JP2014102967A - 活物質層形成用スラリーの濾過フィルタ - Google Patents

活物質層形成用スラリーの濾過フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】非水溶媒中に少なくとも電極活物質とカーボンブラックとが分散してなるスラリーを濾過するためのフィルタであって、目詰まり等の不具合を生じ難い濾過フィルタを提供する。
【解決手段】本発明により、少なくとも電極活物質とカーボンブラックとが非水溶媒中に分散してなる非水電解質二次電池の活物質層形成用スラリーを濾過するためのフィルタが提供される。かかるフィルタの目開きは50μm以下である。また、かかるフィルタの少なくとも表面の部位は、ハマカー定数が6×10−20J以下の材質により形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、スラリーの濾過フィルタに関する。より詳しくは、非水溶媒中に少なくとも電極活物質とカーボンブラックとが分散してなる活物質層形成用スラリーを濾過するためのフィルタに関する。本発明はまた、該フィルタを用いた非水電解質二次電池の製造方法に関する。
一般に、非水電解質二次電池の電極は、集電体と該集電体上に形成された電極活物質層とを備える。かかる電極活物質層の形成は、例えば、所定の液状媒体中に電極活物質を含む原材料が分散されてなる活物質層形成用スラリー(ペースト、インクを包含する。以下同様。)を集電体上に付与し、乾燥することによって行い得る。この際、調製したスラリー中に原材料の粗大粉末が含まれたり、或いは製造工程において装置等から微小金属粉末が混入したりすると、塗工不良や内部短絡等の不具合を生じ得る。したがって、信頼性の高い電池を安定的に構築するためには、スラリー中に含まれる粗大粒子や微小金属粉末等を予め除去することが重要である。
これに係る従来技術として、特許文献1〜3が挙げられる。例えば特許文献1には、200MPa程度の高圧環境下において、30μm以下の目開きのフィルタで活物質層形成用スラリーを濾過する手法が開示されている。また、特許文献2には、50〜200μmの濾過精度を有するポリプロピレン製フィルタで活物質層形成用スラリーを濾過する手法が記載されている。また、特許文献3の実施例には、5〜1000μmの目開きのステンレス製フィルタで活物質層形成用スラリーを濾過する手法が記載されている。
特開2009−301942号公報 特開2009−252385号公報 特開平09−213310号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、濾過時にスラリーに付与する圧力(濾過差圧)を極端に高くする必要があり、加圧設備が大掛かりになるという問題がある。そこで本発明者らは、より簡便に濾過を行うべく、より低圧(典型的には濾過差圧が1MPa以下)の環境下で、より目開きの大きなポリプロピレン製のフィルタ(例えば目開き50μm程度のフィルタ)を用いて検討を行った。ところが、かかるフィルタを用いて、低圧の環境下でカーボンブラック(Carbon Black;以下、「CB」と略称することがある。)を含む活物質層形成用スラリーを濾過した場合に、CBの粒径がフィルタの目開きより明らかに小さいにもかかわらず、フィルタが早期に目詰まりを生じることがあった。加えて、濾過後のスラリーを用いて作製した電極を備えた電池では、性能が低下(例えば電池抵抗が増大)することがあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーボンブラックを含む活物質層形成用スラリーを濾過するためのフィルタであって、低圧環境下でも目詰まり等の不具合を生じ難い濾過フィルタを提供することである。また、関連する他の目的は、高品質な非水電解質二次電池を安定的に製造するための方法を提供することである。
本発明者らが、上記フィルタの目詰まりの原因について調査した結果、図1に模式的に示すように、CBがフィルタに付着し、成長していることが確認された。また、濾過後のスラリーでは、濾過前のスラリーに比べてCBの濃度が低下していることが確認された。そこで、CBがフィルタに付着する原因について種々検討した結果、主な原因としてフィルタとCBとの分子間力(ファンデルワールス力)、すなわち液状媒体中におけるフィルタとCBとの引力が大きいことがわかった。そこで、本発明者らはかかる引力を低減すべく鋭意検討を重ね、上記課題を解決し得る手段を見出し、本発明を完成させた。
本発明により、少なくとも電極活物質とカーボンブラックとが非水溶媒中に分散してなる非水電解質二次電池の活物質層形成用スラリーを濾過するためのフィルタが提供される。
ここで開示されるフィルタは、以下の(A)および(B)の条件を満たしている。
(A)目開きが50μm以下(典型的には35μm以上50μm以下、例えば40μm以上50μm以下)である。
(B)少なくとも表面の部位は、ハマカー定数が6×10−20J以下(好ましくは5.75×10−20J以下、特に好ましくは4×10−20J以下)の材質により形成されている。
ここで開示されるフィルタは、ハマカー定数が小さく抑えられている。このため、活物質層形成用スラリー中にカーボンブラック(CB)を含む場合であっても、フィルタとCBとの引力(分子間力)を低減し得、フィルタにCBが付着することを抑制し得る。したがって、例えば特許文献1に記載されるような過度な高圧環境にすることなく、除去すべき成分(すなわち50μmを超える粗大粒子や微小金属粉末等)のみを好適に除去することができる。また、上記フィルタを用いて濾過を行うことで、濾過の前後において活物質層形成用スラリー中に含まれるCBの量(濃度)を一定に保持し得る。このため、かかるスラリーを用いて作製した電極を備えた電池では、電池抵抗の増大を招来することなく、安定して高い性能を発揮し得る。さらに、従来に比べフィルタの寿命を長くし得るため、生産性や製造コストの観点からも好ましい。
なお、本明細書において「非水電解質二次電池」とは、非水電解質(典型的には、非水溶媒中に支持塩を含む電解液)を備えた電池をいう。また、「ハマカー定数(Hamaker定数)」とは、物質表面間の相互作用(すなわち分子間力)に起因した引力斥力として知られる定数である。具体的なハマカー定数の値に関する情報は、例えば粉体工学会編集の粉体工学叢書 第4巻「液相中の粒子分散・凝集と分離操作」(2010年発刊)を参考にし得る。或いは、粒子の凝集分散機構に関するDLVO理論に基づき、臨界凝集濃度等から算出することもできる。
上述の通り、ここで開示される被濾過物としての活物質層形成用スラリーは、少なくともカーボンブラックを含んでいる。そして、好適な一態様では、スラリー中に含まれる全固形分に対するカーボンブラックの割合が2質量%以上10質量%以下である。また、上記スラリーの粘度は、典型的には1000mPa・sec以上30000mPa・sec以下であり得る。活物質層形成用スラリーをこのような性状に調製することで、例えば流速が比較的遅い場合であっても(換言すれば濾過差圧が1MPa以下の場合であっても)、安定的に濾過を行うことができる。なお、本明細書において「粘度」とは、一般的なレオメータを用いて、せん断速度1sec−1の条件で測定した値をいう。
ここで開示されるフィルタは、例えばリチウムイオン二次電池の正極活物質層の形成に供される正極活物質層形成用スラリーを濾過するために好適に用いることができる。
正極活物質層形成用スラリーは、少なくとも正極活物質を含む。正極活物質は、種類や性状によっては導電性が低いため、導電材としてカーボンブラックを含み得る。従来のフィルタでは、かかるスラリーの濾過がとりわけ困難となりがちであったが、ここで開示されるフィルタによれば好適に濾過を行うことができ、本願発明の適用効果が顕著に発揮され得る。
本発明の他の側面として、正負の電極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池の製造方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程を包含する。
(1)少なくとも非水電解質二次電池材料としての電極活物質とカーボンブラック(CB)とが非水溶媒中に分散してなる非水電解質二次電池の活物質層形成用スラリーを調製すること。
(2)上記調製したスラリーを、上述のフィルタで濾過すること。
(3)上記濾過したスラリーを集電体上に付与して、集電体上に電極活物質層が形成された電極を作製すること。
(4)上記作製した電極を用いて非水電解質二次電池を構築すること。
なお、上記(1)〜(3)は、電極の製造方法としても把握され得る。調製したスラリーを電極活物質層形成前に濾過することにより、予め粗大粒子や微小金属粉末等を除去することができる。加えて、濾過の際に上述のフィルタを用いることで、濾過工程でスラリー中のCBの量(濃度)が変化することを抑制し得る。このため、抵抗が低く高品質な電極を安定的に製造することができる。したがって、上記製造方法によれば、製造不良の発生が少なく、優れた電池性能を発揮し得る非水電解質二次電池を安定して製造することができる。このことは、生産性や製造コストの観点からも好ましい。
上記製造方法における好ましい一態様では、濾過差圧を0.1MPa以上1MPa以下に調整する。ここで開示されるフィルタは目詰まり等の不具合が生じ難いため、従来に比べ濾過差圧を低く設定した場合であっても、高い作業効率を維持しつつ濾過を実施することができる。このため、濾別したい成分(例えば50μmを超える粗大粒子や微小金属粉末等)のみを迅速且つ好適に除去することができる。
従来技術に係るフィルタを用いて濾過を行うイメージを示す模式図である。 一実施形態に係る電極の製造装置を示す模式図である。 図2の濾過部の拡大図である。 一実施形態に係る非水電解質二次電池の断面構造を示す模式図である。 図4の捲回電極体の構成を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
≪濾過フィルタ≫
ここで開示されるフィルタは、少なくとも電極活物質とCBとが非水溶媒中に分散してなる活物質層形成用スラリーを濾過するために用いられる。そして、かかるフィルタの少なくとも表面の部位は、ハマカー定数が6×10−20J以下(典型的には3×10−20J〜6×10−20J、好ましくは3×10−20J〜5.75×10−20J、特に好ましくは3×10−20J〜4×10−20J)の材質によって形成されている。ハマカー定数を6×10−20J以下(好ましくは5.75×10−20J以下)とすることで、フィルタとCBとの分子間力(ファンデルワールス力)を低減し得、フィルタにCBが付着することを抑制し得る。このため、ここで開示されるフィルタを用いることで、濾過差圧を過度に高く(例えば1MPa以上に)設定することなく、スラリー中に含まれ得る粗大粒子や微小金属粉末を好適に除去することができる。
フィルタの表面の材質としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を採用し得る。なかでもPTFEは、耐腐食性や耐摩耗性に優れるため好ましく用いることができる。また、フィルタの基材は表面と同様の材質であってもよく、異なっていてもよい。フィルタの基材の材質としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド、ナイロン等の樹脂材料;ステンレス、ニッケル、カーボン等の無機材料;或いは、これらを組み合わせた複合材料等を採用し得る。より具体的には、例えば、樹脂や金属の繊維を絡ませた不織布フィルタや、樹脂や金属の繊維を編んだメッシュフィルタなどを用いることができる。
ここで開示されるフィルタの目開きは、50μm以下である。下限値は、除去したい粒子の大きさや活物質層形成用スラリーの粘度等に依るため特に限定されないが、典型的には35μm以上であり、例えば40μm以上である。これにより、活物質層形成用スラリー中に含まれる可能性がある粗大粒子(例えば活物質の凝集物)や異物(例えば微小金属粉末)を好適に除去し得る。また、ここで開示されるフィルタは、上記の通りハマカー定数の小さい材質で表面が構成されているため、目詰まり等の不具合が生じ難い。したがって、目開きが50μm以下と小さい場合でも、過度な圧力の負荷(加圧や減圧)を行うことなく高い作業効率を維持したまま濾過を実施することができる。
≪活物質層形成用スラリー≫
ここで開示される被濾過物としての活物質層形成用スラリーは、少なくとも電極活物質とカーボンブラックとが非水溶媒中に分散した状態である。具体的には、例えば、少なくとも正極活物質とカーボンブラックとが非水溶媒中に分散してなる正極活物質層形成用スラリー、或いは、少なくとも負極活物質とカーボンブラックとが非水溶媒中に分散してなる負極活物質層形成用スラリーであり得る。このようなスラリーは、活物質とカーボンブラックと必要に応じて用いられる任意の材料(例えばバインダ)とを用意し、これらの材料を所定の非水溶媒中で混練することによって調製することができる。混練には、例えば、ボールミル、ロールミル、ミキサー、ディスパー、ニーダ等の従来公知の種々の攪拌・混合装置を適宜用いることができる。混練における好ましい混練時間は、上記材料が溶媒中に均等に分散するまでの時間とすればよい。混練条件等によっても異なり得るが、通常は10分〜3時間であり、作業効率の観点から10分〜30分とすることが好ましい。また、上記材料を混練する順序は特に限定されず、一度に全ての材料を溶媒中に投入してもよく、何度かに分けて(例えば1種の材料を溶媒中に添加して分散させた後に、他の材料を添加し分散させて)行ってもよい。
スラリーの固形分濃度は特に限定されないが、例えば45質量%〜80質量%(好ましくは50質量%〜75質量%、より好ましくは55質量%〜70質量%)とすることができる。また、調製されたスラリー(すなわち濾過に供されるスラリー)の粘度は、通常1000mPa・sec〜30000mPa・sec程度であり、例えば10000mPa・sec〜25000mPa・sec程度とすることができる。活物質層形成用スラリーをこのような性状に調製することで、濾過をより一層安定的に行うことができる。
特に限定を意図するものではないが、少なくとも正極活物質とカーボンブラックとを非水溶媒中に含んでなる正極活物質層形成用スラリーを一例として、以下にその組成を詳細に示す。
正極活物質としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の1種または2種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、リチウムニッケル系酸化物(典型的にはLiNiO)、リチウムコバルト系酸化物(典型的にはLiCoO)、リチウムマンガン系酸化物(典型的にはLiMn)、リチウム鉄系酸化物(典型的にはLiFeO)等のリチウム元素と少なくとも1種の遷移金属元素(好ましくはニッケル、コバルトおよびマンガンのうちの少なくとも1種)とを構成金属元素として含む層状構造またはスピネル構造の酸化物;リン酸マンガンリチウム(典型的にはLiMnPO)、リン酸鉄リチウム(典型的にはLiFePO)等のリチウム元素と遷移金属元素とを構成金属元素として含むオリビン構造のリン酸塩;等が挙げられる。リチウム遷移金属酸化物は理論容量が高いため、高い電池特性(例えば高エネルギー密度)を実現することができる。
なかでも、構成元素としてリチウム元素、ニッケル元素、コバルト元素およびマンガン元素を含む、層状構造(典型的には、六方晶系に属する層状岩塩型構造)のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3)を主成分とする正極活物質(典型的には、実質的にリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物からなる正極活物質)は、熱安定性に優れ、且つ他の化合物に比べて理論エネルギー密度が高いため好ましく用いることができる。
ここで、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物とは、Li、Ni、Co、Mnを構成金属元素とする酸化物のほか、Li、Ni、Co、Mn以外に他の少なくとも1種の金属元素(Li、Ni、Co、Mn以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を含む酸化物をも包含する意味である。かかる金属元素は、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉄(Fe)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pb)、白金(Pt)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ランタン(La)、セリウム(Ce)のうちの1種または2種以上の元素であり得る。また、リチウムニッケル系酸化物、リチウムコバルト系酸化物、リチウムマンガン系酸化物についても同様である。上記置換的な構成元素の量は特に限定されないが、例えば、当該置換元素とNiとCoとMnとの合計100質量%に対し、0.05質量%以上(典型的には0.1質量%以上、例えば0.2質量%以上)であって、5質量%以下(典型的には3質量%以下、例えば2.5質量%以下)とすることができる。
また、例えば、一般式:xLi[Li1/3Mn2/3]O・(1−x)LiMeO(前式中、Meは1種または2種以上の遷移金属であり、xは0<x≦1を満たす)で表されるような、いわゆる固溶型のリチウム過剰遷移金属酸化物を用いることもできる。
このような化合物は、従来公知の方法で調製することができる。より具体的には、例えば、先ず目的の正極活物質の組成に応じて選択される原料化合物(例えばリチウム源と遷移金属元素源と)を所定の割合で混合し、この混合物を適切な手段によって焼成する。そして、得られた焼成物を適宜粉砕、造粒、分級することによって、調製することができる。かかる化合物の性状は特に限定されないが、例えば、粒径は20μm以下(典型的には0.1μm〜20μm、例えば3μm〜15μm、好ましくは3μm〜10μm)の粒子状(粉末状)とすることができる。また、比表面積は0.1m/g以上(典型的には0.5m/g以上、例えば1m/g以上)であって、30m/g以下(典型的には20m/g以下、例えば10m/g以下)とすることができる。さらに、嵩密度は1〜4g/cm(典型的には1.5〜3g/cm、好ましくは1.8〜2.4g/cm)とすることができる。上述した性状(粒径、比表面積、嵩密度)のうち一または二以上を満たす化合物を用いることにより、緻密で導電性の高い正極活物質層を形成し得る。また、かかる化合物を用いて形成した正極活物質層内には適度な空隙が保持され、非水電解液が好適に浸透し得る。このため、正極活物質層内の抵抗をより低く抑えることができる。
なお、本明細書において「粒径」とは、特記しない限り、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づく粒度分布測定により測定した体積基準の粒度分布において、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(D50粒径、メジアン径ともいう。)をいう。また、本明細書において「比表面積」とは、窒素ガスを用いたBET法(例えば、BET一点法)によって測定された比表面積(BET比表面積)をいう。また、本明細書において「嵩密度」とは、JIS K1469(2003)に規定された方法により測定された値をいう。
カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック等を用いることができる。スラリーにカーボンブラックを含むことで、かかるスラリーを用いて形成された正極活物質層に優れた導電性を付与し得る。
このようなカーボンブラックの性状は特に限定されないが、一般には一次粒子の粒径が小さいものほど比表面積が広く正極活物質との接触面積を増加し得るため、活物質層内の導電パスを保つのに有利である。その一方で、比表面積の広いカーボンブラックは嵩高くなる傾向があるため、エネルギー密度を低下させたり、フィルタの目に引っかかり易くなったりする虞がある。これらの理由から、カーボンブラックを構成する一次粒子の粒径は凡そ1nm〜200nm(典型的には凡そ10nm〜100nm、例えば凡そ30nm〜50nm)の範囲にあることが好ましい。上記「一次粒子の粒径」としては、電子顕微鏡(走査型または透過型のいずれも使用可能である。好ましくは透過型電子顕微鏡)写真により少なくとも30個以上(例えば30〜100個)の一次粒子を観察し、得られた粒径の算術平均値を採用することができる。また、比表面積は25m/g〜1000m/g(典型的には50m/g〜500m/g、例えば50m/g〜200m/g、好ましくは50m/g〜100m/g)の範囲にあることが好ましい。さらに、嵩密度は0.01〜0.5g/cm(典型的には0.05〜0.3g/cm、例えば0.05〜0.2g/cm)の範囲にあることが好ましい。上記範囲とすることで、正極活物質層内の導電性と、高エネルギー密度とを高いレベルで両立し得る。
上記と同様の理由から、カーボンブラックは一次粒子がある程度連なり連鎖状または房状等の構造を有していることが好ましい。一次粒子の連なりは、ストラクチャーとも言われ、かかる発達の程度は例えば電子顕微鏡(走査型または透過型のいずれも使用可能である。好ましくは透過型電子顕微鏡)観察により把握することができる。一次粒子が連なった構造のカーボンブラックは、正極活物質粒子の電気抵抗を抑制しつつ正極活物質粒子間に導電パスを形成できるので、より少ない使用量で優れた導電性を付与することができる。その一方、かかる構造は、からまったり丸まったりしやすく、ムラなく分散させることが困難である。また、本発明者らの検討によれば、ストラクチャーの発達したカーボンブラックは、フィルタに付着し易い傾向にある。上記の理由から、カーボンブラック微粒子の一次ストラクチャー径(アグリゲート径ともいう)は、凡そ100nm〜1000nmの範囲にあることが好ましく、200nm〜800nmの範囲にあることがより好ましい。
また、バインダや非水溶媒等との親和性の観点から、カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレート)吸油量は、100mL/100g以上(典型的には150mL/100g以上)であることが好ましい。上記を満たす場合、バインダとの結着性に優れ、正極活物質層内に強固な導電パスを形成し得る。また、非水溶媒との親和性に優れるため、正極活物質層内の抵抗を低減し得る。一般に、DBP吸油量の高い材料を含むスラリーを濾過する場合、かかる材料が濾過用のフィルタに付着し易い傾向にあるが、ここで開示される技術によれば、DEP吸油量の高い材料であってもフィルタに付着し難いため、好適に濾過を行うことができる。DBP吸油量の上限値は特に限定されないが、例えば500mL/100g以下(典型的には400mL/100g以下)であり得る。なお、本明細書において「DBP吸油量」とは、JIS K−6217−4のA法またはB法に規定される測定法による測定量をいう。
ここで開示される正極活物質層形成用スラリーでは、上述した好ましい性質(一次粒子の粒径、比表面積、嵩密度、ストラクチャーの発達程度、DEP吸油量)のうち一または二以上を満たすカーボンブラックを、好適に用いることができる。このようなカーボンブラックとしては、例えばアセチレンブラックやケッチェンブラックが挙げられる。なお、上記物性値には相関関係がみられ、例えば、DBP吸油量は、ストラクチャーの発達の程度や比表面積、粒径、嵩密度によっても概ね把握することができる。
また、ここで開示される正極活物質層形成用スラリーには、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上記正極活物質およびカーボンブラック以外の1種または2種以上の材料を含み得る。かかる材料としては、例えばバインダや各種添加剤(導電材、分散剤等)が挙げられる。バインダとしては、使用する溶媒に溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド;等を好ましく採用することができる。このようなバインダは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
正極活物質層形成用スラリーの全固形分に占める正極活物質の割合は、凡そ50質量%以上とすることが適当であり、通常は凡そ80質量%〜95質量%であることが好ましい。正極活物質層形成用スラリーの全固形分に占めるカーボンブラックの割合は、例えば凡そ2質量%〜20質量%とすることができ、通常は凡そ2質量%〜10質量%とすることが好ましく、3質量%〜5質量%とすることがより好ましい。バインダを使用する場合、正極活物質層形成用スラリーの全固形分に占めるバインダの割合は、例えば凡そ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。
非水溶媒としては、例えば従来から非水電解質二次電池の製造に用いられている非水溶媒(有機溶剤)のうち1種または2種以上を用いることができる。例えば、アミド系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミン系溶剤、エーテル系溶剤、ニトリル系溶剤、環状エーテル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等用いることができる。より具体的には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、プロペン酸メチル、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、アセトニトリル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン等が挙げられ、典型的にはNMPを用いることができる。
≪電極の製造方法≫
また、本発明により、非水電解質二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)の電極を製造する方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程を包含する。
(1)活物質層形成用スラリーを調製すること。
(2)調製したスラリーを、上述のフィルタで濾過すること。
(3)濾過したスラリーを集電体上に付与して、集電体上に電極活物質層が形成された電極を作製すること。
図2は、本発明の一実施形態に係る電極の製造装置100を示す模式図である。製造装置100は、例えば、非水電解質二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)の正極シート110や負極シート120(図4,5参照)を製造するために好適に用い得る。図2に示す態様において、電極製造装置100は、大まかに言って、走行経路12と、集電体供給部14と、電極回収部16と、スラリー供給部20と、活物質層形成部40と、乾燥炉50とを備えている。
<走行経路12>
走行経路12は、集電体12aを走行させる経路である。この実施形態では、集電体12aを走行させる所定の経路に沿って、走行経路12に複数のガイド12bが配置されている。なお、図示は省略するが、走行経路12には、集電体12aに適当な張力が作用するように張力を調整する機構(例えば、ダンサローラ)が必要に応じて適宜に配置されている。また、走行経路12は、集電体12aの幅方向の位置を調整する位置調整機構が必要に応じて適宜に配置されているとよい。位置調整機構には、例えばエッジ検知装置(エッジセンサー)と位置補正機構(ポジションコントローラ)とを組み合わせた、いわゆるEPC(edge position control)のような位置調整機構を好適に採用することができる。
<集電体供給部14>
集電体供給部14は、走行経路12に集電体12aを供給する部位である。この実施形態では、走行経路12の始端に集電体供給部14が設けられている。また、集電体供給部14には予め巻き芯14aに巻き取られた集電体12aが配置されており、適宜に適当な量の集電体12aが集電体供給部14から走行経路12に供給される。集電体12aとしては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる箔状の導電性部材(金属箔)が好ましく用いられる。
<電極回収部16>
電極回収部16は、走行経路12から集電体12aを回収する部位である。この実施形態では、走行経路12の終端に電極回収部16が設けられている。電極回収部16は、走行経路12の途中で所定の処理が施された集電体12aを巻き芯16aに巻き取る。電極回収部16は、例えば制御部16bと、制御部16bに設定された所定のプログラムに従って駆動するモータ16cとを備える。集電体12aは、モータ16cによって操作された巻き芯16aによって適宜巻き取られる。
<スラリー供給部20>
スラリー供給部20は、後述する活物質層形成部40に活物質層形成用スラリー40aを供給する装置である。かかるスラリー供給部20は、大まかに言って、スラリーを貯留する貯留タンク22と、ポンプ24と、濾過部30とを備えている。なお、スラリー供給部20は、少なくとも濾過部30と被濾過物としての活物質層形成用スラリーとを備えた濾過装置としても把握し得る。
貯留タンク22は、濾過前のスラリーを貯留する容器である。ここで示す形態では、縦長の円筒形状を有しており、配管でポンプ24と接続されている。好適な一態様では、貯留タンク22として耐圧性に優れた真空タンクを採用する。真空タンクを使用して該タンク内を減圧状態にすることで、スラリーに含まれる気泡を低減し得、塗工不良の発生を抑制し得る。また、貯留タンク22の内壁は、貯留するスラリーに対して耐腐食性に優れた材質であることが好ましい。このような材質としては、例えばステンレスが挙げられる。
ポンプ24は、貯留タンク22から濾過部30(ひいては活物質層形成部40)にスラリーを移送する機関である。ここで開示される製造装置では、スラリー供給部20において、スラリー移送経路の上流側と下流側の圧力を測定し、その差圧を求める手段(差圧測定手段)を備えている。図2に示す実施形態では、差圧測定手段として差圧センサ25が設けられている。すなわち、ポンプ24の上流側および下流側には一対の圧力センサ25a、25bが取り付けられており、図示しない制御部と電気的に接続されている。圧力センサ25aおよび25bは、それぞれ上流側および下流側のスラリーの圧力を測定し、該圧力値を信号化して差圧センサ25に送る。差圧センサ25は、上流側のスラリーの圧力と下流側のスラリーの圧力の差から差圧を算出し、当該差圧値を制御部に送る。これにより、常に一定の差圧で濾過を行うことができる。
貯留タンク22に貯留されたスラリーは、該貯留タンク22の排出口からポンプ24によって一定の流速で吸い上げられ、濾過部30に送られる。図3は、濾過部30の拡大図である。図3で開示される形態では、濾過部30は、スラリー移送経路の途中に配管30aおよび30bで接続されており、(上流側から順に)フィルタ32、支持体34、ガスケット36を備えている。
フィルタ32は、活物質層形成用スラリー中に含まれる可能性がある粒子の凝集物(例えば正極活物質の凝集物)や異物(例えば金属異物)を除去するとともに、活物質層形成用スラリー40a中に含まれる粒径を揃える部材である。フィルタ32としては、被濾過物としての活物質スラリーの性状に応じて、既に上述した材質や目開きのものの中から適宜選択して用いることができる。なお、この実施形態では1枚のフィルタを使用しているが、複数枚のフィルタを組み合わせて(例えば材質や目開きの異なる複数枚のフィルタを重ね合わせて)使用することもできる。目開きの異なるフィルタを同時に用いる場合には、被濾過物としてのスラリーが徐々に目開きの小さいフィルタと接するよう、上流側に目開きのより大きなフィルタを配置することが好ましい。
支持体34は、フィルタ32の機械的強度を保持するための部材であり、典型的にはフィルタ32の下流側に配置される。これによって、被濾過物としてのスラリーに対し、例えば0.1MPa〜1MPa程度の圧力を負荷した場合であっても十分な強度を保持することができる。支持体34の材質としては、例えばフィルタの基材として上述したような材質を用いることができ、耐久性や耐腐食性の観点からステンレスを好適に採用し得る。また、支持体34の目開きは、フィルタ32よりも顕著に大きく、典型的にはフィルタ32の目開きの5倍以上(例えば10倍以上)の目開きを有することが好ましい。すなわち、フィルタ32の目開きは、典型的には250μm以上であり、500μm以上であることが好ましい。
ガスケット36は、濾過部30の気密性を確保するための部材である。この実施形態では、支持体34と下流側の配管30bとの隙間に配置されるOリング状の部材である。ガスケット36の材質としては、耐腐食性に優れ、伸縮可能な弾性材料を用いることができる。かかる材質としては、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、フッ素ゴム(例えば、フッ化ビニリデン系(FKM)、テトラフルオロエチレン−プロピレン系(FEPM)、ブチルゴム、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、シリコンゴム等が挙げられる。
<活物質層形成部40>
活物質層形成部40は、金属箔12aの走行経路12に設けられており、スラリー供給部20から供給された活物質層形成用スラリー40aを、集電体12a上に塗工(塗布)する装置である。かかる活物質層形成部40は、例えばバックロール41と、塗布部42とを備えている。
バックロール41は、走行経路12に沿って配設されており、集電体12aを支持するローラである。塗布部42は、活物質層形成用スラリー40aを吐出する吐出口を有する。塗布部42には、例えば、スリットコーター、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーター等を用いることができる。図2に示す形態では、塗布部42にダイコーターが採用されている。塗布部42は、活物質層形成用スラリー40aを所定の目付量で集電体12a上に塗布し得る。この実施形態では、走行経路12に沿って集電体12aを走行させながら、バックロール41に支持された集電体12aに対して、連続して活物質層形成用スラリー40aを供給することができる。
<乾燥炉50>
乾燥炉50は、金属箔12aの走行経路12に設けられており、活物質層形成用スラリーの塗布後に、例えば80℃〜150℃程度の高温の乾燥雰囲気に金属箔12aを曝して、該スラリーに含まれる溶媒を除去するための装置である。これにより、金属箔12a上に活物質層を備えた電極を製造することができる。乾燥炉50を通過した金属箔12aは、電極回収部16において巻き芯16aに巻き取られ、電池製造における次工程に供される。
≪非水電解質二次電池の製造方法≫
また、本発明により、正負の電極と、非水電解質とを含む非水電解質二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)の製造方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程を包含する。
(1)上述の電極製造方法によって、正極および/または負極を作製すること
(2)上記作製した電極を用いて非水電解質二次電池を構築すること
特に限定することを意図したものではないが、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池として、長尺状の正極および負極を、非水電解液とともに扁平な直方体形(角形)の容器に収容した形態の非水電解質二次電池を例とし、以下に非水電解質二次電池の製造方法を示す。
図4は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池200の断面を示している。この非水電解質二次電池200は、捲回電極体180が、図示しない非水電解質とともに、該電極体180の形状に対応した扁平な直方体形状(角形)の電池ケース150に収容された構成を有する。この電池ケース150は、上端が開放された扁平な直方体形状(角形)の電池ケース本体152と、その開口部を塞ぐ蓋体154とを備える。電池ケース150の上面(すなわち蓋体154)には、外部接続用の正極端子170および負極端子172が、それら端子の一部を蓋体154から電池の外方に突出するよう設けられている。また、蓋体154には電池ケース内部で発生したガスをケースの外部に排出するための安全弁155が備えられている。
<正極シート110>
図5は、捲回電極体180の構成を示す模式図である。図5に示すように、ここで開示される非水電解質二次電池の正極シート110は、正極集電体112と、該正極集電体上に形成された少なくとも正極活物質を含む正極活物質層114と、を備えている。このような正極シート110は、例えば図2に示す電極製造装置を用いて、正極活物質とカーボンブラックと必要に応じて用いられるバインダ等とを適当な溶媒に分散させたスラリーをシート状の正極集電体に付与し、該スラリーを乾燥させることにより好ましく作製することができる。
正極活物質やカーボンブラック、バインダ、溶媒等は既に上述したものを適宜選択して用いることができる。また、正極集電体112には、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケル等)からなる導電性部材が好適に使用され得る。
正極集電体112の単位面積当たりに設けられる正極活物質層114の質量は、例えば5mg/cm〜40mg/cm(典型的には10mg/cm〜20mg/cm)程度とすることができる。また、正極活物質層114の密度は、例えば1.5g/cm〜4g/cm(典型的には1.8g/cm〜3g/cm)程度とすることができる。また、正極活物質層114の厚みは、例えば40μm以上(典型的には50μm以上)であって、100μm以下(典型的には80μm以下)とすることができる。正極活物質層の密度や厚みを上記範囲とすることで、所望の容量を維持しつつ、抵抗を低く抑えることができる。このため、非水電解質二次電池の出力特性とエネルギー密度とを高いレベルで両立させることができる。
<負極シート120>
図5に示すように、ここで開示される非水電解質二次電池の負極シート120は、負極集電体122と、該負極集電体上に形成された少なくとも負極活物質を含む負極活物質層124と、を備えている。このような負極シート120は、例えば図2に示す電極製造装置を用いて、負極活物質と必要に応じて用いられるバインダ等とを適当な溶媒に分散させたスラリーをシート状の負極集電体に付与し、該スラリーを乾燥させて負極活物質層(負極活物質層)を形成することにより好ましく作製することができる。負極集電体122としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性材料が好ましく用いられる。また上記溶媒としては、水性溶媒および有機溶媒のいずれも使用可能であり、例えば水を用いることができる。
負極活物質としては、非水電解質二次電池の負極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料の1種または2種以上を、特に限定なく使用することができる。特に限定されるものではないが、例えば、天然黒鉛(石墨)、人造黒鉛、ハードカーボン(難黒鉛化炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素)、カーボンブラック等の炭素材料;酸化ケイ素、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ニオブ、酸化錫、リチウムケイ素複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物(Lithium Titanium Composite Oxide:LTO、例えばLiTi12、LiTi、LiTi)、リチウムバナジウム複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム錫複合酸化物等の金属酸化物材料;窒化リチウム、リチウムコバルト複合窒化物、リチウムニッケル複合窒化物等の金属窒化物材料;スズ、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、リチウム等の金属もしくはこれらの金属元素を主体とする金属合金からなる金属材料;等を用いることができる。
バインダとしては、上記正極活物質層形成用のバインダとして例示したポリマー材料から適当なものを選択することができる。具体的には、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が例示される。その他、分散剤や導電材等の各種添加剤を適宜使用することもできる。
負極活物質層124全体に占める負極活物質の割合は、凡そ50質量%以上とすることが適当であり、好ましくは90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%)である。バインダを使用する場合には、負極活物質層124全体に占めるバインダの割合を例えば凡そ1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが適当である。
負極集電体122の単位面積当たりに設けられる負極活物質層124の質量は、例えば5mg/cm〜20mg/cm(典型的には5mg/cm〜10mg/cm)程度とすることが適当である。負極活物質層124の密度は、例えば0.5g/cm〜2g/cm(典型的には1g/cm〜1.5g/cm)程度とすることができ、負極活物質層124の厚みは例えば40μm以上(典型的には50μm以上)であって、100μm以下(典型的には80μm以下)とすることができる。負極活物質層の密度や厚みを上記範囲とすることで、非水電解質との界面を好適に保ち、耐久性(サイクル特性)と出力特性とを高いレベルで両立させることができる。
<電極体180>
上記作製した正極シート110と負極シート120とを積層し、捲回電極体180を作製する。捲回電極体180は、正極シート110と負極シート120とを重ね合わせて捲回し、得られた捲回体を側面方向から押圧して拉げさせることによって扁平形状に成形し得る。典型的には、正極シート110と負極シート120との間は、両者の直接接触を防ぐ絶縁層が配置されている。好ましい一態様では、上記絶縁層として2枚の長尺シート状のセパレータシート140を使用する。例えば、これらのセパレータシート140を正極シート110および負極シート120とともに捲回して電極体180が構成される。セパレータ140としては、一般的な非水電解質二次電池用セパレータと同様のものを特に限定なく用いることができる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂からなる多孔質シート、不織布等を用いることができる。好適例として、1種または2種以上のポリオレフィン樹脂を主体に構成された単層または多層構造の多孔性シート(微多孔質樹脂シート)が挙げられる。例えば、PEシート、PPシート、PE層の両側にPP層が積層された三層構造(PP/PE/PP構造)のシート等を好適に使用し得る。
<電池ケース150>
図4に示すように、上記作製した捲回電極体180を電池ケース150に収容し、該ケース150の開口部に蓋体154を取り付けた後、蓋体154に設けられた図示しない電解液注入孔から非水電解質を注入し、次いでかかる注入孔を塞ぐことによって本実施形態に係る非水電解質二次電池200を構築することができる。電解液の配置(注液)プロセスや電池ケース150の封止プロセスは、従来の非水電解質二次電池の製造で行われている手法と同様にして行うことができる。また、電池ケース150としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる材料や形状を用いることができる。該ケースの材質としては、例えば、アルミニウム、スチール等の金属材料;ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料;が挙げられる。なかでも、放熱性向上やエネルギー密度を高める目的から、比較的軽量な金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金)を好ましく採用し得る。また、該ケースの形状(容器の外形)は、例えば、円形(円筒形、コイン形、ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、袋体形、およびそれらを加工し変形させた形状等であり得る。
<非水電解質>
非水電解質としては、非水溶媒中に支持塩(リチウムイオン二次電池ではリチウム塩。)を溶解または分散させたものを好ましく採用し得る。支持塩としては、一般的な非水電解質二次電池と同様のものを適宜選択して採用し得、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、Li(CFSON、LiCFSO等のリチウム塩を用いることができる。このような支持塩は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましい支持塩としてLiPFが挙げられる。また、非水電解質は上記支持塩の濃度が0.7mol/L〜1.3mol/Lの範囲内となるように調製することが好ましい。
上記非水溶媒としては、一般的な非水電解質二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート(VC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
ここでは先ず、被濾過物として、スラリーに含まれる導電材(炭素材料)のみが異なる3種類の正極活物質層形成用スラリーを準備した。
[正極活物質層形成用スラリーAの調製]
正極活物質としてニッケルマンガンコバルト酸リチウム(Li[Ni1/3Mn1/3Co1/3]O)粉末と、導電材としてのアセチレンブラック(AB、電気化学工業株式会社製の商品名「デンカブラック(プレス品):FX35」、DEP吸油量:164ml/100g)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF、株式会社クレハ製の商品名「KFポリマー#7208」)とを、これらの材料の質量比が93:4:3となるように秤量して混練機(プラネタリミキサ)に投入し、N−メチルピロリドン(NMP)と共に混練した。そして、かかる混練物をディスパーに移し、粘度が凡そ20000mPa・secとなるようにN−メチルピロリドン(NMP)で調製しながらさらに混練し、正極活物質層形成用スラリーAを50L調製した。なお、このスラリーの固形分濃度は65質量%だった。
[正極活物質層形成用スラリーBの調製]
導電材としてケッチェンブラック(KB、ライオン株式会社製の商品名「ケッチェンブラックEC600JD」、DEP吸油量:345ml/100g)を用いたこと以外は、上記正極活物質層形成用スラリーAと同様に、正極活物質層形成用スラリーBを調製した。なお、このスラリーの固形分濃度は55質量%だった。
[正極活物質層形成用スラリーCの調製]
導電材として人造黒鉛(G、ティムカル(Timcal)社製の商品名「KS−4」、DEP吸油量:58.4ml/100g)を用いたこと以外は、上記正極活物質層形成用スラリーAと同様に、正極活物質層形成用スラリーCを調製した。なお、このスラリーの固形分濃度は68質量%だった。
[フィルタ]
次に、濾過に用いるフィルタとして、材質および/または目開きの異なるものを準備した。より具体的には、下表1に示す6種類の濾過用フィルタを準備した。なお、フィルタf〜gは、基材としてのカーボンとポリエステルとで構成されたメッシュ素材(例えばフィルタfでは、線径52μm、目開き50μm、開口率27%のものを用いた。)を、PTFEの水系分散液(ディスパージョン、ダイキン工業株式会社製の商品名「D−210C」、濃度60wt%、PTFEの平均粒径0.15μm〜0.35μm)に所定の時間浸漬させた後、乾燥させることによって、該基材の表面がPTFEで被覆されたフィルタを作製した。
そして、かかるフィルタを使用して図3に示す形態の濾過部を構築した。具体的には、上記準備したフィルタと、支持体(強度保持体)としてのメッシュシート(40メッシュ、目開き640μm、ステンレス製)と、ガスケットと、を順に重ね合わせたものをステンレス管(呼び径1S)で挟み込み、クランプによって配管の継ぎ手に固定した。そして、25℃の温度環境下において、かかる濾過部を用いて濾過差圧が0.5MPaの条件で、上記準備した正極活物質層形成用スラリーA〜Cをそれぞれ濾過した。
Figure 2014102967
<濾過後のスラリー中に含まれる導電材の定量>
濾過後の正極活物質層形成用スラリーの一部を用いて、スラリー中に含まれる導電材の濃度をそれぞれ測定した。具体的には、先ず濾過後の各スラリーから固形分を濾別し、これを酸性の水溶液に加熱溶解させた。その後、酸処理後の水溶液をガラスフィルターでろ過し、ガラスフィルター上に残留した成分(固形分)を収集した。これを窒素雰囲気下において800℃で3時間焼成し、その灰分を導電材量とした。そして、得られた導電材の重量を、上記固形分の重量で除して濾過後のスラリー中における導電材の濃度を算出した。結果を表2の「濾過後の導電材量」の欄に示す。なお、表2において、スラリー名の下の括弧書きは、各スラリーに含まれる導電材の種類を表す。また、「−」は未測定であることを表す。
Figure 2014102967
表2において、「濾過なし」の場合は、スラリー調製時(混練時)に投入した仕込みの割合がそのまま検出されていた。そこで、以下ではこれを基準として各スラリー(スラリーA〜C)についてそれぞれ比較検討する。
表2に示すように、スラリーC(導電材として黒鉛を含むスラリー)では、フィルタa〜fの何れを用いた場合であっても、濾過後のスラリーから基準と同等の導電材が検出された。したがって、導電材として黒鉛を含むスラリーでは、フィルタを用いた濾過によって導電助剤が除去される現象は生じないことがわかった。これに対し、スラリーA、B(導電材としてカーボンブラックを含むスラリー)では、フィルタb〜d(すなわち目開きが50μm以下であって、ハマカー定数が6×10−20Jより大きい材質のフィルタ)を用いた場合に、濾過後のスラリーに含まれる導電材の量が低下していた。この理由としては、導電材がフィルタに付着し、スラリー中から非意図的に除去されたことが考えられる。一方、フィルタa,e,f(すなわち、目開きが50μmより大きいまたはハマカー定数が6×10−20J以下の材質のフィルタ)を用いた場合には、カーボンブラックを含むスラリーであっても、濾別したい粗大粒子や微小金属粉末等のみを好適に除去し得、すなわち非意図的な導電材量の変化を抑制し得ることがわかった。特に、フィルタe,fを用いた場合には、濾過差圧が0.5MPaの条件であっても、50μmより大きな凝集体や金属粉末等を好適に除去し得ることがわかった。かかる結果は、ここで開示される発明の効果を示すものである。
[非水電解質二次電池の構築]
上記濾過後の正極活物質層形成用スラリーを、厚み20μmの長尺状アルミニウム箔(正極集電体)の両面に、幅94mmで塗布した。次いで、温度120℃で20秒間、上記組成物を乾燥(熱風乾燥)した後、ロールプレス機を用いて圧延処理を施すことによって圧縮し、裁断することによって、長さ4500mm、総厚さ170μmのシート状の正極(正極シート)を作製した。
次に、負極活物質として天然黒鉛粉末と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC、第一工業製薬株式会社製の商品名「セロゲンBSH−6」)とを、これらの材料の質量比が98:1:1となるように秤量して混練機に投入し、固形分濃度が45質量%となるようにイオン交換水で粘度を調製しながら混練し、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、厚み14μmの長尺状銅箔(負極集電体)の両面に、幅100mmで塗布した。次いで、温度120℃で20秒間、上記組成物を乾燥(熱風乾燥)した後、ロールプレス機を用いて圧延処理を施すことによって圧縮し、裁断することによって、長さ4700mm、総厚さ150μmのシート状の負極(負極シート)を作製した。
上記で作製した正極シートと負極シートとをセパレータシート(ここでは、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)の3層構造(厚み20μm)であって、表面に耐熱層が形成されたものを用いた。)を介して楕円状に捲回した後、常温(25℃)の環境下において、平板で挟み込んで加圧処理(ここでは、4kN/cmの圧力で2分間加圧を行った。)することによって捲回電極体を作製した。
この捲回電極体の正負の集電体の端部にそれぞれ電極端子を接合し、アルミ製電池ケース内に収容した。その後、非水電解液125g(ここでは、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジエチルカーボネート(DEC)とをEC:EMC:DEC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させた非水電解液を用いた。)を注入して密封することにより、角型のリチウムイオン二次電池を作製した。
<コンディショニング>
構築した電池を、以下の(1)〜(4)に従ってコンディショニング処理した。
(1)1Cのレート(40A)で4.1Vまで定電流充電(CC充電)する。
(2)5分間休止する。
(3)1Cのレート(40A)で3.0Vまで定電流放電(CC放電)する。
(4)5分間休止する。
<定格容量(初期容量)の測定>
上記コンディショニング後の電池を、25℃の温度環境下において、以下の(1)〜(4)に従って3.0Vから4.1Vの電圧範囲で充放電し、初期容量の確認を行った。
(1)電池電圧が4.1Vとなるまで1Cのレート(40A)で定電流充電(CC充電)した後、電流が0.1Cのレート(4A)になるまで定電圧充電(CV充電)を行う。
(2)5分休止する。
(3)電池電圧が3.0Vとなるまで1Cのレート(40A)でCC放電した後、電流が0.1Cのレート(4A)になるまで定電圧放電(CV放電)を行う。
(4)5分休止する。
得られた放電容量(電流値と電圧値の積の総和)を初期容量とした。構築した電池の初期容量は全て凡そ24Ahであり、概ね差がないことを確認した。
<電池特性測定(電池抵抗の測定)>
25℃の温度環境下において、上記電池を、40A(1C)でSOC60%の状態に調整した後、10Cのレート(400A)でCC放電し、10秒後の電圧降下からIV抵抗を求めた。測定は、各例につきN=10で行い、算術平均を求めた。得られた結果を、表2の「電池抵抗」の欄に示す。
表2から明らかなように、濾過によりスラリーに含まれる導電材の量が非意図的に低下すると、それに伴って電池抵抗の増大を招来し得る。したがって、ここで開示されるフィルタe,fを選択的に用いて濾過を行うことにより、濾別したい成分(50μmを超える粗大粒子や微小金属粉末等)のみを好適に除去し得、高い性能を発揮し得る電池を安定的に製造し得ることが示された。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
12 走行経路
12a 集電体(金属箔)
12b ガイド
14 集電体供給部
14a 巻き芯
16 電極回収部
16a 巻き芯
16b 制御部
16c モータ
20 スラリー供給部
22 貯留タンク
24 ポンプ
25 差圧センサ
25a 圧力センサ(上流側)
25b 圧力センサ(下流側)
30 濾過部
32 フィルタ
34 支持体
36 ガスケット
40 活物質層形成部
40a 活物質層形成用スラリー
41 バックロール
42 塗布部(ダイコーター)
50 乾燥炉
100 電極製造装置
110 正極シート(正極)
112 正極集電体
114 正極活物質層
120 負極シート(負極)
122 負極集電体
124 負極活物質層
140 セパレータシート(セパレータ)
150 電池ケース
152 電池ケース本体
154 蓋体
155 安全弁
170 正極端子
172 負極端子
180 捲回電極体
200 非水電解質二次電池

Claims (8)

  1. 少なくとも電極活物質とカーボンブラックとが非水溶媒中に分散してなる非水電解質二次電池の活物質層形成用スラリーを濾過するためのフィルタであって:
    前記フィルタの目開きは50μm以下であり、且つ
    前記フィルタの少なくとも表面の部位は、ハマカー定数が6×10−20J以下の材質により形成されている、非水電解質二次電池の活物質層形成用スラリーの濾過フィルタ。
  2. 前記スラリー中に含まれる全固形分に対する前記カーボンブラックの割合は、2質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記スラリーは、レオメータを用いて、せん断速度1sec−1の条件で測定される粘度が1000mPa・sec以上30000mPa・sec以下である、請求項1または2に記載のフィルタ。
  4. リチウムイオン二次電池の正極活物質層の形成に供される、正極活物質層形成用スラリーを濾過するために用いられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルタ。
  5. 前記フィルタの目開きは40μm以上であって、濾過差圧が0.1MPa以上1MPa以下の条件で用いられる、請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルタ。
  6. 非水電解質二次電池の製造方法であって:
    少なくとも非水電解質二次電池材料としての電極活物質とカーボンブラックとが非水溶媒中に分散してなる非水電解質二次電池の活物質層形成用スラリーを調製すること;
    前記調製したスラリーを、請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルタで濾過すること;
    前記濾過したスラリーを集電体上に付与して、前記集電体上に電極活物質層が形成された電極を作製すること;
    前記作製した電極を用いて非水電解質二次電池を構築すること;
    を包含する、非水電解質二次電池の製造方法。
  7. 前記濾過において、濾過差圧を0.1MPa以上1MPa以下に調整する、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記スラリーの調製において、前記電極活物質としてのリチウム遷移金属複合酸化物と前記カーボンブラックとを用いて正極活物質層形成用スラリーを調製する、請求項6または7に記載の製造方法。
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