JP2008053237A - メタルハライドランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率な高輝度メタルハライドランプを提供する。
【解決手段】放電空間を内部に有する放電チャンバであって、電極が放電空間内に配置され、電極は互いに距離Lの間隔で配置され、平均内径はDに等しく、LおよびDは選択された比を有する放電チャンバを有するメタルハライドランプ。このチャンバ中に与えられたイオン化材料は、希ガス、1つ以上のメタルハライド、および水銀を含み、イオン化材料の量は、ランプ動作中に電極間に相対的に低い最大電圧降下が生じるのに十分なほど小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、メタルハライドランプに関する。
屋内および屋外の照明のために使用される省エネルギー照明システムの需要は増加の一途をたどっており、一般の照明アプリケーションのためにランプ効率の良いランプが開発されている。例えば、メタルハライドランプは屋内および屋外の照明のためにますます広範囲に使用されている。このようなランプは周知であり、内部に分離された一対の電極が配置された光透過型の放電チャンバと、通常はさらに不活性始動ガス、および1つ以上のイオン化金属またはハロゲン化金属またはその両方を特定のモル比で含む。これらのランプは比較的低電力であり、通常の120ボルト実効値電圧の標準の交流電流照明ソケットに差し込んで使用し、安定器回路で(磁気的にまたは電気的に)始動電圧を与え、その後の動作中の電流を制限する。
これらのランプは、典型的には、電極間の十分な電圧降下または電圧負荷を実現するための所定量のCeIおよびNaI、(またはPrIおよびNaI)、T1Iなどのメタルハライドおよび水銀と、さらに不活性イオン化始動ガスを通常含むセラミック材料からなる放電チャンバを有する。そのようなランプは、250Wで145LPWという高い効率を有し、演色評価数(CRI)が60より大きく、相関色温度(CCT)が250Wで3000K〜6000Kである。
当然ながら、より効率的なランプを使用することによってさらに発光の際の電気エネルギーを節約するために、さらにより高いランプ効率を有するメタルハライドランプが求められる。ランプの効率は、放電チャンバの形状に影響される。放電チャンバ中の電極間距離とチャンバの直径との比が非常に小さい場合(例えば、4未満)、アークと放電チャンバの壁との間にNaが相対的に豊富に存在すると、生成された放射光がそのNaによって多く吸収される。なぜなら、Naの吸収線は可視光のピーク値に近いからである。また、この比が5未満の場合、ランプの長さ方向を水平にしてランプを動作させると、放電チャンバ中に生じたアークは、気化されたイオン化材料の浮力によって実質的に上向きに曲がる。このようにアークが上向きに曲がると、アークは曲げのピーク近くで放電チャンバの壁により接近するので、そのような近傍において放電チャンバの温度が上がる。この温度上昇によって、放電チャンバ中の気化されたイオン化材料のうちのいくつかと放電チャンバの壁の温度が上昇した部分との反応が促進される。これにより、最悪の場合、壁の気密性が失われるので、水平にして動作させたランプの動作寿命が低下する。
一方、放電チャンバ中の電極間距離と放電チャンバの直径との比が非常に大きい場合(例えば、5より大きい)、放電チャンバ中のアーク放電を開始するのは困難である。なぜなら、電極間に相対的に大きなブレイクダウン距離があるからである。さらに、そのようなランプは、長軸方向を垂直にして動作させた場合に、動作性能が相対的に低く、重度の色分離が生じる。なぜなら、ランプの各封入物は、異なる浮力を有するので、アーク長に対してかなりの程度で互いに分離し、効率が低下するからである。
放電チャンバ中の水銀または始動ガスのいずれかの圧力を増加させることは、色分離および効率には有利な効果を有するが、好ましくない点がある。通常、これらの効果を得るためには、始動ガスの圧力を増加させるだけでは不十分であり、水銀圧力を増加させると
、電極間に高い動作電圧を生成することが必要となり、また実質的に放電アークが曲がり、アークが放電チャンバの壁により接近するので、ランプの動作持続期間が短くなる。したがって、効率がより高く、かつ色性能のより良好なメタルハライドランプが求められる。
本発明は、選択された照明器具において使用されるメタルハライドランプを提供する。このメタルハライドランプは、放電空間を内部に有する所定形状の可視光透過壁を有する放電チャンバを備える。この壁を通って、一対の電極が放電空間に配置される。一対の電極は互いに距離Lの間隔で配置される。放電空間の周りの壁はDに等しい平均内径をLにわたって有する。LとDは、L/D≦5、さらには4<L/D≦5の関係を有する。放電チャンバの放電空間にイオン化材料(希ガス、セリウムハライドまたはナトリウムハライドまたはその両方、および水銀)が存在する。その量は、ランプの電力消費の選択値において、ランプ動作中に電極間に110V rms未満の電圧降下が生じるのに十分なほど小さい。
図1は、メタルハライドランプ10の側面図である。メタルハライドランプ10は、従来のエジソン型口金12にはめ込まれたバルブ状の透明なホウケイ酸塩ガラスエンベロープ11を有する。ニッケルまたは軟鋼のリードインアクセスワイヤ14および15はそれぞれ、口金12中の2つの電気的に絶縁された電極メタル部分のうちの対応する1つから平行に延び、口金12の所定位置にあるホウケイ酸塩ガラスフレア16を通り、さらに、エンベロープ11の主長軸(以下、エンベロープ長軸と記す)に沿ってエンベロープ11の内部に延びる。アクセスワイヤ14および15は、最初は、フレア16を通るエンベロープ長軸の左右に平行に延び、その部分がさらにエンベロープ11内部に配置され、アクセスワイヤ15は何回か曲がった後に、エンベロープ11の反対端のホウケイ酸塩ガラスディンプル16’中に延びる。アクセスワイヤ14には、エンベロープ11の内部における第2部分が設けられる。この第2部分は、エンベロープ長軸に平行な第1部分に対して所定の角度で延びる。この第2部分は、エンベロープ長軸に若干交差した後に終端が来るように第1部分に対してそのような角度で溶接される。
エンベロープ11の内部におけるアクセスワイヤ15の所定の残部は、エンベロープ長軸に平行なその初期方向から所定の鈍角だけ曲げられる。フレア16を通った第1の曲げを有するアクセスワイヤ15は、エンベロープ長軸から離れた方向を向き、その後再度曲げられ、エンベロープ長軸に実質的に平行に延びる次の部分を有し、されにその後直角に曲げられ、それに続く部分は、エンベロープ長軸に実質的に垂直に延び、口金12のはめ込まれた端部とは反対のエンベロープ11の端部の近くでエンベロープ長軸と若干交差する。エンベロープ長軸に平行に続くワイヤ15の部分は、ガス不純物を捕捉する従来のゲッタ19を支持する。さらに3つの直角の曲げが、ワイヤ15に沿って与えられ、エンベロープ長軸と交差する上記部分より下かつ平行となるようにワイヤの短い残りの部分を設置する。この短い端部は、最終的に、口金12からみたエンベロープ11の遠位端でガラスディンプル16’につなぎ留められる。
可視光に対して透明な多結晶アルミナ壁を有するシェル構造としての内包領域の周囲に構成されたセラミックを含む放電チャンバ20を、種々の可能な幾何学的構成のうちの1つとして図1に示す。あるいは、放電チャンバ20の壁は、窒化アルミニウム、イットリア(Y)、サファイア(Al)、またはそのいくつかの組合せから形成される。放電チャンバ20は、エンベロープ11の内部に配置される。エンベロープ11の内部を真空にして放電チャンバ20からエンベロープ11に伝達される熱を低減させるか、またはより低い温度で放電チャンバ20を動作することが望ましい場合、300トールよ
り大きな圧力の窒素などの不活性ガス雰囲気を与えて熱伝達性を増加させる。放電チャンバ20内に含まれる領域は、ランプ動作中に光を発するメタルハライドおよび水銀などの種々のイオン化材料、および希ガスのアルゴン(Ar)、キセノン(Xe)またはネオン(Ne)などの始動ガスを含む。
放電チャンバ20のためのこの構造において、図2の断面図を見ればよく分かるように、一対の多結晶アルミナの相対的に小さな内径および外径の円筒台シェル部(すなわち、細管21aおよび21b)はそれぞれ、一対の多結晶アルミナ端部封鎖ディスク22aおよび22bのうちの対応する1つを通る中心穴に、同心状に結合されるので、開放通路は各細管21aおよび細管21bならびにそれらに結合された円板の穴を通って延びる。これらの端部封鎖ディスク22aおよび端部封鎖ディスク22bはそれぞれ、多結晶アルミナチューブ25の対応する端部に結合される。多結晶アルミナチューブ25は、相対的に大きな直径の円筒台シェルであって、その内径がDで示され、ディスクともに、第1放電チャンバを提供するように封入領域の周りに配置される。放電チャンバ20における封入空間の全長は、細管21aおよび細管21bと封鎖端部ディスク22aおよび22bの対応の1つとの接合の間のわたる。放電チャンバ20の多結晶アルミナチューブ25の長さは、上記接合の間であって封鎖端部ディスク22aおよび22bのそれぞれとの間にわたる。放電チャンバ20のこれら種々の部分は、アルミナ粉を所望の形状に成形し、その後、得られた成形体を焼結してプレフォーム部分を生成し、焼結によって種々のプレフォーム部分をまとめて結合し、ガスの流れを通さない壁を有する所望の寸法のプレフォーム単体を生成する。
ニオブのチャンバ電極相互接続ワイヤ26a(以下、ワイヤ26aと記す)は、細管21aから延びて、アクセスワイヤ14に達し、溶接で取り付けられ、その端部はエンベロープ長軸に交差する。ニオブのチャンバ電極相互接続ワイヤ26b(以下、ワイヤ26bと記す)は、細管21bから延びて、アクセスワイヤ15に達し、溶接で取り付けられ、その部分は上述したようにエンベロープ長軸に交差する。この構成によって、放電チャンバ20は、アクセスワイヤ14および15のそれらの部分の間に位置付けられ、かつ支持されるので、その長寸法軸がエンベロープ長軸にほぼ一致し、さらに電力がアクセスワイヤ14および15を介して放電チャンバ20に供給される。
図2は、図1および2の構造25、ディスク22aおよび22b、ならびに細管21aおよび21bによって提供される放電チャンバ20の閉じ込め壁内に含まれる放電空間を示す。ワイヤ26aの熱膨張特性は、細管21a、およびワイヤ26aを細管21aの内面へ付着させるガラスフリット27a(さらにワイヤ26aが通る相互接続ワイヤ開口を密閉する)の熱膨張特性とかなりよく一致するが、動作中の放電チャンバ20の主容積中のプラズマの形成によって生じる化学侵食に耐えることができない。したがって、プラズマ中の動作に耐えることができるモリブデン導出ワイヤ29aが、溶接によってワイヤ26aの一端に接続され、モリブデン導出ワイヤ29aの他端は溶接によってタングステン主電極シャフト31aの一端に接続される。
加えて、タングステン電極コイル32aは、溶接によって第1主電極シャフト31aの他端に一体化装着されるので、電極33aは、主電極シャフト31aおよび電極コイル32aによって構成される。電極33aは、電子の良好な熱放射のためにタングステンから形成されるとともに、メタルハライドプラズマの化学侵食に相対的によく耐える。導出ワイヤ29aは、細管21aからモリブデンコイル34a分だけ間隔を開けられ、放電チャンバ20の主容積中に含まれる空間における所定位置に電極33aを配置するように機能する。ワイヤ26aの典型的な直径は、0.9mmであり、かつ電極シャフト31aの典型的な直径は、0.5mmである。
同様に、図2において、ワイヤ26bは、ガラスフリット27bによって細管21bの内面に付着される(さらにワイヤ26bが通る相互接続ワイヤ開口を密閉する)。モリブデン導出ワイヤ29bは、溶接によってワイヤ26bの一端に接続される。導出ワイヤ29bの他端は、溶接によってタングステン主電極シャフト31bの一端に接続される。タングステン電極コイル32bは、溶接によって第1主電極シャフト31bの他端の先端に一体化装着されるので、電極33bは、主電極シャフト31bおよび電極コイル32bによって構成される。導出ワイヤ29bは、細管21bからモリブデンコイル34b分だけ間隔を開けられ、放電チャンバ20の主容積中に含まれる空間における所定位置に電極33bを配置するように機能する。ワイヤ26bの典型的な直径はまた、0.9mmであり、かつ電極シャフト31bの典型的な直径はまた、0.5mmである。電極33aと33bとの距離はLと表す。
上記のように、メタルハライドランプ10の長手方向が動作中に垂直状態となる場合、放電チャンバ20内の各封入物のすべてまたはほとんどすべては、放電チャンバ20の低い方の端部において、および低い方の細管(細管21aおよび21bのいずれかであり得る)中で凝縮する。場合によっては、放電チャンバ20内の各封入物のいくつかはまた、高い方の細管中に存在する。放電チャンバ20がかなり長くかつ狭い場合(L/D>5)、放電チャンバ20内の各封入物の異なる浮力はそれらの封入物を放電チャンバ20の異なる高さに到達させ、それらの封入物は放電チャンバ20の低い方の端部から高い方の端部へ滑らかに循環しない。
そのような場合、放電チャンバ20の低い方の端部および細管21aおよび21bの低い方の端部における気化した各封入物のすべてが放電チャンバ20の高い方の端部に到達するわけではない。そのため、放電チャンバ20の高い方の端部と低い方の端部との間の距離にわたって放電チャンバ20における各封入物のいくつかの実際の蒸気圧は、放電チャンバ20の低い方の端部へ向かってその蒸気圧はより低くなる。結果として、放電チャンバ20における色分離は、放電チャンバ長にわたる各封入物の分離にしたがって生じる。これはまた、水平状態のランプの動作中に生じる効率よりも効率をさらにずっと低くする。さらに、放電チャンバ20は、比L/D≦4を有するように、より偏球となるように形成される場合、放電アークからの放射のナトリウムによる吸収は上昇し、水平および垂直状態の両方におけるランプのランプ動作中のランプ効率を低下させる。その結果、ランプ10は、その電極間距離および第1チャンバ壁直径が4<L/D≦5を満たす比関係を維持するように選択された放電チャンバ20を有するように構成され、これにより垂直状態または水平状態のいずれにおいてもランプ10の動作中の高効率を達成する。
また上記のように、L/D≦5となるような電極間距離対放電チャンバ直径(電極間における放電チャンバの直径の平均値)の比を有する放電チャンバ20を有し、ランプの長さが水平方向に延びるようにして動作されるランプは、放電チャンバ20中に生成された放電アークが放電チャンバ20内の各封入物の浮力によって上方へ曲げられるのが観察される。そのようなアーク曲げは、上記のように、曲がったアークの曲げピーク部分が接近する放電チャンバ20の壁の温度を上昇させ、これにより、これらの封入物の少なくともいくつかとそれら壁との間の反応は加速されるので、壁の気密性に著しく影響する。
最も良いランプ効率を達成しようと電極間距離および放電チャンバ20の直径を上記のように4<L/D≦5を満たすように選択すると、いくつかの放電チャンバ20の壁の温度上昇は特に深刻になる。この深刻となるのは、この範囲より上のチャンバ構成において、すなわち、電極間距離対放電チャンバ20の直径比がL/D>5である場合に、放電チャンバ20の中央長軸に沿った放電アークの位置は、アーク位置がその軸から離れるほどより安定になる傾向があり、残りのアーク曲げは中程度の大きさである。この範囲の他端より低いところ(L/D≦4)で、放電アークから放電チャンバ20の壁までの距
離は、アーク曲げが深刻な場合でさえ放電チャンバ20の最も近い壁位置における過度の温度上昇を避けるのに常に十分である。
この点において、図3のグラフに示すように、放電チャンバ20中の放電アークのそのような曲げが動作中の放電チャンバ20中の水銀蒸気圧に実質的に相関するのが分かる。その圧力は、製造時に放電チャンバ20中に導入される水銀の量によって本質的に設定される。また、上記曲げは、図4のグラフに示されるように、イオン化開始(すなわちバッファ)ガスのチャンバ圧力と実質的に相関するのが分かる。その圧力もまた製造時に設定される。図3は、電極間の距離にわたって2つの放電チャンバ20の壁の上のラインに沿った温度プロフィールの例を図示する。ラインは、これらの電極33a、33bを通るこれらの放電チャンバ20の長軸と平行であり、これらの電極33a、33bは、これらの長軸を水平状態にして動作する対応ランプ中に存在し、入力される電力は同じであり、対応の放電チャンバ20中の異なる水銀量は、グラフ上に示される水銀量によって示される。詳細には、これら2つのランプにおける放電チャンバ20はそれぞれL/D=4.1(放電アークの長さは28.9mm)を有し、またそれぞれは、33.6W/cmの壁負荷(250Wの電力で動作する場合)を有する。放電チャンバ20内の封入物は、全量15.4mgのメタルハライドNaI、CeIおよびT1I(モル比1:19.7:0.56)ならびにXe(圧力200トール)である。
図4はまた、電極33a、33b間の距離にわたって2つの放電チャンバ20の壁の上のラインに沿った温度プロフィールの例を図示する。ラインは、これらの電極33a、33bを通るこれらの放電チャンバ20の長軸と平行であり、これらの電極33a、33bは、これらの長軸を水平状態にして同じ入力電力で動作する対応ランプ中に存在する。ここで対応の放電チャンバ20中の異なるバッファXeガス圧力をグラフ上に示されるXeガス圧力によって示す。ここでも、これら2つのランプにおける放電チャンバ20はそれぞれL/D=4.1(放電アークの長さは28.9mm)を有し、またそれぞれは、33.6W/cmの壁負荷(250Wの電力で動作する場合)を有する。しかし、ここでの放電チャンバ20内の封入物は、全量15.0mgのメタルハライドNaIおよびCeI(モル比1:10.5)ならびにHg(4.6mg量)である。したがって、放電チャンバ20の壁の温度と放電チャンバ20中の水銀およびキセノンの量との間のこれらの関係は、製造時に放電チャンバ20中に十分に少量の各封入物を封入し、放電チャンバ20中の水銀蒸気圧を低減するか、放電チャンバ20中のバッファガス圧力を低減するか、またはその両方によって、動作中の放電チャンバ20における放電アークの曲げを中程度にして、水平ランプ動作中の低減された放電チャンバ20の壁の温度のグラフに示す結果を得る。
放電チャンバ20中の水銀および始動ガスが存在することで、ランプ動作中に電極33a、33b間の電圧降下または負荷が生じる。したがって、少量の水銀または始動ガス(上記実施例ではXe)の使用を選択することによって、ランプ動作中の電極33a、33b間の電圧降下が低減する。したがって、そのような量の適切な選択は、現在使用される高圧ナトリウムランプを超える利点を提供するように、120〜140LPWの効率および50〜70のCRI値を有することが所望される屋外照明用のランプを考慮して、ランプ効率(1ワット当たりのルーメン)、ランプ演色評価数(CRI)および電極33a、33b間のランプの動作電圧の間の関係から見いだされ得る。
図5および6のグラフに示すように、ランプ効率、ランプCRIおよびランプ動作電圧の間に逆関係が存在する。許容できる色合いを有する許容できる白色光源のために、上記のようなランプCRIは、50〜70の範囲内にある必要がある。図6は、ランプCRIとランプ動作電圧との間の関係を示す。図6から分かるように、放電チャンバ20内の封入物の水銀および始動ガスの量の選択、放電チャンバ20の形状などによって、100V
より下で動作中のランプの電極33a、33b間の電圧降下を維持することで、50〜70のランプCRIの維持が可能となる。しかし、ランプ効率とランプCRIとの間の関係を示す図5から、そのようなランプCRIで動作するランプは、120〜140LPWの範囲の十分に大きな効率を有し、高圧ナトリウムランプに匹敵する。
上記のように、ランプ動作電圧を相対的に低く維持することは、放電アークの曲げが小さくて放電チャンバ20の動作が相対的に安全であることと相関する。なぜなら、ランプ水平動作中に放電チャンバ20の壁の上の温度が低減するからである。そうでなければ、そのような温度は、セラミックを含む放電チャンバ20の壁のクラック、または非常に高い温度でのセラミックチャンバ壁との化学反応による何か他の大きな故障をしばしば招く。確認データを図7および8のグラフに示す。ここで、放電チャンバ20の最大壁温度は、第1例の半球形状の端部および第2例の先細り端部を有する2つの異なる形状の放電チャンバ20(アークチューブまたはA/T)のランプ動作電圧に対してプロットされる。両方の例において、ランプ動作電圧を110Vより低く維持することは、最大壁温度を約1250℃未満にする。これにより、ランプおよびその放電チャンバ20が相対的に安全に動作する。
上記のランプ構成を例示するいくつかの実施例を以下に説明する。
この実施例のランプのそれぞれは、電極33a、33b間距離と第1チャンバの直径との比がL/D=4.8(放電アークは24mm長、放電チャンバ20はランプに150W電力を消費させる動作をさせた場合に33.2W/cm壁負荷を有する)を有する放電チャンバ20を有する。各対応の放電チャンバ20内の封入物は、全量15mgのメタルハライドNaIおよびCeI(モル比CeI:NaI=1:10.5)、さらに周囲温度25℃で200トールに等しいチャンバ圧力を与えるのに十分な2.2mgのHgおよびXeを含む。
表1は、これらのランプの1つをその長軸を水平状態にして動作させ、他方を長軸を垂直状態にして動作させた場合のランプの性能の測光結果を示す。ルーメン単位の値を与える列は、ランプ光束を示す。1ワット当たりのルーメン(LPW)の単位の値を与える列はランプ効率を示す。ケルビン単位の値を与える列は、ランプ相関色温度(CCT)を示す。次元のない数値エントリを与えるその次の列は、ランプ演色評価数(CRI)を示す。Duv単位の値を与える最後の列は、同じ温度の黒体の黒体放射からのランプ放射色偏差を示す。
Figure 2008053237
この実施例のランプのそれぞれは、電極33a、33b間距離と第1チャンバの直径との比がL/D=4.1(放電アークは28.9mm長、放電チャンバ20はランプに250W電力を消費させる動作をさせた場合に33.6W/cm壁負荷を有する)を有する放電チャンバ20を有する。各対応の放電チャンバ20内の封入物は、全量15mgのメタルハライドNaIおよびCeI(モル比CeI:NaI=1:10.5)、さらに周囲温度25℃で200トールに等しいチャンバ圧力を与えるのに十分な3.5mgの
HgおよびXeを含む。
表2は、これらのランプの1つをその長軸を水平状態にして動作させ、他方を長軸を垂直状態にして動作させた場合のランプの性能の測光結果を示す。
Figure 2008053237
この実施例のランプのそれぞれは、電極33a、33b間距離と第1チャンバの直径との比がL/D=4.1(放電アークは28.9mm長、放電チャンバ20はランプに250W電力を消費させる動作をさせた場合に33.6W/cm壁負荷を有する)を有する放電チャンバ20を有する。各対応の放電チャンバ20内の封入物は、全量15.4mgのメタルハライドNaI、CeIおよびT1I(モル比CeI:NaI:T1I=1:19.7:0.56)、さらに周囲温度25℃で200トールに等しいチャンバ圧力を与えるのに十分な#5の5.1mgのHgおよび#6の3.2mgのHgおよびXeを含む。
表3は、これらのランプの両方をその長軸を水平状態にして動作させた場合のランプの性能の測光結果を示す。さらに2つの列のデータを含む。ボルト単位の値を与える列は、動作中のランプの電圧降下を示す。摂氏温度単位の列は、動作中の放電チャンバ壁上の最大到達温度を示す。この実施例のランプに対するデータは図3のグラフの基礎となる。
Figure 2008053237
この実施例のランプは、電極33a、33b間距離と第1チャンバの直径との比がL/D=4.8(放電アークは25.0mm長、放電チャンバ20はランプに150W電力を消費させる動作をさせた場合に33.5W/cm壁負荷を有する)を有する放電チャンバ20を有する。放電チャンバ20内の封入物は、全量15mgのメタルハライドNaIおよびCeI(モル比CeI:NaI=1:19.7)、さらに周囲温度25℃で200トールに等しいチャンバ圧力を与えるのに十分な1.7mgのHgおよびXeを含む。
表4は、このランプをその長軸を水平状態にして動作させた場合のランプの性能の測光結果を示す。
Figure 2008053237
この実施例のランプは、電極33a、33b間距離と第1チャンバの直径との比がL/D=4.8(放電アークは24.0mm長、放電チャンバ20はランプに150W電力を消費させる動作をさせた場合に31.3W/cm壁負荷を有する)を有する放電チャンバ20を有する。放電チャンバ20内の封入物は、全量15mgのメタルハライドNaIおよびCeI(モル比CeI:NaI=1:10.5)、さらに周囲温度25℃で200トールに等しいチャンバ圧力を与えるのに十分な1.7mgのHgおよびXeを含む。
表5は、このランプをその長軸を水平状態にして動作させた場合のランプの性能の測光結果を示す。
Figure 2008053237
このように、本発明のランプは、チャンバ20に相対的に少量の水銀および少量のキセノンをバッファガスとして含み、公称電力を消費する動作中のランプの電圧降下が相対的に小さく(すなわち、Vlamp≦110V rms)なる。その結果、ランプ10を長軸を水平にして動作させた場合の放電アークの曲げは中程度になる。したがって、ランプ10は、長い動作寿命および高い信頼性の両方を有する。
本発明は好ましい実施形態を参照して記載されたが、本発明の意図および範囲を逸脱せずに形態および詳細を変更し得ることを当業者は理解する。
本発明の、選択された構成のセラミックを含む放電チャンバを内部に有するメタルハライドランプの一部断面を示す側面図である。 図1の放電チャンバの断面拡大図である。 選択された条件下でのランプ動作中における放電チャンバ中の位置の壁温度のグラフである。 他の選択された条件下でのランプ動作中における放電チャンバ中の位置の壁温度のグラフである。 選択されたランプパラメータを互いに対してプロットしたグラフである。 選択されたランプパラメータを互いに対してプロットしたグラフである。 放電チャンバの壁温度を選択されたランプパラメータに対してプロットしたグラフである。 別の放電チャンバの壁温度を選択されたランプパラメータに対してプロットしたグラフである。

Claims (6)

  1. 放電空間を内部に有する放電チャンバであって、一対の電極が該放電空間内に配置されている放電チャンバと、
    該放電チャンバ内に封入される希ガスとナトリウムハライドとセリウムハライドと水銀とを含むイオン化材料であって、ランプ動作中に該一対の電極間に110V rms未満の電圧降下を生じさせる量のイオン化材料と
    を備え、
    該一対の電極間の距離をLとし、該一対の電極間における該放電チャンバの直径の平均値をDとするとき、4<L/D≦5が成立する、メタルハライドランプ。
  2. 放電空間を内部に有する放電チャンバであって、一対の電極が該放電空間内に配置されている放電チャンバと、
    該放電チャンバ内に封入される希ガスとセリウムハライドと水銀とを含むイオン化材料であって、ランプ動作中に該一対の電極間に110V rms未満の電圧降下を生じさせる量のイオン化材料と
    を備え、
    該一対の電極間の距離をLとし、該一対の電極間における該放電チャンバの直径の平均値をDとするとき、L/D≦5が成立する、メタルハライドランプ。
  3. ランプ動作中の前記一対の電極間の電圧降下は50V rmsを超える、請求項1または請求項2に記載のメタルハライドランプ。
  4. 前記放電チャンバの壁にかかる負荷は、30〜70W/cmである、請求項1または請求項2に記載のメタルハライドランプ。
  5. 前記イオン化材料は、ナトリウムハライドをさらに含む、請求項2に記載のメタルハライドランプ。
  6. ランプ動作中の前記一対の電極間の電圧降下は50〜100V rmsである、請求項3に記載のメタルハライドランプ。
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