JP2014105644A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレンステッド酸点を有するゼオライトで構成され、触媒の温度が所定温度(400℃)以上となると吸着したアンモニアを脱離するアンモニア吸着触媒(27)を、ルイス酸点を有するゼオライトで構成される選択還元型触媒(28)の上流であって、尿素水インジェクタ(36)の下流に配設する。アンモニア吸着触媒(27)と選択還元型触媒(28)とをケーシング(30)内に配設する。
【選択図】図1
Description
そこで、従来より、ディーゼルエンジンや希薄燃焼ガソリンエンジンでは、選択還元型触媒や、NOxトラップ触媒等を排気流路に設けている。特にディーゼルエンジンでは、高回転速度・高負荷運転時にNOxの排出量が多くなることから、尿素水を排気流路中の排ガスに添加して、尿素水が加水分解して発生したアンモニア(NH3)にてNOxを還元浄化する選択還元型触媒装置(SCRシステム)が用いられている。
このように、一酸化窒素発生手段からアンモニア発生触媒コンバータに一酸化窒素を供給し、アンモニア発生触媒コンバータにてアンモニアを生成してから窒素酸化物還元触媒コンバータにてNOxを還元浄化すると、一酸化窒素の供給からアンモニアの生成までに時間を要し、更にNOxの還元浄化までに時間を要することとなる。
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、NOxを確実に還元浄化することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
前記アンモニア吸着触媒のアンモニア脱離温度は、前記選択還元型触媒の前記アンモニア脱離温度よりも高いことを特徴とする。
また、請求項3の内燃機関の排気浄化装置では、請求項1或いは2において、前記アンモニア吸着触媒の触媒容量は、前記選択還元型触媒の触媒容量以下であることを特徴とする。
また、尿素水供給手段から供給される尿素水が加水分解して発生するアンモニアに加えて、アンモニア吸着触媒からアンモニアが脱離して、アンモニアを選択還元型触媒に供給することができるので、例えば、内燃機関の高負荷運転時に排ガスの流速が早くなることで加水分解されずに排出される尿素水量を考慮して、尿素水を供給する必要がないので、尿素水の消費量を低減し、且つ車外へ排出されるアンモニア量を低減することができる。
ブレステッド酸点を有するゼオライト触媒は、アンモニアの脱離を開始する温度が約400℃以上であり、内燃機関から排出される窒素酸化物が比較的少なく、排ガスが低温(400℃未満)である内燃機関の低負荷運転時等にアンモニアを吸着して、排ガスが高温(400℃以上)となる内燃機関の高負荷運転時にアンモニアを脱離することができる。
また、請求項3の発明によれば、アンモニア吸着触媒の触媒容量を選択還元型触媒の触媒容量以下としているので、アンモニア吸着触媒に吸着した全てのアンモニアが脱離しても、脱離した全てのアンモニアを選択還元型触媒での窒素酸化物の還元浄化に用いることができる。
請求項4の発明によれば、選択還元型触媒を金属イオンを含みルイス酸点を有するゼオライト触媒としている。
図1は、内燃機関の排気浄化装置が適用されたエンジン1の概略構成図である。
図1に示すように、エンジン(内燃機関)1は、多気筒の筒内直接噴射式内燃機関(例えばコモンレール式ディーゼルエンジン)であり、詳しくは、コモンレールに蓄圧された高圧燃料を各気筒の燃料噴射ノズル2に供給し、任意の噴射時期及び噴射量で当該燃料噴射ノズル2から各気筒の燃焼室3内に噴射可能な構成を成している。
燃焼室3には、インテークポート7とエキゾーストポート8とが連通されている。
インテークポート7には、燃焼室3と当該インテークポート7との連通と遮断を行うインテークバルブ9が設けられている。また、エキゾーストポート8には、燃焼室3と当該エキゾーストポート8との連通と遮断とを行うエキゾーストバルブ10が設けられている。
インテークマニフォールド11の各気筒に吸入空気を分配するための分岐の上流のインテークマニフォールド11には、酸素濃度を検出する酸素濃度センサ13がセンサ部をインテークマニフォールド11内に突出するように設けられている。また、空燃比センサ13の下流には、燃焼室3に吸入される吸入空気の温度を検出する吸気温度センサ14がインテークマニフォールド11内に突出するように設けられている。
エキゾーストマニフォールド12の下流には、ターボチャージャ19に排ガスを導入する図示しないタービンハウジングと、排気管24とが連通するように設けられている。
ケーシング29の酸化触媒25の上流には、酸化触媒25に流入する排ガスの温度を検出する排気温度センサ32がケーシング29内に突出するように設けられている。また、ケーシング29の酸化触媒25とディーゼルパティキュレートフィルタ26との間には、酸化触媒25から流出する排ガスの温度を検出する排気温度センサ33がケーシング29内に突出するように設けられている。そして、ケーシング29のディーゼルパティキュレートフィルタ26の下流には、ディーゼルパティキュレートフィルタ26から流出する排ガスの温度を検出する排気温度センサ34がケーシング29内に突出するように設けられている。
そして、燃料噴射ノズル2、酸素濃度センサ13,31、吸気温度センサ14,38、EGRバルブ16、電子制御スロットルバルブ22、スロットルポジションセンサ23、排気温度センサ32,33,34、NOxセンサ35,37、尿素水インジェクタ36、及びエンジン1の運転状態を検出する各種センサやエンジン1が搭載される車両の運転者が操作するアクセルペダルの操作度合いを検出するアクセルポジションセンサ等の各種装置は、エンジン1の総合的な制御を行うための制御装置であって入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、タイマ及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成されるエンジンコントロールユニット50と電気的に接続されている。当該エンジンコントロールユニット50は、各種センサ類からの各情報に基づき各種装置の作動を制御して、エンジン1の運転を制御するものである。
また、尿素水インジェクタより噴射される尿素水が加水分解して発生するアンモニアに加えて、アンモニア吸着触媒27からアンモニアが脱離して、アンモニアを選択還元型触媒28に供給することができるので、例えば、エンジン1の高負荷運転時に排ガスの流速が早くなることで加水分解されずに排出される尿素水量を考慮して、尿素水量を供給する必要がないので、尿素水の消費量を低減し、且つ車外へ排出されるアンモニア量を低減することができる。
したがって、アンモニア吸着触媒27に吸着されたアンモニア量が選択還元型触媒28にてNOx窒素酸化物の浄化に用いられるアンモニア量よりも過剰となることがないので、脱離したアンモニアの一部が選択還元型触媒28でのNOxの還元浄化に用いられずに車外に排出されることを防止することができる。
よって、尿素水が車外に排出されることを防止することができる。
上記実施形態では、エンジン1をコモンレール式ディーゼルエンジンとしているが、これに限定されるものではなく、NOxの排出量が比較的多く選択還元型触媒を装着する排気系を有する希薄燃焼ガソリンエンジンにも適用可能であることはいうまでもない。
27 アンモニア吸着触媒
28 選択還元型触媒
36 尿素水インジェクタ(尿素水供給手段)
Claims (4)
- 尿素水を供給して、前記尿素水が加水分解され発生したアンモニアにて内燃機関の排ガス中の窒素酸化物を浄化する内燃機関の排気浄化装置であって、
所定温度領域において前記アンモニアを吸着及び離脱するアンモニア吸着触媒と、
前記アンモニア吸着触媒の上流に前記尿素水を供給する尿素水供給手段と、
所定温度領域において前記アンモニアを吸着及び離脱するとともに該アンモニアにて前記窒素酸化物を還元浄化する選択還元型触媒と、を備え、
前記アンモニア吸着触媒は、前記選択還元型触媒の上流に配設され、
前記アンモニア吸着触媒のアンモニア脱離温度は、前記選択還元型触媒の前記アンモニア脱離温度よりも高いことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記アンモニア吸着触媒は、ブレンステッド酸点を有するゼオライト触媒であることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記アンモニア吸着触媒の触媒容量は、前記選択還元型触媒の触媒容量以下であることを特徴とする、請求項1或いは2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記選択還元型触媒は、金属イオンを含みルイス酸点を有するゼオライト触媒であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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