JP2014105795A - 留め具 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造しやすく、挿入力と抜去力とのバランスのとれた構造を持つ留め具の提供。
【解決手段】取付穴Paに弾性変形により挿通可能で且つ挿通後の弾性復帰により第一部分1との間で対象物Pを挟持する第二部分2を備える。第二部分2は、前記挿入の中心軸xとなる芯部20と、放射方向に突き出して芯部20を巡る空間を分割する複数の壁部21と、隣り合う壁部21、21間において第一部分1から中心軸xに沿う向きに突き出す弾性脚22とを備える。弾性脚22は、外側面22aと、隣り合う壁部21、21の一方に向き合う第一内側面22bと、隣り合う壁部21、21の他方に向き合う第二内側面22cとを有すると共に、脚端22d側において第一内側面22bとこれに向き合う壁部21との間には架橋部22fが形成されている。架橋部22fの外面22gは弾性脚22の外側面22aよりも内方に位置される。
【選択図】図1

Description

この発明は、対象物を貫通する取付穴に挿通不能な第一部分と、この取付穴に弾性変形により挿通可能で且つ挿通後の弾性復帰により前記第一部分との間で前記対象物を挟持する第二部分とを備えてなる留め具の改良に関する。
相手部材の取付穴にアンカーを挿入することでこの相手部材に取り付けられると共に、この取り付け時にアンカーの基部に設けた皿部が前記取付け孔回りをシールするように前記相手部材の表面に押しつけられるように構成された樹脂製クリップがある。(特許文献1参照)かかるクリップにおける前記アンカーは、四つの撓み片を有しており、各撓み片の一端はアンカーの基部に結合され、他端はアンカーの先端部に結合された両持ち梁状となっている。このためかかるクリップでは、前記アンカーの内部を、離型時にこのアンカーの軸心に交叉する向きに移動するスライド型によって成形するようにしている。
一方、この種のクリップないし留め具にあっては、前記取付穴への挿入がし易い一方で、挿入後はこの取付穴から抜け出し難くなることが理想であり、低挿入力且つ高抜去力を持つ構造が希求されるところである。
特許第4621808号公報
この発明が解決しようとする主たる問題点は、より製造しやすく、また、挿入力と抜去力とのバランスのとれた構造を持つ留め具を提供する点にある。
前記課題を達成するために、この発明にあっては、第一の観点から、留め具を、対象物を貫通する取付穴に挿通不能な第一部分と、この取付穴に弾性変形により挿通可能で且つ挿通後の弾性復帰により前記第一部分との間で前記対象物を挟持する第二部分とを備えてなる留め具であって、
前記第二部分は、前記挿入の中心軸となる芯部と、この芯部から放射方向に突き出してこの芯部を巡る空間を分割する複数の壁部と、隣り合う壁部間において前記第一部分から前記中心軸に沿う向きに突き出す弾性脚とを備えており、
この弾性脚は、前記中心軸を円心とする仮想円の円弧に沿った外側面と、前記隣り合う壁部の一方に向き合う第一内側面と、前記隣り合う壁部の他方に向き合う第二内側面とを有していると共に、弾性脚の少なくとも一つの脚端側には第一内側面とこれに向き合う壁部との間に架橋部が形成されており、
この架橋部の外面が弾性脚の外側面よりも内方に位置されるようになっているものとした。
以上のように構成される弾性脚を前記第一部分から前記中心線に沿う向きに単純に延び出す構成とした場合、各弾性脚は最も撓み易くなることから対象物の取付穴に第二部分を挿通する際の力(挿入力)は最小化される。しかし、このようにした場合、取付穴から第二部分が抜け出し易くなり、対象物に対する留め具の留めつき力を十分に確保し難くなる。前記のように外面を弾性脚の外側面よりも内方に位置させる架橋部により、前記弾性片の全部又はその一部の脚端側を芯部側と一体化させるようにすれば、前記挿入力を過大とすることなく留め具に適切な留めつけ力を付与することが可能となる。また、前記のように外面を弾性脚の外側面よりも内方に位置させる架橋部により、前記弾性脚は留め具を成形する金型を構成する可動型であって、第二部分の挿通の中心軸に沿って移動する可動型によって形成することが可能となる。
より詳細には、可動型を、先抜き型と後抜き型とから構成し、先抜き型によって架橋部を備えた弾性脚の第二内側面とこれに向き合う壁部を成形すると共に、後抜き型によって架橋部を備えた弾性脚の第一内側面と架橋部の外面を成形するようにする。
前記芯部を巡る空間が壁部により四分割されていると共に、そのうちの二つの分割空間に位置される弾性脚の脚端側が架橋部を介して壁部と一体化されているようにすることが、この発明の好ましい態様の一つである。また、前記架橋部の外面は、可動型の移動を許容する形状としておくことが、この発明の好ましい態様の一つである。また、前記取付穴への第二部分の挿通に必要な力がこの挿通による弾性脚の弾性変形の開始時では15N以下となるように架橋部を構成させておくことが、この発明の好ましい態様の一つである。
また、前記課題を達成するために、この発明にあっては、第二の観点から、留め具を、対象物を貫通する取付穴に挿通不能な第一部分と、この取付穴に弾性変形により挿通可能で且つ挿通後の弾性復帰により前記第一部分との間で前記対象物を挟持する第二部分とを備えてなる留め具であって、
前記挿通に必要な力が前記弾性変形の開始時では15N以下で、その後漸増して挿通終了直前に最大となるようにしてあるものとした。
かかる構成によれば、対象物の取付穴に第二部分を挿通し易い一方で、挿通終了後は対象物に対して留め具が適切な力で留めつくようにすることができる。また、挿通の終了を前記力の変化により作業者に明確に認識させることができる。前記挿通に必要な力の最大値は30N以下になるようにしておくことが好ましい。
前記第一の観点によれば、第二部分を構成する弾性脚の脚端側と壁部との間に前記の架橋部を形成させるようにしていることから、離型時に前記中心軸に沿って移動する可動型により金型構造を複雑にすることなく第二部分を成形でき、かつ、挿入力と抜去力とのバランスのとれた構造を持つ留め具を提供することができる。
前記第二の観点によれば、挿入力と抜去力とのバランスのとれた構造を持つ留め具を提供することができる。
図1はこの発明の一実施の形態にかかる留め具の斜視図である。 図2は前記留め具の側面図である。 図3は図2におけるA−A線断面図である。 図4は前記留め具の側面図であり、図2と90度異なる向きからこの留め具を見て示している。 図5は図4におけるB−B線断面図である。 図6は図4におけるC−C線断面図である。 図7は前記留め具の底面図である。 図8は前記留め具を対象物に留めつけた状態を示した底面図である。 図9は図8におけるD−D線断面図である。 図10は図8におけるE−E線断面図である。 図11は図8におけるF−F線断面図である。 図12は前記留め具と、この留め具を成形する金型を構成する可動型のうちの先抜き部分の要部を断面で表した底面図である。 図13は前記留め具のシール性試験方法を示した構成図である。 図14は前記留め具の挿入力の理想的な変位状態を表したグラフである。
以下、図1〜図14に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる留め具は、対象物Pを貫通する取付穴Paに挿通不能な第一部分1と、この取付穴Paに弾性変形により挿通可能で且つ挿通後の弾性復帰により前記第一部分1との間で前記対象物Pを挟持する第二部分2とを備えてなる。
かかる留め具は、典型的には、前記第一部分1において別の対象物(図示は省略する。)に取り付けられ、この状態から前記第二部分2を前記対象物Pの取付穴Paに挿通させることで、この対象物Pと前記別の対象物とを留め具を介して固定させるために用いられる。
また、かかる留め具は、前記取付穴Paを備えた複数の対象物Pを留め具を介して留め合わせるためにも用いることができる。この場合、各対象物Pの取付穴Paを連通させるようにして重ね合わせた状態からかかる取付穴Paに前記第二部分2を挿通し前記第一部分1とこの第二部分2との間で複数の対象物Pを挟持するようにする。
図示の例の留め具は、特に、前記対象物Pとしての自動車のボディパネルに対し、前記別の対象物としてのトリムボードを固定させるために用いるのに適したものとなっている。
前記第一部分1は、前記第二部分2に向けられた側を内側とする傘状をなし、前記挟持時に外縁部10aを対象物Pの一面に密着させる可撓性を備えたフランジ10を有している。
図示の例では、かかる第一部分1は、円板状頭部11を有すると共に、この円板状頭部11と前記フランジ10との間に円板状フランジ12を備えてなる。留め具は、前記挿通の中心軸xとなる後述の第二部分2の芯部20と、この芯部20と一体をなす第一部分1の中心部13とを備えている。前記円板状頭部11、フランジ10、円板状フランジ12はいずれも、前記中心部13を中心として形成されている。円板状頭部11と円板状フランジ12との間には、前記中心軸xに沿う向きにおいて間隔が形成されており、両者の間には前記中心部13によって首部13aが形成されている。かかる首部13aは円筒状を呈しており、円板状頭部11の端面にはこの首部13a内に連通する開放部11aが形成されている。図示の例では、前記別の対象物に形成された前記首部13aは通すが円板状頭部11及び円板状フランジ12の外径よりも穴径を小さくする図示しない取付穴に、円板状頭部11を入り込み可能とすると共にかかる取付穴に一部を連通させた図示しない導入穴などを利用して、前記首部を入り込ませることで、かかる別の対象物に前記第一部分1において留め具を取り付けることができるようになっている。
前記フランジ10は、前記円板状フランジ12よりも外径を大きくしている。また、かかるフランジ10の基部10bは、前記円板状フランジ12の基部側においてこの円板状フランジ12と一体化されている。そして、この実施の形態にあっては、かかるフランジ10の基部10bにおけるその内側に位置される箇所が、前記挿通の中心軸xを周回する環状溝10cによって形成されている。これにより、前記フランジ10の基部10bにおけるその外側に位置される箇所は、前記中心軸xに交叉する外面10fにより構成される一方で、かかるフランジ10の基部10bにおけるその内側に位置される箇所は、前記環状溝10cの内面10dにより構成され、前記挟持時に対象物Pの一面にフランジ10の外縁部10aが接した際の弾性変形を、前記環状溝10cの入り口10e側に応力を集中させ易くしてこの入り口10e側を中心として生じさせるようになっている。(図9〜図11)この結果、かかるフランジ10は、前記対象物Pにおける取付穴Paを巡る面部にその外縁部10aをこのフランジ10の全周に亘って隙間なく密着させる弾性変形特性を持つようになっている。
また、この実施の形態にあっては、前記第一部分1のフランジ10の基部10bと外縁部10aとの間に周回薄肉部10gが形成されている。図示の例では、かかるフランジ10の内側には、その外縁を縁取るように周回凸部10hが形成されている。これにより、フランジ10の外縁部10aはその余の箇所よりも厚くなっており、かかる外縁部10aとその余の箇所との間には周回段差部10iが形成されている。この周回段差部10iにより前記周回薄肉部10gが形成されている。図示の例では、さらに、周回凸部10hの突きだし面とフランジ10の外面10fに連なるこの周回凸部10hの外側面との接し合う隅部が環状リブ10jによって縁取られており、前記対象物Pにおける取付穴Paを巡る面部にはこの環状リブ10jが接するようになっている。これにより、この実施の形態にあっては、前記挟持時に対象物Pの一面にフランジ10の外縁部10aが接した際の弾性変形を、前記周回薄肉部10gに応力を集中させ易くしてこの周回薄肉部10gを中心としても生じさせるようになっている。すなわち、この実施の形態にあっては、フランジ10はその基部10bと外縁部10aとの間において二カ所に弾性変形の中心となる箇所を持つようになっている。この結果、かかるフランジ10の前記弾性変形特性が一層高められている。
また、この実施の形態にあっては、前記環状溝10cは、留め具を成形する金型を構成する可動型Mであって、この第二部分2の挿通の中心軸xに沿って移動する可動型Mによって形成されるようになっている。すなわち、この実施の形態にあっては、後述の第二部分2の構造により、この第二部分2を構成する芯部20及び弾性脚22は前記中心軸xに沿って移動する可動型Mによって形成され、この可動型Mによって前記第一部分1のフランジ10の内側のうち、前記環状溝10cの一部を含んだ基部10bもかかる可動型Mにより形成されるようになっている。一方、かかるフランジ10の内側のうち前記環状溝10cより外方は前記金型を構成する後述の主型により形成できるようになっている。これにより、この実施の形態にあっては、前記挟持時に対象物Pの一面に密着されるフランジ10の外縁部10aをこの密着時のシール性を低下させないように単一の型により形成可能としながら、かかるフランジ10の基部10bに前記環状溝10cを容易に形成させることが可能となっている。
厚さ0.7mmの板材からなる水槽P’の側面に設けた直径8.7mmの円形の取付穴Paに対し、前記第一部分1のフランジ10の直径を18mm、フランジ10の厚さを約0.4mm、第二部分2の前記中心軸xに直交する向きの最大径を9.8mmとする留め具のこの第二部分2を水槽P’の外側から挿通・留めつけると共に、前記取付穴Paの中心から100mmの高さまで水槽P’内に水を貯留させ、かつ、この留め具の第一部分1に115gのウエイトを取り付けて10分間放置する試験を行ったところ、(図13参照)前記取付穴Paを通じた水の滴下はないことが認められた。この試験には、図1〜図12に示される構造のもので、かつ、ポリプラスチックス株式会社製のポリアセタール(TF10 LV)からなる留め具を用いた。
また、厚さ1.6mmの板材からなる水槽P’の側面に設けた直径8.7mmの円形の取付穴Paに対し、前記第一部分1のフランジ10の直径を18mm、フランジ10の厚さを約0.4mm、第二部分2の前記中心軸xに直交する向きの最大径を9.8mmとする留め具のこの第二部分2を水槽P’の外側から挿通・留めつけると共に、前記取付穴Paの中心から100mmの高さまで水槽P’内に水を貯留させ、かつ、この留め具の第一部分1に115gのウエイトを取り付けて10分間放置放置する試験を行ったところ、(図13参照)前記取付穴Paを通じた水の滴下はないことが認められた。この試験には、図1〜図12に示される構造のもので、かつ、ポリプラスチックス株式会社製のポリアセタール(TF10 LV)からなる留め具を用いた。
一方、前記第二部分2は、前記挿入の中心軸xとなる芯部20と、この芯部20から放射方向に突き出してこの芯部20を巡る空間を分割する複数の壁部21、21…と、隣り合う壁部21、21間において前記第一部分1から前記中心軸xに沿う向きに突き出す弾性脚22とを備えている。
壁部21は、芯部20の全長に亘って形成されている。図示の例では、前記中心軸xを周回する方向において、いずれの隣り合う壁部21、21との間に等しい間隔を開けて4つの壁部21が形成されている。各壁部21の壁面はいずれも前記中心軸xに平行をなしている。これにより、前記中心軸xに直交する向きの断面において、前記芯部20及び壁部21は十字状を呈している。(図6)芯部20からの壁部21の突きだし寸法は、第二部分2の全長の略半分の位置から第二部分2の端末23までの範囲では、かかる端末23に近づくに連れて漸減している。第二部分2の全長の略半分の位置から第一部分1までの間では前記四つの壁部21…21の突きだし端21aはそれぞれ円形の前記取付穴Paの穴径と直径を略等しくする仮想の円の円弧上に位置されるようになっている。かかる芯部20及び壁部21によって、第二部分2は取付穴Paの中心に前記中心軸xを位置させてこの取付穴Paに挿通されるようになっている。
前記弾性脚22は、前記中心軸xを円心とする仮想円(図示は省略する。)の円弧に沿った外側面22aと、前記隣り合う壁部21、21の一方に向き合う第一内側面22bと、前記隣り合う壁部21、21の他方に向き合う第二内側面22cとを有している。図示の例では、前記四つの壁部21…21により前記芯部20を巡る空間は四分割されており、分割されたそれぞれの空間に一つづつ弾性脚22が配されている。前記第一内側面22b及び第二内側面22cはいずれも前記中心軸xに平行をなしている。また、両内側面22b、22cは前記中心軸x側で直角に交わっており、弾性脚22はそれぞれ内側に直角の隅部を有している。各弾性脚22はそれぞれ、その全長を前記芯部20の全長より小さくさせており、弾性脚22の脚端22dは芯部20の芯端(前記端末23)よりも第一部分1側に位置されている。四つの弾性脚22…22によって、第二部分2は、前記取付穴Paの穴径と略均い太さを持った根元部24と、この取付穴Paの穴径よりも大きい太さを持った中間部25とを有するようになっている。弾性脚22における根元部24を構成する外側面22aと中間部25を構成する外側面22aとの間には、各弾性脚22おいてそれぞれ、第一部分1側に向いた段差状係合部22eが形成されている。また、各弾性脚22の脚端22d側の外側面22aは、この脚端22dに近づくに連れて漸次第二部分2の太さを減じさせるように傾斜している。
これにより、この実施の形態にかかる留め具にあっては、前記取付穴Paに第二部分2を挿通し始めると、後述の架橋部22fの連接されていない弾性脚22はその外側面22aをこの取付穴Paの穴縁に摺接させて次第に前記中心軸xに近づく向きに撓まされ、また、後述の架橋部22fの連接されている弾性脚22はその外側面22aをこの取付穴Paの穴縁に摺接させておおむね次第に前記第一内側面22bをこれに壁面を向き合わせる壁部21に近づけさせる向きに撓まされ、これらの撓みにより前記中間部25が縮径化されて取付穴Paへの第二部分2の挿通が許容されるようになっている。そして、弾性脚22の段差状係合部22eが取付穴Paの挿通先側の穴縁から外方に位置される位置まで前記挿通がなされると、各弾性脚22が撓み戻し、四つの弾性脚22…22の段差状係合部22eがそれぞれ、取付穴Paの挿通先側の穴縁に係合されるようになっている。(図10、図11)かかる弾性脚22の段差状係合部22eと前記第一部分1のフランジ10の外縁部10aとの間の前記中心軸xに沿う向きでの距離は、対象物Pの厚さより小さくなっており、これによりフランジ10は対象物Pの挿通手前側の一面に弾性変形した状態でその外縁部10aを密着させるようになっている。(図9〜図11)
また、この実施の形態にあっては、前記弾性脚22の少なくとも一つは、その脚端22d側において第一内側面22bとこれに向き合う壁部21との間に亘る架橋部22fを介して、芯部20側と一体化されている。(図6)図示の例では、前記四つの弾性脚22…22のうちの、芯部20を挟んだ対向位置にある二つの分割空間に位置される弾性脚22の脚端22d側が架橋部22fを介して壁部21と一体化されている。さらに、かかる架橋部22fの外面22gは弾性脚22の外側面22aよりも内方に位置されるようになっている。
以上のように構成される弾性脚22を前記第一部分1から前記中心軸xに沿う向きに単純に延び出す構成とした場合、各弾性脚22は最も撓み易くなることから対象物Pの取付穴Paに第二部分2を挿通する際の力(挿入力)は最小化される。しかし、このようにした場合、取付穴Paから第二部分2が抜け出し易くなり、対象物Pに対する留め具の留めつき力(抜去力)を十分に確保し難くなる。前記のように外面を弾性脚22の外側面22aよりも内方に位置させる架橋部22fにより、前記弾性片の全部又はその一部の脚端22d側を芯部20側と一体化させるようにすれば、前記挿入力を過大とすることなく留め具に適切な留めつけ力を付与することが可能となる。
この実施の形態にかかる留め具は、前記取付穴Paへの第二部分2の挿通に必要な力が前記弾性脚22の弾性変形、つまり、前記撓み込みの開始時では15N以下となるように前記架橋部22fを構成させている。また、この実施の形態にあっては、前記挿通に必要な力がこの挿通の開始後漸増して挿通終了直前に最大となるようにしてある。これにより、この実施の形態にかかる留め具にあっては、対象物Pの取付穴Paに第二部分2を挿通し易い一方で、挿通終了後は対象物Pに対して留め具が適切な力で留めつくようにすることができる。また、挿通の終了を前記力の変化により作業者に明確に認識させることができる。例えば、図14に示されるように、弾性脚22の弾性変形が開始されてから弾性脚22が約4mm挿入されて挿通終了となる設定の場合、挿入量(変位)が4mmとなる段階まで挿入量に挿入力(荷重)が正比例して増加するようにしておく。また、前記取付穴Paに前記挿通に必要な力の最大値は、対象物Pに対する留め具の留めつけ作業をスムースなものとする観点からは、30N以下にしておくことが最適である。
前記のように、架橋部22fの外面22gは弾性脚22の外側面22aよりも内方に位置されるようになっている。より具体的には、架橋部22fの外面22gは、この架橋部22fの形成位置において、弾性脚22の脚端22dの外側面22a及び前記第一内側面22bに向き合う壁部21の突きだし端21aよりも前記中心軸x側に位置されている。(図1)また、かかる架橋部22fの内面22hは、前記第二内側面22cと同面となっている。(図6)
これにより、この実施の形態にあっては、前記弾性脚22は、留め具を合成樹脂より成形する金型を構成する可動型Mであって、第二部分2の挿通の中心軸xに沿って移動する可動型Mによって形成されるようになっている。
具体的には、前記可動型Mを、前記金型の型開時に先行して成形品である留め具から離型される先抜き部分M’と、この先抜き部分M’の離型後に離型される後抜き部分とから構成し、かかる先抜き部分M’によって架橋部22fを備えた弾性脚22についてはその第二内側面22cと架橋部22fの内面22hを成形し、この弾性脚22の第一内側面22b及び架橋部22fの外面22gと、第一部分1におけるこの弾性脚22の架橋部22fの直上部分を前記後抜き部分によって成形するようにしている。
図12においてかかる先抜き部分M’を示す。(なお、同図においては後抜き部分の記載を省略している。)図示の例では、かかる先抜き部分M’によって、芯部20、架橋部22fを備えていない弾性脚22の第二内側面22c、及び、この架橋部22fを備えていない弾性脚22の第二内側面22cに向き合う壁部21を成形するようにしている。
架橋部22fを備えていない弾性脚22の第一内側面22b、及び、前記先抜き部分M’によって成形されない壁部21は前記後抜き部分によって成形するようにしている。
前記架橋部22fは、前記後抜き部分においてアンダーカットとなるが、先行して離型される先抜き部分M’によって形成される空間を利用して、この後抜き部分の離型を許容するようにこの離型時にこの架橋部22fを備えた弾性脚22を前記空間を狭める向きに弾性変形させることが可能となる。
図示の例では、各弾性脚22の外側面22a及び第一部分1のフランジ10の内側のうち前記環状溝10cの外側は、図示しない主型によって成形されるようになっている。各弾性脚22の外側面22aのうち段差状係合部22eと第一部分1との間に位置される箇所は、前記主型からの離型時にアンダーカットとなるが、先行して離型される先抜き部分M’及び後抜き部分によって形成される空間によって、この主型からの離型時も各弾性脚22は内方に弾性変形される。
この実施の形態にあっては、架橋部22fの外面22gは、可動型Mの移動を許容する形状となっている。図示の例では、架橋部22fの外面22gは、この架橋部22fの長さ方向のどの位置においても、前記中心軸xに沿う向きの断面において、この中心軸x側を湾曲内側とするように湾曲している。これにより、この実施の形態にあっては、前記後抜き部分の離型時に、前記架橋部22fを傷つけることなくこれをこの後抜き部分がスムースに乗り越えるようになっている。(図3)
Pa 取付穴
x 中心軸
1 第一部分
2 第二部分
20 芯部
21 壁部
22 弾性脚
22a 外側面
22b 第一内側面
22c 第二内側面
22d 脚端
22f 架橋部
22g 外面

Claims (8)

  1. 対象物を貫通する取付穴に挿通不能な第一部分と、この取付穴に弾性変形により挿通可能で且つ挿通後の弾性復帰により前記第一部分との間で前記対象物を挟持する第二部分とを備えてなる留め具であって、
    前記第二部分は、前記挿入の中心軸となる芯部と、この芯部から放射方向に突き出してこの芯部を巡る空間を分割する複数の壁部と、隣り合う壁部間において前記第一部分から前記中心軸に沿う向きに突き出す弾性脚とを備えており、
    この弾性脚は、前記中心軸を円心とする仮想円の円弧に沿った外側面と、前記隣り合う壁部の一方に向き合う第一内側面と、前記隣り合う壁部の他方に向き合う第二内側面とを有していると共に、弾性脚の少なくとも一つの脚端側には第一内側面とこれに向き合う壁部との間に架橋部が形成されており、
    この架橋部の外面が弾性脚の外側面よりも内方に位置されるようになっていることを特徴とする留め具。
  2. 芯部を巡る空間が壁部により四分割されていると共に、そのうちの二つの分割空間に位置される弾性脚の脚端側が架橋部を介して壁部と一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の留め具。
  3. 弾性脚は、留め具を成形する金型を構成する可動型であって、第二部分の挿通の中心軸に沿って移動する可動型によって形成されるようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の留め具。
  4. 可動型は、先抜き型と後抜き型とからなり、先抜き型によって架橋部を備えた弾性脚の第二内側面とこれに向き合う壁部を成形すると共に、後抜き型によって架橋部を備えた弾性脚の第一内側面と架橋部の外面を成形するようにしていることを特徴とする請求項3に記載の留め具。
  5. 架橋部の外面は、可動型の移動を許容する形状となっていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の留め具。
  6. 取付穴への第二部分の挿通に必要な力がこの挿通による弾性脚の弾性変形の開始時では15N以下となるように架橋部を構成させていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の留め具。
  7. 対象物を貫通する取付穴に挿通不能な第一部分と、この取付穴に弾性変形により挿通可能で且つ挿通後の弾性復帰により前記第一部分との間で前記対象物を挟持する第二部分とを備えてなる留め具であって、
    前記挿通に必要な力が前記弾性変形の開始時では15N以下で、その後漸増して挿通終了直前に最大となるようにしてあることを特徴とする留め具。
  8. 挿通に必要な力の最大値が30N以下であることを特徴とする請求項7に記載の留め具。
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