JP2014094626A - 制動装置付き車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制動装置付き車両10は、ブレーキペダル85に加えられる操作力を倍力させる倍力機構86と、倍力機構86に圧力を供給する負圧ポンプ88と、負圧ポンプ88で発生した圧力を蓄える負圧タンク87とを備えている。負圧ポンプ88および負圧タンク87は、機器収納室25において、ブレーキペダル85より上方に設けられている。
【選択図】図2
Description
一方、電動モータを駆動源とする車両(電気自動車)においては、電動用の負圧ポンプや負圧タンクを用いて倍力機構の負圧状態が確保される。
この状態において、ブレーキペダルを操作することにより倍力機構の一部が大気に解放され、倍力機構に発生する圧力差でブレーキペダルに加える操作力(踏力)を倍力させることができる。
このため、例えば、車両の小型化を図るために機器収納室を小さく抑えた場合、ブレーキペダルやステアリングギアボックスの車両前方側に負圧ポンプや負圧タンクを設ける空間を確保することが難しい。
負圧ポンプや負圧タンクが車両後方に移動することにより、負圧ポンプ(圧力供給ポンプ)や負圧タンク(圧力タンク)で押されたブレーキペダル(ペダル)やステアリングギアボックスが運転席まで移動することが考えられる。
これにより、圧力供給ポンプおよび圧力タンクを設ける空間を容易に確保でき、かつ、車両空間の有効利用を図ることができる。
これにより、圧力供給ポンプおよび圧力タンクでペダルが車両後方に押されて移動することを抑制できる。
これにより、圧力供給ポンプおよび圧力タンクでステアリングシャフトが車両後方に押されて移動することを抑制できる。
これにより、圧力供給ポンプおよび圧力タンクを第1フレームおよび一対の第2フレームで囲うことができるので、各2フレームで圧力供給ポンプおよび圧力タンクを保護することができる。
図1、図2に示すように、制動装置付き車両10は、車体の骨格を構成する車体フレーム11と、車体フレーム11の前部11aに設けられた左右のサスペンション12,13と、左右のサスペンション12,13にそれぞれ設けられた左右の前輪14,15と、車体フレーム11の前部11aに設けられたステアリング装置17、制動装置20およびバッテリ(蓄電装置)22とを備えている。
機器収納室25は、ガソリン自動車のエンジンルームに相当する室である。
また、前下部フレーム31の前半部、前フレーム32および前上部フレーム33の前半部で機器収納室25が形成されている。
また、右サスペンション支持部材65に右サスペンション13の上端部13aが支持されている。右サスペンション13の下端部13bに右ナックル69を介して右前輪15が設けられている。
左タイロッド78の外端部が左ナックル68に連結され、右タイロッド79の外端部が右ナックル69(図5参照)に連結されている。
ステアリングシャフト72は、ステアリングハンガビーム42のうち中央部に取付ブラケット82を介して支持された状態で車両前後方向に延出されている。
このブレーキペダル85は、支持ブラケット91の支持軸92に回動自在に設けられたアーム93と、アーム93の下端部93aに設けられたペダル本体94とを有する。
アーム93の上端部93bが倍力機構86の操作ロッド102に回動自在に連結されている。よって、ブレーキペダル85のペダル本体94を乗員が踏むことにより、アーム93が支持軸92を軸にしてスイング移動(揺動)して操作ロッド102が車両後方側に押し込まれる。
ブレーキペダル85(具体的には、ペダル本体94)の車幅方向外側にアクセルペダル95が設けられている。
この倍力機構86は、ペダル本体94に加えられる踏力(操作力)を倍力させる機構であって、一例として、ダッシュボード96にアシスト部101がスタッドおよびナットで取り付けられている。
操作ロッド102は、アシスト部101から車両前方に突出された状態で、車両前後方向に突没自在に支持されている。
マスタシリンダ103は、アシスト部101の車両後方側に操作ロッド102と同軸上に設けられている。
アシスト部101は、ダイヤフラムで2室に仕切られている。仕切られた2室は、一例として、非作動状態において、負圧ポンプ88および負圧タンク87により負圧状態に保たれている。
負圧ポンプ88は、バッテリ22から供給された電圧で駆動されることにより負圧を発生させる空気ポンプ(真空ポンプ)である。負圧ポンプ88で発生させた負圧は負圧タンク87に蓄えられ、負圧タンク87を経て倍力機構86に供給される。
バッテリ22は、負圧ポンプ88、ヘッドライトやテールライトなどに電圧を供給する低電圧用のバッテリである。
左枠部106でポンプ収納空間107が形成され、ポンプ収納空間107はバッテリ22およびステアリングシャフト72の左側に位置する。
右枠部108でタンク収納空間109が形成され、タンク収納空間109はバッテリ22およびステアリングシャフト72の右側に位置する。
中央枠部111でバッテリ収納空間112が形成され、バッテリ収納空間112はポンプ収納空間107およびタンク収納空間109間に位置する。さらに、バッテリ収納空間112はステアリングシャフト72の車両前方に位置する。
ここで、車両10の前部にエンジンを有しない電気自動車は、通常、ブレーキペダル85の上方に既存の空間が存在する。よって、既存の空間を利用して、ポンプ収納空間107、タンク収納空間109およびバッテリ収納空間112を確保できる。
すなわち、負圧ポンプ88は、ブレーキペダル85上方の既存空間を利用して、バッテリ22およびステアリングシャフト72の左側に配置される。よって、負圧ポンプ88は、ブレーキペダル85より上方に設けられている(図6参照)。
具体的には、前取付ブラケット117が右枠部108の前アッパメンバ53の右部53dにボルト121で取り付けられる。また、内取付ブラケット118が右枠部108の右中間メンバ62にボルト121で取り付けられる。さらに、外取付ブラケット119が右枠部108の右アッパサイドメンバ58の前半部58aにボルト121で取り付けられる。
これにより、負圧タンク87は、ブレーキペダル85上方の既存空間を利用して、バッテリ22およびステアリングシャフト72の右側に配置される。よって、負圧タンク87は、ブレーキペダル85より上方に設けられる(図6参照)。
これにより、負圧ポンプ88、負圧タンク87やバッテリ22を設ける空間を容易に確保でき、かつ、車両空間の有効利用を図ることができる。
倍力機構86のアシスト部101に負圧タンク87が連通されることにより、アシスト部101の仕切られた2室が負圧状態に保たれる。
具体的には、左取付ブラケット123が中央枠部111の左中間メンバ61にボルト121で取り付けられる。また、右取付ブラケット124が中央枠部111の右中間メンバ62にボルト121で取り付けられる。
バッテリ収納空間112にバッテリ22が収納されることにより、負圧ポンプ88および負圧タンク87間で、かつ、ステアリングシャフト72の車両前方にバッテリ22が配置される。
また、負圧ポンプ88および負圧タンク87の車幅方向両側にそれぞれ左右のアッパサイドメンバ57,58が設けられ、車両前後方向に延びている。
具体的には、負圧ポンプ88の車幅方向外側に左アッパサイドメンバ57が設けられた状態で車両前後方向に延びている。また、負圧タンク87の車幅方向外側に右アッパサイドメンバ58が設けられた状態で車両前後方向に延びている。
さらに、負圧タンク87は車幅方向において右アッパサイドメンバ58に重なる位置に設けられている。
図8に示すように、車両10が前面衝突することにより、車両10の前部に荷重F1が矢印の如く入力する。荷重F1が車両10の前部に入力することにより、負圧ポンプ88(図7参照)、負圧タンク87およびバッテリ22が車両後方に向けて矢印Aの如く移動する。
各部材88,87,22がブレーキペダル85の上方で移動するので、各部材88,87,22(特に、負圧タンク87やバッテリ22)でブレーキペダル85を車両後方に押し出すことを防止できる。
これにより、ブレーキペダル85が車室24側に移動することを防止できる。
図9に示すように、負圧ポンプ88および負圧タンク87が前アッパメンバ53および左右のアッパサイドメンバ57,58で囲われている。
よって、前面衝突により車両10の前部に荷重F2が入力した場合に、負圧ポンプ88および負圧タンク87を前アッパメンバ53で保護することができる。
この場合、前アッパメンバ53でバッテリ22も保護することができる。
さらに、右側面衝突により車両10の右側部に荷重F4が入力した場合に、負圧タンク87を右アッパサイドメンバ58で保護することができる。
このように、前面衝突、左側面衝突、右側面衝突による荷重F2〜F4が入力した場合に、前アッパメンバ53および左右のアッパサイドメンバ57,58で、負圧ポンプ88および負圧タンク87を保護し、さらに、バッテリ22も保護することができる。
図10に示すように、制動装置付き車両130は、実施例1のバッテリ22をバッテリ収納空間112から他の箇所に移動したもので、その他の構成は実施例1の制動装置付き車両10と同様である。
すなわち、負圧ポンプ88および負圧タンク87は、実施例1と同様に、ステアリングシャフト72を隔ててステアリングシャフト72の左右側に配置されている。
よって、車両後方に向けて移動する負圧ポンプ88や負圧タンク87でステアリングシャフト72を車両後方に向けて押圧することを防ぐことができる。これにより、ステアリングシャフト72が車両後方に向けて移動することを防止できる。
例えば、前記実施例1、2では、圧力供給ポンプとして負圧ポンプ88を例示し、圧力タンクとして負圧タンク87を例示したが、これに限らないで、圧力供給ポンプとして空気を圧縮する圧縮ポンプを用い、圧力タンクとして圧縮した空気を蓄える加圧タンクを用いることも可能である。
この倍力機構によれば、圧縮ポンプで圧縮した空気で加圧タンクが加圧され、加圧タンクから倍力機構に圧縮した空気を供給することにより倍力機構が作動し、ブレーキペダル85に加える操作力(踏力)を倍力させることができる。
Claims (4)
- ペダルに加えられる操作力を倍力させる倍力機構と、
前記倍力機構に圧力を供給する圧力供給ポンプと、
前記圧力供給ポンプで発生した圧力を蓄える圧力タンクと、
を備えた制動装置付き車両であって、
前記圧力供給ポンプおよび前記圧力タンクが前記ペダルより上方に設けられたことを特徴とする制動装置付き車両。 - 前記圧力供給ポンプおよび前記圧力タンクは、
車幅方向に所定間隔をおいて設けられることにより、車両前後方向に延びるステアリングシャフトを隔てて該ステアリングシャフトの左右側に配置されたことを特徴とする請求項1記載の制動装置付き車両。 - 前記圧力供給ポンプおよび前記圧力タンクの前方に設けられ、車幅方向に延びる第1フレームと、
前記圧力供給ポンプおよび前記圧力タンクの車幅方向両側にそれぞれ設けられ、車両前後方向に延びる一対の第2フレームと、
を備え、
前記圧力供給ポンプおよび前記圧力タンクは、
車両前後方向において前記第1フレームに重なる位置に設けられ、
車幅方向において前記一対の第2フレームに重なる位置に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の制動装置付き車両。 - 前記圧力供給ポンプおよび前記圧力タンク間に蓄電装置が設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の制動装置付き車両。
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2012
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