JP2014098176A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼結原料の粒度を偏析させて生産性の向上を図る方法において、従来技術よりも生産性を向上させる。
【解決手段】ドワイトロイド式焼結きのパレット上に、原料層を下層と表層に分けて形成し、焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、(i)下層の原料の平均粒子径を、表層の原料の平均粒子径よりも大きくし、(ii)上記表層が、少なくとも、原料層の表面から表面下25mmまでの層を含み、かつ、(iii)上記下層の原料の平均粒子径が3.0mm以上であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
【選択図】図8

Description

本発明は、鉄鋼製造プロセスで使用する主要な鉄鉱石原料である焼結鉱の製造方法、特に、生産性の高い焼結鉱の製造方法に関するものである。
焼結鉱の一般的な生産方法である、ドワイトロイド式焼結機による焼結鉱の製造方法において、生産性を高めるためには、焼成速度や歩留を向上させることが必要である。焼成速度を向上させるためには、焼成反応を進めるための燃焼による発熱速度を増加させることが必要である。
そのためには、焼結ベッドに供給する酸素の量を増加することが重要で、焼結ベッドの通気性を良くして、焼結速度を上げる方法が提案されている。例えば、8〜15mmの小塊鉱石,スラグ等を適当量配合する方法(特許文献1、参照)、原料鉱石類に糖蜜を添加して造粒を十分に進める方法(特許文献2、参照)等が提案されている。
歩留を向上させるためには、焼結鉱の品質の均一性を向上させることが必要である。通常、ドワイトロイド式焼結機においては、焼結ベッドの深さ方向で、焼結鉱の品質がばらつくので、その“ばらつき”を低減して、焼結強度を高め、歩留の向上を図る方法が提案されている。
例えば、パレット表層に溶融性の高い鉱石を装入し、下層に溶融性の低い鉱石を装入する方法(特許文献3、参照)、焼結層の通過風量を風速計で測定し、幅方向の風量を均一にする方法(特許文献4、参照)等が提案されている。
また、焼結ベッドの表層は熱量不足になり、歩留が悪いので、それを改善するために、焼結原料層の最表層深さ部分に存在するコークスや無煙炭等の固体可燃物の粒径を小さくし、かつ、平均配合量を調整して、表層の加熱量を増加する方法が提案されている。
例えば、焼結原料層の最表層から30〜50mmまでの深さ部分に存在する固体可燃物の50%以上を、粒径1〜3mmの固体可燃物が占めるように粒度分布を調整するとともに、上記深さ部分に存在する固体可燃物の配合量を、それより深い部分に存在する固体可燃物の平均配合量の1.08〜1.42倍(=表層の固体可燃物濃度÷残りの層の固体可燃物濃度、「偏析指数」と定義する)とするように調整する方法(特許文献5、参照)が提案されている。
特開平01−205038号公報 特開昭58−107428号公報 特開昭62−130229号公報 特開昭61−250120号公報 特開平05−098358号公報
焼結製造の生産性は、歩留と焼成速度の掛け合わせで決定される。従来から、歩留を向上させる試みがなされてきたが、一般に、焼結層の最表層から50〜100mmにおいては歩留が低い。これは、焼結機において、原料層が点火炉を出た後、上方から常温の空気が吸引されて冷却されるので、表層は、鉱石類が溶融して焼結反応するのに必要な最高到達温度が低いことに加え、高温に保持される時間が短いことが理由である。
この課題に対して、特許文献5には、表層のコークスを微細にし、固体可燃物濃度を増加して発熱量を増大して歩留を向上させる方法が提案されている。特許文献5提案の方法は、焼結原料層の最表層から30〜50mmまでの深さ部分に存在する固体可燃物の50%以上を、粒径1〜3mmの固体可燃物が占めるように粒度分布を調整し、固体可燃物濃度の偏析指数を1.08〜1.42とするものである。
偏析指数が1.08以上で歩留が向上し生産性が向上するが、1.42を超えると、焼結速度が低下して、生産性向上効果が低下するので、特許文献5提案の方法では、偏析指数を1.08〜1.42と規定している。固体可燃物濃度は、表層のコークス量を4.05〜5.11質量%の範囲で変化させ、それよりも下層では、コークス量を3.60〜4.05質量%の範囲で変化させている。
固体可燃物濃度を偏析させて歩留を向上させ、生産性を高めようとする従来技術では、表層のコークス量を増加しても、偏析指数が1.42を超えると、通気性が悪化して焼成速度が低下し、生産性は向上しないと考えられていた。そこで、本発明は、焼結原料の粒度を偏析させて生産性の向上を図る方法において、従来技術よりも生産性を向上させることを課題とし、該課題を解決する焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
一般に、焼結における焼成速度は、焼結層内の通気量に大きな影響されるので、焼成速度を上げるためには、通気量を増加することが重要である。ここで、通気量は、焼結層の通気抵抗によって決まる。
図1に、焼結層の焼結機の進行方向における断面を模式的に示す。点火炉6で、焼結層の上層に点火して焼結反応が始まるが、焼結層の下方の排気ブロア8で、上方から空気7を吸引することで、パレットが進行方向9に進むにつれて焼結反応が進行する。
焼結層は、焼結反応の進行の視点から大別して、原料層1、赤熱帯2、及び、焼結完了帯3からなる。また、焼結層は、位置及びコークスの配合割合の視点からは大別して、表層4及び下層5からなる。
焼結層の通気抵抗は、焼結反応の進行の視点から大別される上記3層の通気抵抗の総和である。それぞれの層の厚みは、原料層が点火炉6を出た後の焼結反応の進行とともに変化する。
赤熱帯の厚みは、焼結反応の進行とともに増大する。その理由は、焼結反応に寄与する熱が、通気で、表層から下層に伝わるのに加え、下層に存在するコークスの燃焼熱が加わり、下層は、表層に比べ熱がより蓄積されるからである。そして、赤熱帯は、高温で、融液が多いので、通気抵抗が圧倒的に大きい。
そこで、本発明者らは、赤熱帯厚みが、焼結層内の通気量に強く影響すると考え、焼結層内の通気抵抗が高い領域において、赤熱帯が必要以上に厚くならないようにすることが重要であるとの着想に至った。即ち、本発明者らは、表層及び下層のうち、通気抵抗が高い下層の原料粒子の平均粒子径を大きくすれば、比表面積を小さくし、下層の温度を必要以上に上げずに、下層の赤熱帯の厚みを削減し、通気量の増加を図ることができると発想した。
本発明における原料の粒子径とは、鉱石、コークス、石灰等の副原料を造粒した原料粒子径を指し、平均粒子径は上層と下層の各層に挿入される粒子の平均である。また、平均粒子径は、篩による平均粒子径測定装置等で評価できる。
また、併せて、通気抵抗の高い粒子を上層に置いて、焼成初期の段階で、通気抵抗の高い粒子を焼結させれば、通気抵抗が低い焼結鉱を得ることができると発想した。
そこで、本発明者らは、上記発想に基づいて、下層の平均粒子径を徐々に減少させて焼結する試験を行った。その結果、平均粒子径が、これまで実施していた3.0mmより大きくなると、下層における通気量が大きく増加し、焼成速度が大幅に増加することが判明した。
このとき、下層の平均粒子径の増加に伴う温度の低下により、歩留は低下するが、焼成速度の増加が歩留の低下分を補って、生産性が従来技術より向上することが判明した。
さらに、併せて、表層50〜100mmに添加する原料粒子の平均粒子径を1.0mm以下にすると、表層の温度を高くすることができ、歩留が向上することも判明した。
このように、本発明者らは、下層の平均粒子径を従来の平均粒子径以上に大きくし、併せて、表層の平均粒子径を小さくすれば、歩留を高めつつ焼成速度を増加させ、生産性がより向上することを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)ドワイトロイド式焼結きのパレット上に、原料層を下層と表層に分けて形成し、焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、
(i)上記下層の原料の平均粒子径を、上記表層の原料の平均粒子径よりも大きくし、
(ii)上記表層が、少なくとも、原料層の表面から表面下25mmまでの層を含み、かつ、
(iii)上記下層の原料の平均粒子径が3.0mm以上である
ことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(2)前記表層の原料の平均粒子径が2.4mm以下であることを特徴とする前記(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(3)前記表層が、少なくとも、原料層の表面から表面下50mmまでの層を含むことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の焼結鉱の製造方法。
(4)前記下層が、少なくとも原料層の表面下150mmを起点とし下方に存在する層を含み、前記表層と前記下層の間に中間層を有し、該中間層の原料の平均粒子径を、上記表層の平均粒子径よりも大きく、かつ、上記下層の平均粒子径よりも小さくすることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
本発明によれば、焼結原料中の平均粒子径を上層と下層で偏析させて生産性の向上を図る製造方法において、下層の平均粒子径を、従来技術における平均粒子径より大きくすることで、従来技術より、生産性をより高めることができる。
焼結層の焼結機の進行方向における断面を模式的に示す図である。 ドワイトロイド式焼結機の概略を示す図である。 表層及び下層の平均粒子径と生産性の関係を示す図である。 表層及び下層の平均粒子径と歩留の関係を示す図である。 表層及び下層の平均粒子径と焼成速度の関係を示す図である。 表層の厚みを25mm、50mm、100mmと変化させた場合の、下層の平均粒子径と生産性の関係を示す図である。 コークス濃度を3.0%、3.5%、4.0%と変化させた場合の、下層の粒子径と生産性の関係を示す図である。 表層と下層の間に中間層を設けて段階的に平均粒子径を小さくした場合における平均粒子径と層深さの関係を示す図である。
本発明の焼結鉱の製造方法(以下「本発明方法」ということがある。)は、図2に示すようなドワイトロイド式焼結機を用いて、以下のようにして焼結鉱を製造する。
原料である鉄鉱石原料に、コークスや石灰石等に、さらに水分を添加して混合し、造粒して焼結鉱原料(焼結原料とも言う)を製造する。製造した焼結原料を、装入装置12から、循環するパレット10に装入し、300〜1000mm の厚さに敷き詰める。敷き詰めた原料の中で、パレットの下方に敷きつめた原料領域を下層19とする。
一方、下層の原料の上に敷き詰めた原料領域を表層18とする。パレットが進行方向15に進むにつれて、焼結反応が進行する。表層添加位置13の直後に設置した点火炉11で、原料層の上部に存在する固体可燃物(コークスや無煙炭等)に着火する。排気ブロア8による空気の吸引で、原料層の上面から下方へ空気が流れ、これによって、燃焼位置は上部から下方の可燃物へ移っていく。
可燃物の燃焼熱で、原料の一部が溶融し、その後、冷却で、原料粒子が相互に焼結して焼結鉱が生成し、排鉱部14で排出される。排出された焼結鉱は、その後、クラッシャーで約50mm以下の大きさに破砕され、篩分けされ、次工程で使用し易い粒度に調整される。
本発明方法は、生産性へ影響を及ぼす歩留と焼成速度のうち、特に、焼成速度を従来の焼成速度よりも速くして、生産性を、従来の生産性より高くすることができる焼結鉱の製造方法である。
本発明方法で使用する焼結原料は、表層に供給する焼結原料を調製する原料系統と、下層に供給する焼結原料を調製する原料系統の二つの原料系統で製造されて、パレットに装入される。
本発明方法においては、焼結原料層を、表層と下層の2つの領域に分けて定義する。原料層の上部領域を表層とし、それより下部の領域を下層とする(但し、後述する中間層を設ける場合を除く)。
表層及び下層に供給する焼結原料粒子は、別々の原料系統で造粒され、別々の装入装置から装入されるので、表層及び下層における焼結原料の平均粒子径を変化させることができる。上記装入装置としては、例えば、図2に示すように、下層に原料を装入する装置(装入装置12)の後に、表層に原料を供給する装置(表層添加装置13)を配置した2段構えの装入装置を用いる。
本発明方法において、平均粒子径は、燃料の炭材として使用する固体可燃物、石灰石、生石灰、鉱石等(返鉱を含む)を混練して造粒した装入原料を造粒した粒子の平均径である。
なお、焼結機への装入原料は、通常、歩留落ちの返鉱を10〜20%程度含んでいるが、返鉱の量が上記量より多くても、上記条件は対応可能である。ただし、本発明方法を実施すれば、歩留が向上するので、返鉱の量は少なくなる。
図2に示すドワイトロイド式焼結機を用い、表層と下層の平均粒子径を変化させ、歩留と焼成速度を測定し、生産性を算出した。その結果を以下に示す。なお、原料層全体の厚みは600mm、表層厚みは50mmとしている。
図3、図4、及び、図5は、表層の平均粒子径を1.0〜3.5mmの範囲で6条件を設定し、それぞれの条件において、下層の平均粒子径を1.0〜5.0mmの範囲で変えて試験した結果を示す。
図3に、表層及び下層の平均粒子径と生産性」(1日当り、かつ、パレット1m2当たりの生産量[t])の関係を示す。図4に、表層及び下層の平均粒子径と歩留」(1日当りの焼結鉱全体の歩留[質量%])の関係を示す。図5に、表層及び下層の平均粒子径と焼成速度」(1日当りの石炭の平均焼成速度[mm/min])の関係を示す。なお、図3〜5において、同じ符号は同じ表層粒子径を意味する。
ここで、焼結鉱の生産性とは、単位時間(1日)当りの焼結鉱の生産量[t]を焼結機の有効面積(=焼結機幅×機長)[m2]で除したものをいう。歩留とは、焼結機で生産された焼結鉱をクラッシャーで破砕したものに対して篩掛けを行って回収した焼結鉱の割合、即ち、全焼結鉱質量に対し、回収した5mm以上の焼結鉱の質量の割合をいう。
焼成速度とは、焼結層内の燃焼反応面が、下方に進行していく速度であり、層厚を、BPT到達までの時間で除したものをいう。BTPとは、Burn Trough Point の略であり、焼結機の排ガスが最高温度になる位置のことである。
図4に示すように、下層の平均粒子径が大きくなるのに伴い、歩留が低下する。この理由は、下層における粒子の比表面積が小さくなることで温度が低くなったためである。
一方、図5に示すように、下層の平均粒子径を1.5〜3.0mmまで大きくしても、焼成速度は僅かしか増加しない。
これに対し、本発明方法では、下層の平均粒子径を3.0mm以上とすることで、図5に示すように、焼成速度を上昇させることができ、図3に示すように、歩留の低下分を補って、従来技術より生産性を向上させることができる。
焼成速度が大幅に速くなる理由は、下層の原料の平均粒子径が3.0mmより大きいと、下層の赤熱帯が必要以上に厚くならず、下層の通気抵抗が低下して通気量が増加するためであると考えられる。なお、下層の原料の平均粒子径を5.0mm超にすると、下層の原料が溶融せず、通気量が圧倒的に大きくなり、焼成速度が圧倒的に増加する。
また、図4に示すように、下層の平均粒子径が3.0mm以上であると、表層の平均粒子径を1.5mmから3.0mmに増大しても、歩留は殆ど変わらない。一方、下層の平均粒子径が3.0mm未満であると、歩留の低下の程度が緩和され、また、表層の平均粒子径が1.0mm未満であると、さらに、歩留の低下の程度が緩和されるとともに、歩留も向上する。
この理由は、表層の平均粒子径を小さくすると、表層の歩留が向上し(図示なし)、その結果、全体の歩留も増加したためであると考えられる。図示しないが、表層の平均粒子径を1.0mm以下にしても、焼結鉱の生産性は向上しない。
図5に示すように、下層の平均粒子径を大きくすると、焼成速度が速くなる。特に、下層の平均粒子径が3.0mm以上になると、焼成速度が急に速くなる。図4に示す歩留と、図5に示す焼成速度の結果として、図3に、生産性を示す。生産性は、歩留と焼成速度の掛け合せで決まる。
図から解るように、本発明方法においては、従来よりも生産性を向上させるために、好ましくは、表層の平均粒子径を2.4mm以下として、かつ、下層の平均粒子径を3.0mm以上とする。
この理由は、上述したように、表層の熱量増加による表層歩留の向上効果と、表層の熱量増加による下層への伝達熱量の増加効果の相乗効果が高まるためであると考えられる。生産性をより向上させるには、表層の平均粒子径を1〜2.4mmとし、かつ、下層の平均粒子径を3.2〜4.8mmとすることがより好ましい。
このように、本発明方法においては、下層の平均粒子径を、従来技術における平均粒子径よりも大きくすることで、焼成速度を速くし、生産性を、従来技術における生産性に比べ、高めることができる。さらに、本発明方法においては、表層の平均粒子径を小さくすることで、歩留を大幅に高め、生産性を、従来技術における生産性に比べ、圧倒的に高めることができる。
次に、表層の厚みの影響について説明する。図6に、全体の層厚みを600mm、表層の平均粒子径を1.2mmとし、表層の厚みを25mm、50mm、及び、100mmと変化させた場合における、下層の平均粒子径と生産性の関係を示す。
表層厚みが25mmと薄い場合でも、下層の平均粒子径が1.5〜3.0mmの範囲であれば、従来技術よりも生産性を高めることができるが、その向上効果は小さい。それ故、表層厚みは50mm以が好ましい。表層厚みが厚くなると、生産性は向上するが、50mmで飽和し、100mm以上にしても生産性は向上しない。この理由は、表層厚みを厚くするのに伴い、表層の歩留は向上するが、焼成速度が低下するためである。それ故、表層の厚みは、少なくとも、原料層の表面から表面下50mmまでの層を含むことが好ましい。
さらに、本発明方法においては、コークス濃度を4.0質量%より低くした。ここで、コークス濃度は、造粒粒子中に含まれるコークスの質量を、造粒粒子の室量で除した値である。コークス濃度を3.5質量%まで下げると、生産性がさらに向上する。これは、コークス濃度を下げると、粒子の最高到達温度が下がり、通気抵抗が下がり、通気量が増加するためである。
また、平均粒子径を大きくすると、コークス濃度を下げたときの、生産性の向上効果が大きくなる。これは、平均粒子径が大きいほど、比表面積が小さいので、粒子同士の表面を、一旦溶かして固めて焼結させるために、層全体として、溶かさなければならない面積の割合を少なくすることができ、必要なコークス濃度を少なくすることができるからである。
さらに、コークス濃度を3.0質量%まで下げると、最高到達温度の低下が大きく、融液が少なくなる影響が強くなり、歩留が悪くなって生産性が低下するが、基本的には、粒径を小さくすることで、通気性を高め、生産性を高めることが可能である。
一般に、造粒した粒子の粒径が異なると、コークス濃度は変化するが、造粒条件が異なると、粒子径が同じでもコークス濃度は増減する。それ故、粒子径を制御してコークス濃度を制御するのではなく、粒子径を制御して焼結温度を制御する。
本発明方法においては、平均粒子径の偏析は、表層と下層の2段(2段偏析)に限定されない。表層と下層の間に中間層を設けて多段偏析としてもよい。
図8に、表層と下層の間に中間層を設け、段階的に平均粒子径を小さくした場合における平均粒子径と層深さの関係を示す。上述したように、表層の厚さは50mm以上が好ましいので、図8では、表層を50mmとしている。2段偏析(図中の太破線)では、深さ50mm超を下層とする。中間層を設ける場合(図中の太実線)は、下層は、少なくとも、原料層の表面下150mmを起点として、それよりも下方は平均粒子径3.0〜5.0mmの焼結原料とすることが好ましい。図8では、150mmを起点としている。また、中間層を設ける場合でも、表層は平均粒子径1.0〜2.4mm(図中の点線が上層の好ましい上下限を示す線)とすると好ましいことは同様である。
これは、中間層が厚くなると、下層の平均粒子径の減少による焼成速度の向上効果が薄れて、生産性へ悪影響を及ぼすからである。そのため、中間層は、原料層の表面下25〜150mmまでの間に設けることが好ましく、50〜120mmまでの間に設けることがより好ましい。また、このような段階偏析は、例えば、表層、中層、及び、下層に供給する原料系統を設けて、パレットに装入することで達成できる。
表層と下層の間に中間層を設け、中間層の平均粒子径を、表層の平均粒子径より大きくし、かつ、下層の平均粒子径よりも小さくすると、2段偏析において、表層よりすぐ下の層(下層)で平均粒子径が大きくなることで温度差が大きくなり歩留が低下するという影響を少なくすることができる。
それ故、段階偏析が好ましい。段階偏析は、図2に示すドワイトロイド焼結機において、装入装置12と表層添加装置13の間に、表層添加装置13と同構造の中間層装入装置を配置し、それぞれの装置から、それぞれの層で必要な平均粒子径に調整した焼結原料を装入することで実現できる。
また、表層及び/又は下層において、表層の平均粒子径の適正範囲、及び、下層の平均粒子径の適正範囲内で、平均粒子径を変動させてもよい。例えば、図8に示す細実線xのように、連続的に平均粒径を変動させてもよい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
次の手順にて、焼結試験を行った。
(1)原料ホッパーから切り出した原料に水分を7%添加し、固体可燃物濃度を3.8%にして造粒し、図2に示すドワイトロイド式焼結機に、装入装置12からドラムフィーダーを介してパレット10に装入し、下層の充填層を600mmの厚さで形成した。そのとき、造粒機において、原料に添加する粒子径を変化させ、下層に装入する焼結原料の平均粒子径を3.0〜5.0mmの範囲で変化させた。
別の造粒系統において、原料に添加する平均粒子径を、1.0〜1.5mmの範囲で変化させた。水分とした原料を表層添加装置13で、表層の50mmに添加した。表層に添加する原料の平均粒子径と下層に装入する原料の平均粒子径を表1に示す。
Figure 2014098176
上記原料を、図1に示すドワイトロイド式焼結機に、2段装入装置で2段に装入して、原料層を形成した。図2に示すように、焼結機の下部から排気ブロア8で空気を吸引するとともに、点火炉6で、原料層の表層18に着火した。このとき、排気ブロア8の吸引圧は1000mmAqになるように、吸引空気量を調整し、焼結が終了するまで、この圧力を維持した。
その後、排鉱部14で焼結鉱を排出した。焼結終了後、焼結鉱を抜き出し、強度試験を行った。強度試験は、焼結鉱を2mの高さから4回落下させて破砕し、5.0mm以上のものの質量割合を測定した。また、焼結試験で得られた歩留と焼成速度から生産性を算出した。その結果を、表1に併せて示す。試験番号1〜4は、表層濃化厚みを50mmで一定とした。
試験番号1が基本条件となる比較例である。それに対し、試験番号2〜4で、表層の平均粒子径を2.0〜2.4mmとし、下層の平均粒子径を3.1mmにすると、生産性が圧倒的に増加することを実証した。
(2)次に、表層に平均粒子径を変化させる厚みを25〜100mmの範囲で変化させた。そのとき、表層の平均粒子径を2.0mmとし、下層の平均粒子径を3.1mmとして比較したものが、試験番号5と6である。表層の平均粒子径を変化させる厚みを50mm以上にすると、生産性が向上するが、表層濃化厚みを100mmにしても、生産性は大きく向上しないことを確認した。
表層の平均粒子径を1.0mm又は1.7mmにし、下層の平均粒子径を2.5〜3.6mmの範囲で選択した場合の結果を試験番号7〜11で示す。表層の平均粒子径を小さくすることで、下層の平均粒子径をさらに大きくすることができ、生産性が、試験番号4に比べ、さらに向上していることが解る。
図8に、平均粒子径を2段に分けて偏析させた場合と、表装と下層の間に中間層を設けて平均粒子径を段階的に小さく(偏析)した場合における平均粒子径と層深さの関係を比較して示す。
表層の平均粒子径を1.7mmとし、下層の平均粒子径を3.0mmとした。全体の平均粒子径の平均値は同じである。段階的な偏析は、図2に示すドワイトロイド式焼結機において、装入装置13と表層添加装置12の中間に、中間層装入装置を設け、それぞれの層で必要な平均粒子径に調整した原料を装入して形成した。
試験番号12と13に、歩留、焼成速度、及び、生産性を示す。段階的に偏析をつけると、歩留が増加し、生産性向上することが解る。
前述したように、本発明によれば、焼結原料中の平均粒子径を上層と下層で偏析させて生産性の向上を図る製造方法において、下層の平均粒子径を、上層における平均粒子径より大きくすることで、従来技術より、生産性をより高めることができる。よって、本発明は、鉄鋼産業において利用可能性が高いものである。
1 原料層
2 赤熱帯
3 焼結完了帯
4 表層
5 下層
6 点火炉
7 空気
8 排気ブロア
9 パレットの進行方向
10 パレット
11 点火炉
12 装入装置
13 表層添加装置
14 排鉱部
15 進行方向
18 表層
19 下層

Claims (4)

  1. ドワイトロイド式焼結機のパレット上に、原料層を下層と表層に分けて形成し、焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、
    (i)上記下層の原料の平均粒子径を、上記表層の原料の平均粒子径よりも大きくし、
    (ii)上記表層が、少なくとも、原料層の表面から表面下25mmまでの層を含み、かつ、
    (iii)上記下層の原料の平均粒子径が3.0mm以上である
    ことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記表層の原料の平均粒子径が2.4mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記表層が、少なくとも、原料層の表面から表面下50mmまでの層を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 前記下層が、少なくとも原料層の表面下150mmを起点とし下方に存在する層を含み、前記表層と前記下層の間に中間層を有し、該中間層の原料の平均粒子径を、上記表層の平均粒子径よりも大きく、かつ、上記下層の平均粒子径よりも小さくすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
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