JP2014098076A - 発泡体、及び、発泡体の製造方法 - Google Patents

発泡体、及び、発泡体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】厚みを厚くすることなく、吸音ピークを低周波数帯域にシフトさせることができる発泡体等を提供する。
【解決手段】パルプ繊維成分と合成樹脂成分と補助剤としての澱粉成分とを発泡させ、内部の空隙がセル皮膜によって被われた多数の発泡セルより構成された発泡体1Aであって、発泡セルS3が密集配置された複数の発泡セル層3と、発泡セル層3の間に配置され、発泡セル層3より密度の高い発泡セルS1が密集配置された仕切皮膜層4とを厚み方向に備え、仕切皮膜層4が複数の発泡セル層3間を連続して仕切り、音の位相速度を遅らせる構造である。
【選択図】図2

Description

本発明は、パルプ繊維成分と合成樹脂成分と補助剤としての澱粉成分とを発泡材とする発泡体、及び、発泡体の製造方法に関する。
従来より紙を発泡材の一部として利用した発泡体が提案されている(特許文献1、2参照)。
この種の発泡体の一従来例を説明する。図8(a)において、発泡体50は、紙粉末成分とポリプロピレン樹脂材と補助剤としてのコーンスターチから成る発泡材を発泡させ、多数の空間を形成した発泡セルSより構成されている。各発泡セルSは、図8(b)に示すように、内部の空隙がセル皮膜によって被われている。各発泡セルSは、大略同じ大きさである。
次に、上記発泡体50を製造する押出し成形機60を説明する。図9(a)に示すように、押出し成形機60は、発泡材を投入する投入口(図示せず)と、投入された発泡材を混練する混練手段(図示せず)と、混練した発泡材を高温に加熱する加熱手段(図示せず)と、発泡材を押圧する押圧手段(図示せず)と、押圧室の先端側を塞ぐように配置された口金部材61と、この口金部材61の外側を囲むように配置された規制枠壁70とを備えている。口金部材61は、図9(a)、(b)に示すように、水平方向に等間隔P2に配置された複数の吐出口62を有する。吐出口62は、1段である。規制枠壁70は、この複数の吐出口62より吐出された発泡材の発泡領域を規制する。規制枠壁70は、偏平長方形状の枠である。
次に、発泡体50の製造方法を説明する。押出し成形機60内に紙粉末成分とポリプロピレン樹脂材と補助剤としてのコーンスターチと水を供給する。そして、紙粉末成分とポリプロピレン樹脂材とコーンスターチと水を加熱混練し、この高温の発泡材を複数の吐出口62より押圧によって吐出させる。
すると、高温の発泡材に混入された水が各吐出口62より吐出された瞬間に気化し、水の蒸気圧により紙粉末成分とポリプロピレン樹脂材とコーンスターチから成る発泡材が発泡する。この発泡は、規制枠壁70によって規制されるため、規制枠壁70を断面積とする発泡体50が連続的に押し出される。各発泡セルSは、紙粉末成分の柔軟性やコーンスターチの粘着性等によって形成される。
このようにして、厚みが10mmで、厚み方向の発泡密度(発泡倍率)がほぼ均一な発泡体50を製造した。
また、図10(a)に示すように、段毎に交互に1/2水平方向にシフトした複数段の吐出口62を有する口金部材61Aを用いて、厚みが20mmで、厚み方向の発泡密度がほぼ均一な発泡体50を製造した。この発泡体50も、図10(b)に示すように、隣接する吐出口62の発泡領域の境界付近での発泡潰れによって極薄厚みの皮膜が形成されるものの、厚み方向の発泡密度がほぼ均一である。
同様にして厚さが30mmで、厚み方向の発泡密度がほぼ均一な発泡体、および、厚さが40mmで、厚み方向の発泡密度がほぼ均一な発泡体を製造した。
厚み方向の発泡密度がほぼ均一な発泡体において、各厚み寸法による吸音率を残響室法で測定し、図11に示す特性線が得られた。
図11に示すように、厚み方向の発泡密度がほぼ均一な発泡体50は、厚みを厚くすることによって吸音ピークが低周波数帯域(ほぼ1000Hz〜2000Hz)にシフトする。
特許第3326156号公報 特開2000−273800号公報
しかしながら、上記従来例の発泡体50は、吸音ピークが厚みに依存するため、吸音ピークを低周波数帯域にシフトさせるためには厚みを厚くする必要があった。例えば、低周波数帯域(ほぼ1000Hz〜2000Hz)で吸音性能を発揮する発泡体50を得るためには、20mm以上の厚さにする必要があった。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、厚みを厚くすることなく、吸音ピークを低周波数帯域にシフトさせることができる発泡体、及び、発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、パルプ繊維成分と合成樹脂成分と補助剤としての澱粉成分とを発泡させ、多数の空間が形成された発泡セルより構成された発泡体であって、前記発泡セルが密集配置された複数の発泡セル層と、前記発泡セル層の間に配置され、前記発泡セル層より密度の高い前記発泡セルが密集配置された仕切皮膜層とを厚み方向に備え、前記仕切皮膜層が複数の前記発泡セル層間を連続して仕切り、音の位相速度を遅らせる構造であることを特徴とする発泡体である。
前記各発泡セルは、厚み方向に潰された形状であるものを含む。前記各発泡セル層の表面側には、前記発泡セル層より密度が高い表面皮膜層をそれぞれ有するものを含む。所定の厚みの平板状に形成されているものを含む。各発泡セル層には、厚み方向の直交方向に間隔を置いて配置された縦仕切皮膜層を有し、前記縦仕切皮膜層によって各発泡セル層(3)が仕切られているものを含む。規制枠壁で発泡領域が囲まれ、一定の方向に間隔を置いて上下同じ位置に設けられた複数段の吐出口より発泡材が吐出されることによって形成されることが好ましい。前記仕切皮膜層は、厚み方向の直交方向に一直線状で、且つ、同じ厚みであっても良い。合成樹脂材は、ポリプロピレン樹脂材を含む。所定の厚みは、10mmであることが好ましい。
他の本発明は、一定の方向に間隔を置いて配置された複数の吐出口が上下同じ位置で複数段設けられ、複数段の前記各吐出口より吐出された発泡体の発泡領域を規制する規制枠壁が設けられた押出し成形機を使用し、前記押出し成形機にパルプ繊維成分と合成樹脂成分と補助剤としての澱粉成分と水を供給し、前記パルプ繊維成分と合成樹脂成分と澱粉成分と水を加熱混練して複数段の前記各吐出口より押圧によって吐出させ、発泡セルが密集配置された複数の発泡セル層と、前記発泡セル層の間に配置され、前記発泡セル層より密度の高い前記発泡セルが密集配置された仕切皮膜層とを厚み方向に備え、前記仕切皮膜層が複数の前記発泡セル層間を連続して仕切り、音の位相速度を遅らせる構造の発泡体を製造することを特徴とする発泡体の製造方法である。
本発明によれば、外部から音の振動を受けると、発泡セル構造であることから、音が発泡体の内部を伝搬する。そして、音が発泡セル内の空間等を通過する際の、空気の粘性抵抗によって振動が減衰される。又、発泡セル層内を伝搬する振動が仕切被膜層に達すると、仕切被膜層でランダムな振動が平面振動にリセットされ、その後、更に発泡セル層内を伝搬することになるため、仕切被膜層で振動減衰が促進される。更に、発泡体は、厚み方向の発泡密度がほぼ均一ではなく、発泡密度が高い仕切皮膜層を有するため、厚み方向の発泡密度がほぼ均一の構造に較べて、発泡体を通過する際の音の位相速度を遅らせることができる。これにより、所望の周波数帯域における1/4波長を遅延させる発泡体の厚みと同様の効果を、表面での反射と裏面反射による1/2波長の遅延効果で互いに打ち消し合うことによって厚みを厚くすることなく得られ、吸音ピークを低周波数帯域にシフトさせることができる。
本発明の一実施形態を示し、発泡体の外観斜視図である。 本発明の一実施形態を示し、(a)は図1のA−A線に沿う発泡体の構造模式図、(b)は(a)の要部拡大図である。 本発明の一実施形態を示し、(a)は押出し成形機の要部斜視図、(b)は口金部材の正面図である。 本発明の一実施形態を示し、発泡材の発泡つぶれによる仕切皮膜層や表面皮膜層の形成メカニズムを説明する図である。 本発明の一実施形態を示し、口金1段による発泡体と口金2段による発泡体における吸音率の特性線線である。 (a)は従来例(厚さ20mm)の発泡体における吸音率の特性線図、(b)は従来例(厚さ20mm)の発泡体と従来例(厚さ10mm)の発泡体における吸音率の各特性線図、(c)は従来例(厚さ20mm)の発泡体と本実施形態(厚さ10mm)における吸音率の各特性線図、(d)は従来例の発泡体にあって、1000〜2000Hz帯の任意の周波数における1/4波長に相当する厚み(20mm)を説明する模式図、(e)は本実施形態の発泡体にあって、1000〜2000Hz帯の任意の周波数における1/4波長に相当する厚み(10mm)を説明する模式図である。 本発明の一実施形態の変形例を示し、発泡体の模式断面図である。 従来例を示し、(a)は発泡体の外観斜視図、(b)は発泡体の構造模式図である。 従来例を示し、(a)は押出し成形機の要部斜視図、(b)は1段の口金部材の正面図である。 従来例を示し、(a)は複数段の口金部材の正面図、(b)は複数段の口金部材による発泡体の構造模式図である。 従来例を示し、10mm厚と20mm厚と30mm厚と40mm厚の発泡体における各吸音率の特性線図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
図1〜図4は本発明の一実施形態を示す。図1に示すように、発泡体1Aは、偏平長方形の平板状である。
発泡体1Aは、図2(a)、(b)に示すように、パルプ繊維成分である紙粉末成分と、合成樹脂材であるポリプロピレン樹脂材と、補助剤としての澱粉成分であるコーンスターチとを発泡させ、多数の空間が形成された発泡セルS1,S2,S3より構成されている。紙粉末成分としては、官製葉書等の古紙を紙粉末繊維状にしたものを使用している。
各発泡セルS1,S2,S3は、内部の空間(空気層)がセル皮膜によって被われている。発泡セルS1,S2,S3は、その位置によって発泡密度(発泡倍率)が異なり、発泡体1Aは発泡セルS1,S2,S3の密度によって以下のような層構造に形成されている。
つまり、発泡体1Aは、厚み方向に沿って、表面皮膜層2と発泡セル層3と仕切皮膜層4と発泡セル層3と表面皮膜層2とから構成されている。各表面皮膜層2は、極薄厚みであり、発泡セル層3より発泡密度が高い発泡セルS2が密集配置されている。各発泡セル層3は、仕切皮膜層4より発泡密度が低い発泡セルS3が密集配置されている。仕切皮膜層4は、発泡セル層3及び表面皮膜層2より発泡密度が高い発泡セルS1が密集配置されている。仕切皮膜層4は、2層の発泡セル層3の間を連続して仕切って遮断している。仕切皮膜層4は、厚み方向の直交方向に一直線状で、且つ、ほぼ同じ厚みである。
又、各発泡セル層3には、厚み方向の直交方向に沿って等間隔に複数の縦仕切皮膜層5が形成されている。各発泡セル層3は、縦仕切皮膜層5によって仕切られ、分割されている。縦仕切皮膜層5は、発泡セル層3より発泡密度が高い発泡セルS2が密集配置されている。
発泡セルS1,S2,S3は、従来例のものに較べて厚み方向に押し潰された形状である(図2(b)の構造模式拡大図を参照)。その理由については、後述する。
発泡体1Aは、所定の厚みTの平板状に形成されている。つまり、発泡体1Aは、吸音材として配置する領域の幅寸法の制約内の厚みTに形成されている。
次に、上記発泡体1Aを製造する押出し成形機10を説明する。押出し成形機10は、図3(a)に示すように、各発泡材を投入する投入口(図示せず)と、投入された発泡材を混練する混練手段(図示せず)と、混練された発泡材を高温に加熱する加熱手段(図示せず)と、発泡材を押圧する押圧手段(図示せず)と、押圧室の先端側を塞ぐように配置された口金部材11と、この口金部材11の外側を囲むように配置された規制枠壁20とを備えている。口金部材11は、図3(a)、(b)に示すように、水平方向に等間隔P1を置いて配置された複数の吐出口12,13を上下2段有する。上下2段の吐出口12,13は、水平方向に対し同じ位置に配置されている。規制枠壁20は、この2段の吐出口12,13より吐出された発泡材の発泡領域を規制する。規制枠壁20は、偏平長方形状の枠である。規制枠壁20で囲む内部スペースの高さ寸法は、製造する発泡体1Aの厚みTである。
次に、発泡体1Aの製造方法を説明する。押出し成形機10内に、紙粉末成分とポリプロピレン樹脂材と補助剤としてのコーンスターチと水を供給する。そして、紙粉末成分とポリプロピレン樹脂材とコーンスターチと水を加熱混練し、この高温の発泡材を口金部材11の上下2段の吐出口12,13より押圧によって吐出させる。
すると、高温の発泡材に混入された水が各吐出口12,13より吐出された瞬間に気化し、水の蒸気圧により紙粉末成分とポリプロピレン樹脂材とコーンスターチから成る発泡材が発泡する。この発泡は、規制枠壁20によって規制されるため、規制枠壁20を断面積とする発泡体1Aが連続的に押し出される。各発泡セルS1,S2,S3は、紙粉末成分の柔軟性やコーンスターチの粘着性等によって形成される。
また、各吐出口12,13から吐出された発泡材は、自由に発泡できず、上記したように規制枠壁20で発泡形成が抑制されると共に、発泡セル同士が互いに干渉することによって発泡形成が抑制される。具体的には、図4に示すように、規制枠壁20の内周近傍に位置する発泡材の箇所E1は、規制枠壁20で発泡形成が抑制される。これによって表面皮膜層2が形成される。上下の吐出口12,13の中間位置付近に位置する発泡材の箇所E2は、互いの発泡セルS1同士が衝突(干渉)して発泡形成が抑制される。これによって仕切皮膜層4が形成される。水平方向の隣り合う吐出口12(又は13)の中間位置付近の位置する発泡箇所E3は、互いの発泡セルS2同士が衝突(干渉)して発泡形成が抑制される。これによって縦仕切皮膜層5が形成される。これらより内側位置に位置する発泡セルS3は、上記発泡セルS1,S2に較べて弱い抑制力しか働かない。これによって発泡セル層3が形成される。
発泡セルS1,S2,S3は、図4に示すように、上下の吐出口12,13からそれぞれ吐出され、互いに干渉する発泡箇所E2の領域が大きいため、厚み方向に大きな圧縮力を受け、従来例のものより厚み方向に潰れた形状となる(図2(b)の構造模式拡大図を参照)。
このように製造された発泡体1Aは、発泡セルS3が密集配置された複数の発泡セル層3と、発泡セル層3の間に配置され、発泡セル層3より密度の高い発泡セルS1が密集配置された仕切皮膜層4とを厚み方向に備え、仕切皮膜層4が複数の発泡セル層3間を連続して全域に亘って仕切っている。
従って、発泡体1Aは、外部からの音の振動を受けると、発泡セル構造であることから、音が発泡体1Aの内部を伝搬する。そして、音が発泡セルS1,S2,S3内の空間(空気層)や皮膜を通過する際の、空気の粘性抵抗によって振動が減衰される。このような空気の粘性抵抗による振動減衰は、高周波数帯域側の振動減衰に有効に作用する。
又、発泡セル層3内を伝搬する振動が仕切被膜層4に達すると、仕切被膜層4でランダムな振動が平面振動にリセットされ、その後、更に発泡セル層3内を伝搬することになるため、仕切被膜層4で振動減衰が促進される。
更に、音源とは反対側の発泡体1Aの面に剛壁を配置した場合、発泡体1Aの厚みが1/4波長に相当する厚みで入射波と反射波の相殺による振動減衰現象が生じ、その周波数帯域で吸音ピークが発生する。ここで、発泡体1Aは、厚み方向の発泡密度(発泡倍率)がほぼ均一ではなく、発泡密度が高い仕切皮膜層4を有するので、厚み方向の発泡密度がほぼ均一の構造に較べて、発泡体1Aを通過する際の音の位相速度が遅くなる。そのため、所望の周波数帯域における1/4波長を遅延させる発泡体の厚みと同様の効果を、表面での反射と裏面反射による1/2波長の遅延効果で互いに打ち消し合うことによって厚みを厚くすることなく得られ、吸音ピークを低周波数帯域にシフトさせることができる。
発泡セルS1,S2,S3は、図4に示すように、従来例のものより厚み方向に潰れた形状である(図2(b)の構造模式拡大図を参照)。従って、厚み方向の発泡セルS1,S2,S3(特に、仕切皮膜層4及び発泡セル層3の発泡セルS1,S3)の数が従来例のものに較べて多くなるため、音が発泡セルS1,S2,S3内の空間(空気層)や皮膜を通過する際の、空気の粘性抵抗による振動減衰性が向上する。又、発泡体1Aを通過する際における音の位相速度の更なる遅延化に供すると考えられる。
発泡体1Aは、所定の厚みTに形成されている。つまり、発泡体1Aは、吸音材として配置する領域の幅寸法と同じ寸法若しくはこれより小さい寸法に設定する必要があり、発泡体1Aは、このような厚み寸法の制約を満たす厚みTに設定されている。ここで、従来例の発泡体について、吸音ピークを所望の低周波数帯域とする場合には、上記所定の厚みTより厚くしなければ困難であるが、上記したように本発明の発泡体1Aでは、所定の厚みTで吸音ピークを所望の低周波数帯域とすることが可能であり、吸音材として配置する厚み制約への対応自由度が従来例に較べて優れている。
次に、実験による検証例を説明する。図5は、口金1段の厚さ10mmの従来例の発泡体と口金2段の厚さ10mmの本実施形態の発泡体における残響室法による吸音率の特性線図である。図5に示すように、本実施形態の仕切皮膜層4を有する発泡体1Aは、低周波数側に吸音ピークがシフトすることが確認された。
更に具体的に説明する。図6(a)は、仕切皮膜層を有さない20mm厚の発泡体(従来例)の残響室法による吸音率の特性線図、図6(b)は、仕切皮膜層4を有さない10mm厚の発泡体(従来例)の残響室法による吸音率の特性線図、図6(c)は、仕切皮膜層4を有する10mm厚の発泡体(本実施形態)の残響室法による吸音率の特性線図である。
図6(a)〜(c)に示すように、本発明では、10mm厚の発泡体1Aにおいて、従来例の20mm厚の発泡体と同等の吸音率を達成できることが確認された。従来例の発泡体に較べて約半分の厚みで同等の吸音率を達成できた。
つまり、従来例の発泡体50では、図6(d)に示すように、1000Hz〜2000Hzの周波数帯域のある周波数における1/4波長に相当する厚みが20mmである。従って、厚み20mmの発泡体では、当該周波数において発泡体50の入射波と反射波の相殺による振動減衰が生じ、1000Hz〜2000Hzの周波数帯域のある周波数で吸音ピークが発生する。本実施形態の発泡体1Aでは、図6(e)に示すように、1000Hz〜2000Hzの周波数帯域のある周波数における1/4波長に相当する厚みが10mmとなる。従って、厚み10mmの発泡体1Aでは、当該周波数において発泡体1Aの入射波と反射波の相殺による振動減衰が生じ、1000Hz〜2000Hzの周波数帯域の上記と同じ周波数で吸音ピークが発生する。以上より、本実施形態の10mm厚の発泡体1Aは、1000Hz〜2000Hzの会話明瞭度の領域で高い吸音特性を発揮し、例えば自動車内に使用する吸音材として好適である。
また、発泡セルS1,S2,S3が密集状態に配置されるため、空気の通過を極力阻止、つまり、対流による熱の伝達をほぼ阻止する。又、仕切皮膜層4は、発泡材料が発泡材料の中でも熱伝導率の低いものであるため、仕切被覆層4の代わりを発泡セル層3としたもの(従来例)に較べて、熱の伝達を極力抑制できる。つまり、仕切皮膜層4は熱伝達の遮蔽壁として機能するため、発泡体1Aの断熱特性の向上を図ることができる。
仕切皮膜層4は、厚み方向の直交方向に一直線状で、且つ、同じ厚みである。従って、発泡体1Aは、どの箇所でもほぼ同じ断熱特性を発揮する。
発泡体1Aは、規制枠壁20で発泡領域が囲まれ、一定の方向に間隔を置いて上下同じ位置に設けられた複数段の吐出口12,13より発泡材が吐出されることによって形成されている。従って、本実施形態に係る発泡体1Aを1回の発泡成形で形成できる。
パルプ繊維成分として古紙を利用するため、低コスト化を図ることができ、又、古紙のリサイクルも可能である。
(変形例)
図7は、実施形態の変形例を示す。図7に示すように、変形例の発泡体1Bは、3つの発泡セル層3と、各発泡セル層3の間に配置された2つの仕切皮膜層4とを備えている。つまり、仕切皮膜層4を2層有する。発泡体1Bの厚み寸法Tは、前記実施形態と同じである。
押出し成形機は、その口金部材が水平方向に等間隔を置いて配置された複数の吐出口12,13,14を上下3段有する。上下3段の吐出口12,13,14は、水平方向に対し同じ位置に配置されている。
他の構成は、前記実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。図面の同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
発泡体1Bは、前記実施形態と同様に、押出し成形機を使用して製造できる。
この変形例の発泡体1Bは、仕切皮膜層4を2箇所に有するので、前記実施形態のものと同様の理由により、厚みを厚くしなくても低周波数側に吸音ピークをシフトさせることができる。
この変形例の発泡体1Bは、仕切皮膜層4を2箇所に有するので、前記実施形態のものと比較して、熱伝達の遮蔽壁が2箇所となり、更に断熱特性が良い。仕切皮膜層4は、3箇所以上設けても良い。仕切皮膜層4は、多ければ多いほど断熱特性の向上になる。
1A,1B 発泡体
2 表面皮膜層
3 発泡セル層
4 仕切皮膜層
5 縦仕切皮膜層
10 押出し成形機
12,13,14 吐出口
20 規制枠壁
S1,S2,S3 発泡セル

Claims (10)

  1. パルプ繊維成分と合成樹脂成分と補助剤としての澱粉成分とを発泡させ、多数の空間が形成された発泡セルより構成された発泡体であって、
    前記発泡セルが密集配置された複数の発泡セル層と、前記発泡セル層の間に配置され、前記発泡セル層より密度の高い前記発泡セルが密集配置された仕切皮膜層とを厚み方向に備え、前記仕切皮膜層が複数の前記発泡セル層間を連続して仕切り、音の位相速度を遅らせる構造であることを特徴とする発泡体。
  2. 請求項1記載の発泡体であって、
    前記各発泡セルは、厚み方向に潰された形状であることを特徴とする発泡体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の発泡体であって、
    所定の厚みの平板状に形成されていることを特徴とする発泡体。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発泡体であって、
    前記各発泡セル層の表面側には、前記発泡セル層より密度が高い表面皮膜層をそれぞれ有することを特徴とする発泡体。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発泡体であって、
    各発泡セル層には、厚み方向の直交方向に間隔を置いて配置された縦仕切皮膜層を有し、前記縦仕切皮膜層によって各発泡セル層が仕切られていることを特徴とする発泡体。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発泡体であって、
    規制枠壁で発泡領域が囲まれ、一定の方向に間隔を置いて上下同じ位置に設けられた複数段の吐出口より発泡材が吐出されることによって形成されたことを特徴とする発泡体。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発泡体であって、
    前記仕切皮膜層は、厚み方向の直交方向に一直線状で、且つ、同じ厚みであることを特徴とする発泡体。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発泡体であって、
    合成樹脂材は、ポリプロピレン樹脂材であることを特徴とする発泡体。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の発泡体であって、
    所定の厚みは、10mmであることを特徴とする発泡体。
  10. 一定の方向に間隔を置いて配置された複数の吐出口が上下同じ位置で複数段設けられ、複数段の前記各吐出口より吐出された発泡体の発泡領域を規制する規制枠壁が設けられた押出し成形機を使用し、
    前記押出し成形機にパルプ繊維成分と合成樹脂成分と補助剤としての澱粉成分と水を供給し、前記パルプ繊維成分と合成樹脂成分と澱粉成分と水を加熱混練して複数段の前記各吐出口より押圧によって吐出させ、
    発泡セルが密集配置された複数の発泡セル層と、前記発泡セル層の間に配置され、前記発泡セル層より密度の高い前記発泡セルが密集配置された仕切皮膜層とを厚み方向に備え、前記仕切皮膜層が複数の前記発泡セル層間を連続して仕切り、音の位相速度を遅らせる構造の発泡体を製造することを特徴とする発泡体の製造方法。
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