JP2014092093A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、サイクル間の吹返し流の流速の変動を考慮して、精度高くEGR率(EGR量)を検出することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】運転条件に応じたEGR率又はEGR量に相当するEGR相当値を取得する。気筒内に設けられた点火プラグの電極間に放電を生じさせる点火装置を備える。前記運転条件におけるバルブオーバーラップ期間中に前記点火装置により放電を生じさせ、放電が生じた電圧値又は電流値に相当する電気信号を取得する。前記電気信号に基づいて前記EGR相当値を補正する。
【選択図】図6

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1(特開平5−157009号公報)に開示されるように、排気通路を流れる排気ガスの一部をEGR(Exhaust Gas Recirculation)ガスとして吸気通路に還流させる外部EGR(排気再循環)装置を備えた内燃機関(以下、単にエンジンとも記す。)が知られている。特許文献1のシステムは、エンジンの燃焼室内に圧力を検出する筒内圧センサを備え、圧縮行程中の任意の2つのクランク角間での筒内圧力差を検出し第1のエンジン充填効率を求める。さらに、エンジンの吸気通路に吸入空気量を検出する吸入空気量センサを備え、吸入空気量から第2のエンジン充填効率を求める。そして、特許文献1には、第1の充填効率は不燃気体である還流された排気ガスを含んでおり、第2のエンジン充填効率は還流された排気ガスを含んでおらず、両充填効率の差分より還流された排気ガスの流量(EGR量)を求め、吸入空気量との比率から排気ガス還流率(EGR率)を求めることが開示されている。
また、特許文献2には、点火プラグに流れる2次電流又は点火プラグに印加される2次電圧を検出し、検出された2次電流又は2次電圧に基づいて、気筒内におけるガス流動速度を求めることが開示されている。
尚、出願人は、本発明に関連するものとして、上記の文献を含めて、以下に記載する文献を認識している。
特開平5−157009号公報 特開2009−013850号公報
ところで、排気通路は正圧であるため、バルブオーバーラップ期間に気筒内に排気の一部が気筒内に吹き返す場合がある。この吹返し流の流速は、サイクル間で変動するためEGR率(EGR量)も変動することとなる。近年更に高まる低燃費ニーズに対応し、リーン領域を拡大するためには、吹返し流の流速の変動により変動するEGR率を精度高く検出することが要求される。特許文献1の技術では、吹返し流の流速のサイクル間変動について考慮されておらず、これを考慮してEGR率を精度高く検出できるとは言えない。また、EGR率の検出タイミングが圧縮行程以降であるため、補正後のEGR率を現サイクルにおける各種制御に反映させることが間に合わない場合がある。また、筒内圧センサが必要であるため、コストアップは避けられない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、サイクル間の吹返し流の流速の変動を考慮して、精度高くEGR率(EGR量)を検出することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
運転条件に応じたEGR率又はEGR量に相当するEGR相当値を取得するEGR相当値取得手段と、
気筒内に設けられた点火プラグの電極間に放電を生じさせる点火装置と、
前記運転条件におけるバルブオーバーラップ期間中に前記点火装置により放電を生じさせ、放電が生じた電圧値又は電流値に相当する電気信号を取得するバルブオーバーラップ時電気信号取得手段と、
前記電気信号に基づいて前記EGR相当値を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記補正手段は、前記バルブオーバーラップ時電気信号取得手段により取得される複数サイクルにおける電気信号から、サイクル間の電気信号の変動率を取得し、該変動率を乗じて前記EGR相当値を補正すること、を特徴とする。
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記バルブオーバーラップ時電気信号取得手段は、前記バルブオーバーラップ期間を複数の期間に分けた各期間中に前記点火装置により放電を生じさせ、各期間において放電が生じた電圧値又は電流値に相当する電気信号を取得すること、を特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明のいずれかにおいて、
現サイクルにおいて前記補正手段により補正されたEGR相当値である現サイクルEGR相当値が、前サイクルにおいて前記補正手段により補正されたEGR相当値である前サイクルEGR相当値よりも高い場合に点火時期を進角し、該現サイクルEGR相当値が該前サイクルEGR相当値よりも低い場合に点火時期を遅角する点火時期制御手段、を更に備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、
前記内燃機関の吸気通路を開閉可能なスロットルバルブと、
前記内燃機関の排気通路と、前記スロットルバルブ下流の前記吸気通路とを接続する外部EGR通路と、該外部EGR通路を開閉可能なEGRバルブとを有する外部EGR装置と、
現サイクルにおいて前記補正手段により補正されたEGR相当値である現サイクルEGR相当値が、前サイクルにおいて前記補正手段により補正されたEGR相当値である前サイクルEGR相当値よりも高い場合に前記スロットルバルブの開度を高め、該現サイクルEGR相当値が該前サイクルEGR相当値よりも低い場合に前記スロットルバルブの開度を低くするスロットル開度制御手段と、を更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明のいずれかにおいて、
前記内燃機関の吸気通路を開閉可能なスロットルバルブと、
前記内燃機関の排気通路と、前記スロットルバルブ下流の前記吸気通路とを接続する外部EGR通路と、該外部EGR通路を開閉可能なEGRバルブとを有する外部EGR装置と、
過給運転領域において、前記補正手段により補正されたEGR相当値から気筒内の換気率を算出する換気率算出手段と、
現サイクルにおいて前記換気率算出手段により算出された換気率である現サイクル換気率が、前サイクルにおいて換気率算出手段により算出された換気率である前サイクル換気率よりも高い場合に前記スロットルバルブの開度を低くすると共に点火時期を遅角し、該現サイクル換気率が該前サイクル換気率よりも低い場合に前記スロットルバルブの開度を高くすると共に点火時期を進角する制御手段と、を更に備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、バルブオーバーラップ期間中に燃焼に寄与しない放電をあえて生じさせる。放電が生じた電圧値又は電流値に相当する電気信号は、吹返し流の流速に応じて変動する。そのため、この電気信号に基づいて、サイクル間の吹返し流の流速の変動を考慮した精度の高いEGR率(EGR量)を算出することができる。
第2の発明によれば、サイクル間の電気信号の変動率に基づいて、吹返し流の流速の変動を考慮した精度の高いEGR率(EGR量)を算出することができる。
第3の発明によれば、複数に分けたバルブオーバーラップ期間の各期間における放電電圧から、各期間における吹返し流の流速が分かる。そのため、より詳細に吹返し流の流速の変動を考慮でき、EGR率の算出精度より向上させることが可能となる。
第4の発明によれば、補正後のEGR率に基づいて、点火時期を制御し、サイクル間のトルク変動を抑制することができる。
第5の発明によれば、補正後のEGR率に基づいて、スロットル開度を制御し、サイクル間のトルク変動を抑制することができる。
第6の発明によれば、過給運転領域におけるサイクル間のトルク変動を抑制することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。 内燃機関10の点火装置48の構成を示す模式図である。 バルブオーバーラップ期間中の排気ガスの吹返しについて説明するための図である。 吹返し流と点火ギャップに生じる火花放電の経路長との関係を説明するための図である。 バルブオーバーラップ期間中の吹返し流の流速と筒内残留ガス量との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1のシステムにおいて、ECU50が実行するEGR率補正ルーチンのフローチャートである。 バルブオーバーラップ期間中の吸排気バルブのバルブリフト量と、排気バルブからの吹返し流の流速との関係について説明するための図である。 本発明の実施の形態2のシステムにおいて、ECU50が実行するEGR率補正ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3のシステムにおいて、ECU50が実行する点火時期制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4のシステムにおいて、ECU50が実行するスロットル開度制御ルーチンのフローチャートである。 過給運転領域における気流の流れについて説明するための図である。 本発明の実施の形態5のシステムにおいて、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1、図2を用いて本発明の実施の形態のシステム構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。
図1に示すシステムは、内燃機関(以下、単にエンジンとも記す。)10を備えている。内燃機関10は、火花点火式の4ストローク1サイクルエンジンである。また、所定の運転領域においてリーン燃焼を実施可能なエンジンであり、過給機と外部EGR装置を備えている。
図1に示す内燃機関10は直列4気筒型であるが、本発明において、気筒数および気筒配置はこれに限定されるものではない。各気筒には、その内部を往復運動するピストンが配置されている。各気筒のピストン上面からシリンダヘッドまでの空間は燃焼室12を形成している。各気筒には、燃焼室12内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁14が配置されている。燃料として、例えばガソリンやアルコールが用いられる。各気筒には、燃焼室12の天井壁中央部には、混合気に点火するための点火プラグ16が配置されている。また、ピストンの往復運動は、クランク軸の回転運動に変換される。クランク軸の近傍には、クランク角、クランク角速度及びエンジン回転数を検出するためのクランク角センサ18が取り付けられている。
内燃機関10には、空気を気筒内に取り込むための吸気通路20と、排気ガスを気筒内から排出するための排気通路22とが接続されている。吸気通路20の入口近傍には、吸気通路20に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ24が取り付けられている。
エンジン10は、排気ガスのエネルギによって過給を行うターボチャージャ26を備えている。エアフローメータ24の下流には、ターボチャージャ26のコンプレッサ26aが配置されている。ターボチャージャ26は、コンプレッサ26aと一体的に連結され排気ガスのエネルギによって回転するタービン26bを備えている。コンプレッサ26aは、タービン26bに入力される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動される。
コンプレッサ26aの下流には、コンプレッサ26aにより圧縮された空気を冷却するインタークーラ28が設けられている。インタークーラ28の下流には、吸気通路20を流れる空気量を調整するための電子制御式のスロットルバルブ30が設けられている。スロットルバルブ30の近傍にはスロットルバルブ30の開度に応じた信号を出力するスロットル開度センサ32が取り付けられている。スロットルバルブ30の下流には、吸気通路20内の吸気管圧に応じた信号を出力する吸気管圧センサ33が設けられている。吸気管圧センサ33の下流には、気筒毎に吸気ポート34が設けられている。吸気ポート34の下流端には、燃焼室12と吸気通路20との間を開閉する吸気バルブ36が設けられている。
排気通路22の上流端には、燃焼室12と排気通路22との間を開閉する排気バルブ38が設けられている。排気バルブ38の下流には、排気ガスのエネルギによって回転するタービン26bが配置されている。タービン26bの下流には、排気ガス中の成分を浄化する触媒が設けられている。
また、本実施形態のシステムは、外部EGR(排気再循環)装置を備えている。EGR装置は、排気通路22を流れる排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路20に還流させる。具体的には、排気通路22と吸気通路20とを接続するEGR通路40が設けられている。EGR通路40には、EGRクーラ42が設けられている。EGRクーラ42の下流には、EGRバルブ44が設けられている。
(点火装置の構成)
図2は、内燃機関10の点火装置48の構成を示す模式図である。
内燃機関10の点火装置48は、天井壁中央部に設けられた点火プラグ16(図1)を含む。点火プラグ16は、点火コイル60により2次電圧が印加されて、点火プラグ16の火花放電部61に点火火花(電気火花)を生じさせる。
点火プラグ16の火花放電部61は、天井壁中央部から燃焼室12に突き出すように配設されている。火花放電部61は、点火コイル60の2次コイル60cに接続されている中心電極61aと、シリンダヘッドに接地(アース)されている接地電極61cとを有している。火花放電部61は、点火コイル60の2次コイル60cにより印加された二次電圧が、絶縁破壊に要求される電圧(要求電圧)に達すると、中心電極61aと接地電極61cとの間にある空隙、いわゆる点火ギャップに点火火花(電気火花)を生じさせる。
点火コイル60は、1次コイル60a、2次コイル60c、及び鉄芯61bを有している。1次コイル60aの一端は、コンデンサ62に接続されており、他端は、トランジスタ63のコレクタに接続されている。一方、2次コイル60cの一端は、点火プラグ16の火花放電部61の中心電極61aに接続されており、他端は、後述するECU50に接続されている。点火コイル60の2次コイル60cに発生する2次電圧(放電電圧)と、2次コイル60cから点火プラグ16の火花放電部61に流れる2次電流は、ECU50により検出可能となっている。
また、点火装置48には、点火コイル60の1次コイル60aに1次電流を流すため、1次電流の電気エネルギを蓄えるコンデンサ62とコンデンサ62を充電するエネルギ発生装置64(電源を含む)と、点火コイル60の1次電流を断続するトランジスタ63が設けられている。エネルギ発生装置64とトランジスタ63は、ECU50により制御される。点火制御については、例えば、特開2009−13850号公報に開示されているように公知の内容であるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を更に備えている。ECU50は、例えばROM、RAM等を含む記憶回路を備えた演算処理装置により構成されている。ECU50の入力部には、上述したクランク角センサ18、エアフローメータ24、スロットル開度センサ32の他、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが接続されている。
ECU50の出力部には、上述した点火装置48、燃料噴射弁14、点火プラグ16、スロットルバルブ30の他、内燃機関10の運転状態を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、各種センサ出力に基づいて、所定のプログラムに従って各種アクチュエータを駆動させることにより、内燃機関10の運転状態を制御する。
(バルブオーバーラップ期間中の吹返し流によるEGR率のサイクル間ばらつき)
次に、図3乃至図5を参照して、上述のシステム構成において生じるサイクル間のEGR率のばらつきについて説明する。
図3は、バルブオーバーラップ期間中の排気ガスの吹返しについて説明するための図である。
上述のように構成されたシステムにおいて、過給がなされない非過給運転領域(過給運転領域よりも低負荷側の運転領域)では、自然吸気エンジンと同様に、吸気管圧力が負圧、排気管圧力が正圧となる。バルブオーバーラップ期間中は、排気圧(≧大気圧)>吸気圧(負圧)となるため、排気ガスの一部が燃焼室12内に吹き返す現象が生じる。この吹返し流の流速は、サイクル間で変動する。そのため、運転条件に応じたEGR率を予め定めたEGR率マップ等に基づいて各種アクチュエータ(EGRバルブ44、スロットルバルブ30等)を制御しただけでは、吹返し流の流速の変動が考慮されず、実際のEGR率にばらつきが生じることとなる。この吹返しによるEGR率の増加は、排気バルブ38から燃焼室12内への排気ガスの吹返し流の流速に略比例して増加する。
燃費向上等の目的で、上述のEGRバルブ44やスロットルバルブ30の開度を制御して排気ガスの一部をEGRガスとして燃焼室12に導入させる運転領域(EGR導入領域)では、EGR限界付近において、EGR率の変動によりトルク変動が生じ易い。適切なトルク制御のためには、EGR率を精度高く検出することが必要となる。
図4は、吹返し流と、点火ギャップに生じる火花放電の経路長との関係を説明するための図である。図5は、バルブオーバーラップ期間中の吹返し流の流速と筒内残留ガス量との関係を示す図である。
上述したように、EGR率はバルブオーバーラップ期間中の吹返し流の流速に比例して増加するため、吹返し流の流速を検出する必要がある。図4に示すように、バルブオーバーラップ期間中に火花放電を生じさせると、吹返し流により火花放電の経路長は長くなる。点火ギャップの吹返し流の流速が高いほど、火花放電が気流により伸ばされるため、電気抵抗が増大し、より高い2次電圧(放電電圧)が必要となる。この点に着目することで、放電電圧の変動率から吹返し流の流速の変動率を算出することができる。また、バルブオーバーラップ期間中の吹返し流の流速が速いほど、排気通路22から燃焼室12内に流入する排気ガス量が増大する。そのため、図5に示すように、バルブオーバーラップ期間中の吹返し流の流速が高いほど筒内残留ガス量が高くなる、すなわち、EGR率が高くなる。このように、各サイクルのバルブオーバーラップ期間中に燃焼に寄与しない放電をあえて生じさせることで、その放電電圧の変動率から、吹返し流の流速の変動率、ひいては吹返し流の流速の変動を考慮したEGR率を算出することができる。
[実施の形態1における特徴的制御]
そこで、本実施形態のシステムでは、バルブオーバーラップ期間中に放電を生じさせてその放電電圧に基づいて、現サイクルにおけるEGR率を算出することとした。具体的には、バルブオーバーラップ期間中の放電電圧のサイクル間の変動率を算出し、この変動率を前サイクルまでの平均EGR率に乗じて、現サイクルにおけるEGR率を算出することとした。
(EGR率補正ルーチン)
図6は、上述の動作を実現するために、ECU50が実行するEGR率補正ルーチンのフローチャートである。
EGR率補正ルーチンは、各サイクルにおいて気筒毎に実行される。ECU50には、運転条件(負荷率、吸気管圧、スロットル開度、EGRバルブ開度等)に応じた基準EGR率を定めたEGR率マップが記憶されている。なお、各基準EGR率に対応する基準放電電圧がEGR率マップ又は他のマップに記憶されている。
まず、ECU50は、サイクル間で運転条件が変化しない定常運転であるか否かを判断する(ステップS100)。前サイクルと運転条件が異なる場合には、定常運転でないと判断され、ステップS110の処理が実行される。ステップS110では、ECU50は、EGR率マップから現運転条件に応じた基準EGR率を取得し、「平均EGR率」の初期値として代入する。さらに、ECU50は、EGR率マップ又は他のマップから当該基準EGR率に対応する基準放電電圧を「平均放電電圧」の初期値として代入する。
次に、ステップS120において、ECU50は、排気行程後半から吸気行程前半にかけての吸気バルブ36と排気バルブ38とのバルブオーバーラップ期間中に点火装置48により放電を生じさせ、点火コイル60の2次コイル60cに発生する2次電圧(放電電圧)を検出する。
次に、ステップS130において、ECU50は、平均放電電圧とステップS120で検出した現サイクルの放電電圧とから放電電圧の変動率を算出する。
次に、ステップS140において、ECU50は、平均EGR率に放電電圧の変動率を乗じて現サイクルにおける補正後のEGR率を算出する。
さらに、ECU50は、平均EGR率と現サイクルにおける補正後のEGR率と定常運転の継続サイクル数とに基づいて平均EGR率を更新する。また、平均放電電圧と現サイクルの放電電圧と定常運転の継続サイクル数とに基づいて平均放電電圧を更新する(ステップS150)。更新した平均EGR率及び平均放電電圧は、次サイクルの平均EGR率及び平均放電電圧として用いるためECU50に記憶される。
次サイクルにおいて、運転条件が変化せず、ステップS100において定常運転であると判断される場合には、ステップS111の処理が実行される。ステップS111では、ECU50は、前サイクルのステップS140で更新した平均EGR率と平均放電電圧とを取得する。その後、ステップS120以降の処理を継続する。なお、次サイクルにおいて、運転条件が変化した場合には、再びステップS110の処理が実行される。
以上説明したように、図6に示すEGR率補正ルーチンによれば、バルブオーバーラップ期間中に燃焼に寄与しない放電をあえて生じさせ、その放電電圧の変動率から、吹返し流の流速の変動を考慮した精度の高いEGR率を算出することができる。EGR率を精度高く算出できるため、燃費を向上させることが可能となる。
また、吸気行程の初期に補正後のEGR率を算出できるため、現サイクルにおいて補正後のEGR率を用いた各種フィードバック制御(スロットル、点火時期等)が可能となり応答性を高めることができる。これらのフィードバック制御ついては実施の形態3、4において説明する。
(変形例)
ところで、上述した実施の形態1のシステムにおいては、運転条件に応じた基準EGR率毎に基準放電電圧を定めたマップを用意しているが、これに限定されるものではない。所定の運転条件における1サイクル目の放電電圧を検出して、これに基づいて2サイクル目以降に放電電圧の変動率を算出することとしても良い。この場合、運転条件に応じた基準放電電圧を定めたマップの適合が不要である点、ECU50の記憶容量の低減の点で有利である。なお、この点は以下の実施の形態でも同様である。
また、上述した実施の形態1のシステムにおいては、点火コイル60の2次コイル60cに発生する2次電圧(放電電圧)を用いることとしているが、これに限定されるものではない。2次コイル60cから点火プラグ16の火花放電部61に流れる2次電流を用いることとしても良い。なお、この点は以下の実施の形態でも同様である。
また、上述した実施の形態1のシステムにおいては、運転条件に応じたEGR率を補正することとしているが、これに限定されるものではない。運転条件に応じたEGR量を補正することとしても良い。なお、この点は以下の実施の形態でも同様である。
また、上述した実施の形態1のシステムにおいては、平均EGR率及び平均放電電圧として前サイクルまでの平均値を用いることとしているが、これに限定されるものではない。前サイクルにおける補正後のEGR率及び前サイクルにおいて検出した放電電圧を用いることとしても良い。なお、この点は以下の実施の形態でも同様である。
また、本発明が適用されるエンジンは、上述の実施の形態のような筒内直噴エンジンには限定されない。ポート噴射式のエンジンにも本発明の適用は可能である。
尚、上述した実施の形態1においては、前記点火プラグ16が前記第1の発明における「点火プラグ」に、前記点火装置48が前記第1の発明における「点火装置」に、それぞれ相当している。
また、ここでは、ECU50が、上記ステップS100とS110又はS100とS111の処理を実行することにより前記第1の発明における「EGR相当値取得手段」が、上記ステップS120の処理を実行することにより前記第1の発明における「バルブオーバーラップ時電気信号取得手段」が、上記ステップS130、S140の処理を実行することにより前期第1又は第2の発明における「補正手段」が、それぞれ実現されている。
更に、実施の形態1においては、上記ステップS110において取得される基準EGR率又は上記ステップS111において取得される前サイクルまでの平均EGR率が前記第1の発明における「EGR相当値」に、上記ステップS120において検出される2次電圧(放電電圧)又は2次電流が前記第1の発明における「電気信号」に、それぞれ対応している。
実施の形態2.
[実施の形態2のシステム構成]
次に、図7を参照して本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態のシステムは図1に示す構成において、ECU50に後述するルーチンを実行させることで実現することができる。
[実施の形態2における特徴的制御]
上述した実施の形態1においては、バルブオーバーラップ期間中に放電を1回生じさせてその放電電圧がバルブオーバーラップ全期間におけるものと仮定している。しかしながら、バルブオーバーラップ期間中にける吹き返し流の流速は、バルブリフト量の変化と共に変化するため一定ではない。
そこで、本実施形態のシステムでは、バルブオーバーラップ期間を複数の期間に分けて、各期間中に点火装置48により放電を生じさせ、各期間における放電電圧を取得することとした。各期間における放電電圧から、各期間における吹返し流の流速が分かるため、1サイクル内の吹返し流の流速の変化を考慮でき、EGR率の算出精度より向上させることが可能となる。
図7は、バルブオーバーラップ期間中の吸排気バルブのバルブリフト量と、排気バルブからの吹返し流の流速との関係について説明するための図である。
図7に示すように、吸気バルブ36が開弁すると差圧が生じ、吹返し流速は開弁直後に急激に高まった後、排気バルブ38のリフト量変化の少ない時期(例えば、最大リフト量の約3/4以上の時期)まで略一定となる(期間A)。その後、吹返し流速は、排気バルブ38が閉弁するにつれて高まり、閉弁直前で急激に低下して閉弁と同時に0になる(期間B)。
図7に示す例では、期間Aの中央付近で第1放電を、期間Bの中央付近で第2放電を生じさせる。この場合、現サイクルのバルブオーバーラップ期間中の放電電圧は、次の式(1)により求めることができる。なお、式(1)においては、バルブオーバーラップ期間を1とし、期間A+期間B=1が成立するものとする。
現サイクルの放電電圧=第1放電電圧×期間A+第2放電電圧×期間B …(1)
(EGR率補正ルーチン)
図8は、上述の機能を実現するために、ECU50が実行するEGR率補正ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ステップS120の処理がステップS220に置き換えられている点を除き、図6に示すルーチンと同様である。以下、図8において、図6に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
ステップS110又はS111の処理後、ECU50は、ステップS220の処理を実行する。ステップS220において、ECU50は、まず、バルブオーバーラップ期間を複数の期間に分けて、各期間中に点火装置48により放電を生じさせ、各期間における放電電圧を取得する。そして、バルブオーバーラップ全期間を1として、分割した期間割合に各放電電圧を乗じ、それらを加算することで、現サイクルの放電電圧を算出する。具体的には、バルブオーバーラップ期間を2つの期間A、Bに分けた場合は、上述した式(1)に基づいて現サイクルの放電電圧を算出する。以降の処理に関しては実施の形態1で述べた内容と同様である。このように、バルブオーバーラップ期間中の各期間の放電電圧を精度高く算出することで、補正後のEGR率の算出精度をより向上させることができる。
(変形例)
ところで、上述した実施の形態2のシステムにおいては、バルブオーバーラップ期間を期間Aと期間Bとに分けて各期間における放電電圧を取得することとしているが、これに限定されるものではない。更に期間を細分化(特に期間Bを細分化することが好ましい)することで、現サイクルの放電電圧をより精度高く求めることができる。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU50が、上記ステップS220の処理を実行することにより前記第3の発明における「バルブオーバーラップ時電気信号取得手段」が実現されている。
実施の形態3.
[実施の形態3のシステム構成]
次に、図9を参照して本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態のシステムは図1に示す構成において、ECU50に後述する図9のルーチンを実行させることで実現することができる。
[実施の形態3における特徴的制御]
上述した実施の形態1又は2によれば、バルブオーバーラップ期間中に放電を生じさせ、その放電電圧に基づいて、吹返し流の流速を考慮した補正後のEGR率を算出することができる(図6、図8)。実施の形態3では、図6又は図8で算出した現サイクルにおける補正後のEGR率と、前サイクルにおける補正後のEGR率との変化に基づいて、サイクル間のトルク変動を低減するように点火時期を制御する。これにより、EGR率変動によるトルク変動悪化を抑制することができる。
(点火時期制御ルーチン)
図9は、上述の機能を実現するために、ECU50が実行する点火時期制御ルーチンのフローチャートである。この点火時期制御ルーチンは、図6又は図8のEGR率補正ルーチンの処理後にサイクル毎に実行される。
まず、ECU50は、上述したEGR率補正ルーチンにより算出された現サイクルにおける補正後のEGR率を取得する(ステップS300)。次に、ECU50は、現サイクルにおける補正後のEGR率と、前サイクルにおける補正後のEGR率とを比較する(ステップS310)。
ステップS310において、現サイクルにおける補正後のEGR率が前サイクルにおける補正後のEGR率よりも高いと判定される場合には、ECU50はベース点火時期よりも点火時期を進角する(ステップS320)。EGR率増加により燃焼速度が低下するとMBT(Minimum Advance for Best Torque)が進角側にずれるため、点火時期を進角することでトルク変動を抑制することができる。なお、ベース点火時期として、定常運転時においては、前サイクルにおいて本ルーチンで設定した点火時期を用いる。一方、過渡運転時においては、運転条件に応じて基準点火時期を定めた点火時期マップから現運転条件に応じた基準点火時期を取得し、これをベース点火時期として用いる。
一方、ステップS310において、現サイクルにおける補正後のEGR率が前サイクルにおける補正後のEGR率よりも低いと判定される場合には、ECU50は点火時期を遅角する(S330)。ステップS320又はS330の処理後、本ルーチンの処理は終了される。
以上説明したように、図9に示す点火時期制御ルーチンによれば、特に定常運転時におけるサイクル間の吹返し流の流速の変動を考慮して算出された補正後のEGR率に基づいて、点火時期を制御し、サイクル間のトルク変動を抑制することができる。また、現サイクルにおける点火時期を制御できるため、応答性の高い制御を実現することができる。
(変形例)
ところで、上述した実施の形態3のシステムにおいては、ステップS310において前サイクルにおける補正後のEGR率を用いることとしているが、EGR率補正ルーチンにより算出された前サイクルまでの平均EGR率を用いることとしてもよい。
尚、上述した実施の形態3においては、ECU50が、上記ステップS300−S330の処理を実行することにより前記第4の発明における「点火時期制御手段」が実現されている。
実施の形態4.
[実施の形態4のシステム構成]
次に、図10を参照して本発明の実施の形態4について説明する。本実施形態のシステムは図1に示す構成において、ECU50に後述する図10のルーチンを実行させることで実現することができる。
[実施の形態4における特徴的制御]
上述した実施の形態1又は2によれば、バルブオーバーラップ期間中に放電を生じさせ、その放電電圧に基づいて、吹返し流の流速を考慮した補正後のEGR率を算出することができる(図6、図8)。実施の形態4では、図6又は図8で算出した現サイクルにおける補正後のEGR率と、前サイクルにおける補正後のEGR率との変化に基づいて、サイクル間のトルク変動を低減するようにスロットルバルブ30の開度を制御する。これにより、EGR率変動によるトルク変動悪化を抑制することができる。
(スロットル開度制御ルーチン)
図10は、上述の機能を実現するために、ECU50が実行するスロットル開度制御ルーチンのフローチャートである。このスロットル開度制御ルーチンは、図6又は図8のEGR率補正ルーチンの処理後にサイクル毎に実行される。
まず、ECU50は、上述したEGR率補正ルーチンにより算出された現サイクルにおける補正後のEGR率を取得する(ステップS400)。次に、ECU50は、現サイクルにおける補正後のEGR率と、前サイクルにおける補正後のEGR率とを比較する(ステップS410)。
ステップS410において、現サイクルにおける補正後のEGR率が前サイクルにおける補正後のEGR率よりも高いと判定される場合には、ECU50はベーススロットル開度よりもスロットルバルブ30の開度を高くする(ステップS420)。EGR率が増加した場合、スロットルバルブ30の開度を高くすることで、吸気管負圧を減少させて、EGRバルブ44からの外部EGR量を減少させることができる。なお、ベーススロットル開度として、定常運転時においては、前サイクルにおいて本ルーチンで設定したスロットル開度を用いる。一方、過渡運転時においては、運転条件に応じて基準スロットル開度を定めたスロットル開度マップから現運転条件に応じた基準スロットル開度を取得し、これをベーススロットル開度として用いる。
一方、ステップS410において、現サイクルにおける補正後のEGR率が前サイクルにおける補正後のEGR率よりも低いと判定される場合には、ECU50はスロットル開度を低くする(S430)。ステップS420又はS430の処理後、本ルーチンの処理は終了される。
以上説明したように、図10に示すスロットル開度制御ルーチンによれば、特に定常運転時におけるサイクル間の吹返し流の流速の変動を考慮して算出された補正後のEGR率に基づいて、スロットル開度を制御し、サイクル間のトルク変動を抑制することができる。また、現サイクルの吸気行程におけるスロットル開度を制御できるため、応答性の高い制御を実現することができる。
(変形例)
ところで、上述した実施の形態4のシステムにおいては、ステップS410において前サイクルにおける補正後のEGR率を用いることとしているが、EGR率補正ルーチンにより算出された前サイクルまでの平均EGR率を用いることとしてもよい。
また、上述した実施の形態4のシステムにおいては、スロットル開度制御ルーチンと併せて、実施の形態3で説明した点火時期制御ルーチンも実行することとしても良い。
尚、上述した実施の形態4においては、スロットルバルブ30が前記第5の発明における「スロットルバルブ」に、EGR通路40が前記第5の発明における「外部EGR通路」に、EGRバルブ44が前記第5の発明における「EGRバルブ」に、それぞれ相当している。
また、ここでは、ECU50が、上記ステップS400−S430の処理を実行することにより前記第5の発明における「スロットル開度制御手段」が実現されている。
実施の形態5.
[実施の形態5のシステム構成]
次に、図11及び図12を参照して本発明の実施の形態5について説明する。本実施形態のシステムは図1に示す構成において、ECU50に後述する図12のルーチンを実行させることで実現することができる。
[実施の形態5における特徴的制御]
本発明の実施の形態5は、図11に示すように吸気管圧力が正圧、排気管圧力が大気圧となる過給運転領域における制御である。本実施形態では、実施の形態1又は2において検出されるバルブオーバーラップ期間中の放電電圧に基づいて、過給ダウンサイズエンジンのスカベンジングによる筒内残留ガスの換気率を算出する。換気率の変動に対して、図12に示す制御ルーチンを実行することで、A/F変動及びトルク変動の抑制を図るものである。なお、換気率は、EGR率と逆の指標であり、EGR率と換気率との合計が100%となる関係にある。そのため、換気率は、上述したEGR率補正ルーチンにより算出されたEGR率から算出することができる。
(制御ルーチン)
図12は、上述の機能を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。この制御ルーチンは、図6又は図8のEGR率補正ルーチンの処理後にサイクル毎に実行される。また、他のルーチンにより新気量に応じて目標空燃比(例えばストイキ)を満たす燃料噴射量が噴射される。
まず、ECU50は、上述したEGR率補正ルーチンにより算出された現サイクルにおける補正後のEGR率から換気率を算出する(ステップS500)。次に、ECU50は、現サイクルにおける補正後の換気率と、前サイクルにおける補正後の換気率とを比較する(ステップS510)。
ステップS510において、現サイクルにおける補正後の換気率が前サイクルにおける補正後の換気率よりも高いと判定される場合には、ECU50はベーススロットル開度よりもスロットルバルブ30の開度を低くし、かつ、ベース点火時期よりも点火時期を遅角する(ステップS520)。換気率が高い場合、新気量が増えるため、燃料噴射量を増量し、A/F変動を抑えると共に、残留ガス減少による燃焼速度増加、MBT遅角化に応じて点火時期を遅角することでトルク変動を抑制することができる。
なお、ベーススロットル開度として、定常運転時においては、前サイクルにおいて本ルーチンで設定したスロットル開度を用いる。一方、過渡運転時においては、運転条件に応じて基準スロットル開度を定めたスロットル開度マップから現運転条件に応じた基準スロットル開度を取得し、これをベーススロットル開度として用いる。また、ベース点火時期として、定常運転時においては、前サイクルにおいて本ルーチンで設定した点火時期を用いる。一方、過渡運転時においては、運転条件に応じて基準点火時期を定めた点火時期マップから現運転条件に応じた基準点火時期を取得し、これをベース点火時期として用いる。
一方、ステップS510において、現サイクルにおける補正後の換気率が前サイクルにおける補正後の換気率よりも低いと判定される場合には、ECU50はスロットル開度を高くし、かつ、ベース点火時期よりも点火時期を進角する(S530)。ステップS520又はS530の処理後、本ルーチンの処理は終了される。
以上説明したように、図12に示す制御ルーチンによれば、過給運転領域において、特に定常運転時におけるサイクル間の吹抜け流の流速の変動を考慮して、サイクル間で変動する換気率を算出し、この換気率の変動に基づいて、スロットル開度及び点火時期を制御してサイクル間のトルク変動を抑制することができる。また、現サイクルにおけるスロットル開度及び点火時期を制御できるため、応答性の高い制御を実現することができる。
(変形例)
ところで、上述した実施の形態5のシステムにおいては、ステップS510において前サイクルにおける補正後のEGR率を用いることとしているが、EGR率補正ルーチンにより算出された前サイクルまでの平均EGR率を用いることとしてもよい。
尚、上述した実施の形態5においては、スロットルバルブ30が前記第6の発明における「スロットルバルブ」に、EGR通路40が前記第6の発明における「外部EGR通路」に、EGRバルブ44が前記第6の発明における「EGRバルブ」に、それぞれ相当している。
また、ここでは、ECU50が、上記ステップS500−S530の処理を実行することにより前記第6の発明における「制御手段」が実現されている。
10 内燃機関(エンジン)
12 燃焼室
14 燃料噴射弁
16 点火プラグ
18 クランク角センサ
20 吸気通路
22 排気通路
24 エアフローメータ
26 ターボチャージャ
26a コンプレッサ
26b タービン
30 スロットルバルブ
32 スロットル開度センサ
33 吸気管圧センサ
36 吸気バルブ
38 排気バルブ
40 EGR通路
44 EGRバルブ
48 点火装置
60 点火コイル
60a 1次コイル
60c 2次コイル
61 火花放電部
61a 中心電極
61c 接地電極

Claims (6)

  1. 運転条件に応じたEGR率又はEGR量に相当するEGR相当値を取得するEGR相当値取得手段と、
    気筒内に設けられた点火プラグの電極間に放電を生じさせる点火装置と、
    前記運転条件におけるバルブオーバーラップ期間中に前記点火装置により放電を生じさせ、放電が生じた電圧値又は電流値に相当する電気信号を取得するバルブオーバーラップ時電気信号取得手段と、
    前記電気信号に基づいて前記EGR相当値を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記補正手段は、前記バルブオーバーラップ時電気信号取得手段により取得される複数サイクルにおける電気信号から、サイクル間の電気信号の変動率を取得し、該変動率を乗じて前記EGR相当値を補正すること、
    を特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記バルブオーバーラップ時電気信号取得手段は、前記バルブオーバーラップ期間を複数の期間に分けた各期間中に前記点火装置により放電を生じさせ、各期間において放電が生じた電圧値又は電流値に相当する電気信号を取得すること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 現サイクルにおいて前記補正手段により補正されたEGR相当値である現サイクルEGR相当値が、前サイクルにおいて前記補正手段により補正されたEGR相当値である前サイクルEGR相当値よりも高い場合に点火時期を進角し、該現サイクルEGR相当値が該前サイクルEGR相当値よりも低い場合に点火時期を遅角する点火時期制御手段、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記内燃機関の吸気通路を開閉可能なスロットルバルブと、
    前記内燃機関の排気通路と、前記スロットルバルブ下流の前記吸気通路とを接続する外部EGR通路と、該外部EGR通路を開閉可能なEGRバルブとを有する外部EGR装置と、
    現サイクルにおいて前記補正手段により補正されたEGR相当値である現サイクルEGR相当値が、前サイクルにおいて前記補正手段により補正されたEGR相当値である前サイクルEGR相当値よりも高い場合に前記スロットルバルブの開度を高め、該現サイクルEGR相当値が該前サイクルEGR相当値よりも低い場合に前記スロットルバルブの開度を低くするスロットル開度制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関の吸気通路を開閉可能なスロットルバルブと、
    前記内燃機関の排気通路と、前記スロットルバルブ下流の前記吸気通路とを接続する外部EGR通路と、該外部EGR通路を開閉可能なEGRバルブとを有する外部EGR装置と、
    過給運転領域において、前記補正手段により補正されたEGR相当値から気筒内の換気率を算出する換気率算出手段と、
    現サイクルにおいて前記換気率算出手段により算出された換気率である現サイクル換気率が、前サイクルにおいて換気率算出手段により算出された換気率である前サイクル換気率よりも高い場合に前記スロットルバルブの開度を低くすると共に点火時期を遅角し、該現サイクル換気率が該前サイクル換気率よりも低い場合に前記スロットルバルブの開度を高くすると共に点火時期を進角する制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。
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