JP2014099300A - 高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】高い発光効率を維持し、発光管に黒化現象が生じない高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することを目的とする。
【解決手段】この高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプは、少なくとも水銀及び金属ハロゲン化物が封入された発光管を備え、前記発光管は、太管部及び該太管部の両端に形成された一対の細管部を有し、各々の該細管部の内部には電流導入体が通されており、前記細管部の内径L6に対する電流導入体の外径L4は、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲にあり、前記細管部と前記電流導入体の間は、封止領域と非封止領域に分けられ、非封止領域の空隙GAは、5.0mm3≦GA≦17.5mm3の範囲にあり、ランプの全光線透過率は、96〜99%の範囲内にあり、前記発光管の直線透過率は、10%以上である。
【選択図】図5
【解決手段】この高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプは、少なくとも水銀及び金属ハロゲン化物が封入された発光管を備え、前記発光管は、太管部及び該太管部の両端に形成された一対の細管部を有し、各々の該細管部の内部には電流導入体が通されており、前記細管部の内径L6に対する電流導入体の外径L4は、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲にあり、前記細管部と前記電流導入体の間は、封止領域と非封止領域に分けられ、非封止領域の空隙GAは、5.0mm3≦GA≦17.5mm3の範囲にあり、ランプの全光線透過率は、96〜99%の範囲内にあり、前記発光管の直線透過率は、10%以上である。
【選択図】図5
Description
本発明は、高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプに関する。
高輝度放電ランプ(HIDランプ)は、電極間の放電を利用して発光するため、白熱電球と比べて、光束が大きく大規模な空間の照明に適し、エネルギー効率が良いといった種々の特徴を備えている。HIDランプにおいて、発光物質として水銀に加えて金属ハロゲン化物を採用したメタルハライドランプは、水銀ランプと比較して自然光に近く優れた演色性と、高い発光効率とを有している。
従来、メタルハライドランプの発光管として石英製発光管が使用されていた。最近では、これに代わって透光性セラミックス製発光管が使用されている。透光性セラミックス製発光管は、石英製発光管と比較して、耐熱性が良好であるため長寿命化が図れ、更に、発光管内に封入された金属ハロゲン化物との反応がすくないため、種々の金属ハロゲン化物を使用できる長所を有している。
(特許文献と本発明の対比)
特許文献1は、450W以上のセラミックハライドランプを対象にする。問題点として、アークの不安定によるちらつきを挙げている(段落0010)。これを解決するため、本管の内径D(mm)、電極突出長L(mm)、電極間距離E(mm)の関係を、G=W/(3.14×D×E×0.01)で表される管壁負荷G(ワット/cm3)が15≦G≦40の範囲であるとともに、0.32≦L/D≦0.003×W+0.465と規定している(クレーム1)。本発明は、発光効率の低下を問題点とし、細管部内部における空隙を二次元及び三次元で規定している点で、特許文献1とは異なる。
特許文献1は、450W以上のセラミックハライドランプを対象にする。問題点として、アークの不安定によるちらつきを挙げている(段落0010)。これを解決するため、本管の内径D(mm)、電極突出長L(mm)、電極間距離E(mm)の関係を、G=W/(3.14×D×E×0.01)で表される管壁負荷G(ワット/cm3)が15≦G≦40の範囲であるとともに、0.32≦L/D≦0.003×W+0.465と規定している(クレーム1)。本発明は、発光効率の低下を問題点とし、細管部内部における空隙を二次元及び三次元で規定している点で、特許文献1とは異なる。
特許文献2は、極隙間の幅寸法を絶対値で規定している(段落0041)。本発明は、発光効率の低下を問題点とし、細管部内部における空隙を二次元及び三次元で規定している点で、特許文献2とは異なる。
特許文献3は、定格ランプ電力400Wを対象とし(段落0091)、本発明とは対象が異なる。特許文献4は、定格ランプ電力100W以下を対象とし(段落0022,0024)、本発明とは対象が異なる。特許文献5は、定格ランプ電力100Wを対象とし(段落0033)、本発明とは対象が異なる。
従来、セラミックメタルハライドランプは、100〜300Wクラスの低及び中ワットのランプが主流であった。このような状況の中で、本発明者等は、更に光束が大きく大規模な空間の照明に適した500W以上の高ワットのランプの開発を目指している。
しかし、高ワットのセラミックメタルハライドランプでは、何らかの原因により発光効率が低下する現象が発生した。また、発生の頻度は高くは無いが、発光管が黒化する現象も見られた。この発光効率の低下及び発光管の黒化は、従来の低及び中ワットのランプでは見られなかった現象である。
そこで、発光効率低下及び発光管の黒化の原因を突きとめこれを解決して、高い発光効率を維持する高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの実現が望まれていた。
しかし、高ワットのセラミックメタルハライドランプでは、何らかの原因により発光効率が低下する現象が発生した。また、発生の頻度は高くは無いが、発光管が黒化する現象も見られた。この発光効率の低下及び発光管の黒化は、従来の低及び中ワットのランプでは見られなかった現象である。
そこで、発光効率低下及び発光管の黒化の原因を突きとめこれを解決して、高い発光効率を維持する高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの実現が望まれていた。
従って、本発明は、高い発光効率を維持する高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することを目的とする。
更に、本発明は、発光管に黒化現象が生じない高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することを目的とする。
更に、本発明は、発光管に黒化現象が生じない高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することを目的とする。
上記目的に鑑みて、本発明に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプは、少なくとも水銀及び金属ハロゲン化物が封入された発光管を備え、前記発光管は、太管部及び該太管部の両端に形成された一対の細管部を有し、各々の該細管部の内部には電流導入体が通されており、前記細管部の内径L6に対する電流導入体の外径L14は、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲にあり、前記細管部と前記電流導入体の間は、封止領域と非封止領域に分けられ、非封止領域の空隙GAは、5.0mm3≦GA≦17.5mm3の範囲にあり、ランプの全光線透過率は、96〜99%の範囲内にあり、前記発光管の直線透過率は、10%以上である。
更に、上記高ワットタイプのメタルハライドランプでは、前記メタルハライドランプは、定格ランプ電力が500〜1000Wの範囲にあってよい。
更に、上記高ワットタイプのメタルハライドランプでは、前記電流導入体は、金属製の棒状体の周囲に金属製コイルが巻き付けられたコイル棒であってよい。
更に、上記高ワットタイプのメタルハライドランプでは、前記細管部の内径は、2〜3mmの範囲であってよい。
更に、上記高ワットタイプのメタルハライドランプでは、前記発光管に封入された水銀は最大100mgであり、希土類金属ハロゲン化物は最大12mgであってよい。
更に、上記高ワットタイプのメタルハライドランプでは、前記発光管の直線透過率は、10〜30%の範囲内であってよい。
本発明によれば、高い発光効率を維持する高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することが出来る。
更に、本発明によれば、発光管に黒化現象が生じない高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することができる。
更に、本発明によれば、発光管に黒化現象が生じない高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することができる。
以下、本発明に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの実施形態について、添附の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同じ要素に対しては同じ符号を付与して、重複した説明を省略する。なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であって、本発明の範囲を何等限定するものではないことを承知されたい。
[高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプ]
図1は、本実施形態に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの構造を説明する図である。高ワットタイプとは、500〜1000Wクラスのランプであり、代表的には700Wクラスのランプである。ランプ10は、外球2の内部に、発光部となる発光管6を内封し、発光管6の周囲を内管(「スリーブ」ともいう。)8が取り囲んでいる。外球2の端部には、E形口金12が接合されている。発光管6は、金属の線材や板を組み合わせた構造物に内管8を取り付けたマウント14により、所定の位置に支持され、給電される。
図1は、本実施形態に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの構造を説明する図である。高ワットタイプとは、500〜1000Wクラスのランプであり、代表的には700Wクラスのランプである。ランプ10は、外球2の内部に、発光部となる発光管6を内封し、発光管6の周囲を内管(「スリーブ」ともいう。)8が取り囲んでいる。外球2の端部には、E形口金12が接合されている。発光管6は、金属の線材や板を組み合わせた構造物に内管8を取り付けたマウント14により、所定の位置に支持され、給電される。
これらの各要素について簡単に説明する。
発光管6に関しては、後で、図2及び図3に関連して詳しく説明する。
発光管6に関しては、後で、図2及び図3に関連して詳しく説明する。
マウント14は、一対の導入線が気密封着されたステム管16と、概して逆U字形に整形された支柱18とを主要部品として構成されている。
内管8は、透明石英ガラス管から成り、発光管6が破裂したときに外球2の損傷を防止するために発光管の周囲を囲むように配設されている。内管8には、その機械的強度を補強するため、周囲にワイヤ20が螺旋状に巻かれている。
外球2は、例えば、ホウケイ酸ガラス等の透光性の硬質ガラスからなる。外球2は、最大口径の中央部2a、図で見て上部側の閉塞されたトップ部2b及び下部側のネック部2cを有するBT形をなしている。ネック部2cには、ステム管16のフレア部が封止された封止部(図示せず。)がある。封止後、ステム管16に設けられた排気管(図示せず。)を通じて外球内は排気され、アルゴン(Ar),窒素(N2)等の不活性ガスが封入され、或いは真空にした気密雰囲気となっている。
この封止部を覆って、ねじ込み形口金12が、耐熱性の接着剤を用いて接合され、或いはモールドにより形成された螺旋状のねじ溝に螺合されている。
図1に示すランプは、口金12をソケット(図示せず。)に装着して、電源から所定の点灯回路装置(図示せず。)を介して通電され、発光管6の内部にある主電極間の放電により安定した点灯が持続される。
図1に示すランプは、口金12をソケット(図示せず。)に装着して、電源から所定の点灯回路装置(図示せず。)を介して通電され、発光管6の内部にある主電極間の放電により安定した点灯が持続される。
[発光管]
(発光管の構造)
図2A及び図2Bは、発光管6の詳細を説明する図であり、ここで、図2Aは、発光管全体を説明する図であり、図2Bは、図2Aにおいて破線の矩形で囲んだ細管部6bの拡大図である。図2Aに示すように、発光管6は、中央の略回転楕円形状の太管部(「発光部」ともいう。)6a及び両端の細管部(「キャピラリー」ともいう。)6b,6cが一体に形成された透光性セラミックス(PCA)製の容器である。尚、発光管6の形状は、これに限られず、円筒形状等の太管部6aの両端に、太管部とは別の部材から成る細管部6b,6cを夫々形成したものでもよい。
(発光管の構造)
図2A及び図2Bは、発光管6の詳細を説明する図であり、ここで、図2Aは、発光管全体を説明する図であり、図2Bは、図2Aにおいて破線の矩形で囲んだ細管部6bの拡大図である。図2Aに示すように、発光管6は、中央の略回転楕円形状の太管部(「発光部」ともいう。)6a及び両端の細管部(「キャピラリー」ともいう。)6b,6cが一体に形成された透光性セラミックス(PCA)製の容器である。尚、発光管6の形状は、これに限られず、円筒形状等の太管部6aの両端に、太管部とは別の部材から成る細管部6b,6cを夫々形成したものでもよい。
左右の細管部6b、6cは同じ構造であり、これら細管部を、1対のリード線22−1,22−2が夫々通って太管部6aの領域まで延びて、1対のタングステン(W)製の主電極24−1,24−2を形成している。太管部6aの容器内には、発光及び放電媒体として、例えば、最大100mg(好ましくは、約85mg)の水銀と、最大12mg(好ましくは、約7mg)の希土類金属ハロゲン化物を含む金属ハロゲン化物と、希ガスとして所定圧力のアルゴン(Ar)等とが封入され、発光効率、演色性,色温度等の特性の向上が図られている。
図2Bに示すように、太管部6aに繋がる細管部6bの先端から、発光管の軸線に沿って、リード線22−1が挿入され、これがサーメット(モリブデンとアルミナの合金)26に繋がり、更に金属製コイル棒(「電流導入体」ともいう。)30に繋がり、その先にタングステン電極棒24−1が形成されており、サーメットにはニオブ製ストッパ部材32が溶接されている。このように主電極24−1、電流導入体30,サーメット26、リード線22−1、ニオブ製ストッパ部材32を一体的に接続したものを電極マウンドと呼ぶ。
金属製コイル棒30は、代表的には、芯棒となるモリブデン製の棒状体30−1の周囲にモリブデン製コイル30−2が巻き付けられて形成されている。しかし、これに限定されない。例えば、金属製コイル棒30は、タングステン(W)若しくはその他の金属又はモリブデン、タングステン、その他の金属の組み合わせ又は合金から形成してもよい。細管部6bの内部の先端部分は、ガラスフリット(シール材)28によって封止され、更にリード線22−1に通されたセラミックス製リング部材34により補強されている。
ランプ製造時には、この電極マウントをニオブ製ストッパ部材32が細管部6bの先端部に引っ掛かるように細管部6bに挿入し、細管部端部にガラスフリット28及びセラミックス製リング部材34を載せる。この状態で、細管部端部の周囲をヒータ(図示せず。)で加熱してガラスフリットを溶融する。溶融したガラスフリットは、細管部の内部に毛細管現象により浸透して固化し、発光管6の内部を外部から封止する。細管部6cも細管部6bと同様の構造である。
(発光効率低下の原因と対策)
図3は、図2BのIII−III方向断面図である。なお、図面の参照符号に関しては、適時、図4及び図6を参照されたい。細管部6bの内部にモリブデンコイル棒30が挿入されている。モリブデンコイル棒30を形成するモリブデン棒状体30−1の周囲にモリブデンコイル30−2がある。
図3は、図2BのIII−III方向断面図である。なお、図面の参照符号に関しては、適時、図4及び図6を参照されたい。細管部6bの内部にモリブデンコイル棒30が挿入されている。モリブデンコイル棒30を形成するモリブデン棒状体30−1の周囲にモリブデンコイル30−2がある。
金属ハロゲン化物は、発光管製作時には固体状態(粉末,ペレット等)で太管部6aの内部に封入される。ランプ点灯中、発光管の内部は高温・高圧状態になるため、金属ハロゲン化物は液体と気体の混合状態となる。メタルハライドランプでは、気化された金属ハロゲン化物が、僅かではあるが細管部先端に向かって細管部内部の空隙に浸透し、比較的低温のモリブデンコイル棒30付近に液化されて集積する傾向がある。この液化された金属ハロゲン化物が、細管部6b,6cを形成する多結晶アルミナを浸食する。
この対策として、発光管の細管部6bとモリブデンコイル棒30との隙間は、断面で見て、即ち二次元的に非常に小さくし、細管部内部の隙間は非常に狭い状態にしてある。更に、モリブデンコイル棒30は、太管部の熱の伝達を減少し、且つ金属ハロゲン化物の侵入を阻止するため、棒状体30−1の周囲にコイル30−2を巻き付けた構造を採用している。
従来の低及び中ワットのランプでは、一般に、細管部の内径L6に対してモリブデンコイル棒30の外径L14は、L14/L6=0.90〜0.95としていた。L14/L6の比を小さくして細管部内部の隙間を大きくすると、製造時に細管部にモリブデンコイル棒30を挿入しやすい等の利点がある反面、金属ハロゲン化物の侵入を招きやすい。反対に、L14/L6の比を大きくして細管部内部の隙間を小さくすると、ランプ点灯時に太管部からの熱で加熱され熱膨張したモリブデンコイル棒30が細管部6bの内壁に接触し、これを損傷する。例えば、低及び中ワットのランプでは、内径L6=1.28mmの細管部の中に、外径1.2mmのモリブデンコイル棒を挿入している。L14/L6=0.938である。
高ワットタイプのランプの設計では、発光管6に流す電流が大きくなるためモリブデンコイル棒30を太くする必要があり、これを収納する細管部6b,6cの内部空間も太くしなければならない。当初、必要とする電流容量からモリブデンコイル棒30の太さを決定し、低及び中ワットのランプと同じL14/L6の比から細管部の内径L6を定めていた。
しかし、前述した通り、高ワットのセラミックメタルハライドランプでは、何らかの原因により発光効率が低下する現象が発生した。この発光効率の低下は、従来の低及び中ワットのランプでは見られなかった現象である。高ワットタイプのメタルハライドランプに関しては、低及び中ワットのランプと同じL14/L6の比では、細管部内部の空隙に金属ハロゲン化物が侵入し、発光効率を大きく低下させることが疑われた。
しかし、前述した通り、高ワットのセラミックメタルハライドランプでは、何らかの原因により発光効率が低下する現象が発生した。この発光効率の低下は、従来の低及び中ワットのランプでは見られなかった現象である。高ワットタイプのメタルハライドランプに関しては、低及び中ワットのランプと同じL14/L6の比では、細管部内部の空隙に金属ハロゲン化物が侵入し、発光効率を大きく低下させることが疑われた。
そこで、本発明者等は、金属ハロゲン化物が細管部内部の空隙に浸透するのを防止するため、次の2つの方策を講じた。
第1の方策として、二次元的に図3に示す細管部断面で見て、細管部内径に対してモリブデンコイル棒30の外径を出来るだけ大きくして、隙間を狭くして、金属ハロゲン化物の侵入を阻止する。
そのため、細管部の内径L6に対するモリブデンコイル棒30の外径L14を、少なくとも低及び中ワットのランプにおけるL14/L6=0.90〜0.95を超える0.96以上とした。ランプ点灯時のモリブデンコイル棒30の熱膨張を考慮すると、0.98以下であることが必要である。従って、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲とした。
第1の方策として、二次元的に図3に示す細管部断面で見て、細管部内径に対してモリブデンコイル棒30の外径を出来るだけ大きくして、隙間を狭くして、金属ハロゲン化物の侵入を阻止する。
そのため、細管部の内径L6に対するモリブデンコイル棒30の外径L14を、少なくとも低及び中ワットのランプにおけるL14/L6=0.90〜0.95を超える0.96以上とした。ランプ点灯時のモリブデンコイル棒30の熱膨張を考慮すると、0.98以下であることが必要である。従って、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲とした。
第2の方策として、三次元的に細管部内部の空隙(細管部内部の空間からモリブデンコイル棒が占める空間を除いた残余の空間)を小さくし、添加物の侵入に供される空間を減少する。
図4は、図2Bに示す細管部6bの拡大図である。細管部6bは、太管部6aとの境界CBから端部6beまでの部分である。細管部6bと太管部6aとの境界CBは、太管部に向かって細管部の内部口径が拡がり始める箇所である。細管部6b、6cの内径は、2〜3mmの範囲内にある。ここで、細管部6bの内部空間を細管部内部空間CAとし、細管部内部空間CAの内、固化したガラスフリット28が占める空間を封止領域SAとし、残余の空間を非封止領域NSAとする。CA=SA+NSAの関係にある。更に、非封止領域NSAの内、モリブデンコイル棒30が占める空間をモリブデンコイル棒領域MAとし、残余の空間を細管部内部の空隙GAとする。NSA=MA+GAの関係にある。
図4は、図2Bに示す細管部6bの拡大図である。細管部6bは、太管部6aとの境界CBから端部6beまでの部分である。細管部6bと太管部6aとの境界CBは、太管部に向かって細管部の内部口径が拡がり始める箇所である。細管部6b、6cの内径は、2〜3mmの範囲内にある。ここで、細管部6bの内部空間を細管部内部空間CAとし、細管部内部空間CAの内、固化したガラスフリット28が占める空間を封止領域SAとし、残余の空間を非封止領域NSAとする。CA=SA+NSAの関係にある。更に、非封止領域NSAの内、モリブデンコイル棒30が占める空間をモリブデンコイル棒領域MAとし、残余の空間を細管部内部の空隙GAとする。NSA=MA+GAの関係にある。
高ワットタイプのランプに関し、第1の方策である0.96≦L14/L6≦0.98の範囲内で、細管部内部の空隙GAを変えた発光管を試作して、細管部内部の空隙GAと発光効率ηの関係を調査した。発光効率ηは、光源の効率を表し、単位電力当たりの全光束(ルーメン毎ワット lm/W)である。表1はその実験データであり、図5はこれを図示したグラフである。
図5に示すように、非封止領域の空隙GAが17.5mm3付近までは発光効率は100(lm/W)以上を維持するが、これを超えると発光効率ηは急激に低下して、空隙GAが25.0mm3付近になると50〜60(lm/W)と約半分に低下した。
この結果より、発光効率が急激に低下した原因の1つは、高ワットタイプのランプでは、細管部内部の間隙GAが大きく、この間隙GAに金属ハロゲン化物が侵入し易くなって、発光効率に大きく影響することが判明した。即ち、本発明者等は、当初、低及び中ワットのランプと同じL14/L6の比のモリブデンコイル棒を採用すれば、金属ハロゲン化物の細管部内部への浸透は防止できると予想していた。しかし、高ワットタイプのランプでは、この予想を超えて、金属ハロゲン化物が侵入して発光効率を低下させることが判明した。
間隙GAに金属ハロゲン化物が入り込むと、太管部内の発光に寄与する金属ハロゲン化物の量が減少して光束が低下する。更に、太管部内の発光物質の割合が水銀リッチの状態となりアーク温度が上昇して、発光管6を形成するアルミナの温度を一層上昇させる。その結果、発光管6を形成するアルミナの還元により発光管6の周囲を取り囲む内管8を黒化して、ランプ照度が低下する。
間隙GAに金属ハロゲン化物が入り込むと、太管部内の発光に寄与する金属ハロゲン化物の量が減少して光束が低下する。更に、太管部内の発光物質の割合が水銀リッチの状態となりアーク温度が上昇して、発光管6を形成するアルミナの温度を一層上昇させる。その結果、発光管6を形成するアルミナの還元により発光管6の周囲を取り囲む内管8を黒化して、ランプ照度が低下する。
これに対して、金属ハロゲン化物が間隙GAに侵入しても太管部内に発光に十分な金属ハロゲン化物が残るように、予め発光管の金属ハロゲン化物を増量することも試みた。しかし、金属ハロゲン化物の増量は、放電時のアーク不安定を招き、ちらつきが発生する結果となった。
図5に示す結果より、100(lm/W)以上の高い発光効率ηを維持するためには、非封止領域の空隙GAの上限値は17.5mm3以下にする必要がある。空隙GAの下限値は、点灯時にモリブデンコイル棒30の熱膨張による細管部6b,6cへの接触を回避し、且つランプ製造上の要請から5.0mm3以上とした。従って、空隙GAを、5.0mm3≦GA≦17.5mm3の範囲とすることとした。
この結果、第1の方策及び第2の方策により、高ワットタイプのメタルハライドランプにおいて、発光効率を高く維持することが出来た。
(発光管の形状例)
図6A及び図6Bは、本実施形態に係る発光管の形状の代表例を示す図であり、図2A及び図2Bに夫々対応している。図6Aに示すように、発光管6の太管部6aの外径寸法はL1=φ24mm、内径寸法はL2=φ21.8mm、電極間距離(「アーク長」に相当する。)はL3=34mm、両側の細管部6b,6cの端部間距離はL4=107mmである。
図6A及び図6Bは、本実施形態に係る発光管の形状の代表例を示す図であり、図2A及び図2Bに夫々対応している。図6Aに示すように、発光管6の太管部6aの外径寸法はL1=φ24mm、内径寸法はL2=φ21.8mm、電極間距離(「アーク長」に相当する。)はL3=34mm、両側の細管部6b,6cの端部間距離はL4=107mmである。
図6Bに示すように、細管部の外形寸法はL5=φ4.5mm、内径寸法はL6=φ2.3mmである。細管部6b,6cと太管部6aとの境界CBは、太管部に向かう細管部の内径が拡がり始める箇所と規定した。各細管部6b又は6cの軸線方向寸法はL7=21.5mm、細管部の端部内側に溶着して封止領域を形成する各ガラスフリット28の軸線方向寸法はL8=4.5mmである。モリブデンコイル棒30に関しては、芯棒であるモリブデン棒状体30−1の外径はL12=φ1.0mm、モリブデンコイル棒30の軸線方向寸法はL11=16mm、モリブデン製コイル30−2の外径寸法はL13=φ0.62mm、モリブデン棒状体30−1の周囲に巻回されたコイルの外径寸法は、最大L14max=φ2.24mmである。この例では、L14/L6=0.974となり、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲にある。
[発光管の黒化現象]
(黒化現象)
以上の実施形態により、高い発光効率を維持する高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することができた。しかし、このようなランプを量産した際に、何本かのランプに発光管が黒化する現象が生じた。このような発光管の黒化現象は、従来の低及び中ワットのランプでは見られなかった現象である。
発光管の黒化現象は、発光管が高温になるため発光管を形成するPCAが還元されて発生する。黒化が発生する状況で発光管の温度を測定すると、PCAの実用最高温度1230℃を超えるものがあった。
(黒化現象)
以上の実施形態により、高い発光効率を維持する高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することができた。しかし、このようなランプを量産した際に、何本かのランプに発光管が黒化する現象が生じた。このような発光管の黒化現象は、従来の低及び中ワットのランプでは見られなかった現象である。
発光管の黒化現象は、発光管が高温になるため発光管を形成するPCAが還元されて発生する。黒化が発生する状況で発光管の温度を測定すると、PCAの実用最高温度1230℃を超えるものがあった。
この発光管の黒化現象に対する対策として、本発明者等は、発光管の温度上昇を抑制することを検討した。具体的には、次の提案に関して検討を加えた。
(1) 内管8の管径を太くして、内部に位置する発光管6の周囲のガス流の流れを多くする。しかし、この提案は、内管8を支持する支柱18の間隔を拡大する必要があり、外球2のネック部2cの内径の制限もあり、この提案のみでは黒化現象の問題を解決することは困難であるとの結論に達した。
(2) 発光管6に、ヨウ化セリウム(CeI3)を封入する。ヨウ化セリウムは、アークを細くする作用があり、これによりアークと発光管の内壁との接触を減少せしめ、発光管の温度上昇を抑制する。しかし、アークが細くなると、ランプ照度が低下する欠点もあり、この提案のみでは黒化現象の問題を解決することは困難であるとの結論に達した。
(3) 発光管の壁面負荷を下げることも検討した。しかし、壁面負荷を下げると必然的に最冷部温度が下がり、最冷部温度に左右されるランプ効率が低下する欠点もあり、この提案のみでは高い発光効率を維持しつつ黒化現象の問題を解決することは困難であるとの結論に達した。
(4) 発光管が発する光線が、発光管を通過する際に、散乱現象により発光管内部に戻ることなく、可能な限り発光管外部へ放射するようにして、発光管の温度上昇を抑制する。この提案に沿って、以下のような対策を行った。
(1) 内管8の管径を太くして、内部に位置する発光管6の周囲のガス流の流れを多くする。しかし、この提案は、内管8を支持する支柱18の間隔を拡大する必要があり、外球2のネック部2cの内径の制限もあり、この提案のみでは黒化現象の問題を解決することは困難であるとの結論に達した。
(2) 発光管6に、ヨウ化セリウム(CeI3)を封入する。ヨウ化セリウムは、アークを細くする作用があり、これによりアークと発光管の内壁との接触を減少せしめ、発光管の温度上昇を抑制する。しかし、アークが細くなると、ランプ照度が低下する欠点もあり、この提案のみでは黒化現象の問題を解決することは困難であるとの結論に達した。
(3) 発光管の壁面負荷を下げることも検討した。しかし、壁面負荷を下げると必然的に最冷部温度が下がり、最冷部温度に左右されるランプ効率が低下する欠点もあり、この提案のみでは高い発光効率を維持しつつ黒化現象の問題を解決することは困難であるとの結論に達した。
(4) 発光管が発する光線が、発光管を通過する際に、散乱現象により発光管内部に戻ることなく、可能な限り発光管外部へ放射するようにして、発光管の温度上昇を抑制する。この提案に沿って、以下のような対策を行った。
(発光管の温度上昇の抑制策)
発光管が発する光線が、可能な限り発光管外部へ放射するようにするため、最初に、ランプの全光線透過率APを実際の製品のほぼ上限値の96〜99%と規定した。
発光管が発する光線が、可能な限り発光管外部へ放射するようにするため、最初に、ランプの全光線透過率APを実際の製品のほぼ上限値の96〜99%と規定した。
更に、本発明者等は、発光管の直線透過率SRに着目した。全光線透過率APに関しては、アークから一回目に発光管内壁に入射し散乱現象により発光管内部に戻った光線が、二回目以降に発光管内壁に入射し発光管を透過して外部に放射した場合、この光線は、全光線透過率APにはカウントされるが、同時に発光管の温度上昇の原因ともなっている。従って、全光線透過率APだけでは、発光管の温度上昇を抑制するファクターとならない。そこで、発光管内部のアークから発せられた光線が、一回目に発光管内壁に入射し、そのまま散乱せずに、入射光線の方向に向かって放射する光線の割合、即ち、直線透過率SRを制御することにより、発光管の温度上昇を抑制することを試みた。
ここで、図7を参照しながら、発光管の直線透過率の測定方法を簡単に説明する。外光から遮蔽された箱35を用意する。この箱35は、3つの空間に隔壁35−1で分割されている。左側の空間にハロゲン電球36を、中央部の空間に被測定物である発光管管体6dを、右側の空間に照度計38を夫々配置する。左側空間と中央部空間の間の隔壁には所定の小孔d1、中央部空間と右側部空間の間の隔壁には所定の小孔d1が形成されている。発光管管体6dと照度計38の間は、所定の距離Lとする。この状態により、ハロゲン電球36から発せられ、発光管管体6dを透過して照度計38に達する光線の照度を測定している。なお、本出願書類では、「発光管管体の直線透過率」を、簡単に「発光管の直線透過率」と称する。
(発光管の直線透過率と温度上昇の関係)
最初に、発光管の直線透過率SRと発光管の温度との間に相関関係があるか否かの確認実験を行った。図8Aは、直線透過率SRが比較的高い(15.5%)発光管を使ったランプと比較的低い(5.4%)発光管を使ったランプとに対して、定格電力を印加して、熱画像カメラ(サーモグラフィー)を用いて夫々の発光管の熱画像を撮影して、発光管外表面温度を測定した結果である。グラフ縦軸は、左側の発光管の軸方向位置に対応し、グラフ横軸は、熱画像から求めた発光管外表面温度℃である。発光管の黒化現象は、最高温度tmaxの高低が問題となる。
最初に、発光管の直線透過率SRと発光管の温度との間に相関関係があるか否かの確認実験を行った。図8Aは、直線透過率SRが比較的高い(15.5%)発光管を使ったランプと比較的低い(5.4%)発光管を使ったランプとに対して、定格電力を印加して、熱画像カメラ(サーモグラフィー)を用いて夫々の発光管の熱画像を撮影して、発光管外表面温度を測定した結果である。グラフ縦軸は、左側の発光管の軸方向位置に対応し、グラフ横軸は、熱画像から求めた発光管外表面温度℃である。発光管の黒化現象は、最高温度tmaxの高低が問題となる。
図8Aの結果から、直線透過率SRが高い発光管の表面温度は、低い発光管の表面温度に比較して、最高温度tmaxが抑制されることが判明した。この結果より、発光管の直線透過率SRと発光管の温度との間に相関関係があることが判明した。
図8Bは、図8Aのグラフを詳細に書き直したものであり、横軸に発光管の軸線方向の位置、具体的には発光管の軸線方向中心をゼロとし、その中心から距離mmを左右にとり、縦軸に発光管外表面温度℃をとったグラフである。表2は、グラフの元となったデータである。
図8Bは、図8Aのグラフを詳細に書き直したものであり、横軸に発光管の軸線方向の位置、具体的には発光管の軸線方向中心をゼロとし、その中心から距離mmを左右にとり、縦軸に発光管外表面温度℃をとったグラフである。表2は、グラフの元となったデータである。
図8B及び表2の結果から、ランプを点灯し発光管の温度が安定した時点(以下、初期値という。)の最高温度tmaxは、直線透過率SR=5.4%では1,085℃に対し、SR=15.5%では1,033℃であり、52℃の差があった。
図9は、図8Bのグラフと同様の高ワットランプの初期値データと、比較例として中ワット(360W)のランプの初期値データを実線示し、更に、直線透過率SR=5.4%の発光管のランプの500時間点灯後のデータを破線で示したグラフである。表3は、グラフの元となったデータである。
中ワット(360W)のランプでは、発光管外表面温度の初期値の最高温度tmaxは、898℃であり、グラフに示していないが、10,000時間経過後の最高温度tmaxも殆ど変化は見られず、発光管の黒化現象も発生していない。
SR=15.5%の発光管のランプの発光管外表面温度の初期値の最高温度tmaxは、1,005℃であり、グラフに示していないが、10,000時間経過後の最高温度tmaxも殆ど変化は見られず、発光管の黒化現象も発生しなかった。
これに対して、直線透過率SR=5.4%の発光管のランプの発光管外表面温度の初期値の最高温度tmaxは、1,064℃と高温であり、500時間経過後には黒化現象が現れ、破線で示すように最高温度tmaxは、1,309℃に達していた。発光管を形成するPCAの使用限界温度は、1,230℃程度と言われており、これを超す温度であった。
(直線透過率SRとランプ効率ηの関係)
図9のグラフの結果より、直線透過率SR=5.4〜15.5%の間で、黒化現象が発生しない臨界点を特定する必要がある。そこで、発明者等が着目したのは、直線透過率SRとランプ効率η[lm/W]との関係である。直線透過率SRが高い発光管のランプに比較して、SRが低い発光管のランプは、相対的に早く黒化現象が現れ、その結果、ランプ効率ηが早く低下することが予想された。
図9のグラフの結果より、直線透過率SR=5.4〜15.5%の間で、黒化現象が発生しない臨界点を特定する必要がある。そこで、発明者等が着目したのは、直線透過率SRとランプ効率η[lm/W]との関係である。直線透過率SRが高い発光管のランプに比較して、SRが低い発光管のランプは、相対的に早く黒化現象が現れ、その結果、ランプ効率ηが早く低下することが予想された。
図10は、横軸に発光管の直線透過率SR%をとり、縦軸に100時間経過後のランプ効率η[lm/W]をとったグラフである。図10より、直線透過率SRが低くなるにつれ、ランプ効率ηも低下することが判明した。グラフ中の目標値は、本発明者等が定めた数値であり、具体的には100[lm/W]である。図10の結果より、直線透過率が10%≦SRであれば、目標値を実現できることが判明した。
最後に、直線透過率SRが10%に近いSR=8.4%の発光管のランプ及びSR=11.2%の発光管の2種類のランプに関して、点灯500時間経過後の発光管外表面温度の変化を調べたが、殆ど変化は無かった。また、発光管に黒化現象は見られなかった。ここで、SR=8.4〜11.2%の発光管のランプでは、黒化現象が発生しないことが分かった。従って、直線透過率SRが10%以上であれば、目標値を実現でき、且つ黒化現象が発生しないことが判明した。SR=11.2%以上に関しては、図10に示すように直線透過率SRが高くなるとランプ効率ηも高くなる傾向にあり、図9に示すように直線透過率SRが高くなると発光管温度が低下する傾向にあるので、目標値を実現でき、且つ黒化現象が発生しないランプが実現できる。
発光管を製作する際、直線透過率SRを所望の値にすることは、既に確立された技術である。一般に、発光管を形成するPCA(透光性セラミックス)のアルミナの粒径が大きいと、直線透過率SRは高くなる傾向にある。更に、単結晶に近くなると、更に直線透過率SRは高くなる。実際、直線透過率SR=70〜90%の発光管も製作可能である。粒径の大小の制御は、主原料セラミックスに混入する添加剤、焼成温度、焼成時間等により行われる。
しかし、発光管の粒径が大きくなり、或いは単結晶になると、発光管は機械的強度が脆弱となり、またコストも高価になる。メタルハライドランプの発光管は、点灯時に内部が高温・高圧になるため、機械的強度が脆弱な発光管は、メタルハライドランプには適さない。メタルハライドランプには、多結晶の機械的強度が強い発光管が必要となる。この機械的強度を確保する観点から、直線透過率SRの上限は、30%以下であること必要である。更に、発光管の機械的強度及びコストの観点からは、20%以下が好ましい。
従って、メタルハライドランプに適した発光管は、光線透過率APが96〜99%の範囲内にあり、且つ直線透過率SRが10〜30%の範囲内にあること必要である。更に、直線透過率SRが10〜20%の範囲内にあることが好ましい。
[まとめ]
以上、本発明に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されない。当業者がように成し得る本実施形態に対する追加・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
以上、本発明に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されない。当業者がように成し得る本実施形態に対する追加・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
2:外球、 2a:中央部、 2b:トップ部、 2c:ネック部、 6:発光管,放電管、 6a:太管部,発光部、 6b,6c:細管部、 6d:発光管管体 8:内管,スリーブ、 10:メタルハライドランプ,ランプ、 12:E形口金、 14:マウント、 16:ステム管、 18:支柱、 20:ワイヤ、 22:リード線、 24:タングステン電極棒,主電極、 26:サーメット、 28:ガラスフリット、 30:金属コイル棒,モリブデンコイル棒、 30−1:金属製棒状体,モリブデン棒状体、 30−2:金属製コイル,モリブデン製コイル、 32:ニオブ製ストッパ部材、 34:セラミックス製リング部材、 35:箱、 35−1,35−2:隔壁、 36:ハロゲン電球、 38:照度計、
AP:全光線透過率、 SR:直線透過率、 CA:細管部内部空間、 CB:境界、 CB:境界、 SA:封止領域、 NSA:非封止領域、
AP:全光線透過率、 SR:直線透過率、 CA:細管部内部空間、 CB:境界、 CB:境界、 SA:封止領域、 NSA:非封止領域、
Claims (6)
- 高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプにおいて、
少なくとも水銀及び金属ハロゲン化物が封入された発光管を備え、
前記発光管は、太管部及び該太管部の両端に形成された一対の細管部を有し、各々の該細管部の内部には電流導入体が通されており、
前記細管部の内径L6に対する電流導入体の外径L14は、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲にあり、
前記細管部と前記電流導入体の間は、封止領域と非封止領域に分けられ、非封止領域の空隙GAは、5.0mm3≦GA≦17.5mm3の範囲にあり、
ランプの全光線透過率は、96〜99%の範囲内にあり、
前記発光管の直線透過率は、10%以上である、セラミックメタルハライドランプ。 - 請求項1に記載の高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプにおいて、
前記メタルハライドランプは、定格ランプ電力が500〜1000Wの範囲にある、セラミックメタルハライドランプ。 - 請求項1又は2に記載の高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプにおいて、
前記電流導入体は、金属製の棒状体の周囲に金属製コイルが巻き付けられた金属コイル棒である、セラミックメタルハライドランプ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプにおいて、
前記細管部の内径は、2〜3mmの範囲にある、セラミックメタルハライドランプ。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプにおいて、
前記発光管に封入された水銀は最大100mgであり、希土類金属ハロゲン化物は最大12mgである、セラミックメタルハライドランプ。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプにおいて、
前記発光管の直線透過率は、10〜30%の範囲内にある、セラミックメタルハライドランプ。
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- 2012-11-13 JP JP2012249767A patent/JP2014099300A/ja active Pending
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