JP2014103260A - 磁気記憶素子、磁気記憶装置、磁気メモリ、および駆動方法 - Google Patents

磁気記憶素子、磁気記憶装置、磁気メモリ、および駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性体中の磁壁を安定して移動させることのできる磁気記憶素子の提供。
【解決手段】磁区を有する磁性細線と、磁性細線に接続され電流を流す一対の電極と、磁区の磁化情報の書き込む部と、磁区の磁化情報の読み出し部と、を備え、磁性細線は磁性細線が延在する第1方向に直交する方向に磁化方向を有し、第1方向と直交する第2方向と第1方向とによって決定される平面で切断した磁性細線の断面が第1および第2外形線を有し、第1外形線は、磁性細線内の第1方向に平行な仮想直線からの距離が極小となる第1極小点と、第1極小点と異なる、仮想直線からの距離が極小となる第2極小点と、第1極小点と第2極小点との間で仮想直線からの距離が最大となる第1極大点とを有し、第1極小点と第2極小点とを結ぶ第1直線と、第1極小点と第1極大点とを結ぶ第2直線または第2極小点と第1極大点とを結ぶ第3直線との成す角度が4度以上30度以下である。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、磁気記憶素子、磁気記憶装置、磁気メモリ、および駆動方法に関する。
従来、半導体メモリは、各メモリセルに、記憶素子と、選択素子と、情報引き出し配線とを備えるように形成していた。
近年、メモリの大容量化を実現するために、シフトレジスタ型メモリが提案されている。これは、記憶素子のみを高密度に配置するというコンセプトに基づいており、記憶情報を、所定の場所に形成されたセンサおよび配線の位置まで転送する方式である。このため、メモリ容量を飛躍的に増大することができる可能性がある。シフトレジスタ型メモリは、その目的上、各ビット(各桁)に制御電極を設けるのは望ましくなく、ビット列全体に対して何らかの作用を加えることで、所望の桁数のシフト動作を行う必要がある。
しかし、全桁の情報をそれぞれ間違いなく桁送りすることは容易ではない。
米国特許第7,626,844号明細書
本実施形態は、磁性体中の磁壁を安定して移動させることのできる磁気記憶素子、磁気記憶装置、磁気メモリ、および駆動方法を提供する。
本実施形態による磁気記憶素子は、磁区を有する磁性細線と、前記磁性細線に接続され前記磁性細線に電流を流す一対の電極と、前記磁性細線に接続され前記磁区に磁化情報を書き込む書き込み部と、前記磁性細線に接続され前記磁区の磁化情報を読み出す読み出し部と、を備え、前記磁性細線は前記磁性細線が延在する第1方向に直交する方向に磁化方向を有し、前記第1方向と直交する第2方向と前記第1方向とによって決定される平面で切断した前記磁性細線の断面が第1および第2外形線を有し、前記第1外形線は、前記磁性細線内の前記第1方向に平行な仮想直線からの距離が極小となる第1極小点と、この第1極小点と異なる、前記仮想直線からの距離が極小となる第2極小点と、前記第1極小点と前記第2極小点との間で前記仮想直線からの距離が最大となる第1極大点とを有し、前記第1極小点と前記第2極小点とを結ぶ第1直線と、前記第1極小点と前記第1極大点とを結ぶ第2直線または前記第2極小点と前記第1極大点とを結ぶ第3直線との成す角度が4度以上30度以下であることを特徴とする。
第1実施形態による磁気記憶素子を示す断面図。 図2(a)乃至2(c)は、磁性細線の形状を説明する図。 図3(a)乃至3(c)は、磁性細線の形状を説明する図。 図4(a)乃至4(e)は、磁性細線の形状を説明する図。 図5(a)乃至5(c)は、磁性細線の形状を説明する図。 図6(a)乃至6(c)は、磁性細線の外形線における基準点の取り方を説明する図。 図7(a)、7(b)は、シミュレーション条件を説明する図。 図8(a)乃至8(d)は、シミュレーション結果を示す図。 シミュレーション条件を説明する図。 図10(a)乃至10(d)は、シミュレーション結果を示す図。 書き込み部および読み取り部を示す断面図。 磁壁を移動するための電流パルスの波形図。 磁壁が移動する際の磁壁内の磁化の変化を示す図。 磁壁が移動する際の磁壁内の磁化の変化を示す図。 図15(a)乃至15(c)は、第1実施形態による磁気記憶素子の製造工程を示す断面図。 図16(a)乃至16(c)は、磁性細線の形状を説明する図。 図17(a)乃至17(c)は、磁性細線の形状を説明する図。 図18(a)、18(b)は、磁性細線の形状を説明する図。 図19(a)、19(b)は、磁性細線の形状を説明する図。 図20(a)乃至20(c)は、磁性細線の形状を説明する図。 図21(a)乃至21(c)は、磁性細線の形状を説明する図。 図22(a)、22(b)は、第2実施形態による磁気記憶素子を示す図。 第3実施形態による磁気記憶装置を示す回路図。 第3実施形態による磁気記憶装置のメモリセルアレイの斜視図。 第4実施形態による磁気メモリを示す斜視図。 細線幅変化率を説明する図。 図27(a)、27(b)は、より好ましい磁性細線の形状を説明する図。 磁性細線の極大点の取り方を説明する図。 図29(a)、29(b)は、他のシミュレーション結果を説明する図。 図30(a)乃至30(d)はそれぞれ、実施例5乃至実施例8の磁性細線の形状を示す図。 図31(a)乃至31(c)はそれぞれ、比較例5乃至比較例7の磁性細線の形状を示す図。
以下に、実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態による磁気記憶素子を図1に示す。この第1実施形態の磁気記憶素子1は、磁性細線(Magnetic nanowire)10と、電極20、22と、読み出し部24と、書き込み部26と、を備えている。
本明細書では、磁性細線10とは、延在する方向(第1方向)の寸法(長さ)が、第1方向と直交する第2方向の寸法(幅)および第1および第2方向と直交する第3方向の寸法(厚さ)よりも10倍以上大きい磁性膜を意味する。図1は、第1実施形態の磁気記憶素子1の、磁性細線の第1方向に沿った断面図である。磁性細線10を第1方向に垂直な面で切断した断面形状は、例えば四角形である。その断面の寸法(幅および厚さ)は断面内において磁化方向に分布を生じさせないために、2nm以上100nm以下であることが望ましい。
次に、磁性細線10の形状について図2(a)乃至図3(c)を参照して説明する。第3方向に直交する面で磁性細線10を切断したときの部分X(図1参照)の断面、すなわち幅方向の断面を図2(a)に示す。図2(a)からわかるように、磁性細線10の幅を示す線、すなわち外形線12a、12bは第1方向(延在する方向)に対して変化する。これらの外形性線12a、12bの形状について詳細に説明するために、磁性細線10内に位置する、第1方向に平行な直線14を仮想的に設定する。直線14に対して一方の側(図面上では上側)に位置する外形線を外形線12aとし、他方の側(図面上では下側)に位置する外形線を外形線12bとする。
直線14から外形線12aまでの距離に関する、外形線12a上に位置する互いに隣接する極小点を極小点A、Cとする。そして、これらの極小点A、C間における外形線12a上の点であって、直線14までの距離が最大となる点を極大点Bとして選ぶ。すると、図2(b)または図2(c)に示すように、角BACまたは角BCAのうち一方の角度θが4度以上30度以下である形状を外形線12aは有している。点A、B、Cは、外形性線12aの形状を決定するための基準点となる。
また、図3(a)に示すように、直線14から外形線12bまでの距離に関する、外形線12b上に位置する互いに隣接する極小点を極小点A’、C’とする。そして、これらの極小点A’、C’間における外形線12b上の点であって、直線14までの距離が最大となる点を極大点B’として選ぶ。すると、図3(b)または図3(c)に示すように、角B’A’C’または角B’C’A’のうち一方の角度θが4度以上30度以下である形状を外形線12bは有している。点A’、B’、C’は、外形線12bの形状を決定するための基準点となる。
磁性細線10は、磁気記憶素子1に記憶されたビットデータに対応して、複数の磁区を有している。磁性細線10の磁化容易軸は、第1方向に垂直な方向、例えば第2方向あるいは第3方向である。それぞれの磁区において、磁化が安定する方向が磁化容易軸の正方向または負方向のいずれかである。隣接する2つの磁区の境界近傍において、磁化方向は、第1方向に沿って連続的に変化する。この磁化方向が変化する領域は磁壁と呼ばれる。磁壁は磁性体の異方性エネルギーKuおよび交換スティフネスAで決まる有限の長さ(第1方向における長さ)Ldwを有する。磁壁の長さ(磁壁幅ともいう)Ldwは、理論的にLdw=2(A/Ku)1/2で求められる。例えば、A=1μerg/cm、Ku=10erg/cmとすると、Ldw=6nmである。
第1実施形態の磁気記憶素子1においては、ビットデータは第1方向に磁性細線内の磁化方向として記憶される。典型的には、1ビットが占める第1方向の長さ(以下、ビット長という)Lは、6nm〜200nmである。このビット長Lは磁壁の長さLdwの2倍以上であることが好ましい。更に、望ましくは、15nm以上100nm以下とすることにより、隣接する磁壁間の相互作用によるそれらの磁壁間における磁区の熱的な不安定化を抑制することができる。また、磁壁の位置が磁性細線10の幅が極小となる位置に存在するようにとると、その極小となる位置に磁壁がピン止めされ、電流非通電時における意図せぬ磁壁の移動を防止することができる。例えば、磁性細線10の幅が極小となる位置xからこの極小となる位置xに隣接する極小となる位置xまでの領域に1ビットのデータを記憶することができる。この場合、xからxまでの距離をLと書く。1ビット長の領域内に磁性細線10の幅の極小点が複数含まれていてもよい。
図1乃至図3(a)および図3(a)以降の図面では、磁性細線の幅の変化が数個分しか表現されていない。しかし、実際には例えば100〜数1000ビット程度のデータが記憶できるよう、更に長い領域に亘って磁性細線10の幅が変化する。磁性細線10の全長を長くするほど、多数のビットデータを記憶することができる。しかし、磁性細線10の全長が極端に長くなると、磁性細線10全体の電気抵抗が高くなるため、磁性細線10の全長は、典型的には100nmから10μmの範囲とすることが好ましい。
図4(a)乃至4(c)は「01101110」という8ビットのデータの保存例である。図4(a)に示すように、第3方向に磁化容易軸を持つ磁性細線10内の磁区の磁化方向として記憶することが可能である。また、図4(b)に示すように、磁化容易軸が第2方向となるようにしてもよい。図4(a)および図4(b)に示す例ではLの最小値はLに等しいが図4(c)に示すように、LがLより大きくてもよい。この場合、1ビットの磁区内(境界は含まない)に磁性細線10の幅が極小となる位置が含まれている。
また、あるビットのビット長が他のビットのビット長と同じである必要はない。たとえば、図4(d)に示す例では、L=2LとなるビットとL=3Lとなるビットが混在している。図4(d)に示す例のように、L≧2Lとなるようにデータを記憶すると、隣接する2つの磁壁間の距離が近くなるのを防止しながら、かつ全体の長さを短くすることができるので、高密度化し易く望ましい。また、図4(e)に示すように、磁性細線10の少なくとも一部において、磁化容易軸に対して特定の磁化方向を持つ磁区として保存されるビットについてのみL≧2Lとなる場合も、高密度化し易く望ましい。
また、磁性細線10の形状は、図5(a)乃至5(c)に示すように、磁性細線10の幅に関する極大点または/および極小点の近傍において、細線幅がほぼ一定の(平坦な)領域が存在していてもよい。以下では、極大点または極小点の近傍において細線幅がほぼ一定の領域をそれぞれ極大領域または極小領域と呼ぶ。
このような、極大領域または極小領域が存在する場合の外形線上の点A、B、Cの取り方について図6(a)乃至6(c)を参照して説明する。図6(a)に示すように、2つの極小領域18a1、18a2とそれらに挟まれた極大領域19aを含む範囲において、外形線から直線14までの距離の極小値、極大値、極小値をそれぞれymin1、ymax、ymin2とする。このとき、直線14までの距離が0.9ymin1+0.1ymaxとなる直線15a1と外形線12aとの交点のうち、極大領域19aに最も近い点をAと設定する。直線14までの距離が0.9ymin2+0.1ymaxとなる直線15a2と外形線12aとの交点のうち、極大領域19aに最も近い点をCと設定する。また、直線14までの距離が0.1ymin1+0.9ymaxとなる直線16a1と外形線12aとの交点のうち、点Aに最も近い点をBと設定する。また、直線14までの距離が0.1ymin2+0.9ymaxとなる直線16a2と外形線12aとの交点のうち、点Cに最も近い点をBと設定する。この場合、角BACまたは角BCAのうち、少なくとも一方が4度以上30度以下の範囲にある形状を、磁性細線10が有している。
図6(b)に示すように、外形線12bに関する点A’、B’、B’、C’についても、同様に定義する。また、図6(c)に示すように、点Aと点A’、点Bと点B’、点Bと点B’、点Cと点C’はそれぞれ、第1方向において、同じ位置に存在していなくともよい。また、図6(b)、6(c)に示すように、外形線12aにおける極小点Aと極大点Bとの間、極小点Cと極大点Bとの間には更に極小点または極大点が存在してもよい。このことは、外形線12bに対しても同様である。
上記のように、磁性細線10の外形線は極小領域と極大領域の間において端点を結ぶことにより得られる平均値として4度以上30度以下の角度を持つが、局所的にこの範囲を外れていてもよい。具体的には、磁壁の長さLdwは典型的には6nmであるので、極小領域と極大領域の間の第1方向に沿った長さが6nmの領域内において磁性細線10の細線幅が変化したとしても、意図せぬ磁壁のピン止めサイトにはならない。このような形状変化があることで、むしろ特定の位置に生じる意図せぬ磁壁のピン止め要因を抑制することができるため、磁壁の一斉移動が容易になり好ましい。意図せぬ磁壁のピン止め要因として、例えば磁性細線10中で磁性粒界において異方性エネルギー等の磁気的な物性値が非連続に変化することなどが挙げられる。磁性細線10における極小領域と極大領域の間に存在する、第1方向に沿った長さが6nmのある領域内において、細線幅変化率が10%以上になる部分があると、異方性エネルギーが10%変化することによる磁壁の意図せぬピン止めを回避することが可能となる。ここで、領域Dにおける細線幅変化率とは、領域Dの一端での細線幅の値Wと他端での値Wの差|W−W|の平均値(W+W)/2に対する割合2|W−W|/(W+W)のことをいう。例えば、図26に示す例では長さ6nmの領域Dの一端での細線幅が32.8nm,他端での細線幅が37.9nmであり、細線幅変化率は14%となる。ただし、領域D内の細線幅の変化量|W−W|が極端に大きいとピン止め要因になるため、上記変化量|W−W|は10nmを越えないことが望ましい。
図2(a)に示す外形線12a上の基準点A、B、Cの代わりに図16(a)に示すように、基準点B、C、Dを取ってもよい。この例においては、直線14から外形線12aまでの距離に関する、外形線12a上に位置する互いに隣接する極大点を極大点B、Dとする。そして、これらの極大点B、D間における外形線12a上の点であって、直線14までの距離が最小となる点を極小点Cとして選ぶ。すると、図16(b)または図16(c)に示すように、角CBDまたは角CDBのうち一方の角度θが4度以上30度以下である形状を外形線12aは有している。点B、C、Dは、外形線12aの形状を決定するための基準点となる。
また、図3(a)に示す外形線12b上の基準点A’、B’、C’の代わりに図17(a)に示すように、基準点B’、C’、D’を取ってもよい。この例においては、直線14から外形線12bまでの距離に関する、外形線12b上に位置する互いに隣接する極大点を極大点B’、D’とする。そして、これらの極大点B’、D’間における外形線12b上の点であって、直線14までの距離が最小となる点を極小点C’として選ぶ。すると、図17(b)または図17(c)に示すように、角C’B’D’または角C’D’B’のうち一方の角度θが4度以上30度以下である形状を外形線12bは有している。点、B’、C’、D’は、外形線12bの形状を決定するための基準点となる。
これまで述べてきたように、磁性細線10の外形線12a、12bは極小点とこれとは異なる極小点とを結ぶ直線と、極小点と極大点とを結ぶ直線との成す角度が4度以上30度以下の角度を有している。さらに、外形線12aと外形線12bの少なくとも一方は、第1極大点と、この第1極大点から第2の方向に対応して存在する第2極大点とを結ぶ線分を直径とする円の周上もしくは円周の外側に位置する点を含むことが望ましい。図27(a)においては、2つの外形線12a、12bにおける極大点と極小点とがなす角度は4度以上30度以下の角度にある。さらに、第1極小点Aと第1極大点B、第2極小点A’と第2極大点B’、とに囲まれた領域19において、第1外形線と第2外形線は、第1極大点Bと第2極大点B’とを結ぶ線分を直径Dとする円30の円周(点線で示す)もしくは円周より外側に位置する点を含む。外形線12a、12bの一部が円30より内側にあってもよい。しかし、その場合には、図27(a)に示すように、外形線12aないし外形線12b上の点の、円30の中心に対して対称となる外形線12a、12b上の点は、円30の外側にあることが望ましい。このようにすることで、磁壁を第一の方向に対して垂直に維持したまま動き易くすることができ、間違いのない桁送りに効果がある。図27(b)には、5つの極大点の対をもつ磁性細線を記載している。ここでは、いずれの外形線12a、12bも各極大点から構成される円30(i=1,・・・)の外周上もしくはその外側に位置しており、より桁送りにおいて望ましい。また、上記円30(i=1,・・・)の直径Dは領域ごとに異なっていても構わない。
磁性細線の細線幅がほぼ一定の(平坦な)極大領域19aが存在する場合、第1極大点Bと第2極大点B’の取り方について図28を参照して説明する。まず、図6(a)乃至(c)と同様の方法にて点Bおよび点Bを取る。次に点Bと点Bの中点を通り、直線14に垂直方向の直線17a1を引き、直線17a1と外形線の交点を第1極大点Bとする。第2極大点B’の取り方も同様である。すなわち、点B’と点B’の中点を通り、直線14に垂直方向の直線17b1を引き、直線17b1と外形線の交点を第1極大点B’とする。
(シミュレーション結果)
次に、磁性細線10中の磁壁の移動について図7(a)乃至図8(d)を参照して説明する。
本発明者達は、磁性細線10の形状を適切に設定して、複数のビットの一斉移動が可能になることを初めて見出した。以下、磁性細線10の形状を変えて、複数のビットの移動距離をシミュレーションにより求めた結果について説明する。このシミュレーションは、磁化のダイナミクスを記述するモデルであるLandau-Lifshitz-Gilbert方程式を数値的に解く方法を用いて行った。これにより、複数の磁区が導入されている磁性細線10に対して第1方向に電流を流したときの磁壁の位置と内部構造の時間変化を求めることができる。このシミュレーションにおいては、磁性細線10の形状を図7(a)、7(b)に示したように、細線の最小幅W’を10nmに固定し、細線幅の極小位置から隣接する極小位置までの距離(磁区の長さ)Lを36nmとし、膜厚を15nmとし、磁性細線10の第1方向における長さを144nmとした。ただし、第1方向における長さは、周期的な境界条件としており、磁性細線10の長さは、実質的に無限に長い場合を扱っている。また、磁性細線10の幅方向の外形線12aの傾斜角度θを24.0度から37.0度の範囲に設定した形状とした。この角度θは、細線幅が極小となる2点を結ぶ線と、細線幅が極小点と極大点を結ぶ線のなす角であり、この傾斜角度θが4度以上30度以下である場合は本実施形態になる。それぞれの場合における磁性細線10の最大幅Wの値は表に示したように26nmから38nmの間である。
図7(b)に示す実施例1おける傾斜角度θ=24.0度、図7(b)に示す実施例2おける傾斜角度θ=29.0度はそれぞれ、本実施形態における、4度以上30度以下の条件を満たしている。図7(b)に示す比較例1における傾斜角度θ=33.7度、図7(b)に示す比較例2における傾斜角度θ=37.9度はそれぞれ、4度以上30度以下の範囲にはない。
また、磁性細線10を構成する磁性材料は、飽和磁化の大きさが600emu/cmで、異方性エネルギーが1.1×10erg/cmで、交換スティフネスが1.0×10−6erg/cmとし、膜厚方向に磁化容易軸を有するとした。なお、異方性エネルギーには標準偏差10%の空間ばらつきが考慮されている。
上記実施例1、2および比較例1、2において、図1に示す電極20、22を介して磁性細線10に流す電流値を7.5×10A/cmとし、電流を流して途中で切るという条件での磁壁の移動ダイナミクスをシミュレーションにより求めた。シミュレーション結果を図8(a)乃至8(d)に示す。図8(a)乃至8(d)はそれぞれ実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の磁性細線において、細線幅が極小値を取る位置毎に磁壁が存在する初期状態に対して電流を流し、図中の矢印にて示した磁壁がおよそ36nm移動した時点で電流を切った場合の磁化分布のスナップショットを時間順に示したものである。色の濃淡は磁化方向の磁化容易軸方向(紙面に垂直方向)成分を示しており、白色部あるいは黒色部は、その場所での磁化方向がそれぞれ磁化容易軸の正方向あるいは負方向であることを示す。
このシミュレーション結果からわかるように、傾斜角度θが30度を超える場合には移動途中の磁壁が第1方向に垂直方向から大きく外れるため位置の制御が困難になる。比較例1、比較例2においては、初期状態にて存在していた複数の磁壁のうちのいくつかは移動中に消失しており、これは、ビット情報が失われてしまうことを意味する。この状態は電流を切るタイミングを多少変化させても本質的には変化しなかった。
これに対して、実施例1、実施例2においては、初期状態にて存在していた複数の磁壁が最終状態でもすべて保存されており、磁壁の移動が正確に行われたことを意味する。
以上のシミュレーション結果は、一例であるが、飽和磁化の大きさや異方性エネルギーの大きさなどの物性値が異なる系においても、一般的に、傾斜角度θが30度以下である磁性細線においては、移動中の磁壁の形状の乱れが一定範囲内に抑えられ、磁壁の移動位置をパルス電流によって正確に制御することが可能となる。
次に、傾斜角度が4度以上あれば複数個の磁壁を一斉に制御できる理由を別のシミュレーション結果に基づいて説明する。
本シミュレーションは図9に示すように、外形線12a、12bが第1方向に対して傾斜角度θの勾配を持つような磁性細線10において、電流を流さない状態での磁壁の移動ダイナミクスをLandau-Lifshitz-Gilbert方程式を数値的に解く方法を用いて行った。
磁性細線10を構成する磁性材料は、飽和磁化の大きさが600emu/cmで、異方性エネルギーが8×10erg/cmで、交換スティフネスが1.0×10−6erg/cmとし、膜厚方向に磁化容易軸を有するものとした。
図10(a)乃至10(d)はそれぞれ、実施例3、実施例4、比較例3、比較例4におけるシミュレーション結果を示す図である。実施例3、実施例4、比較例3、比較例4は、傾斜角度θが4.57度(実施例3)、4.00度、3.48度、2.86度となる磁性細線である。図10(a)乃至10(d)は、さまざまな初期状態を持つ磁壁を放置した場合の位置変化を示している。このシミュレーションは、磁性細線10中を移動する磁壁が電流を切られた後、どの方向に移動するかを模擬したものと解釈される。なお、図9に示すように、磁性細線10の幅が狭くなる方向を位置の正方向としている。
図10(a)および図10(b)からわかるように、実施例3、実施例4のように、傾斜角度θが4度以上の場合には、電流がなくても磁壁の移動方向は初期状態に依らず一意に決まる。すなわち、細線幅が小さくなる方向に移動する。これは、一般に、磁壁の垂直磁気異方性エネルギーの総和が磁壁領域の体積に概ね比例することを考慮すると、細線幅が小さくなる位置に磁壁が移動することによって、垂直磁気異方性エネルギーの消費を低減することができるため、と考えられる。
これに対し、図10(c)に示す比較例3、図10(d)に示す比較例4においては、磁壁が一方向に移動しない。これらの例は、傾斜角、したがって細線幅の位置依存性が十分でない場合に、磁壁の位置が変化しても垂直磁気異方性エネルギーの利得を十分に得られないことを示している。
以上のシミュレーション結果からわかるように、本発明者達は、飽和磁化の大きさや磁気異方性エネルギーの大きさなどの物性値に依らず、傾斜角θが4度以上ある磁性細線において、電流パルスの形状のばらつきなどが仮に存在したとしても、電流を切った後、位置を自己修正することが可能であり、複数の磁壁位置の一斉制御が可能になることを見出した。
さらに、他のシミュレーション結果を図29(a)、29(b)に示す。このシミュレーションは、図29(a)にて実線で示したような外形線を持つ磁性細線10に磁区を導入した状態を初期条件として与え、第1方向に電流を流したときの磁壁のダイナミクスをLandau-Lifshitz-Gilbert方程式を数値的に解く方法により行った。また、図30(a)乃至30(d)および図31(a)乃至31(c)において、図29(a)、29(b)における寸法Lp、W、Lh、Lvおよび傾斜角度θの値を図29(b)に示す値に設定した場合の、移動中の磁壁32の位置と形状の例を示す。図29(b)には、シミュレーションに用いた磁性細線10の膜厚tと磁性材料の飽和磁化Msと異方性エネルギーKuの値も示されている。また、図29(a)、29(b)および図30(a)乃至30(d)および図31(a)乃至31(c)において破線で示した円弧30は、上述した、第1極大点と第2極大点を結ぶ線分を直径とする半円を示す。図30(a)乃至30(d)に示した例は、実施例5乃至実施例8であり、これらの例では傾斜角度θが4度以上30度以下の範囲にある。図31(a)乃至31(c)に示した例は、比較例5乃至比較例7であり、これらの例では傾斜角度θが30度を越えている。
実施例5乃至実施例8は、磁壁32の一斉制御が可能であるが、この中でも、実施例5は実施例6乃至実施例8と比べて、移動中においても磁壁32内の磁化方向34が一様であるとともに、磁壁32が第1方向に垂直な方向を維持しており、さらに望ましい例である。実施例5の磁性細線10の形状の特徴として、外形線12a、12bが第1極大点と第2極大点を結ぶ線分を直径とする円の外部にあること、第1方向に直交する方向の寸法Wが60nm以下であることが挙げられる。外形線12a、12bの少なくとも一部が第1極大点と第2極大点を結ぶ線分を直径とする円の外部にあると、移動中の磁壁32の方向が第1方向に垂直な方向を維持し易くなり、磁壁32の移動速度のばらつきを抑えられるため望ましい。また、図30(a)乃至30(c)から分かるように、第1方向に直交する方向の寸法Wが60nm以下であると、磁壁32の内部で磁化方向34が一様になり易く、磁壁32の移動速度のばらつきを抑えられるため望ましい。
図31(a)、31(b)に示した比較例5、比較例6においては、傾斜角度θが30度を越えていることに加えて、第2方向の磁性細線の寸法Wが60nmを超えており、移動中の磁壁32の湾曲が顕著であることから、一斉制御が困難になる。また、図31(a),31(c)に示した比較例5、比較例7においては、傾斜角度θが30度を越えていることに加えて、磁性細線の外形線12a、12bが第1極大点と第2極大点を結ぶ線分を直径とする円30の内部に存在することから、移動中の磁壁32の回転が顕著になり、一斉制御が困難になる。
(書き込みおよび読み出し)
次に、本実施形態に磁気記憶素子1の書き込みおよび読み出しについて図11乃至図13を参照して説明する。
図11に示すように、書き込み部26は、非磁性層261と、磁化方向が固定された強磁性層262と、電極263とがこの順序で積層された構造を有し、磁性細線10に接続される。電極263には図示しない信号源が接続される。書き込み時には、信号源から電極263に電位を加える。すると、磁性細線10を介して電極263と電極27との間に電子が流れる。電子流が強磁性層262から磁性細線10に向かって流れる際に、強磁性層262の磁化の向きにスピン偏極した電子流が流れる。このスピン偏極した電子流により、磁性細線10の磁化方向が強磁性層262の磁化方向と同じ方向になる。磁性細線10の磁化方向が強磁性層262の磁化方向と逆方向(反平行)にするには、電極27から磁性細線10を介して非磁性層261、強磁性層262、電極263に電子流を流す。なお、書き込みは電極22と書き込み部26の電極263との間で電子流を流すことによって行ったが、磁性細線10を挟んで書き込み部26と反対側に図示しない下部電極を設け、磁性細線10を介して上記下部電極と電極263との間に電子流を流すことによって行ってもよい。
また、読み出し部24は、非磁性層241と、磁化方向が固定された強磁性層242と、電極243とがこの順序で積層された構造を有し、磁性細線10に接続される。磁性細線10の読み出し部24が接続する磁区の磁化方向が強磁性層242の磁化方向と同じ方向(平行)の場合には、電極243と電極22との間が高抵抗状態となる。一方、磁性細線10の読み出し部24が接続する磁区の磁化方向が強磁性層242の磁化方向と反対方向(反平行)の場合には、電極243と電極22との間が低抵抗状態となる。そこで、この抵抗変化を読み取ることで、記録された情報を読み出すことができる。このように、読み出しは、読み出し部24と電極27との間の磁性細線10に電流を流すことにより行うので、読み出し部24と電極27は、近接して設けることが好ましい。また、電極27は書き込みと読み出しの両方に兼用の電極であったが、別々に設けてもよい。なお、読み出しは電極27と読み出し部24の電極243との間で電流を流すことによって行ったが、磁性細線10を挟んで読み出し部24と反対側に図示しない下部電極を設け、磁性細線10を介して上記下部電極と電極243との間に電子流を流すことによって行ってもよい。
(磁壁の移動手順)
本実施形態の磁気記憶素子1において、後述する磁壁移動手順により磁性細線10内に記憶されたビットデータの順序を変えることなく移動することが可能である。したがって、書き込み、読み出しを行う前に、予め必要な距離だけ磁壁の位置を移動させることにより、任意のビットデータ位置について書き込みおよび読み出しを行うことが可能である。
本実施形態の磁気記憶素子1において、磁性細線10内に含まれる複数の磁壁を第1方向に意図した距離だけ移動させる方法について説明する。この方法は、図12に示すパルス電流を用いて行う。図12に示すように時刻tから時刻tまでの間、電極20と電極22との間に電流を流すステップS1と、その後、時刻tから時刻tまでの間、電流を切り、待機するステップS2と、を含む。パルス波形の一例は図12に示す矩形パルスであるが、この例に限らない。有限の立ち上がり時間、立下り時間、オーバーシュート等を有する波形であっても構わない。
これらのステップS1、S2により磁性細線10内で起こる磁化分布の変化を、図13に模式的に示す。時刻t=tにおける磁性細線10内の一部領域の磁化方向分布を図13(a)に示す。この磁性細線10では、磁化容易軸は紙面に垂直方向であり、各磁区内での磁化方向は紙面に垂直に奥から手前に向かう方向か、あるいは、手前から奥に向かう方向のいずれかである。この時点(t=t)では、磁壁は細線幅が極小になる位置の近傍に存在する。これは、垂直磁化材料からなる磁性細線10において、磁壁のエネルギーは主に磁気異方性に起因するエネルギーが占めているため、磁壁の体積が小さい方がエネルギー的に安定となるためである。磁壁の中心における磁化方向は磁化容易軸方向に垂直であり、この図13(a)では紙面内のいずれかの方向である。図13(a)に示した例では、第1方向に垂直な方向を向いたブロッホ型磁壁が安定となっている。
図1に示す電極20と電極22との間の磁性細線10に電流を流す(ステップS1)と、磁性細線10中を流れる電流がスピン偏極され、磁性細線10を構成する磁区の磁化と隣接する磁区の磁化との間にスピントルクが働く。このため、磁性細線10内の磁壁は、ほぼ一様に移動する。磁壁の移動方向は電子の進む向きに等しい。すなわち、電流の流れる方向と逆方向である。電流を切る時点(t=t)での磁性細線10における磁化分布を図13(b)に示す。製造上生じる形状ばらつきや磁気物性値のばらつきが存在するため、各磁壁の時刻tから時刻tまでの移動距離は完全には等しくない。しかし概ね一致しており、t=tにおいて、各磁壁は細線幅が極小になる位置の近傍に存在している。磁壁が磁性細線10内を進む際に磁壁の中心における磁化方向は回転し、かつ、その回転速度はばらつきに敏感なため、電流を切る時点で磁化方向はランダムである。
電流を切り、しばらく待機すると(時刻t〜t)、図13(c)に示すように状態が緩和し、磁壁の位置は細線幅が極小の位置に修正され、また、磁壁中心での磁化角度は安定状態に落ち着く。図13(a)乃至13(c)に示した磁性細線は、ブロッホ磁壁状態となっている。つまり、本実施形態のように、細線幅が変化する磁性細線において、十分な緩和時間を設けることにより、上記のような調整機構が働き、磁壁の位置を細線幅の極小位置と対応付けることが可能とされる。
磁性細線10中の磁壁において、磁壁の中心位置での磁化方向が第1方向に沿う、いわゆるネール型磁壁になる場合を図14(a)乃至14(c)に示す。この場合もブロッホ型磁壁の場合と同様に、磁壁移動が開始されると磁壁の中心での磁化方向は回転し、電流を切ると再びネール型磁壁となる。
次に、磁壁が移動する際における磁壁が落ち着くまでの待機時間(緩和時定数)について説明する。電流を切ってもしばらくの時間は、磁壁の中心での磁化方向の回転は続き、この緩和時定数tはt=Ldw/(2αu)と表されことが知られている。ここで、Ldwは第1方向における磁壁の長さ(磁壁幅ともいう)である。αは磁性細線10のダンピング定数であり、磁性体を構成する材料に依存するが、大きなものでも0.1程度である。また、uは電流による磁壁移動で得られる最低移動速度(時間平均値)である。
したがって、ダンピング定数αが大きい材料は待機時間を短くしても状態緩和されるため、高速動作に適した好ましい材料である。0.1程度のダンピング定数αを持つ磁性材料として、例えば希土類と遷移金属の合金がある。
これに対し、磁壁が細線幅の極小位置から細線幅の次の極小位置まで移動するのに要する最大時間は、細線幅の極小位置から細線幅の次の極小位置までの第1方向における長さLと、最低速度uを用いて、L/uと表される。
一実施例として、磁性細線10として、異方性エネルギーKu=2.0×10erg/cm、交換スティフネスA=0.4×10−6erg/cm、ダンピング定数0.1である、希土類と遷移金属の合金を用い、細線幅の隣接する極小位置間の距離L=40nm、磁壁の移動速度u=5m/sとした場合、電流導入時間tがL/u=8nsとなる。これに対して、待機時間tを10nsとすれば、物質パラメータから決まる緩和時定数t=9nsよりも長いため、待機時間としては十分な長さである。
一般に、待機時間を電流導入時間より長くとることにより、磁壁の状態を安定状態に緩和させることが可能となり、磁性細線10内に含まれる多数の磁壁を一斉に移動させる動作の信頼性を確保することができる。
(磁性材料)
次に、第1実施形態による磁気記憶素子1の磁性細線10の材料について説明する。磁性細線10には、磁化方向が磁性細線10の延在する方向(図2に示す第1方向)に対して直交する方向(図2に示す第2方向または第3方向)に向きうる各種の磁性材料を用いることができる。磁性細線10が基板面に対して垂直方向に形成される場合には、磁化方向を磁性細線10に対して垂直方向に向けるために、磁気異方性の磁化容易軸が磁性細線の膜面内方向にあることが必要である。磁性細線10が基板面と平行方向に形成される場合には、磁気異方性の磁化容易軸が膜面に垂直方向にあることが必要となる。一般に、磁化方向が磁性細線10の延在する方向(第1方向)に対して直交方向(短軸)を向く場合のほうが、磁性細線10の延在する方向(第1方向)を向く場合よりも反磁界が大きい。このため、磁化方向を第1方向に対して直交する方向に向けるには、反磁界に打ち勝つ十分な大きさの磁気異方性が必要とされる。そのため、磁気異方性エネルギーKuが大きい材料を用いることが好ましい。
磁気異方性エネルギーKuが大きい材料として、以下のような材料を用いることができる。鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)よりなる群から選択された少なくとも一つの元素と、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)よりなる群から選択された少なくとも一つの元素との組み合わせによる合金がある。例として、CoPt、CoCrPt、FePt、CoPd,FePdなどが挙げられる。磁気異方性エネルギーKuの値については、磁性層を構成する磁性材料の組成や、熱処理による結晶規則性などによっても調整することができる。
また、hcp構造(最密六方構造)の結晶構造を持ち、磁性細線10の延在する方向(第1方向)に対して直交する磁気異方性を示す磁性材料を用いることもできる。このような磁性材料としては、Co、CoPtや、FePt、(Co/Ni)の積層膜、などが挙げられる。コバルト(Co)を主成分とする金属を含むものが代表的であるが、他のhcp構造を有する金属を用いることもできる。
希土類元素と鉄族遷移元素との合金で、細線方向に対して垂直の磁気異方性を示す材料を用いることもできる。具体的には、GdFe、GdCo、GdFeCo、TbFe、TbCo、TbFeCo、GdTbFe、GdTbCo、DyFe、DyCo、DyFeCoなどが挙げられる。これらはアモルファスであっても構わない。例えば、TbFeの場合、Tbが20atomic%以上40atomic%以下である場合には、TbFeは垂直異方性を示す。さらに、上記材料群いずれの場合でも、添加元素を加えてもかまわない。
磁性細線10が基板に対して垂直方向に形成される部分を含むことが好ましい。なぜなら、この場合、例えば、磁性細線10の第1方向の長さが短くなるように形成することが可能となり、磁性細線10内に記憶することのできるデータ量を大きくすることが可能となるためである。
また、磁性層に用いられるこれらの磁性体には、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Si、Bi、Ta、B、C、O、N、Pd、Pt、Zr、Ir、W、Mo、Nb、Hなどの非磁性元素を添加して、磁気特性を調節することや、その他、結晶性、機械特性、化学的特性などの各種物性を調節することができる。
書き込み部26および読み出し部24の強磁性層262、242の材料として磁性細線10と同様の材料を使うことができる。また、強磁性層262、242は磁性細線10のような大きなアスペクト比を持たないため、反磁界は大きくない。したがって磁気異方性エネルギーが磁性細線10に用いる磁性材料と比べて小さな磁性材料を用いてもよい。例えば、Co、Fe、Ni、またはこれらを含む合金を用いることができる。また、強磁性層262,242の厚さは、0.6nm以上100nm以下の範囲内とすることが望ましい。強磁性層262の材料のスピン分極率が高いほど書き込みに必要な電流を低減化することができるため、スピン分極率の高い材料を用いることが望ましい。また、強磁性層242の材料のスピン分極率が高いほど読み出し時の抵抗変化値が大きくなり、読み出しが容易になるため、スピン分極率の高い材料を用いることが望ましい。したがって、ハーフメタルと呼ばれる高スピン分極率材料は、理想的な材料である。ハーフメタルの例として、ホイスラー系合金、ルチル型酸化物、スピネル型酸化物、ペロブスカイト型酸化物、二重ペロブスカイト型酸化物、閃亜鉛鉱型クロム化合物、パイライト型マンガン化合物、センダスト合金が含まれる。
書き込み部26および読み出し部24の非磁性層261、241の材料としては、非磁性金属あるいは絶縁性の薄膜を用いることができる。非磁性金属としては、Au、Cu、Cr、Zn、Ga、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Pt、Biのうちのいずれか、あるいは、これらのいずれか一種以上を含む合金を用いることができる。また、この非磁性層261、241の厚さは、強磁性層262、242と磁性細線10の静磁結合が十分小さく、かつ、非磁性層261、241のスピン拡散長より小さくする必要があり、具体的には、0.2nm以上20nm以下の範囲内とすることが望ましい。
非磁性層261、241として用いることのできる絶縁性材料として、磁気抵抗効果を大きくするには、非磁性層261、241の材料を、トンネルバリア層として機能させることが効果的である。この場合、非磁性層261、241の材料としてAl、SiO、MgO、AlN、Bi、MgF、CaF、SrTiO、AlLaO、Al−N−O、Si−N−O、非磁性半導体などを用いることができる。上記非磁性半導体としては、例えば、ZnO、InMn、GaN、GaAs、TiO、Zn、Te、またはそれらに遷移金属がドープされたものなどを用いることができる。これらの化合物は、化学量論的にみて完全に正確な組成である必要はなく、酸素、窒素、フッ素などの欠損、あるいは過不足が存在していてもよい。また、この絶縁材料からなる非磁性層261、241の厚さは、0.2nm以上5nm以下の範囲内とすることが望ましい。非磁性層261、241が絶縁材料である場合、その内部にピンホールが存在してもよい。
(製造方法)
次に、第1実施形態による磁気記憶素子1の製造方法について図15(a)乃至15(c)を参照して説明する。磁気記憶素子1は、成膜技術と微細加工技術によって作製される。磁気記憶素子1の具体的な製造工程の一例は以下の通りである。
まず、図15(a)に示すように、上面に絶縁膜100が形成されたウェーハ(図示せず)を用意し、この絶縁膜100上に、磁性層210、非磁性層270、磁性層280、電極膜290を、この順序で成膜する(図15(a))。磁性層210は、磁性細線10となる。また、非磁性層270の材料としては、例えばMgOを用い、この非磁性層270が、読み出し部24および書き込み部26の非磁性層241および非磁性層261となる。
磁性層280は、読み出し部24および書き込み部26の強磁性層262および強磁性層262となる。また、電極膜290としては、例えばTaを用い、読み出し部24および書き込み部26の電極243および263となる。磁性層210、非磁性層270、磁性層280、および電極膜290が積層されたウェーハを磁場中の真空炉に入れ、例えば270℃、10時間の条件下で、磁場中でアニールすることにより、磁性層210、280に一方向異方性を付与する。その後、リソグラフィー技術とRIEとを用いて、電極膜290、磁性層280、非磁性層270、および磁性層210を、磁性細線10の平面形状にパターニングする(図15(a))。
次に、リソグラフィー技術とRIE(Reactive Ion Etching)とを用いて、電極膜290、磁性層280、および非磁性層270を、磁性細線10の平面形状にパターニングし、読み出し部24および書き込み部26を形成する(図15(b))。続いて、層間絶縁膜295を堆積した後、この層間絶縁膜295をCMP(Chemical Mechanical Polishing)を用いて平坦化し、読み出し部24および書き込み部26のそれぞれの電極243および263の上面を露出させる(図15(b))。
次に、リソグラフィー技術とRIEとを用いて、層間絶縁膜295に、磁性細線10に接続するコンタクトホール形成し、このコンタクトホールを導電膜材料で埋め込むことにより、電極20、22を形成する(図15(c))。これにより、磁気記憶素子が完成する。
(磁性細線の形状)
磁性細線10は、様々な形状を有することができる。例えば、図18(a)、18(b)に示す磁性細線10は、細線幅が極小になる位置から第1方向に沿って細線幅が次に極小になる位置までの距離Lが場所によって変化する例である。図18(a)の例は、磁性細線10が、少なくとも一部において、距離Lの大きさが第1方向の位置によって異なる例を示す。図18(b)の例は、磁性細線10の少なくとも一部において、距離Lpの大きさが第1方向に沿って単調に長くなる例を示している。なお、第1方向に沿って単調に短くなるように構成してもよい。
磁性細線10の一部領域であって、その第1方向の長さが1μm以下の領域において、図18(a)に示したように距離Lの大きさが第1方向の位置によって異なるのが好ましい。このような特徴を有する磁性細線10においては、幅が極小になる位置からその次に幅が極小になる位置まで磁壁が一斉に移動する毎に、隣接する2つの磁壁の間の距離が変化する。このような変化があることにより、移動途中での隣接磁壁間の相互作用の大きさが変動し、磁壁間相互作用のためにビットが消失したり移動が阻害される可能性が減る。
磁性細線10の第1方向の長さが1μmを超える場合、電流パルス導入直後に磁性細線10に流れる過渡電流の大きさが磁性細線10中の場所によって異なる。このため、磁性細線10中の位置によって磁壁の移動距離に違いが出る場合がある。この場合には、電極20または電極22に比較的近い第1範囲内での距離Lの平均値を第1範囲より上記電極から遠い位置にある第2範囲内での距離Lの平均値よりも大きくとることにより、磁壁の移動距離の違いを調整することができるため好ましい。 また、磁性細線10は、図19(a)に示すように、磁性細線10の幅方向(第2方向)は変化するが、厚さ方向(第3方向)の表面は平坦であるように構成してもよい。また、磁性細線10は、図19(b)に示すように、図19(a)に示す例よりも厚さを厚くするように構成してもよい。
また、磁性細線10は、図20(a)乃至20(c)に示すように、第2方向と第3方向がともに第1方向に沿って変化する形状を有していてもよい。
また、磁性細線10は、図21(a)乃至21(c)に示すように、磁性細線10を構成する磁性体が複数のサブレイヤーからなる積層構造を有していてもよい。また積層構造を有する場合、非磁性体からなる非磁性サブレイヤーを含んでいてもよい。非磁性サブレイヤーには、Cu、Au、Ag、Ru、Ir、Os、あるいは、これらのいずれか一種以上を含む合金を用いることができる。非磁性サブレイヤーを有する場合、非磁性サブレイヤーを挟む2つの磁性サブレイヤー間に強磁性的な結合をもたらす場合と、反強磁性的な結合をもたらす場合がありうる。磁性サブレイヤー間の結合の符号および大きさは非磁性サブレイヤーを構成する材料や、非磁性サブレイヤーの膜厚によって変化する。とくに、反強磁性結合部を含む積層構造を人工反強磁性構造と呼ぶ。強磁性サブレイヤー間の結合を得るために非磁性サブレイヤーの膜厚は0.5nmから10nmの範囲とするのがよい。磁性細線10が積層構造を有する場合、あるいは、磁性細線10が希土類と遷移金属の合金をはじめとするフェリ磁性体を含む場合は、実効的な交換相互作用が小さいため、磁壁の幅が狭くなる。磁壁の位置エネルギーは磁壁幅にわたる異方性エネルギーの総和が大部分を占めるため、磁壁の幅が狭くなる材料においては、本実施形態の磁気記憶素子1における、細線幅の空間変調に対して敏感に移動する。したがって、本実施形態の効果が顕著に現れるため好ましい。また、磁性細線10がフェリ磁性体を含む場合や人工反強磁性構造を有する場合は、磁性細線10の実質的な磁化の大きさが小さくなるため、スピントルクの伝達効率が増し、したがって、磁壁および磁区を移動するのに必要な電流値を下げられる、というメリットがある。
以上説明したように、第1実施形態によれば、磁性体中の磁壁を安定して移動させることのできる磁気記憶素子を提供することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態による磁気記憶素子1を図22(a)、22(b)に示す。図22(a)は、第2実施形態の磁気記憶素子1の基板に垂直な面で切断した断面図であり、図22(b)は図22(a)に示す破線部分Yの上面図である。
第2実施形態の磁気記憶素子1は、磁性細線10の全域に渡って、延在する第1方向が1つの直線に沿っておらず、第1方向が折れ曲がる場所が存在する。例えば、第1方向が基板面に対して垂直になる部分と、第1方向が基板面に沿う部分を含んでいる。第1方向が基板面に対して垂直になる部分は、図22(a)において幅方向に平行な断面が表示され、第1方向が基板面に沿う部分は、図22(a)において厚さ方向の断面が表示されている。図22(b)は、第1方向が基板面に沿う部分における幅方向に平行な面を表示している。
この第2実施形態の磁気記憶素子1における磁性細線10の形状は、第1実施形態で説明したと同様の形状を有している。
この第2実施形態も第1実施形態と同様に、磁性体中の磁壁を安定して移動させることのできる磁気記憶素子を提供することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態による磁気記憶装置について図23および図24を参照して説明する。第3実施形態の磁気記憶装置の回路図を図23に示し、斜視図を図24に示す。
第3実施形態の磁気記憶装置500はメモリセルアレイ300を有している。このメモリセルアレイ300は、マトリクス状の配列された複数のメモリセルを有し、各メモリセルは、第1乃至第2実施形態のいずれかの磁気記憶素子1と、例えば、トランジスタからなるスイッチング素子320とを備えている。また、メモリセルアレイ300には、各行に設けられたワード線WL〜WLと、各列に設けられた情報読み出し用ビット線BL〜BLと、が設けられている。
第i(1≦i≦m)行のn個のメモリセルの磁気記憶素子1はそれぞれ、磁性細線10が共通に接続されて磁性細線MLとなる。なお、各磁気記憶素子1の磁性細線10は共通に接続されなくてもよい。また、各メモリセルのスイッチング素子320は、ゲートが対応する行のワード線WL(1≦i≦m)に接続され、一端が同じメモリセル内の磁気記憶素子1の読み出し部24の一端に接続され、他端は接地される。メモリセル内の磁気記憶素子1の読み出し部24の他端は、上記メモリセルに対応するビットBL(1≦j≦n)に接続される。
このように複数の磁気記憶素子1の磁性細線10が接続された場合、磁性細線10に電流を流すための電極(第1実施形態で説明した電極20、22)は、磁気記憶素子1ごとに設けられていなくても良く、磁性細線10の一端に電極20が設けられ、他端に電極22が設けられてもよい。
これらのワード線WL〜WLおよび磁性細線ML〜MLは、各配線を選択するデコーダ、書き込み回路等を有する駆動回路410A、410Bに接続されている。また、ビット線BL〜BLは、各配線を選択するデコーダ、読み出し回路等を備えている駆動回路420A、420Bに接続されている。なお、図23および図24においては、磁気記憶素子1の書き込み部を省略して、図示していない。書き込み部は、一端が図示しない書き込み選択用のスイッチング素子に接続され、他端が図示しない電流源に接続される。そして、書き込み用のスイッチング素子と、読み出し用のスイッチング素子は共通に用いてもよい。また、複数のメモリセルに対して1個の読み出し部および1個の書き込み部を設けてもよい。この場合は、集積度を高めることができる。また、図23および図24に示すように、各メモリセルに1個の読み出し部24および1個の書き込み部を設けた場合は、データの転送速度を高めることができる。
次に、本実施形態に係るメモリセルアレイ内での磁壁の移動について説明する。まず外部から入力されたアドレス信号を駆動回路410A、410B、420A、420B内のデコーダがデコードし、デコードされたアドレスに応じた磁性細線MLが選択され、この選択された磁性細線MLに電流を流す第1手順と、上記電流を切り、一定時間待機する第2手順とにより磁壁の移動(すなわち、データのシフト移動)が行われる。
このようにメモリセルアレイ内での磁壁を移動させる方法によると、メモリセルアレイの同一行に属し、磁性細線MLに接続される複数の磁気記憶素子1において、同時にデータ保存位置が移動することになる。このように、磁気記憶素子1が端部に位置する第1磁性層を他の磁気記憶素子と共有して、複数の磁気記憶素子を接続すると、データの移動を1つの電流源により一括して行うことができる。このため、メモリセルアレイ300全体の電力消費を抑制することができる。なお、磁壁が移動する方向は、電子の流れる向きと同じ、すなわち電流の流れる方向と逆になる。
メモリセルへの書き込みは、まず、まず外部から入力されたアドレス信号を駆動回路410A、410B、420A、420B内のデコーダがデコードし、デコードされたアドレスに応じたワード線WLが選択され、対応するスイッチング素子320をオンする。次いで、ビット線BLに電流を流すことにより、書き込みが行われる。あるいは、該当する磁性細線ML中に保存されたデータを必要な分移動させた後、書き込みを行う。
メモリセルに保存されたデータの読み出しは、まず、まず外部から入力されたアドレス信号を駆動回路410A、410B、420A、420B内のデコーダがデコードし、デコードされたアドレスに応じた磁性細線MLが選択され、メモリセル内に磁化方向として保存されたビット列のうち、読み出したいビットが読み出し部に位置に来るようにデータのシフト移動を上述した方法で行う。その後、ワード線WLを選択し、スイッチング素子320をオンとし、ビット線BLに電流を流すことにより、読み出しを行う。なお、読み出し電流は、その向きが正であっても負であってもよいが、書き込み電流の絶対値よりも小さな絶対値を有している。これは、読み出しによって保存されたデータが反転しないためである。
第3実施形態によれば、第1または第2実施形態の磁気記憶素子を用いているので、磁性体中の磁壁を安定して移動させることのできる磁気記憶装置を提供することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態の磁気メモリを図25に示す。この第4実施形態の磁気メモリは、第3実施形態の磁気記憶装置500を基板600上に複数個マトリクス状に配置した構成を有している。このような構成とすることにより、大容量の磁気メモリを実現することができる。
第4実施形態によれば、第1または第2実施形態の磁気記憶素子を用いているので、磁性体中の磁壁を安定して移動させることのできる磁気記憶装置を提供することができる。
なお、本明細書を通じて「垂直」には製造工程のばらつき等による厳密な垂直からのずれが含まれるものとする。同様に、本明細書を通じて、「平行」、「水平」は、厳密な平行、水平を意味するものではない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 磁気記憶素子
10 磁性細線
12a 外形線
12b 外形線
14 磁性細線内の直線
20 電極
22 電極
24 読み出し部
26 書き込み部

Claims (16)

  1. 磁区を有する磁性細線と、
    前記磁性細線に接続され前記磁性細線に電流を流す一対の電極と、
    前記磁性細線に接続され前記磁区に磁化情報を書き込む書き込み部と、
    前記磁性細線に接続され前記磁区の磁化情報を読み出す読み出し部と、
    を備え、
    前記磁性細線は前記磁性細線が延在する第1方向に直交する方向に磁化方向を有し、
    前記第1方向と直交する第2方向と前記第1方向とによって決定される平面で切断した前記磁性細線の断面が第1および第2外形線を有し、
    前記第1外形線は、前記磁性細線内の前記第1方向に平行な仮想直線からの距離が極小となる第1極小点と、この第1極小点と異なる、前記仮想直線からの距離が極小となる第2極小点と、前記第1極小点と前記第2極小点との間で前記仮想直線からの距離が最大となる第1極大点とを有し、
    前記第1極小点と前記第2極小点とを結ぶ第1直線と、前記第1極小点と前記第1極大点とを結ぶ第2直線または前記第2極小点と前記第1極大点とを結ぶ第3直線との成す角度が4度以上30度以下であることを特徴とする磁気記憶素子。
  2. 前記第2外形線は、前記仮想直線からの距離が極小となる第3極小点と、この第3極小点と異なる、前記仮想直線からの距離が極小となる第4極小点と、前記第3極小点と前記第4極小点との間で前記仮想直線からの距離が最大となる第2極大点とを有し、
    前記第3極小点と前記第4極小点とを結ぶ第4直線と、前記第3極小点と前記第2極大点とを結ぶ第5直線または前記第4極小点と前記第2極大点とを結ぶ第6直線との成す角度が4度以上30度以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気記憶素子。
  3. 前記磁性細線の前記第2方向における長さが60nm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の磁気記憶素子。
  4. 前記第2外形線は前記第1外形線の前記第1極大点に対応する、前記仮想直線からの距離が最大となる極大点を有し、前記第1極大点とこの第1極大点に対応する前記第2外形線の極大点とを結ぶ線は前記第1方向に略直交し、
    前記第1および第2外形線はそれぞれ、前記前記第1極大点とこの第1極大点に対応する前記第2外形線の極大点とを結ぶ前記線を直径とする円の外周上もしくは外周より外側に位置する部分が存在することを特徴とする請求項1または2記載の磁気記憶素子。
  5. 磁区を有する磁性細線と、
    前記磁性細線に接続され前記磁性細線に電流を流す一対の電極と、
    前記磁性細線に接続され前記磁区に磁化情報を書き込む書き込み部と、
    前記磁性細線に接続され前記磁区の磁化情報を読み出す読み出し部と、
    を備え、
    前記磁性細線は前記磁性細線が延在する第1方向に直交する方向に磁化方向を有し、
    前記第1方向と直交する第2方向と前記第1方向とによって決定される平面で切断した前記磁性細線の断面が第1および第2外形線を有し、
    前記第1外形線は、前記磁性細線内の前記第1方向に平行な仮想直線からの距離が極大となる第1極大点と、この第1極大点と異なる、前記仮想直線からの距離が極大となる第2極大点と、前記第1極大点と前記第2極大点との間で前記仮想直線からの距離が最小となる第1極小点とを有し、
    前記第1極大点と前記第2極大点とを結ぶ第1直線と、前記第1極大点と前記第1極小点とを結ぶ第2直線または前記第2極大点と前記第1極小点とを結ぶ第3直線との成す角度が4度以上30度以下であることを特徴とする磁気記憶素子。
  6. 前記第2外形線は、前記仮想直線からの距離が極大となる第3極大点と、この第3極大点と異なる、前記仮想直線からの距離が極大となる第4極大点と、前記第3極大点と前記第4極大点との間で前記仮想直線からの距離が最小となる第2極小点とを有し、
    前記第3極大点と前記第4極大点とを結ぶ第4直線と、前記第3極大点と前記第2極小点とを結ぶ第5直線または前記第4極大点と前記第2極小点とを結ぶ第6直線との成す角度が4度以上30度以下であることを特徴とする請求項5記載の磁気記憶素子。
  7. 前記磁性細線の前記第2方向における長さが60nm以下であることを特徴とする請求項5または6記載の磁気記憶素子。
  8. 前記第2外形線は前記第1外形線の前記第1極大点に対応する、前記仮想直線からの距離が最大となる極大点を有し、前記第1極大点とこの第1極大点に対応する前記第2外形線の極大点とを結ぶ線は前記第1方向に略直交し、
    前記第1および第2外形線はそれぞれ、前記前記第1極大点とこの第1極大点に対応する前記第2外形線の極大点とを結ぶ前記線を直径とする円の外周上もしくは外周より外側に位置する部分が存在することを特徴とする請求項5または6記載の磁気記憶素子。
  9. 前記磁性細線内の前記磁区は、前記第1方向における長さが6nm〜200nmであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の磁気記憶素子。
  10. 前記磁性細線は、希土類元素と鉄族遷移元素との合金であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の磁気記憶素子。
  11. 前記第1外形線は前記仮想直線からの距離が極小となる極小点を複数個有し、前記第2外形線は前記第1外形線の各極小点に対応して前記第1方向の同じ位置に前記仮想直線からの距離が極小となる極小点を有し、前記第1外形線の隣接する極小点間の距離が前記第1方向の位置によって異なることを特徴とする請求1乃至10のいずれかに記載の磁気記憶素子。
  12. 前記磁性細線は、前記第1方向における長さが6nmの領域において、細線幅変化率が10%以上となる部分を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の磁気記憶素子。
  13. 前記磁性細線は、前記第1方向における長さが6nmの領域において、細線幅変化が10nm以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の磁気記憶素子。
  14. マトリクス状に配列された請求項1乃至13のいずれかに記載の複数の磁気記憶素子と、
    前記複数の磁気記憶素子のそれぞれに対応して設けられた複数のスイッチングトランジスタであって、ソースおよびドレインのうちの一方が対応する列の磁気記憶素子内の読み出し部の一端に接続される、複数のスイッチングトランジスタと、
    行に対応して設けられた複数の第1配線であって、各第1配線には、対応する行の前記スイッチングトランジスタのゲートが接続される、複数の第1配線と、
    列に対応して設けられた複数の第2配線であって、各第2配線には、対応する列の前記記憶素子内の前記読み出し部の他端が接続される、複数の第2配線と、
    を備えている磁気記憶装置。
  15. 請求項14記載の磁気記憶装置を複数個備え、前記複数の磁気記憶装置がマトリクス状に配列されていることを特徴とする磁気メモリ。
  16. 請求項1乃至13のいずれかに記載の磁気記憶素子の駆動方法であって、
    前記一対の電極を通して前記磁性細線に電流を第1の時間、流す第1ステップと、
    前記第1ステップの後に、前記電流を遮断し、前記第1の時間よりも長い第2の時間待機する第2ステップと、
    を備えている駆動方法。
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