JP2014092410A - 遮蔽カーテン及びそれを搭載したx線検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吊り下げられた遮蔽カーテンの開放と揺り戻しによる種々のトラブルを抑えることのできる新たな遮蔽カーテンとそれを備えたX線検査装置とを提供する。
【解決手段】水平な支持部材2から吊り下げられた短冊状の複数のカーテン片3の中程に、水平方向に各カーテン片3を一体的に連結する上下動可能な連結部材4を取り付けて、遮蔽カーテン1の揺動する範囲を連結部材4から下方のカーテン片3に制限することにより、カーテン片3の無用な揺動を抑える。
【選択図】図4

Description

この発明は、搬送される物品にX線を照射して、搬送物品の異物混入の有無や包装された物品の割れ欠け等の品質検査を行うX線検査装置のX線遮蔽カーテンに関する。
工業用のX線検査装置は、外観からは検査できない加工食品等への異物混入や、包装された商品(以下、加工食品等や包装商品を総称して物品という。)の割れ欠け等を検査する装置として広く利用されているが、こうした装置のX線検査室に物品を出し入れする出入口には、X線の漏洩を防止するX線遮蔽カーテン(以下、遮蔽カーテンという。)が設けられている。この遮蔽カーテンに関する特許出願としては、例えば、下記特許文献に開示されたものが知られている。
特開平11−160487号公報 特開2012−159355号公報
ところが、この種の遮蔽カーテンは、鉛やタングステン等を含有したゴムシートで構成され、それ自体が重たくなっているから、次のような問題が指摘されていた。例えば、物品の搬送ピッチと遮蔽カーテンの揺動周期が合致すると、図1に示すように、先行物品G1によって跳ね上げられた遮蔽カーテンSCが揺り戻しによって後続物品G2と衝突し、それによって後続物品G2の姿勢や搬送ピッチが乱れたり、傷付いたりする問題があった。
また、図2に示すように、搬送方向長さが長い物品G3であると、遮蔽カーテンSCが物品G3に引きずられてより長い時間t、開放状態となるので、開放された遮蔽カーテンSCからX線が漏洩する危険性が高まるという問題があった。
こうした問題を解決するために、例えば、図3に示すように、出入口の高さを低くし、遮蔽カーテンSCの垂れる長さも短くして、揺動周期を短くしたり、開放された遮蔽カーテンSCからのX線の漏洩を抑止したりすることが考えられるが、そうすると、高さの高い物品G4には対応できない問題が生じる。
この発明は、こうした問題を解決することのできる、新たな遮蔽カーテンとそれを備えたX線検査装置とを提供することを課題とする。
この発明に係る遮蔽カーテンは、搬送される物品に対してX線を照射する検査室の出入口に設けられて、検査室からのX線の漏洩を防止する遮蔽カーテンであって、前記遮蔽カーテンは、水平な支持部材から吊り下げられた、互いに連接する複数の短冊状のカーテン片を備え、前記物品がそれらのカーテン片を押しのけて通過するときに開放されるカーテン片に対し、それらの開放による揺動運動を、前記支持部材を中心とした揺動運動から、それより下方の位置を中心とした揺動運動に変換する連結部材を取り付けたことを特徴とする。
図4は、この発明を説明するための説明図で、遮蔽カーテン1は、水平な支持部材2から吊り下げられた、互いに連接する複数の短冊状のカーテン片3で構成される。そして、それらのカーテン片3の中程には、それらを一体的に水平方向で連結する連結部材4が取り付けられる。
これにより、連結部材4で一体的に連結された短冊状のカーテン片3は、連結部材4から支持部材2までのカーテン片3が一体化されたものとなるから、物品Gが遮蔽カーテン1を潜り抜けるときには、連結部材4より下方のカーテン片3のみが、連結部材4を中心として揺動することになる。
したがって、連結部材4の取り付け位置を、物品Gの高さより少し高い位置に設定しておけば、そこから垂れるカーテン片3の長さが短くなるから、物品Gが遮蔽カーテン1を押し上げるときに形成される物品Gと遮蔽カーテン1との間の開放空間がより小さくなって、そこからのX線の漏洩が抑制される。また、カーテン片3の揺動部分が短くなると、その揺動周期が短くなるから、跳ね上げられた遮蔽カーテン1が揺り戻しによって後続物品Gと衝突する機会も減少する。さらに、揺り戻しの遮蔽カーテン1が後続物品Gに衝突したとしても、遮蔽カーテン1の揺動部分が相対的に軽くなるから、それによる後続物品Gの姿勢や搬送ピッチを乱したり、傷つけたりするリスクも低減する。
連結部材4は、遮蔽カーテン1の全幅に亘る長さのものや、物品Gの横幅Wより若干長めのものを用いて、図4に示すように水平に取り付けられる。また、物品Gの横断面形状に応じて、図5に示すように、アーチ型や山型等の連結部材を用意し、それをカーテン片3に取り付けても良い。また、この連結部材4のカーテン片3への取り付けは、例えば、図6に示すように、遮蔽カーテン1を表裏から挟む一対のプレート41,42と、それらを着脱自在に連結するボルト43とナット44とで構成して、連結部材4をカーテン片3に沿って上下移動可能としておく。これにより、物品Gの高さに応じて取り付け位置を調整することができる。
さらに、物品Gが進入してくる側のプレート41の下端縁が、反対側のプレート42の下端縁よりも下方に位置するように、各プレート41,42の上下方向の幅を調整しておけば、カーテン片3の揺り戻しをプレート41で規制することができるから、カーテン片3の揺り戻しによる後続物品との衝突機会をより少なくすることができる。
また、この発明に係るX線検査装置は、搬送される物品にX線を照射して検査する検査室を有するX線検査装置であって、その検査室の出入口に前述の遮蔽カーテンを複数セット設けたことを特徴とする。
この発明によれば、物品が遮蔽カーテンを潜る際に、物品と遮蔽カーテンとの間に形成される開放空間がより小さくなるから、そこからのX線の漏洩が抑制される。また、遮蔽カーテンの揺動部分の高さを物品の高さに合わせて調整できるから、その揺動部分の周期を短くして、揺り戻しのカーテン片が後続物品と衝突する機会を減らすことができる。さらに、揺り戻しのカーテン片が、後続物品と衝突したとしても、遮蔽カーテンの揺動部分が相対的に軽くなるから、それによる後続物品の姿勢や搬送ピッチの乱れおよび物品自体に与えるダメージ等を抑えることができる。
従来の遮蔽カーテンの問題点を説明する説明図。 同じく従来の遮蔽カーテンの問題点を説明する説明図。 遮蔽カーテンの位置を下げた場合の従来の問題点を説明する説明図。 この発明の構成を説明する外観斜視図。 この発明の他の構成を示す外観斜視図。 この発明の構成要素である連結部材の構成を示す側面図。 この発明の一実施形態に係るX線検査装置の外観斜視図。 前記X線検査装置の要部の構成を示す要部斜視図。 連結部材の他の実施形態を示す側面図。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図7は、この発明の一実施形態に係るX線検査装置の外観斜視図を示す。この図7において、X線検査装置10は、入口11と出口12を有する検査室13と、入口11から出口12に亘って掛け渡された搬送手段14と、入口11と出口12からのX線の漏洩を防止する遮蔽カーテン1と、搬送手段14の上方から検査室13内にX線を照射するX線照射手段15と、搬送手段14の上下のベルト間に設けられて、物品Gを透過したX線を検出するラインセンサ16と、これらを収納する筐体17と、筐体17の前面に設けられたタッチパネル18と、筐体17を支持する4本の支持脚19とを備えている。
そして、前記筐体17は、検査室13の入口11と出口12を除いて外部にX線が漏洩しない構造となっているが、遮蔽カーテン1を除く各部の構成は、周知であるから、ここではそれらの詳細な説明は省略する。
図8は、検査室13内の主要部の配置構成例を示したもので、搬送手段14は、入口11側のプーリ21と、出口12側のプーリ22と、ラインセンサ16の下方に配置された前後のプーリ23,24と、それらのプーリ21〜24間に掛け渡されたエンドレスベルト25と、出口12側プーリ22を回転させる図示しないモータとで構成されている。また、遮蔽カーテン1は、入口11側と出口12側に、それぞれ物品Gの搬送方向Yに沿って複数セット配置されるが、そのセット数は、必要に応じて増減される。
なお、ここで前後とは、物品Gの搬送方向Yの下流側を前、上流側を後ろとしている。
図6に戻って、連結部材4は、物品Gが進入してくる側の後ろ側プレート41と、反対側の前側プレート42と、これらのプレート41,42を連結固定するボルト43とナット44とで構成されるが、連結部材4の取り付け位置を頻繁に変えたい場合は、これらのボルト43、ナット44による締結に代えて、両プレート41,42の一端をヒンジで連結し、開放された他端には、両プレート41,42を連結するロック機構を取り付けて、鋏のように開放させた両プレート41,42間に遮蔽カーテン1を前後から挟み込んでロック機構で連結固定するようにしても良い。
後ろ側プレート41の下半部分は、前側プレート42より下方に飛び出すように幅広に形成されて、カーテン片3の揺れ戻しを規制するようになっている。また、図6においては、前側プレート42の横断面形状をL字型にして、曲げ強度を強化しているが、単なる扁平な板材であっても良い。また、各プレート41,42には、カーテン片3の配列ピッチと一致させた間隔で貫通孔が複数形成されており、その貫通孔をカーテン片3とカーテン片3の間のスリットに一致させてから、そこにボルト43を挿通すれば、ボルト43の先端が前側プレート42の貫通孔から飛び出し、そこにナット44でボルト43を締め付ければ、連結部材4を遮蔽カーテン1に対し任意の高さで固定できるようになっている。
図9は、連結部材4の他の実施形態を示したもので、この実施形態では、物品が進入してくる側の後ろ側プレート41の下半部分を前方側へ傾斜させて、その横断面形状がへの字となるようにしている。このように成形しておけば、物品Gがカーテン片3に当たるときは、揺動するカーテン片3は、距離Lだけ短くなっているから、物品Gはカーテン片3を簡単に持ち上げることができるし、跳ね上げられたカーテン片3が揺れ戻るときは、後ろ側プレート41がカーテン片3の揺れ戻しを規制するので、後続物品との衝突の機会が減少する。この場合においても、前側プレート42が単なる扁平な板材であっても良い。
以上、この発明の一実施形態を説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で種々の形態も採用可能である。例えば、この実施形態に係る遮蔽カーテンは、鉛やタングステン等を含有したゴムシートで構成されるが、これに代えて、各カーテン片を、ステンレスで形成された小さな矩形の板を鎖のように連結して短冊状となしたものであっても良い。また、それ以外のX線を遮蔽する材質を使用した遮蔽カーテンであっても良い。
1 遮蔽カーテン
2 支持部材
3 カーテン片
4 連結部材
10 X線検査装置
11 入口
12 出口
13 検査室

Claims (4)

  1. 搬送される物品に対してX線を照射する検査室の出入口に設けられる、検査室からのX線の漏洩を防止する遮蔽カーテンであって、前記遮蔽カーテンは、水平な支持部材から吊り下げられた、互いに連接する複数の短冊状のカーテン片を備え、前記物品がそれらのカーテン片を押しのけて通過するときに開放されるカーテン片に対して、それらの開放による揺動運動を、前記支持部材を中心とした揺動運動から、それより下方の位置を中心とした揺動運動に変換する連結部材を取り付けたことを特徴とする遮蔽カーテン。
  2. 前記遮蔽カーテンは、水平な支持部材から吊り下げられた、互いに連接する複数の短冊状のカーテン片と、それらのカーテン片の中程を水平方向に一体的に連結する上下動可能な連結部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽カーテン。
  3. 前記連結部材が前記カーテン片をその表裏から挟んで固定する一対のプレートを備え、それらのプレートの内、前記物品が進入してくる側のプレートの下端縁が反対側プレートの下端縁よりも下方に位置して、前記物品が進入してくる側のプレートが前記カーテン片の揺り戻しを規制することを特徴とする請求項2に記載の遮蔽カーテン。
  4. 搬送される物品にX線を照射して検査する検査室を有するX線検査装置であって、前記検査室の出入口に請求項1又は2に記載の遮蔽カーテンが複数セット設けられているX線検査装置。
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