以下、本発明の実施の形態の一例に係る画像形成システム(画像情報通信システムの一例)について説明する。
画像形成システムは、携帯端末(画像情報通信装置の一例)と画像形成装置(第2装置の一例)とを含む。
画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。スキャナ機能は、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)等に蓄積する機能である。複写機能は、さらにそれを用紙等に印刷(プリント)する機能である。プリンタとしての機能は、PC等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う機能である。ファクシミリ機能は、外部のファクシミリ装置等からファクシミリデータを受信してそれをHDD等に蓄積する機能である。データ通信機能は、接続された外部機器との間でデータを送受信する機能である。サーバ機能は、複数のユーザでHDD等に記憶したデータなどを共有可能にする機能である。
携帯端末は、例えば、データ通信機能、及び情報記憶、閲覧、出力機能など、種々の機能を備えた、タブレット型端末である。データ通信機能は、例えば携帯電話網やその他のネットワークを介して、他の装置との間でデータ通信を行う機能である。データ通信機能は、例えば、無線通信により行うことができる。情報記憶、閲覧、出力機能は、外部装置から送られた情報や、ユーザから入力された情報を記憶したり、記憶した情報を表示器に表示したり、外部装置へ送信したりすることを可能にする機能である。携帯端末は、携帯電話網を介して他の電話機との間で音声通話を行う電話機能をさらに備えた、多機能型携帯電話機であってもよい。
画像形成装置と携帯端末とは、共にネットワークに接続されており、互いにネットワークを介して通信できる。画像形成装置と携帯端末とは、共に、例えばタッチパネルなどの表示装置を有している。画像形成装置と携帯端末とが互いに通信することで、各装置の表示装置に互いに関連する操作用画像などを表示させ、画像形成装置と携帯端末とを連携させて画像形成システムを使用可能である。
本実施の形態において、画像形成装置は、画像情報を有している。携帯端末は、画像形成装置と連携し、画像情報を操作する。携帯端末は、第1宛先情報を有し、第1宛先情報に基づいて、情報を送信する機能を備えている。画像形成装置は、第2宛先情報を有し、第2宛先情報に基づいて情報を送信する機能を備えている。
この画像形成システムでは、携帯端末を利用して、画像形成装置の画像情報の送信を行うことができる。このとき、第1宛先情報に対応する宛先と第2宛先情報に対応する宛先との両方が携帯端末の宛先選択画面に表示されるので、ユーザは、宛先を選択する。ユーザにより第2宛先情報に対応する宛先が選択された場合には、画像形成装置から、画像情報の送信が行われる。ユーザにより第1宛先情報に対応する宛先が選択された場合には、携帯端末から、画像情報の送信が行われる。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成システムを示すブロック図である。
本実施の形態において、画像形成システム901は、画像形成装置101と、携帯端末401とで構成されている。画像形成システム901において、画像形成装置101は、携帯端末401と通信し、画像形成装置101と携帯端末401とが連携して動作可能となるように制御する。
図1に示されるように、画像形成システム901において、画像形成装置101と携帯端末401とは、ネットワーク601を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク601は、例えば、構内情報通信網(LAN)である。画像形成装置101は、いわゆる有線LAN経由でネットワーク601に接続されている。他方、携帯端末401は、いわゆる無線LAN経由でネットワーク601に接続されている。すなわち、ネットワーク601には、無線LANアクセスポイントである接続装置651が接続されている。携帯端末401は、接続装置651に無線接続することで、接続装置651を介して、ネットワーク601に接続されている。
ネットワーク601は、例えばインターネットなどの外部ネットワーク690に接続されている。ネットワーク601には、第1送信サーバ701が接続されている。外部ネットワーク690には、第2送信サーバ721が接続されている。なお、以下、特に区別を要しないときには、ネットワーク601と外部ネットワーク690とをあわせて、ネットワーク601と総称することがある。
ここで、第1送信サーバ701、第2送信サーバ721のそれぞれは、電子メールの送信サーバとして機能する。本実施の形態において、画像形成装置101及び携帯端末401は、それぞれ電子メール送信機能を有している。画像形成装置101は、ネットワーク601に接続されている第1送信サーバ701を用いて電子メールを送信可能に設定されている。携帯端末401は、外部ネットワーク690を経由してアクセス可能な第2送信サーバ721を用いて、電子メールを送信可能に設定されている。第2送信サーバ721は、例えば、携帯端末401が接続可能な通信キャリアサーバである。なお、電子メールを送信するのに用いられるサーバの構成は、これに限られるものではない。
なお、各装置の接続態様は、これに限られるものではない。例えば、画像形成装置101と携帯端末401とが、近距離無線通信技術などを利用して機器間相互通信可能に接続されるようにしてもよい。
[携帯端末401の構成]
図2は、本実施の形態における画像形成システム901を示すブロック図である。
携帯端末401は、例えばいわゆるタブレット端末である。図2に示されるように、携帯端末401は、大まかに、CPU421と、記憶部423と、表示部431と、画面制御部441と、通信部(通信手段の一例)451とを有している。携帯端末401は、ユーザが容易に把持可能なものである。
CPU421は、記憶部423や携帯端末401の各部などを用いて、携帯端末401の動作を制御する。記憶部423は、例えばROMやRAMなどのメモリである。記憶部423には、携帯端末401で実行される制御プログラム423aが記憶されている。CPU421は、制御プログラム423aを実行することにより、携帯端末401の動作の制御や、通信部451を利用した画像形成装置101との通信などを行う。例えば、種々のアプリ(アプリケーション)を携帯端末401で動作させ、電子メールの送受信やスケジュール管理などを行うことができる。
表示部431は、タッチパネルである。表示部431は、液晶ディスプレイ(LCD)である。表示部431は、操作位置検出部433を備えている。操作位置検出部433は、表示部431にユーザが接触したこと及びその接触位置(ユーザの操作位置)を検知する。操作位置検出部433は、例えば、表示部431上の、ユーザにより触れられている領域の重心位置をユーザの操作位置として検知する。ユーザが表示部431に触れたとき、その情報がCPU421に送られ、CPU421は、その情報に基づいて、携帯端末401の制御を行う。すなわち、ユーザは、表示部431に触れて操作を加えることで、携帯端末401の操作を行うことができる。
画面制御部441は、表示部431の表示を制御する。画面制御部441は、例えば、種々の案内画像や、携帯端末401の操作メニュー画面などを表示部431に表示する。
通信部451は、接続装置651との間で無線通信を行い、携帯端末401をネットワーク601に接続させる。これにより、携帯端末401と画像形成装置101とが通信可能となる。
[画像形成装置101の構成]
図3は、画像形成装置101を示す斜視図である。図4は、画像形成装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像形成装置101は、給紙カセット13と、排紙トレイ15と、CPU21と、画像形成部30と、画像読取部40と、操作パネル111とを備える。CPU21は、画像形成装置101の動作を制御する。CPU21、画像形成部30、及び画像読取部40などは、画像形成装置101の筐体の内部に配置されている。
この画像形成装置101は、3つの給紙カセット13(給紙カセット13a,13b,13c)を有している。それぞれの給紙カセット13には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット13は、画像形成装置101の下部に、画像形成装置101の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット13に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット13から給紙され、画像形成部30に送られる。なお、給紙カセット13の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
排紙トレイ15は、画像形成装置101の筐体のうち画像形成部30が収納されている部位の上方で画像読取部40が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ5には、画像形成部30により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
画像形成部30は、大まかに、トナー像形成部(図示せず)と、用紙搬送部(図示せず)と、定着装置(図示せず)とを有している。画像形成部30は、例えば電子写真方式で用紙に画像を形成する。
用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ソーラ、及びそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセット13から給紙して、画像形成装置101の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置101の筐体から排紙トレイ15などに排出する。
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
画像読取部40は、画像形成装置101の筐体の上部に配置されている。画像読取部40は、ADF(Auto Document Feeder)41を有している。画像読取部40は、上述のスキャナ機能を実行する。画像読取部40は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、画像読取部40は、原稿トレイにセットされた複数の原稿を1枚ずつADF41により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサにより原稿を読み取り、画像データとする。
画像読取部40により読み取られた画像は、CPU21により、仕上がり画像に変換される。CPU21は、生成した仕上がり画像を外部装置などに送信したり、仕上がり画像に基づいて画像形成部30により用紙に画像を形成したりできる。このように、画像形成装置101は、画像読取装置として機能する。
操作パネル111は、画像形成装置101の上部前面(図3において正面)側に配置されている。操作パネル111には、ユーザにより押下操作可能な操作ボタンが配置されている。また、操作パネル111には、情報をユーザに表示する表示部131が配置されている。
図4に示されるように、本実施の形態において、画像形成装置101は、大まかに、画像形成装置本体(以下、本体ということがある。)11と、操作パネル111とに分かれている。操作パネル111は、本体11とは別個に、本体11から取り外して持ち運べるように構成されている。
図2に示されるように、本体11は、上述の各部のほか、記憶部23と、通信部51と、認証管理部81とを有している。
CPU21は、画像形成装置101の各部に、信号を送受可能に接続されている。CPU21は、記憶部23などに記憶された制御プログラム23aなどを実行することにより、画像形成装置101の種々の動作を制御する。
本体11において、記憶部23は、例えばROMやRAM、フラッシュメモリ、HDDなどである。記憶部23は、画像形成装置101に接続されている外部装置などから送られた印刷ジョブのデータや、画像読取部40で読み取った画像データなどを記憶する。また、記憶部23は、画像形成装置101の設定情報や、画像形成装置101の制御プログラム23aを記憶する。CPU21は、制御プログラム23aを読み込んで、制御プログラム23aを実行することで、画像形成装置101の種々の制御動作を実行できる。
通信部51は、画像形成装置101をネットワーク601に接続させる。これにより、画像形成装置101が、ネットワーク601に接続された携帯端末401などの装置と通信可能になる。
また、通信部51は、後述のように、操作パネル111の通信部151との間でも無線通信可能である。これにより、操作パネル111を通じて、画像形成装置101の操作が可能となっている。
認証管理部81は、画像形成装置101について、ユーザ認証を行う。ユーザ認証は、画像形成装置101を利用するユーザを識別し、認証するジョブである。ユーザは、ユーザ認証による認証を経て、画像形成装置101にログインし、画像形成装置101を利用することができる。ユーザ認証の詳細については、後述する。
操作パネル111は、表示部131のほか、制御部(CPU)121と、記憶部123と、データ入出力部127と、通信部151とを有している。
表示部131は、タッチパネルである。表示部131は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)である。表示部131は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示部131は、操作位置検出部133を有している。操作位置検出部133は、表示部131にユーザが接触したこと及びその接触位置(ユーザの操作位置)を検知する。操作位置検出部133は、例えば、表示部131上の、ユーザにより触れられている領域の重心位置をユーザの操作位置として検知する。ユーザが表示部131に触れたとき、その情報が制御部121に送られ、制御部121は、その情報に基づいて、操作パネル111の制御を行う。すなわち、ユーザは、表示部131に触れて操作を加えることで、操作パネル111の操作を行うことができる。
制御部121は、例えばCPUを用いて構成されている。制御部121は、操作パネル111の制御を行うとともに、表示部131の表示を制御する。制御部121は、表示部131に表示する画像を取得する処理を行う。すなわち、制御部121は、例えば予め用意されて記憶部123などに記憶されている表示画像を読み込み、表示部131に表示したり、表示画像を生成して表示部131に表示したりする。
記憶部123は、例えばROMやRAM、フラッシュメモリなどである。記憶部123には、例えば、操作パネル111の制御に用いられる制御プログラム123aや種々の設定値などが記憶されている。制御部121は、記憶部123から制御プログラム123aを読み出して、操作パネル111の制御を行う。
データ入出力部127は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスや、種々の規格のメモリーカードなどの記憶媒体のインターフェイスである。データ入出力部127を介して、操作パネル111に外部機器や外部の記憶媒体などを接続し、操作パネル111で外部機器などからのデータを読み込んだりすることができる。なお、データ入出力部127を介して、本体11に接続できるように構成されていてもよい。
通信部151は、例えば所定の方式による無線通信を本体11の通信部51との間で行うことができるように構成されている。通信部151は、例えばBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格に基づいて、通信部51との間で無線通信可能である。
本実施の形態において、本体11と操作パネル111とは、それぞれの通信部51,151同士が互いに無線通信可能であることにより、互いに信号を送受可能に接続されている。
操作パネル111は、表示部131等がユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドを、通信部51,151を経由して、本体11のCPU21に送信する。CPU21は、操作パネル111から操作信号が送られたり、画像形成装置101に接続されている外部機器などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム23aを実行する。操作パネル111に加えられたユーザの操作に応じて、信号が操作パネル111から本体11に送られることで、画像形成装置101でユーザの操作に基づく動作が行われる。すなわち、ユーザは、表示部131などに操作を行うことにより、画像形成装置101に種々の動作を実行させることができる。
なお、上述の電子メールの送信機能は、操作パネル121側が主体となって、すなわちCPU121が制御プログラム123aを実行することにより行われてもよいし、本体11側が主体となって、すなわちCPU21が制御プログラム23aを実行することにより行われてもよい。その他、画像形成装置101の画像形成部30や画像読取部40を用いない処理についても、同様である。
表示部131は、情報ディスプレイとしても用いられる。例えば、本体11から画像形成装置101のステータスに関する情報などが操作パネル111に送られると、その情報に基づいて操作パネル111が表示部131に表示を行う。これにより、ユーザに、画像形成装置101に関する情報などを通知することができる。
[連携動作の説明]
画像形成システム901において、画像形成装置101と携帯端末401とは、画像形成装置101による制御に基づいて、連携動作を行うことができる。以下、連携動作について説明する。
連携動作では、画像形成装置101と携帯端末401とが互いに通信することで、携帯端末401の表示パネル431に画像形成装置101の操作用画像などを表示させ、携帯端末401を介して画像形成装置101の操作を受け付けることができる。これにより、ユーザは、携帯端末401の表示パネル431を用いて、画像形成装置101を遠隔操作し、便利に所望の機能を利用できる。例えば、ユーザは、画像形成装置101と通信し、画像形成装置101で読み取った画像情報を電子メールで送信する「画像情報送信機能(Scan to Email機能)」を利用することができる。なお、画像形成装置101の表示パネル111と携帯端末401の表示パネル431との両方を用いて、所望の機能を利用できるようにしてもよい。例えば、ユーザは、画像形成装置101の機能を用いるとき、携帯端末401の表示パネル431に、その機能に関連する情報を表示させて、表示パネル431をリモートパネルとして用いることができるようにしてもよい。
[画像情報送信機能についての説明]
図5は、画像情報送信機能について説明する図である。
以下において、画像情報送信機能の実行時に行われる制御内容については、携帯端末401側から見たものを中心として説明する。携帯端末401は、例えば、画像情報送信機能の実行時において所定のアプリを動作させて、種々の処理を行う。
画像情報送信機能は、携帯端末401と画像形成装置101とが連携して行われる。画像情報の宛先(送信先)としては、予め携帯端末401か画像形成装置101のうち少なくとも一方に登録された電子メールアドレスのうち、ユーザによって選択されたものが設定される。すなわち、携帯端末401には、予め、1つの又は複数の電子メールアドレス(携帯端末アドレスということがある。)が登録されている。これらの情報は、内部宛先情報(第1宛先情報の一例)として、携帯端末401の記憶部423などに記憶されている。また、画像形成装置101には、予め、1つの又は複数の電子メールアドレスが登録されている。これらの情報は、外部宛先情報(第2宛先情報の一例)として、画像形成装置101の操作パネル111の記憶部123など(本体11の記憶部23などであってもよい。)に記憶されている。ユーザは、内部宛先情報と外部宛先情報とのいずれかに対応する電子メールアドレスを宛先として選択できる。
本実施の形態において、画像情報送信機能は、電子メールの宛先の属性別に、大まかに2通りのやりかたで行われる。すなわち、宛先として内部宛先情報と外部宛先情報とのいずれに対応する電子メールアドレスが選択されたかに応じて異なる方法で、画像情報が送信される。
図5に示されるように、画像情報送信機能が開始されると、携帯端末401の表示パネル431に、宛先選択画面501が表示される。このとき、画像形成装置101から、携帯端末401に、外部宛先情報が送信される(A1)。携帯端末401は、通信部451を用いて、外部宛先情報を読み込む。また、携帯端末401は、内部宛先情報を読み込む(A2)。
図6は、宛先選択画面501の一例を示す図である。
図6に示されるように、宛先選択画面501には、外部宛先情報に基づく電子メールアドレスのリスト502と、内部宛先情報に基づく電子メールアドレスのリスト503とが表示される。換言すると、内部宛先情報に対応する宛先と外部宛先情報に対応する宛先とがマージされて、宛先選択画面501に含められる。リスト502とリスト503とは、その表示位置や表示色など、異なる表示態様で表示される。したがって、ユーザは、リスト502とリスト503とを容易に区別できる。
ここに示される例においては、画像形成装置101には、外部宛先情報に基づく電子メールアドレスとして、例えば、「AAA@company.co.jp」と「BBB@company.co.jp」との2つが記憶されている。他方、携帯端末401には、内部宛先情報に基づく電子メールアドレスとして、例えば、「CCC@secret.co.jp」と「DDD@secret.co.jp」との2つが記憶されている。これにより、図6に示されるように、リスト502において「AAA@company.co.jp」と「BBB@company.co.jp」とが表示され、リスト503において「CCC@secret.co.jp」と「DDD@secret.co.jp」とが表示される。
ユーザは、このようにして宛先選択画面501に表示された電子メールアドレスのうち、宛先として設定するものを選択する操作を、携帯端末401に対して行う。これにより、宛先を容易に設定できる。
ここで、宛先選択画面501で外部宛先情報に対応する宛先を選択する操作が受け付けられたとき、その受付結果に対応する情報が、画像形成装置101に通知される。すなわち、図5に示されるように、宛先として外部宛先情報に基づく電子メールアドレスが選択されたとき、携帯端末401は、画像形成装置101に対して、選択された宛先の電子メールアドレスを通知する。これにより、画像形成装置101は、通知された宛先に対して、画像情報を含む電子メールの送信を行う(A11)。画像形成装置101は、第1送信サーバ701を用いて、送信を行う。これにより、選択された宛先のユーザに、画像情報を含む電子メールが届けられる(A12)。このとき送信される電子メールは、画像形成装置101から送信されたものとして、ユーザに表示させることができる。
他方、宛先選択画面501で内部宛先情報に対応する宛先を選択する操作が受け付けられたとき、携帯端末401から、画像情報に基づく送信情報が、選択操作により選択された宛先に送信される。このとき、まず、画像形成装置101から携帯端末401に、画像情報が送信される(A21)。携帯端末401は、送信情報として、画像情報を含む電子メールを生成する。そして、携帯端末401は、選択された宛先に対して、生成した電子メールの送信を行う(A22)。携帯端末401は、第2送信サーバ721を用いて、送信を行う。これにより、選択された宛先のユーザに、画像情報を含む電子メールが届けられる(A23)。このとき送信される電子メールは、携帯端末401から送信されたいわば個人的、私的な内容のものとして、ユーザに表示させることができる。
図7は、画像情報送信機能の実行時における画像形成システム901の動作を示すフローチャートである。
画像情報送信機能は、図7に示されるような流れで行われる。すなわち、ステップS101において、画像形成システム901において、画像形成装置101にリモートパネルとしての携帯端末401が接続される。
ステップS102において、画像形成装置101における原稿のスキャン設定を行う。スキャン設定は、例えば、携帯端末401上に表示される設定画面を用いて遠隔から行われるが、これに限られるものではない。例えば、画像形成装置101の操作パネル111を用いて行われるようにしてもよい。
ステップS103において、宛先選択処理が行われる。後述のように、携帯端末401に宛先選択画面501が表示され、ユーザの選択操作が受け付けられる。
ステップS104において、画像形成装置101で、原稿のスキャン処理が行われる。これにより、画像形成装置101は、画像情報を得る。スキャン処理は、例えば、携帯端末401で表示される操作画面で「スキャン」ボタン(又は、「送信」ボタン)が操作されたときに、携帯端末401から画像形成装置101にその操作に対応する情報が送信されて行われる。
ステップS105において、携帯端末401により、選択された宛先(電子メールアドレス)に、携帯端末401に記憶されている宛先(内部宛先情報に対応する宛先)があるかないかが判断される。
ステップS105で内部宛先情報に対応する宛先が選択された場合には、ステップS106の処理が行われる。すなわち、ステップS106において、携帯端末401は、画像情報を携帯端末401用に確保する。例えば、携帯端末401は、画像形成装置101に画像情報の要求を送る。画像形成装置101は、要求に応じて、画像情報を携帯端末401に送信するために、画像形成装置101上で保管する。なお、このとき、要求に応じて、画像形成装置101が画像情報を携帯端末401にすぐに送信するようにしてもよい。この場合、携帯端末401は、画像情報を保管すればよい。
ステップS105で内部宛先情報に対応する宛先が選択されなかった場合又はステップS106の処理が完了した場合には、ステップS107の処理が実行される。すなわち、ステップS107において、携帯端末401や画像形成装置101により、選択された宛先に対する電子メールの送信処理が行われる。
図8は、電子メールの送信処理を示すフローチャートである。
電子メールの送信処理は、図8に示されるようにして行われる。すなわち、ステップS201において、携帯端末401は、選択された宛先のリスト(メール送信リストということがある)を確認する。
ステップS202において、携帯端末401は、選択された宛先のリストに、内部宛先情報に対応する宛先があるか否かを判断する。
ステップS202で内部宛先情報に対応する宛先がなければ、ステップS203の処理が行われる。すなわち、携帯端末401は、画像形成装置101に、選択された宛先についての情報を通知し、メール送信指示を行う。この処理は、選択された1つの宛先毎に順次行われる。画像形成装置101は、メール送信指示に応じて、画像情報を含む電子メールを、選択された宛先に送信する。
ステップS204において、選択された宛先の全部について電子メールが送信されるまで、画像形成装置101は、ステップS203の処理を行う。全部の宛先についてメール送信が行われると、一連の処理が終了する。
他方、ステップS202で内部宛先情報に対応する宛先があれば、ステップS205において、携帯端末401は、画像形成装置101から、上述の処理において保管されている画像情報を取得する。画像情報は、画像形成装置101から携帯端末401に送信され、携帯端末401が、その画像情報を保有する。
次に、電子メールの送信が、1つの宛先毎に行われる。すなわち、ステップS206において、携帯端末401は、次に送信対象となる宛先が、携帯端末401上の宛先であるか否か、すなわち内部宛先情報に対応する宛先であるか否かを判断する。
ステップS206で内部宛先情報に対応する宛先でなければ、ステップS207において、携帯端末401は、画像形成装置101に、その宛先についての情報を通知し、メール送信指示を行う。画像形成装置101は、メール送信指示に応じて、画像情報を含む電子メールを、通知された宛先に送信する。
他方、ステップS207で内部宛先情報に対応する宛先であれば、ステップS208において、携帯端末401は、携帯端末401からその宛先に電子メールを送信する。電子メールには、ステップS205で取得された画像情報が含まれる。
ステップS207又はステップS208の処理が終了すると、ステップS209において、選択された宛先の全部について電子メールが送信されたか否かが判断される。携帯端末401は、全部の宛先にメール送信が行われるまで、ステップS206からステップS208までの処理を行う。全部の宛先についてメール送信が行われると、一連の処理が終了する。
ここで、画像情報は、次のようにして画像形成装置101から携帯端末401に送られる。
図9は、画像情報の取扱いの一例について説明する図である。
本実施の形態において、画像情報は、もともと、画像形成装置101が保有している。したがって、内部宛先情報に対応する宛先に電子メールを送信する場合、携帯端末401において画像情報を含む電子メールを生成し、電子メールを送信する処理を行う必要がある。すなわち、携帯端末401から電子メールを送信する場合には、携帯端末401からの要求に応じて、画像情報を携帯端末401に送信できるように、事前に画像情報を画像形成装置101上に確保しておく必要がある。
図9に示されるように、この画像情報は、画像形成装置101においてスキャンにより生成された後に、画像形成装置101の操作部111の記憶部123などに設定される個別のフォルダに確保される。確保は、電子メールの宛先として内部宛先情報に対応するものが含まれている場合に、行われればよい。
携帯端末401側では、このように確保された画像情報を、メール送信処理において、画像形成装置101から収集する(矢印B1)。これにより、携帯端末401では、画像情報を含む電子メールを生成することができる。生成された電子メールにおいて、画像情報は添付ファイルとして含まれる。携帯端末401は、指定された宛先に電子メールの送付を行うことができる(矢印B2)。これにより、内部宛先情報に対応する宛先に電子メールを送信する場合、携帯端末401が単独で送信処理を行うことができる。
次に、宛先選択処理について説明する。
図10は、宛先選択処理を説明するフローチャートである。
図10に示されるように、ステップS301において、携帯端末401は、携帯端末401上に宛先となり得る電子メールアドレスに関する情報があるか否か、すなわち内部宛先情報があるか否かを判断する。
ステップS301で内部宛先情報がないとき、ステップS302において、携帯端末401は、画像形成装置101の操作画面を表示するリモートパネルとして機能する。
ステップS303において、携帯端末401は、ユーザによる送信アドレスを選択する操作を受け付ける。すなわち、ユーザは、宛先選択画面501a(図11に示されている。)を参照し、表示されている外部宛先情報に対応する宛先を選択する操作を行う。
図11は、ステップS303において表示される宛先選択画面の一例を示す図である。
この場合、携帯端末401は、画像形成装置101で生成された操作画面の画像をそのまま画像データとして受信し、表示する。すなわち、画像形成装置101に記憶されている宛先に関する情報(外部宛先情報)は、画像データとして携帯端末401が受信し、表示する。宛先選択画面501aも、画像形成装置101で表示される選択画面(例えば、ビットマップ画像)をそのまま表示するものである。このとき、携帯端末401は、画面上で操作が行われた位置を判別し、その位置に関する情報を画像形成装置101に送信する。これにより、画像形成装置101は、宛先選択画面501aにおいてどの宛先について選択する操作が行われたかを把握できる。
図10に戻って、他方、ステップS301で内部宛先情報があるとき、次の処理が行われる。すなわち、ステップS304において、携帯端末401は、画像形成装置101のメールアドレスリストすなわち外部宛先情報を取得する。このとき、外部宛先情報は、テキストデータであってもよいし、ステップS302と同様に画像データとして取得されてもよい。
ステップS305において、携帯端末401は、内部宛先情報を読み込み、取得する。
ステップS306において、携帯端末401は、外部宛先情報と内部宛先情報とをマージして取り扱う。
ステップS307において、携帯端末401は、宛先選択画面501b(図12に示されている。)を表示する。このとき、携帯端末401は、上述のように、宛先選択画面501bにおいて、マージされた外部宛先情報及び内部宛先情報を表示する。
図12は、ステップS307において表示される宛先選択画面の一例を示す図である。図13は、宛先選択画面の固定画像の一例を示す図である。
図12に示されるように、宛先選択画面501bには、外部宛先情報(MFPの登録アドレス)と、内部宛先情報(携帯端末の登録アドレス)とが表示されている。このように外部宛先情報と内部宛先情報とがあるときには、それらの宛先を合成して表示する必要がある。すなわち、宛先選択画面501bは、少なくとも部分的に携帯端末401が動的描画を行うことにより表示される。外部宛先情報は、ビットマップ画像ではなく、例えばテキストデータとして画像形成装置101から取得され、同様の形式で取得された内部宛先情報と合成される。
このように合成された情報は、携帯端末401において、例えば画像形成装置101により提供される基本画像(ビットマップ画像)と合成されて表示される。図13には、基本画像501cが示されている。基本画像501cには、表示される宛先情報が変化しても変わらず表示されるような画面上の要素が含まれる。基本画像501cには、メールアドレス選択領域が設けられており、このメールアドレス選択領域に、外部宛先情報や内部宛先情報が動的に表示される。
このように携帯端末401側で宛先情報を表示するための処理が行われるので、携帯端末401から画像形成装置101に宛先情報を送信することなく、画像形成装置101から取得した宛先の情報及び携帯端末401で管理されている宛先の情報の両方を表示できる。
図10に戻って、ステップS308において、携帯端末401は、ユーザによる送信アドレスを選択する操作を受け付ける(宛先選択処理)。すなわち、ユーザは、宛先選択画面501を参照し、表示されている宛先を選択する操作を行う。なお、宛先は、同時に複数選択することができる。
図14は、宛先選択処理を示すフローチャートである。
上述のように宛先情報の合成表示が行われると、宛先選択処理が開始される。図14に示されるように、ステップS401において、ユーザによる宛先を1つ選択する操作が携帯端末401により受け付けられる。
ステップS402において、携帯端末401は、選択された宛先について、宛先選択画面501上の表示を変更する処理を行う。例えば、選択された宛先について、明度を反転させて表示するように、宛先選択画面501が再度描画される。
ステップS403において、携帯端末401は、選択操作が確定されたかどうかを判断する。ユーザは、送信対象となる宛先をすべて選択したとき、選択操作を確定させる操作を行う。この確定させる操作が行われるまで、ステップS401からステップS402の処理が繰り返され、複数の宛先の選択操作が受け付けられる。
ステップS404において、携帯端末401は、選択された宛先の情報を収集する。
ステップS405において、携帯端末401は、外部宛先情報に対応する宛先(MFPのアドレス)が選択されたものに含まれるか否かを判断する。含まれていなければ、ステップS407の処理を行う。
ステップS405において外部宛先情報に対応する宛先が含まれていれば、ステップS406において、携帯端末401は、その宛先に関する情報(選択情報)を、画像形成装置101に通知する。
ステップS407において、携帯端末401は、画像形成装置101から取得した外部宛先情報をすべて削除する処理を行う。これにより、画像形成装置101の外部宛先情報が携帯端末401に残ることがなくなり、画像形成装置101に登録されている情報の情報漏れを確実に防止できる。
ここで、上述のように外部宛先情報と内部宛先情報とを合成して宛先選択画面501に表示させる場合、携帯端末401は、各宛先が、外部宛先情報に基づくものであるか内部宛先情報に基づくものであるか(すなわち、どこで登録されたものであるか)を識別する。これは、次のように行われる。
図15は、電子メールアドレスの識別方法について説明する図である。
図15に示されるように、携帯端末401は、外部宛先情報の取得時及び内部宛先情報の取得時において、その宛先情報の送信元の情報も併せて取得する。すなわち、ここでは、宛先そのものを示す情報(電子メールアドレス及び対応するユーザの氏名)を取得する際、それに対応付けて、取得元のIPアドレスと、自端末フラグとが取得される。自端末フラグとは、携帯端末401それ自身が取得元であるかどうかを示すフラグである。
例えば、画像形成装置101から外部宛先情報を取得する場面について説明する(矢印C1)。このとき、取得した外部宛先情報に対応するそれぞれの宛先について、画像形成装置101のIPアドレスと、自端末フラグとが対応付けて記録される。このとき、取得元となる画像形成装置101は携帯端末401とは異なるので、自端末フラグは「No」となる。
他方、携帯端末401から内部宛先情報を取得する場面について説明する(矢印C2)。このとき、取得した内部宛先情報に対応するそれぞれの宛先について、携帯端末401のIPアドレスと、自端末フラグとが対応付けて記録される。このとき、取得元は携帯端末401それ自身であるので、自端末フラグは「Yes」となる。
なお、このようにIPアドレスと自端末フラグとが取得されるが、これらの情報は特にユーザに示す必要はないものであるので、宛先選択画面501には表示されない(ただし、表示してもよい。)。
携帯端末401は、選択されたそれぞれの宛先について、このように記録されている自端末フラグなどの取得元情報に基づいて、電子メールの送信方法を決定する。すなわち、電子メールを画像形成装置101経由で第1送信サーバ701により送信するか、携帯端末401によっての第2送信サーバ721により送信するかを識別できる。
[実施の形態における効果]
以上説明したように、本実施の形態では、携帯端末401で外部宛先情報に対応する宛先と内部宛先情報に対応する宛先とのどちらが選択されたかに応じて、画像形成装置101から電子メールを送信するか、携帯端末401から電子メールを送信するかが自動的に選択される。このとき、画像形成装置101から送信が行われるとき、内部宛先情報は、画像形成装置101に送付されない。
すなわち、携帯端末401の内部宛先情報と、画像形成装置101の外部宛先情報との両方を宛先選択画面501に表示するには、まず、次の方法が考えられる。すなわち、内部宛先情報を事前に画像形成装置101に送付し、画像形成装置101上で他の宛先情報と合成して宛先選択画面501を生成し、それを携帯端末401に表示させる方法である。しかしながら、このような方法では、内部宛先情報が、画像形成装置101に送付されてしまう。
これに対して、本実施の形態では、携帯端末401上で、外部宛先情報と内部宛先情報とを合成して、宛先選択画面501を生成する。内部宛先情報を画像形成装置101に送付することなく、宛先選択画面501を表示させることができる。画像形成装置101に登録された、外部宛先情報に対応する宛先に画像情報を送付する際にも、携帯端末401の情報が外部に漏れることがなくなる。これにより、個人情報保護の観点から慎重に扱われるべき、ユーザ個人の端末として用いられることが多い携帯端末401の内部宛先情報が、送受信されたり別の機器に保有されたりする機会を、低減させることができる。したがって、内部宛先情報をセキュアに保った状態で、携帯端末401と画像形成装置101とを連携させて、画像情報を電子メールに含めて送信することが容易に可能となる。
また、本実施の形態では、画像形成装置101に登録された宛先への電子メールの送信には第1送信サーバ701が使用されるので、携帯端末401が使用する第2送信サーバ721が使用されることがない。したがって、携帯端末401の送信元などの情報が、画像形成装置101に登録された宛先に送付されることがなくなり、セキュリティが保たれる。
[変型例の説明]
上述の実施の形態において、宛先選択画面が表示された当初は、少なくとも外部宛先情報に対応する宛先のみが宛先選択画面に含まれるようにしてもよい。この場合、内部宛先情報は、例えば、宛先選択画面のサブ画面として表示されるようにすればよい。
図16は、本実施の形態の一変型例に係る宛先選択画面を示す第1の図である。
図16に示されるように、宛先選択画面511は、その表示当初には、外部宛先情報に対応する宛先リスト512と、表示ボタン513とを含んでいる。ユーザは、宛先リスト512に含まれる宛先を、この宛先選択画面511が表示されているときに選択できる。
ユーザは、内部宛先情報に対応する宛先を選択するとき、表示ボタン513を押下することで、内部宛先情報に対応する宛先をサブ画面において表示させることができる。
図17は、本実施の形態の一変型例に係る宛先選択画面を示す第2の図である。
図17に示されるように、表示ボタン513が押下されると、サブ画面515を含む宛先選択画面511が表示される。サブ画面515には、内部宛先情報に対応する宛先リスト517が表示されている。ユーザは、宛先リスト517に含まれる宛先を、この宛先選択画面511が表示されているときに選択できる。
このように、内部宛先情報に対応する宛先をサブ画面515で選択できるようにすることで、携帯端末401での宛先の閲覧性や選択性が向上するように、携帯端末401側で容易にコントロールすることができる。
また、画像情報送信機能は、画像情報を含めた電子メールを送信する「Scan to Email」によるものに限られない。例えば、WebDAV(Web−based Distributed Authoring and Versioning)プロトコルを利用して画像情報を転送する、「Scan to WebDAV」により、画像情報送信機能が行われるようにしてもよい。
図18は、画像情報送信機能の別の例を示す図である。
上述の実施の形態における画像形成装置101と携帯端末401とを用いた「Scan to WebDAV」機能は、図18に示されるようにして行われればよい。ここで、画像形成システム901において、画像形成装置101と携帯端末401とのそれぞれは、ウェブサーバ(WebDAVサーバ)とWebDAVで通信可能に構成されている。また、第1送信サーバ701は、ウェブサーバとして機能し、画像形成装置101によりデータの格納先として使用されている。第2送信サーバ721もウェブサーバとして機能し、携帯端末401によりデータの格納先として使用されている。
この場合も、上述の実施の形態と同様に、第1送信サーバ701がデータの格納先(宛先)として選択された場合、画像形成装置101を経由して、第1送信サーバ701にデータが登録される。他方、第2送信サーバ721がデータの格納先として選択された場合は、携帯端末401を経由して、第2送信サーバ721にデータが登録される。
すなわち、図18を参照して、画像情報送信機能が開始されると、携帯端末401の表示パネルに、宛先選択画面551が表示される。このとき、画像形成装置101から、携帯端末401に、外部宛先情報が送信される(A1)。携帯端末401は、通信部451を用いて、外部宛先情報を読み込む。また、携帯端末401は、内部宛先情報を読み込む(E2)。ここで、外部宛先情報には、画像形成装置101が使用する第1送信サーバ701のURL(宛先)が含まれ、内部宛先情報には、携帯端末401が使用する第2送信サーバ721のURL(宛先)が含まれている。内部宛先情報に対応する宛先と外部宛先情報に対応する宛先とがマージされて、宛先選択画面551に含められる。
ユーザは、このようにして宛先選択画面551に表示されたURLのうち、宛先として設定するものを選択する操作を、携帯端末401に対して行う。これにより、宛先となるURLを容易に設定できる。
宛先として外部宛先情報に基づく第1送信サーバ701のURLが選択されたとき、携帯端末401は、画像形成装置101に対して、選択された宛先のURLを通知する。これにより、画像形成装置101は、第1送信サーバ701に対して、画像情報の送信を行う(E11)。他方、宛先選択画面551で内部宛先情報に対応する第2送信サーバ721のURLを選択する操作が受け付けられたとき、携帯端末401から、画像情報に基づく送信情報が、選択操作により選択された宛先に送信される。このとき、まず、画像形成装置101から携帯端末401に、画像情報が送信される(A21)。そして、携帯端末401は、第2送信サーバ721に対して、画像情報の送信を行う(A22)。
このような処理が行われることで、画像形成装置101や携帯端末401のIPアドレスに関する情報などが管理範囲外の領域に流出することを防止でき、画像形成システムをよりセキュアに使用することができる。
[その他]
上述の各実施の形態の特徴部分の一部が適宜組み合わされて、画像形成システムが実現されていてもよい。
操作パネルは、画像形成装置の本体に一体に取り付けられていてもよい。
画像形成装置の外部宛先情報は、例えば、いったん外部のサーバに送られ、携帯端末が、そのサーバ経由でそれらの情報を取得するようにしてもよい。また、外部宛先情報は、複数の画像形成装置やその他の外部機器から取得できるようにしてもよい。この場合、各宛先についての情報の送信は、それぞれその宛先の取得元となる装置から、送信できるようにすればよい。
画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。画像情報は、スキャナによって生成する方法ではなく、例えば他の機器で読み取られたり生成されたりした画像を取得するなど、その他の方法によって取得されるものであってもよい。
携帯端末は、タブレット端末に限られず、スマートフォンやいわゆるフィーチャーフォンなどの携帯電話機や、ポータブル型のコンピュータなどいずれであってもよい。
画像情報通信装置としては、携帯端末に限られない。例えば、上述の外部宛先情報を有するものとは異なる画像形成装置や、その他の情報処理装置が、画像情報通信装置として機能するようにしてもよい。このような場合であっても、画像情報通信装置として機能する装置の内部宛先情報をセキュアに保持することができる。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリーカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。