JP2014101999A - 制動装置 - Google Patents

制動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014101999A
JP2014101999A JP2013205438A JP2013205438A JP2014101999A JP 2014101999 A JP2014101999 A JP 2014101999A JP 2013205438 A JP2013205438 A JP 2013205438A JP 2013205438 A JP2013205438 A JP 2013205438A JP 2014101999 A JP2014101999 A JP 2014101999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soft magnetic
braking device
movable body
coil
magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013205438A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Yamada
大輔 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Latex Co Ltd
Somic Ishikawa KK
Original Assignee
Fuji Latex Co Ltd
Somic Ishikawa KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Latex Co Ltd, Somic Ishikawa KK filed Critical Fuji Latex Co Ltd
Priority to JP2013205438A priority Critical patent/JP2014101999A/ja
Publication of JP2014101999A publication Critical patent/JP2014101999A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】コイルに電流を流すことによって、可動体の回転速度を加速させたり、或いは可動体の停止状態を解除することが可能な制動装置を提供する。
【解決手段】本発明は、コイル10と、コイル10に電流を流すことによって生じる磁束の通り路になる複数の軟磁性体21,22,30,40と、複数の軟磁性体21,22,30,40の中の1つであって、磁気粘性流体50が充填される室100内に配置される可動体40と、磁気粘性流体50に磁場を印加し得る磁石60とを備え、磁石60の磁場によって生じ、可動体40に作用する磁気粘性流体50の剪断応力が、コイル10に電流を流すことによって低下するように構成されている制動装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気粘性流体を用いた制動装置に関する。
従来、可動体と、非可動体と、両者の間に充填される磁気粘性流体と、磁気粘性流体に印加される磁場を発生させるコイルとを備えた制動装置が知られている。
この種の制動装置は、コイルに電流を流すことによって発生する磁場を磁気粘性流体に印加し、それにより磁気粘性流体の剪断応力が増加することを利用して、可動体の回転速度を減速させたり、その回転を停止させたりするものである。
従って、この種の制動装置では、コイルに電流を流すことによって、可動体の回転速度を加速させたり、或いは可動体の停止状態を解除することができなかった。
特許第4695835号公報
本発明が解決しようとする課題は、コイルに電流を流すことによって、可動体の回転速度を加速させたり、或いは可動体の停止状態を解除することが可能な制動装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は以下の制動装置を提供する。
1.コイルと、該コイルに電流を流すことによって生じる磁束の通り路になる複数の軟磁性体と、磁気粘性流体が充填される室内に配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる可動体と、前記磁気粘性流体に磁場を印加し得る磁石とを備え、前記磁石の磁場によって生じ、前記可動体に作用する前記磁気粘性流体の剪断応力が、前記コイルに電流を流すことによって低下するように構成されていることを特徴とする制動装置。
2.前記1に記載の制動装置であって、前記磁石が、前記磁束の通り路に介在するように配置されていることを特徴とする制動装置。
3.前記2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体を備え、前記コイル及び前記磁石が、前記内側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
4.前記2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の外側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる外側軟磁性体を備え、前記コイル及び前記磁石が、前記外側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
5.前記2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体と、前記可動体の外側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる外側軟磁性体とを備え、前記コイル及び前記磁石が、前記内側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
6.前記2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体と、前記可動体の外側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる外側軟磁性体とを備え、前記コイル及び前記磁石が、前記外側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
7.前記2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体と、前記可動体の外側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる外側軟磁性体とを備え、前記コイルが、前記内側軟磁性体に取り付けられ、前記磁石が、前記外側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
8.前記2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体と、前記可動体の外側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる外側軟磁性体とを備え、前記コイルが、前記外側軟磁性体に取り付けられ、前記磁石が、前記内側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
9.前記2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体を備え、前記コイルが、前記内側軟磁性体に取り付けられ、前記内側軟磁性体及び前記コイルが、前記磁石の取り付け前に前記室内に前記磁気粘性流体を充填することを可能にするように配置されており、前記制動装置は、前記複数の軟磁性体に含まれる後付け用軟磁性体を更に備え、前記磁石が、前記内側軟磁性体と前記後付け用軟磁性体との間に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
10.前記1〜9のいずれか1つに記載の制動装置であって、該制動装置は、前記磁石の周囲に配置され、磁束の短絡を防止する非磁性体を備えることを特徴とする制動装置。
本発明の制動装置は、磁石の磁場によって生じる磁気粘性流体の剪断応力が、コイルに電流を流すことによって低下するように構成されている。従って、本発明の制動装置によれば、コイルに電流を流すことによって、可動体の回転速度を加速させたり、或いは可動体の停止状態を解除することが可能になる。
図1は、本発明の実施例1に係る制動装置の内部構造を示す断面図である。 図2は、本発明の実施例1に係る制動装置の分解斜視図である。 図3は、本発明の実施例2に係る制動装置の内部構造を示す断面図である。 図4は、本発明の実施例2に係る制動装置の分解斜視図である。 図5は、本発明の実施例3に係る制動装置の内部構造を示す断面図である。 図6は、本発明の実施例3に係る制動装置の分解斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明するが、本発明の技術的範囲は以下の説明の内容に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る制動装置の内部構造を示す断面図であり、図2は、同実施例に係る制動装置の分解斜視図である。これらの図に示したように、実施例1に係る制動装置は、コイル10、複数の軟磁性体21,22,30,40、磁気粘性流体50及び磁石60を有して構成されている。
複数の軟磁性体は、それぞれが軟磁性材料から成る部品である。また、複数の軟磁性体は、それぞれがコイル10に電流を流すことによって生じる磁束の通り路になる部品である。実施例1に係る制動装置において、複数の軟磁性体には、第1の内壁21、第2の内壁22、外壁30及びロータ40が含まれる。
第1の内壁21及び第2の内壁22は、本発明の「内側軟磁性体」に相当するものである。第1の内壁21は、回転軸70が挿通される穴を有する筒部21aと、筒部21aから外側に張り出したフランジ部21bとを有して構成されている。第2の内壁22も第1の内壁21と同様に、筒部22a及びフランジ部22bを有して構成されている。回転軸70は、非磁性材料から成り、フランジ部70aを有して構成されている。
外壁30は、本発明の「外側軟磁性体」に相当するものである。外壁30の形状は、円筒形である。外壁30の一端は、非磁性材料から成る第1の蓋80に接着され、外壁30の他端は、非磁性材料から成る第2の蓋90に接着されている。
ロータ40は、本発明の「可動体」に相当するものである。ロータ40は、第1の内壁21と外壁30との間及び第2の内壁22と外壁30との間に形成される室100内に配置されている。ロータ40は、円筒形の本体40aと、本体40aの端部から内側に突出した端壁40bとを有して構成されている。ロータ40は、端壁40bを回転軸70のフランジ部70aに接着することによって回転軸70に取り付けられている。
磁気粘性流体50は、ロータ40が配置される室100内に充填されている。磁気粘性流体50は、合成油等の流体中に強磁性粒子を分散させた懸濁液であり、無磁場の状態では液状であるが、磁場を印加すると分散していた粒子が互いに連結して架橋構造を形成し、磁場強度に応じて剪断応力が増加する性質を有するものである。
磁石60は、磁気粘性流体50に磁場を印加し得るように配置される。しかしながら、磁石の磁場がコイルに電流を流すことによって生じる磁場の影響を受け難い構成では、コイルに電流を流しても磁気粘性流体の剪断応力が低下しない事態が生じ得る。従って、磁石は、コイルに電流を流すことによって生じる磁束の通り路に介在するように配置されることが好ましい。この構成によれば、磁石の磁場がコイルに電流を流すことによって生じる磁場の影響を受け易いので、コイルに電流を流すことによって、磁気粘性流体の剪断応力を効果的に低下させることが可能になる。
実施例1で採用した磁石60は、円盤形で、回転軸70が挿通される穴を有している。磁石60の一面側は、第1の内壁21に接着され、磁石60の他面側は、第2の内壁22に接着されている。第2の内壁22は、第2の蓋90にも接着されている。
コイル10は、第1の内壁21のフランジ部21bと第2の内壁22のフランジ部22bとの間に配置されている。コイル10には、コイル10に電流を流すためのリード線(図示せず)が接続されている。
部品同士の接着には、エポキシ系接着剤を用いることができる。接着剤の使用は、結合部からの磁気粘性流体50の漏洩を防止できるという利点がある。回転軸70と第1の蓋80との間及び回転軸70と第1の内壁21との間には、磁気粘性流体50の漏洩を防止するために、Oリング111,112が配設されている。なお、部品同士の接合にねじを使用しても良い。
上記のように構成される制動装置によれば、コイル10に電流を流さないときは、磁石60の磁力によって第1の内壁21、第2の内壁22、ロータ40及び外壁30が磁化する。また、磁石60の磁場が磁気粘性流体50に印加され、ロータ40に作用する磁気粘性流体50の剪断応力が増大する。それにより、たとえ回転軸70に、回転軸70を回転させようとする外力が加えられた場合でも、ロータ40の停止状態を維持することが可能である。或いは、そのような場合に、ロータ40を低速で回転させることが可能である。
実施例1に係る制動装置は、第1の内壁21、第2の内壁22及びロータ40だけでなく外壁30も磁石60の磁束の通り路を構成するため、ロータ40の内面だけでなくロータ40の外面にも磁気粘性流体50の剪断応力を効果的に作用させることができる。従って、実施例1に係る制動装置は、ロータの内面にのみ磁気粘性流体の剪断応力が作用する構成よりも大きな制動力を発生させることができる。
一方、コイル10に電流を流したときは、コイル10に電流を流すことによって生じる磁束の通り路になる第1の内壁21、第2の内壁22、ロータ40及び外壁30に逆磁界が作用して磁石60の磁場強度が低下する。それにより、磁気粘性流体50の剪断応力が低下するため、ロータ40の停止状態を解除する、或いはロータ40の回転速度を加速させることが可能である。
実施例1に係る制動装置は、磁石60が、コイル10に電流を流すことによって生じる磁束の通り路に介在するように配置されているため、磁石60の磁場がコイル10に電流を流すことによって生じる磁場(逆磁界)の影響を受け易く、その結果、ロータ40に作用する磁気粘性流体50の剪断応力は、コイル10に電流を流すことによって効果的に低下する。
コイル10に電流を流すことによって生じる逆磁界の強さは、コイル10に供給される電流の大きさによって変化するため、電流の大きさを操作することで、ロータ40の回転速度を制御することが可能である。
なお、実施例1に係る制動装置は、コイル及び磁石が、可動体の内側に磁気粘性流体を介して配置される内側軟磁性体に取り付けられているが、コイル及び磁石が、可動体の外側に磁気粘性流体を介して配置される外側軟磁性体に取り付けられる構成を採用することも可能である。
図3は、本発明の実施例2に係る制動装置の内部構造を示す断面図であり、図4は、同実施例に係る制動装置の分解斜視図である。これらの図に示したように、実施例2に係る制動装置は、磁石60の配置が実施例1に係る制動装置と異なる。
実施例2に係る制動装置において、複数の軟磁性体には、内壁20、第1の外壁31、第2の外壁32及びロータ40が含まれる。
内壁20は、本発明の「内側軟磁性体」に相当するものである。内壁20は、回転軸70が挿通される穴を有する筒部20aと、筒部20aの両側からそれぞれ外側に張り出したフランジ部20b,20cとを有して構成されている。内壁20は、非磁性材料から成る第2の蓋90に接着されている。回転軸70は、非磁性材料から成り、フランジ部70aを有して構成されている。
第1の外壁31及び第2の外壁32は、本発明の「外側軟磁性体」に相当するものである。第1の外壁31の形状は、円筒形である。第2の外壁32の形状も第1の外壁31と同様に、円筒形である。第1の外壁31の一端は、非磁性材料から成る第1の蓋80に接着され、第1の外壁31の他端は、磁石60の一面側に接着されている。第2の外壁32の一端は、磁石60の他面側に接着され、第2の外壁32の他端は、第2の蓋90に接着されている。
ロータ40は、本発明の「可動体」に相当するものである。ロータ40は、内壁20と第1の外壁31との間及び内壁20と第2の外壁32との間に形成される室100内に配置されている。ロータ40は、円筒形の本体40aと、本体40aの端部から内側に突出した端壁40bとを有して構成されている。ロータ40は、端壁40bを回転軸70のフランジ部70aに接着することによって回転軸70に取り付けられている。
磁気粘性流体50は、ロータ40が配置される室100内に充填されている。
実施例2で採用した磁石60は、円盤形で、第1の外壁31の内径と同じ内径を有する穴を有している。磁石60の一面側は、第1の外壁31に接着され、磁石60の他面側は、第2の外壁32に接着されている。
コイル10は、内壁20の筒部20aに巻き付けられている。コイル10には、コイル10に電流を流すためのリード線(図示せず)が接続されている。
部品同士の接着には、エポキシ系接着剤を用いることができる。回転軸70と第1の蓋80との間及び回転軸70と内壁20との間には、磁気粘性流体50の漏洩を防止するために、Oリング111,112が配設されている。なお、部品同士の接合にねじを使用しても良い。
上記のように構成される制動装置によれば、コイル10に電流を流さないときは、磁石60の磁力によって第1の外壁31、第2の外壁32、ロータ40及び内壁20が磁化する。また、磁石60の磁場が磁気粘性流体50に印加され、ロータ40に作用する磁気粘性流体50の剪断応力が増大する。それにより、たとえ回転軸70に、回転軸70を回転させようとする外力が加えられた場合でも、ロータ40の停止状態を維持することが可能である。或いは、そのような場合に、ロータ40を低速で回転させることが可能である。
実施例2に係る制動装置は、第1の外壁31、第2の外壁32及びロータ40だけでなく内壁20も磁石60の磁束の通り路を構成するため、ロータ40の外面だけでなくロータ40の内面にも磁気粘性流体50の剪断応力を効果的に作用させることができる。従って、実施例2に係る制動装置は、ロータの外面にのみ磁気粘性流体の剪断応力が作用する構成よりも大きな制動力を発生させることができる。
一方、コイル10に電流を流したときは、コイル10に電流を流すことによって生じる磁束の通り路になる内壁20、ロータ40、第1の外壁31及び第2の外壁32に逆磁界が作用して磁石60の磁場強度が低下する。それにより、磁気粘性流体50の剪断応力が低下するため、ロータ40の停止状態を解除する、或いはロータ40の回転速度を加速させることが可能である。
実施例2に係る制動装置は、磁石60が、コイル10に電流を流すことによって生じる磁束の通り路に介在するように配置されているため、磁石60の磁場がコイル10に電流を流すことによって生じる磁場(逆磁界)の影響を受け易く、その結果、ロータ40に作用する磁気粘性流体50の剪断応力は、コイル10に電流を流すことによって効果的に低下する。
コイル10に電流を流すことによって生じる逆磁界の強さは、コイル10に供給される電流の大きさによって変化するため、電流の大きさを操作することで、ロータ40の回転速度を制御することが可能である。
なお、実施例2に係る制動装置は、コイルが、可動体の内側に磁気粘性流体を介して配置される内側軟磁性体に取り付けられ、磁石が、可動体の外側に磁気粘性流体を介して配置される外側軟磁性体に取り付けられているが、コイルが、可動体の外側に磁気粘性流体を介して配置される外側軟磁性体に取り付けられ、磁石が、可動体の内側に磁気粘性流体を介して配置される内側軟磁性体に取り付けられる構成を採用することも可能である。
本発明の他の実施の形態として、コイル及び磁石が可動体の内側に磁気粘性流体を介して配置される内側軟磁性体に取り付けられる構成においては、可動体の外側に磁気粘性流体を介して配置される外壁が、非磁性材料から成る部品であっても良い。また、そのような構成においては、可動体の外側に磁気粘性流体を介して配置される外壁が、軟磁性材料から成る部品であっても、その外壁がコイルに電流を流すことによって生じる磁束の通り路になる複数の軟磁性体に実質的に含まれなくても良い。これらの構成によれば、磁気粘性流体の剪断応力は、可動体の内面にのみ効果的に作用する。
本発明の他の実施の形態として、コイル及び磁石が可動体の外側に磁気粘性流体を介して配置される外側軟磁性体に取り付けられる構成においては、可動体の内側に磁気粘性流体を介して配置される内壁が、非磁性材料から成る部品であっても良い。また、そのような構成においては、可動体の内側に磁気粘性流体を介して配置される内壁が、軟磁性材料から成る部品であっても、その内壁がコイルに電流を流すことによって生じる磁束の通り路になる複数の軟磁性体に実質的に含まれなくても良い。これらの構成によれば、磁気粘性流体の剪断応力は、可動体の外面にのみ効果的に作用する。
図5は、本発明の実施例3に係る制動装置の内部構造を示す断面図であり、図6は、同実施例に係る制動装置の分解斜視図である。これらの図に示したように、実施例3に係る制動装置は、磁気粘性流体50の充填後に磁石60を取り付けることができるように構成されている点で実施例1に係る制動装置と異なる。
実施例3に係る制動装置において、複数の軟磁性体には、第1の内壁21、第2の内壁22、後付け用軟磁性体23、外壁30及びロータ40が含まれる。
第1の内壁21及び第2の内壁22は、本発明の「内側軟磁性体」に相当するものである。第1の内壁21は、回転軸70が挿通される穴を有する筒部21aと、筒部21aから外側に張り出したフランジ部21bとを有して構成されている。回転軸70は、非磁性材料から成り、フランジ部70aを有して構成されている。
第2の内壁22は、後付け用軟磁性体23が装填される穴を有する筒部22aと、筒部22aから外側に張り出したフランジ部22bとを有して構成されている。後付け用軟磁性体23は、筒状に形成され、中央の穴には、回転軸70が挿通される。
外壁30は、本発明の「外側軟磁性体」に相当するものである。外壁30の形状は、円筒形である。外壁30は、外壁30の外側に配置される周壁91と、第2の内壁22の筒部22aが挿通される穴を有する第2の蓋90とが一体に成形された筐体92の内部に収容されている。筐体92は、非磁性材料から成る。周壁91の端部には、非磁性材料から成る第1の蓋80が接着される。
ロータ40は、本発明の「可動体」に相当するものである。ロータ40は、第1の内壁21と外壁30との間及び第2の内壁22と外壁30との間に形成される室100内に配置されている。
ロータ40は、円筒形の本体40aと、本体40aの端部から内側に突出した端壁40bとを有して構成されている。ロータ40は、端壁40bを回転軸70のフランジ部70aに接着することによって回転軸70に取り付けられている。
磁気粘性流体50は、ロータ40が配置される室100内に充填されている。
磁石60は、コイルに電流を流すことによって生じる磁束の通り路に介在するように配置されている。実施例3で採用した磁石60は、円盤形で、回転軸70が挿通される穴を有している。磁石60は、その一面側が第1の内壁21に接し、その他面側が後付け用軟磁性体23に接するように配置されている。
磁石60の周囲には、磁石60の磁束が短絡することを防止するため、環状の非磁性体120が配置されている。非磁性体120は、第1の内壁21と第2の内壁22とに挟まれる形で取り付けられている。
コイル10は、第1の内壁21のフランジ部21bと第2の内壁22のフランジ部22bとの間に配置されている。コイル10には、コイル10に電流を流すためのリード線(図示せず)が接続されている。
上記のように構成される制動装置は、内側軟磁性体(第1の内壁21及び第2の内壁22)及びコイル10が、磁石60の取り付け前に室100内に磁気粘性流体50を充填できるように配置されている。
実施例1及び実施例2は、磁石60を取り付けた後に磁気粘性流体50を室100内に注入しなければならない構成である(図1及び図3参照)。しかし、そのような構成では、磁気粘性流体50の注入時に、磁石60の磁力によってクラスターが生じて、磁気粘性流体50を室100内に十分に充填できない事態が起こり得る。
この点、実施例3は、図5に示したように、内側軟磁性体(第1の内壁21及び第2の内壁22)及びコイル10が、磁石60の取り付け前に室100内に磁気粘性流体50を充填できるように配置されている為、磁気粘性流体50を室100内に注入し終えた後に磁石60を取り付けることができる。従って、磁気粘性流体50を室100内に十分に充填できるという利点がある。
実施例3に係る制動装置は、上記構成を備えているため、磁気粘性流体50の充填後、第2の内壁の穴の中に磁石60が挿入され、その後、第2の内壁の穴の中に後付け用軟磁性体23が装填されることにより、磁石60が取り付けられる。
部品同士の接着には、エポキシ系接着剤を用いることができる。接着剤の使用は、結合部からの磁気粘性流体50の漏洩を防止できるという利点がある。回転軸70と第1の蓋80との間及び回転軸70と第1の内壁21との間には、磁気粘性流体50の漏洩を防止するために、Oリング111,112が配設されている。なお、部品同士の接合にねじを使用しても良い。
上記のように構成される制動装置によれば、コイル10に電流を流さないときは、磁石60の磁力によって第1の内壁21、第2の内壁22、後付け用軟磁性体23、ロータ40及び外壁30が磁化する。また、磁石60の磁場が磁気粘性流体50に印加され、ロータ40に作用する磁気粘性流体50の剪断応力が増大する。それにより、たとえ回転軸70に、回転軸70を回転させようとする外力が加えられた場合でも、ロータ40の停止状態を維持することが可能である。或いは、そのような場合に、ロータ40を低速で回転させることが可能である。
実施例3に係る制動装置は、第1の内壁21、第2の内壁22、後付け用軟磁性体23及びロータ40だけでなく外壁30も磁石60の磁束の通り路を構成するため、ロータ40の内面だけでなくロータ40の外面にも磁気粘性流体50の剪断応力を効果的に作用させることができる。従って、実施例3に係る制動装置は、ロータの内面にのみ磁気粘性流体の剪断応力が作用する構成よりも大きな制動力を発生させることができる。
一方、コイル10に電流を流したときは、コイル10に電流を流すことによって生じる磁束の通り路になる第1の内壁21、第2の内壁22、後付け用軟磁性体23、ロータ40及び外壁30に逆磁界が作用して磁石60の磁場強度が低下する。それにより、磁気粘性流体50の剪断応力が低下するため、ロータ40の停止状態を解除する、或いはロータ40の回転速度を加速させることが可能である。
実施例3に係る制動装置は、磁石60が、コイル10に電流を流すことによって生じる磁束の通り路に介在するように配置されているため、磁石60の磁場がコイル10に電流を流すことによって生じる磁場(逆磁界)の影響を受け易く、その結果、ロータ40に作用する磁気粘性流体50の剪断応力は、コイル10に電流を流すことによって効果的に低下する。
コイル10に電流を流すことによって生じる逆磁界の強さは、コイル10に供給される電流の大きさによって変化するため、電流の大きさを操作することで、ロータ40の回転速度を制御することが可能である。
10 コイル
20 内壁(内側軟磁性体)
21 第1の内壁(内側軟磁性体)
22 第2の内壁(内側軟磁性体)
23 後付け用軟磁性体
30 外壁(外側軟磁性体)
31 第1の外壁(外側軟磁性体)
32 第2の外壁(外側軟磁性体)
40 ロータ(可動体)
50 磁気粘性流体
60 磁石
70 回転軸
80 第1の蓋
90 第2の蓋
91 周壁
92 筐体
100 室
111,112 Oリング
120 非磁性体

Claims (10)

  1. コイルと、該コイルに電流を流すことによって生じる磁束の通り路になる複数の軟磁性体と、磁気粘性流体が充填される室内に配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる可動体と、前記磁気粘性流体に磁場を印加し得る磁石とを備え、前記磁石の磁場によって生じ、前記可動体に作用する前記磁気粘性流体の剪断応力が、前記コイルに電流を流すことによって低下するように構成されていることを特徴とする制動装置。
  2. 請求項1に記載の制動装置であって、前記磁石が、前記磁束の通り路に介在するように配置されていることを特徴とする制動装置。
  3. 請求項2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体を備え、前記コイル及び前記磁石が、前記内側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
  4. 請求項2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の外側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる外側軟磁性体を備え、前記コイル及び前記磁石が、前記外側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
  5. 請求項2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体と、前記可動体の外側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる外側軟磁性体とを備え、前記コイル及び前記磁石が、前記内側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
  6. 請求項2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体と、前記可動体の外側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる外側軟磁性体とを備え、前記コイル及び前記磁石が、前記外側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
  7. 請求項2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体と、前記可動体の外側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる外側軟磁性体とを備え、前記コイルが、前記内側軟磁性体に取り付けられ、前記磁石が、前記外側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
  8. 請求項2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体と、前記可動体の外側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる外側軟磁性体とを備え、前記コイルが、前記外側軟磁性体に取り付けられ、前記磁石が、前記内側軟磁性体に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
  9. 請求項2に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記可動体の内側に、前記可動体との間に前記磁気粘性流体を介在させて配置され、前記複数の軟磁性体に含まれる内側軟磁性体を備え、前記コイルが、前記内側軟磁性体に取り付けられ、前記内側軟磁性体及び前記コイルが、前記磁石の取り付け前に前記室内に前記磁気粘性流体を充填することを可能にするように配置されており、前記制動装置は、前記複数の軟磁性体に含まれる後付け用軟磁性体を更に備え、前記磁石が、前記内側軟磁性体と前記後付け用軟磁性体との間に取り付けられていることを特徴とする制動装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の制動装置であって、該制動装置は、前記磁石の周囲に配置され、磁束の短絡を防止する非磁性体を備えることを特徴とする制動装置。
JP2013205438A 2012-10-23 2013-09-30 制動装置 Pending JP2014101999A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013205438A JP2014101999A (ja) 2012-10-23 2013-09-30 制動装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012234040 2012-10-23
JP2012234040 2012-10-23
JP2013205438A JP2014101999A (ja) 2012-10-23 2013-09-30 制動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014101999A true JP2014101999A (ja) 2014-06-05

Family

ID=51024662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013205438A Pending JP2014101999A (ja) 2012-10-23 2013-09-30 制動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014101999A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016098921A (ja) * 2014-11-21 2016-05-30 不二ラテックス株式会社 制動装置
CN107202084A (zh) * 2017-06-06 2017-09-26 中国民航大学 一种具有高磁场利用率的盘式磁流变液刹车装置
JP2017207081A (ja) * 2016-05-16 2017-11-24 不二ラテックス株式会社 回転ダンパー
CN110700020A (zh) * 2019-09-20 2020-01-17 南安市董山尾机械科技有限公司 一种多维度动力的轨道隔振器
CN114922919A (zh) * 2022-02-09 2022-08-19 富奥汽车零部件股份有限公司 一种摆线转子式磁流变液高压缓速器

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002130342A (ja) * 2000-10-23 2002-05-09 Oriental Motor Co Ltd 無励磁作動型電磁ブレーキ
JP2010537922A (ja) * 2007-09-07 2010-12-09 オーチス エレベータ カンパニー 磁性流体を利用するエレベータブレーキ

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002130342A (ja) * 2000-10-23 2002-05-09 Oriental Motor Co Ltd 無励磁作動型電磁ブレーキ
JP2010537922A (ja) * 2007-09-07 2010-12-09 オーチス エレベータ カンパニー 磁性流体を利用するエレベータブレーキ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016098921A (ja) * 2014-11-21 2016-05-30 不二ラテックス株式会社 制動装置
JP2017207081A (ja) * 2016-05-16 2017-11-24 不二ラテックス株式会社 回転ダンパー
CN107202084A (zh) * 2017-06-06 2017-09-26 中国民航大学 一种具有高磁场利用率的盘式磁流变液刹车装置
CN107202084B (zh) * 2017-06-06 2019-02-01 中国民航大学 一种具有高磁场利用率的盘式磁流变液刹车装置
CN110700020A (zh) * 2019-09-20 2020-01-17 南安市董山尾机械科技有限公司 一种多维度动力的轨道隔振器
CN110700020B (zh) * 2019-09-20 2021-03-02 海门市彼维知识产权服务有限公司 一种多维度动力的轨道隔振器
CN114922919A (zh) * 2022-02-09 2022-08-19 富奥汽车零部件股份有限公司 一种摆线转子式磁流变液高压缓速器
CN114922919B (zh) * 2022-02-09 2023-07-04 富奥汽车零部件股份有限公司 一种摆线转子式磁流变液高压缓速器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6014367B2 (ja) 制動装置
JP2014101999A (ja) 制動装置
JP2014020539A (ja) 制動装置
US9453543B2 (en) Braking device
JP6018510B2 (ja) 制動装置
JP6162409B2 (ja) 制動装置
WO2017163700A1 (ja) 磁気粘性流体を用いた連結装置
JP5527766B2 (ja) 磁気粘性流体を用いた回転制動装置
JP6483573B2 (ja) 動力伝達装置
JP6409538B2 (ja) 回転伝達装置
JP6449718B2 (ja) 魚釣用リール
JP6839285B2 (ja) トルク発生装置
JP2020056478A (ja) 励磁作動ブレーキ
JP6416693B2 (ja) 魚釣用リール
JP6275543B2 (ja) 制動装置
JP2017040307A (ja) 回転伝達装置
JP2019199943A (ja) 電磁パウダブレーキ
JP6963874B2 (ja) 磁気粘性流体装置
JP2012189528A (ja) 磁気粘性流体デバイスの摩耗評価装置
JP6223930B2 (ja) 磁性流体を用いたドラグ機構を有する魚釣用リール
JP2019158027A (ja) 回転制動装置
JP6338906B2 (ja) ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ
KR20180117231A (ko) 엠알 유체 브레이크
JP2014185661A (ja) 磁気粘性流体を封入した回転制動装置の組立方法
JP6912353B2 (ja) 回転制動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170321

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170327

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170929