JP2014101318A - カプセル剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物と水溶性ビタミンとを共に安定性よく含むカプセル剤を提供する。
【解決手段】ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物である第一のビタミン、並びに、前記第一のビタミン以外の水溶性ビタミンを含む芯材及び該芯材の表面を被覆する被覆層からなる第二のビタミン、を含む内容物と、カプセル皮膜とを有するカプセル剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、カプセル剤に関する。
ビタミンB1を始めとするビタミンB群は、摂取不足になりやすく、また、糖質、脂質を多く摂取する生活、又は疲労時等には、摂取量を多くすることが望まれる成分である。このため、体内吸収の点で、効率よくビタミンB群を摂取することのできるビタミン剤が種々提案されている。ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物は体内への高い吸収性を示すため、好ましく用いられている。一方で、ビタミンB群は、他の成分と配合することにより安定性が損なわれることが知られている。このため、ビタミンB群を含む製剤では、ビタミンB群の安定性を高めることが求められている。
例えば、特許文献1には、ビタミンB類及び/又はビタミンB12類と生薬とを含有する液剤であって、ビタミン類を疎水性ワックスによりマトリックス化した液剤が記載されており、この液剤は、ビタミン類が安定して存在する液剤であると記載されている。
特許文献2には、ムコ多糖、ビタミンB12並びにケイ酸塩及び/又は酸化マグネシウムからなる組成混合物が記載されており、この組成混合物は、ビタミンB12の安定性がよい固形製剤であると記載されている。
特許文献3には、ジスルフィド型ビタミンB1誘導体に対して、所定量のビタミンB12類と、所定量の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を配合することによる医薬組成物が開示されている。また、特許文献3には、この医薬組成物では、ビタミンB12類の安定性が保たれ、安定化されたビタミンB12類により共存するジスルフィド型ビタミンB1誘導体の服薬時の不快臭を安定に抑制するとも記載されている。
特開2005−97295号公報 特開2007−297309号公報 特開平9−52832号公報
しかしながら、高い吸収性を有するジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物は、他のビタミンB群等の水溶性ビタミンと組み合わせると水溶性ビタミンの安定性を損なう傾向がある。また、ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物は、経時的に分解しやすいといった安定性の低い物質である。このため、ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物及び水溶性ビタミンが共に安定性よく含まれるカプセル剤はこれまで提供されていなかった。
本発明は、ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物及び水溶性ビタミンが共に安定性よく含まれるカプセル剤を提供することを課題とする。
本発明は以下のとおりである。
[1] ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物である第一のビタミン、並びに、水溶性ビタミンを含む芯材及び該芯材の表面を被覆する被覆層からなる第二のビタミン、を含む内容物と、カプセル皮膜とを有するカプセル剤。
[2] 前記水溶性ビタミンが、ビタミンB群である[1]に記載のカプセル剤。
[3] 前記第二のビタミンにおける被覆層が、(A)アルコール可溶性タンパク質、増粘安定剤、及びゲル化剤から選択される少なくとも1つの難水溶性物質を含む層、(B)融点40℃以上の油脂を含む層、(C)マグネシウム若しくはカルシウムの乳酸塩若しくは炭酸塩を含む層、並びに、(D)中性の賦形剤を含む層からなる群より選択された少なくとも1つの層を含む[1]又は[2]に記載のカプセル剤。
[4] カプセル皮膜がソフトカプセル用皮膜である[1]〜[3]のいずれかに記載のカプセル剤。
[5] 前記第二のビタミンにおける被覆層が、(A)アルコール可溶性タンパク質、増粘安定剤、及びゲル化剤から選択される少なくとも1つの難水溶性物質を含む層を含む[1]〜[4]のいずれかに記載のカプセル剤。
[6] 前記第二のビタミンにおける被覆層が、前記芯材の表面に、(A)アルコール可溶性タンパク質、増粘安定剤、及びゲル化剤から選択される少なくとも1つの難水溶性物質を含む層と(B)融点40℃以上の油脂を含む層とを、この順で含む[1]〜[5]のいずれかに記載のカプセル剤。
[7] 前記第一のビタミンに対する第二のビタミンの比率が質量比で0.1〜50である[1]〜[6]のいずれかに記載のカプセル剤。
[8] 前記カプセル皮膜の水分含有率が3質量%〜12質量%である[1]〜[7]のいずれかに記載のカプセル剤。
[9] 前記水溶性ビタミンが、ビタミンB12及びパントテン酸からなる群より選択された少なくとも1つを含む[1]〜[8]のいずれかに記載のカプセル剤。
本発明によれば、ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物及び水溶性ビタミンが共に安定性よく含まれるカプセル剤が提供される。
本発明にかかるカプセル剤は、ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物である第一のビタミン、並びに、水溶性ビタミンを含む芯材及び該芯材の表面を被覆する被覆層からなる第二のビタミンを含む内容物と、カプセル皮膜と、を含むカプセル剤である。
本発明のカプセル剤では、上記構成とすることにより、第一のビタミンであるジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物と、それ以外の水溶性ビタミンとを、共に安定性よく含むことができる。
即ち、本発明のカプセル剤では、第二のビタミンを、前記水溶性ビタミンを芯材とし、その表面に被覆層を有する形態として含んでいる。この被覆型の第二のビタミンを用いることにより、第一のビタミンと第二のビタミンとが直接接触することが回避される。この結果、詳細は不明であるが、被覆層を有する第二のビタミンのみならず、ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物である第一のビタミンの安定性も向上することが見いだされた。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
[カプセル剤の内容物]
第一のビタミンは、ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物である。ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物としては、例えば非対称ジスルフィド型ビタミンB1化合物又は対称ジスルフィド型ビタミンB1化合物が挙げられる。非対称ジスルフィド型ビタミンB1化合物としては、チアミンプロピルジサルファイド(TPD)、チアミンテトラヒドロフルフリルジサルファイド(TTFD、フルスルチアミン)、チアミン−8−(メチル−6−アセチルジヒドロチオクテート)ジサルファイド(TATD)、オクトチアミン等が挙げられる。対称ジスルフィド型ビタミンB1化合物としては、チアミンジサルファイド(TDS)、チアミンモノフォスフェイトジサルファイド(TMPDS)、O−ベンゾイルジサルファイド(BTDS、ビスベンチアミン)、O−ブチリルチアミンジサルファイド(BuTDS)、O−イソブチロイル・チアミンジサルファイド(iBuTDS)等が挙げられる。非対称ジスルフィド型ビタミンB1化合物又は対称ジスルフィド型ビタミンB1化合物は、生理学的に許容されうる塩の形態であってもよい。生理学的に許容されうる塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の無機塩、酢酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。
ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物としては、体内吸収性の観点で、ビスベンチアミン、フルスルチアミンが好ましい。
第二のビタミンは、芯材とその表面を被覆する被覆層とを有する。
芯材は、水溶性ビタミンを含む。水溶性ビタミンとしては、例えば、リボフラビン等のビタミンB2化合物、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のビタミンB3化合物、ナイアシン、パントテン酸等のビタミンB5化合物、ピリドキシン等のビタミンB6化合物、ビオチン等のビタミンB7化合物、コバラミン等のビタミンB12化合物、葉酸などのビタミンB群と、ビタミンC化合物と、γ−オリザノール、オロチン酸、グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド、ヨクイニンを挙げることができる。なかでも、第二のビタミンとしては、第一のビタミンの安定性向上の観点から、ビタミンB群を含むことが好ましい。これらの水溶性ビタミンは、塩又はエステルであってもよい。水溶性ビタミンの塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の無機塩、酢酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。
第二のビタミンであるビタミンB群としては、リボフラビン等のビタミンB2化合物、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のビタミンB3化合物、パントテン酸等のビタミンB5化合物、ピリドキシン等のビタミンB6化合物、ビオチン等のビタミンB7化合物、コバラミン等のビタミンB12化合物、葉酸等が挙げられ、更にこれらの塩、エステル等も包含する。
ビタミンB2化合物としては、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン等が挙げられる。ビタミンB6化合物として、具体的には塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサールが挙げられる。
ビタミンB12化合物としては、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、補酵素型ビタミンB12等が挙げられる。なかでも、コスト又は入手の容易さの点で、シアノコバラミンが好ましい。
パントテン酸化合物としては、パントテン酸、パントテン酸カルシウム等を挙げることができる。
ビタミンC化合物としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム等が挙げられる。
第二のビタミンとしては、第一のビタミンの安定性の観点で、ビタミンB2化合物、ビタミンB6化合物、ビタミンB12化合物及びパントテン酸からなる群より選択された少なくとも1つであることが好ましく、ビタミンB12化合物及びパントテン酸からなる群より選択された少なくとも1つであることがより好ましい。
芯材は、上述した水溶性ビタミンのうち1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
また、芯材には、必要に応じて、バインダー等の造粒に必要な成分などを含むことができる。バインダーには、水、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルチトール、キシリトールなどの糖アルコール、デキストリン、乳糖、コーンスターチ、グアーガム、粉糖等の糖類;脱脂粉乳、大豆タンパク質等のタンパク質;セルロース粉などが挙げられる。芯材におけるバインダーの使用量としては、特に制限されず、適宜決定することができる。
芯材として使用される水溶性ビタミンの量は、第二のビタミン全体に対して、5質量〜95質量%とすることが好ましく、40質量%〜95質量%であることがより好ましい。
芯材の粒径としては、特に制限はなく、種々の粒径の芯材が入手可能である。芯材としては、例えば2mm以下のものが取り扱い性等の点で好ましい。芯材の純度は、特に限定はされないが、高純度のものが望ましい。
被覆層としては、芯材の表面を被覆することができるものであれば特に制限はないが、第一及び第二のビタミンの安定性の観点から、(A)アルコール可溶性タンパク質、増粘安定剤及びゲル化剤から選択される少なくとも1つの難水溶性物質を含む層、(B)融点40℃以上の油脂を含む層、(C)マグネシウム若しくはカルシウムの乳酸塩若しくは炭酸塩を含む層、並びに、(D)中性の賦形剤を含む層からなる群より選択された少なくとも1つであることが好ましい。
第二のビタミンが、芯材の表面に被覆層を有する被覆型ビタミン成分であることから、ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物である第一のビタミンを第二のビタミンと接触させても、ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物の安定性が損なわれない。また同様に、第二のビタミンを被覆型ビタミン成分とすることから、第二のビタミンそのものの安定性の低下も抑制される。
被覆層は、本発明の効果が得られる限り、芯材の一部に存在していればよいが、各ビタミンの安定性の観点から、芯材の表面の全体に存在していることが好ましい。芯材の表面に配置された被覆層の被覆割合は、走査型電子顕微鏡を用いて目視にて確認できる。
被覆層を形成しうる(A)成分は、アルコール可溶性タンパク質、増粘安定剤、及びゲル化剤から選択される少なくとも1つの難水溶性物質である。ここでの難水溶性物質には、アルコール可溶性タンパク質、増粘安定剤及びゲル化剤が挙げられる。
(A)成分としてのアルコール可溶性タンパク質としては、ゼイン、グルテン等を挙げることができ、ゼイン、グルテンが好ましく、ゼインが最も好ましい。
(A)成分としての増粘安定剤には、プルラン、ゼラチン、キサンタンガム、アラビアガム、カゼインナトリウム等を挙げることができる。これらの増粘安定剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい
(A)成分としてのゲル化剤には、寒天、ジェランタンガム、カラギーナン等を挙げることができる。
(A)成分としては、アルコール可溶性タンパク質が好ましい。
(A)成分の第二のビタミンにおける含有率は、第二のビタミンの全体の1質量%〜80質量%であることが好ましく、2質量%〜50質量%であることがより好ましい。
被覆層を形成しうる(B)成分としての融点40℃以上の油脂には、原料として融点が40℃以上の油脂と、水素添加による硬化処理を行って得られた硬化油の融点が40℃以上となる油脂とを挙げることができる。融点40℃以上の硬化油を提供しうる原料としては、牛脂、豚脂、魚油等の動物性油脂;ナタネ油、大豆油、パーム油、ヤシ油、エゴマ油、ゴマ油、コメ油、アマニ油等の植物性油脂などが挙げられる。さらに、分別、エステル交換等の油脂加工を行なった精製脱臭油等のもので融点が40℃以上のものも、本発明における「融点40℃以上の油脂」に包含される。融点40℃以上の油脂としては、ナタネ極度硬化油、パーム油を含む植物性油脂であることが好ましい。なお、油脂の融点は、MP−21(ヤマト科学(株)製)により測定したものを用いる。
融点40℃以上の油脂は、その使用する場合の形態として、液状、半固形状、固体状のいずれであってもよく、被覆方法により適宜選択することができる。使用形態としては、取り扱い性から固体状もしくは液状が好ましい。融点40℃以上の油脂は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
被覆層を形成しうる(B)成分としては、第二のビタミンの全体の1質量%〜60質量%であることが好ましく、2質量%〜40質量%であることがより好ましい。
被覆層を形成しうる(C)成分としてのマグネシウム若しくはカルシウムの乳酸塩若しくは炭酸塩には、乳酸カルシウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウムなどが挙げられる。なかでも好ましくは、乳酸カルシウムが用いられる。これらは市販されているものであれば使用可能である。特に、乳酸カルシウムには市販品として、無水物と含水物があるが、いずれも使用することができる。
また、炭酸カルシウムとしては、重質、軽質あるいはコロイド性のいずれでもよい。
被覆層を形成しうる(C)成分としては、第二のビタミンの全体の10質量%〜90質量%であることが好ましく、10質量%〜80質量%であることがより好ましく、20質量%〜75質量%であることが更に好ましい。
被覆層を形成しうる(D)成分としての中性の賦形剤には、医薬品分野で用いられるものであればよい。中性の賦形剤としては、具体的には、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、又はこれらの組み合わせ等が挙げられ、好ましくは、軽質無水ケイ酸である。
軽質無水ケイ酸とは、二酸化ケイ素の一種で単粒子が20μm〜30μm程度の球形微粒子であり、これが二次、三次凝集して1つの粒子を形成している。したがって、比表面積や吸油能が一般的な粉末と比べ大きい。軽質無水ケイ酸としては、湿式法や乾式法で製造したものがあるが、本発明の場合、湿式法で製造した軽質無水ケイ酸であればよい。
軽質無水ケイ酸としては、例えば、アエロジル(日本アエロジル株式会社)、アリソリダ−101(フロイント産業)、カープレックス#80(デグサ社製)、カープレックス#67(デグサ社製)、カープレックス#1120(デグサ社製)、カープレックス#100(デグサ社製)、カープレックスXR(デグサ社製)、カープレックス22S(デグサ社製)がある。好ましくは、軽質無水ケイ酸のpHが5〜8の軽質無水ケイ酸、より好ましくはpHが7〜8の軽質無水ケイ酸である。比表面積としては、100m/g以上、好ましくは200m/g以上、より好ましくは300m/g以上である。具体的には、pHが7〜8であり、比表面積が300m/g以上であるカープレックス#67(デグサ社製)がある。第14改正日本薬局方収載の軽質無水ケイ酸であればさらによい。
被覆層を形成しうる(D)成分としては、第二のビタミンに対し、質量比で30倍〜100倍とすることが好ましく、35倍〜80倍であることがより好ましく、40倍〜78倍であることが更に好ましい。(D)成分が第二ビタミン成分の質量の30倍以上であれば、芯材に含まれる水溶性ビタミンを良好に安定化することができる。
被覆層としては、(A)成分を含む被覆層、(B)成分を含む被覆層、(C)成分を含む被覆層及び(D)成分を含む被覆層のいずれか1つの層とすることができ、これらのうちから選択された少なくとも2つの被覆層を有する多層型の被覆層であってもよい。被覆層としては、第一のビタミン及び第二のビタミンの安定性の観点から、(A)成分を含む被覆層を少なくとも有することが好ましく、(A)成分を含む被覆層と、(B)成分を含む被覆層とを少なくとも有することが更に好ましく、(A)成分としてアルコール可溶性タンパク質を含む層と、(B)成分として融点40℃以上の油脂を含む層とを少なくとも有することが特に好ましい。
被覆層としては、第一のビタミン及び第二のビタミンの安定性、体内吸収性等の点で、芯材の表面に、(A)成分を含む層と、(B)成分と含む層とをこの順で含む、即ち、(B)成分を含む層を最表層に有する二重被覆層であることが、水溶性ビタミン及び第一のビタミンの安定性をよりいっそう良好にすることができ、最も好ましい。なかでも、被覆層としては、芯材の表面に、(A)成分としてアルコール可溶性タンパク質を含む層と、(B)成分として融点40℃以上の油脂を含む層とをこの順で有する二重被覆層であることが特に好ましい。
第二のビタミンの芯材は、公知の造粒方法を用いて得ることができる。被覆層を形成しうる各成分の芯材の表面への付与は、被覆層を形成しうる各成分の形態に応じて、適宜選択された方法により行うことができる。例えば、被覆層を形成しうる各成分を、水等の水性媒体に溶解又は分散させて被覆液を調製し、これを用いて、流動造粒法又は噴霧乾燥法等の公知の方法を適用して芯材の表面に付与する方法を挙げることができる。また、被覆層を形成しうる各成分を乾燥させて粉末化し、芯材の表面に接触又は衝突させることにより、芯材の表面に被覆層を形成させることができる。
被覆層が、(A)成分を含む層と(B)成分を含む層の二重被覆層である場合には、例えば、芯材に(A)成分を含む溶液を、公知の噴霧器を用いて吹き付け、造粒して一次被覆造粒物を得た後に、得られた一次被覆造粒物の表面に、粉末形態の(B)成分を固着させて被覆する方法、又は得られた一次被覆増粒物の表面に、液状形態の(B)成分を液状噴霧して被覆する方法により、第二のビタミンを得ることができる。
芯材と被覆層とを有する第二ビタミン成分の製造方法としては、例えば、特開2004−123636号公報等に開示された方法を挙げることができる。
また、芯材と被覆層を有する形態としての第二のビタミンを、市販品として入手することができる。市販品としては、パンCaマルチコート80(日油(株)社製)、VB12マルチコート66(日油(株)社製)等を挙げることができる。
本発明のカプセル剤の内容物は、第二のビタミンを1種単独で含むことができ、また、2種以上を組み合わせて含んでもよい。この場合、内容物に含まれる複数種の第二のビタミンは、同一の被覆層であっても異なった被覆層であってもよい。
本発明のカプセル剤の内容物にける第一のビタミン及び第二のビタミンの含有比率は、第一のビタミンに対する第二のビタミンの比率(第二のビタミン/第一のビタミン)として、質量比として、0.1〜50であることが好ましく、0.3〜30であることがより好ましく、0.5〜20であることが更に好ましい。
本発明のカプセル剤の内容物は、第一のビタミン及び第二のビタミン以外の各成分を含むことができる。このような他の成分としては、乳化安定剤、油脂等を挙げることができる。
乳化安定剤としては、乳化安定剤の種類は特に限定されず、慣用的で人体に無害な乳化安定剤から適宜選択することができ、ミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びレシチン等が挙げられる。
乳化安定剤のカプセル剤の内容物における含有率としては、内容物の全質量の0.1質量%〜10質量%とすることが好ましく、1質量%〜6質量%とすることがより好ましい。
油脂としては、常温で、液体の油脂(脂肪油)及び固体の油脂(脂肪)が挙げられる。
液体の油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アボガド油、月見草油、タートル油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、アマニ油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルチミン酸グリセリン、サラダ油、サフラワー油(ベニバナ油)、アーモンド油、ヘーゼルナッツ油、ウォルナッツ油、グレープシード油等が挙げられる。
固体の油脂としては、牛脂、硬化牛脂、牛脚脂、牛骨脂、ミンク油、卵黄油、豚脂、馬脂、羊脂、硬化油、カカオ脂、ココナッツ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム硬化油、モクロウ、モクロウ核油、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
本発明の内容物としては、上記以外の香料及び酸化防止剤等の公知の食品添加物、公知の水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、各種ミネラル、植物又は動物系由来の素材等を任意の割合で配合することが可能である。内容物の担体としては、水等の水性媒体であってもよく、紛体として加工したものを用いてもよく、液体の油脂であってよい。中でも内容物の担体としては、紛体として加工したもの、又は液体の油脂であることが好ましい。担体としての液体の油脂としては、上述したものを好ましく挙げることができる。
[カプセル皮膜]
本発明のカプセル剤におけるカプセル皮膜は、ハードカプセル用皮膜又はソフトカプセル用皮膜として、通常カプセル皮膜として用いられる各成分を含むものであれば特に制限はない。
ハードカプセル用皮膜の場合には、カプセル皮膜の成分として、ゼラチン等を挙げることができる。ハードカプセル用のカプセル皮膜におけるゼラチンとしては、ハードカプセル用のカプセル皮膜として通常用いられているものを特に制限なく使用することができる。
ソフトカプセル用皮膜とする場合には、カプセル皮膜の成分としては、ゼラチン、多価アルコール等を挙げることができる。ゼラチンとしては、ソフトカプセル用のカプセル皮膜として通常用いられているものを特に制限なく使用することができる。ゼラチンのカプセル皮膜における含有率は、カプセルの剤型に応じて適宜調整でき、例えばソフトカプセル用のカプセル皮膜の場合には、40質量%〜90質量%とすることができ、50質量%〜80質量%とすることができる。本発明のカプセル剤におけるカプセル皮膜は、得られるカプセル剤の強度、飲みやすさ及び、原料由来臭の抑制の点で、ソフトカプセル用皮膜であることが好ましい。
多価アルコールとしては、二価以上のアルコールであれば特に限定されず用いることができる。多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、マルチトール等が挙げられる。多価アルコールの中でも、安定性の観点からは、グリセリンが好ましい。多価アルコールは、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されてもよい。多価アルコールのカプセル皮膜における含有率としては、ソフトカプセルのベタつきや、割れといった成形の困難性から、10質量%〜40質量%であることがより好ましい。
カプセル皮膜に含有可能な他の成分としては、カプセルの種類等に応じて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、糖アルコール(;エリスリトール、キシリトール)、甘味料、二酸化チタン、合成色素、天然色素、卵殻カルシウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラメル、カラギーナン、デンプン、カロブ、セルロース、香料、その他の賦形剤などを挙げることができる。
ソフトカプセル用皮膜の場合、カプセル皮膜の水分含有率としては、カプセル皮膜の全質量の3質量%〜12質量%であることが好ましく、4質量%〜11質量%であることがより好ましく、7質量%〜10質量%であることが更に好ましい。カプセル皮膜の水分勧誘率が3質量%以上であれば、皮膜の欠け又は割れの発生を好ましく抑制することができ、12質量%以下であればソフトカプセルの皮膜としての強度を良好な範囲に維持することができる。
カプセル皮膜の水分含有率は、カールフィッシャー法を用いて測定した値とする。
[カプセル剤]
本発明のカプセル剤は、上述した第一のビタミン及び第二のビタミン、及び必要に応じて適宜用いられる他の成分を含む。また本発明のカプセル剤は、ハードカプセル製剤又はソフトカプセル製剤のいずれであってもよい。本発明のカプセル剤は、強度、飲みやすさ及び、原料由来臭の抑制の点で、ソフトカプセル用皮膜を備えたソフトカプセルであることが好ましく、ゼラチンとグリセリンと水とからなるソフトカプセル用皮膜を有するソフトカプセルであることが特に好ましい。
カプセル剤における第一のビタミンの含有量としては、カプセル剤の一日投与量に応じて適宜調整可能である。カプセル剤の一日投与量は、第一のビタミン及び第二のビタミンそれぞれの種類によって適宜調整することができる。
第一のビタミンの一日投与量は、0.01mg/day以上とすることができ、0.01mg/day〜100mg/dayが好ましく、0.05mg/day〜50mg/dayがより好ましく、0.1mg/day〜20mg/dayが更に好ましい。0.01mg/day以上であれば疲労回復効果が良好である。
第二のビタミンに含まれる水溶性ビタミンがパントテン酸の場合には、0.01mg/day以上とすることができ、0.01mg/day〜100mg/dayが好ましく、0.5mg/day〜50mg/dayがより好ましく、1mg/day〜20mg/dayが更に好ましい。0.01mg/day以上であれば疲労回復効果が良好である。
第二のビタミンに含まれる水溶性ビタミンがビタミンB12の場合には、0.001mg/day以上とすることができ、0.01μg/day〜300μg/dayが好ましく、0.01μg/day〜100μg/dayがより好ましく、0.1μg/day〜70μg/dayが更に好ましい。0.001μg/day以上であれば疲労回復効果が良好である。
また、例えば、カプセル剤を1粒200mgの内容物を含むソフトカプセルとする場合には、1粒あたりの含有量を次のようにすることができる:第一のビタミンを0.1mg〜30mg;パントテン酸を1mg〜10mg;ビタミンB12を0.1μg〜10μg
本発明のカプセル剤は、剤型に応じた製造方法により、各構成成分を配合することにより製造することができる。ハードカプセルの場合の製造方法及びソフトカプセルの場合の製造方法としては、それぞれ、通常用いられる方法をそのまま適用することができる。
例えば、ソフトカプセルの場合には、第一のビタミン及び第二のビタミンを少なくとも含む内容物を調製し、得られた内容物をカプセル皮膜内に封入及び成形し、乾燥することにより得ることができる。
封入又は成形方法としては、特に制限はなく、ロータリー式、シームレス式又は平板式等の各種の公知の方法を使用して行うことができる。乾燥方法としては、特に制限されず、タンブラー乾燥機(回転ドラム式乾燥機)などの公知の乾燥機を使用することができる。また、タンブラー乾燥後は、適当な温・湿度環境下にカプセルを広げ、適切な時間をかけて更に乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度としては、25℃〜30℃程度が好ましく、湿度としては、30%RH〜50%RH程度が好ましい。乾燥時間としては、3日〜10日程度が好ましい。
上記製造方法により得られた前記ソフトカプセルの形状としては、特に制限はなく、楕円(OVAL)、長方形(OBLONG)、球状(ROUND)等のいずれの形態もとることができる。これらの形状にするため、当業界で周知の方法又は装置を適用することができる。
本発明のカプセル剤において、第一のビタミンと第二のビタミンとは、共に良好な安定性を示す。本発明において「安定性」とは、経時的な安定性を意味し、第一のビタミンと第二のビタミンとが、カプセル剤の内部で併存させた場合に、時間を経過しても充分な割合で残存していることを意味する。
安定性の評価としては、例えば、対象化合物を含む評価用試料を40℃の温度、湿度75%の条件下に置いたときに、評価用試料中の対象化合物の量が評価開始時の濃度の50%以上となる日数に基づいて評価することができる。安定性の評価に用いられる対象化合物の量は、試料中の濃度(質量%)とし、評価開始時の評価用試料中における対象化合物の濃度(初期濃度)に対する割合とする(残存率)。各ビタミン成分の初期濃度に対する残存率が50質量%以上となる日数が室温換算で500日以上である場合に、安定であると評価することができる。なお、対象化合物の評価用試料中の濃度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による測定値とする。また、初期濃度に対する割合が50%以上となる日数は、実測したものであってもよく、上記条件下での対象化合物の分解速度から導かれた予測値であってもよい。
本発明のカプセル剤は、第一のビタミンであるジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物と、第一のビタミン以外の水溶性ビタミンとを共に安定性よく含むため、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、美容食品等として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
[実施例1]
サフラワー油96.81mgを65℃に加熱した後に、ミツロウ3mg、及びグリセリン脂肪酸エステル3mgを添加して混合して溶解し、得られて混合物を、40℃まで冷却した。この混合物に、以下の(1)〜(9)及び(11)の各成分を添加して、均一になるまで混合し、油性組成物を調製した。
<油性組成物>
(1) βカロテン30%(*1) 9mg
(2) ビタミンD0.25%(*2) 2mg
(3) ビタミンE67.1%(*3) 6mg
(4) ビタミンC 50mg
(5) リボフラビン 1.2mg
(6) ピリドキシン塩酸塩 0.6mg
(7) ニコチン酸アミド 6.6mg
(8) 葉酸 0.14mg
(9) ビオチン1%(*4) 2.7mg
(10) 被覆型パントテン酸カルシウム(*5) 8.0mg
(11) BTDS(*6) 7.5mg
(12) ビタミンB12 0.1%(*7)3.45mg
*1:βカロテン30%懸濁液、DSMニュートリションジャパン社製
*2:理研D3オイル100、理研ビタミン社製
*3:理研Eオイル710、理研ビタミン社製
*4:ビオチン1%、DSMニュートリションジャパン社製
*5:乳酸カルシウム被覆型パントテン酸カルシウム(乳酸カルシウム被覆、パントテン酸カルシウム65、BASFジャパン(株)社製)
*6:食添用ビスベンチアミン(田辺三菱製薬社製)
*7:ビタミンB12 0.1%水溶性粉末(DSMニュートリションジャパン(株)社製)
得られた油性組成物を、マイコロイダー(プライミクス(株)社製)に取り付けた212μmの篩に通した。篩を通した後の油性組成物に、被覆された水溶性ビタミンである上記の(10)及び(12)を添加し、均一になるまで混合し、カプセル内容物を得た。カプセル内容物を、通常の方法に従い、ソフトカプセル皮膜に充填し、乾燥後、試料カプセルとなるソフトカプセルを作製した。ソフトカプセルの内容量は200mg、総質量は330mgであった。カプセル皮膜の組成は、ゼラチン50質量%〜75質量%、グリセリン10質量%〜40質量%、皮膜水分4質量%〜11質量%であった。
<評価>
(1)カプセル皮膜の水分含有率
カプセル皮膜の水分含有率は、カールフィッシャー法を用いて常法により測定した。結果を表1に示す。
(2)保存安定性
各試料カプセルの内容物における各ビタミン成分の濃度(初期濃度)を、HPLC((株)島津製作所社製)により測定した。各試料カプセルを、相対湿度75%RHの環境下でアルミパウチ袋に入れ40℃に調整した恒温槽で2ヶ月間経時させた。経時後の各試料カプセルから内容物を採取して評価用試料とし、HPLC((株)島津製作所社製)により、各試料カプセルにおける各ビタミン濃度を測定した。初期濃度と経時後に得られた濃度から、各ビタミンの濃度と経過日数との関係を示すグラフを作成した。得られたグラフに基づき、初期濃度に対して50%以上の濃度を維持できる室温(25℃)での予測日数を算出し、この予測日数に基づき保存安定性を評価した。結果を表1に示す。なお、表1中「V.B12」はビタミンB12を意味する(以下、同様)。
なお、評価は、50質量%以上の濃度を維持できる室温での推定日数に基づき、以下のように評価した。
E:1000日超
G:800日超、1000日以下
A:500日超、800日以下
B:500日以下
−:評価せず
[実施例2〜実施例5、比較例1及び比較例2]
各種ビタミン成分の種類及び配合量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、各試料カプセルを得た。
なお、表1中、乳酸カルシウム被覆型パントテン酸カルシウムは、BASF社製のパントテン酸カルシウム65であり、軽質無水ケイ酸被覆型ビタミンB12は、特開2007−223972の方法に従い調製した。また、油脂被覆型パントテン酸カルシウムは日油(株)社製のパンCaマルチコート80(ゼイン、ナタネ油、パーム油による二重被覆);油脂被覆型ビタミンB12は日油(株)社製のVB12マルチコート66(ゼイン、ナタネ油、パーム油による二重被覆)である。
得られた各試料カプセルについて、実施例1と同様に、カプセル皮膜の水分含有率と保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示されるように、非被覆型の水溶性ビタミンを、第一のビタミンであるBTDSと組み合わせると、水溶性ビタミンの種類に関係なく、水溶性ビタミンの安定性が損なわれることがわかる(比較例2参照)。
これに対して、被覆型の水溶性ビタミンを第二のビタミンとして用いた実施例1〜実施例5はいずれも、第二のビタミンの安定性が維持されるだけでなく、第一のビタミンの種類に関係なく、第一のビタミンの安定性も損なわれないことがわかる。また、水溶性ビタミンの被覆層としては、特に油脂を含む被覆層の方が、二重被覆のため、第二のビタミン及び第一のビタミン双方の安定性をより向上させることができることがわかる。
[実施例6〜実施例11]
各種ビタミン成分の種類及び配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、各試料カプセルを得た。
なお、表2中、油脂被覆型ビタミンCは日油(株)社製のVC−80R;油脂被覆型リボフラビン、油脂被覆型ピリドキシン塩酸塩、油脂被覆型ニコチン酸アミド、油脂被覆型葉酸、及び油脂被覆型ビオチンは、特開2004−123636の調製方法に従いそれぞれ調製した。油脂被覆型パントテン酸カルシウムは日油(株)社製のパンCaマルチコート80;油脂被覆型ビタミンB12は日油(株)社製のVB12マルチコート66である。
(1)保存安定性
上記で得られた実施例6〜実施例11の試料カプセルと実施例3の試料カプセルについて、各ビタミン成分の保存安定性を、上述した評価と同様に評価した。結果を表2に示す。
なお、ビタミンB6及び葉酸の評価はパントテン酸及びビタミンB12の評価に準じた。ビタミンC及びリボフラビンの評価は、2000日超をE、1000日以上2000日以下をGとした。ニコチン酸アミドの評価は、6000日超をE、2000日超6000日以下をGとした。ビオチンの評価は、4000日超をE、2000日超4000日以下をGとした。
(2)液漏れ評価
上記で得られた実施例6〜実施例11の各試料カプセルと実施例3の試料カプセルの液漏れ評価は、次のようにして行った。試料カプセルを作製後、白色の試験紙の上に各試料カプセルを載せ、40℃2時間放置した。放置後に試験紙を目視で観察し、内容物の色(赤茶色)が付着する試料カプセルの有無を確認した。以下の基準に従って、評価した。結果を表2に示す。
E:1球/100000球超
G:1球/10000球超、1球/100000球以下
A:1球/500球超、1球/10000球以下
B:1球/500球以下
(3)調製精度評価
上記で得られた実施例6〜実施例11の各試料カプセルと実施例3の試料カプセルの内容物の調製精度を、次のようにして評価した。
各試料カプセルを1粒毎に、被覆型の水溶性ビタミンの濃度を、実施例1と同様にHPLCを用いて測定した。得られた濃度を、予定された処方の濃度と対比した(n=3)。予定された処方の濃度と実測された濃度とを対比し、予定された処方の濃度からの変動幅の大きさに基づいて、以下のように評価した。結果を表2に示す。
E:±5%以下
G:±5%超±10%以下
A:±10%超±20%以下
B:±20%超
表2に示されるように、被覆型の水溶性ビタミンの種類を変更しても、第二のビタミン及び第一のビタミンの安定性の向上は確認できた。
また、実施例3に示されるように、第一のビタミン及び第二のビタミンを含む本実施例にかかるカプセル剤では、液漏れが少なく、調製精度も高いことがわかる。
[実施例12〜実施例14]
各種ビタミン成分の種類及び配合量を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、各試料カプセルを得た。得られた実施例12〜実施例14の試料カプセルと実施例3及び比較例2の試料カプセルについて、実施例1と同様にして、カプセル皮膜の水分含有率を測定すると共に、実施例6と同様にして、第一のビタミンの保存安定性とカプセルの液漏れを評価した。結果を表3に示す。
[実施例15〜実施例18]
実施例3と同一の組成物で、カプセル成形時の乾燥時間を変更することにより、皮膜水分含有率が表4に示す値となるように調整し、実施例15〜実施例18の各試料カプセルを作製した。
また、実施例3、実施例15〜実施例18及び比較例2の試料カプセルについて、カプセル強度をFUDOH社のレオメータを用いて、次のように評価した。
FUDOH社レオメータのステージの上に、カプセルの接着部が横になるように各試料カプセルを置き、ステージを上昇させてカプセルを破断させた。破断時の強度に基づいて以下のように評価した。結果を表4に示す。
E:17kg以上
G:10kg超15kg以下
A:10kg以下
表3及び表4に示すように、第二のビタミン/第一のビタミンの配合比を変更した場合、カプセル皮膜の水分含有率を変更した場合においても、同様に、第一のビタミン及び第二のビタミンの安定性の向上が認められた。
また、いずれの試料カプセルも、ソフトカプセルとして良好な強度を有するものであることがわかる。
[実施例19]
実施例3と同一のカプセル内容物をハードカプセル皮膜内に充填し、ハードカプセルとしての試料カプセルを調製した。
得られた実施例19の試料カプセルと、実施例3の試料カプセルとについて、以下のように評価した。
(1)飲みやすさ
試料カプセル1つを、30mlの水を用いて経口から摂取したときの飲みやすさを以下のように評価した。結果を表5に示す。
E:喉や胸へのつまり感が全くない。
G:喉や胸へのつまり感がほとんどない。
A:喉や胸へのつまり感が若干ある。
B:喉や胸へのつまり感が明らか。
(2)原料由来臭
試料カプセルを鼻から2cmに近づけ原料由来臭について、以下のように評価した。結果を表5に示す。
E:全く臭いがしない
B:強い臭いがする。
(3)外観
試料カプセルの外観を以下のように評価した。結果を表5に示す。
E: 色ムラ又はにごりがない。
B: 色ムラ又はにごりがある。
(4)強度
実施例12と同様にして、カプセルの強度を評価した。結果を表5に示す。
[比較例3及び比較例4]
実施例3のカプセル内容物と同一の組成物を、通常の方法を用いて、錠剤型の比較例3の試料を得た。
また、実施例3のカプセル内容物と同一の組成物を、通常の方法を用いて、液剤型の比較例4の試料を得た。
各試料について、実施例19と同様にして、飲みやすさ、原料由来臭、外観及び強度について評価した。結果を表5に示す。
表5に示されるように、ソフトカプセルである実施例3及びハードカプセルである実施例19は、それ以外の剤型である比較例3及び比較例4の試料と比較して、飲みやすさ、原料由来臭、外観及び強度の評価においてバランスのとれていることがわかる。従って、剤型の面からも、本実施例のカプセル剤は、ビタミン成分を摂取しやすい形態であることがわかる。
このように本発明は、ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物と水溶性ビタミンとを共に安定性よく含むカプセル剤を提供することができる。

Claims (9)

  1. ジスルフィド結合を有するビタミンB1化合物である第一のビタミン、並びに、
    水溶性ビタミンを含む芯材及び該芯材の表面を被覆する被覆層からなる第二のビタミン、を含む内容物と、カプセル皮膜とを有するカプセル剤。
  2. 前記水溶性ビタミンが、ビタミンB群である請求項1記載のカプセル剤。
  3. 前記第二のビタミンにおける被覆層が、(A)アルコール可溶性タンパク質、増粘安定剤、及びゲル化剤から選択される少なくとも1つの難水溶性物質を含む層、(B)融点40℃以上の油脂を含む層、(C)マグネシウム若しくはカルシウムの乳酸塩若しくは炭酸塩を含む層、並びに、(D)中性の賦形剤を含む層からなる群より選択される少なくとも1つの層を含む請求項1又は請求項2記載のカプセル剤。
  4. カプセル皮膜がソフトカプセル用皮膜である請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のカプセル剤。
  5. 前記第二のビタミンにおける被覆層が、(A)アルコール可溶性タンパク質、増粘安定剤、及びゲル化剤から選択される少なくとも1つの難水溶性物質を含む層を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカプセル剤。
  6. 前記第二のビタミンにおける被覆層が、前記芯材の表面に、(A)アルコール可溶性タンパク質、増粘安定剤、及びゲル化剤から選択される少なくとも1つの難水溶性物質を含む層と(B)融点40℃以上の油脂を含む層とを、この順で含む請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のカプセル剤。
  7. 前記第一のビタミンに対する第二のビタミンの比率が質量比で0.1〜50である請求項1〜請求項6のいずれか1項記載のカプセル剤。
  8. 前記カプセル皮膜の水分含有率が3質量%〜12質量%である請求項1〜請求項7のいずれか1項記載のカプセル剤。
  9. 前記水溶性ビタミンが、ビタミンB12及びパントテン酸からなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項1〜請求項8のいずれか1項記載のカプセル剤。
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