JP2014100025A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高調波の少ない電圧を出力でき、かつ損失が小さく装置の小型化を実現する電力変換装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る電力変換装置は、直流電力を交流電力にそれぞれ変換するn(nは1以上の整数)個直列接続されたNPC電力変換装置ユニットと、前記NPC電力変換装置ユニットを制御する制御部とを具備し、前記制御部は、前記NPC電力変換装置ユニットの各出力電圧の立ち上がり及び立ち下がり位相を調整することによって、各出力電圧の所定高調波を消去する。
【選択図】図3
【解決手段】実施形態に係る電力変換装置は、直流電力を交流電力にそれぞれ変換するn(nは1以上の整数)個直列接続されたNPC電力変換装置ユニットと、前記NPC電力変換装置ユニットを制御する制御部とを具備し、前記制御部は、前記NPC電力変換装置ユニットの各出力電圧の立ち上がり及び立ち下がり位相を調整することによって、各出力電圧の所定高調波を消去する。
【選択図】図3
Description
本発明は、直流電力を交流電力に変換し、該交流電力をトランスを介して負荷に供給する電力変換装置に関する。
大電力を出力する電力変換装置は高電圧を変換するため、耐電圧の高いスイッチング素子を用いるか、スイッチング素子を直列に接続して耐圧を確保する必要がある。さらに、トランスを用いて電力変換装置を多段化し、出力電圧を高電圧化する。このとき、高耐圧の素子は一般にスイッチング損失が大きいため、出力周波数の1周期あたり1回のみスイッチング(ワンパルス動作)し、位相をずらすことによって特定高調波を消去する制御を行うことがある。このような特定高調波を消去するワンパルス制御は素子のスイッチングに因る損失を低減でき、かつ高調波を低減できる利点がある。
John N. Chiasson, Leon M. Tolbert, Keith J. McKenzie and Zhong Du, "A new approach to solving the harmonic elimination equations for a multilevel converter" IEEE Industry Applications Conference, vol. 1, pp. 640−647, 2003
Zhong Du, Leon M. Tolbert, John N. Chiasson, "Active harmonic elimination for multilevel converters" IEEE Transactions on Power Electronics, vol. 21, pp. 459−469, Mar. 2006
上述した構成は図15のHブリッジ回路を直列接続した形をとっており、より高電圧を出力するにはHブリッジ回路のユニット数が多くなる。又、Hブリッジ回路の直流電圧を共通とする場合は、出力を互いに絶縁するためにトランスを介して直列接続する必要が有り、トランスの個数も増大し装置の大型化は免れない。
実施形態は上記の問題を解決するためになされ、高調波の少ない電圧を出力でき、かつ損失が小さく装置の小型化を実現する電力変換装置を提供する。
実施形態に係る電力変換装置は、直流電力を交流電力にそれぞれ変換するn(nは1以上の整数)個直列接続されたNPC電力変換装置ユニットと、前記NPC電力変換装置ユニットを制御する制御部とを具備し、前記制御部は、前記NPC電力変換装置ユニットの各出力電圧の立ち上がり及び立ち下がり位相を調整することによって、各出力電圧の所定高調波を消去する。
以下、電力変換装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
[構成]
先ず、第1実施形態に係る電力変換装置の構成を説明する。図1は直流電圧を任意の周波数及び電圧に変換して三相(UVW相)交流負荷を駆動するための電力変換装置の構成図である。
[構成]
先ず、第1実施形態に係る電力変換装置の構成を説明する。図1は直流電圧を任意の周波数及び電圧に変換して三相(UVW相)交流負荷を駆動するための電力変換装置の構成図である。
三相交流負荷LU、LV、LWをそれぞれ駆動する電力変換装置の構成を述べる。
U相電力変換装置はn個(n段)の電力変換装置ユニットCNVU1〜CNVUnを含み、全て直流電圧VDCを並列に入力する。U相電力変換装置の出力はn個のトランスTR1〜TRnのU相1次側巻線(電力変換装置側巻線)にそれぞれ接続される。V相、W相もU相と同様にそれぞれ電力変換装置ユニットCNVV1〜CNVVn、CNVW1〜CNVWnを含み、トランスTR1〜TRnのV相、W相1次側巻線に接続される。
制御部1は、電圧指令値及び各部の電圧値及び電流値に基づいて、各電力変換ユニットを構成するスイッチング素子にゲート指令を出力し、各電力変換ユニットを制御する。尚、各々の電力変換装置ユニット及びトランスTR1〜TRnは全て同じ仕様のものとする。
次に、U相を例として各電力変換装置ユニットの詳細構成を図2を参照して説明する。図2は図1の電力変換装置ユニットCNVU1〜CNVUnのうち1つの電力変換装置ユニットCNVUmの構成を示す図である。電力変換装置ユニットCNVUmは、2つのコンデンサCPm、CNmと、8つのスイッチング素子SUm1、SUm2、SUm3、SUm4、SUm5、SUm6、SUm7、SUm8と、全スイッチング素子にそれぞれ逆並列接続される8つの還流ダイオードDUm1、DUm2、DUm3、DUm4、DUm5、DUm6、DUm7、DUm8と、さらにコンデンサCPm、CNmの相互接続点(中性点N)に接続する4つのクランプダイオードDUm9、DUm10、DUm11、DUm12で構成される。
この電力変換装置ユニットは、スイッチング素子SUm1、SUm2、SUm3、SUm4及びSUm5、SUm6、SUm7、SUm8をそれぞれ直列接続して2つのレグを構成し、クランプダイオード相互接続点を中性点Nに接続したNPC(中性点クランプ)フルブリッジ電力変換装置である。なお、スイッチング素子SUm2、SUm3の接続点電圧VUmAとスイッチング素子SUm6、SUm7の接続点電圧VUmBの電位差VUmA−VUmBをトランスへ出力する。
V相、W相の各電力変換装置ユニットもU相と同様の構成である。
[作用]
上述したように構成された第1実施形態の作用を詳細に説明する。
上述したように構成された第1実施形態の作用を詳細に説明する。
以下、電力変換装置ユニット段数nが2の場合(n=2)を例として作用を述べる。図3は段数n=2の場合の回路構成図である。トランスもTR1、TR2の2段構成であり、電力変換装置ユニットとしてCNVU1、CNVU2、CNVV1、CNVV2、CNVW1、CNVW2の全6回路が使用される。
図4はU相の電力変換装置ユニットCNVU1を示す図である。
電力変換装置ユニット単体の電圧出力方法をU相の電力変換装置ユニットCNVU1を例として説明する。電力変換装置ユニットCNVU1はフルブリッジ構成であるため、直流電圧をVDCとすると、5レベル−VDC、−VDC/2、0、+VDC/2、+VDCの電圧を出力できる。
電力変換装置ユニットCNVU1を構成するスイッチング素子SU11、SU12、SU13、SU14、SU15、SU16、SU17、SU18の駆動方法を以下に述べる。電力変換装置ユニットCNVU1はスイッチング素子SU11、SU12、SU13、SU14、SU15、SU16、SU17、SU18のオン/オフ制御によって5レベル、すなわち−VDC、−VDC/2、0、+VDC/2、+VDCの電圧VU1を出力可能である。
図5は出力電圧ごとに設定されるスイッチング素子のON/OFF状態であり、9通りのパターン[1]〜[9]から成る。又、SU11がONのときSU13はOFF、SU14がONのときSU12はOFF、SU15がONのときSU17はOFF、SU18がONのときSU16はOFF、のようにそれぞれ相補的に動作する。0電圧のスイッチングパターンは3通り[4]〜[6]、+VDC/2及び−VDC/2のスイッチングパターンはそれぞれ2通り[2]及び[3]、[7]及び[8]があり、冗長性がある。この冗長性を利用し、制御部1はNPC電力変換装置の中性点電位変動を抑制するようにスイッチングパターンを決定する。
図6A〜6Iは、スイッチング素子を図5のようにON/OFF制御した場合に形成される電流経路を、スイッチングパターン[1]〜[9]についてそれぞれ示す図である。実線は出力電流IUが正方向に流れる場合の電流経路、点線は電流IUが負方向に流れる場合の電流経路である。
2つのレグの片方のみが中性点Nに接続されているとき、つまりコンデンサCP1,CN2のうち、片方のコンデンサのみが電流経路に含まれているとき、中性点電位が変動する。すなわち、出力電圧が+VDC/2(スイッチングパターン[2]、[3])及び−VDC/2(スイッチングパターン[7]、[8])のとき、中性点電位が変動する。中性点電位が変動するのは、片方のコンデンサのみが充電あるいは放電されるためである。中性点電位が変動する方向は中性点Nに接続されているレグとトランスTR1、TR2の1次側巻線電流IU1、IU2(図3参照)の方向で決定される。
出力電圧が−VDC、+VDCのときは、スイッチングパターンは一意に決定される上、中性点に電流が流入しない、つまり2つのコンデンサCP1,CN2に同一の電流が流れるので中性点電位は変動しない。
出力電圧が0のときは[4]〜[6]の3通りスイッチングパターンがあるが、1組(2個)のスイッチング素子のON/OFF状態の変更で、[2]、[3]、[7]、[8]何れのスイッチングパターンへも移行ができるように、スイッチングパターン[5]を常に選択する。例えば出力電圧を0から+VDC/2へ変化させたいとき、[5]から[2]へはSU11とSU131組のみのスイッチングで移行できるが、[6]から[2]へはSU11とSU13、SU12とSU14、SU16とSU18の3組のスイッチングが必要となる。このように、スイッチングパターン[5]から[2]、[3]、[7]、[8]へは1組のスイッチング素子のON/OFFで移行でき、スイッチングの回数を最低限にできる。
図7は出力電圧として−VDC/2又は+VDC/2を出力するときに、中性点電位変動を抑制する制御部1によるスイッチング方法を示すフローチャートである。
コンデンサCPの電位をVP、コンデンサCNの電位をVNとし、出力電流Iuが電力変換装置から負荷に向かう方向を正方向とする(図4参照)。例えば、電位VPが電位VNより大きく(ST2のYES)、電流方向が正のときを考える(ST3のYES)。このとき、コンデンサCNに充電する方向に電流を流せば電位VNが上昇し、中性点電位変動が抑制される。このとき、電圧−VDC/2を出力したいときはスイッチングパターン[7](図6G参照)を選択し、電圧+VDC/2を出力したいときはスイッチングパターン[2] (図6B参照)を選択すれば(ST5)、電位VNが電位VPより上昇する方向に電流が流れ、中性点電位変動が抑制される。このようにして制御部1は、電位VP、電位VNの大小と出力電流Iuの方向に従ってスイッチングパターンを決定する。
以上の電力変換装置ユニットCNVU1の動作は他の電力変換装置ユニットにも共通していえる。
次に、上述した中性点電位変動を抑制するスイッチング方法に従い、低次高調波を低減した電圧を出力する方法について述べる。
ここで、α1〜α4は各電圧レベルの立ち上がり位相、NはトランスTR1、TR2の巻線比(2次側巻線数/1次側巻線数)、nは次数である。方形波電圧には、基本波(1次)に加え、3次、5次、7次、11次、13次、17次、19次、23次、25次・・・高調波が重畳している。尚、位相0〜πにおいて出力波形は左右対称であり、位相π〜2πにおいても出力波形は左右対称である。このような電圧波形を出力する場合、偶数次の高調波は発生しない。又、3次の倍数次高調波は3相線間電圧において互いに打ち消し合う。
式(1)より、高調波振幅の大きさは各電圧レベルの立ち上がり位相α1〜α4によって決まることが分かる。このため、高調波振幅の大きさを決定する自由度、すなわち調整できる位相は4つ(α1〜α4)ある。尚、π/2〜πまでの出力波形では、0〜π/2と同様な高調波が発生し、π〜2πでも0〜πと同様な高調波が発生する。従って、0〜π/2までの出力に含まれる高調波をなくすためのα1〜α4の位相調整と同様に、π/2〜2πにおける方形波レベルの立ち上がり及び立ち下り位相を調整すれば、高調波の発生を抑えることができる。
又、図3の本実施例のように電力変換装置ユニット2段で電力変換装置を構成する場合、例えば正側出力レベルは図8のように5レベル出力可能である。このとき立ち上がり位相は2n個(=4個)存在し、従って自由度は2n個となる。すなわち、電力変換装置ユニットn段で電力変換装置を構成する場合、自由度は2n個となる。
図8において、例えば位相α1〜α2でNVDC/2を出力するには、電力変換装置ユニットCNVU1、CNVU2のうち、どちらか一方からNVDC/2を出力する。又、位相α2〜α3でNVDCを出力するには、電力変換装置ユニットCNVU1、CNVU2のうち、どちらか一方からVDCを出力するか、又は両方の電力変換装置ユニットからVDC/2を出力する。更に、位相α3〜α4で3NVDC/2を出力するには、電力変換装置ユニットCNVU1、CNVU2のうち、どちらか一方の電力変換装置ユニットからVDCを出力し、他方の電力変換装置ユニットからNVDC/2を出力する。
負荷を電力変換装置で交流駆動する場合、電圧振幅を制御することが多いため、基本波振幅に基づいて1自由度を使用する。ここでは、基本波振幅を電圧利用率に変換して使用する。図9は基本波(n=1)とその電圧利用率Mを示す図である。電圧利用率Mは直流電圧VDCと基本波振幅の比で表される。出力電圧ピーク値が2VDCのとき電圧利用率Mは1である。電圧利用率Mの最大値は、α1〜α4にそれぞれ0を代入して得られる値4/πであり、このとき、電力変換装置の動作は図9の矩形波のように1パルス動作となる。基本波振幅をある電圧利用率M(電圧指令値)に制御するとき、次式(2)を満たす必要がある。
上式(2)の左辺分子は、式(1)の振幅項(中括弧内数式)のnに1を代入して得られる振幅値である。
高調波電圧の振幅は次数が上がるほど小さくなるので、低い次数の高調波を消去すると電圧歪みを改善する効果が大きい。よって、3次高調波を消去する必要があるが、前述したように3k(kは自然数)倍次、すなわち3の倍数次高調波は、120°位相がずれた3相の線間電圧を負荷に出力することによってキャンセルされる。よって、3次高調波の次に大きい5、7次高調波を消去するのに2自由度を使用する。このとき式(1)から、以下の式(3)、式(4)を満たす必要がある。
次に、残り1つの自由度は11次、13次高調波を同時に低減する目的に使用する。11次、13次高調波の振幅はほぼ同じであるため、11次高調波及び13次高調波それぞれを消去するよりも、11次、13次高調波を同時に低減した方が電圧歪みを改善する効果が大きい。このとき、次式(5)を満たす必要がある。つまり11次及び13次高調波を同時に低減するために、中間の12次に相当する高調波をゼロにする数式となる。
このように、基本波振幅を電圧利用率Mとして、5次、7次高調波を消去し、11次、13次高調波を低減するための条件は、式(2)〜式(5)を同時に満たす必要がある。
これら4つの連立方程式を満たす電圧立ち上がり位相α1〜α4で回路を駆動することによって、所望の電圧振幅でかつ高調波が低減された電圧を負荷に供給することができる。電圧利用率Mの値に応じて、式2〜式5を同時に満たす位相α1〜α4を計算した結果を図10に示す。つまり、電圧利用率Mの値に従って、立ち上がり位相α1〜α4を図10のように変えると、高調波が抑制される。これらの位相を事前に計算しておき制御1のマイコンに記憶しておくことによって、電圧指令値(電圧利用率M)に従って電圧立ち上がり位相α1〜α4を直ちに得ることができる。
図11は電力変換装置ユニットCNVU1を構成するスイッチイング素子のスイッチングパターンと、電力変換装置ユニットCNVU1の出力電圧であるトランス1次側巻線電圧VU21を示すタイミングチャートである。電力変換装置ユニットCNVU1は、図中上向き矢印のように電圧立ち上がり位相α1とα4の電圧を出力する。図11では、スイッチングパターンはSU11、SU14、SU15、SU18のみ示し、SU12、SU13、SU16、SU17は上記素子に対して相補的にスイッチングするので記載していない。又図11では、電力変換装置ユニットCNVU1の出力電圧VU21(トランス1次側巻線電圧)に対するスイッチング素子の状態を、図5のスイッチングパターンに対応するように[1]〜[9]で示した。同じ+VDC/2の電圧でもスイッチングパターンが[2]と[3]の2通り存在するのは、中性点電位変動の抑制のために図7のフローチャートに従って選択しているためである。−VDC/2に対する[7]、[8]2通りのスイッチングパターンの選択についても同様である。
電力変換装置ユニットCNVU2は電圧立ち上がり位相α2とα3で電圧を出力する。電力変換装置ユニットCNVU2の1次側巻線電圧VU22は電圧VU21に対して電圧立ち上がり位相が異なるが、その動作は電力変換装置ユニットCNVU1と同一である。
図12は電力変換装置ユニットCNVU1の2次側巻線電圧VU11と電力変換装置ユニットCNVU12の2次側巻線電圧VU12、及びこれらを合成したU相電圧VUのタイミングチャートである。
U相電圧VUは図12下段のように、上記2つの電圧VU11、VU12を合成した電圧であり、階段状の電圧波形となる。U相電圧VUは上述したように5次、7次高調波がキャンセルされた電圧なので、11次、13次高調波、17次、19次以上の高調波が含まれる。負荷に対してはU相電圧VUに対して120°位相が異なるV相電圧VV、W相電圧VWとの線間電圧を供給するので、3k次高調波はキャンセルされる。さらに、11、13次高調波は前述したように、電力変換装置ユニット単体の出力電圧として低減される。従って、負荷に対してかかる電圧には17次、19次より低次の高調波は実質含まれない。
本実施形態では段数n=2の場合を説明したが、n>2のときでも本実施形態の回路構成・制御方法を一般的に適用できる。例えば、n=3のときは電圧立ち上がり位相の自由度が2つ増え、α1〜α6まで6つ選択できる。よって、基本波の電圧振幅を制御した上で、5次、7次、11次、13次高調波を消去し、17次、19次高調波を低減する制御が考えられる。これを満たす電圧立ち上がり位相α1〜α6は式(6)〜式(11)の連立方程式を解けば求まる。
[効果]
上述した電力変換装置の構成及び制御方法により、2台のトランスで高調波の少ない電圧が得られる。以下、直流電圧、スイッチング素子定格を同じ条件とし、従来技術と本実施形態におけるスイッチング素子とトランス台数を比較する。
上述した電力変換装置の構成及び制御方法により、2台のトランスで高調波の少ない電圧が得られる。以下、直流電圧、スイッチング素子定格を同じ条件とし、従来技術と本実施形態におけるスイッチング素子とトランス台数を比較する。
・従来においては、3相の1相あたり図15の単相Hブリッジ電力変換装置を例えば4台、3相トランス4台の構成で低次高調波を低減している。
・第1実施形態においては、従来と同一耐圧の素子を用いて同一の出力電圧を実現する場合、図3のように三相NPCフルブリッジ電力変換装置(図2参照)を1相あたり2台、3相トランス2台TR1、TR2の構成で低次高調波を低減している。
上記2構成を比較すると、スイッチング素子数は同数であるが、本実施形態はトランス台数が2台と、従来の4台より少ない。よって、本実施形態は従来より高調波電圧を抑制できる上、さらに小型、低コスト化を実現できる。
図3において、2台のトランスを同一の定格とする場合、2次側巻線電圧VU11と2次側巻線電圧VU12の大きい方の電圧VU1MAXに合わせてトランスを製造する必要がある。VU=VU11+VU12なので、2次側巻線電圧VU11と2次側巻線電圧VU12の電圧差を小さくすると、結果的に電圧VU1MAXが小さくなり、トランスの電圧定格を小さくすることができる。
このような条件を満たすには、本実施例で説明したように、電力変換装置ユニットCNVU1が電圧立ち上がり位相α1とα4の電圧を出力し、電力変換装置ユニットCNVU2が電圧立ち上がり位相α2とα3の電圧を出力すればよい。あるいは、電力変換装置ユニットCNVU1が電圧立ち上がり位相α2とα3の電圧を出力し、電力変換装置ユニットCNVU2が電圧立ち上がり位相α1とα4の電圧を出力するというように、逆の組合せにしてもよい。n=2のときは全電圧振幅において上記組合せでよく、n>2の場合も電圧差が最小になる電圧立ち上がり位相の組合せを予め求めておけばよい。
又、中性点電位変動を抑制方向に制御するためには、中性点に流入する電流の正負方向を検知する必要がある。負荷に電流を流さない待機運転時は、中性点に負荷電流が流入しないため、中性点電位を積極的に変動抑制することが困難になる。しかし、本実形態のように電力変換装置ユニットをトランスを介して負荷に接続するとき、電力変換装置ユニットの出力電圧を起因としてトランスの1次側巻線に励磁電流が供給される。よって、中性点電位制御に用いる電流の正負情報をトランスの1次側巻線電流とすることで、負荷に流れる電流が0の状態においても、中性点に流れる電流を検知することができ、中性点電位を安定させられる。
[第2実施形態]
[構成]
次に、NPC電力変換装置の第2実施形態について説明する。図13は、第2実施形態の回路構成図である。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[構成]
次に、NPC電力変換装置の第2実施形態について説明する。図13は、第2実施形態の回路構成図である。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
第2実施形態においても電力変換装置ユニット段数n=2の場合を例とする。第1実施形態の構成とはトランス構造が異なる。
第1実施形態においてはトランスをTR1とTR2の2つに分割したが、第2実施形態においては図13のようにTRU、TRV、TRWの3つに分割する。電力変換装置全体の容量によっては、2分割ではトランスの重量が大きくなり輸送、設置できない状況が考えられる。そこで、第2実施形態においては3分割にした場合の構造を説明する。
第1実施形態は三相一括に構成し、段毎に分割したトランスを用いたが、第2実施形態は相ごとに分割し2段一括に構成したトランスを用いる。図14にU相トランスTRUを例としたトランス構造を示す。鉄心IRUは三脚鉄心とし、鉄心外側に電圧を発生させる主脚鉄心Rm、中心をセンタ鉄心Rsとする。外側の2つの主脚鉄心Rmに1次側巻線(点線矩形部)、2次側巻線(実線矩形部)をそれぞれ巻く。1次側、2次側の巻線を巻く方向は互いに逆になるようにする。本実施形態では内側を1次側巻線、外側を2次側巻線としているが、これは電圧に応じて逆にしてもよい。1次側巻線は1段目、2段目の電力変換装置ユニットCNVU1、CNVU2にそれぞれ接続し、2次側巻線は従属接続して、一端は負荷へ他端は2次側中性点N’に接続する。
[作用]
トランスの分割方法以外は第1実施形態と同じなので、各電力変換装置ユニットのスイッチング素子の駆動方法は第1実施形態と同じでよい。第1実施形態と同様にスイッチング素子を駆動すれば、負荷にかかる電圧には低次の高調波は実質含まれない。
トランスの分割方法以外は第1実施形態と同じなので、各電力変換装置ユニットのスイッチング素子の駆動方法は第1実施形態と同じでよい。第1実施形態と同様にスイッチング素子を駆動すれば、負荷にかかる電圧には低次の高調波は実質含まれない。
[効果]
第2実施形態の1台あたりのトランス容量は第1実施形態のトランス容量の2/3倍となり、重量が低減し、輸送制限などの問題を回避することができる。
第2実施形態の1台あたりのトランス容量は第1実施形態のトランス容量の2/3倍となり、重量が低減し、輸送制限などの問題を回避することができる。
又、1段目と2段目のトランス巻線方向を逆にすることで、センタ鉄心には1段目の1次側巻線電圧VU21によって生じる磁束φ1と2段目の1次側巻線電圧VU22によって生じる磁束φ2の差磁束φ1−φ2が生じる。さらに、第1実施形態と同様に1段目と2段目の入力電圧差を小さくすることによって磁束φ1−φ2が小さくなり、センタ鉄心を細くすることができ、重量低減に効果が有る。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
CNV…電力変化装置ユニット、TR…トランス、L…負荷、C…コンデンサ、S…スイッチング素子、D…ダイオード。
Claims (10)
- 直流電力を交流電力にそれぞれ変換するn(nは1以上の整数)個直列接続されたNPC電力変換装置ユニットと、前記NPC電力変換装置ユニットを制御する制御部とを具備し、
前記制御部は、前記NPC電力変換装置ユニットの各出力電圧の立ち上がり及び立ち下がり位相を調整することによって、各出力電圧の所定高調波を消去することを特徴とする電力変換装置。 - 前記制御部は、電圧利用率に基づいて前記NPC電力変換装置ユニットの各出力電圧の位相を調整することを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、各出力電圧の位相を決定する自由度2n個のうち1個を電圧利用率に基づいて使用し、残りの2n−1個を特定高調波の消去に用いることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記NPC電力変換装置ユニットの中性点電位変動が抑制されるように、前記NPC電力変換装置ユニットを構成するスイッチング素子のスイッチングパターンを選択することを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
- 前記電力変換装置は三相の電力変換装置として構成され、各相がn(nは1以上の整数)個直列接続された単相NPCフルブリッジ電力変換装置ユニットを含み、前記制御部は3の倍数次の高調波は消去しないことを特徴とする請求項4記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、各単相NPCフルブリッジ電力変換装置ユニットが出力する電圧振幅の差分が小さくなるように、前記単相NPCフルブリッジ電力変換装置ユニットを構成するスイッチング素子のスイッチングパターンを選択することを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
- 前記単相NPCフルブリッジ電力変換装置ユニットは、直流電圧を共通とし、交流出力が各相ごとにトランスを介して従属接続され、前記トランスは三相一括構造であることを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
- 前記単相NPCフルブリッジ電力変換装置ユニットは、直流電圧を共通とし、交流出力が各相ごとにトランスを介して従属接続され、前記トランスは各相で一括構造であることを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記単相NPCフルブリッジ電力変換装置ユニットの中性点電位変動を抑制する制御に用いる電流の正負情報を、前記トランスの1次巻線電流から取得することを特徴とする請求項7又は8記載の電力変換装置。
- 直流電力を交流電力にそれぞれ変換するn(nは1以上の整数)個直列接続されたNPC電力変換装置ユニットを具備する電力変換装置における前記NPC電力変換装置ユニットの制御方法であって、
前記NPC電力変換装置ユニットの各出力電圧の立ち上がり及び立ち下がり位相を調整することによって、各出力電圧の所定高調波を消去することを特徴とする方法。
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2012
- 2012-11-15 JP JP2012251425A patent/JP2014100025A/ja active Pending
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