JP2007277595A - 焼結鉱製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼結鉱を製造する際に破砕時の粉化を防止して、歩留りを向上させることができる、焼結鉱製造方法を提供すること。
【解決手段】結晶水を4mass%以上含有する高結晶水鉄鉱石であって、粒径が10mm以上である粗粒の高結晶水鉄鉱石を焼結原料ベッド中に分散状態で装入し、他の焼結原料とともに焼結することを特徴とする焼結鉱製造方法を用いる。粗粒の高結晶水鉄鉱石の粒径が、10mm以上、20mm以下とであること、平均間隔が35〜80mmとなるように粗粒の高結晶水鉄鉱石を焼結原料ベッド中に装入することが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は下方吸引のドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造する際に使用する焼結鉱製造方法に関するものである。
粉鉄鉱石などから焼結鉱を製造する際には、粉鉄鉱石に燃料としての炭材である粉コークスおよび副原料として石灰石、などを配合し、これらを混合して造粒した後、焼結パレットに装入して焼結原料ベッドを形成し、焼結原料ベッドの表層に着火して焼結し、これを破砕・整粒して焼結鉱を得ている。破砕は、焼結機により焼結原料の焼結が完了した焼結鉱ケーキ(シンターケーキともいう。)に対して行われ、焼結機の排出端において焼結パレットより焼結鉱ケーキが離脱し、クラッシングガイド上に落下した段階で、これを破砕機により一次破砕してさらに焼結鉱冷却機に供給冷却して焼結鉱とされている。粒径100mm以上の粗大焼結鉱は、還元性遅延の観点や高炉内の充填制御が困難であることから高炉装入に適しないため、通常、ロールクラッシャなどで2次破砕されて、100mm以下の粒径に粒度調製される。また、粒径3〜5mm以下の細粒は高炉内で高密度に充填されて通気性を低減させて還元を阻害するので、高炉には装入されず、返鉱と呼ばれて再度焼結原料として利用される。
従来係る焼結鉱の製造過程で、上記破砕機による破砕時に、焼結鉱の粉化が多量に発生し歩留りの低下をきたすという問題が発生している。
そのため、従来、粉化防止の観点から、上記破砕時に、焼結鉱ケーキに破砕を補助する亀裂を発生させるべくさまざまな提案が成されてきた。
例えば、特許文献1では、焼結原料ベッド表面にパレット進行方向に延びた溝を一定間隔で形成し、溝には他の原料を入れて通気性は一定に保ちつつ、焼き締りによる不規則な亀裂は,予め溝にして他の原料を載せた部分に集めて、漏風を抑え、ムラ焼けを抑えて溝を基点にして破砕を容易にして歩留りを向上させる提案が成されている。
また、特許文献2では、凸のついたローラーで、焼結原料ベッド表面に一定間隔の溝を形成し、庄密をかける事で表面部での焼成時間を延長するともに、表面部に生じる亀裂を分散させて、破砕を容易にして歩留りを向上させる提案が成されている。
さらに特許文献3では、焼結原料を焼結パレットに装入後、点火炉前までに、焼結原料ベッドの内部に垂直方向および/または水平方向に層状にスリットを形成し、そこに燃料を含まない無機原料を装入して、焼成後にそのスリットで破砕を容易にして粉の発生を抑える提案が成されている。
特開昭57−13128号公報 特開平4−259335号公報 特開昭61−195926号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の従来技術は、いずれも焼結原料ベッドの表面の限定された部分でしか破砕を容易にする効果がなく、焼結鉱ケーキの大部分の歩留には影響がない。さらに、実際には、焼結原料ベッドの表面に溝を形成すると、他の原料を溝部に供給した場合であっても、溝部に流入するガス速度の助長を抑えることは困難であり、溝の周辺部はムラ焼けになって歩留りは低下する。加えて、焼結鉱ケーキの表層は下部と比べ強度がおとり、かえって粉化を助長する問題も発生した。
さらにまた、特許文献3に記載の従来技術は、数10cm単位の間隔で焼結原料ベッドを貫通し、焼結機の機長方向に連続した不均一層を形成することとなり、特許文献1、2に記載の従来技術よりも、さらに大きな通気性不均一を焼結原料ベッドにもたらし、スリット周辺部にムラ焼け領域を拡大させ、かえって歩留りを低下させる問題を発生させた。
このように、特許文献1〜3に記載の技術では、焼結鉱ケーキに破砕を補助する亀裂を発生させて、破砕時の焼結鉱の粉化を防止して、歩留りの低下を防止することが困難であるという問題がある。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、焼結鉱を製造する際に破砕時の粉化を防止して、歩留りを向上させることができる、焼結鉱製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記問題解決にあたり、難焼結鉄鉱石に着目した。すなわち、4mass%以上の結晶水を含有する所謂「高結晶水鉱石群」である高結晶水鉄鉱石の使用である。本発明においては、難焼結鉄鉱石である高結晶水鉄鉱石の粗粒を焼結原料ベッド中に混在させることにより、この粗粒高結晶水鉄鉱石の存在部を、破砕を容易にする亀裂発生基点とできることに着眼して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の特徴を有するものである。
(1)結晶水を4mass%以上含有する高結晶水鉄鉱石であって、粒径が10mm以上である粗粒の高結晶水鉄鉱石を焼結原料ベッド中に分散状態で装入し、他の焼結原料とともに焼結することを特徴とする焼結鉱製造方法。
(2)粗粒の高結晶水鉄鉱石の粒径が、10mm以上、20mm以下とであることを特徴とする(1)に記載の焼結鉱製造方法。
(3)平均間隔が35〜80mmとなるように粗粒の高結晶水鉄鉱石を焼結原料ベッド中に装入することを特徴とする(1)または(2)に記載の焼結鉱の製造方法。
(4)焼結原料ベッド下方75%層厚の領域で、粗粒の高結晶水鉄鉱石が35〜70mmの平均間隔となるように分散させて焼結することを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の焼結鉱製造方法。
(5)粗粒の高結晶水鉄鉱石を含む焼結原料を焼結原料ベッドに装入するに際し、焼結機パレット進行方向に向かって角度50°以上70°未満の俯角で配置されたスローピングシュートを用いて装入することを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の焼結鉱製造方法。
本発明によれば、焼結原料ベッドには、機長方向に連続した溝や、スリットなどのような大きな不均一部分を形成させることなく、高結晶水鉄鉱石の内、粒径10mm以上の粗粒鉄鉱石を焼結原料ベッド中に装入し、他の焼結原料と混在させて焼結することにより、前記粗粒鉄鉱石と他の焼結原料から形成される焼結鉱ケーキとの境界に脆弱部を生成させ、脆弱部で破砕を容易に行い、粉化を抑制することができるようになり、焼結の歩留を大幅に向上できる。また、使用する前記粗粒鉄鉱石の焼結原料ベッド中の装入間隔を調整し、数10mm間隔で分散して存在する前記粗粒鉄鉱石により破砕を制御することで、ベッドにムラ焼けを生じさせずに、ケーキ破砕後の粒度分布を適正化し、歩留りを向上させることができる。具体的には、焼結鉱ケーキ破砕後の粒径5mm未満(−5mm)の焼結鉱の発生量を増大させることなく、粒径100mm以上の粗大塊の焼結鉱を低減することができ、2次破砕が必要な粗大塊の焼結鉱量が大幅に低減し、2次破砕で発生する粒径5mm未満の焼結鉱の発生量を減らすことができるので、焼結鉱製造の歩留を大幅に向上できる。
まず、図1を用いて焼結鉱の製造プロセスを説明する。粉鉄鉱石、炭材(粉コークス)、副原料(石灰石等)等を配合した焼結原料を混合して造粒した後、原料装入装置1を用いて、焼結機2の焼結パレットに装入して焼結原料ベッド3を形成し、着火装置4により焼結原料ベッド3の表層に着火して焼結し、焼結鉱ケーキ5とする。焼結機2の排出端において焼結パレットより焼結鉱ケーキ5が離脱し、破砕機6により一次破砕され、焼結鉱冷却機7に供給冷却されて焼結鉱となる。この焼結鉱を一次篩8により分級し、粒径100mm以上の粗大焼結鉱は、ロールクラッシャ等の2次破砕機9で2次破砕され、100mm以下の粒径に粒度調製される。100mm以下の粒径に粒度調製された焼結鉱は、スクリーン10で分級されて、粒径3〜5mm以上のものが製品焼結鉱として、高炉11に装入される。また、粒径3〜5mm以下の細粒は返鉱12として再度焼結原料として利用される。
本発明では、上記の焼結プロセスにおいて、結晶水を4mass%以上含有する高結晶水鉄鉱石を焼結原料ベッド中に分散状態で装入し、他の焼結原料と混在させて焼結することを特徴とする。
本発明において使用する難焼結鉄鉱石である、結晶水が4mass%以上の高結晶水の鉄鉱石としては、代表的な鉱石として、ピソライト鉱石(たとえば、ヤンディクージナ鉱山、ローブリバー鉱山産)や、いわゆる「マラマンバ」鉱石(たとえば、Mining Area C/MAC鉱山、ウェストアンジェラス鉱山産)を挙げることができる。
高結晶水鉄鉱石として、ピソライト鉱石を本発明に使用する場合には以下の利点がある。ピソライト鉱石は焼成過程で400℃以上に達すると、粒子に10mass%程度含まれる結晶水を分解し、同時に非常に多くのクラックを内部に発生させて表面積を増大し、さらに1300℃レベルに昇温されると、粒子単独で収縮して緻密化することが知られている。また、一部が周囲の石灰分と反応して融解すると、内包していた空隙が再配列して粒子外に排斥されて、粒子の収縮が進行すると考えられている。
したがって、ピソライト鉱石粗粒が分散した焼結原料ベッド中では、焼成過程の中途で高温に到達してから、ピソライト鉱石の収縮により周囲の装入原料との間に空隙を生じる結果、この空隙を通って吸引空気が進入し、ここから周囲のコークスを燃焼させる酸素を供給していく経路が構成される。高温に到達してから生じるこの空隙は、通気孔の役割を果たし、結果的に焼成完了まで多くが残ることとなり、焼結鉱ケーキ内には大きな空隙が形成される。本発明では、従来焼結鉱製造では大きな欠陥として問題となっているこの空隙発生点を、破砕時の亀裂発生基点として有効に利用するのである。
次に、マラマンバ鉱石を高結晶水鉄鉱石として本発明に使用する場合の利点を説明する。マラマンバ鉱石は、数μmから数100nmの微細気孔を内部に多く抱えており、焼結中にまとまった気孔が多く残り、強度を落すという問題がある。すなわち、マラマンバ粗粒部は焼結中に内包する微細気孔が再配列して大気孔を成長させるのである。これも従来の焼結鉱製造では、大きな欠陥として問題になっているのであるが、本発明では、発生する脆弱部となる気孔部分を破砕時の亀裂発生基点として有効に利用するのである。
以上のように、ピソライト鉱石、マラマンバ鉱石のような高結晶水鉄鉱石を、焼結原料ベッド中に偏在させて焼結を行うことで、ピソライト鉱石、マラマンバ鉱石の周囲もしくは反応後の痕跡として残った大気孔が適度に分散し、その大気孔間を伝搬する様に亀裂が進行して破砕される確率が増大するため、焼結鉱ケーキ内に亀裂発生点を導入することで、焼結鉱ケーキの粉砕性を向上させて、粉化を抑制することが可能となる。このように成品焼結鉱の粒度分布が焼結鉱ケーキ内の空隙の分散状況に影響されることを、本発明者等は鋭意実験の結果から見出したものである。
高結晶水鉄鉱石としては、粒径10mm以上の粗粒鉄鉱石を用いる必要がある。10mm以上の粒径であれば、焼結後も焼結鉱ケーキ内に確実に難焼結鉄鉱石使用の痕跡としての空隙や気孔が残り、破砕時の亀裂発生基点として有効に作用するからである。このような粗粒は、入荷する高結晶水鉄鉱石にある程度の割合で含まれているものである。ピソライト鉱石よりも細粒の割合が多いマラマンバ鉱石を用いる場合であっても、粒径10mm以上の粗粒部分は2mass%程度は含まれているので、粗粒部分を使用する上での問題はない。高結晶水鉄鉱石の粒径が大きすぎると、粒中心までの伝熱が不十分となり脱水により生成したクラックで脆弱化したままで残留する粗粒が増えるため、これらの崩壊により、かえって5mm以下の粉率が増大し、また、ベッド断面を粗大粒が占めるとガスの通気性が悪化して生産性を阻害しやすくなる場合があるため、粒径20mm以下とすることが好ましい。
粗粒の高結晶水鉄鉱石を焼結原料ベッドに装入するに際し、焼結原料ベッド中に平均間隔が35〜80mmとなるように粗粒の高結晶鉄鉱石を分散させて装入し、焼結することが好ましい。本発明者等がさらに検討を重ねた結果、粗粒の高結晶水鉄鉱石間の平均距離が35〜80mmとなる様に分散させると、分散の無い場合と比較して、焼結ケーキの1次破砕後の粒度分布において、粒径5mm未満(−5mm)の粉の発生比率は変化せずに、粒径100mm以上の粗大粒の発生比率が低減することを見出した。この粗粒間の平均距離とは、粗粒を焼結原料ベッド内に想定した立方格子の格子点に配置した場合にとれる格子間隔のことを指し、対象となる装入容積と粗粒の個数とから算出する。
粗粒の高結晶水鉄鉱石の分散状態は、ベッド層厚のどの領域、例えば層厚10cm幅ごとに分散状況を分析しても、各領域でこの平均距離に相当する個数の粗粒が分散されているということであり、ベッド全体で見た場合に相当数の粗粒が含まれていることではない。
先に説明したように、焼結鉱ケーキを一次破砕した後の100mm以上の粗大塊は2次破砕過程を経るため、2次破砕で必然的に−5mmの返鉱も発生し、成品焼結鉱の歩留を低減させる。しかし、本発明では1次破砕段階で−5mm発生量を変えずに+100mmを低減できるために、追加の破砕による返鉱の発生が無くなり、焼結成品歩留を大幅に改善することが可能となる。
粗粒の高結晶水鉄鉱石の分散間隔として、35〜80mmを適正とするのは、80mm超えでは実質的に粗粒部に生成した空隙間距離が長く、破砕時のクラック伝搬に影響を与え難いため効果が現れない場合があるためである。また、35mm未満の間隔に近接すると、焼成中の空隙形成時に隣接した空隙同志で合体して空隙数を減らして巨大な連続空隙を生成しやすくなり、巨大連続空隙間の相互距離が増大するとともに、巨大連続空隙間には、小空隙(例えば球相等径10mm以下)が低減した緻密で強固な組織を生成して、空隙間を伝搬するようにクラックが進展しなくなり、かえって1次破砕後に粗大塊を増大させる結果となる場合があるためである。
粗粒の高結晶水鉄鉱石は配合原料の混合、造粒前に他原料に加えても良いが、他原料の1次混合造粒過程の後、例えば2次ミキサーに投入される前時点で加えることもできる。また、ミキサー1機のみで造粒する場合はミキサーの内部に造粒の後半の過程で加えることも可能である。
焼結原料として高結晶水鉄鉱石を用いる操業を行なっている場合は、焼結原料中に含まれる粗粒の高結晶水鉄鉱石を、分散させる粗粒の高結晶水鉄鉱石として用いることができ、それだけでは分散させる粗粒の高結晶水鉄鉱石量が不足する場合は、別途粗粒の高結晶水鉄鉱石を焼結原料に加えて焼結鉱の製造を行なうことができる。すなわち、たとえば高結晶水鉄鉱石としてピソライト鉱石を用いる場合で、ピソライト粉鉱石が粒径10〜20mm程度の粗粒粒子を多く含み、かつ、焼結原料の原料鉱石中で高い配合比率で用いる場合、焼結原料ベッド全体で適正な35〜80mmの粗粒間隔とするのに必要な粒子数の大部分を配合比率分の全粒度のピソライト粉鉱石から供給できる場合は、別途、加える粗粒分は低減するし、必要な粗粒の粒子数の全てを配合比率分の全粒度のピソライト粉鉱石から供給できる場合は、別途、粗粒の高結晶水鉄鉱石を加える必要はない。
焼結原料ベッド下方75%層厚の領域で、前記粗粒鉄鉱石が35〜70mmの平均距離となるように分散して焼結することが好ましい。粗粒の高結晶水鉄鉱石の分散間隔が、35〜80mmの範囲であれば、焼結原料ベッド下方部分に粗粒が多く分散していることが、上層部からの焼成熱量の蓄積を受けて高温となり、緻密で高強度の組織を形成して100mm以上の粗大粒を生成させやすい下層部で有効に作用させられるため好ましく、特に焼結原料ベッド下方の領域で、粗粒鉄鉱石が35〜70mmの平均距離となるように分散していることが好ましい。焼結原料ベッド下方75%層厚の領域で、粗粒鉄鉱石の平均距離を35〜70mmとする理由は、上方25%層厚部分は、下方に比較して強度が低く、下方より粗大粒を生成しにくいので、粗粒の存在密度を下方より低減してよく、逆に過剰強度となりやすい下方75%層厚域で粗粒の存在密度を増大させることが、焼結層全体の返鉱を低減するのに有効だからである。しかし、下方でも粗粒間隔を35mm以下に低減すれば+100mmの粗大粒が増大するのは、先に記したとおりである。
粗粒の高結晶水鉄鉱石を含む焼結原料を焼結原料ベッドに装入する際には、焼結機パレット進行方向に向かって角度50°以上70°未満の俯角で配置されたスローピングシュートを用いることが好ましい。
焼結機の焼結原料装入部で、焼結原料をパレット進行方向と反対方向にすべり落としながら所定層厚に積上げる方式を用いている場合、堆積する原料斜面を原料が滑落する速度を低減しないと、原料中の粒度偏析が増大して粗大粒子が焼結原料ベッドの最下部に偏在する傾向があることが知られている。この偏析を低減する方法として、焼結原料をパレット進行方向に装入する方法を用いることができる。この方法では細粒が粒子間間隙を抜けて下方に落下し、粗粒は上方に偏析する作用を生じることから、下方偏析を相殺して粗粒を均一に分散して装入することができる。
焼結原料を装入する装入シュートはスローピングシュートとし、俯角は50〜70°とすることが望ましい。湿潤状態の原料では安息角が45°以上になるので連続的に安定装入するにはそれ以上の俯角が必要であるためである。また70°以下にするのは、垂直に近づくほど、原料装入時に原料が重力による圧密を受けてベッド内の空隙率を低下させ、通気性を悪化させるため、最低限の落下速度の加速抑制が望まれるからである。
図2を用いて、上記の本発明の一実施形態を説明する。図2は粗粒の高結晶水鉄鉱石を焼結原料ベッド中に分散させて装入する方法を説明する図であり、高結晶水鉄鉱石としてピソライト鉱石を用いる場合の例である。ピソライト鉱石20は、篩い21により分級し、粒径10mm以上のものを粗粒鉱石槽22に、粒径10mm未満のものを鉱石槽23に装入する。24は石灰槽、25はコークス槽である。鉱石槽23、石灰槽24、コークス槽25から切り出して配合した焼結原料を、一次ミキサー26に投入して混合して造粒した後、粗粒鉱石槽22から粗粒のピソライト鉱石を混合して、2次ミキサー27で2次造粒を行う。造粒物をサージホッパ28に装入し、ロールフィーダ29で切り出しながら、シュート30を用いて焼結機の焼結パレット31に装入して、焼結原料ベッド3を形成する。これにより粗粒の高結晶水鉄鉱石を焼結原料ベッド3中に分散状態で装入することができる。
表1に示す化学組成を有する原料を用い、図1、図2に示すものと同様の設備を用いて焼結鉱製造試験1〜5を行なった。
Figure 2007277595
表1において、「Ig.loss」は強熱減量であり、結晶水量に相当する。A鉱石は結晶水を4mass%以上含有する高結晶水鉄鉱石であるピソライト鉱石であり、粒径10mm以上(+10mm)と粒径10mm未満(−10mm)に分級し、−10mm分を用いた。+10mm分は粗粒として別途用いた。ただし、試験4では一部は分級せずに、粗粒分込みの全粒度で用いた。各原料の粒度分布を表2に示す。A鉱石以外は10mmでの分級を行なわずに使用した。
Figure 2007277595
焼結原料はI〜IIIの3種類で配合した。表3に焼結原料の配合比率を示す。粗粒粉を含めた全体でのベース構成であるが、粗粒の量に応じて若干変動させた。これには、目標のSiO2:4.8%、CaO/SiO2:1.95となるように、ニッケルスラグと石灰石の配合量を微調整した。
Figure 2007277595
下方吸引のドワイトロイド式焼結機を用いて、焼結パレット幅4.0m、焼結原料ベッド層厚580mmとし、基準パレットスピード3.0m/minで焼成時間に応じて調整して焼結を行なった。
(試験1)表4に示す各粒度に分級したA鉱石を粗粒分として、焼結原料ベッド内で平均間隔60mmになるように分散させて、表3に示す配合Iに配合してケース1〜4の焼結鉱を焼成した。ケース4の粒径20−25mmはA鉱石には含まれていないため、塊鉱石を分級した粒を用いた。一次破砕・冷却後の−5mmと+100mmの焼結鉱の発生量を測定した。結果を表4と、図3に示す。焼成時間も表4に併せて示す。
Figure 2007277595
粗粒として−10mmを分散させたケース1では+100mmの量が多かった。粗粒として20−25mmを分散させたケース4では、+100mmの量が多く、焼結時間の延長が見られた。(ケース4は粉鉱石を原料に用いた場合には存在しない粒度である。)粗粒として10−20mmを分散させたケース2、4では−5mm分の量がほとんど変化しないまま、+100mm分が低減され、2次破砕量が大幅に低減された。
(試験2)表5に示すように、+10mmに分級したA鉱石粗粒を加えて、粗粒の平均間隔が30〜100mmとなるように変化させて粗粒の配合量を調整して焼成した(ケース6〜10)。配合は表3における、Iを用いた。ケース5では、粗粒分を混合せずに、A鉱石の+10mm分を排除した−10mm分を使用した。ケース5〜10について、一次破砕・冷却後の−5mmと+100mmの焼結鉱の発生量を測定した。結果を表5と、図4に示す。
Figure 2007277595
粗粒の高結晶水鉄鉱石が40〜80mmの平均間隔で分散されたケース7〜9では、−5mm分の量が変化しないまま、+100mm分が低減され、粗大塊焼結鉱が低減した。
(試験3)+10mmに分級したA鉱石粗粒を加えて、粗粒の平均間隔がベッド高さ方向位置で表6に示す条件となるように偏析を設けて焼成した(ケース11〜13)。配合は表3における、Iを用いた。一次破砕・冷却後の−5mmと+100mmの焼結鉱の発生量を測定した。結果を図5に示す。
Figure 2007277595
A鉱石の+10mmの粗粒が焼結原料ベッド高さ方向で所定の平均間隔を有したケース12、13では、−5mm分の量が変化しないまま、+100mmの粗大塊焼結鉱量が低減した。最上部100〜80%高さの粗粒の高結晶水鉄鉱石の平均間隔がケース13より長いケース12の方が粗大塊焼結鉱の低減が大きい。一方で、焼結原料ベッド高さ方向の下部に多量の粗粒の高結晶水鉄鉱石が偏在しているケース11では、−5mm分の量も、+100mmの量も増加した。結局、粗粒の高結晶水鉄鉱石の平均間隔が35〜80mmの範囲であれば、焼結原料ベッド高さ方向で下部に偏在することが好ましい傾向があるが、平均間隔が35〜80mmの範囲外になると、−5mm、+100mmの焼結鉱量が増加するため、焼結鉱の歩留が低下する。
(試験4)A鉱石の+10mmの粗粒の平均間隔を40mmとし、表7に示すように、粗粒の配合を、分級を行なわずに全粒度のピソライト鉱石をホッパ(図2における鉱石槽23に相当)から切り出す場合と、+10mmに分級した粗粒を別系統(図2における粗粒鉱石槽22に相当)で配合する場合について焼成を行なった。配合は表3における、IIを用いた。ケース14は粗粒の高結晶水鉄鉱石が分級を行なわないA鉱石原料のみに由来する場合、ケース15は粗粒の高結晶水鉄鉱石の半量が分級を行なわないA鉱石原料に由来し、粗粒の高結晶水鉄鉱石の残部が分級した+10mmのA鉱石原料に由来する場合、ケース16は粗粒の高結晶水鉄鉱石が分級した+10mmのA鉱石原料のみに由来する場合である。ケース17は、粗粒の高結晶水鉄鉱石を配合しない場合であり、A鉱石から+10mmの粗粒分を排除した−10mm分を配合した場合である。一次破砕・冷却後の−5mmと+100mmの焼結鉱の発生量を測定した。結果を表7、図6に示す。
Figure 2007277595
高結晶水鉄鉱石を分級せず、粗粒の高結晶水鉄鉱石を全粒度の鉱石に含めて配合しても、粗粒単独で添加しても、また両方を組み合わせても、−5mm分の量が変化しないまま、+100mmの粗大塊焼結鉱が低減した。ケース17に示すように、高結晶水鉄鉱石が配合されても粗粒鉱石部分が含まれなければ、+100mmの粗大塊鉱石の低減効果は得られなかった。
(試験5)ホッパ(図2における鉱石槽23に相当)から切り出して配合する粗粒の高結晶水鉄鉱石量を0とし、粗粒の高結晶水鉄鉱石のみを別系統(図2における粗粒鉱石槽22に相当)で配合して焼成した。配合は表3における、IIIを用いた。一次破砕・冷却後の−5mmと+100mmの焼結鉱の発生量を測定した。結果を表8、図7に示す。焼成時間も表8に併せて示す。
Figure 2007277595
粗粒の高結晶水鉄鉱石を含まない−10mm原料のみから調整された焼結原料ベッド(ケース18)に対しても、粗粒の高結晶水鉄鉱石を添加し、分散することで、ケース19、20の結果が示すように+100mmの粗大塊焼結鉱量の低減効果が得られた。しかし、粗粒の高結晶水鉄鉱石を過剰に近接させた平均間隔30mmケース20では、−5mm分がやや増加し、+100mmの粗大塊もケース19に比べて増大した。従来技術であるケース18では、ベッド層下部への装入偏析が大きく、+100mmの粗大塊の生成が多いが、平均間隔60mmで粗粒の高結晶水鉄鉱石を分散させたケース19では+100mm分は低減した。
焼結プロセスの説明図。 本発明の一実施形態の説明図。 試験1の結果を示すグラフ。 試験2の結果を示すグラフ。 試験3の結果を示すグラフ。 試験4の結果を示すグラフ。 試験5の結果を示すグラフ。
符号の説明
1 原料装入装置
2 焼結機
3 焼結原料ベッド
4 着火装置
5 焼結鉱ケーキ
6 破砕機
7 焼結鉱冷却機
8 一次篩
9 2次破砕機
10 スクリーン
11 高炉
12 返鉱
20 ピソライト鉱石
21 篩い
22 粗粒鉱石槽
23 鉱石槽
24 石灰槽
25 コークス槽
26 一次ミキサー
27 2次ミキサー
28 サージホッパ
29 ロールフィーダ
30 シュート
31 焼結パレット

Claims (5)

  1. 結晶水を4mass%以上含有する高結晶水鉄鉱石であって、粒径が10mm以上である粗粒の高結晶水鉄鉱石を焼結原料ベッド中に分散状態で装入し、他の焼結原料とともに焼結することを特徴とする焼結鉱製造方法。
  2. 粗粒の高結晶水鉄鉱石の粒径が、10mm以上、20mm以下とであることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱製造方法。
  3. 平均間隔が35〜80mmとなるように粗粒の高結晶水鉄鉱石を焼結原料ベッド中に装入することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 焼結原料ベッド下方75%層厚の領域で、粗粒の高結晶水鉄鉱石が35〜70mmの平均間隔となるように分散させて焼結することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の焼結鉱製造方法。
  5. 粗粒の高結晶水鉄鉱石を含む焼結原料を焼結原料ベッドに装入するに際し、焼結機パレット進行方向に向かって角度50°以上70°未満の俯角で配置されたスローピングシュートを用いて装入することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の焼結鉱製造方法。
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