JP2014097603A - インクジェット記録装置および記録制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録データ生成に時間を要することなく、記録する画像の種類に応じて、つなぎ部における記録制御を異ならせることによって画像品質の低下を抑制することが可能なインクジェット記録装置および記録制御方法を提供する。
【解決手段】インクを吐出するノズルによって構成されたノズル列を有する複数のチップが、互いに重複する部分を有するように配置されている記録ヘッドを用いて、記録媒体へ画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体に記録する画像の画像データから前記チップが重複する領域に記録される画像がエッジ部を有する画像か否かを判別する手段と、前記判別される画像がエッジ部を有する画像の場合、前記重複する領域を複数に分けて、当該分けた領域ごとに、前記複数のチップのうちのいずれか1つのチップのノズル列を用いて記録を行うべく制御方法を決定する手段と、前記決定された記録制御方法によって記録を制御する手段と、を備える。
【選択図】図7

Description

本発明はインクジェット記録装置および記録制御方法に関し、特に記録する画像の種類に応じて、記録ヘッドを構成する複数のノズルチップ間の重複部分における記録制御を異ならせるインクジェット記録装置および記録制御方法に関する。
インクジェット記録装置に用いる記録ヘッドとして、複数のノズルが配列したチップを複数配置させて構成されているものが知られている。これにより、長尺の記録ヘッドを製造する場合よりも製造上の歩留まりを向上させることができる。この構成の場合、1つのチップのノズルが他のチップのノズルと重複する部分(以下「つなぎ部」という)を持つように配置されるのが一般的である。
この場合、記録ヘッドにおけるチップの取り付け位置がずれると、つなぎ部の複数のチップそれぞれのノズルから吐出されるインクの着弾位置の相対的にずれが生じる。また、記録媒体の搬送に誤差が生じた場合にも、この搬送誤差によって同様の、つなぎ部の複数のチップそれぞれのノズルから吐出されるインクの相対的な着弾位置がずれることがある。このような相対的な着弾位置ずれが生じると、つなぎ部において画像品質が低下する。
この画像品質の低下を抑制するために、特許文献1には、つなぎ部において、一方のチップの使用ノズル数をそのチップの終端に向って徐々に減少させるとともに、他方のチップの使用ノズル数をそのチップの終端から徐々に増加させる記録制御が記載されている。具体的には、つなぎ部の記録データに対してグラデーションマスクを用いた処理を施すことにより、つなぎ部の記録に使用するノズルを両チップに分散させて割り当てるものである。これにより、相対的な着弾位置のずれによる影響を低減している。
また、特許文献2には、チップ間において重複する画像データを補正する記録装置が記載されている。具体的には、画像データから、チップ間で重複する部分のデータを抽出し、つなぎ部における何れか一方のチップのみで画像を記録できる場合は、その一方のチップで画像を記録するように、画像データを補正している。
特開平5−57965号公報 特開2004−268394号公報
しかしながら、特許文献1の記録装置は、つなぎ部に記録される画像の種類に関わらず、グラデーションマスクを用いた処理を行っている。すなわち、つなぎ部の記録に使用するノズルを、このつなぎ部を構成する複数のチップに分散させて割り当てるため、それによって記録されるドットが分散することになる。その結果、画像のエッジ部が明瞭な、例えば文字などの画像の記録では、ノズルのつなぎ部と非つなぎ部で記録するエッジ部の品位の差が顕著になるという問題がある。
特許文献2によれば、特許文献1における上述した画像品位質が低下する問題は解決される。しかし、画像データの解析、画像データの補正などの処理をするため、記録データを生成する処理に比較的時間を要することになり、結果として、記録動作のスループットが低下することとなる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものである。そして、その目的は、記録データ生成に時間を要することなく、記録する画像の種類に応じて、つなぎ部における記録制御を異ならせることによって画像品質の低下を抑制することが可能なインクジェット記録装置および記録制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出するノズルによって構成されたノズル列を有する複数のチップが、互いに重複する部分を有するように配置されている記録ヘッドを用いて、記録媒体へ画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体に記録する画像の画像データから前記チップが重複する領域に記録される画像がエッジ部を有する画像か否かを判別する手段と、前記判別される画像がエッジ部を有する画像の場合、前記重複する領域を複数に分けて、当該分けた領域ごとに、前記複数のチップのうちのいずれか1つのチップのノズル列を用いて記録を行うべく制御方法を決定する手段と、前記決定された記録制御方法によって記録を制御する手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、チップが重複する領域(つなぎ部)に記録される画像がエッジ部を有する画像である場合、つなぎ部を複数の領域に分割し、当該分割された領域ごとに、1つのチップのノズル列を用いて画像を記録する。こうすることによって、つなぎ部に位置するノズルを用いて記録される画像のエッジ部と、非つなぎ部に位置するノズルを用いて記録される画像のエッジ部との間の画像品質の差を抑制することができる。また、本発明は画像データを補正するものではないので、記録データを生成する処理に比較的時間を要することがない。
したがって、本発明においては、記録データ生成に時間を要することなく、記録する画像の種類に応じて、つなぎ部における記録制御を異ならせることによって画像品質の低下を抑制することができる。
インクジェット記録装置の内部構成を示す断面図である。 記録ヘッドを示す模式図である。 各チップのノズル配列構成とつなぎ部のノズル配列を示す模式図である。 制御構成の一例を示すブロック図である。 (a)及び(b)はグラデーションマスク処理を説明する模式図である。 (a)及び(b)は境界マスク処理を説明するための模式図である。 画像処理の流れを示すフローチャートである。 (a)及び(b)は搬送誤差がない場合の記録位置を説明する模式図である。 (a)及び(b)は搬送誤差がある場合の記録位置を説明する模式図である。 (a)〜(d)はマスク処理の結果を説明するための図である。 (a)及び(b)は第2実施形態のマスク処理を説明するための図である。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1はインクジェット記録装置20の内部構成を示す断面図である。同図に示すように、インクジェット記録装置20(以下、「記録装置20」という)は外部機器30と接続されている。外部機器30は記録装置20へ画像データを供給する。本実施形態において記録装置20は、ロール状の記録媒体に対して、外部機器30から受信した画像データに基づき画像を記録する。
記録装置20は、供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、記録部4、検査部5、切断部6、情報記録部7、乾燥部8、巻取り部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出トレイ12、および制御部13を備える。制御部13はコントローラ部15および電源部16を備えている。制御部13は記録装置20における各部を制御する。コントローラ部15は外部機器30からの画像データを受信する。電源部16は記録装置20内の各構成部へ電圧を供給する。
また、記録装置20には、複数のローラ対17およびベルトを有する搬送機構が設けられており、記録媒体は搬送機構によって搬送経路18に沿って搬送される。
供給部1はロールR1およびロールR2に巻かれているロール状の記録媒体を収容しており、ロールR1またはロールR2から記録媒体を引き出して、デカール部2に供給する。本実施形態において、供給部1はロールR1およびロールR2の2つのロールを収容しているが、収容するロールの個数はこれに限定されず、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
デカール部2は、供給部1から供給された記録媒体のカール(反り)を軽減させる。斜行矯正部3は、デカール部2を通過した記録媒体の斜行(本来の進行方向に対する傾き)を矯正する。斜行矯正部3にて斜行を矯正された記録媒体は記録部4へ搬送される。
記録部4は、記録媒体に画像を形成し記録を行なう。また、記録部4は、記録媒体の切断位置を確認するためのカットマークパターンなどを記録する。記録部4は、インクジェット記録ヘッド14(以下、「記録ヘッド14」という)を複数備える。各記録ヘッド14は、フルラインタイプの記録ヘッドであり、使用が想定される最大のサイズの記録媒体の幅に対応した長さを有している。
検査部5はスキャナを有しており、このスキャナによって記録部4が記録した画像および各種パターンなどを読み取る。
スキャナは不図示の発光部および撮像素子を備えている。発光部は撮像素子の読み取り方向へ向かって光を発する位置か、又は撮像素子との間に記録媒体を挟み撮像素子へ向かって光を発する位置に配置される。前者の場合は発光部から照射した光の反射光を撮像素子が受光し、後者の場合は発光部から照射した光のうち記録媒体を透過した光を撮像素子が受光する。撮像素子は受光した光を電気信号に変換して、電気信号を出力する。
切断部6は、記録部4にて画像が記録された記録媒体を所定の長さに切断する。情報記録部7は、切断部6にて所定の長さに切断された記録媒体に、シリアル番号や日付などの情報を、必要に応じて記録する。乾燥部8は、記録媒体を加熱して、記録媒体に付与されたインク等を乾燥させる。
巻取り部9は、記録媒体に対して両面記録を行なう際に、一方の面に記録が完了した記録媒体を一時的に巻き取る。そして、巻き取られた記録媒体は記録が完成した面とは異なる面にインクが付与されるように、記録部4へ再び搬送される。
排出搬送部10は、乾燥部8にて乾燥された記録媒体をソータ部11まで搬送する。ソータ部11は、排出トレイ12へ記録媒体を排出する。ソータ部11は必要に応じて記録媒体を分類し、排出トレイ12の異なるトレイに振り分けて排出する。排出トレイ12は複数のトレイを有し、ソータ部11から振り分けられて排出された記録媒体をトレイに載せ置く。
なお、本実施形態において記録部4は4つの記録ヘッドを用いる。この4つの記録ヘッドには、夫々対応するインクを供給可能なようにインクタンク(不図示)が接続されている。インクタンクから各記録ヘッドへは、インクチューブ(不図示)を介してそれぞれ対応するインクが供給される。本実施形態において、インクタンクには、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、およびブラック(K)のインクがそれぞれ収容されている。
図2は記録ヘッド14の構成を示す模式図である。同図においては4つの記録ヘッドのうち、1つの記録ヘッドを示しているが、他の3つの記録ヘッドも同様の構成を有している。
なお、本実施形態においては、K、C、M、Yの4色のインクを供給する記録ヘッドを備える構成について説明する。しかしながら、本発明において、記録ヘッドから吐出されるインクの色の種類はこれに限定されない。例えば、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、レッドインク、グリーンインク等のインクを供給する記録ヘッドを備えていてもよい。また、本実施形態においては、4つの記録ヘッドを用いる場合について説明するが、記録ヘッドの個数もこれに限定されるものではない。
各記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向(図中に示すX方向)に対して略垂直にノズルが配列されるように配置されており、4つの記録ヘッド夫々は夫々に対して略平行となるようにX方向に沿って配置されている。
記録ヘッドはノズル配列方向(図中に示すY方向)の両端部に電極部(不図示)を備えている。この電極部と記録装置20側のフレキシブル配線基板(不図示)とは電気的に接続されている。また、各記録ヘッドの内部には、メモリ(例えば、後述するROM62)が内蔵されており、このメモリも記録装置20側のフレキシブル配線基板と電気的に接続されている。
図2に示すように、記録ヘッド14には8個のチップ21〜28がX方向にノズルが連続するように、千鳥格子状に配置されている。チップ21〜28は記録ヘッド14における支持部材であるベース基板114に接着され、配置されている。チップ21〜28にはY方向に配列する複数のノズルからなるノズル列A〜Hが、搬送方向上流側から下流側に向かって、順次配置されている。
詳細は図3を用いて後述するが、各チップのノズル列A〜Hの端部において、所定数のノズルがそれぞれ搬送方向にオーバーラップするように、チップは配置されている。
すなわち、チップ21の所定数のノズルおよびチップ22の所定数のノズルが、チップ22の所定数のノズルおよびチップ23の所定数のノズルが、チップ23の所定数のノズルおよびチップ24の所定数のノズルが、重複するように配置されている。同様に、チップ24の所定数のノズルおよびチップ25の所定数のノズルが、チップ25の所定数のノズルおよびチップ26の所定数のノズルが、チップ26の所定数のノズルおよびチップ27の所定数のノズルが重複するように配置されている。チップ27の所定数のノズルおよびチップ28の所定数のノズルが重複するように配置されている。
各ノズルは、吐出口、および吐出口に連通する流路から構成される。また、各ノズルには、それぞれ記録データに従ってインクを吐出するための駆動素子が設けられている。
駆動素子は、例えば、発熱抵抗素子(ヒータ)と発熱抵抗素子を保護する保護膜とから構成される。発熱抵抗素子は通電により発熱し、その発熱により液体(インク)を発泡させて、その発泡エネルギーにより吐出口から液体(インク)を吐出させる。この吐出されたインク滴が記録媒体に付与され、記録媒体にドットを形成し、このドットが画像を形成することにより、記録媒体への記録がなされる。保護膜は、インクに直接接することによる酸化現象などから発熱抵抗素子を保護するために用いられる。
本実施形態においては、発熱抵抗素子と保護膜とから構成される駆動素子を用いる場合について説明する。しかしながら、本実施形態においては、駆動素子として、ピエゾ素子、静電素子、およびMicro−Electro−Mechanical Systems(MEMS)素子なども用いることができる。また、各駆動素子への電圧の供給は電源部16から行われる。
また、図2に示すように、チップ21〜28におけるY方向の有効吐出幅はそれぞれ約1インチである。よって、このチップ21〜28をY方向に配列した記録ヘッド14は、有効吐出幅が約8インチの長さを有しており、A4サイズの記録媒体の短辺方向の長さ(幅)とほぼ一致した長さを有する。本実施形態においては、4色のインクをそれぞれ吐出する4つの記録ヘッド14はそれぞれ同じ液体噴射ヘッドであり、これらはフルカラー記録が可能な液体噴射記録装置を構成している。
図3は、各チップのノズル配列構成と、チップ間の重複部分(つなぎ部)のノズル配列を示す模式図である。同図においては、図2に示すチップ21のノズルとチップ22のノズルとによって形成されるつなぎ部32を図示しているが、他のチップ間においても同様につなぎ部が形成される。各チップ21、22には、1200dpiの密度で配列された1024個のノズルによって構成されたノズル列が8本設けられている。そして、チップ21およびチップ22それぞれのノズル列のノズルのうち夫々一方の端部に位置する128個のノズルがX方向において重複するように配置されている。
本実施形態では、この各チップのノズルが重複する領域をつなぎ部32という。これに対して、それぞれのチップにおける、上記つなぎ部以外にノズルが位置する部分、すなわち、各チップのノズルが重複する領域以外を非つなぎ部31という。
X方向へ一定の速度で記録媒体が搬送されるとともに、ノズル列毎に順次インクが吐出され、画像が記録される。上述のように本実施形態において、1つのチップには、それぞれ記録媒体の搬送方向(図3に示すX方向)と交差する方向にノズルが配列されたノズル列が8列、設けられている。各列のノズルから一定の駆動周波数でインクを吐出しつつ、その駆動周波数に対応した速度で記録媒体をX方向に搬送することにより、記録媒体に画像を記録する。
詳しくは、非つなぎ部31の記録では、それぞれのチップの8つのノズル列A〜Hのノズルがこの順序で用いられて、記録データに従いX方向の隣接する画素の記録を行う。つまり、ある画素をノズル列Aのノズルで記録すると、ノズル列Aのそのノズルは次に7つおいた画素の記録に用いられる。他のノズル列のノズルも同様に用いられる。これにより、記録ヘッドの駆動周波数を一定とした場合、記録媒体の搬送速度を8倍にすることができ、高速記録が可能となる。
また、つなぎ部の記録も、基本的に同様であり、非つなぎ部と異なる点は、同じノズル列(A〜H)のノズル間で、後述されるマスクによって使用されるノズルが振り分けられる点である。
以上のように、2つのチップのノズルがX方向において同一ライン上になるようにチップが配置されているため、X方向において同一の記録ライン上にドットを形成することができる。また、X方向の同一の記録ラインは、複数のノズルによって交互に記録することも可能である。したがって、例えば不吐出などの吐出不良を有するノズルがあったとしても、当該ノズルによって記録されるドットがX方向に連続することはなく、吐出特性が分散された画像を出力することができる。
なお、図2および図3においては、8本のノズル列を有するチップについて説明したが、後述する図8および図9に示すように、本実施形態においては1本のノズル列を有するチップを用いることもできる。このように、本実施形態における1つのチップが有するノズル列の列数に特に限定はない。
本実施形態においては、図3に示すように、2つのチップのノズルがX方向において同一線上になるように配置されている。すなわち、図3に示すように、つなぎ部32において、チップ22のノズル、およびチップ21のノズルが、記録媒体の搬送方向(X方向)に連続するように配置されている。しかしながら、チップの配置はこれに限定されず、一方のチップに対して他方のチップを半ピッチ(1/2ノズル分)ずらして配置してもよい。この配置の場合、つなぎ部32における解像度は非つなぎ部31における解像度の2倍である2400dpiとなる。
また、本実施形態においては1024個のノズルによって1本のノズル列を構成しているが、ノズル列を構成するノズルの個数はこの個数に限定されない。本実施形態においては、各チップの128個のノズルによってつなぎ部が形成される場合を例に説明するが、つなぎ部を構成するノズルの個数もこの個数に限定されない。
図4は制御構成の一例を示すブロック図である。図1を用いて説明したように、外部機器30から入力された画像データはコントローラ部15にて受信される。
図4に示すように、コントローラ部15は、CPU40、ROM51、RAM52、およびインターフェース(I/F)53を備える。CPU40は、記録装置20における処理を統括的に制御する。すなわち、CPU40は、図7を用いて後述する処理などの実行を制御する。ROM51は、各種プログラム、後述するインデックスマスク、および後述するチップ間のつなぎ部におけるノズルの使用/不使用を決定するマスクなどを格納する。RAM52は、CPU40のワークエリア等として使用される。I/F53は、記録装置20と外部機器30との間を繋ぐ通信インターフェースである。
図4に示すように、CPU40は、情報取得部41、画像プレーン分解部42、画像プレーン処理部43、マスク処理部44、および画像データ統合部45から構成される。
情報取得部41は、各記録ヘッド14(K、C、M、Y)に内蔵されたROM62から記録ヘッドの取り付け位置、およびチップの貼り付け位置などに関する情報を取得する。
画像プレーン分解部42は、外部機器30から入力された画像データに対して文字プレーンと判断されうる画像データが存在するかを判定して、文字プレーンと文字プレーン以外の画像プレーン(以下「非文字プレーン」という)とに分解する処理を行う。
画像プレーン処理部43は、図7を用いて後述する画像処理の流れに従って、画像プレーン分解部42で生成された文字プレーンおよび非文字プレーンそれぞれの画像データに対して夫々異なる画像処理を並行して実施する。
マスク処理部44は、画像プレーン処理部43にてノズル列用に画像処理された各プレーンの記録データに基づいて記録をする際に後述する各種マスクの選択およびマスクを切り替えるタイミングを決定する。
画像データ統合部45は、画像プレーン処理部43にて画像処理されたプレーン毎の各ノズル列用の画像データの2値化処理された記録データを統合して1つの記録データを生成する。
次に、つなぎ部における画像データのマスク処理について説明する。
本実施形態においては、つなぎ部のノズルに対応する記録データは、つなぎ部を構成する2つの記録チップの両方に適用され、非つなぎ部と同様に列分配(振り分け)処理によって、各ノズル列に分配される。このままの状態ではつなぎ部において、記録するドットがつなぎ部を形成するチップ間で重複してしまう。そこで、つなぎ部における各ノズル列のノズルに対してマスク処理を行う。
図5(a)及び(b)は、本実施形態のグラデーションマスク(第1マスク)を用いた処理を説明する模式図である。同図(a)は、ノズル列ごとのノズルの配置およびその配置ごとのノズルの使用/不使用を定めるパターン、すなわち、マスクのパターンを示しており、同図(b)は記録の平均濃度とノズルの位置との関係を示している。
図5(a)、後述する図6(a)、および後述する第2実施形態にて説明する図11(a)には、図3と同様にチップ21およびチップ22の2つのチップのみが示されているが、他のチップも同様の処理が施されることはもちろんである。図5(a)、図6(a)、および図11(a)において、塗りつぶされているドットは記録に使用されるノズルを示しており、塗りつぶされていないドットは記録に使用されないノズルを示している。
なお、本実施形態のマスクは、8つのノズル列のノズルごとにその使用/不使用を定めたものということができるが、8つのノズル列で記録する領域を、マスク処理の単位領域とし、この領域の記録データに対してマスク処理を行うということもできる。従って、図5(a)、図6(a)、および図11(a)で示すマスクを用いた処理は、各チップが、1つのノズル列から構成される場合も適用できることができる。
なお、図5(a)、図6(a)、および図11(a)においては、図示の簡略化のために、30個のノズルによって構成されるノズル列を示し、各列14個のノズルによってつなぎ部32が形成される例を示す。
図5(a)に示すように、つなぎ部32にグラデーションマスク処理を施すと、記録媒体の搬送方向(図に示すX方向)上流側から下流側へ、つなぎ部32における、チップ21の使用ノズルは徐々に少なくなり、チップ22の使用ノズルの数は徐々に多くなる。このグラデーションマスク処理は、マスク処理部44において、個々のノズルに対して使用の許可/不許可を切り替えることによって実現される。
図5(b)、後述する図6(b)、図11(b)に示すグラフの縦軸は記録の平均濃度を示しており、横軸はノズルの位置を示している。また、図5(b)、図6(b)、図11(b)における実線22aはチップ22による記録の平均濃度を、一点鎖線21aはチップ21による記録の平均濃度を示している。
図5(b)に示すように、記録媒体の搬送方向下流側にあるチップ22の使用ノズルの数は、つなぎ部32において徐々に減少するので、つなぎ部32における記録の平均濃度も徐々に減少する。これに対して、搬送方向上流側にあるチップ21の使用ノズルの数は、つなぎ部32において徐々に増加するので、つなぎ部32における記録の平均濃度も徐々に増加する。
なお、図5(a)に示すグラデーションマスクは、ノズル列A〜Hの順番に不使用ノズルを2ノズル分ずつ増減させている。しかしながら、つなぎ部32における記録濃度をばらつきがない状態にすることができるものであれば、グラデーションマスクは図5に示されるものに限られない。例えば、つなぎ部を図5(a)に示す場合の半分の領域にする場合は、ノズル列A〜Hの順番に不使用ノズルを1ノズル分ずつ増減させるマスクを用いてもよい。
図6(a)及び(b)は本実施形態の境界マスク(第2マスク)を用いた処理を説明するための模式図である。同図(a)は、ノズル列ごとのノズルの配置およびその配置ごとのノズルの使用/不使用を定めるパターン、すなわち、マスクのパターンを示しており、同図(b)は記録の平均濃度とノズルの位置との関係を示している。
つなぎ部32に境界マスク処理を施すと、図6(a)に示すように、境界領域(所定領域)において、チップ間のノズルの使用/不使用が一斉に切り替わる。より詳細には、同図(b)に示すように、X方向下流側にあるチップ22のノズル列A〜Hのノズルの使用は、つなぎ部32のY方向の中央部において、許可から不許可に切り替わる。他方、X方向上流側にあるチップ21のノズル列A〜Hのノズルの使用は、つなぎ部32の中央部において、不許可から許可に切り替わる。
図6(b)に示すように、つなぎ部32に境界マスク処理を実施した場合、チップ間のノズルの使用/不使用は一斉に切り替わるので、チップ21およびチップ22の記録の平均濃度は、ノズルの使用/不使用が切り替わる境界部分において反転している。
なお、本実施形態においては、つなぎ部32の中央部において、チップ21およびチップ22のノズルの使用/不使用を切り替えているが、境界マスク処理によってノズルの使用/不使用を切り替える位置は任意に設定することができる。
また、ノズルの使用/不使用を切り替える位置が異なる境界マスクを複数、ROM51に格納しておき、適宜複数の境界マスクを切り替えて使用してもよい。
また、つなぎ部32における記録データを解析して、最も使用頻度の低いノズルを判定し、そのノズルの位置をノズルの使用/不使用の切り替え位置としてもよい。そうすることによって、つなぎ部32におけるインクの記録位置のずれによる影響を抑制することができる。
次に図7を参照して画像処理の流れについて説明する。図7は画像処理の流れを示すフローチャートであり、入力されたベクター形式の画像データから各色の記録ヘッドの各チップ、各ノズル列用の記録データを生成する流れを示している。
図7に示すように、外部機器30から入力されたベクター形式の画像データ(RBGの多値データ)は、画像プレーン分解部42において文字プレーンがあるか否かを判定され、文字プレーンと非文字プレーンとを分解する画像プレーン処理が施される(S701)。分解された文字プレーンおよび非文字プレーンそれぞれの画像データは、文字プレーンの画像データに対してはS702a〜S706aまでの処理が、非文字プレーンの画像データに対してS702b〜S706bまで処理が、それぞれ施される。
なお、ベクター形式の画像データには、記録オブジェクトの形態、色、大きさなどの記録に必要な情報が付加されている。本実施形態においては、画像データに付加されている情報からRGBの値が30以下の文字または罫線がある場合、文字プレーンであると判定される。
文字プレーンと非文字プレーンの画像とは並行して別々に画像処理が行われるが、その処理内容は同じであるので、併せて説明する。
文字プレーンおよび非文字プレーンそれぞれについて、画像プレーン処理部43において、レンダリング処理が施され、各プレーンの画像データはビットマップ形式の画像データに変換される(S702a、S702b)。ビットマップ形式に変換された画像データは、色空間変換処理によって、各インク色の多値のデータに分解される(S703a、S703b)。本実施形態においては、4色のインクを吐出する記録ヘッド14(K、C、M、Y)を用いるので、4色分のデータに変換する。
そして、多値の画像データに対して階調補正が行われる(S704a、S704b)。次に、2値化処理によって、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクドット数データを各1ビットのインクドットあり又はなしのデータに変換する(S705a、S705b)。すなわち、ドットの記録(1)或いは非記録(0)を定めるドットデータ(2値データ)が生成される。2値化処理は、従来から知られているディザマトリクス法、誤差拡散法などの指示中間調処理を用いるが、出力画像の用途によっては単純量子化を用いることもできる。
本実施形態においては、誤差拡散法によって16値のデータに低階調化する。そして、16階調のデータそれぞれに対してドット配置パターン(インデックスパターン)を用いて2値化処理を行い、1200dpi×1200dpiの2値データへ変換する(S705a、S705b)。
すなわち、ROM51には、画素のそれぞれに記録(1)或いは非記録(0)が定められたインデックスパターンが、16値データのそれぞれに対し用意されている。そして、これらインデックスパターンを参照しながらデータ変換を行うことにより、300dpi×300dpiの16値の多値データを1200dpiの2値データに変換する。
そして、変換した2値データを各チップのノズル列に分配する列分配処理を行う(S706a、S706b)。このステップにおいては、2値化処理によって、ドットの記録(1)と定められたデータのそれぞれを、ノズル列A〜Hに振り分けて、ドットの記録(1)と定められた全てのデータについて、これらをノズル列A〜Hのいずれかで記録するかを決定する。
いずれのノズル列で記録するかは、所定の分配比率に従って振り分けられることによって決定される。分配比率は、ノズル列A〜Hで均等にしてもよいし、多少の偏りを持たせてもよい。また、記録する画像の階調に応じて分配比率を変更してもよい。いずれにしても、列分配処理S706a、S706bでは、記録(1)と定められた全てのデータについて、これらをいずれのノズル列で記録するかを決定する
以上の処理によって、2値データに変換されたノズル列毎の文字プレーンおよび非文字プレーンの2つの記録データは、1つに統合される(S707)。これによって、各ノズル列に対して記録データが生成される。
他方、2つの記録データの情報から、マスク処理部44において、統合された記録データを記録する際のつなぎ部におけるマスクの選択とマスクの切り替えのタイミングが設定される(S708)。
本実施形態においては、文字プレーンの画像処理によって生成された記録データに基づいてつなぎ部32に文字または罫線が記録されるか否かを判定して、つなぎ部32に文字などが記録される場合は上述の境界マスクを選択する。つなぎ部32に文字または罫線を記録しない場合は、グラデーションマスクを選択する。
すなわち、本実施形態においては、文字プレーンの画像処理によって生成された記録データに基づいて、つなぎ部32に記録される画像がエッジ部を有する画像(文字または罫線)であるか否かを判別する。この判別結果に応じて、つなぎ部に使用するマスクを適宜選択することにより、記録制御方法を異ならせる。
なお、本実施形態においては、RGBの値が30以下である場合に文字プレーンと判定する例を説明したが、判定条件はこれに限定されない。例えば、RGB=0を文字プレーンと判定する条件としてもよい。この判定条件とS703aおよびS703bにおける色空間変換処理の条件を調整することによって、例えば、ブラックインクを吐出する記録ヘッド14(K)のみによって記録される文字や罫線のデータのみにマスク切り替え処理を行うことができる。つまり、特定の記録ヘッドの特定の階調にて形成される文字や罫線パターンのみに境界マスクを実施することができる。
本実施形態においては、マスク選択処理(S708)において、文字プレーンの記録データからマスクを切り替える処理を実行する例を説明した。しかし、マスクの切り替えは、チップ毎につなぎ部に対して個別に行われてもよいし、一律に全てのつなぎ部に対してマスクの切り替えを行ってもよい。また、マスクの切り替えを行わずに、文字プレーンが存在することが判明した時点において、その色のチップのマスクは一律に境界マスクを使用するような処理をしてもよい。なお、マスク選択処理は画像処理の負担を考慮して実施されることが望ましい。
つなぎ部におけるインクの記録位置ずれは、チップの配置誤差など以外にも記録媒体の搬送精度の誤差(搬送時における記録媒体の斜行や搬送速度の違いなど)によっても生じる。そこで、以下に記録媒体の搬送精度を例としてインクの記録位置ずれを説明する。
図8は(a)及び(b)は搬送誤差がない場合の記録位置を説明するための模式図である。同図(a)はノズル列の構成を示しており、同図(b)は記録媒体に記録されるドットを示している。また、図8(a)及び(b)、後述する図9(a)及び(b)においては、1つのノズル列を有するチップが2つ設けられている構成について説明する。
図8(a)および図9(a)に示す距離aはチップ71のノズル列とチップ72のノズル列との間の距離を示し、距離bはノズル列において隣接するノズル間の距離を示す。また、図8(b)および図9(b)に示す距離cは、搬送誤差がない場合に、記録媒体に記録された2つのドットの中心間の距離を示す。
また、図8(b)および後述する図9(b)は、図8(a)および図9(a)に示すノズル74によってインクを吐出してドット78を形成し、距離a分、X方向に記録媒体が搬送され、ノズル73によってインクを吐出してドット77を形成した状態を示している。
図8(a)に示すように、記録ヘッド70にはチップ71およびチップ72が設けられている。チップ71にはノズル73を含む複数のノズルによって配列されたノズル列が、チップ72にはノズル74を含む複数のノズルによって配列されたノズル列が、夫々設けられている。
チップ72は記録媒体の搬送方向(図中に示すX方向)下流側に位置し、チップ71はX方向の上流側に位置している。チップ71とチップ72とは、X方向と交差する方向(図中に示すY方向)にずれて配置されている。チップ71のノズルのうちノズル73を含む5つのノズルと、チップ72のノズルのうちノズル74を含む5つのノズルとは、X方向において重複するつなぎ部75を形成している。また、ノズル73は、ノズル74に対してY方向に1ノズル分ずれた位置にあるノズルである。
図8(b)に示す、ドット77はノズル73によって記録するドットを、ドット78はノズル74によって記録するドットを、それぞれ示している。図8(b)は記録媒体79の搬送が高精度に行われた場合を示しているので、ノズル73とノズル74とのノズル間距離b、およびドット77の中心とドット78の中心との間の距離cは、等しい。
これに対して、搬送誤差が生じた場合の記録位置を、図9(b)を参照して説明する。
図9(a)及び(b)は搬送誤差がある場合の記録位置を説明するための模式図である。同図(a)はノズル列の構成を示しており、同図(b)は記録媒体に記録されるドットを示している。同図(a)は図8(a)と同様の構成であるので、その説明を省略する。
図9(b)に示すように、ノズル74からインクを吐出してドット78を形成して、記録媒体79の搬送中に、所望の搬送位置から角度θ分だけ記録媒体79が斜行した場合、ノズル73からインクを吐出して形成するドット77の記録位置は変化する。
図9(b)に示すドットの記録位置を図8(b)に示すドットの記録位置と比較すると、図9(b)においては、Y方向においてドット78から離れる方向へ、ノズル73の記録位置がずれている。
記録媒体の搬送位置が所望の位置である場合、ノズル73から吐出されるドットは、X方向の同一線上にあるノズル76に対応する位置から吐出される。図9(b)において、点線77aは搬送誤差がない場合の搬送方向を示し、点線77bは搬送誤差が生じた場合の搬送方向を示す。距離c´は角度θ分の搬送誤差が生じた場合のドット77の中心とドット78の中心との間の距離を示している。なお、距離c´はドット77および78を形成したノズル間距離と等しい。この場合、距離c´=a・tanθ+bとなる。
ノズル列間距離aは、つなぎ部75を形成する2つのチップのノズル列間の距離であり、チップの記録ヘッド70のベース基板170への貼り付け精度などによって変化するパラメータである。チップ間のノズル列間距離があると、その分だけインクの記録位置がずれる虞がある。また、上述のように、つなぎ部においては、チップの貼り付け位置がずれた場合の他、搬送誤差などが生じた場合にもインクの記録位置がずれることがある。
各マスク処理を行った場合に記録される画像のイメージ図を参照して、各マスク処理の結果について説明する。図10(a)〜(d)は、マスク処理の結果を説明するための図である。同図(a)は同図(b)〜(d)のイメージ図の比較対象として、記録装置20に入力される画像データのビットマップ画像を示している。図10(b)は非つなぎ部において記録される画像、同図(c)はつなぎ部におけるグラデーションマスク処理後の画像、同図(d)はつなぎ部における境界マスク処理後の画像、夫々のイメージ図を示している。
ここで、本実施形態において、イメージ図とはドットの配置を原理的に変化させたものをいう。また、図10(b)〜(d)に示すイメージ図は、記録ヘッドの構成、記録媒体の搬送精度などは同一である。図10(c)および(d)は使用するマスクだけが異なる。
また、図10(b)〜(d)に示すX軸は記録媒体の搬送方向を、Y軸はノズルの配列方向を示している。図10(b)〜(d)に示すイメージ図においては、同じ分だけ、記録媒体の搬送精度に誤差が生じて、搬送方向(X方向)にインクの記録位置がずれた場合を示している。
図10(b)に示すように、非つなぎ部において記録される画像は、同図(a)に示すビットマップ画像と比較すると、搬送誤差が生じた分だけ、X方向にインクの記録位置が僅かにずれている。
図10(c)に示すように、つなぎ部においてグラデーションマスク処理を実施した場合に記録される画像は、同図(a)に示す画像と比較すると、X方向にインクの記録位置がずれている。また、図10(c)に示す画像と同図(b)に示す画像とを比較すると、同図(c)に示す画像の方が同図(b)に示す画像よりも、X方向におけるインクの記録位置のずれ量が大きい。
そのため、図10(c)に示すイメージ図は、文字のエッジ部全体がぼやけて認識される。このように、グラデーションマスク処理を実施した場合はつなぎ部全体としてインクの記録位置ずれが認識される。
このように、同じように記録媒体の搬送精度に誤差が生じても、非つなぎ部に記録される画像と、つなぎ部におけるグラデーション処理が施された画像とは、画像品質が異なる。
図10(d)に示す点線1000は使用チップの切り替え位置を示している。同図(d)に示すように、境界マスク処理を実施した場合に搬送精度の誤差が生じると、点線1000の位置においてインクの記録位置がずれて、画像が歪んで認識されることがある。
図10(d)に示すように、つなぎ部において境界マスク処理を実施した場合に記録される画像は、同図(a)に示す画像と比較すると、同図(b)と同じようにX方向にインクの記録位置がずれている。さらに、図10(d)に示す画像と同図(a)に示す画像とを比較すると、同図(d)の点線1000を境に、X方向において、インクの記録位置がずれている。
境界マスク処理を実施すると使用チップの切り替え位置までは、1つのチップのノズルにて記録されるため、図10(d)に示すように、点線1000で区切られる2つの領域、夫々に記録される画像の一部は、同図(b)に示す画像の対応する部分と差がない。
図10(d)に示すイメージ図を同図(c)に示すイメージ図と比較すると、同図(d)に示す境界マスク処理を実施した画像の方が文字のエッジ部がはっきりしていることがわかる。
従来のつなぎ部における画像品質の低下を抑制する処理は、つなぎ部に如何なる画像が記録される場合も一律にグラデーション処理を施して、つなぎ部を形成するチップ間でインクの記録位置がずれることによる画像品質の低下を抑制している。この方法によると、チップの貼り付け精度や記録媒体の搬送誤差に起因する、記録位置ずれによる画像品質への影響の差を、つなぎ部において平均化することができる。
しかしながら、つなぎ部にこのグラデーションマスク処理を実行すると、図10(b)および図10(c)を参照して説明したように、つなぎ部で記録する画像のエッジ部と非つなぎ部で記録する画像のエッジ部との間に画像品質の差が生じる。
この画像品質の差は、その読みやすさや認識のしやすさ等のためにエッジ部が明瞭であることが望ましい文字や罫線などを記録する際に特に問題となる。他方、文字や罫線以外の例えば写真などを記録する際には、つなぎ部にグラデーションマスクを用いた処理をしても画像品質の差がさほど問題とはならない。
そこで、本実施形態においては、つなぎ部に記録される画像の種類に応じて使用するマスクを選択する。すなわち、文字や罫線などの画像を記録する場合は境界マスクを使用し、写真などの画像を記録する場合はグラデーションマスクを使用する。
文字などを記録する際に境界マスクを使用すると、チップ間の境界部分までは一方のチップにて記録するので、つなぎ部と非つなぎ部とで画像品質の差が目立たなくなる。したがって、使用チップの切り替え位置における記録位置のずれを抑制することができれば、つなぎ部に境界マスク処理を実施することによって、つなぎ部における画像品質を非つなぎ部における画像品質と同等にすることができる。
上述のように、使用チップの切り替え位置におけるインクの記録位置ずれの影響を抑制するために、境界マスク処理において使用チップの切り替え位置をノズルの使用頻度が比較的低い領域とすることも有効である。
また、周期的に使用チップの切り替え位置を変更することによって、使用チップの切り替え位置を固定した際に継続的に使用チップの切り替え時に起こる虞のある記録位置ずれの影響を抑制することができる。このように、本実施形態においては、使用チップの切り替え位置を適宜設定することができる。
また、本実施形態は、記録装置20に入力された画像データに応じてROM51に格納されているマスクを選択するので、画像データ自体に対して補正などを行うものではない。したがって、本実施形態においては、画像データに対して補正を行う従来の方法に比べて、記録データの生成に時間を要しない。
以上のように、本実施形態においては、記録データ生成までに時間を要することなく、つなぎ部に記録される画像の種類に応じて、つなぎ部に異なるマスクを使用することによって、つなぎ部と非つなぎ部との間の画像品質の差を抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態においては、第1実施形態において文字や罫線を記録する際に使用した境界マスクに替えてノズル列限定マスクを使用する。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
図11(a)及び(b)は本実施形態のノズル列限定マスクを用いた処理を説明するための図である。同図(a)は、ノズル列ごとのノズルの配置およびその配置ごとのノズルの使用/不使用を定めるパターン、すなわち、マスクのパターンを示しており、同図(b)は記録の平均濃度とノズルの位置との関係を示している。
本実施形態におけるノズル列限定マスクは、つなぎ部32において、チップ21およびチップ22の使用するノズル列を夫々限定するマスクである。本実施形態のノズル列限定マスクを使用すると、つなぎ部において使用するノズル列の数は、非つなぎ部において使用するノズル列の数と同数となる。すなわち、図11(a)に示すように、非つなぎ部においては、各チップに設けられている8本のノズル列A〜Dを使用するが、つなぎ部32においても、チップ21のノズル列E〜H、およびチップ22のノズル列A〜D、計8本のノズル列が使用される。
図11(a)に示すように、チップ21およびチップ22のノズル列の使用数は、非つなぎ部において夫々全てのノズル列が使用され、つなぎ部32において夫々半数のノズル列が使用される。したがって、図11(b)に示すように、チップ21およびチップ22夫々の記録の平均濃度は、非つなぎ部における記録の平均濃度の半分となっている。
本実施形態においては、図11(a)に示すように、使用するノズル列を、チップ21およびチップ22の互いに隣接するノズル列に限定する。これは、図8(a)に示した異なるチップ間のノズル列間距離aが狭いほど、記録媒体の搬送精度の誤差やチップの取り付け誤差などに起因するインクの記録位置のずれは抑制され、つなぎ部32における画像品質を維持することができるからである。
なお、本実施形態においては、8本のノズル列を有する2つのチップによって形成されるつなぎ部において、それぞれのチップの4本のノズル列を使用する構成について説明した。しかしながら、チップに配置されるノズル列の本数およびつなぎ部において使用するノズル列の本数は上記本数に限定されるものではない。すなわち、つなぎ部において使用するノズル列をさらに少ない本数に限定してもよい。
以上のように、本実施形態においては、つなぎ部において使用するノズル列を互いに隣接するノズル列に限定することによって、ノズル列間距離aを狭くして、つなぎ部におけるインクの記録位置ずれに起因する画像品質への影響を抑制することができる。
14 記録ヘッド
15 コントローラ部
20 記録装置
21〜28 チップ
40 CPU
42 画像プレーン分解部
44 マスク処理部

Claims (9)

  1. インクを吐出するノズルによって構成されたノズル列を有する複数のチップが、互いに重複する部分を有するように配置されている記録ヘッドを用いて、記録媒体へ画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体に記録する画像の画像データから前記チップが重複する領域に記録される画像がエッジ部を有する画像か否かを判別する手段と、
    前記判別される画像がエッジ部を有する画像の場合、前記重複する領域を複数に分けて、当該分けた領域ごとに、前記複数のチップのうちのいずれか1つのチップのノズル列を用いて記録を行うべく制御方法を決定する手段と、
    前記決定された記録制御方法によって記録を制御する手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記決定する手段は、前記重複する領域以外の領域を記録する際の制御方法を、前記重複する領域を記録する際の制御方法と異なる制御方法に決定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記重複する領域における前記ノズルの使用/不使用を定めるマスクを格納する手段をさらに備え、
    前記決定する手段は、前記重複する領域に記録される画像がエッジ部を有するか否かに応じて前記マスクを選択することによって制御方法を決定し、
    前記制御する手段は、前記選択したマスクを用いて記録を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記マスクは、前記重複する領域において、一方のチップの使用するノズルの数を、そのチップの端に向って徐々に減少させるとともに、他方のチップの使用するノズルの数を、そのチップの端から徐々に増加させる第1マスクと、
    前記重複する領域における所定領域まで一方のチップのノズルを使用し、前記所定領域から他方のチップのノズルを使用するように、チップ間のノズルの使用を切り替える第2マスクと、から構成されることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第2マスクにおけるチップ間のノズルの使用を切り替える位置は、適宜設定できることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記重複する領域に記録される画像および前記記録ヘッドに関する情報を取得する手段をさらに備え、
    前記重複する領域に記録される画像および前記記録ヘッドに関する情報から使用頻度の比較的低いノズルを判定し、当該ノズルの位置にて、前記第2マスクにおけるチップ間のノズルの使用を切り替えることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記決定する手段は、前記画像がエッジ部を有する場合は前記第2マスクを用いることを、前記画像がエッジ部を有しない場合は前記第1マスクを用いることを、決定することを特徴とする請求項4から請求項6の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記記録ヘッドをさらに複数備え、当該複数の記録ヘッドは夫々異なるインク色を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記チップの重複する部分における記録制御は、前記複数の記録ヘッドのうち少なくとも1つの記録ヘッドに対して行われることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. インクを吐出するノズルによって構成されたノズル列を有する複数のチップが、互いに重複する部分を有するように配置されている記録ヘッドを用いて、記録媒体へ画像を記録するインクジェット記録装置の記録制御方法であって、
    前記記録媒体に記録する画像の画像データから前記チップが重複する領域に記録される画像がエッジ部を有する画像か否かを判別する工程と、
    前記判別される画像がエッジ部を有する画像の場合、前記重複する領域を複数に分けて、当該分けた領域ごとに、前記複数のチップのうちのいずれか1つのチップのノズル列を用いて記録を行うべく制御方法を決定する工程と、
    前記決定された記録制御方法によって記録を制御する工程と、
    を有することを特徴とする記録制御方法。
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