JP2014104496A - サイド堰及びこれを備えた双ドラム式連続鋳造機の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サイド堰14は、サイド堰ホルダ31と、サイド堰ホルダ31に収容された断熱材32と、断熱材の表面に設けられたセラミックスプレート33とを有し、且つ、湯溜まり部16へ注湯された溶鋼18から、湯溜まり部へ溶鋼の注湯を開始したときにセラミックスプレートの表面に生成されるサイド堰凝固シェルへ流入する熱流束をqcとし、サイド堰凝固シェルからサイド堰へ流出する熱流束をqsとすると、断熱材はqc−qs>0の条件を満たす材質のものとする。セラミックスプレートの厚さは、湯溜まり部へ溶鋼の注湯を開始してから冷却ドラムの回転を開始するまでの間にサイド堰凝固シェルが再溶融する厚さとする。冷却ドラムの回転はサイド堰凝固シェルが再溶融した後に開始する。
【選択図】図3
Description
(2) 剥離した地金と結合した凝固シェルが冷却ドラムの下方に引き抜かれて鋳片(薄板)になると、当該鋳片の表面には湯じわ、かぶさり、割れ等が生じるため、鋳片の品質が悪化する。
(3) 剥離した地金が冷却ドラムの回転方向に引き込まれて冷却ドラムの隙間に噛み込まれると、冷却ドラムの隙間が一瞬開いて冷却ドラムの圧下力が低下するため、凝固シェルの圧着不良を招く原因となる。
サイド堰ホルダと、前記サイド堰ホルダに収容された断熱材と、前記断熱材の表面に設けられたセラミックスプレートとを有しており、
前記湯溜まり部へ注湯された鋳込み材から、前記湯溜まり部へ鋳込み材の注湯を開始したときに前記セラミックスプレートの表面に生成されるサイド堰凝固シェルへ流入する熱流束をqcとし、
前記サイド堰凝固シェルから温度が室温の前記サイド堰へ流出する熱流束をqsとすると、
前記断熱材はqc−qs>0の条件を満たす材質のものであることを特徴とする。
前記断熱材は下式の条件を満たす材質のものであることを特徴とする。
前記セラミックスプレートの厚さは、前記湯溜まり部へ鋳込み材の注湯を開始してから前記一対の冷却ドラムの回転を開始するまでの間に前記サイド堰凝固シェルが再溶融する厚さであることを特徴とする。
前記セラミックスプレートの厚さは、2mm以下であることを特徴とする。
前記サイド堰凝固シェルが再溶融した後に前記一対の冷却ドラムの回転を開始することを特徴とする。
前記セラミックスプレートの厚さを、2mm以下としたことを特徴とする。
なお、サイド堰14とサイド堰15は同じ構成であため、図3にはサイド堰14のみを示しており、以下ではサイド堰14の構成について詳細に説明し、サイド堰15の構成についての詳細な説明は省略する。
ここで、サイド堰14に地金が形成されるのを防止すること(即ちサイド堰凝固シェルを再溶融させること)が可能な断熱材32の材質について詳述する。
(1) 溶鋼18の対流は考慮しない(最もサイド堰凝固シェルが生成され易い条件)。
(2) 溶鋼18、サイド堰凝固シェル、サイド堰14間の接触抵抗は考慮しない。
(3) 溶鋼18、サイド堰凝固シェル、断熱材32の熱物性の温度依存性は考慮しない。
(4) サイド堰凝固シェルの温度は溶鋼18の凝固温度(融点)とする(微小厚さのサイド堰凝固シェルを仮定したため)。
(5) セラミックスプレート33は湯溜まり部16へ溶鋼18の注湯を開始すると瞬時に溶鋼18の凝固温度(融点)まで上昇すると仮定し、セラミックスプレート33の内部の温度分布は無視する(注湯初期のセラミックスプレート33の昇温分の熱量はサイド堰凝固シェルの生成に用いられる)。
なお、溶鋼18のバルク温度Tcは鋳込み温度、即ち湯溜まり部16へ注湯されるときの溶鋼18の温度である。従って、溶鋼18のバルク温度Tcと融点Tcmの差(Tc−Tcm)が、溶鋼18の過熱度ΔTである。また、断熱材32の初期温度Tr0は、湯溜まり部16へ溶鋼18が注湯される直前の温度であり、室温(例えば20℃)である。
下記の(3)式を上記の(1−1)式,(1−2)式,(2−1)式及び(2−2)式を用いて整理すると、下記の(4)式が得られる。従って、サイド堰凝固シェルを再溶融させることが可能な断熱材32の材料としては、下記の(4)式の条件を満たす材質(熱物性)の材料を選択すればよい。
アルミナ・シリカ系で密度が400[kg/m3]の材料を断熱材32の材料として用いて試験を行った結果でも、サイド堰14の表面に地金が形成されないことを確認している。
なお、(4)式を満たす熱物性の断熱材32の材料を選定する際の溶鋼18の過熱度ΔTの条件としては、例えば30〜70℃とすることが望ましい。なお、これに限定するものではなく、溶鋼18の過熱度ΔTの条件は30〜100℃であってもよい。
図4の表には、本発明の断熱材と従来材(ベース部材)の必要過熱度の計算例を示す。鋳込み材(溶鋼)は低炭素鋼レベルの物性を用いた。従来材の物性は、代表的なベース部材の物性を用いた。必要過熱度は、本発明の断熱材が26[℃]であるのに対して従来材(ベース部材)が452[℃]である。
次に、双ドラム式連続鋳造機11の運転方法とセラミックスプレート33と厚さについて詳述する。
注湯の初期にはサイド堰14のセラミックスプレート33の表面にサイド堰凝固シェルが生成されるが、このサイド堰凝固シェルは溶鋼18からの入熱によって再溶融する。図5に示す時刻t0から時刻t1までの時間Δt1が、このときのサイド堰凝固シェルの再溶融時間である。この凝固シェル再溶融時間Δt1は、伝熱解析、要素実験で求めることができる。
図6において、横軸の溶鋼接触時間[sec]は、0[sec]で湯溜まり部16へ溶鋼18の注湯を開始してからの経過時間であり、縦軸の凝固シェル厚さ[mm]は、注湯の初期にセラミックスプレート33の表面に生成されるサイド堰凝固シェルの厚さである。
図6に示すように、サイド堰凝固シェルの厚さの最大値と、サイド堰凝固シェルの再溶融時間Δt1(厚さが0[mm]になるまでの時間)は、セラミックスプレート33の厚さが大きくなるほど増大する。
図7に示すように、セラミックスプレート33の厚さの増加に伴い、サイド堰凝固シェルの再溶融時間Δt1は二次曲線的に増加する。
従って、溶鋼18の過熱度ΔTが30〜70[℃]の場合、セラミックスプレート33の厚さが2[mm]であれば、冷却ドラム回転待ち時間Δt2を例えば9[sec]にすることによって、確実にサイド堰凝固シェルの影響を無くすことができる。
従って、本実施の形態例の双ドラム式連続鋳造機11では、溶鋼18の過熱度ΔTが30〜70[℃]の場合、セラミックスプレート33の厚さを2[mm]以下とすることが必須である。なお、セラミックスプレート33の厚さの下限は、セラミックスプレートの加工能力によって決まる。
なお、セラミックスプレート33の厚さは薄い程よく、その耐久性についてもセラミックスプレート33を堅い材料にすればよい。従って、セラミックスプレート33の厚さの下限値は、その製造面から規制される。セラミックスプレート33に関連した施工は、セラミックスプレート33の加工と、セラミックスプレート33の貼り付けの2工程となる。セラミックスプレート33の加工に関しては0.2[mm]厚までの加工実績があり、セラミックスプレート33の貼り付けに関しては、セラミックスプレート33が破損しないように貼り付けを実施するには0.2mmが限界であると考えられる。従って、かかる観点から、セラミックスプレート33の厚さの下限値は0.2[mm]となる。
12 冷却ドラム
12a 軸方向の両端
12b 回転軸
13 冷却ドラム
13a 軸方向の両端
13b 回転軸
14,15 サイド堰
16 湯溜まり部
17 隙間
18 溶鋼
20 油圧シリンダ
21 鋳片
22 油圧シリンダ
31 サイド堰ホルダ
32 断熱材
33 セラミックスプレート
41 運転制御装置
42 注湯装置
43 冷却ドラム駆動装置
Claims (6)
- 一対の冷却ドラムと、前記一対の冷却ドラムの軸方向両端に当接する一対のサイド堰とを有し、前記一対の冷却ドラムと前記一対のサイド堰とで囲まれた空間部が湯溜まり部となっている双ドラム式連続鋳造機における前記サイド堰であって、
サイド堰ホルダと、前記サイド堰ホルダに収容された断熱材と、前記断熱材の表面に設けられたセラミックスプレートとを有しており、
前記湯溜まり部へ注湯された鋳込み材から、前記湯溜まり部へ鋳込み材の注湯を開始したときに前記セラミックスプレートの表面に生成されるサイド堰凝固シェルへ流入する熱流束をqcとし、
前記サイド堰凝固シェルから温度が室温の前記サイド堰へ流出する熱流束をqsとすると、
前記断熱材はqc−qs>0の条件を満たす材質のものであることを特徴とするサイド堰。 - 請求項1又は2に記載のサイド堰において、
前記セラミックスプレートの厚さは、前記湯溜まり部へ鋳込み材の注湯を開始してから前記一対の冷却ドラムの回転を開始するまでの間に前記サイド堰凝固シェルが再溶融する厚さであることを特徴とするサイド堰。 - 請求項3に記載のサイド堰において、
前記セラミックスプレートの厚さは、2mm以下であることを特徴とするサイド堰。 - 請求項1又は2に記載のサイド堰を備えた双ドラム式連続鋳造機の運転方法であって、
前記サイド堰凝固シェルが再溶融した後に前記一対の冷却ドラムの回転を開始することを特徴とする双ドラム式連続鋳造機の運転方法。 - 請求項5に記載する双ドラム式連続鋳造機の運転方法において、
前記セラミックスプレートの厚さを、2mm以下としたことを特徴とする双ドラム式連続鋳造機の運転方法。
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JP2012260749A JP2014104496A (ja) | 2012-11-29 | 2012-11-29 | サイド堰及びこれを備えた双ドラム式連続鋳造機の運転方法 |
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2012
- 2012-11-29 JP JP2012260749A patent/JP2014104496A/ja active Pending
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