JP2014097089A - カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】手元側からの押し込み力をスムーズに先端側へと伝達することができ、これにより操作性を高めることができるカテーテルを提供する。
【解決手段】カテーテル10Bのシャフト12aは、先端側を構成する細径部24aと、細径部24aよりも基端側に設けられた太径部26と、細径部24aと太径部26との間に設けられたテーパ部28とを有する。細径部24aは、テーパ部28の先端側に隣接する第1細径部50と、第1細径部50の先端側に隣接し第1細径部50の外径よりも大きい外径を有し且つ第1細径部50よりも柔軟に構成された第2細径部48とを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、カテーテルに関する。
カテーテルは、血管内や体腔内に挿入してカテーテル先端部を目的部位まで到達させ、例えば、治療用の薬剤注入や診断用の造影剤注入を行うために使用される。このため、カテーテルの本体を構成するシャフトは、体内の複雑に分岐した血管内や体腔内をあらかじめ導入されているガイドワイヤーに沿って選択的に進行させる必要がある。
近年、診断装置の発達により、より末梢の小さなガンを発見することが可能となってきたことから、これまでよりも末梢の蛇行した血管にカテーテルを進めることが多くなり、血管に負担をかけないスムーズな到達性が求められる。末梢血管の湾曲に対する追従性を向上させるためには、カテーテルの先端はできる限り柔軟であることが好ましいが、一方で、カテーテルを血管内で走行させるためには、手元側からの押し込み力を先端側に効果的に伝達できることも求められる。従って、カテーテル先端部の柔軟性とともに、先端から手元にいくに従って硬くなるカテーテルが要望される。
このような要望に応えるべく、従来では、先端側の細径部と、基端側の太径部と、細径部と太径部との間に設けられ先端側に向かうに従って外径が小さくなるテーパ部とを有するシャフトを備えたカテーテルが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。このような構成を備えたカテーテルによれば、基端部から先端部に向かうに従ってシャフトの外径が小さくなるため、先端側では高い柔軟性を得つつ、手元側は適度な硬さを確保できるという利点がある。
特開2012−29872号公報
ところで、カテーテルにおいては、カテーテルを血管内に挿入し、血管内でスムーズに走行させることができるように良好な操作性が得られることが好ましく、手元側からの押し込み力をよりスムーズに先端側に伝達することができれば、操作性の向上に大いに寄与できる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、シャフトの軸線方向に沿って柔軟性が変化するカテーテルにおいて、手元側からの押し込み力をスムーズに先端側へと伝達することができ、これにより操作性を高めることができるカテーテルを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、チューブ状のシャフトを有するカテーテルであって、前記シャフトは、前記シャフトの先端側を構成する細径部と、前記細径部よりも基端側に設けられ前記細径部よりも外径が大きい太径部と、前記細径部の基端から前記太径部の先端までの部分を構成し先端側に向って外径が縮小するテーパ部とを有し、前記細径部は、前記テーパ部の先端側に隣接する第1細径部と、前記第1細径部の先端側に隣接し、前記第1細径部の外径よりも大きい外径を有し、且つ、前記第1細径部よりも柔軟に構成された第2細径部とを有することを特徴とする。
上記の構成によれば、先端側に向かって外径が縮小するテーパ部の先端に、第1細径部が接続され、この第1細径部の先端側に、第1細径部よりも外径が大きいが第1細径部よりも柔軟な第2細径部が設けられる。このため、シャフトの先端側において、先端側の部分ほど柔軟になるとともに、柔軟性が滑らかに変化する構造が得られる。従って、上記のカテーテルによれば、シャフトの先端部において十分な柔軟性を持たせることにより末梢血管に対する追従性、到達性を高めるとともに、手元側からの押し込み力をスムーズに先端側へと伝達することができ、操作性を高めることができる。
上記のカテーテルにおいて、前記シャフトは、内層と、前記内層の外側に設けられた外層とを有し、前記第2細径部における前記外層の外径は、前記第1細径部における前記外層の外径よりも大きく、前記第2細径部における前記外層を構成する材料の硬度は、前記第1細径部における前記外層を構成する材料の硬度よりも低くてもよい。
上記の構成によれば、外層の外径の違い、すなわち外層の断面積の違いと、材料の硬度の違いにより、柔軟性を変化させているため、柔軟性が滑らかに変化する構造を容易に実現できる。
本発明のカテーテルによれば、手元側からの押し込み力をスムーズに先端側へと伝達することができ、これにより操作性を高めることができる。
参考例に係るカテーテルの一部省略側面図である。 図1に示したカテーテルの先端部側の構成を示す縦断面図である。 図1に示したカテーテルのシャフトの横断面図である。 図1に示したカテーテルのシャフトに設けられた補強層の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るカテーテルの先端部の構成を示す縦断面図である。
以下、本発明に係るカテーテルについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、参考例に係るカテーテル10Aの一部省略側面図である。図2は、カテーテル10Aの先端部側の構成を示す縦断面図である。なお、図2では、シャフト12の概略形状を示すため、外径と長さの寸法比は、図1に示すシャフト12と必ずしも一致しない。
カテーテル10Aは、血管内や体腔内に挿入して先端を目的部位まで到達させ、治療用の薬剤注入や診断用の造影剤注入を行うために使用される。図1に示すように、カテーテル10Aは、細径で長尺なシャフト12と、シャフト12の基端に接続されたハブ14と、シャフト12のハブ14への接続部に設けられたストレインリリーフ16とを備える。
なお、以下の説明において、シャフト12に関し、ハブ14側を基端側とも呼び、ハブ14が接続された側とは反対側を先端側とも呼び、他の各図においても同様とする。
シャフト12は、血管等の生体管腔内に挿入されるカテーテル本体を構成するものであって、先端から基端まで連通する内腔18(図2も参照)が形成された可撓性を有する長尺で細径のチューブ状部材である。シャフト12の長さは、500mm〜2000mm程度、好ましくは、1000mm〜1500mm程度である。なお、シャフト12の内径及び外径については、軸線方向の位置によって異なるため、後述する。
図1及び図2に示すように、シャフト12の最先端部近傍の外周面には、X線不透過マーカ(造影マーカ)22が固着されている。X線不透過マーカ22は、金あるいは白金等からなるX線(放射線)不透過性を有する材質によって形成されることにより、生体内でカテーテル10Aの先端位置をX線造影下で視認するためのものである。
図2において、X線不透過マーカ22は、シャフト12の外周部を螺旋状に延在するコイル形状に構成されたものであるが、リング状に構成されたものであってもよい。また、X線不透過マーカ22は、シャフト12の管壁内に埋め込まれて設ける構成に限らず、外周面に露出させていてもよい。シャフト12の最先端部はテーパを有していてもよい。
図1に示すように、ハブ14は、その先端にてシャフト12の基端を保持するものであり、基端にはシリンジ等の他の器具が接続可能となっている。ハブ14は、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の硬質の樹脂等により構成され得る。ストレインリリーフ16は、シャフト12のハブ14への接続部での屈曲(キンク)を防止するためのものであり、例えば先細りのチューブ状に形成された適度の可撓性及び剛性を有する樹脂製の部材である。ストレインリリーフ16は、シャフト12の構成材料と同様の材料で構成され得る。
次に、シャフト12の具体的な構成を説明する。図1及び図2に示すように、シャフト12は、シャフト12の先端側(矢印Aで示す範囲)を構成する細径部24と、この細径部24よりも基端側の部分(矢印Cで示す範囲)を構成し細径部24よりも外径が大きい太径部26と、細径部24の基端から太径部26の先端までの部分(矢印Bで示す範囲)を構成し、先端側に向って外径が縮小するテーパ部28とを有する。X線不透過マーカ22は、細径部24に設けられており、太径部26とX線不透過マーカ22は独立して存在する。すなわち、太径部26としてマーカが存在しない太径部を選択することができる。
図3は、シャフト12の横断面図である。図3に示すように、シャフト12は、内腔18が形成された内層30と、内層30の半径方向外側に形成された外層32と、内層30の外周に沿って設けられた補強層34とを有する。内層30は、シャフト12の全長に亘って、同一材料で継ぎ目なく連続的に形成されている。補強層34は、シャフト12の全長に亘って設けられている。補強層34は、シャフト12の先端に設けられなくてもよい。
内層30及び外層32は、適度な柔軟性を有する合成樹脂により構成することができる。内層30の構成材料としては、例えば、例えばPFA(テトラフロオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂が挙げられる。
外層32の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素系樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物が挙げられる。
もちろん、内層30及び外層32は、他の材料により構成されてもよい。自然状態(外力が付加されていない状態)での内層30及び外層32の断面形状は、ほぼ円形である。
図2において、細径部24(矢印Aで示す範囲のシャフト12部分)の軸線方向の長さは、例えば、3mm〜300mm程度に設定され、好ましくは、10mm〜150mm程度に設定される。細径部24における内層30の内径及び外径は、細径部24の全長に亘って一定である。細径部24における外層32の内径及び外径は、細径部24の全長に亘って一定である。
細径部24における内層30の内径は、例えば、0.2mm〜2.5mm程度に設定され、好ましくは、0.3mm〜1.8mm程度に設定される。細径部24における外層32の外径は、例えば、0.3mm〜3.0mm程度に設定され、好ましくは、0.4mm〜2.0mm程度に設定される。
テーパ部28(矢印Bで示す範囲のシャフト12部分)の軸線方向に沿った長さは、例えば、5mm〜500mm程度に設定され、好ましくは、10mm〜100mm程度に設定される。テーパ部28における外層32の先端外径は、細径部24の外径と同一である。テーパ部28における内層30の内径は、先端側で細径部24における内層30の内径と一致し、基端側で太径部26における内層30の内径と一致し、その間は細径部24側に向かって一定割合で小さくなる。
テーパ部28における内層30及び外層32の肉厚は、それぞれテーパ部28の全長に亘って一定である。図示例において、外層32は、細径部24及びテーパ部28の全長に亘って、細径部24の先端からテーパ部28の基端まで同一材料で継ぎ目なく連続して形成されている。従って、テーパ部28における外層32は、テーパ部28の全長に亘って、厚さが一定であり、且つ、同一材料で継ぎ目なく連続して形成されている。すなわち、テーパ部28における外層32は、複数の部材を軸線方向に結合したものではなく、途中に継ぎ目が存在しない(シームレスである)ものとなっている。
太径部26(矢印Cで示す範囲のシャフト12部分)の軸線方向の長さは、例えば、200mm〜1800mm程度に設定され、好ましくは、400mm〜1500mm程度に設定される。太径部26における内層30の内径及び外径は、太径部26の全長に亘って一定である。太径部26における内層30の内径は、例えば、0.3mm〜9.0mm程度に設定され、好ましくは、0.4mm〜2.8mm程度に設定される。
図示例において、太径部26は、第1太径部38と、この第1太径部38の先端側に設けられた第2太径部39とを有する。第1太径部38は、シャフト12のうち、太径部26の先端近傍(テーパ部28の基端よりも僅かに基端側)から太径部26の基端まで(矢印C1で示す範囲のシャフト12部分)を構成する。第1太径部38の外径は、第1太径部38の全長に亘って一定であり、例えば、0.4mm〜10.0mm程度に設定され、好ましくは、0.5mm〜3.0mm程度に設定される。
第1太径部38における外層32aは、硬度が異なる複数の材料が軸線方向に沿って配置されることにより構成されてもよい。図示例では、第1太径部38における外層32aは、軸線方向に沿って硬度の異なる複数の領域を有し、先端側に向かって各領域を構成する材料の硬度が低下する(先端側に向かって柔軟性が増す)ものとなっている。
第2太径部39は、シャフト12のうち、テーパ部28と第1太径部38との間の部分(矢印C2で示す範囲のシャフト12部分)を構成する。第2太径部39は、テーパ部28の基端の外径及び第1太径部38の外径よりも小さい外径を有するとともに、第1太径部38よりも柔軟に構成される。第2太径部39における外層32bは、先端がテーパ部28における外層32の基端に接続され、基端が第1太径部38における外層32bの先端に接続される。
第2太径部39における外層32bの外径は、第1太径部38における外層32aの外径よりも小さく、例えば、第1太径部38に対して60%〜98%程度に設定され、好ましくは、80%〜96%程度に設定される。
第1太径部38における外層32aを構成する材料の硬度と、第2太径部39における外層32bを構成する材料の硬度は同じであるが、第2太径部39における外層32bの外径が、第1太径部38における外層32aの外径よりも小さくなっていることにより、第2太径部39は第1太径部38よりも柔軟に構成されている。
テーパ部28における外層32を構成する材料の硬度は、第2太径部39における外層32bを構成する材料の硬度よりも低い。これにより、テーパ部28は第1太径部38よりも柔軟に構成されている。
図4は、シャフト12に設けられた補強層34の構成を示す図であり、内層30の外周に沿って設けられた補強層34の構成の理解を容易化するために、外層32を仮想線で示している。図4に示すように、補強層34は、細線が織り合わされたメッシュ状の編組35(ブレード)により構成されている。具体的には、シャフト12の軸線方向に互いに間隔をおいて第1の螺旋方向に巻回された複数の線材40と、シャフト12の軸線方向に互いに間隔をおいて第1の螺旋方向とは異なる第2の螺旋方向に巻回された複数の線材40とが交差して配置されることで、編組35が構成されている。
編組35を構成する線材40の構成材料としては、金属、ポリマー、金属とポリマーの複合体、金属合金(例えば、ステンレス)又はそれらの組み合わせが挙げられる。第1の螺旋方向に巻回された線材40の巻き本数と、第2の螺旋方向に巻回された線材40の巻き本数とは、同じであっても異なっていてもよい。第1の螺旋方向に巻回された線材40の材料、太さや断面形状と、第2の螺旋方向に巻回された線材40の材料、太さや断面形状とは、同じであっても異なっていてもよい。
図2に示すように、テーパ部28における補強層34を構成する複数の線材40のシャフト12の軸線方向に沿ったピッチP1(線材40の軸線方向の配置間隔)は、テーパ部28の全長に亘って一定である。また、細径部24における補強層34を構成する複数の線材40のシャフト12の軸線方向に沿ったピッチP2は、細径部24の全長に亘って一定であり、テーパ部28における補強層34の前記ピッチP1と同じである。
次に、上記のように構成されるカテーテル10Aの作用及び効果について説明する。カテーテル10Aでは、テーパ部28と第1太径部38との間に、それらよりも外径が小さい第2太径部39が設けられるため、テーパ部28から太径部26へと滑らかに柔軟性を変化させることができる。すなわち、テーパ部28における外層32を構成する材料の硬度が、第2太径部39における外層32bを構成する材料の硬度よりも低い場合において、仮にテーパ部28の基端の外径と第2太径部39の外径とが同じであると、テーパ部28と第2太径部39との接続箇所におけるシャフト12の柔軟性の変化が大きくなる。これに対し、カテーテル10Aの構成のように、第2太径部39における外層32bの外径をテーパ部28における外層32の基端の外径よりも小さくすることで、テーパ部28と第2太径部39との接続箇所におけるシャフト12の柔軟性の変化を小さくすることができる。従って、カテーテル10Aによれば、手元側からの押し込み力をスムーズに先端側へと伝達することができ、操作性を向上できる。
また、カテーテル10Aでは、テーパ部28における外層32は、テーパ部28の全長に亘って、厚さが一定であり、且つ、同一材料で継ぎ目なく連続して形成されているので、シャフト12の先端側に向かって滑らかに柔軟性を変化させることができる。すなわち、テーパ部28における外層32は、厚さが一定であり且つ継ぎ目がないため、急激に柔軟性(硬さ)が変化する箇所がなく、先端側に向かって外径が縮小することに伴い滑らかに柔軟性が増大していく。従って、カテーテル10Aによれば、手元側からの押し込み力をよりスムーズに先端側へと伝達することができる。
さらに、カテーテル10Aでは、テーパ部28における補強層34を構成する複数の線材40のシャフト12の軸線方向に沿ったピッチP1(図2参照)は、テーパ部28の全長に亘って一定である。この構成によれば、テーパ部28では、補強層34のピッチの変化をなくすことで、補強層34による柔軟性の変化に対する影響が排除される。従って、外層32の外径変化に基づいて軸線方向に沿って柔軟性を変化させる構成であるため、軸線方向に沿って滑らかに柔軟性が変化する構造を容易に実現できる。
図5は、本発明の一実施形態に係るカテーテル10Bの先端部の構成を示す縦断面図である。なお、本実施形態に係るカテーテル10Bにおいて、上述したカテーテル10Aと同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。また、図5において、カテーテル10Bの基端側については、図示されていないが、図1等に示したカテーテル10Aと同様に構成されている。
カテーテル10Bのシャフト12aは、当該シャフト12aの先端側を構成する細径部24aと、細径部24aよりも基端側に設けられ細径部24aよりも外径が大きい太径部26と、細径部24aの基端から太径部26の先端までの部分を構成し先端側に向って外径が縮小するテーパ部28とを有する。シャフト12aにおける太径部26及びテーパ部28は、図2に示したシャフト12における太径部26及びテーパ部28と同様に構成されている。
図5に示すように、細径部24aは、本実施形態ではシャフト12aの最先端部を構成する第1部位44(矢印A1で示す範囲のシャフト12部分)と、この第1部位44の基端側に隣接し第1部位44の外径よりも小さい外径を有する第2部位46(矢印A2で示す範囲のシャフト12部分)と、この第2部位46の基端側に隣接し第2部位46の外径よりも大きい外径を有する第3部位48(矢印A3で示す範囲のシャフト12部分:第2細径部)と、この第3部位48の基端側に隣接し第3部位48の外径よりも小さい外径を有する第4部位50(矢印A4で示す範囲のシャフト12部分:第1細径部)とを有する。
第1部位44における外層32cの外径は、例えば、0.3mm〜3.0mm程度に設定され、好ましくは、0.4mm〜2.0mm程度に設定される。第1部位44における外層32cの軸線方向に沿った長さは、例えば、0.5mm〜50.0mm程度に設定され、好ましくは、2.0mm〜30.0mm程度に設定される。
第2部位46における外層32dの外径は、例えば、外層32cに対して80%〜99%程度に設定され、好ましくは、85%〜98%程度に設定される。第2部位46における外層32dの軸線方向に沿った長さは、例えば、0.5mm〜50.0mm程度に設定され、好ましくは、2.0mm〜30.0mm程度に設定される。
第3部位48における外層32eの外径は、例えば、外層32dに対して101%〜130%程度に設定され、好ましくは、102%〜115%程度に設定される。第3部位48における外層32eの軸線方向に沿った長さは、例えば、0.5mm〜50.0mm程度に設定され、好ましくは、2.0mm〜30.0mm程度に設定される。
第4部位50における外層32fの外径は、例えば、外層32eに対して80%〜99%程度に設定され、好ましくは、85%〜98%程度に設定される。第4部位50における外層32fの軸線方向に沿った長さは、例えば、1.5mm〜150.0mm程度に設定され、好ましくは、4.0mm〜60.0mm程度に設定される。
第1部位44は、第2部位46よりも柔軟に構成されている。具体的には、第1部位44における外層32cの外径は第2部位46における外層32dの外径よりも大きいが、第1部位44における外層32cを構成する材料の硬度が、第2部位46における外層32dを構成する材料の硬度よりも低くなっていることにより、第1部位44は、第2部位46よりも柔軟に構成されている。
第2部位46は、第3部位48よりも柔軟に構成されている。具体的には、第2部位46における外層32dを構成する材料の硬度と、第3部位48における外層32eを構成する材料の硬度とは同じであるが、第2部位46における外層32dの外径が、第3部位48における外層32eの外径よりも小さくなっていることにより、第2部位46は、第3部位48よりも柔軟に構成されている。
第3部位48は、第4部位50よりも柔軟に構成されている。具体的には、第3部位48における外層32eの外径は第4部位50における外層32fの外径よりも大きいが、第3部位48における外層32eを構成する材料の硬度が、第4部位50における外層32fを構成する材料の硬度よりも低くなっていることにより、第3部位48は、第4部位50よりも柔軟に構成されている。
次に、上記のように構成される本実施形態に係るカテーテル10Bの作用及び効果について説明する。
本実施形態の場合、シャフト12aの先端側を構成する細径部24aにおいて、第1部位44と第3部位48との間にその前後に対して外径が減少した第2部位46が設けられ、第3部位48、第2部位46、第1部位44の順に柔軟性が増す構成となっている。このため、シャフト12aの先端側において、先端側の部分ほど柔軟性が増すとともに、軸線方向に沿って柔軟性が滑らかに変化する構造が得られる。
また、シャフト12aにおいては、第1部位44と第2部位46との接続箇所、及び、第2部位46と第3部位48との接続箇所で、柔軟性が変化する。柔軟性が変化する箇所では曲がり易くなるため、テーパ部28よりも先端側に柔軟性の変化点が複数設けられることで、シャフト12aの先端部がより柔軟で血管等の生体管腔の湾曲に一層追従し易い。
従って、カテーテル10Bによれば、シャフト12aの先端部において十分な柔軟性を持たせることにより末梢血管に対する追従性、到達性を高めるとともに、手元側からの押し込み力をスムーズに先端側へと伝達することができ、操作性を高めることができる。
また、本実施形態の場合、第2部位46における外層32dの外径は、第1部位44における外層32cの外径よりも小さく、第3部位48における外層32eの外径は、第2部位46における外層32dの外径よりも大きく、第1部位44における外層32cを構成する材料の硬度は、第2部位46及び第3部位48における前記外層32d、32eを構成する材料の硬度よりも低い。この構成によれば、外層32の外径の違い、すなわち外層32の断面積の違いと、外層32を構成する材料の硬度の違いにより、柔軟性を変化させているため、柔軟性が滑らかに変化する構造を容易に実現できる。
さらに、本実施形態の場合、第2部位46における外層32dを構成する材料の硬度と、第3部位48における外層32eを構成する材料の硬度は、同一である。この構成によれば、第2部位46から第3部位48にかけて外層32の硬度を同一としつつ外径を異ならせることで柔軟性を変えているため、各部位の柔軟性の設定が容易であり、柔軟性が滑らかに変化する構造を好適に得ることができる。
本実施形態の場合、先端側に向かって外径が縮小するテーパ部28の先端に、第4部位50(第1細径部)が接続され、第4部位50の先端側に、第4部位50よりも外径が大きいが第4部位50よりも柔軟な第3部位48(第2細径部)が設けられる。このため、シャフト12aの先端側において、先端側の部分ほど柔軟になるとともに、柔軟性が滑らかに変化する構造が得られる。従って、カテーテル10Bによれば、末梢血管に対する追従性、到達性を一層高めるとともに、手元側からの押し込み力を一層スムーズに先端側へと伝達することができる。
本実施形態の場合、第3部位48における外層32eの外径は第4部位50における外層32fの外径よりも大きいが、第3部位48における外層32eを構成する材料の硬度が、第4部位50における外層32fを構成する材料の硬度よりも低くなっていることにより、第3部位48は、第4部位50よりも柔軟に構成されている。この構成によれば、外層32の外径の違い、すなわち外層32の断面積の違いと、材料の硬度の違いにより、柔軟性を変化させているため、軸線方向に沿って柔軟性が滑らかに変化する構造を容易に実現できる。
なお、本実施形態に係るカテーテル10Bにおいて、カテーテル10Aと共通する各構成部分については、カテーテル10Aと同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10A、10B…カテーテル 12、12a…シャフト
24、24a…細径部 26…太径部
28…テーパ部 30…内層
32、32a〜32f…外層 34…補強層
35…編組 38…第1太径部
39…第2太径部 40…線材
44…第1部位 46…第2部位
48…第3部位 50…第4部位

Claims (2)

  1. チューブ状のシャフトを有するカテーテルであって、
    前記シャフトは、前記シャフトの先端側を構成する細径部と、前記細径部よりも基端側に設けられ前記細径部よりも外径が大きい太径部と、前記細径部の基端から前記太径部の先端までの部分を構成し先端側に向って外径が縮小するテーパ部とを有し、
    前記細径部は、
    前記テーパ部の先端側に隣接する第1細径部と、
    前記第1細径部の先端側に隣接し、前記第1細径部の外径よりも大きい外径を有し、且つ、前記第1細径部よりも柔軟に構成された第2細径部とを有する、
    ことを特徴とするカテーテル。
  2. 請求項1記載のカテーテルにおいて、
    前記シャフトは、内層と、前記内層の外側に設けられた外層とを有し、
    前記第2細径部における前記外層の外径は、前記第1細径部における前記外層の外径よりも大きく、
    前記第2細径部における前記外層を構成する材料の硬度は、前記第1細径部における前記外層を構成する材料の硬度よりも低い、
    ことを特徴とするカテーテル。
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