JP2014104509A - アルミニウム合金製ブレージングシートおよびアルミニウム合金製ブレージングシートを用いたアルミニウム部材のろう付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミニウム部材間にブレージングシートを介在させ、ろう付けするに際し、ブレージングシートにフラックスを塗布することなく、短時間のろう付加熱時間でろう付けできる、生産効率の良いブレージングシートとそのブレージングシートを用いたろう付方法を提供する。
【解決手段】質量%で、Siを5.0〜13.0%、Mgを0.25〜3.0%、Bi0.05〜0.6%を含み、残部Alと不可避的不純物とからなるろう材と、該ろう材を表面に有する心材とからなり、前記ろう材の表面上に、厚さ15nm以下のバリヤー型酸化皮膜を形成したアルミニウム合金製ブレージングシートおよびアルミニウム合金製ブレージングシートを用いたアルミニウム部材のろう付方法である。
【選択図】なし
【解決手段】質量%で、Siを5.0〜13.0%、Mgを0.25〜3.0%、Bi0.05〜0.6%を含み、残部Alと不可避的不純物とからなるろう材と、該ろう材を表面に有する心材とからなり、前記ろう材の表面上に、厚さ15nm以下のバリヤー型酸化皮膜を形成したアルミニウム合金製ブレージングシートおよびアルミニウム合金製ブレージングシートを用いたアルミニウム部材のろう付方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、フラックスを用いないで例えばコンデンサー、ラジエーター等の熱交換器用各種アルミニウム部材をろう付けするアルミニウム合金製ブレージングシートに関するものである。
また本発明は、ろう材が所定の合金組成を有し、その表層に表面処理を施し、非酸化性雰囲気下で良好なろう付性を発揮するアルミニウム合金製ブレージングシートを用いたアルミニウム部材のろう付方法に関するものである。
また本発明は、ろう材が所定の合金組成を有し、その表層に表面処理を施し、非酸化性雰囲気下で良好なろう付性を発揮するアルミニウム合金製ブレージングシートを用いたアルミニウム部材のろう付方法に関するものである。
アルミニウム材料は熱伝導性が高く軽量であるため、自動車用をはじめとする多くの熱交換器に使用されている。内部に水やオイル等を循環して熱交換させる熱交換器は、タンク、チューブ、フィン等の各種アルミニウム部材から構成され、各部材はろう付けにより金属的に接合されている。
熱交換器を構成する各種アルミニウム部材のろう付けには、心材となるアルミニウム合金板の片面又は両面にろう材等をクラッドしたブレージングシートが用いられる。
熱交換器を構成する各種アルミニウム部材のろう付けには、心材となるアルミニウム合金板の片面又は両面にろう材等をクラッドしたブレージングシートが用いられる。
一般的に、ブレージングシートの心材合金としては、溶融温度が600℃以上のアルミニウム合金が用いられ、クラッドされるろう材合金としては、溶融温度が600℃以下のアルミニウム合金が用いられる。このブレージングシートを介在させて熱交換器用各部材を組み合わせ、600℃前後の温度に加熱することにより、ブレージングシートのろう材部のみ溶融させて他部材とろう付けすることで熱交換器を作製することができる。
このようにブレージングシートを使用することで、熱交換器を構成する多数の部材を一度にろう付けすることが可能となる。
このようにブレージングシートを使用することで、熱交換器を構成する多数の部材を一度にろう付けすることが可能となる。
アルミニウム合金板の表面には、緻密でしかも安定な酸化皮膜が生成されているのが通常であり、このような酸化皮膜は、その厚みが20〜30nm前後と薄いにもかかわらず、ろう付性を著しく阻害することが知られている。したがってアルミニウム合金をろう付けするにあたっては表面の酸化皮膜を破壊する必要がある。
ろう付けするに際し、前記表面酸化皮膜を破壊する方法として、主に実用化されている方法が2つある。1つは真空ろう付法であり、もう1つはノコロックろう付法である。
ろう付けするに際し、前記表面酸化皮膜を破壊する方法として、主に実用化されている方法が2つある。1つは真空ろう付法であり、もう1つはノコロックろう付法である。
真空ろう付法は、Al−Si−Mg系合金からなるろう材が用いられる。Al−Si−Mg系合金からなるろう材を真空中で加熱すると,ろう材中のMgが材料から蒸発し、その際に材料表面の酸化皮膜を破壊してろう付けを可能にする。しかし、真空ろう付法は高価な真空加熱装置を必要とする欠点がある。
一方、ノコロックろう付法は、Al−Si系合金からなるろう材が用いられる。この方法はろう材にフラックスを塗布した後、不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で加熱し、フラックスにより材料表面の酸化皮膜を破壊してろう付けを可能にする。しかし、フラックス塗布において塗りムラがあるとろう付不良の原因となるため、フラックスを必要箇所に均一に塗布する必要があり、また、ろう付け加熱後には製品表面に残留したフラックスの残渣を取り除く工程も必要となる。
更にはノコロックろう付法などの、不活性ガス雰囲気中でのフラックスろう付けでは、フラックスとMgとの反応によってろう付性が低下するため、母材(心材)に対して、強度向上に寄与する固溶強化元素であるMgを、ほとんど添加することができず、これらのことが不活性ガス雰囲気中でのろう付けにおける欠点となっている。
一方、ノコロックろう付法は、Al−Si系合金からなるろう材が用いられる。この方法はろう材にフラックスを塗布した後、不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で加熱し、フラックスにより材料表面の酸化皮膜を破壊してろう付けを可能にする。しかし、フラックス塗布において塗りムラがあるとろう付不良の原因となるため、フラックスを必要箇所に均一に塗布する必要があり、また、ろう付け加熱後には製品表面に残留したフラックスの残渣を取り除く工程も必要となる。
更にはノコロックろう付法などの、不活性ガス雰囲気中でのフラックスろう付けでは、フラックスとMgとの反応によってろう付性が低下するため、母材(心材)に対して、強度向上に寄与する固溶強化元素であるMgを、ほとんど添加することができず、これらのことが不活性ガス雰囲気中でのろう付けにおける欠点となっている。
これらに対して、高価な真空加熱装置やフラックスを用いずに不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で加熱することにより、ろう付けを可能にするろう付方法が提案されている。
特許文献1には、Mgを含有するろう付用組立て体を炭素質カバーで覆って加熱し、フラックスを用いずにろう付けする方法が記載されている。この方法では、Mgにより炭素質カバー内の酸素濃度を低減し、酸化を防止することでろう付けを可能にしている。
しかし、この特許文献1に記載のブレージングシートのろう付方法では、ろう付け対象である組み立て体の形状、サイズにあわせて炭素質カバーを作製しなければならず、工程管理が煩雑となるという欠点がある。
特許文献1には、Mgを含有するろう付用組立て体を炭素質カバーで覆って加熱し、フラックスを用いずにろう付けする方法が記載されている。この方法では、Mgにより炭素質カバー内の酸素濃度を低減し、酸化を防止することでろう付けを可能にしている。
しかし、この特許文献1に記載のブレージングシートのろう付方法では、ろう付け対象である組み立て体の形状、サイズにあわせて炭素質カバーを作製しなければならず、工程管理が煩雑となるという欠点がある。
また、特許文献2には、ろう材にMgを含有したクラッド材を使用して熱交換器を構成し、インナーフィン側はフラックスを用いずに、インナーフィンを除く熱交換器構成部材にはノコロックフラックスを塗布してそれぞれをろう付けする方法が記載されている。このろう付方法では、ろう材中のMgにより表面の酸化皮膜を除去してろう付けを可能にしているが、ろう材中のMgによる表面の酸化皮膜除去作用のみでは酸化皮膜が完全に除去できず、従って、インナーフィンを除く熱交換器構成部材のろう付けではフラックスを使用し、完全に酸化皮膜を取り除く必要があり、完全にフラックスなしでろう付けすることができない欠点がある。
各種アルミニウム部材をろう付けする従来のろう付加熱用設備では、ろう付熱処理過程でアルミニウム材料表面の酸化皮膜が成長することが知られている。そのため従来法では、フッ化物系フラックスあるいはアルミニウム材料へ添加したMgの蒸発作用によって酸化皮膜を破壊してろう付けを行っている。
しかし、加熱中の材料表面の酸化皮膜成長を抑制することができれば、フラックスや過剰なMgを酸化皮膜破壊活動に費やす必要がなくなる。
そこで本発明では、フラックスを使用せず、不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で、短時間のろう付加熱時間で良好なろう付けが可能なブレージングシートおよび該ブレージングシートを用いたアルミニウム部材のろう付方法を提供することを目的とする。
しかし、加熱中の材料表面の酸化皮膜成長を抑制することができれば、フラックスや過剰なMgを酸化皮膜破壊活動に費やす必要がなくなる。
そこで本発明では、フラックスを使用せず、不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で、短時間のろう付加熱時間で良好なろう付けが可能なブレージングシートおよび該ブレージングシートを用いたアルミニウム部材のろう付方法を提供することを目的とする。
本発明者等はろう付加熱中にアルミニウム材料の表面酸化皮膜成長を抑制する方法につき種々実験検討し、不活性ガス中に僅かに含まれる酸素がアルミニウム材料の表面酸化皮膜成長の要因であることを突き止め、その結果、炉内を炭素質カバーで覆い、炉内温度をろう付温度まで昇温すると、不活性ガス中に僅かに含まれる酸素が、炉内の炭素質カバーにより還元され、酸素濃度の極めて低い雰囲気が安定して得られ、ブレージングシートのろう材表面の酸化膜の成長が抑制されることを見出した。
また、本発明者等は、ろう材中にMgを含んだブレージングシートを、上記の酸素濃度が極めて低い雰囲気下でろう付温度まで昇温すると、特定の温度域で、酸化皮膜の成分が変化することも見出した。すなわち初期酸化皮膜は主にAl2O3からなるが、特定の温度域で、ろう材中のMgの一部が酸化膜に拡散し、酸化膜厚が増大することなくMgOを主成分とする酸化皮膜に変化していく現象を見出した。
Al2O3からなる酸化膜は、緻密かつ強固であるが、MgOを主成分とする酸化皮膜は、ポーラスかつ脆い性質を有する。従って、ろう付加熱過程でろう材が溶融する温度に到達した際に、酸化皮膜が容易に破壊され、ろう材の流動性が増してろう付性が向上することを見出した。
Al2O3からなる酸化膜は、緻密かつ強固であるが、MgOを主成分とする酸化皮膜は、ポーラスかつ脆い性質を有する。従って、ろう付加熱過程でろう材が溶融する温度に到達した際に、酸化皮膜が容易に破壊され、ろう材の流動性が増してろう付性が向上することを見出した。
また、ろう材中にMgと同時にBiを含有させると、ろう材中のBiの一部が酸化膜に拡散し、酸化膜を更に脆くし、濡れ性を向上し、ろう付性が更に向上することを見出した。
また、ろう付加熱前のろう材表面の初期酸化皮膜は、通常30〜50nm程度であるが、この厚みを極力薄くすることで、上記の酸化皮膜の破壊が容易になり、更にろう付性が向上することを見出した。
ろう材表面の初期酸化皮膜を薄くするために種々の表面処理を試行した結果、アルカリエッチング処理あるいは酸洗浄などに比べ、バリアー型酸化処理を施すことにより、安定して、薄くかつ緻密な酸化皮膜が永続的に得られることを見出した。
また、ろう付加熱前のろう材表面の初期酸化皮膜は、通常30〜50nm程度であるが、この厚みを極力薄くすることで、上記の酸化皮膜の破壊が容易になり、更にろう付性が向上することを見出した。
ろう材表面の初期酸化皮膜を薄くするために種々の表面処理を試行した結果、アルカリエッチング処理あるいは酸洗浄などに比べ、バリアー型酸化処理を施すことにより、安定して、薄くかつ緻密な酸化皮膜が永続的に得られることを見出した。
本発明は上記知見に基づきなされたものである。即ち、
本発明のアルミニウム合金製ブレージングシートは、質量%でSiを5.0〜13.0%、Mgを0.25〜3.0%、Bi0.05〜0.6%を含み、残部Alと不可避的不純物とからなる組成を有するろう材が芯材にクラッドされ、該ろう材の表面上に、バリヤー型酸化皮膜が形成されていることを特徴とし、特にフラックスレスろう付用ブレージングシートとして有用なものである。
本発明のアルミニウム合金製ブレージングシートは、質量%でSiを5.0〜13.0%、Mgを0.25〜3.0%、Bi0.05〜0.6%を含み、残部Alと不可避的不純物とからなる組成を有するろう材が芯材にクラッドされ、該ろう材の表面上に、バリヤー型酸化皮膜が形成されていることを特徴とし、特にフラックスレスろう付用ブレージングシートとして有用なものである。
本発明において、前記バリヤー型酸化皮膜の酸化膜厚さは15nm以下であることが好ましい。
本発明のアルミニウム合金製ブレージングシートを用いたろう付方法は、前記アルミニウム合金製ブレージングシートを用いて、酸素濃度5ppm以下の非酸化性雰囲気中で、500〜560℃の温度範囲で2〜10分保持した後、580〜610℃の温度に1〜5分保持するろう付加熱を行うことを特徴とし、特にフラックスを使用することなく良好にろう付けし得るろう付け方法である。
本発明のアルミニウム合金製ブレージングシートを用いたろう付方法は、前記アルミニウム合金製ブレージングシートを用いて、酸素濃度5ppm以下の非酸化性雰囲気中で、500〜560℃の温度範囲で2〜10分保持した後、580〜610℃の温度に1〜5分保持するろう付加熱を行うことを特徴とし、特にフラックスを使用することなく良好にろう付けし得るろう付け方法である。
本発明のブレージングシートを使用することにより、熱交換器を構成する各種アルミニウム部材を、フラックスを塗布する事なく、短時間のろう付加熱時間で生産効率よく良好に接合することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係るアルミニウム合金製ブレージングシートは、ろう材にSi、Mg、Biを含有させたブレージングシートを用い、フラックスを使用せず、非酸化性雰囲気中でろう付加熱する。その際、ろう材中に含まれるMg、Biがろう材表面の酸化皮膜を還元、破壊し易くして、溶融したろう材を露出させることで相手材料とのろう付けを可能にする。
本発明に係るアルミニウム合金製ブレージングシートは、ろう材にSi、Mg、Biを含有させたブレージングシートを用い、フラックスを使用せず、非酸化性雰囲気中でろう付加熱する。その際、ろう材中に含まれるMg、Biがろう材表面の酸化皮膜を還元、破壊し易くして、溶融したろう材を露出させることで相手材料とのろう付けを可能にする。
本発明者等は、不活性ガス雰囲気中でのろう付性を更に向上すべく、ろう材への添加元素の効果を検討した結果、ろう材中にMgに加え、Biを同時に添加し、更に、ろう材表面を表面処理することで、ろう付性が大幅に改善されることを見出した。
この原因を更に詳細に検討した結果、ろう材表面にBiが単体で露出し、露出した単体Bi表面にはブレージングシート製造時に表面酸化膜が形成され難くいこと、また、ろう材表面を表面処理する際表面酸化皮膜が成長しないこと、および、不活性ガス雰囲気中でろう付加熱する際にも表面酸化膜が成長しないことを見出した。
また、Bi自体の融点がAl−Si系のろう材に比べて低いため、ろう材が溶融する時点で、ろう材の表面酸化皮膜にBiが溶出し、そこを起点として、ろう材中に含有されるMgによる、ろう材表面酸化皮膜の還元、破壊が促進される
との見解を得た。
またろう材を鋳造する時にBiとMgが共存することにより生じるBi−Mg化合物が、単体Biと同様な酸化皮膜抑制効果を示すと共に、それ自体がMgの発生源として働くため、酸化皮膜の還元、破壊がより早く進行するとの見解も得た。
この原因を更に詳細に検討した結果、ろう材表面にBiが単体で露出し、露出した単体Bi表面にはブレージングシート製造時に表面酸化膜が形成され難くいこと、また、ろう材表面を表面処理する際表面酸化皮膜が成長しないこと、および、不活性ガス雰囲気中でろう付加熱する際にも表面酸化膜が成長しないことを見出した。
また、Bi自体の融点がAl−Si系のろう材に比べて低いため、ろう材が溶融する時点で、ろう材の表面酸化皮膜にBiが溶出し、そこを起点として、ろう材中に含有されるMgによる、ろう材表面酸化皮膜の還元、破壊が促進される
との見解を得た。
またろう材を鋳造する時にBiとMgが共存することにより生じるBi−Mg化合物が、単体Biと同様な酸化皮膜抑制効果を示すと共に、それ自体がMgの発生源として働くため、酸化皮膜の還元、破壊がより早く進行するとの見解も得た。
ろう材について(以下に示す含有量は質量%である。)
ろう材に取り込むSi、MgおよびBiの含有量につき説明する。
Siの含有量は5.0〜13.0%とするのが好ましい。
ろう材中のSiの含有量が5.0%未満では、ろう付温度において生成する溶融ろう材の量が少なくろう付性が低下する。一方、ろう材中のSiの含有量が13.0%を超えると、ろう材の液相温度が上昇するとともに心材へのろう拡散が顕著になりろう付性が低下する。従って、Siの含有量は5.0〜13.0%とすることが好ましい。
ろう材に取り込むSi、MgおよびBiの含有量につき説明する。
Siの含有量は5.0〜13.0%とするのが好ましい。
ろう材中のSiの含有量が5.0%未満では、ろう付温度において生成する溶融ろう材の量が少なくろう付性が低下する。一方、ろう材中のSiの含有量が13.0%を超えると、ろう材の液相温度が上昇するとともに心材へのろう拡散が顕著になりろう付性が低下する。従って、Siの含有量は5.0〜13.0%とすることが好ましい。
ろう材中のMgの含有量は0.25〜3.0%とするのが好ましい。
ろう材中のMgの含有量が0.25%未満では、酸化膜を還元、破壊するMgの量が少なく、ろう付性の向上効果が見られない。一方、ろう材中のMgの含有量が3.0%を超えると、必要以上にMgが拡散してMg濃化により溶融ろう材がMg過剰となり、酸化し易くなるために、かえってろう付性に悪影響を及ぼす結果となる。従って、Mgの含有量は0.25〜3.0%とするのが好ましい。
ろう材中のMgの含有量が0.25%未満では、酸化膜を還元、破壊するMgの量が少なく、ろう付性の向上効果が見られない。一方、ろう材中のMgの含有量が3.0%を超えると、必要以上にMgが拡散してMg濃化により溶融ろう材がMg過剰となり、酸化し易くなるために、かえってろう付性に悪影響を及ぼす結果となる。従って、Mgの含有量は0.25〜3.0%とするのが好ましい。
ろう材中のBiの含有量は0.05〜0.6%とするのが好ましい。
ろう材中のBiの含有量が0.05%未満では、ろう付性の向上に効果が見られない。一方、Biの含有量が0.6%を超えると、熱間圧延時の端面に割れを生じてろう材の製造に困難をきたす。従って、Biの含有量は0.05〜0.6%とするのが好ましい。
ろう材中のBiの含有量が0.05%未満では、ろう付性の向上に効果が見られない。一方、Biの含有量が0.6%を超えると、熱間圧延時の端面に割れを生じてろう材の製造に困難をきたす。従って、Biの含有量は0.05〜0.6%とするのが好ましい。
なお、ろう材中には上記Mg、Si、Biの他に、0.5〜8.0%のCu、0.5〜6.0%のZn等の選択的添加元素を含有させてもよい。Cu、Znはろう材の融点を下げ、低温でのろう付けを可能にする。更に、0.1〜1.5%のFe、0.05〜0.2%のTi等の不可避的不純物が含有されていても、これらの元素は本発明の効果を損なうものではない。
心材について(以下に示す含有量は質量%である。)
心材の成分は特に規定しないが、0.1〜1.2%のSi、0.1〜1.0%のFe、0.05〜1.0%のCuの1種または2種以上の元素を添加しても良い。
Siは心材中に固溶または金属間化合物を分布させ、心材の強度向上に寄与する効果があり、0.1%未満では強度向上効果が見られず、1.2%を超えると粗大な金属間化合物を生じて、ろう付加熱時に部分的に溶融し、強度を低下させるためで好ましくなく、添加する量は0.1〜1.2%が好適である。
Feは心材の結晶粒を微細にし、成型加工性の向上に寄与する。Feの添加量が0.1%未満では微細化効果が得られず、1.0%を超えるとSiと粗大な金属間化合物を生じて、ろう付加熱時に部分的に溶融し、強度低下させるため好ましくなく、添加する量は0.1〜1.0%が好適である.
Cuは心材中に固溶して強度を向上する効果があり、0.05%未満では強度向上効果が見られず、1.0%を超えると、粒界に析出し易くなり、粒界腐食の感受性があがるため好ましくなく、添加する量は0.05〜1.0%が好適である。
心材の成分は特に規定しないが、0.1〜1.2%のSi、0.1〜1.0%のFe、0.05〜1.0%のCuの1種または2種以上の元素を添加しても良い。
Siは心材中に固溶または金属間化合物を分布させ、心材の強度向上に寄与する効果があり、0.1%未満では強度向上効果が見られず、1.2%を超えると粗大な金属間化合物を生じて、ろう付加熱時に部分的に溶融し、強度を低下させるためで好ましくなく、添加する量は0.1〜1.2%が好適である。
Feは心材の結晶粒を微細にし、成型加工性の向上に寄与する。Feの添加量が0.1%未満では微細化効果が得られず、1.0%を超えるとSiと粗大な金属間化合物を生じて、ろう付加熱時に部分的に溶融し、強度低下させるため好ましくなく、添加する量は0.1〜1.0%が好適である.
Cuは心材中に固溶して強度を向上する効果があり、0.05%未満では強度向上効果が見られず、1.0%を超えると、粒界に析出し易くなり、粒界腐食の感受性があがるため好ましくなく、添加する量は0.05〜1.0%が好適である。
心材にはさらに、Mnを0.2〜2.5%含有させるのが好ましい。MnはSi、Feと共に、金属間化合物として晶出または析出し、ろう付け後の強度を向上させると共に、マトリックスのSi固溶度を低くし、マトリックスの融点を向上させる効果がある。また、心材の電位を貴にして、ろう材側の耐孔食性も向上させる。ただし、0.2%未満の含有量では、上記作用を十分に得ることができず、2.5%を超えると鋳造性や加工性(圧延性)が低下する。
また、0.05〜0.2%のTi、0.05〜0.2%のZr等の不可避的不純物が含有されていてもよい。
また、0.05〜0.2%のTi、0.05〜0.2%のZr等の不可避的不純物が含有されていてもよい。
本実施形態に使用するブレージングシートにおいては、少なくとも片面に上記ろう材(Al−Si系)がクラッドされていればよく、適宜、片面クラッド材と両面クラッド材を使い分けることができる。両面クラッド材では、芯材の両面にろう材がクラッドされているものであってもよく、また片面に上記ろう材がクラッドされ、他の片面に犠牲材等のその他の材料がクラッドされているものであってもよい。
本実施形態のアルミニウム合金製ブレージングシートに適用されるろう材のクラッド率は、片面で1.5〜25%であることが好ましい。クラッド率が1.5%未満では、心材厚さに比べてろう材厚さが薄過ぎて、ろう付け時のろう付部に十分な量のろうが供給されない恐れがある。一方、クラッド率が25%を超えると、心材厚さに比べてろう材厚さが厚過ぎて、ろう材過剰となり、製品形状によっては、ろう溜まり、あるいはエロージョンを生じる恐れがある。
本実施形態のアルミニウム合金製ブレージングシートに適用されるろう材のクラッド率は、片面で1.5〜25%であることが好ましい。クラッド率が1.5%未満では、心材厚さに比べてろう材厚さが薄過ぎて、ろう付け時のろう付部に十分な量のろうが供給されない恐れがある。一方、クラッド率が25%を超えると、心材厚さに比べてろう材厚さが厚過ぎて、ろう材過剰となり、製品形状によっては、ろう溜まり、あるいはエロージョンを生じる恐れがある。
本実施形態に係るアルミニウム合金製ブレージングシートの厚さは特に限定されるものではない。ブレージングシートが熱交換器の組立てに使用される場合は、熱交換器のアルミニウム部材の厚さに合わせて、0.05〜3.0mmとするのが好ましい。
表面処理について
上記ブレージングシートにおいては、ろう材側の表面にバリアー型酸化処理を施し、ろう付け側表面を保護する。
バリアー型酸化処理にあたっては、前処理として脱脂洗浄と初期酸化皮膜の除去を行う。前処理条件はこれらの目的が達成されればよく、特に方法を限定するものではない。例えば、水酸化ナトリウム水溶液でアルカリエッチング処理し、その後、硝酸水溶液中でデスマット処理を行う方法がある。
次いで、前処理を終えたろう材表面にバリアー型酸化処理を施す。このバリアー型酸化皮膜は、後述する低酸素雰囲気下のろう付熱処理過程での表面酸化皮膜成長を抑制する。
なお、ろう材の表面にバリアー型酸化皮膜を陽極酸化で形成処理する場合、ろう材表面に露出した共晶Si粒子およびBi粒子さらにはBi−Mg化合物粒子にはアルミニウムマトリクス上と同じようなバリアー型酸化皮膜の成長が得られないが、自然酸化皮膜の生成も抑制されており、最終的に液相ろうとして機能するため、ろう付けに問題は生じない。
上記ブレージングシートにおいては、ろう材側の表面にバリアー型酸化処理を施し、ろう付け側表面を保護する。
バリアー型酸化処理にあたっては、前処理として脱脂洗浄と初期酸化皮膜の除去を行う。前処理条件はこれらの目的が達成されればよく、特に方法を限定するものではない。例えば、水酸化ナトリウム水溶液でアルカリエッチング処理し、その後、硝酸水溶液中でデスマット処理を行う方法がある。
次いで、前処理を終えたろう材表面にバリアー型酸化処理を施す。このバリアー型酸化皮膜は、後述する低酸素雰囲気下のろう付熱処理過程での表面酸化皮膜成長を抑制する。
なお、ろう材の表面にバリアー型酸化皮膜を陽極酸化で形成処理する場合、ろう材表面に露出した共晶Si粒子およびBi粒子さらにはBi−Mg化合物粒子にはアルミニウムマトリクス上と同じようなバリアー型酸化皮膜の成長が得られないが、自然酸化皮膜の生成も抑制されており、最終的に液相ろうとして機能するため、ろう付けに問題は生じない。
バリアー型酸化処理のための電解液としては様々な薬剤がある。
一般的な電解液としてはホウ酸、ホウ酸塩等のPHを5〜7の範囲に調整した弱酸性電解液、或いは酒石酸アンモニウム、クエン酸、マレイン酸またはグリコール酸等の中性に調整した中性電解液が使用できる。この内、酒石酸アンモニウム、クエン酸、マレイン酸またはグリコール酸などの中性に調整した電解液は微酸性電解液に比べてより緻密で薄い酸化皮膜を得ることができるため、本実施形態では好ましく使用することができる。
一般的な電解液としてはホウ酸、ホウ酸塩等のPHを5〜7の範囲に調整した弱酸性電解液、或いは酒石酸アンモニウム、クエン酸、マレイン酸またはグリコール酸等の中性に調整した中性電解液が使用できる。この内、酒石酸アンモニウム、クエン酸、マレイン酸またはグリコール酸などの中性に調整した電解液は微酸性電解液に比べてより緻密で薄い酸化皮膜を得ることができるため、本実施形態では好ましく使用することができる。
電解質濃度は皮膜むらや沈殿状況により、適宜調整すれば良い。
処理時の電解浴温度は30℃以下とし、好ましくは15〜25℃で行う。浴温が30℃を超えると反応が進み易くなり、酸化膜厚の制御が困難となるためである。
上記電解液に前記組成のろう材表面を接触させて連続的、或は断続的に電解する。電解の際には、陽極、陰極には不溶性の導電材料を用いる。電解電流は特に規定しないが、1.0〜1.5A/dm2程度が好ましい。1.0A/dm2未満では皮膜形成に時間を要し、1.5A/dm2超では皮膜やけ等の表面欠陥を生じやすくなる問題がある。
電解時間は数秒〜3分程度で、目的とする皮膜厚さと電解条件により選択して電解時間を制御する。
印加電圧は、作製する酸化皮膜の厚さによって1.0〜7.0V程度とすることができる。酸化膜厚を極力薄く、緻密にするためには、1.0〜1.5V程度の低電圧が好ましい。
これらの電解条件で、ろう材表面に均一なバリアー型酸化皮膜を形成することができる。
処理時の電解浴温度は30℃以下とし、好ましくは15〜25℃で行う。浴温が30℃を超えると反応が進み易くなり、酸化膜厚の制御が困難となるためである。
上記電解液に前記組成のろう材表面を接触させて連続的、或は断続的に電解する。電解の際には、陽極、陰極には不溶性の導電材料を用いる。電解電流は特に規定しないが、1.0〜1.5A/dm2程度が好ましい。1.0A/dm2未満では皮膜形成に時間を要し、1.5A/dm2超では皮膜やけ等の表面欠陥を生じやすくなる問題がある。
電解時間は数秒〜3分程度で、目的とする皮膜厚さと電解条件により選択して電解時間を制御する。
印加電圧は、作製する酸化皮膜の厚さによって1.0〜7.0V程度とすることができる。酸化膜厚を極力薄く、緻密にするためには、1.0〜1.5V程度の低電圧が好ましい。
これらの電解条件で、ろう材表面に均一なバリアー型酸化皮膜を形成することができる。
本実施形態ではバリアー型酸化皮膜の厚さは15nm以下とする。
バリアー型酸化皮膜の厚さが15nmを超えるとでは、酸化皮膜自体がろうの濡れ性を阻害する傾向が強まる。したがって、無孔質酸化皮膜の厚さは15nm以下が望ましい。なお、好ましくは、10nm以下である。
バリアー型酸化皮膜の厚さが15nmを超えるとでは、酸化皮膜自体がろうの濡れ性を阻害する傾向が強まる。したがって、無孔質酸化皮膜の厚さは15nm以下が望ましい。なお、好ましくは、10nm以下である。
ろう付けについて
本発明を実施するに当っては、ろう付加熱する炉内雰囲気を工業的に使用される高純度窒素ガス雰囲気、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気等の非酸化性ガス雰囲気とする。ろう付けを可能にするためには、ろう材表面の酸化をできるだけ抑制するために、雰囲気中の酸素濃度は低い方が安定したろう付けが可能となるため、雰囲気中の酸素濃度管理範囲としては、0.5〜5ppmが好ましい。
酸素濃度が0.5ppm未満の場合は、ろう付性に不具合は生じないが、雰囲気の管理に多量のガスを使用するため、製造コストの増大に懸念が生ずるためである。一方、5ppm以上になるとろう材の再酸化が進みやすくなり、十分なろう付性が得られなくなる恐れがあるためである。
本発明を実施するに当っては、ろう付加熱する炉内雰囲気を工業的に使用される高純度窒素ガス雰囲気、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気等の非酸化性ガス雰囲気とする。ろう付けを可能にするためには、ろう材表面の酸化をできるだけ抑制するために、雰囲気中の酸素濃度は低い方が安定したろう付けが可能となるため、雰囲気中の酸素濃度管理範囲としては、0.5〜5ppmが好ましい。
酸素濃度が0.5ppm未満の場合は、ろう付性に不具合は生じないが、雰囲気の管理に多量のガスを使用するため、製造コストの増大に懸念が生ずるためである。一方、5ppm以上になるとろう材の再酸化が進みやすくなり、十分なろう付性が得られなくなる恐れがあるためである。
ろう付炉について
低酸素の雰囲気を得るためには、ろう付炉内部の不活性ガスと接触する構成部材の少なくとも一部に炭素材を用いた加熱炉を使用することが好ましい。炭素材を使用する炉の構成部材としては炉内壁、バッフル、被ろう付物搬送用のメッシュベルト等が挙げられる。
炭素材は、不活性ガス中に微量に存在する酸素と反応してCOを生成し、炉内の酸素濃度を低下する。既存のろう付炉でろう付けする場合は、炉内に炭素材を別途設置する方法も可能である。
低酸素の雰囲気を得るためには、ろう付炉内部の不活性ガスと接触する構成部材の少なくとも一部に炭素材を用いた加熱炉を使用することが好ましい。炭素材を使用する炉の構成部材としては炉内壁、バッフル、被ろう付物搬送用のメッシュベルト等が挙げられる。
炭素材は、不活性ガス中に微量に存在する酸素と反応してCOを生成し、炉内の酸素濃度を低下する。既存のろう付炉でろう付けする場合は、炉内に炭素材を別途設置する方法も可能である。
また、炉内への微量な酸素の混入は、主に被ろう付物(アルミニウム部材等)より取り込まれることが多い。特に熱交換器のように被ろう付物内部に中空構造を有する部材が存在する場合は、中空内部に存在する酸素が十分に置換されないままでろう付炉内に搬入されるため、炉内雰囲気中の酸素濃度低減の妨げとなる。そのため、予熱室、ろう付加熱室からなる複数の炉室を備えたろう付炉を使用し、予熱中に十分に酸素濃度を低減させることで、より低酸素濃度雰囲気中でろう付加熱することが可能となる。
また、被ろう付物を炉内に搬入後、炉内を真空脱気し、その後に不活性ガスを吹き込むことにより炉内の雰囲気ガスを置換することで、炉内の酸素濃度上昇を防ぐことができる。雰囲気ガスを置換する装置を備えたろう付炉を使用することも、短時間のうちに安定したろう付性雰囲気が得られるので工業的に好ましい。
ろう付条件の制御について
ろう付温度に関しては、ろう材を溶融させないで、酸化膜の組成のみを変える温度域での保持時間およびろう材を溶融させてろう付けを行う温度域での保持時間を規定する必要がある。
本実施形態において、ろう材を溶融させないで、酸化膜の組成のみを変える温度域は、500〜560℃の範囲であり、この温度範囲を、2〜10分の時間をかけて昇温させるか、この温度範囲内で2〜10分保持させる必要がある。なお、本明細書では500〜560℃を2〜10分かけて昇温させる方法と、この温度範囲内で2〜10分保持する方法における、昇温時間と保持時間を総称して単位保持時間と云う。
温度が500℃以下では、ろう材に含まれるMgが酸化膜に拡散せず、主にAl2O3からなる酸化膜が、MgOを主成分とする酸化皮膜に変化していく反応が生じ難いため好ましくない。また温度が560℃以上では酸化膜の成分が変化する以前に、ろう材自体が溶融開始してしまうため好ましくない。
また上記の温度範囲を昇温、または保持させる保持時間が2分未満では、Al2O3からなる酸化膜が、MgOからなる酸化皮膜へ変化するためには不十分であり、10分以上では、ろう材のMgが拡散しすぎて、以後のろう材溶融時のMgによる還元作用が弱まり、ろう付性が低下するため好ましくない。
ろう付温度に関しては、ろう材を溶融させないで、酸化膜の組成のみを変える温度域での保持時間およびろう材を溶融させてろう付けを行う温度域での保持時間を規定する必要がある。
本実施形態において、ろう材を溶融させないで、酸化膜の組成のみを変える温度域は、500〜560℃の範囲であり、この温度範囲を、2〜10分の時間をかけて昇温させるか、この温度範囲内で2〜10分保持させる必要がある。なお、本明細書では500〜560℃を2〜10分かけて昇温させる方法と、この温度範囲内で2〜10分保持する方法における、昇温時間と保持時間を総称して単位保持時間と云う。
温度が500℃以下では、ろう材に含まれるMgが酸化膜に拡散せず、主にAl2O3からなる酸化膜が、MgOを主成分とする酸化皮膜に変化していく反応が生じ難いため好ましくない。また温度が560℃以上では酸化膜の成分が変化する以前に、ろう材自体が溶融開始してしまうため好ましくない。
また上記の温度範囲を昇温、または保持させる保持時間が2分未満では、Al2O3からなる酸化膜が、MgOからなる酸化皮膜へ変化するためには不十分であり、10分以上では、ろう材のMgが拡散しすぎて、以後のろう材溶融時のMgによる還元作用が弱まり、ろう付性が低下するため好ましくない。
ろう材を溶融させてろう付けを行う温度は使用するろう材の溶融温度(固相線温度)以上とする。本実施形態でのろう材合金の最も低い固相線温度は570℃であり、従って570℃以上でろう付けするが、580〜610℃のろう付温度が好ましい。
ろう付け温度が580℃未満では,ろう材は溶融するが、ろう付部への流動が不十分でありろう付品質が劣り、610℃を超えると、ろう侵食が顕著となり、製品形状の維持等に問題が生じるためである。
ろう付け温度が580℃未満では,ろう材は溶融するが、ろう付部への流動が不十分でありろう付品質が劣り、610℃を超えると、ろう侵食が顕著となり、製品形状の維持等に問題が生じるためである。
580〜610℃のろう付温度に保持する保持時間は1〜5分が好ましい。保持時間が1分未満では、ろう付部へのろうの流動が不十分であるためろう付品質が劣り、5分を超えると、ろう侵食が顕著となると共に、ろう材中のSiが相手材表面に拡散し、フィレット形成が困難となるためである。
次に、本発明を実施例及び比較例に基づき更に詳細に説明する。
本発明例(実施例)1〜11
表1に示す組成の合金を鋳造し、600℃で均質化処理を行った後、両面を面削して厚さ45mmとし、ブレージングシートの心材とした。
表2に示す組成の合金を、DC鋳造し、500℃で均質化処理を行った後、熱間圧延にて所定の厚さとしブレージングシートのろう材とした。
表3に示すように心材とろう材をクラッド率8%になるように組み合わせて、500℃でクラッド圧延を行い、さらに冷間圧延により板厚1mmとした後に焼鈍を施し、片面にろう材をクラッドしたブレージングシートを作製した。
本発明例(実施例)1〜11
表1に示す組成の合金を鋳造し、600℃で均質化処理を行った後、両面を面削して厚さ45mmとし、ブレージングシートの心材とした。
表2に示す組成の合金を、DC鋳造し、500℃で均質化処理を行った後、熱間圧延にて所定の厚さとしブレージングシートのろう材とした。
表3に示すように心材とろう材をクラッド率8%になるように組み合わせて、500℃でクラッド圧延を行い、さらに冷間圧延により板厚1mmとした後に焼鈍を施し、片面にろう材をクラッドしたブレージングシートを作製した。
作製したブレージングシートのろう材面に表3に示す膜厚のバリアー型酸化処理を施した。
バリアー型酸化処理に際し、先ず、前処理としてろう材表面を水酸化ナトリウム水溶液でアルカリエッチング処理し、その後、硝酸水溶液中でデスマット処理を行った。
前処理を終えたろう材表面に、バリアー型酸化処理を施した。電解液としては、20℃に保持した濃度3%の酒石酸アンモニウム水溶液を用い、電解電流は、1.25A/dm2とし、電解時間は1分とした。ここで、印加電圧を1〜7Vとして、膜厚を変えた試料(表3参照)を作製した。
バリアー型酸化処理に際し、先ず、前処理としてろう材表面を水酸化ナトリウム水溶液でアルカリエッチング処理し、その後、硝酸水溶液中でデスマット処理を行った。
前処理を終えたろう材表面に、バリアー型酸化処理を施した。電解液としては、20℃に保持した濃度3%の酒石酸アンモニウム水溶液を用い、電解電流は、1.25A/dm2とし、電解時間は1分とした。ここで、印加電圧を1〜7Vとして、膜厚を変えた試料(表3参照)を作製した。
上記のようにして作製したブレージングシート試料のろう付性を、図1に示す隙間充填試験により評価した。
図1において1は、板厚1.0mmのJISA3003のベア材を55×25mmに切断した被ろう付板である。
図1において2は、ブレージングシートを60×25mmに切断したブレージングシート(ろう付用試験片)である。
図1において3は、φ1.0mmのステンレス線からなる隙間形成用のスペーサーである。
図1に示すように、被ろう付板1に、試験片2のろう材表面を、該表面にフラックスを塗布せずに対峙させ、試験片2の端面6から長辺方向に沿って50mm離間した位置に、スペーサー3を設置し、スペーサー3により被ろう付板1と試験片2との間に間隙を作り、隙間充填試験片を作製した。
図1において1は、板厚1.0mmのJISA3003のベア材を55×25mmに切断した被ろう付板である。
図1において2は、ブレージングシートを60×25mmに切断したブレージングシート(ろう付用試験片)である。
図1において3は、φ1.0mmのステンレス線からなる隙間形成用のスペーサーである。
図1に示すように、被ろう付板1に、試験片2のろう材表面を、該表面にフラックスを塗布せずに対峙させ、試験片2の端面6から長辺方向に沿って50mm離間した位置に、スペーサー3を設置し、スペーサー3により被ろう付板1と試験片2との間に間隙を作り、隙間充填試験片を作製した。
既存のろう付炉の炉内に炭素材を設置し、ろう付試験用のろう付炉として、図1に示す隙間充填試験片をろう付炉内に設置した。
炉内に非酸化性雰囲気としてアルゴンガスを流し炉内の酸素濃度を5ppm以下に調整した雰囲気中で、加熱してろう付けを実施した。隙間充填試験片の温度を測定し、表3に示すように、様々な昇温条件、保持条件で加熱した後、冷却して炉外に取り出した。
炉内に非酸化性雰囲気としてアルゴンガスを流し炉内の酸素濃度を5ppm以下に調整した雰囲気中で、加熱してろう付けを実施した。隙間充填試験片の温度を測定し、表3に示すように、様々な昇温条件、保持条件で加熱した後、冷却して炉外に取り出した。
図2に示すように、ろう付け後の隙間充填試験片について、被ろう付板1と試験片2の接点6からフィレット4が形成された長さ5を測定し、隙間充填長さとした。
測定した隙間充填長さ5を表3に示す。隙間充填長さを下記の基準で評価した。
○:隙間充填長さが45mm以上
△:隙間充填長さが40以上45mm未満
×:隙間充填長さが40mm未満
○を合格とし、△と×を不合格とした。
測定した隙間充填長さ5を表3に示す。隙間充填長さを下記の基準で評価した。
○:隙間充填長さが45mm以上
△:隙間充填長さが40以上45mm未満
×:隙間充填長さが40mm未満
○を合格とし、△と×を不合格とした。
本発明例1〜11では、隙間充填長さが45mm以上となって良好なろう付性を示した。
比較例1〜7
実施例(本発明例)と同様に、表1に示す組成の合金を鋳造た心材に、表2に示すろう材をクラッドし、比較例1〜7のブレージングシートを作成し、実施例と同様の評価を行い、その結果を表3に示した。
比較例1は、ろう材に添加するSi、Mg、Biの添加量が少なかったためにろう付性を向上するに足るBiまたはBi−Mg化合物が得られず、ろう付性が不合格であった。
比較例2は、ろう材に添加するSiの添加量が多かったために鋳造時に粗大な初晶Siを多発し、熱間圧延時にその部位を起点として割れを生じたため、ブレージングシートを製造することができなかった。
実施例(本発明例)と同様に、表1に示す組成の合金を鋳造た心材に、表2に示すろう材をクラッドし、比較例1〜7のブレージングシートを作成し、実施例と同様の評価を行い、その結果を表3に示した。
比較例1は、ろう材に添加するSi、Mg、Biの添加量が少なかったためにろう付性を向上するに足るBiまたはBi−Mg化合物が得られず、ろう付性が不合格であった。
比較例2は、ろう材に添加するSiの添加量が多かったために鋳造時に粗大な初晶Siを多発し、熱間圧延時にその部位を起点として割れを生じたため、ブレージングシートを製造することができなかった。
比較例3はろう材に添加するBiの添加量が多かったために、鋳造時に粗大なBi粒を多発し、熱間圧延時の加熱で、当該部位が溶解し、応力集中源となり、圧延割れを生じたため、ブレージングシートを製造することができなかった。
比較例4は、ろう材に添加するMgの添加量が多かったために溶融ろうがMg過剰となり、Siと反応したため、ろう材成分が不足し、かえってろう付性が低下した。
比較例5は、バリアー型酸化皮膜を施していないため、ろう付性改善効果が不足した。
比較例4は、ろう材に添加するMgの添加量が多かったために溶融ろうがMg過剰となり、Siと反応したため、ろう材成分が不足し、かえってろう付性が低下した。
比較例5は、バリアー型酸化皮膜を施していないため、ろう付性改善効果が不足した。
比較例6は、炉内の酸素濃度が高すぎたため、昇温途中で酸化膜が急速に成長して厚くなり、ろう材Mgの拡散が不十分となり強固な初期酸化皮膜が残留し、酸化膜が破壊され難かったため、ろう材が流動せず、ろう付性がかえって低下した。
比較例7は、ろう付加熱をゆっくりと行い過ぎたため、ろう材が溶融する前にろう材中のMgの大半が酸化膜に集中し、ろう材中のMgによる酸化膜の還元・破壊作用が不十分となったため、ろう付性が低下した。
比較例7は、ろう付加熱をゆっくりと行い過ぎたため、ろう材が溶融する前にろう材中のMgの大半が酸化膜に集中し、ろう材中のMgによる酸化膜の還元・破壊作用が不十分となったため、ろう付性が低下した。
本発明は、熱交換器を構成する各種アルミニウム部材をフラックスなしでろう付けすることができ、また、アルミニウム材料へ多量のMgを添加することなくろう付けできるので、フラックスや過剰なMgを酸化皮膜破壊活動に費やす必要がなくなる。
従って、フラックスを使用せず、不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で、短時間のろう付加熱時間で良好なろう付けが可能なブレージングシートおよび該ブレージングシートを用いたアルミニウム部材のろう付方法を提供することができる。
従って、フラックスを使用せず、不活性ガス等の非酸化性雰囲気中で、短時間のろう付加熱時間で良好なろう付けが可能なブレージングシートおよび該ブレージングシートを用いたアルミニウム部材のろう付方法を提供することができる。
本発明に係るアルミニウム合金製ブレージングシートを使用することにより、フラックスを用いずに非酸化性雰囲気中で加熱することで、優れたろう付性を得ることが出来る。その結果、特に、様々なろう材厚さのブレージングシートを組み合わせて構成されるアルミニウム製品を、短時間のろう付加熱時間で、生産効率よく製造することができる。
1 被ろう付物(アルミニウム部材)
2 試験片(ブレージングシート)
3 スペーサー
4 フィレット
5 隙間充填長さ
6 接触部
2 試験片(ブレージングシート)
3 スペーサー
4 フィレット
5 隙間充填長さ
6 接触部
Claims (3)
- 心材と、該心材表面に設けた、質量%でSiを5.0〜13.0%、Mgを0.25〜3.0%、Bi0.05〜0.6%を含み、残部Alと不可避的不純物とからなる組成のろう材とからなり、該ろう材の表面上に、バリヤー型酸化皮膜が形成されているアルミニウム合金製ブレージングシート。
- 前記バリヤー型酸化皮膜の厚さが15nm以下である請求項1に記載のアルミニウム合金製ブレージングシート。
- 請求項1または2に記載のアルミニウム合金製ブレージングシートを介在させてアルミニウム部材をフラックスなしでろう付けするに際し、前記ブレージングシートを介在させたアルミニウム部材を酸素濃度5ppm以下の非酸化性雰囲気中で500〜560℃の温度で2〜10分間保持し、その後580〜610℃の温度範囲で、1〜5分保持してろう付けすることを特徴とするアルミニウム合金製ブレージングシートを用いたアルミニウム部材のろう付方法。
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JP2016132113A (ja) * | 2015-01-16 | 2016-07-25 | 昭和電工株式会社 | アルミニウムと炭素粒子との複合材の製造方法及び絶縁基板の製造方法 |
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-
2012
- 2012-11-30 JP JP2012262135A patent/JP2014104509A/ja active Pending
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