JP2014090831A - 医薬品包装シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】医薬品包装シート(100)は、一方面側に平均深さH(mm)の凹部(11)が形成された第1樹脂シート(1)と、前記第1樹脂シート(1)の他方面側に積層された第2シート(2)とを有し、前記凹部(11)と第2シート(2)との間に中空部(3)が形成された医薬品包装用シート(100)であって、前記中空部(3)に平均高さ4.0(mm)、直径8(mm)の錠剤を充填した状態で、直径5mmの円柱状の押し具により、前記第1樹脂シート(1)の一方面側から前記凹部(11)が変形するように、10mm/minの速度で押圧して荷重を加えた際、前記凹部(11)の最少深さが0.1H(mm)となるまでの最大荷重が、10N以上、30N以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
これは、特許法第30条第2項を適用できるものと考えられる。
本発明の課題は、PTPシートからの薬の取り出し方は従来通りのやり方で変わりなく、また既存のPTP包装機や部材でも薬を取り出しやすくすることが可能な医薬品包装シートを提供することにある。
(1)一方面側に平均深さH(mm)の凹部が形成された第1樹脂シートと、前記第1樹脂シートの他方面側に積層された第2シートとを有し、前記凹部と第2シートとの間に中空部が形成された医薬品包装用シートであって、
前記中空部に平均高さ4.0(mm)、直径8(mm)の錠剤を充填した状態で、直径5mmの円柱状の押し具により、前記第1樹脂シートの一方面側から前記凹部が変形するように、10mm/minの速度で押圧して荷重を加えた際、
前記凹部の最少深さが0.1H(mm)となるまでの最大荷重が、10N以上、30N以下であることを特徴とする医薬品包装シート。
(2)前記医療用包装シートが、前記中空部に平均高さ4.0(mm)、直径8(mm)の錠剤を充填した状態で、直径5mmの円柱状の押し具により、前記第1樹脂シートの一方面側から前記凹部が変形するように、10mm/minの速度で押圧して荷重を加えた際、
前記凹部の最少深さが0.5(mm)変位するまでの最大荷重が、1.5N以上、8N以下である上記(1)に記載の医薬品包装シート。
(3)前記第2シートは、前記中空部に平均高さ4.0(mm)、直径8(mm)の錠剤を充填した状態で、直径5mmの円柱状の押し具により、前記第1樹脂シートの一方面側から前記凹部が変形するように、10mm/minの速度で押圧して荷重を加えた際、10N以上、30N以下の荷重で破断されるものである上記(1)または(2)に記載の医薬品包装シート。
(4)前記第1樹脂シートが、前記凹部を複数有し、凹部を1つ以上の数毎に仕切るスリットが形成されたものである上記(1)ないし(3)いずれかに記載の医薬品包装シート。
(5)前記凹部の側面部の厚さが50μm以上、280μm以下である上記(1)ないし(4)いずれかに医薬品包装シート。
(6)前記第2シートの厚さが10μm〜25μmである上記(1)ないし(5)いずれかに記載の医薬品包装シート。
中空部3は内容物である医薬品を収容する部分である。
医薬品包装シート100に荷重を加える前記方法は、医薬品包装シート100のおける容器の保形性および中空部3からの医薬品の取出し易さを評価するための方法であり、凹部11の最少深さが0.1H(mm)となるまで、つまり錠剤4が取り出される程に凹部11が潰れるまでの最大荷重が10N以上、30N以下であることにより薬が取り出しやすく、また容器の保形性が良好になる。
凹部11の最少深さが0.1H(mm)となるまでの最大荷重は15N以上、25N以下であることがより好ましい。凹部11の最少深さが0.1H(mm)となるまでの最大荷重が前記範囲内にあることにより力の弱い服用者でも薬が取り出しやすくなり、また容器の保形性が良好になり、例えばPTPシートの容器同士を抱き合わせる際など、容器に押し圧がかかる場面において容器潰れを低減することが出来る。
尚、錠剤4は、医薬品包装シート100に包装され得る種々の医薬品の最も平均的な形状(平均高さ4.0(mm)、直径8(mm))を有するものであり、種々の容器の保形性および中空部3からの医薬品の取出し易さを評価する手法に用いるに最適なものである。
凹部11の最少深さが0.5(mm)となるまで、つまり荷重のかけ始めにおける最大荷重は、薬の取り出し易さに比較的大きな影響をあたえるものである。
凹部11の最少深さが0.5(mm)変位するまでの最大荷重は、より好ましくは、2N以上、5N以下である。
凹部11の最少深さが0.5(mm)変位するまでの最大荷重が前記範囲内にあることにより薬がより取り出しやすく、また容器の保形性がより良好になる。
これにより薬が取り出しやすく、また容器の保形性が良好になる。
中空部3に内容物が実質的に充填されていない状態で、凹部11の最少深さが0.1H(mm)となるまでの最大荷重は、より好ましくは10N以上、25N以下である。
中空部3に内容物が実質的に充填されていない状態で、凹部11の最少深さが0.1H(mm)となるまでの最大荷重が前記範囲内にあることにより力の弱い服用者でも薬がより取り出しやすくなり、また容器の保形性が良好になり例えばPTPシートの容器同士を抱き合わせる際など容器に押し圧がかかる場面において容器潰れを低減することが出来る。このような内容物が充填されていない状態で評価することによりPTPシートの容器設計、例えばシート材質、厚み、容器形状などの選択において取り出し性を考慮することが可能となる。
第1樹脂シート1に形成される凹部11は、凹形状の底面に位置する底面部111と側面に位置する側面部112とを有する。
側面部112の厚さが、前記下限値未満では、保形性が悪くなる場合があり、側面部112の厚さが前記上限値より大きい場合には、取り出し性が悪くなる場合がある。
テーパー角が、前記下限値未満では、容器状に成形する際の成形性が悪くなる場合があり(成形型に対する型追従性や容器肉厚分布が不均一になる)、更には取り出し性が悪くなる場合がある。テーパー角が前記上限値より大きい場合には、取り出し性が悪くなる場合がある。
第1樹脂シート1が凹部11を複数個有する場合には、図5に示すように、凹部11を1つ以上の数毎に仕切るスリットが第1樹脂シート1に形成されていることが好ましい。
これにより、中空部3に収容された医薬品を必要な数毎に切り分けることが容易となり、医薬品包装シート100に高い利便性を付与することができる。
尚、第1樹脂シート1は幾つかの樹脂をブレンドされたもの、更には積層したものであっても良い。ブレンドおよび積層する樹脂としては前述の樹脂のなかから適宜選択すれば良いが、例えば、水蒸気バリア性を付与する場合は、アルミニウム箔のような金属箔、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニリデン、環状ポリオレフィン、高密度ポリエチレン等の水蒸気バリア性を有する樹脂が用いられる。このバリア層を有する凹部11にかかる透湿度は、40g/m2・24h以下であることが好ましく、20g/m2・24h以下であることがより好ましく、10g/m2・24hであれば更に好ましい。ここで、透湿度4g/m2・24h以下の水蒸気バリア性に比較的優れているものは第1樹脂シート1の厚さ、いわゆる凹部11の底面部111または側面部112の厚さが厚くなるなどで薬が取り出しにくくなる傾向にあり、特に2.5g/m2・24h以下の水蒸気バリア性で顕著になる傾向にあるが、この場合においても本発明に記載されている事項についてパッケージ設計をすることにより医薬品が取り出し易いものを提供することが可能となる。なお、この透湿度の測定は、凹部11にシリカゲルやゼオライトなどの吸湿剤を充填し、開口部を接着層を有するアルミ箔で熱シールして作製した測定サンプルを40℃、90%RH環境下の恒温恒湿装置に保管し、経時的な測定サンプルの重量変化を測定することで行う。
更に基材にバリア層を積層することで水蒸気バリア性を付与する場合において、基材の厚みは30μm以上、250μm以下が好ましく、50μm以上、200μm以下がより好ましい。前記下限値未満では、保形性が悪くなる場合があり、第1樹脂シート1の厚さが前記上限値より大きい場合には、取り出し性が悪くなる場合がある
例えば、ベースとなる樹脂シート(以下、「ベース樹脂シート」という。)を加熱して凹部11を成形し、第1樹脂シート1を得る方法が挙げられる。
ベース樹脂シートを加熱する方法しては、例えば、上下の加熱板により挟み込む方法や、加熱ロールの表面にベース樹脂シートの表面を接触させる方法が挙げられる。
ベース樹脂シートに凹部11を成形する方法としては、凹状の雌型を用いて前記加熱方法などで加熱されたベース樹脂シートをエアーの圧力や吸引の力を利用して変形させることで成形される。
更に、凹部11の底面部111、コーナー部、側面部112の厚みを調整するために、凹部11の大きさより小さめの凸状の一般的にプラグと呼ばれる補助的なものを用いても良い。またこのプラグそのものを雄型として凹状に成形しても良い。
このように加熱温度や時間などの加熱条件、エアーの圧力や吸引の力、プラグの高さやタイミングなどで凹部11の底面部111、コーナー部、側面部112の厚みをある程度調整することが可能なため、これにより医薬品が取り出し易い厚みにすることが出来る。
第2シート2が破断される荷重が、前記上限値より大きくなる場合は医薬品の取り出し性が悪くなり、第2シート2が破断される荷重が、前記下限値より下回る場合は流通時やPTPを取り扱う際にアルミにピンホールが開いたり、破断する可能性がある。
具体的には、図4に示すように、医療包装シート100において、中空部3に平均高さ4.0(mm)、直径8(mm)の錠剤4を充填した状態で、第1樹脂シート1が有する凹部11の底面部111を除去し、直径5mmの円柱状の押し具5により、第1樹脂シート1の一方面側から、第2シート方向へ、10mm/minの速度で押圧して荷重を加えた際、5N以上、25N以下の荷重で破断されるものであることが好ましく、10N以上、20N以下の荷重で破断されるものであることがより好ましい。
第2シート2が破断される荷重が前記範囲内であることにより、医薬品包装シート100において、医薬品の取り出し性がより良好となり、また、流通時やPTPを取り扱う際のピンホールの発生、破断を十分に防止することができる。
また、第2シート2が破断した後の容器が押し潰される際に得られる荷重よりも第2シート2の破断荷重が大きくなる方が、医薬品の取り出し性の点において好ましい。
例えば、第1樹脂シート1の凹部11に内容物である医薬品を充填した後、第2シート2を重ね合わせ、加熱などにより第1樹脂シート1と第2シート2を接着させる。
その後、PTPシートを例えば2錠単位などで分割するためにミシン刃やハーフカット刃を用いてスリットが入り、目的のサイズにPTPシートが打ち抜かれる。
成形機はCKD株式会社製FBP−M2を使用してPTPシートを作製した。このとき容器成形に用い
た型は平均深さが4.5mm、容器開口部の直径が10mmのものを使用し、医薬品は円形状の錠剤で、平均高さが4.0mm、直径が8mmのものを使用した。
取り出し性に関する評価方法は、容器に錠剤を充填した状態で、直径5mmの円柱状の押し具により、前記第1樹脂シートの一方面側から前記凹部が変形するように、10mm/minの速度で押圧し、得られる荷重と変位のチャートから、前記凹部の最少深さが0.45mmとなるまでの最大荷重、アルミ破断時の荷重、変位0.5mmのときの荷重を読み取った。
<押出し性>
◎:非常に押出し易い。
○:押出し易い。
×:押出しにくい。
<保形性>
◎:生産時、輸送時、保管時などにおいて、凹部11が非常に変形しにくい。
○:生産時、輸送時、保管時などにおいて、凹部11が変形しにくい。
×:生産時、輸送時、保管時などにおいて、凹部11が変形しやすい。
第1樹脂シートに塩化ビニル樹脂を主成分とした厚み300μmのものを、第2樹脂シートには厚み20μmのアルミに厚み3μmの塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする接着層をコートしたものを使用した。
(実施例2)
第1樹脂シートに厚み200μmの塩化ビニル樹脂を基材とし、厚み50μmの塩化ビニリデン樹脂をコートした総厚み250μmのものを、第2樹脂シートには厚み20μmのアルミに厚み3μmの塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする接着層をコートしたものを使用した。
(実施例3)
第1樹脂シートに塩化ビニル樹脂を主成分とした厚み150μmのものを、第2樹脂シートには厚み20μmのアルミに厚み3μmの塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする接着層をコートしたものを使用した。
(実施例4)
第1樹脂シートに塩化ビニル樹脂を主成分とした厚み300μmのものを、第2樹脂シートには厚み17μmのアルミに厚み3μmの塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする接着層をコートしたものを使用した。
(実施例5)
第1樹脂シートに厚み300μmの塩化ビニル樹脂を基材とし、厚み50μmの塩化ビニリデン樹脂をコートした総厚み350μmのものを、第2樹脂シートには厚み17μmのアルミに厚み3μmの塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする接着層をコートしたものを使用した。
第1樹脂シートに厚み300μmの塩化ビニル樹脂を基材とし、厚み100μmの塩化ビニリデン樹脂をコートした総厚み400μmのものを、第2樹脂シートには厚み20μmのアルミに厚み3μmの塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする接着層をコートしたものを使用した。
(比較例2)
第1樹脂シートに塩化ビニル樹脂を主成分とした厚み370μmのものを、第2樹脂シートには厚み20μmのアルミに厚み3μmの塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする接着層をコートしたものを使用した。
(比較例3)
第1樹脂シートに塩化ビニル樹脂を主成分とした厚み300μmのものを、第2樹脂シートには厚み27μmのアルミに厚み3μmの塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする接着層をコートしたものを使用した。
(比較例4)
第1樹脂シートに塩化ビニル樹脂を主成分とした厚み90μmのものを、第2樹脂シートには厚み20μmのアルミに厚み3μmの塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする接着層をコートしたものを使用した。
2 第2シート
3 中空部
4 錠剤
5 押し具
11 凹部
12 平面部
100 医療包装シート
111 底面部
112 側面部
Claims (6)
- 一方面側に平均深さH(mm)の凹部が形成された第1樹脂シートと、前記第1樹脂シートの他方面側に積層された第2シートとを有し、前記凹部と第2シートとの間に中空部が形成された医薬品包装用シートであって、
前記中空部に平均高さ4.0(mm)、直径8(mm)の錠剤を充填した状態で、直径5mmの円柱状の押し具により、前記第1樹脂シートの一方面側から前記凹部が変形するように、10mm/minの速度で押圧して荷重を加えた際、
前記凹部の最少深さが0.1H(mm)となるまでの最大荷重が、10N以上、30N以下であることを特徴とする医薬品包装シート。 - 前記医療用包装シートが、前記中空部に平均高さ4.0(mm)、直径8(mm)の錠剤を充填した状態で、直径5mmの円柱状の押し具により、前記第1樹脂シートの一方面側から前記凹部が変形するように、10mm/minの速度で押圧して荷重を加えた際、
前記凹部の最少深さが0.5(mm)変位するまでの最大荷重が、1.5N以上、8N以下である請求項1に記載の医薬品包装シート。 - 前記第2シートは、前記中空部に平均高さ4.0(mm)、直径8(mm)の錠剤を充填した状態で、直径5mmの円柱状の押し具により、前記第1樹脂シートの一方面側から前記凹部が変形するように、10mm/minの速度で押圧して荷重を加えた際、10N以上、30N以下の荷重で破断されるものである請求項1または2に記載の医薬品包装シート。
- 前記第1樹脂シートが、前記凹部を複数有し、凹部を1つ以上の数毎に仕切るスリットが形成されたものである請求項1ないし3いずれか1項に記載の医薬品包装シート。
- 前記凹部の側面部の厚さが50μm以上、280μm以下である請求項1ないし4いずれか1項に記載の医薬品包装シート。
- 前記第2シートの厚さが10μm〜25μmである請求項1ないし5いずれか1項に記載の医薬品包装シート。
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