JP2014098055A - 絶縁層形成用組成物、絶縁層形成用フィルム及び基板 - Google Patents

絶縁層形成用組成物、絶縁層形成用フィルム及び基板 Download PDF

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晃彦 飛澤
Hirotsugu Shirato
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Abstract

【課題】優れた熱伝導性及び絶縁性を有する絶縁層を形成することができる絶縁層形成用組成物及び絶縁層形成用フィルムを提供すること、また、優れた放熱性及び信頼性を有する基板を提供すること。
【解決手段】本発明の絶縁層形成用組成物は、絶縁層を形成するのに用いられる絶縁層形成用組成物であって、樹脂材料と、無機材料で構成されたフィラーと、アルミネート系カップリング剤とを含んで構成されていることを特徴とする。また、本発明の絶縁層形成用フィルムは、前記絶縁層形成用組成物を層状に成形した絶縁層形成層を有することを特徴とする。さらに、本発明の基板は、金属材料で構成された金属板と、前記金属板上に設けられ、前記絶縁層形成用組成物を層状に成形した硬化物又は固化物で構成された絶縁層と、前記絶縁層の前記金属板とは反対側の面上に設けられた導体層とを有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、絶縁層形成用組成物、絶縁層形成用フィルム及び基板に関する。
金属材料で構成された金属板上に絶縁層を介して配線を形成してなる基板が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような基板は、樹脂材料及び繊維基材を主として構成された基板に比し、基板上に搭載した半導体素子や発光素子等の電子部品からの熱を効率的に外部へ逃すことができる。
このような基板では、絶縁層が樹脂材料及び無機フィラーを含んで構成されている。これにより、電子部品からの熱を絶縁層を介して金属板へ効率的に伝達することができる。
ところで、近年、電子部品からの熱量の増加に伴い、かかる基板には、放熱性のさらなる向上が求められている。
しかし、従来の基板では、絶縁層の熱伝導率が十分でなく、その結果、絶縁層の必要な絶縁性を確保しつつ基板の放熱性を高めることができないという問題があった。すなわち、従来では、優れた熱伝導性及び絶縁性を有する絶縁層を実現することができなかった。
特開2001−196495号公報
本発明の目的は、優れた熱伝導性及び絶縁性を有する絶縁層を形成することができる絶縁層形成用組成物及び絶縁層形成用フィルムを提供すること、また、優れた放熱性及び信頼性を有する基板を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1) 絶縁層を形成するのに用いられる絶縁層形成用組成物であって、
樹脂材料と、
無機材料で構成されたフィラーと、
アルミネート系カップリング剤とを含んで構成されていることを特徴とする絶縁層形成用組成物。
(2) 前記フィラーは、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムのうちの少なくとも1種で構成されている上記(1)に記載の絶縁層形成用組成物。
(3) 前記フィラーは、複数の1次粒子で構成され、
前記フィラーの平均粒径をAとし、前記複数の1次粒子の平均粒径をBとしたときに、
A/Bは、1.0以上1.5以下であり、かつ、
Bは、2.5μm以上4.0μm以下である上記(1)又は(2)に記載の絶縁層形成用組成物。
(4) 前記アルミネート系カップリング剤の含有量は、樹脂材料100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下である上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
(5) 前記フィラーの含有量は、全体の30vol%以上70vol%以下である上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
(6) 前記樹脂材料の含有量は、全体の30vol%以上70vol%以下である上記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
(7) 前記樹脂材料は、硬化性樹脂である上記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
(8) 前記フィラーの比表面積(BET比表面積)は、0.5m/g以上3.0m/g以下である上記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
(9) 粘度が3.0Pa・s以下である上記(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
(10) 上記(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物を層状に成形した絶縁層形成層を有することを特徴とする絶縁層形成用フィルム。
(11) 前記絶縁層形成層を支持する支持層を有する上記(10)に記載の絶縁層形成用フィルム。
(12) 前記支持層は、金属箔である上記(11)に記載の絶縁層形成用フィルム。
(13) 金属材料で構成された金属板と、
前記金属板上に設けられ、上記(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物を層状に成形した硬化物又は固化物で構成された絶縁層と、
前記絶縁層の前記金属板とは反対側の面上に設けられた導体層とを有することを特徴とする基板。
本発明の絶縁層形成用組成物によれば、フィラーの含有量を多くしても、粘度を抑えるとともに、所望のフロー性を有するものとすることができる。そのため、絶縁層中にボイドが発生するのを防止しつつ、熱伝導性に優れた絶縁層を形成することができる。すなわち、優れた熱伝導性及び絶縁性を有する絶縁層を形成することができる。
また、本発明の絶縁層形成用フィルムによれば、比較的簡単に、優れた熱伝導性及び絶縁性を有する絶縁層を形成することができる。
また、本発明の基板によれば、優れた熱伝導性及び絶縁性を有する絶縁層を有するので、放熱性及び信頼性に優れる。
本発明の実施形態に係る基板の概略構成を示す断面図である。 図1に示す基板の絶縁層を模式的に示す部分拡大断面図である。 図1に示す基板の製造方法を説明するための図である。 本発明の基板を用いた電子回路の一例を示す概略図である。
以下、本発明の絶縁層形成用組成物、絶縁層形成用フィルム及び基板を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る基板の概略構成を示す断面図、図2は、図1に示す基板の絶縁層を模式的に示す部分拡大断面図、図3は、図1に示す基板の製造方法を説明するための図、図4は、本発明の基板を用いた電子回路の一例を示す概略図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1ないし図4中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。また、各図では、説明の便宜上、基板及びその各部を誇張して模式的に図示しており、基板及びその各部の大きさ及びその比率は実際とは大きく異なる。
(基板)
図1に示す基板1は、金属板2と、導体層3と、絶縁層4とを有し、金属板2と導体層3とが絶縁層4を介して接合されている。すなわち、基板1は、金属板2、絶縁層4及び導体層3がこの順で積層されている。
このような基板1は、導体層3側からの熱を絶縁層4を介して金属板2に伝達し、金属板2で放熱を行うことができる。
以下、基板1を構成する各部を順次詳細に説明する。
金属板2は、導体層3を支持する機能を有する。また、金属板2は、後述するように基板1を電子回路に用いたときに、基板1に搭載された電子部品からの熱を逃す放熱部としての機能も有する。
このような金属板2は、金属材料で構成されている。
かかる金属材料としては、特に限定されないが、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いるのが好ましい。アルミニウム又はその合金で金属板2を構成することにより、金属板2の熱伝導性を優れたものとすることができる。その結果、基板1の放熱性を優れたものとすることができる。
また、金属板2の厚さは、導体層3を支持することができれば、特に限定されないが、例えば、1mm以上5mm以下であるのが好ましく、1mm以上2mm以下であるのがより好ましい。金属板2の厚さをこのような数値範囲に設定することにより、基板1の必要な機械的強度を確保しつつ、基板1の薄型化を図ることができる。
このような金属板2の一方の面には、導体層3が絶縁層4を介して接合されている。
導体層3は、絶縁層4の金属板2とは反対側の面上に設けられ、後述するように基板1を電子回路に用いるときに、エッチング等の加工によりパターニングされることにより配線や電極等となるものである。すなわち、導体層3は、絶縁層4の全面に亘って一様に形成された導体箔であって、パターニングされることにより導体パターンとなるものである。
このような導体層3は、導電性を有する材料で構成されている。具体的には、導体層3の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、金属材料が好適に用いられ、特に、電気抵抗が小さく、また、安価であるとの理由から、銅又は銅合金を用いるのが好ましい。
また、導体層3の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上200μm以下であるのが好ましく、18μm以上70μm以下であるのがより好ましい。
絶縁層4は、金属板2と導体層3との間に設けられ、これらを接着(接合)する機能を有する。また、絶縁層4は、絶縁性を有する。これにより、金属板2と導体層3との絶縁状態が確保されている。
さらには、絶縁層4は、熱伝導性を有する。これにより、絶縁層4は、導体層3側の熱を金属板2に伝達することができる。このような絶縁層4の熱伝導率は、高いほどよく、具体的には、1W/m・K以上であるのが好ましく、3W/m・K以上であるのがより好ましい。これにより、絶縁層4が導体層3側の熱を金属板2に効率よく伝達することができる。
絶縁層4の厚さ(平均厚さ)は、特に限定されないが、10μm以上200μm以下程度であるのが好ましく、20μm以上150μm以下程度であるのがより好ましい。これにより、絶縁層4の絶縁性を確保しつつ、絶縁層4の熱伝導性を向上させることができる。
図2に示すように、絶縁層4は、樹脂材料を主材料として構成された樹脂部41内にフィラー42が分散されている。
樹脂部41は、フィラー42同士を結合させるバインダーとしての機能を有する。
フィラー42は、樹脂部41の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。これにより、絶縁層4の熱伝導率を高めることができる。
このような絶縁層4は、後述するように、樹脂材料(バインダー)、フィラー及びアルミネート系カップリング剤を含む絶縁層形成用組成物を硬化また固化させることにより形成される。すなわち、絶縁層4は、かかる絶縁層形成用組成物を層状に成形した硬化物又は固化物で構成されている。なお、絶縁層形成用組成物については、後述する基板1の製造方法の説明において、詳述する。
(基板の製造方法)
次に、図3に基づいて、前述したような基板1の製造方法の一例について説明する。
[1]
まず、図3(a)に示すように、導体層3を用意する。より具体的には、例えば、導体層3として銅箔のような導体箔を用意する。
[2]
次に、図3(b)に示すように、導体層3上に絶縁層形成層4Aを形成する。これにより、絶縁層形成用フィルム10が得られる。
この絶縁層形成層4Aは、絶縁層形成用組成物を層状に成形したものである。そして、この絶縁層形成層4Aは、後述する工程[3]において硬化又は固化することにより、絶縁層4となるものである。
ここで、導体層3は、絶縁層形成用フィルム10において、絶縁層形成層4Aを支持する支持層を構成する。このように絶縁層形成層4Aを導体層3で支持することにより、絶縁層形成用フィルム10の取り扱い性を向上させることができる。
また、このように支持層を構成する導体層3は、金属箔であるのが好ましい。これにより、絶縁層形成層4Aを導体層3で安定的に支持することができる。また、導体層3の導電性及び加工性を優れたものとすることができる。そのため、導体層3を加工することにより優れた特性を有する導体パターンを得ることができる。
かかる絶縁層形成用組成物は、樹脂材料、フィラー及びアルミネート系カップリング剤を含んで構成されている。
絶縁層形成用組成物に含まれる樹脂材料としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の各種樹脂材料を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、又はこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
一方、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
これらのなかでも、絶縁層形成用組成物に用いる樹脂材料としては、硬化性樹脂(特に熱硬化性樹脂)を用いるのが好ましく、さらに、入手の容易性からエポキシ樹脂を用いるのがより好ましい。これにより、得られる絶縁層4の耐熱性を優れたものとすることができる。また、絶縁層4を介して金属板2と導体層3とを強固に接合することができる。そのため、得られる基板1の耐久性及び信頼性を優れたものとすることができる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂などの各種エポキシ樹脂が挙げられる。
また、前記樹脂材料の含有量は、絶縁層形成用組成物全体(溶剤を除く)の、30vol%以上70vol%以下であるのが好ましく、40vol%以上60vol%以下であるのがより好ましい。これにより、得られる絶縁層4の機械的強度及び熱伝導性を優れたものとすることができる。
これに対し、かかる含有量が前記下限値未満であると、樹脂材料がフィラー同士を結合するバインダーとしての機能を十分に発揮することができず、得られる絶縁層4の機械的強度が低下する傾向を示す。また、絶縁層形成用組成物の構成材料によっては、絶縁層形
成用組成物の粘度が高くなりすぎて、絶縁層形成用組成物(ワニス)の濾過作業や層状成形(コーティング)が困難となったり、絶縁層形成用組成物のフローが小さくなりすぎて、得られる絶縁層4にボイドが発生してしまったりする場合がある。
一方、かかる含有量が前記上限値を超えると、得られる絶縁層4の絶縁性を確保しつつ、絶縁層4の熱伝導性を優れたものとするのが難しい。
また、かかる絶縁層形成用組成物には、前述した樹脂材料の種類等によっては、必要に応じて、硬化剤が含まれる。例えば、エポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂を硬化させるために硬化剤、硬化触媒が用いられるが、これらは樹脂材料に含まれる。また不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等は、硬化触媒として過酸化物等が用いられるが、これらは樹脂材料に含まれる。
硬化剤としては、特に限定されず、例えば、ジシアンジアミド、脂肪族ポリアミド等のアミド系硬化剤や、ジアミノジフェニルメタン、メタンフェニレンジアミン、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミン系硬化剤や、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、p−キシレン−ノボラック樹脂などのフェノール系硬化剤や、酸無水物類等を挙げることができる。
また、絶縁層形成用組成物は、さらに硬化触媒(硬化促進剤)を含んでいてもよい。これにより、絶縁層形成用組成物の硬化性を向上させることができる。
硬化触媒としては、例えば、イミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン等アミン系触媒、トリフェニルホスフィン等リン系触媒等が挙げられる。これらの中でもイミダゾール類が好ましい。これにより、特に、絶縁層形成用組成物の速硬化性及び保存性を両立することができる。
イミダゾール類としては、例えば1−ベンジル−2メチルイミダゾール、1−ベンジル−2フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。これらの中でも2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール又は2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これにより、絶縁層形成用組成物の保存性を特に向上させることができる。
また、硬化触媒の含有量は、特に限定されないが、樹脂材料100質量部に対して0.01質量部以上30質量部以下程度であるのが好ましく、特に0.5質量部以上10質量部以下程度であるのがより好ましい。かかる含有量が前記下限値未満であると、絶縁層形成用組成物の硬化性が不十分となる場合があり、一方、かかる含有量が前記上限値を超えると、絶縁層形成用組成物の保存性が低下する傾向を示す。
また、硬化触媒の平均粒子径は、特に限定されないが、10μm以下であることが好ましく、特に1μm以上5μm以下であることがより好ましい。かかる平均粒子径が前記範囲内であると、特に硬化触媒の反応性に優れる。
また、絶縁層形成用組成物に含まれるカップリング剤は、アルミネート系カップリング剤である。
このようなアルミネート系カップリング剤を用いることにより、絶縁層形成用組成物の流動性を向上させることができる。そのため、絶縁層形成用組成物中に含まれるフィラーの含有量が多くても、粘度を抑えるとともに、所望のフロー性を有するものとすることができる。また、フィラー、導体層3及び金属板2に対する樹脂材料の密着性を向上させるとともに、絶縁層形成用組成物の耐熱性を向上させることができる。
より具体的に説明すると、アルミネート系カップリング剤を利用することにより、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムなどのフィラーの表面が疎水性となり、絶縁層形成用組成物の流動性が最大となる。そのため、アルミネート系カップリング剤を用いることにより、絶縁層形成用組成物の流動性を向上させることができる。
アルミネート系カップリング剤は、加水分解可能なアルコキシ基を有するアルミニウム有機化合物の中から、接着性等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムジイソプロピレートモノセカンダリーブチレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムエチレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレキシエチルアセトアセテート、アルミニウムオキサイドオクチレートトリマー、アルミニウムオキサイドステアレートトリマー等が挙げられる。これらの一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。なかでも、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテートが好適である。
アルミネート系カップリング剤のより具体的な化合物としては、下記式(1)で表されるアルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート(味の素ファインテクノ(株)製プレンアクトAL−M)、下記式(2)で表されるアルミニウムオキサイドオクチレートトリマー(川研ファインケミカル製アルゴマー800AF)、下記式(3)で表されるアルミニウムオキサイドステアレートトリマー(川研ファインケミカル製アルゴマー1000SF)、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート(川研ファインケミカル製ALCH),アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート(川研ファインケミカル製アルミキレートD)などが、市販品として入手可能である。


また、かかるアルミネート系カップリング剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂材料100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下程度であるのが好ましく、特に0.5質量部以上10質量部以下程度であるのがより好ましい。かかる含有量が前記下限値未満であると、前述したような密着性を高める効果が不十分となる場合があり、一方、かかる含有量が前記上限値を超えると、絶縁層4を形成する際にアウトガスやボイドの原因になる場合がある。
なお、絶縁層形成用組成物には、上記アルミネート系カップリング剤以外のカップリング剤が含まれていてもよい。
また、絶縁層形成用組成物中のフィラー(フィラー42)は、放熱性及び絶縁性に優れた無機材料で構成されていればよいが、酸化アルミニウム(アルミナ)及び窒化アルミニウムのうちの少なくとも1種で構成されたものが好適に用いられる。以下、フィラーが酸化アルミニウム(アルミナ)及び窒化アルミニウムの少なくとも1種で構成された場合を例に説明する。
このようなフィラーは、複数の1次粒子で構成されている。
そして、フィラーの平均粒径をAとし、複数の1次粒子の平均粒径をBとしたときに、
A/Bは、1.0以上1.5以下であり、かつ、
Bは、2.5μm以上4.0μm以下であるのが好ましい。
このようなフィラーを用いた絶縁層形成用組成物によれば、フィラーの含有量を多くしても、適度な粘度及びフロー性を有するものとなる。そのため、得られる絶縁層4中にボイドが発生するのを防止しつつ、熱伝導性に優れた絶縁層4を形成することができる。すなわち、優れた熱伝導性及び絶縁性を有する絶縁層4を形成することができる。
ここで、フィラーの平均粒径及び1次粒子の平均粒径についてより具体的に説明する。
例えば、酸化アルミニウムは、水酸化アルミニウムを焼成することにより得られる。得られる酸化アルミニウムは、複数の1次粒子で構成されるが、その1次粒子の平均粒径は、その焼成の条件に応じて設定することができる。
その焼成後に何ら処理されていない酸化アルミニウムは、1次粒子同士が固着により凝集している。そのため、その1次粒子同士の凝集を粉砕により必要に応じて解くことにより、最終的なフィラーが得られる。最終的なフィラーの平均粒径は、その粉砕の条件(例えば時間)に応じて設定することができる。
その粉砕の際、酸化アルミニウムは極めて高い硬度を有するため、1次粒子同士の固着が解かれていくだけで、1次粒子自体は殆ど破壊されず、1次粒子の平均粒径は粉砕後においてもほぼ維持されることとなる。
したがって、粉砕時間が長くなるに従い、フィラーの平均粒径は、1次粒子の平均粒径に近づくことになる。そして、粉砕時間が所定時間以上となると、フィラーの平均粒径は、1次粒子の平均粒径に等しくなる。
このように、アルミナのようなフィラーは、一般に、その平均粒径と1次粒子の平均粒径とに乖離が生じているが、本発明者は、その乖離の程度を示す上記A/Bと1次粒子の平均粒径Bとが前述したような関係を満たすときに、フィラーの含有量を多くしても、適度な粘度及びフロー性を有することを見出した。
また、絶縁層形成用組成物中に分散しているフィラー(フィラー42)は、樹脂部41の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。これにより、絶縁層4の熱伝導率を高めることができる。
また、例えば、前述したように水酸化アルミニウムを焼成することにより得られた酸化アルミニウムの1次粒子は、球形ではなく、鱗片状のような角張った形状をなしている。そのため、フィラー同士の接触面積を大きくすることができる。その結果、得られる絶縁層4の熱伝導性を高めることができる。
また、前述したA/Bは、1.0以上1.5以下であればよいが、1.0以上1.4以下であるのがより好ましく、1.0以上1.3以下であるのがさらに好ましい。
また、フィラー42の1次粒子の平均粒径は、2.5μm以上4.0μm以下であればよいが、2.5μm以上3.5μm以下であるのがより好ましく、2.5μm以上3.0μm以下であるのがさらに好ましい。
また、フィラー42の平均粒径としては、特に限定されないが、0.1μm以上25μm以下程度であるのが好ましく、0.25μm以上20μm以下程度であるのがより好ましい。これにより、絶縁層形成用組成物の粘度及びフロー性を適度なものとし、得られる絶縁層4の熱伝導性及び絶縁性を優れたものとすることができる。
また、フィラー42の粒子径の変動係数(すなわち、粒度分布の狭さ;CV値)は、特に限定されないが、30%以下であるのが好ましく、20%以下であるのがより好ましく、10%以下であるのがさらに好ましい。
また、フィラーの含有量は、絶縁性樹脂組成物全体(溶剤を除く)の、30vol%以上70vol%以下であるのが好ましく、40vol%以上60vol%以下であるのがより好ましい。これにより、絶縁層形成用組成物(ワニス)の粘度及びフロー性を適度なものとするとともに、得られる絶縁層4の熱伝導性を優れたものとすることができる。
これに対し、かかる含有量が前記下限値未満であると、得られる絶縁層4の絶縁性を確保しつつ、絶縁層4の熱伝導性を優れたものとするのが難しい。一方、かかる含有量が前記上限値を超えると、絶縁層形成用組成物の構成材料によっては、絶縁層形成用組成物の粘度が高くなりすぎて、ワニスの濾過作業や層状への成形(コーティング)が困難となったり、絶縁層形成用組成物のフローが小さくなりすぎて、得られる絶縁層4にボイドが発生してしまったりする場合がある。
また、フィラーの比表面積(BET比表面積)は、0.5m/g以上3.0m/g以下であるのが好ましく、0.7m/g以上2.5m/g以下であるのがより好ましい。
フィラーの平均粒径が大きくなるほど、フィラーの比表面積が小さくなり、一方、フィラーの平均粒径が小さくなるほど、フィラーの比表面積が大きくなる。また、フィラーの一次粒子の平均粒径が大きくなるほど、フィラーの比表面積が小さくなり、一方、フィラーの一次粒子の平均粒径が小さくなるほど、フィラーの比表面積が大きくなる。
このように、フィラーの平均粒径A及び一次粒子の平均粒径Bと、フィラーの比表面積とは、互いに相関関係を有している。そして、フィラーの比表面積を前述したような範囲とすることにより、前述したようなA及びBの関係を満たすことができる。
また、絶縁層形成用組成物は、上述した成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲でレベリング剤、消泡剤等の添加剤が含まれていてもよい。
また、絶縁層形成用組成物は、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、ジメチルホルムアルデヒド等の溶剤を含む。これにより、絶縁層形成用組成物は、樹脂材料等が溶剤に溶解することにより、ワニスの状態となる。
このようなワニス状態の絶縁層形成組成物を、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等を用いて、導体層3上に塗工し、乾燥することで絶縁層形成層4Aが得られる。
このようなワニス状態の絶縁層形成用組成物の粘度は、3.0Pa・s以下であるのが好ましく、2.0Pa・s以下であるのがより好ましい。これにより、絶縁層形成用組成物の濾過作業及びコーティングが可能となる。
[3]
次に、絶縁層形成層4Aと金属板2とを貼り合わせた後に、加熱及び加圧する。これにより、図3(c)に示すように、基板1が得られる。
かかる加熱及び加圧は、特に限定されないが、例えば、150〜200℃、2〜10MPaで30〜240分行われる。
(基板の応用例)
次に、図4に基づいて、前述した基板1の応用例について説明する。
図4に示す制御装置100は、自動車20に搭載され、その前方に向かって光を照射するヘッドライト(光源)201の駆動を制御するものである。本実施形態では、ヘッドライト201は、複数の発光ダイオード素子(LED)202が配置されたものである。
制御装置100は、基板1Aと、基板1A上に設けられた半導体素子51、52及びコネクタ53とを有している。
基板1Aは、金属板2と、導体層3Aと、絶縁層4とを有し、金属板2と導体層3Aとが絶縁層4を介して接合されている。
ここで、導体層3Aは、前述した基板1の導体層3をエッチング等によりパターンニン
グして形成された導体パターンである。すなわち、基板1Aは、基板1の導体層3をパターンニングすることにより得られるものである。
このような基板1Aの導体層3A上には、半導体素子51、52及びコネクタ53等が設けられ、これらが回路6を形成している。
本実施形態では、絶縁層4の上面には、導体層3Aが形成されていない部分を覆う被覆層(ソルダーレジスト層)7が設けられている。これにより、導体層3を保護することができ、回路6の劣化やショートを防止することができる。被覆層7の構成材料は、絶縁性を有していれば特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂等の各種樹脂材料を用いることができる。なお、被覆層7は、省略してもよい。
半導体素子51、52は、その内部に、銅等の導電性金属材料で構成される配線パターンが設けられている。この配線パターンは、下面から突出した複数の端子に電気的に接続されている。そして、各端子がそれぞれ導体層3Aと接合され、これにより、半導体素子51、52が導体層3Aと電気的に接続される。各端子は、例えば半田、銀ろう、銅ろう、燐銅ろうのような各種ろう材を主材料として構成することができる。
なお、半導体素子51、52の外装部を構成するモールド部512、522は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のような熱硬化性樹脂で構成されている。
コネクタ53は、中継ケーブル204を介して、ヘッドライト201に接続されている。なお、中継ケーブル204のヘッドライト201と反対側の端部には、コネクタ53と接続されるコネクタ205が設置されている。
コネクタ53は、いわゆる「オス側」のコネクタであり、複数のピン(端子)531と、これらのピン531を一括して収納するハウジング532とを有している。各ピン531は、それぞれ、銅等の導電性金属材料で構成され、導体層3Aに電気的に接続されている。そして、各ピン531と、いわゆる「メス側」のコネクタ205の各端子(図示せず)とが嵌合により接続される。
ハウジング532は、筒体で構成され、基板1Aに対し立設している。そして、ハウジング532に収納された各ピン531も基板1Aに対し垂直方向に、すなわち、鉛直上方に向かって起立している。これにより、コネクタ53に中継ケーブル204のコネクタ205を接続する際、コネクタ205を上方から差し込むことができ、その接続作業を容易に行なうことができる。
ハウジング532の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、半導体素子51、52のモールド部512、522の構成材料と同様の熱硬化性樹脂が用いることができる。
さらに、制御装置100は、導体層3や半導体素子51、52、特に導体層3と半導体素子51、52との接続部を覆う保護部材8を有している。
保護部材8は、硬質の樹脂材料で構成され、層状に設けられている。これにより、半導体素子51、52や、コネクタ53を一括して固定することができる。従って、自動車20が走行しているときにその振動が制御装置100に伝達したとしても、当該振動による半導体素子51、52やコネクタ53の離脱を確実に防止することができる。また、例えば、ケーシングで制御装置100を覆わなくとも、半導体素子51、52等を保護することができる。また、半導体素子51、52等が保護部材8に埋設された状態となるため、
これらに対する防水・防塵機能を発揮することができる。
保護部材8を構成する硬質の樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、半導体素子51、52のモールド部512、522やハウジング532の構成材料と同様の熱硬化性樹脂を用いることができ、特にエポキシ樹脂、フェノール樹脂が好ましい。
ここで、保護部材8を構成する樹脂材料には、アルミナ等の金属酸化物、窒化ホウ素等の窒化物に代表される電気絶縁性かつ高熱伝導性フィラーを充填されているのが好ましい。これにより、保護部材8を介して、通電によって半導体素子51、52等が発した熱の放熱が促進される。そして、この放熱と、金属板2を介しての放熱とが相まって、制御装置100は、全体として放熱性に極めて優れたものとなる。
以上、本発明の絶縁層形成用組成物、絶縁層形成用フィルム及び基板を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、絶縁層形成用組成物、絶縁層形成用フィルム及び基板を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の基板の用途は、前述した実施形態のものに限定されるものでないことはいうまでもなく、放熱性を要する各種装置に用いる基板として好適に用いることができる。例えば、本発明の基板はLED発光素子を搭載する基板として用いることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
1.基板の製造
以下のようにして基板を製造した。
(実施例1)
1.1絶縁層形成用組成物(ワニス)の調製
ビスフェノールF/ビスフェノールAフェノキシ樹脂(三菱化学製、4275、重量平均分子量6.0×10、ビスフェノールF骨格とビスフェノールA骨格の比率=75:25)12.0質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC製、850S、エポキシ当量190)9.8質量部、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(東京化成製)2.6質量部、2−フェニルイミダゾール(四国化成製2PZ)0.1質量部、アルミネート系カップリング剤として下記式(1)で表されるアルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート(味の素ファインテクノ(株)製プレンアクトAL−M)0.5質量部、アルミナ1(日本軽金属製LS−210B、平均粒径A:2.58μm、一次粒径B:2.50μm、平均粒径A/一次粒径B=1.03、比表面積1.0m/g)75.0質量部をシクロヘキサノンに溶解・混合させ、高速撹拌装置を用い撹拌して、固形分70質量%の絶縁層形成用組成物(ワニス)を得た。
1.2絶縁層形成用フィルムの作製
金属箔(導体層)として、厚さ70μmの銅箔(古河サーキットホイル製、GTSMP
)を用い、その銅箔の粗化面に、上記1.1で得られた絶縁層形成用組成物をコンマコーターにて塗布し、100℃で3分、150℃で3分加熱乾燥し、絶縁層形成用組成物の厚さ100μmの絶縁層形成用フィルム(絶縁層形成用組成物付き銅箔)を得た。得られた絶縁層形成用フィルムにおける樹脂材料及びフィラー(アルミナ)の含有量は、それぞれ、絶縁性樹脂組成物全体の53vol%及び47vol%であった。
1.3基板の作製
上記1.2で得られた絶縁層形成用フィルムと、金属板として2mm厚のアルミニウム板を張り合わせ、真空プレスを用いて、プレス圧2.9MPaで80℃30分、200℃90分の条件下でプレスし、基板を得た。
(実施例2〜6及び比較例1、2)
表1に示す配合で絶縁層形成用組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、絶縁層形成用組成物及び基板を作製した。
尚、実施例2〜6及び比較例1、2で新たに使用した原料について、下記に示した。
下記式(2)で表されるアルミニウムオキサイドオクチレートトリマー(川研ファインケミカル製アルゴマー800AF)

下記式(3)で表されるアルミニウムオキサイドステアレートトリマー(川研ファインケミカル製アルゴマー1000SF)

3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製KBM−403)
3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製KBM−903)
アルミナ2(日本軽金属製LS−220、平均粒径3.36μm、一次粒径2.50μm、平均粒径/一次粒径=1.30、比表面積0.9m/g)
窒化アルミニウム(東洋アルミニウム製JC、平均粒径3.24μm、一次粒径2.70μm、平均粒径/一次粒径=1.20、比表面積0.9m/g)
2.評価
各実施例及び各比較例により得られた絶縁層形成用組成物及び基板について、次の各評価を行った。
2.1絶縁層形成用組成物の粘度
各実施例及び各比較例の絶縁層形成用組成物について、E型粘度計を用いて、温度25℃、せん断速度5.0rpmの条件で粘度を測定した。
2.2外観
各実施例及び各比較例の基板について、銅箔(導体層)をエッチングにより除去し、絶
縁層の外観を目視で観察し、ボイドやカスレの有無を評価した。また、フロー量(絶縁層のプレス前の外周縁とプレス後の外周縁との間の距離)の長さを測定した。
2.3半田耐熱性
各実施例及び各比較例の基板について、50mm×50mmにグラインダーソーでカットした後に、その銅箔を1/4だけ残すようにエッチングにより除去することにより、試料を作製し、JIS C 6481に準拠して半田耐熱性を評価した。かかる評価は、前処理をしない場合と、121℃、100%、(PCT処理)を4時間行った後の場合において、それぞれ、288℃の半田槽に30秒間浸漬した後の外観の異常の有無に基づいて、下記の評価基準により行った。
評価基準:異常なし(フクレの箇所がない)
:膨れあり(全体的にフクレの箇所がある)
2.4絶縁破壊電圧
各実施例及び各比較例の基板について、100mm×100mmにグラインダーソーでカットした後に、その端縁部から約30mmの位置から外側部分の銅箔をエッチングにより除去することにより、試料を作製し、絶縁破壊電圧を評価した。かかる評価は、耐電圧試験器(MODEL7473、EXTECH Electronics社製)を用いて、銅箔と金属板に電極を接触せしめて、両電極に1kV/秒の速度で電圧を上昇させていきながら交流電圧を印加し、絶縁層が破壊したときの電圧を絶縁破壊電圧とした。
これらの評価結果を表1に示す。
表1に示す評価結果から明らかなように、各実施例では、半田耐熱性に優れ、絶縁破壊電圧値が十分に高く、また、高い熱伝導率を有する。
これに対し、比較例1、2では、フローがなく、また、ボイドが発生し、半田耐熱性が低下し、絶縁破壊電圧値が低い。これは、樹脂の流動性が悪化し、絶縁層中に微小なボイドが発生したことによって、半田耐熱性が低下し、絶縁破壊電圧値が低下したものと推察される。
1、1A 基板
2 金属板
3、3A 導体層
4 絶縁層
4A 絶縁層形成層
41 樹脂部
42 フィラー
51、52 半導体素子
512、522 モールド部
53 コネクタ
531 ピン(端子)
532 ハウジング
6 回路
7 被覆層
8 保護部材
10 絶縁層形成用フィルム
20 自動車
100 制御装置
201 ヘッドライト
202 発光ダイオード素子
204 中継ケーブル
205 コネクタ

Claims (13)

  1. 絶縁層を形成するのに用いられる絶縁層形成用組成物であって、
    樹脂材料と、
    無機材料で構成されたフィラーと、
    アルミネート系カップリング剤とを含んで構成されていることを特徴とする絶縁層形成用組成物。
  2. 前記フィラーは、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムのうちの少なくとも1種で構成されている請求項1に記載の絶縁層形成用組成物。
  3. 前記フィラーは、複数の1次粒子で構成され、
    前記フィラーの平均粒径をAとし、前記複数の1次粒子の平均粒径をBとしたときに、
    A/Bは、1.0以上1.5以下であり、かつ、
    Bは、2.5μm以上4.0μm以下である請求項1又は2に記載の絶縁層形成用組成物。
  4. 前記アルミネート系カップリング剤の含有量は、前記樹脂材料100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
  5. 前記フィラーの含有量は、全体の30vol%以上70vol%以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
  6. 前記樹脂材料の含有量は、全体の30vol%以上70vol%以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
  7. 前記樹脂材料は、硬化性樹脂である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
  8. 前記フィラーの比表面積(BET比表面積)は、0.5m/g以上3.0m/g以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
  9. 粘度が3.0Pa・s以下である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物を層状に成形した絶縁層形成層を有することを特徴とする絶縁層形成用フィルム。
  11. 前記絶縁層形成層を支持する支持層を有する請求項10に記載の絶縁層形成用フィルム。
  12. 前記支持層は、金属箔である請求項11に記載の絶縁層形成用フィルム。
  13. 金属材料で構成された金属板と、
    前記金属板上に設けられ、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の絶縁層形成用組成物を層状に成形した硬化物又は固化物で構成された絶縁層と、
    前記絶縁層の前記金属板とは反対側の面上に設けられた導体層とを有することを特徴とする基板。
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