JP2014100694A - 除塵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワークWの被除塵面Waが、ノズル部1からの噴流3のポテンシャルコア5の終端50よりも下流側に形成される遷移領域E内に、配設されているものである。
【選択図】図3
Description
また、上記ノズル部の噴出スリットのスリット幅寸法をSとし、上記噴出スリットの出口部と上記被除塵面との離間寸法をHとしたとき、下記数式1を満たすように、上記Sを設定して、上記被除塵面を上記遷移領域内としたものである。
[数式1]H/9≦S<H/6
また、上記噴流の上記被除塵面における噴出方向の時間平均流速の最大値をUmaxとし、上記噴流の噴出方向の速度変動値の強度の最大値をV´maxとしたとき、下記数式2及び下記数式3を満たすように構成したものである。
[数式2]110<Umax<150 (単位:m/s)
[数式3]6.0≦(V´max/Umax)×100≦12
本発明に係る集塵装置は、図1に示すように、加圧エアが供給される貯気室11と、負圧の吸気室12と、を内部に有するクリーナヘッド(除塵ヘッド)9と、クリーナヘッド9の貯気室11にエアを供給すると共に吸気室12内を真空引きする図示省略の加圧・吸引用のブロワ装置と、を備えている。
また、ブロワ装置によって貯気室11に供給されるエア量を、インバータにより調節して、貯気室11の内圧Pを調整可能としている。
そして、ノズル部1からの噴流(エアジェット)3によって、液晶ディスプレイ用ガラス基板等のワークWの被除塵面Waに付着している微粒子等の異物を剥離させ、その異物を吸込口19を介して吸気室12に吸い込んで、除塵するものである。
図2に示すように、噴出溝10は、貯気室11と接続される横断面直線状のエア流入部13と、エア流入部13の下流側と連通して外部(噴出)側へ向かうにつれて拡開する横断面三角形状の第1キャビティ部(幅広中間部)14と、第1キャビティ部14の下流側と連通する横断面直線状のキャビティ接続部15と、そのキャビティ接続部15の下流側に連通され外部側へ向かうにつれて拡開する横断面三角形状の第2キャビティ部(幅広中間部)16と、その第2キャビティ部16の下流側に連通され接続部15よりも幅広の断面矩形状の第3キャビティ部17と、第3キャビティ部17の下流側と外部とを連通する噴出スリット18と、を有している。エア流入部13とキャビティ接続部15の幅寸法は同じ寸法に形成されている。
その結果、本発明に係る除塵装置を、下記数式1を満たすようにして、スリット幅寸法S、及び、離間寸法Hを設定して、被除塵面Waを遷移領域E内とした。
[数式1]H/9≦S<H/6
なお、1mm≦H≦2mmの範囲で、上記数式1を満たすスリット幅寸法Sを設定するのが好ましい。
先ず、実施例は、図2のノズル部1を有し、離間寸法Hを1.5mm、スリット幅寸法Sを0.2mmにして、数式1を満たすように構成した。
次に、図2のノズル部1を有し、離間寸法Hを1.5mm、スリット幅寸法Sを0.4mmにして、数式1を満たさない構成とした除塵装置(言い換えると、ポテンシャルコア5の終端50より上流に被除塵面Waが配設される除塵装置)を比較例とした。また、実施例及び比較例の貯気室11の内圧Pは、同一(14kPa)に管理(制御)した。
また、第1装置の貯気室11の内圧Pを、8kPa、11kPa、14kPaと変化させた場合の除去率γの変化を測定した実測結果を図5に示す。
[数式2]110<Umax<150 (単位:m/s)
[数式3]6.0≦(V´max/Umax)×100≦12
[数式4]120≦Umax<150 (単位:m/s)
[数式5]7.5≦(V´max/Umax)×100≦12
図14のノズル部1´は、図2のノズル部1から第1キャビティ部14とキャビティ接続部15と第2キャビティ部16を省略して、エア流入部13と第3キャビティ部17を直結したものである。スリット幅寸法S等、共通構成部の寸法は同じである。
また、第1装置及び第2装置は、スリット幅寸法Sを、0.2mmとし、離間寸法Hを1.5mmとして、両者とも数式1を満たすものである。また、各装置の貯気室11の内圧Pを、8kPa、11kPa、14kPaと変化させた。
第1装置及び第2装置について、X=0mm、Y=1.5mmでの噴流3の噴出方向(Y方向)時間平均流速の最大値Umaxの測定を行なった結果を図6に示す。
図6から明らかなように、第1装置と第2装置とも内圧Pの増加とともに時間平均流速の最大値Umaxが大きくなる傾向を示している。
図7から明らかなように、第1装置と第2装置との差はほとんど認めらない。つまり、同一内圧下においては、ノズル部1,1´の形状の違いによって、噴流3の流れの平均的な特性は変化しないことがわかる。
図8から明らかなように、速度変動値の強度の最大値は、時間平均流速の最大値が計測されたノズル直下のX=0ではなく、平均流速の最大値の半値幅近傍が測定されたX≒0.3に現われることがわかる。この位置では、時間平均流速の分布の勾配が大きく、せん断層の形成により、大きな速度変動が発生していると考えられる。
また、第1装置の速度変動値の強度が、第2装置よりも大きくなる結果となった。これは、図2のノズル部1が断面三角形状の第1キャビティ部14及び第2キャビティ部16を有する構造の効果が顕著になったことによると推察される。
図9から明らかなように、時間平均流速の最大値Umaxと同様に、貯気室11の内圧の増加とともにV´maxが増加する傾向があった。また、第1装置のV´maxは、第2装置のV´maxよりも大きい。なお、図示省略するが、圧力変動は、速度変動に対する結果と同じ傾向であった。
図10乃至図12から明らかなように、8kPa、11kPa、14kPaの各内圧Pにおいて、10〜20kHzの高周波域で、第1装置が第2装置のスペクトル強度を顕著に上回り、速度変動値の強度の差に大きく寄与しているといえる。つまり、第1キャビティ部14及び第2キャビティ部16が、有効に作用していると考えられる。
第1装置は、内圧Pが8kPaの場合は、Umax=116m/s、V´max=7.3m/sである。11kPaの場合は、Umax=123m/s、V´max=10.4m/sである。14kPaの場合は、Umax=135m/s、V´max=12.3m/sである。
第2装置は、内圧Pが8kPaの場合は、Umax=111m/s、V´max=5.0m/sである。11kPaの場合は、Umax=123.5m/s、V´max=5.5m/sである。14kPaの場合は、Umax=132m/s、V´max=6.0/sである。
上記結果から明らかなように、第1装置は、数式2及び数式3を満たす構成であり、第2装置は数式2及び数式3を満たさない構成である。
ここで、同一内圧下において、第1装置及び第2装置の時間平均流速は、大きさや分布形状は、ほとんど差が認められなかった。しかし、速度変動値の強度には差が見られる。つまり、時間平均流速が同じ場合、除去率γは、速度変動値の強度の傾向に対応している。粒子の除去に対しては、噴流3の時間平均流速の大きさに加え、速度変動値の強度の大きさが重要であり、数式2及び数式3を満たす構成は、時間平均流速と速度変動値の強度のバランスが良い(除塵に最適な)噴流3を発生させている。
図13から明らかなように、数式4及び数式5を満たす構成は、除去率γが99%を越え非常に優れた除塵効果が発揮されている。つまり、数式4及び数式5を満たすことで、除塵により最適な噴流3を発生させていると言える。例えば、スリット幅寸法Sを設定し、貯気室11の内圧Pを制御(設定)することで数式4及び数式5を満たす構成が得られる。
予めクリーニングを十分に行なったワークWの被除塵面Wa上に、シリンジによりテスト粒子を一様に散布する。ワークWを吸着テーブルに固定し、クリーナヘッド9を100mm/secの速度で搬送して被除塵面Wa全面のクリーニング(除塵試験)を行なった。粒子散布前の付着粒子数n0、散布後の粒子数n1、クリーニング(除塵試験)後の残留付着粒子数n2を測定する。粒子除去率(除塵率)γ%は、下記数式6で求めた。なお、付着粒子数のカウントには表面検査装置(日立ハイテクノロジーズ社製:GI4830)を用い、クラス100クリーンルーム内にて測定した。除塵率は同一の試験条件に対し3回以上計測を行ない、その平均値を採用した。
[数式6]γ={100(n1−n2)}/(n1−n0)
3 噴流
5 ポテンシャルコア
18 噴出スリット
50 終端
E 遷移領域
H 離間寸法
J 出口部
S スリット幅寸法
Umax 時間平均流速の最大値
V´max 速度変動値の強度の最大値
W ワーク
Wa 被除塵面
Claims (3)
- ワーク(W)の被除塵面(Wa)が、ノズル部(1)からの噴流(3)のポテンシャルコア(5)の終端(50)よりも下流側に形成される遷移領域(E)内に、配設されていることを特徴とする除塵装置。
- 上記ノズル部(1)の噴出スリット(18)のスリット幅寸法をSとし、上記噴出スリット(18)の出口部(J)と上記被除塵面(Wa)との離間寸法をHとしたとき、下記数式1を満たすように、上記Sを設定して、上記被除塵面(Wa)を上記遷移領域(E)内とした請求項1記載の除塵装置。
[数式1]H/9≦S<H/6 - 上記噴流(3)の上記被除塵面(Wa)における噴出方向の時間平均流速の最大値をUmaxとし、上記噴流の噴出方向の速度変動値の強度の最大値をV´maxとしたとき、下記数式2及び下記数式3を満たすように構成した請求項2記載の除塵装置。
[数式2]110<Umax<150 (単位:m/s)
[数式3]6.0≦(V´max/Umax)×100≦12
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