圧が加わって電界が生じる結果として、この電気光学素子28の屈折率が変化する。つまり、導体パターン22内を貫通した磁束は、センサ本体12により検出された磁界情報となり、この磁界情報が、電気光学素子28の屈折率の変化に変換される。
【0031】
さらに、本実施の形態に係る透磁率測定装置10は、図4に示す構造より電気光学素子28の屈折率の変化をこの電気光学素子28に打ち込まれたレーザー光Lの偏光状態の変化として一旦捉えることができる。そして、検光子38を通過させることによって、偏光状態の変化をレーザー光Lの強度変化に変換し、最後にフォトレシーバ42によって電流量の変化に変換されることになる。この結果として、このフォトレシーバ42に接続されるネットワークアナライザ44がこの電流量の変化を表示でき、このネットワークアナライザ44の表示に基づいて比透磁率を算出することで、比透磁率が得られるようになる。
【0032】
以上のことから、本実施の形態に係る透磁率測定装置10の光学系は、レーザー光源30及びフォトレシーバ42、さらにはこれらレーザー光源30とフォトレシーバ42との間に配置された光ファイバ32、偏光子34、波長板36、検光子38及び光ファイバ40等で、構成されていることになる。
【0033】
次に、上記のフォトレシーバ42の出力から比透磁率を算出する手順を説明する。
具体的には、以上の透磁率測定装置10において磁界発生用コイル14により交流磁界を発生させ、図1に示すプリント基板20の貫通穴26に磁性試料Mを挿入していない場合のフォトレシーバ42の出力と、図2に示すこの貫通穴26に磁性試料Mを挿入した場合のフォトレシーバ42の出力とをそれぞれ求め、以下の数式によってこの磁性試料Mの比透磁率を得るようにする。
【0034】
先ず、図1に示す状態での出力をVOUT0とし、図2に示す状態での出力をVOUTMとして、下記の式1、式2からプリント基板20の貫通穴26に磁性試料Mを挿入していない場合の磁界による誘導起電圧V0 及び、この貫通穴26に磁性試料Mを挿入した場合の磁界による誘導起電圧VM をそれぞれ算出する。
【0035】
V0 =α・VOUT0…式1
VM =α・VOUTM…式2
つまり、これら式1、式2から誘導起電圧V0 、VM は、フォトレシーバ42の出力VOUT0、VOUTMとそれぞれ線形関係にある。ここで、αはセンサ本体12と光学系により定まる定数である。
【0036】
さらに、これら誘導起電圧V0 、VM から磁性試料Mの比透磁率であるμr は、次の式3により算出される。
μr =S/(t・d)・(VM /V0 −1)+1…式3
ここで、図1に示すように、Sは貫通穴26の開口面積、tは磁性試料Mの厚さ、dは磁性試料Mの幅である。
【0037】
次に、本実施の形態に係る透磁率測定装置10の作用を説明する。
本実施の形態に係る透磁率測定装置10によれば、図1から図4に示すように、ほぼ一様な交流磁界を発生し得る磁界発生用コイル14内にプリント基板20が配置されており、このプリント基板20上に導電性材料により環状に形成された導体パターン22が配置され、またこのプリント基板20の導体パターン22内の部分に貫通穴26が設けられている。さらに、この導体パターン22にはギャップ24が形成されており、このギャップ24に光学軸方向が調整された状態で電気光学素子28が挿入されている。
【0038】
さらに、レーザー光源30からのレーザー光Lが、図4に示すようにレーザー光源30とフォトレシーバ42との間に配置されている光ファイバ32、偏光子34、電気光学素子28、波長板36、検光子38及び光ファイバ40を通過し、これらを通過したレーザー光Lの状態をフォトレシーバ42が最終的に検出するようになる。
【0039】
従って、本実施の形態に係る透磁率測定装置10は、磁界発生用コイル14内に配置された導体パターン22にギャップ24が形成され、このギャップ24に電気光学素子28が挿入される構成とされている。そして、この電気光学素子28にレーザー光源30からのレーザー光Lを通過させることで、この導体パターン22が検出して取得した磁界情報を電気光学素子28の電気光学効果を利用して前述のように光信号に変換していた。
【0040】
さらに本実施の形態では、レーザー光源30とフォトレシーバ42との間に配置された偏光子34、波長板36及び検光子38がレーザー光Lの状態を調整し、この最適に調整されたレーザー光Lの状態をフォトレシーバ42が検出し、ネットワークアナライザ44が、このフォトレシーバ42で検出された磁界情報を表示していた。そして、最終的にこの表示された磁界情報から比透磁率を算出していた。
【0041】
具体的には、図1に示す導体パターン22内の貫通穴26に磁性試料Mを挿入していない場合の出力VOUT0及び、図2に示すこの貫通穴26に磁性試料Mを挿入した場合の出力VOUTMが、電気光学素子28を通過したレーザー光Lの状態をフォトレシーバ42でそれぞれ検出することで得られ、これら各場合の出力を基に、前述の数式によってこの磁性試料Mの比透磁率μr を得ていた。
【0042】
これに伴い本実施の形態に係る透磁率測定装置10のセンサ部分は、導体パターン22及び電気光学素子28によって磁界を光信号に変換しこの光信号を伝送するような簡易な構成であり、この電気光学素子28を通過したレーザー光源30からのレーザー光Lの状態をフォトレシーバ42が検出するようになっているので、電気信号を金属伝送路により伝送する従来の磁界センサと異なって、金属伝送路を使用していないことになる。
【0043】
この為、電界の影響が少ない状態での磁界測定が可能であり、導体パターンと金属伝送路との接続部におけるインピーダンス整合が不十分なことによる反射を無くすこともでき、レーザー光Lを用いていることから、低周波数帯域だけでなく特にGHz帯等の高周波数帯域においても、高精度に透磁率の測定が可能になる。
【0044】
以上の結果として、本実施の形態に係る透磁率測定装置10によれば、低周波数帯域から高周波数帯域まで高精度な磁界の測定が可能となると共に高精度なままでの磁界情報の伝送が可能となるのに伴って、高精度に磁界情報を取得して比透磁率を高精度に得ることができるようになる。
【0045】
一方、本実施の形態では、プリント基板20上に配置された導体パターン22により磁界検出用コイルが形成され、このプリント基板20の導体パターン22内の部分に貫通穴26が設けられているので、導体パターン22の形状が安定し、これに伴って測定データも安定化する。また、プリント基板20上に導体パターン22が配置されているので、この導体パターン22のギャップ24内への電気光学素子28の取り付けも容易になる。
【0046】
他方、本実施の形態では、図3に示すように、導体パターン22のギャップ24周辺部分に一対の平行平板電極25A、25Bを設け、これら一対の平行平板電極25A、25Bで電気光学素子28を挟持することで、電気光学素子28がギャップ24に挿入された構造になっている。
【0047】
つまり、導体パターン22のギャップ24に電気光学素子28を単に挿入しただけでは、電気光学素子28の広い範囲で均一に電界を印加できないものの、金属製の平行平板電極25A、25Bをギャップ24周辺部分に設け、これら平行平板電極25A、25B間で電気光学素子28を挟持する形とすれば、平行平板電極25A、25Bによって電気光学素子28の広い範囲で電界を均一に印加できるようになる。この結果として、電気光学素子28の電気光学効果をより確実に利用できるのに伴って、上記の高精度に磁界情報を取得して比透磁率を高精度に得るという作用効果をより一層確実に達成できるようになる。
【0048】
尚、本実施の形態では、電気光学素子28を一対の平行平板電極25A、25B間に配置する際に導電性接着剤を用いたが、電気光学素子28に導電性接着剤を塗布せずに、一対の平行平板電極25A、25Bで単に挟持するようにしても良い。また、一対の平行平板電極25A、25Bの少なくとも電気光学素子28と対向する部分の厚さは、例えば150μm程度とすることが考えられる。
【0049】
さらに、上記実施の形態では、導体パターン22を長方形としたが、正方形や円形等の他の形状に導体パターン22を形成しても良く、また、導体パターン22は本実施の形態のような薄い金属性の導電性材料に限らず、ワイヤー等の部材であっても良い。一方、上記実施の形態では、電気光学結晶として、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )を採用したが、タンタル酸リチウム(LiTaO3 )等の他の電気光学結晶を採用しても良い。さらに、上記実施の形態では、電気光学結晶を1つ使用したが、2つ使用した形にしても良い。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、低周波数帯域から高周波数帯域まで高精度に磁界情報を取得して正確な比透磁率が得られる透磁率測定装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るセンサ本体の一部破断した斜視図であって、貫通穴に磁性試料が挿入されていない状態を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るセンサ本体の一部破断した斜視図であって、貫通穴に磁性試料が挿入された状態を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態に適用されるプリント基板を示す図であって、(A)は正面図であり、(B)は(A)の3B−3B矢視線図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る透磁率測定装置を示す全体図である。
【図5】従来例の透磁率測定装置を示す全体図である。
【符号の説明】
10 透磁率測定装置
14 磁界発生用コイル
20 プリント基板(基板)
22 導体パターン(磁界検出用コイル)
24 ギャップ
25A 平行平板電極(支持部)
25B 平行平板電極(支持部)
26 貫通穴
28 電気光学素子(電気光学結晶)
30 レーザー光源(光源)
42 フォトレシーバ(光検出部材)
Claims (4)
- 光を発生する光源と、
交流磁界を発生し得る磁界発生用コイルと、
磁界発生用コイル内に配置され且つ、ギャップを有しつつ導電性材料により環状に形成された磁界検出用コイルと、
磁界検出用コイルのギャップに挿入され且つ、光源からの光が通過され得る電気光学結晶と、
電気光学結晶を通過した光の状態を検出する光検出部材と、
を有したことを特徴とする透磁率測定装置。 - 基板上に配置された導体パターンにより磁界検出用コイルが形成され、この基板の磁界検出用コイル内の部分に貫通穴が設けられることを特徴とする請求項1記載の透磁率測定装置。
- 電気光学結晶が、ニオブ酸リチウム又はタンタル酸リチウムにより形成されたことを特徴とする請求項1或いは請求項2記載の透磁率測定装置。
- 磁界検出用コイルのギャップ周辺部分に支持部を設け、この支持部間で電気光学結晶を挟持することで、電気光学結晶がギャップに挿入されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の透磁率測定装置。
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