JP7294539B2 - 包装体 - Google Patents

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    • B65D65/40Applications of laminates for particular packaging purposes

Description

本発明は、積層フィルム及び包装体に関する。
医薬品や食品等の包装分野においては、固形剤(例えば、カプセルや錠剤等の薬品、粒状の食品等)を包装するために、プレススルーパッケージ(PTP)が広く利用されている。
PTPは、例えば、固形剤を収納するための突出部(換言すると凹部)を備えた成形体のうち、前記突出部の突出側とは反対側の面が、カバーフィルムの一方の面と接着されて、構成される。前記成形体は、例えば、樹脂層が積層されて構成された積層フィルムを成形することで得られる。
このような包装体では、一定数の突出部ごとにその領域を区切り、一部の領域を折り曲げによって分割できるように加工されることがある。例えば、医薬品用包装体では、2列の突出部が配置され、列に対して直交する方向の隣り合う2箇所の突出部を一つの単位領域として、この単位領域を折り曲げによって分割できるように加工されたものが汎用されている。
このように分割を行う包装体の分割予定箇所には、包装体の厚さ方向にスリットが形成されており、このスリットの形成部位において包装体を折り曲げることによって、包装体を容易に分割できるように設計されている。
このように分割を行う包装体を構成するための積層フィルムとしては、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる層、ポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる層、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる層を順に積層して構成されたものが開示されている(特許文献1参照)。
特開2014-043089号公報
このように分割を行う包装体は、その取り扱い性を向上させるために、柔軟性の向上が求められることがある。一般的に、柔軟性を付与するために、塩素含有樹脂よりも比較的柔軟なポリオレフィンを含む層を柔軟層として追加した積層フィルムは、追加していない積層フィルムよりも柔軟性が向上し、その結果、包装体の柔軟性も向上することが知られている。しかし、ポリオレフィンを含む層が追加されている包装体は、スリットの形成部位において分割しにくく、分割性が低下することがあった。
本発明は、柔軟層を備え、包装体を構成可能な積層フィルムであって、前記積層フィルムを用いて構成した包装体を、そのスリットの形成部位において、容易に分割可能とする積層フィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1].積層フィルムであって、前記積層フィルムは、少なくとも基材層及び柔軟層が、これらの厚さ方向において積層されて構成されており、前記基材層は、前記積層フィルムの一方の最表層であり、前記積層フィルムの厚さをTとしたとき、前記柔軟層は、前記基材層の前記柔軟層側とは反対側の面から、前記積層フィルムの厚さ方向において、0.6T以下の距離に配置されている、積層フィルム。
[2].前記積層フィルムが、さらに、前記基材層よりも前記柔軟層側に中間層を備えている、[1]に記載の積層フィルム。
[3].前記積層フィルムが水蒸気バリア層を備えている、[1]又は[2]に記載の積層フィルム。
[4].前記柔軟層がポリオレフィンを含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載の積層フィルム。
[5].前記水蒸気バリア層が、ポリ塩化ビニリデン及びポリクロロトリフルオロエチレンのいずれか一方又は両方を含む、[3]又は[4]に記載の積層フィルム。
[6].前記柔軟層が低密度ポリエチレンを含む、[1]~[5]のいずれか一項に記載の積層フィルム。
[7].前記基材層がポリ塩化ビニルを含む、[1]~[6]のいずれか一項に記載の積層フィルム。
[8].前記積層フィルムが、さらに、前記基材層側とは反対側の最表層として内層を備え、前記内層の厚さが、前記基材層の厚さの1倍以上である、[1]~[7]のいずれか一項に記載の積層フィルム。
[9].前記積層フィルムが医薬品包装用である、[1]~[8]のいずれか一項に記載の積層フィルム。
[10].[1]~[9]のいずれか一項に記載の積層フィルムを備えた、包装体。
本発明によれば、柔軟層を備え、包装体を構成可能な積層フィルムであって、前記積層フィルムを用いて構成した包装体を、そのスリットの形成部位において、容易に分割可能とする積層フィルムが提供される。
本発明の一実施形態に係る積層フィルムの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層フィルムの他の例を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層フィルムのさらに他の例を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層フィルムのさらに他の例を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る包装体の一例を模式的に示す斜視図である。 図5に示す包装体のI-I線における断面模式図である。 スリットが形成されている積層フィルムの一例を模式的に示す断面図である。 スリットが形成されている積層フィルムの他の例を模式的に示す断面図である。 スリットが形成されている積層フィルムのさらに他の例を模式的に示す断面図である。 スリットが形成されている積層フィルムのさらに他の例を模式的に示す断面図である。
<<積層フィルム>>
本発明の一実施形態に係る積層フィルムは、少なくとも基材層及び柔軟層が、これらの厚さ方向において積層されて構成されており、前記基材層は、前記積層フィルムの一方の最表層であり、前記積層フィルムの厚さをTとしたとき、前記柔軟層は、前記基材層の前記柔軟層側とは反対側の面から、前記積層フィルムの厚さ方向において、0.6T以下の距離に配置されている。
本実施形態の積層フィルムは、このような構成を有しているため、前記基材層の前記柔軟層側とは反対側の面から、スリットを形成することにより、前記柔軟層に対して、その厚さ方向にスリットを容易に形成できる。したがって、前記積層フィルムを用いて構成した包装体は、柔軟層を備えていても、前記スリットを形成することで、前記スリットの形成部位において、容易に分割できる。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。なお、以降の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
図1は、本実施形態の積層フィルムの一例を模式的に示す断面図である。
ここに示す積層フィルム1は、基材層11及び第2柔軟層122が、これらの厚さ方向において積層されて構成されている。
積層フィルム1は、さらに、基材層11よりも第2柔軟層122側に、第1中間層131及び第2中間層132を備えており、第1中間層131は基材層11と第2柔軟層122との間に配置され、第2中間層132は第2柔軟層122の基材層11とは反対側に配置されている。
積層フィルム1は、さらに、基材層11と第1中間層131との間に、第1柔軟層121を備えている。
積層フィルム1は、さらに、第2中間層132の第2柔軟層122側とは反対側に、内層14を備えている。
すなわち、積層フィルム1は、基材層11、第1柔軟層121、第1中間層131、第2柔軟層122、第2中間層132及び内層14がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
<基材層>
基材層11は、積層フィルム1の構造維持に必要な層である。また、基材層11は、積層フィルム1においてピンホールの発生を抑制するなど、積層フィルム1の構造を保護するための層でもある。
基材層11は、積層フィルム1の一方の最表層であり、基材層11の第2柔軟層122側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)11aは、積層フィルム1の一方の最表面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)1aであり、露出面である。
基材層11は、樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。
基材層11が含む前記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のポリビニル系樹脂;ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等のフッ素樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド等が挙げられる。
前記ポリビニル系樹脂は、ビニル基(エテニル基)を有するモノマーから誘導された構成単位を有する樹脂である。
前記フッ素樹脂とは、フッ素原子を有する樹脂である。
基材層11が含む前記樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
基材層11は、前記ポリビニル系樹脂及びフッ素樹脂のいずれか一方又は両方を含むことが好ましく、ポリビニル系樹脂を含むことがより好ましい。
そして、基材層11は、ポリ塩化ビニル及びポリクロロトリフルオロエチレンのいずれか一方又は両方を含むことが好ましく、ポリ塩化ビニルを含むことがより好ましい。
基材層11は、前記樹脂のみを含んでいてもよいし、前記樹脂と、これ以外の非樹脂成分と、を含んでいてもよい。
前記非樹脂成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤、溶媒等が挙げられる。 前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。 前記溶媒としては、例えば、水等が挙げられる。
基材層11が含む前記非樹脂成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
基材層11において、基材層11の総質量に対する、前記樹脂の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、基材層11において前記樹脂を用いたことにより得られる効果がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する基材層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15~25℃の温度等が挙げられる。
基材層11が、前記ポリビニル系樹脂及びフッ素樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上を含む場合、基材層11において、前記樹脂の総含有量に対する、前記ポリビニル系樹脂及びフッ素樹脂の合計含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、基材層11が前記ポリビニル系樹脂又はフッ素樹脂を含むことにより得られる効果がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
基材層11は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。基材層11が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
基材層11の厚さt11は、特に限定されないが、10~150μmであることが好ましく、20~120μmであることがより好ましく、50~100μmであることがさらに好ましい。t11が前記下限値以上であることで、積層フィルム1が基材層11を備えていることにより得られる効果が、より高くなる。t11が前記上限値以下であることで、基材層11の厚さが過剰となることが避けられ、例えば、積層フィルム1をより薄層化できる。
ここで、「基材層11の厚さ」とは、基材層11全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる基材層11の厚さとは、基材層11を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<柔軟層>
[第2柔軟層]
第2柔軟層122は、積層フィルム1の柔軟性を向上させるための層である。
第2柔軟層122は、樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。
第2柔軟層122が含む前記樹脂としては、例えば、ポリオレフィン等が挙げられる。
前記ポリオレフィンは、オレフィンから誘導された構成単位を有する樹脂であれば、特に限定されず、例えば、構成単位が1種のみである単独重合体であってもよいし、構成単位が2種以上である共重合体であってもよく、前記共重合体は、例えば、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれであってもよい。
前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE);ポリプロピレン(PP);エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸共重合体(E-EA-MAH)等のエチレン共重合体;アイオノマー樹脂(ION樹脂)等が挙げられる。
前記ポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、例えば、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)等)等が挙げられる。
前記アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンと少量のアクリル酸又はメタクリル酸との共重合体が、その中の酸部分と、金属イオンと、の塩形成によって、イオン橋かけ構造を有している樹脂が挙げられる。
なお、本明細書においては、単なる「低密度ポリエチレン」との記載は、特に断りのない限り、「直鎖状低密度ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン」を意味する。
第2柔軟層122が含む前記樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第2柔軟層122は、ポリオレフィンを含むことが好ましく、ポリエチレンを含むことがより好ましく、低密度ポリエチレンを含むことがさらに好ましい。このような第2柔軟層122は、その柔軟性がより高い。
第2柔軟層122は、前記樹脂のみを含んでいてもよいし、前記樹脂と、これ以外の非樹脂成分と、を含んでいてもよい。
前記非樹脂成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤、溶媒等が挙げられる。 非樹脂成分である前記添加剤、溶媒としては、基材層11が含むものとして先に説明した添加剤、溶媒等と同様のものが挙げられる。
第2柔軟層122が含む前記非樹脂成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第2柔軟層122において、第2柔軟層122の総質量に対する、前記樹脂の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、第2柔軟層122において前記樹脂を用いたことにより得られる効果がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する柔軟層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
第2柔軟層122が、前記ポリオレフィンを含む場合、第2柔軟層122において、前記樹脂の総含有量に対する、前記ポリオレフィンの含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、第2柔軟層122が前記ポリオレフィンを含むことにより得られる効果がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
第2柔軟層122は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。第2柔軟層122が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
第2柔軟層122の厚さは、特に限定されないが、10~60μmであることが好ましく、12~50μmであることがより好ましく、15~40μmであることがさらに好ましい。前記厚さが前記下限値以上であることで、積層フィルム1の柔軟性がより向上する。前記厚さが前記上限値以下であることで、第2柔軟層122の厚さが過剰となることが避けられ、例えば、積層フィルム1をより薄層化できる。
[第1柔軟層]
第1柔軟層121は、その積層フィルム1中での配置位置が異なる点を除けば、第2柔軟層122と同様のものである。
積層フィルム1中の第1柔軟層121と第2柔軟層122は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
積層フィルム1においては、第1柔軟層121と第2柔軟層122の場合に限らず、比較対象の2層が互いに異なっているとは、これら2層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が、互いに異なっていることを意味する。
<内層>
内層14は、積層フィルム1の他方の最表層、すなわち、基材層11側とは反対側の最表層であり、内層14の基材層11側とは反対側の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)14bは、積層フィルム1の他方の最表面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)1bであり、露出面である。
内層14は、後述する包装体を構成したときに、包装対象物と接触する層であり、例えば、シーラント層であってもよい。
内層14は、樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。
内層14が含む前記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)等のポリビニル系樹脂等が挙げられる。
内層14が含む前記樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
内層14は、ポリ塩化ビニルを含むことが好ましい。
内層14は、前記樹脂のみを含んでいてもよいし、前記樹脂と、これ以外の非樹脂成分と、を含んでいてもよい。
前記非樹脂成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤、溶媒等が挙げられる。 非樹脂成分である前記添加剤、溶媒としては、基材層11が含むものとして先に説明した添加剤、溶媒と同様のものが挙げられる。
内層14が含む前記非樹脂成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
内層14において、内層14の総質量に対する、前記樹脂の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、内層14において前記樹脂を用いたことにより得られる効果がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する内層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
内層14が、前記ポリビニル系樹脂を含む場合、内層14において、前記樹脂の総含有量に対する、前記ポリビニル系樹脂の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、内層14が前記ポリビニル系樹脂を含むことにより得られる効果がより高くなる。 前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
内層14は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。内層14が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
内層14の厚さt14は、基材層11の厚さt11の1倍以上であることが好ましく、例えば、1.1倍以上、及び1.2倍以上のいずれかであってもよい。内層14の厚さt14がこのような条件を満たすことで、積層フィルム1と後述する包装体の機械的強度を低下させることなく、積層フィルム1と後述する包装体を、そのスリットの形成部位において、より容易に分割できる。
基材層11の厚さt11を基準とした、内層14の厚さt14の上限値は、特に限定されない。
例えば、内層14の厚さt14が過剰とならず、積層フィルム1の薄層化に有利な点では、内層14の厚さt14は、基材層11の厚さt11の5倍以下であることが好ましい。
基材層11の厚さt11を基準とした、内層14の厚さt14は、上述のいずれかの下限値と、上限値と、を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。
例えば、一実施形態において、内層14の厚さt14は、基材層11の厚さt11の1~5倍であることが好ましく、例えば、1.1~5倍、及び1.2~5倍のいずれかであってもよい。
内層14の厚さt14は、60~250μmであることが好ましい。t14が前記下限値以上であることで、積層フィルム1が内層14を備えていることにより得られる効果が、より高くなる。t14が前記上限値以下であることで、内層14の厚さが過剰となることが避けられ、例えば、積層フィルム1をより薄層化できる。
そして、内層14の厚さt14は、このような範囲であるとともに、上述のt11との関係を満たすことが、より好ましい。
本明細書において、「内層14の厚さ」とは、内層14全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる内層14の厚さとは、内層14を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<中間層>
[第1中間層]
第1中間層131は、積層フィルム1の両方の最表面間(ここでは、基材層11と内層14との間)に配置され、積層フィルム1に新たな機能を付与するための層である。
第1中間層131は、樹脂を含む樹脂層であることが好ましい。
第1中間層131は、前記樹脂のみを含んでいてもよいし、前記樹脂と、これ以外の非樹脂成分と、を含んでいてもよい。
第1中間層131が含む前記樹脂及び非樹脂成分の種類、並びにこれらの含有量は、いずれも、第1中間層131の種類に応じて適宜選択できる。
第1中間層131は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。第1中間層131が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
第1中間層131の厚さは、第1中間層131の種類に応じて適宜選択できる。
ここで、「第1中間層131の厚さ」とは、第1中間層131全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1中間層131の厚さとは、第1中間層131を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
第1中間層131は、例えば、積層フィルム1でのガスの透過を抑制するための、ガスバリア層であってもよい。
前記ガスバリア層としては、例えば、水蒸気バリア層、酸素バリア層等が挙げられる。 なかでも、第1中間層131(ガスバリア層)は、水蒸気バリア層であることが好ましい。
(水蒸気バリア層)
前記水蒸気バリア層が含む前記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、環状ポリオレフィン等が挙げられる。
水蒸気バリア層が含む前記樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
積層フィルム1の水蒸気バリア性がより高くなる点で、水蒸気バリア層は、ポリ塩化ビニリデン及びポリクロロトリフルオロエチレンのいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。
水蒸気バリア層は、前記樹脂のみを含んでいてもよいし、前記樹脂と、これ以外の非樹脂成分と、を含んでいてもよい。
前記非樹脂成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤、溶媒等が挙げられる。 非樹脂成分である前記添加剤、溶媒としては、基材層11が含むものとして先に説明した添加剤、溶媒と同様のものが挙げられる。
水蒸気バリア層が含む前記非樹脂成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
水蒸気バリア層において、水蒸気バリア層の総質量に対する、前記樹脂の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、水蒸気バリア層において前記樹脂を用いたことにより得られる効果(例えば、水蒸気バリア層及び積層フィルム1の水蒸気バリア性)がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する水蒸気バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
水蒸気バリア層が、ポリ塩化ビニリデン及びポリクロロトリフルオロエチレンのいずれか一方又は両方を含む場合、水蒸気バリア層において、前記樹脂の総含有量に対する、ポリ塩化ビニリデン及びポリクロロトリフルオロエチレンの合計含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、水蒸気バリア層及び積層フィルム1の水蒸気バリア性がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
水蒸気バリア層の厚さは、特に限定されないが、4~90μmであることが好ましく、5~70μmであることがより好ましく、15~52.5μmであることがさらに好ましい。前記厚さが前記下限値以上であることで、積層フィルム1(水蒸気バリア層)の水蒸気バリア性がより高くなる。前記厚さが前記上限値以下であることで、水蒸気バリア層の厚さが過剰となることが避けられ、例えば、積層フィルム1をより薄層化できる。
(酸素バリア層)
前記酸素バリア層が含む前記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(別名:エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、EVOH)、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
エチレン-ビニルアルコール共重合体において、エチレンの共重合比率(換言すると、エチレン-ビニルアルコール共重合体における、構成単位の全量に対する、エチレンから誘導された構成単位の量の割合)は、30~50モル%であることが好ましい。エチレン-ビニルアルコール共重合体の中でも、このようなものは、酸素バリア性がより高い。
酸素バリア層が含む前記樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
酸素バリア層及び積層フィルム1の酸素バリア性がより高くなる点で、酸素バリア層は、ポリ塩化ビニリデン及びエチレン-ビニルアルコール共重合体のいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。
酸素バリア層は、前記樹脂のみを含んでいてもよいし、前記樹脂と、これ以外の非樹脂成分と、を含んでいてもよい。
前記非樹脂成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤、溶媒等が挙げられる。 非樹脂成分である前記添加剤、溶媒としては、基材層11が含むものとして先に説明した添加剤、溶媒と同様のものが挙げられる。
酸素バリア層が含む前記非樹脂成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
酸素バリア層において、酸素バリア層の総質量に対する、前記樹脂の含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、酸素バリア層において前記樹脂を用いたことにより得られる効果(例えば、酸素バリア層及び積層フィルム1の酸素バリア性)がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
前記割合は、通常、後述する酸素バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
酸素バリア層が、ポリ塩化ビニリデン、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリビニルアルコール及びポリアクリロニトリルからなる群より選択される1種又は2種以上の酸素バリア樹脂を含む場合、酸素バリア層において、前記樹脂の総含有量に対する、前記酸素バリア樹脂の合計含有量の割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、例えば、95質量%以上、97質量%以上及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、酸素バリア層及び積層フィルム1の酸素バリア性がより高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されず、前記割合は100質量%以下であればよい。
酸素バリア層の厚さは、特に限定されないが、5~70μmであることが好ましく、7.5~65μmであることがより好ましく、10~60μmであることがさらに好ましい。前記厚さが前記下限値以上であることで、積層フィルム1(酸素バリア層)の酸素バリア性がより高くなる。前記厚さが前記上限値以下であることで、酸素バリア層の厚さが過剰となることが避けられ、例えば、積層フィルム1をより薄層化できる。
[第2中間層]
第2中間層132は、その積層フィルム1中での配置位置が異なる点を除けば、第1中間層131と同様のものである。
積層フィルム1中の第1中間層131と第2中間層132は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
積層フィルム1において、第1中間層131と第2中間層132の組み合わせは、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
積層フィルム1においては、例えば、第1中間層131と第2中間層132がともに水蒸気バリア層であってもよいし、第1中間層131が水蒸気バリア層であり、第2中間層132が酸素バリア層であってもよいし、第1中間層131が酸素バリア層であり、第2中間層132が水蒸気バリア層であってもよいし、第1中間層131と第2中間層132がともに酸素バリア層であってもよい。
例えば、第1中間層131と第2中間層132がともに水蒸気バリア層である場合、第1中間層131と第2中間層132の合計の厚さは、特に限定されないが、8~180μmであることが好ましく、10~140μmであることがより好ましく、30~105μmであることがさらに好ましい。前記厚さが前記下限値以上であることで、積層フィルム1の水蒸気バリア性がより高くなる。前記厚さが前記上限値以下であることで、積層フィルム1をより薄層化できる。
例えば、第1中間層131と第2中間層132がともに酸素バリア層である場合、第1中間層131と第2中間層132の合計の厚さは、特に限定されないが、10~140μmであることが好ましく、15~130μmであることがより好ましく、20~120μmであることがさらに好ましい。前記厚さが前記下限値以上であることで、積層フィルム1の酸素バリア性がより高くなる。前記厚さが前記上限値以下であることで、積層フィルム1をより薄層化できる。
JIS K7129(B法)に準拠して測定された、前記水蒸気バリア層(第1中間層131と第2中間層132のいずれか一方又は両方)の水蒸気透過量は、1.0g/m・day以下であることが好ましく、0.5g/m・day以下であることがより好ましく、0.3g/m・day以下であることがさらに好ましい。
JIS K7126(B法)に準拠して測定された、23℃、50%RH(相対湿度)の雰囲気下における、前記酸素バリア層(第1中間層131と第2中間層132のいずれか一方又は両方)の酸素ガス透過量は、20cc/m・day以下であることが好ましく、15cc/m・day以下であることがより好ましい。
積層フィルム1の厚さ(換言すると、基材層11の第1面11aと、内層14の第2面14bと、の間の距離)をTとしたとき、積層フィルム1の厚さ方向において、第2柔軟層122は、基材層11の第1面11aから、0.6T以下の距離に配置されている。換言すると、積層フィルム1において、基材層11の第1面11aと、第2柔軟層122の基材層11側とは反対側面と、の間の距離Dは、0.6T以下である。
積層フィルム1は、柔軟層として、第1柔軟層121と第2柔軟層122を備えており、基材層11から最も遠くに配置されている第2柔軟層122が、基材層11の第1面11aから、0.6T以下の距離に配置されている。すなわち、積層フィルム1においては、すべての柔軟層(第1柔軟層121と第2柔軟層122)が、基材層11の第1面11aから、0.6T以下の距離に配置されている。
本明細書においては、積層フィルム中の柔軟層の層数によらず、上記のように、積層フィルムの厚さ方向において、基材層から最も遠くに配置されている柔軟層の、基材層の第1面からの距離に、符号Dを付すことがある。
積層フィルム1の厚さ方向において、第2柔軟層122は、基材層11の第1面11aから、例えば、0.55T以下の距離に配置されていてもよいし、0.5T以下の距離に配置されていてもよいし、0.45T以下の距離に配置されていてもよい。第2柔軟層122の前記距離(D)が短いほど、積層フィルム1と後述する包装体を、そのスリットの形成部位において、より容易に分割できる。
積層フィルム1の厚さ方向において、基材層11の第1面11aからの第2柔軟層122の距離(D)の下限値は、特に限定されない。
例えば、積層フィルム1の厚さ方向において、第2柔軟層122が、基材層11の第1面11aから、0.2T以上の距離に配置されている積層フィルム1は、より容易に製造できる。
積層フィルム1の厚さ方向において、基材層11の第1面11aからの第2柔軟層122の距離(D)は、上述の下限値と、いずれかの上限値と、を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。
例えば、一実施形態では、積層フィルム1の厚さ方向において、第2柔軟層122は、基材層11の第1面11aから、0.2T~0.6Tの距離に配置されていてもよいし、0.2T~0.55Tの距離に配置されていてもよいし、0.2T~0.5Tの距離に配置されていてもよいし、0.2T~0.45Tの距離に配置されていてもよい。
積層フィルム1の厚さTは、特に限定されないが、200~400μmであることが好ましく、225~375μmであることがより好ましく、例えば、250~350μmであってもよい。積層フィルム1の厚さが前記下限値以上であることで、積層フィルム1の平常時での機械的強度がより高くなる。積層フィルム1の厚さが前記上限値以下であることで、積層フィルム1と後述する包装体を、そのスリットの形成部位において、より容易に分割できる。
図2は、本実施形態の積層フィルムの他の例を模式的に示す断面図である。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示す積層フィルム2は、基材層11及び柔軟層12が、これらの厚さ方向において積層されて構成されている。
積層フィルム2は、さらに、基材層11よりも柔軟層12側に、第1中間層131及び第2中間層132を備えており、第1中間層131は基材層11と柔軟層12との間に配置され、第2中間層132は柔軟層12の基材層11とは反対側に配置されている。
積層フィルム2は、さらに、第2中間層132の柔軟層12側とは反対側に、内層14を備えている。
すなわち、積層フィルム1は、基材層11、第1中間層131、柔軟層12、第2中間層132及び内層14がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
積層フィルム2は、第1柔軟層121を備えていない点以外は、図1に示す積層フィルム1と同じである。
積層フィルム2中の柔軟層12は、積層フィルム1中の第2柔軟層122に相当し、第2柔軟層122と同様のものである。
基材層11の第1面11aは、積層フィルム2の一方の最表面(第1面)2aであり、露出面である。
内層14の第2面14bは、積層フィルム2の他方の最表面(第2面)2bであり、露出面である。
積層フィルム2の厚さをTとしたとき、積層フィルム2の厚さ方向において、柔軟層12は、基材層11の第1面11aから、0.6T以下の距離に配置されている。
換言すると、積層フィルム2において、基材層11の第1面11aと、柔軟層12の基材層11側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)12aと、の間の距離Dは、0.6T以下である。
積層フィルム2における、前記Tを基準とした距離Dの範囲は、積層フィルム1における、前記Tを基準とした距離Dの範囲と同じである。
積層フィルム2は、積層フィルム1の場合と同様の効果を奏する。
図3は、本実施形態の積層フィルムの、さらに他の例を模式的に示す断面図である。 ここに示す積層フィルム3は、基材層11及び柔軟層12が、これらの厚さ方向において積層されて構成されている。
積層フィルム3は、さらに、基材層11よりも柔軟層12側に、中間層13を備えており、中間層13は柔軟層12の基材層11とは反対側に配置されている。
積層フィルム3は、さらに、中間層13の柔軟層12側とは反対側に、内層14を備えている。
すなわち、積層フィルム3は、基材層11、柔軟層12、中間層13及び内層14がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
積層フィルム3は、第1柔軟層121及び第1中間層131を備えていない点以外は、図1に示す積層フィルム1と同じであると見做せる。
積層フィルム3中の柔軟層12は、積層フィルム1中の第2柔軟層122に相当すると見做せるものであり、第2柔軟層122と同様のものである。
積層フィルム3中の中間層13は、積層フィルム1中の第2中間層132に相当すると見做せるものであり、第2中間層132と同様のものである。
基材層11の第1面11aは、積層フィルム3の一方の最表面(第1面)3aであり、露出面である。
内層14の第2面14bは、積層フィルム3の他方の最表面(第2面)3bであり、露出面である。
積層フィルム3の厚さをTとしたとき、積層フィルム3の厚さ方向において、柔軟層12は、基材層11の第1面11aから、0.6T以下の距離に配置されている。
換言すると、積層フィルム3において、基材層11の第1面11aと、柔軟層12の第1面12aと、の間の距離Dは、0.6T以下である。なお、積層フィルム3において、前記距離Dは、基材層11の厚さt11と同じである。
積層フィルム3における、前記Tを基準とした距離Dの範囲は、積層フィルム1における、前記Tを基準とした距離Dの範囲と同じである。
積層フィルム3は、積層フィルム1の場合と同様の効果を奏する。
図4は、本実施形態の積層フィルムの、さらに他の例を模式的に示す断面図である。 ここに示す積層フィルム4は、基材層11及び柔軟層12が、これらの厚さ方向において積層されて構成されている。
積層フィルム4は、さらに、基材層11よりも柔軟層12側に、内層14を備えており、内層14は柔軟層12の基材層11とは反対側に配置されている。
すなわち、積層フィルム3は、基材層11、柔軟層12及び内層14がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
積層フィルム4は、第1柔軟層121、第1中間層131及び第2中間層132を備えていない点以外は、図1に示す積層フィルム1と同じであると見做せる。
積層フィルム4中の柔軟層12は、積層フィルム1中の第2柔軟層122に相当すると見做せるものであり、第2柔軟層122と同様のものである。
基材層11の第1面11aは、積層フィルム4の一方の最表面(第1面)4aであり、露出面である。
内層14の第2面14bは、積層フィルム4の他方の最表面(第2面)4bであり、露出面である。
積層フィルム4の厚さをTとしたとき、積層フィルム4の厚さ方向において、柔軟層12は、基材層11の第1面11aから、0.6T以下の距離に配置されている。
換言すると、積層フィルム4において、基材層11の第1面11aと、柔軟層12の第1面12aと、の間の距離Dは、0.6T以下である。積層フィルム4においても、前記距離Dは、基材層11の厚さt11と同じである。
積層フィルム4における、前記Tを基準とした距離Dの範囲は、積層フィルム1における、前記Tを基準とした距離Dの範囲と同じである。
積層フィルム4は、積層フィルム1の場合と同様の効果を奏する。
ここまでは、例えば、中間層(図1~図2に示す第1中間層131及び第2中間層132、図3に示す中間層13)が、水蒸気バリア層又は酸素バリア層である場合の積層フィルムについて説明したが、本実施形態の積層フィルムは、中間層以外の層が、水蒸気バリア層又は酸素バリア層としての機能を併せ持っていてもよい。例えば、本実施形態の積層フィルムにおいては、基材層(図1~図4に示す基材層11)、柔軟層(図1に示す第1柔軟層121若しくは第2柔軟層122、図2~図4に示す柔軟層12)、又は内層(図1~図4に示す内層14)が、水蒸気バリア層又は酸素バリア層を兼ねていてもよい。また、中間層が、水蒸気バリア層又は酸素バリア層としての機能以外に、他の機能を併せ持っていてもよい(中間層が、水蒸気バリア層又は酸素バリア層と、それ以外の他の層と、を兼ねていてもよい)。
例えば、本実施形態の積層フィルムが水蒸気バリア層を備えている場合、水蒸気バリア層である中間層を備えていてもよいし、中間層以外の層が、水蒸気バリア層を兼ねていてもよい。
中間層以外の層が、水蒸気バリア層を兼ねている場合、この層の水蒸気透過量は、先に説明した中間層(水蒸気バリア層)の水蒸気透過量と同様であることが好ましい。
例えば、基材層がポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等のフッ素樹脂含む場合、このような基材層は、水蒸気バリア層を兼ねるものとして好適である。
例えば、本実施形態の積層フィルムが酸素バリア層を備えている場合、酸素バリア層である中間層を備えていてもよいし、中間層以外の層が、酸素バリア層を兼ねていてもよい。
中間層以外の層が、酸素バリア層を兼ねている場合、この層の酸素ガス透過量は、先に説明した中間層(酸素バリア層)の酸素ガス透過量と同様であることが好ましい。
本実施形態の積層フィルムは、積層フィルム1~4に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、積層フィルム1~4において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、積層フィルム1~4が備えている層として、基材層、柔軟層(第1柔軟層、第2柔軟層)、中間層(第1中間層、第2中間層)及び内層が挙げられるが、積層フィルム1~4は、これら以外の他の層を備えていてもよい。
前記他の層の種類、層数及び配置位置は、目的に応じて任意に選択できる。
前記他の層の一例としては、隣接する2層を接着するための接着層等が挙げられる。
例えば、積層フィルム1~4が備えている柔軟層の層数は、最大で2であるが、本実施形態の積層フィルムが備えている柔軟層の層数は、3以上であってもよい。柔軟層の層数によらず、本実施形態の積層フィルムにおいては、基材層から最も遠くに配置されている柔軟層が、基材層の第1面から0.6T以下の距離に配置されていればよい。
例えば、積層フィルム1~3が備えている中間層の層数は、最大で2であるが、本実施形態の積層フィルムが中間層を備えている場合、その層数は、3以上であってもよい。 本実施形態の積層フィルムが、水蒸気バリア層である中間層を1層又は2層以上備えている場合、その層数によらず、水蒸気バリア層である中間層の合計の厚さは、8~180μm、10~140μm、及び30~105μmのいずれかであってもよい。
本実施形態の積層フィルムが、酸素バリア層である中間層を1層又は2層以上備えている場合、その層数によらず、酸素バリア層である中間層の合計の厚さは、10~140μm、15~130μm、及び20~120μmのいずれかであってもよい。
本実施形態の積層フィルムは、少なくとも基材層及び柔軟層を備えていればよく、それ以外の層は任意の構成であり、基材層及び柔軟層以外の層は、目的に応じて任意に選択できる。
本実施形態の積層フィルムは、各種包装体を構成するのに好適であり、なかでも、医薬品又は食品の包装用としてより好適である。この場合の包装対象物としては、例えば、カプセルや錠剤等の薬品、粒状の食品等が挙げられる。
本実施形態の積層フィルムは、医薬品包装用として特に好適である。
<<積層フィルムの製造方法>>
本実施形態の積層フィルムは、例えば、数台の押出機を用いて、各層の形成材料となる樹脂や樹脂組成物等を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等により、製造できる。
また、本実施形態の積層フィルムは、その中のいずれかの層の形成材料となる樹脂や樹脂組成物等を、積層フィルムを構成するための別の層の表面にコーティングして、必要に応じて乾燥させることにより、積層フィルム中の積層構造を形成し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
また、本実施形態の積層フィルムは、そのうちのいずれか2層以上を構成するための2枚以上のフィルムをあらかじめ別々に作製しておき、接着剤を用いてこれらフィルムを、ドライラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネート法及びウェットラミネート法のいずれかによって貼り合わせて積層し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。このとき、接着剤として、前記接着層を形成可能なものを用いてもよい。
また、本実施形態の積層フィルムは、上記のように、あらかじめ別々に作製しておいた2枚以上のフィルムを、接着剤を用いずに、サーマル(熱)ラミネート法等によって貼り合わせて積層し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
本実施形態の積層フィルムを製造するときには、ここまでに挙げた、積層フィルム中のいずれかの層(フィルム)の形成方法を、2以上組み合わせてもよい。
製造方法がいずれの場合であっても、前記積層フィルム中のいずれかの層の形成材料となる前記樹脂組成物は、形成する層が目的とする成分(構成材料)を、目的とする含有量で含むように、含有成分の種類と含有量を調節して、製造すればよい。例えば、前記樹脂組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、この樹脂組成物から形成された層中の、前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
基材層(図1に示す積層フィルム1においては、基材層11)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「基材層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、前記ポリビニル系樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル及びポリアミドからなる群より選択される1種又は2種以上と、必要に応じて前記非樹脂成分と、を含有するものが挙げられる。
柔軟層(図1に示す積層フィルム1においては、第1柔軟層121及び第2柔軟層122)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「柔軟層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、ポリオレフィンと、必要に応じて前記非樹脂成分と、を含有するものが挙げられる。
内層(図1に示す積層フィルム1においては、内層14)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「内層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、前記ポリビニル系樹脂と、必要に応じて前記非樹脂成分と、を含有するものが挙げられる。
中間層(図1に示す積層フィルム1においては、第1中間層131及び第2中間層132)のうち、水蒸気バリア層を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「水蒸気バリア層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン及びポリクロロトリフルオロエチレンのいずれか一方又は両方と、必要に応じて前記非樹脂成分と、を含有するものが挙げられる。
中間層のうち、酸素バリア層を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「酸素バリア層形成用組成物」と称することがある)としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリビニルアルコール及びポリアクリロニトリルからなる群より選択される1種又は2種以上と、必要に応じて前記非樹脂成分と、を含有するものが挙げられる。
前記水蒸気バリア層形成用組成物及び酸素バリア層形成用組成物は、いずれも、中間層形成用組成物に相当する。
<<包装体>>
本発明の一実施形態に係る包装体は、上述の本発明の一実施形態に係る積層フィルムを備えている。
本実施形態の包装体は、前記積層フィルムを用いているため、前記積層フィルムが柔軟層を備えていても、前記スリットを形成することによって、前記スリットの形成部位において、容易に分割できる。
本実施形態の包装体は、各種包装体として好適であり、なかでも、医薬品用又は食品用の包装体としてより好適であり、プレススルーパッケージ(PTP)へも良好に適用可能である。この場合の包装対象物としては、例えば、カプセルや錠剤等の薬品、粒状の食品等が挙げられる。
本実施形態の包装体は、医薬品用包装体として特に好適である。
図5は、本実施形態の包装体の一例を模式的に示す斜視図であり、図6は、図5に示す包装体のI-I線における断面模式図である。
ここに示す包装体10は、積層フィルム1と、カバーフィルム8と、を備えて構成されている。積層フィルム1は、図1に示すものであり、その一部には、包装体10の収納部10aを構成する突出部109が形成されている。
包装体10は、ブリスターパックとしてのPTPフィルム(包装容器)であり、収納部10aには、錠剤9を密封収納できる。
積層フィルム1の第2面1bは、カバーフィルム8の一方の表面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)8aに接着されている。ただし、積層フィルム1は、一部の領域において、その第1面1a側に突出しており、この突出部109における前記第2面1bは、カバーフィルム8の第1面8aには接着されておらず、積層フィルム1の前記第2面1bと、カバーフィルム8の第1面8aと、によって、収納部10aが形成されている。
カバーフィルム8の材質としては、例えば、アルミニウム等が挙げられる。
カバーフィルム8の厚さは、特に限定されないが、例えば、10~30μmであることが好ましく、15~25μmであることがより好ましい。
積層フィルム1には、スリット10bが形成されている。スリット10bが形成されていることで、錠剤9の収納部10aへの特定収納数ごとに、包装体10を容易に分割できるため、包装体10の利便性が向上する。
積層フィルム1においては、複数本のスリット10bが、積層フィルム1の幅方向に、互いに平行に形成されている。
また、それぞれのスリット10bは、積層フィルム1の幅方向の全域に形成されている。
図7は、スリット10bが形成されている積層フィルム1の一例を模式的に示す断面図である。
ここに示す積層フィルム1において、スリット10bは、基材層11の第1面11a(積層フィルム1の第1面1a)から第2中間層132にまで到達している。より具体的には、スリット10bは、基材層11の第1面11aを起点とし、ここに開口部を有しており、すべての柔軟層、すなわち第1柔軟層121及び第2柔軟層122をともに、これらの厚さ方向において貫通して形成されており、スリット10bの先端は、第2中間層132に到達している。
包装体10は、積層フィルム1が第1柔軟層121及び第2柔軟層122を備えていても、スリット10bを形成されていることによって、スリット10bの形成部位において、容易に分割できる。
包装体10は、周知の方法で分割できる。例えば、包装体10中の積層フィルム1の第1面1aの為す角度が90°程度となるように、包装体10を、そのスリット10bが形成されている部位において折り曲げ、次いで、同じ部位において、積層フィルム1の第2面1bの為す角度が90°程度となるように、包装体10を反対側に折り曲げることにより、包装体10を容易に分割できる。
ここでは、スリット10bが、柔軟層のうち、基材層11から最も遠くに配置されている第2柔軟層122を貫通しているが、本実施形態においては、スリット10bが、柔軟層のうち、基材層11から最も遠くに配置されている第2柔軟層122の内部にまで到達していればよい。
スリット10bは、第2柔軟層122に対しては、その厚さ方向において、その厚さの1/2以上の深さにまで形成されていることが好ましい。
ここでは、基材層11側から内層14側へ向かって、スリット10bの幅が小さくなっており、スリット10bの幅は、基材層11の第1面11aにおいて最大となっている。ただし、本実施形態の包装体において、スリットの形状はこれに限定されず、スリットの最大幅は、スリットの形状に基づいて決定される。
突出部109の形状は、例えば、ドーム状である。
包装体10を、その積層フィルム1側の上方から見下ろすようにして平面視したときの、突出部109の平面形状は、特に限定されず、包装対象物である錠剤9の形状に応じて、任意に選択できる。例えば、突出部109の前記平面形状は、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形であってもよいし、円形であってもよいし、楕円形等であってもよい。
本実施形態の包装体は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、包装体10において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、図5及び図6に示す包装体10は、収納部10aを8個備えているが、本実施形態の包装体における収納部の数はこれに限定されず、2個以上であればよい。
例えば、図5及び図6に示す包装体10は、積層フィルム1を備えているが、本実施形態の包装体は、例えば、図2、図3又は図4に示す積層フィルム2~4等、他の積層フィルムを備えていてもよい。
図8は、スリット10bが形成されている積層フィルム2の一例を模式的に示す断面図である。
ここに示す積層フィルム2において、スリット10bは、基材層11の第1面11a(積層フィルム1の第1面1a)から第2中間層132にまで到達しており、柔軟層12を、その厚さ方向において貫通して形成されている。スリット10bの先端は、第2中間層132に到達している。
ただし、積層フィルム2においては、スリット10bは、柔軟層12の内部にまで到達していればよい。
スリット10bは、柔軟層12に対しては、その厚さ方向において、その厚さの1/2以上の深さにまで形成されていることが好ましい。
図9は、スリット10bが形成されている積層フィルム3の一例を模式的に示す断面図である。
ここに示す積層フィルム3において、スリット10bは、基材層11の第1面11a(積層フィルム1の第1面1a)から中間層13にまで到達しており、柔軟層12を、その厚さ方向において貫通して形成されている。スリット10bの先端は、中間層13に到達している。
ただし、積層フィルム3においては、スリット10bは、柔軟層12の内部にまで到達していればよい。
スリット10bは、柔軟層12に対しては、その厚さ方向において、その厚さの1/2以上の深さにまで形成されていることが好ましい。
図10は、スリット10bが形成されている積層フィルム4の一例を模式的に示す断面図である。
ここに示す積層フィルム4において、スリット10bは、基材層11の第1面11a(積層フィルム1の第1面1a)から内層14にまで到達しており、柔軟層12を、その厚さ方向において貫通して形成されている。スリット10bの先端は、内層14に到達している。
ただし、積層フィルム4においては、スリット10bは、柔軟層12の内部にまで到達していればよい。
スリット10bは、柔軟層12に対しては、その厚さ方向において、その厚さの1/2以上の深さにまで形成されていることが好ましい。
図8、図9及び図10に示すスリット10bは、いずれも、図7に示すスリット10bと同様である。
このようなスリット10bが形成されている積層フィルム2~4を備えた包装体も、包装体10の場合と同様に、スリット10bの形成部位において、容易に分割できる。
<<包装体の製造方法>>
本実施形態の包装体は、上述の実施形態の積層フィルムを用い、目的とする収納部を形成するように、前記積層フィルムを、その前記基材層側とは反対側の面(第2面)において、他のフィルム若しくはシート等とを貼り合わせ、さらに、前記積層フィルムに対して、前記基材層の前記柔軟層側とは反対側の面(第1面)から、前記柔軟層の内部にまで到達するスリットを形成することにより、製造できる。
例えば、図5及び図6に示す包装体10は、公知のPTP包装機を用いて、製造できる。
より具体的には、まず、プラグ成形、エアアシストプラグ成形、圧空成形、プラグアシスト圧空成形、真空成形等により、積層フィルム1に突出部109を成形する。
次いで、積層フィルム1の突出部109に、保存対象物である錠剤9を充填した後、カバーフィルム8を積層フィルム1の第2面1bと重ね合せて、積層フィルム1とカバーフィルム8とを接着する。これらの接着は、例えば、加熱ラミネート等により行うことができる。
次いで、積層フィルム1に対して、ミシン刃又はハーフカット刃等を用いて、積層フィルム1の第1面1aから、第2柔軟層122の内部にまで到達するスリット10bを形成する。
以上により、包装体10が得られる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、図2に示す構成の積層フィルムを製造した。
すなわち、基材層及び内層を構成する樹脂フィルムとして、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(住友ベークライト社製「VSS-8142-Z」)を用意した。
柔軟層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレンF222NH」)を用意した。
第1中間層及び第2中間層を構成する樹脂として、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)ラテックスを用意した。
前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを、前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に塗工し、乾燥させることで、第1中間層を基材層上に形成し、基材層-第1中間層積層体を作製した。
さらに、同じ方法で、内層-第2中間層積層体を作製した。
前記基材層-第1中間層積層体の第1中間層側と、前記内層-第2中間層積層体の第2中間層側に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、前記基材層-第1中間層積層体、柔軟層、及び前記内層-第2中間層積層体をこの順に積層した。
以上により、基材層(厚さ80μm)、第1中間層(厚さ50μm)、柔軟層(厚さ20μm)、第2中間層(厚さ50μm)及び内層(厚さ80μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ280μm)を製造した。 得られた積層フィルムにおいて、その厚さTと、柔軟層の前記距離Dは、D=0.54Tの関係を満たしていた。
<<積層フィルムの評価>>
以下に示す手順により、上記で得られた積層フィルムを備えた試験片を作製した。
すなわち、ブリスタ包装機(CKD社製「FBP-300E」)を用いて、幅100mmのロール状の前記積層フィルムに、その厚さ方向に突出した、内径10.0mm、深さ5.0mmの錠剤収納部を、1列あたり5箇所として2列(合計10箇所)形成した。 次いで、前記積層フィルムのうち、前記錠剤収納部が開口している側の面に、アルミシート(厚さ20μm)をヒートシールによりラミネートした。
次いで、得られたラミネート体中の前記積層フィルムに対して、その厚さ方向において、基材層の第1面から第2中間層にまで到達する(換言すると、柔軟層をその厚さ方向において貫通する)スリットを、スリット刃を用いて形成した。このとき、前記スリット刃の温度を130℃とした。
次いで、前記ラミネート体を、横40mm、縦100mm程度の大きさで打ち抜き、試験片を得た。
以上により、積層フィルムにおいて、その幅方向の全域に、図8に示すようにスリットが形成されている試験片を作製した。
次いで、試験片を、その前記スリットが形成されている部位において、スリットが形成されている面(換言すると積層フィルム中の基材層の第1面)の為す角度が90°となるように折り曲げた。
次いで、試験片の折り曲げを解消し(換言すると、試験片の前記角度を0°とし)、さらに同じ部位において、試験片を、そのスリットが形成されていない面(換言するとアルミシートの露出面)の為す角度が90°となるように、反対側に折り曲げた。
このような2回の折り曲げを行った後の試験片を目視観察し、試験片(積層フィルム)の分割性を下記基準に従って評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
A:試験片が、そのスリットの形成部位において分割できており、分割性が高い。
B:試験片が、そのスリットの形成部位において分割できておらず、分割性が低い。
[実施例2]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、図3に示す構成の積層フィルムを製造した。
すなわち、基材層及び内層を構成する樹脂フィルムとして、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(住友ベークライト社製「VSS-8142-Z」)を用意した。
柔軟層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレンF222NH」)を用意した。
中間層を構成する樹脂として、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)ラテックスを用意した。
前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを、前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に塗工し、乾燥させることで、中間層を内層上に形成し、内層-中間層積層体を作製した。
別の前記ポリ塩化ビニルフィルム(基材層)の一方の面側と、前記内層-中間層積層体の中間層側に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、前記基材層、柔軟層、及び前記内層-中間層積層体をこの順に積層した。
以上により、基材層(厚さ80μm)、柔軟層(厚さ20μm)、中間層(厚さ50μm)及び内層(厚さ80μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ230μm)を製造した。
得られた積層フィルムにおいて、その厚さTと、柔軟層の前記距離Dは、D=0.43Tの関係を満たしていた。
<<積層フィルムの評価>>
上記で得られた積層フィルムを用いて、実施例1の場合と同じ方法で、試験片を作製した。
より具体的には、上記で得られた積層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、ラミネート体を作製し、前記ラミネート体中の前記積層フィルムに対して、その厚さ方向において、基材層の第1面から中間層にまで到達する(換言すると、柔軟層をその厚さ方向において貫通する)スリットを、スリット刃を用いて形成した。このとき、前記スリット刃の温度を130℃とした。
次いで、前記ラミネート体を、横40mm、縦100mm程度の大きさで打ち抜き、試験片を得た。
以上により、積層フィルムにおいて、その幅方向の全域に、図9に示すようにスリットが形成されている試験片を作製した。
次いで、この試験片を用いて、実施例1の場合と同じ方法で、その分割性(積層フィルムの分割性)を評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、図1に示す構成の積層フィルムを製造した。
すなわち、基材層及び内層を構成する樹脂フィルムとして、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(住友ベークライト社製「VSS-8142-Z」)を用意した。
第1柔軟層及び第2柔軟層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレンF222NH」)を用意した。
第1中間層及び第2中間層を構成する樹脂として、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)ラテックスを用意した。
前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、第1柔軟層を基材層上に形成し、基材層-第1柔軟層積層体を作製した。
前記基材層-第1柔軟層積層体中の第1柔軟層の露出面に、前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを塗工し、乾燥させることで、第1中間層を第1柔軟層上に形成し、基材層-第1柔軟層-第1中間層積層体を作製した。
前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを、前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に塗工し、乾燥させることで、第2中間層を内層上に形成し、内層-第2中間層積層体を作製した。
前記基材層-第1柔軟層-第1中間層積層体の第1中間層側と、前記内層-第2中間層積層体の第2中間層側に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、前記基材層-第1柔軟層-第1中間層積層体、柔軟層、及び前記内層-第2中間層積層体をこの順に積層した。
以上により、基材層(厚さ80μm)、第1柔軟層(厚さ30μm)、第1中間層(厚さ30μm)、第2柔軟層(厚さ30μm)、第2中間層(厚さ30μm)及び内層(厚さ100μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ300μm)を製造した。
得られた積層フィルムにおいて、その厚さTと、第2柔軟層の前記距離Dは、D=0.57Tの関係を満たしていた。
<<積層フィルムの評価>>
上記で得られた積層フィルムを用いて、実施例1の場合と同じ方法で、試験片を作製した。
より具体的には、上記で得られた積層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、ラミネート体を作製し、前記ラミネート体中の前記積層フィルムに対して、その厚さ方向において、基材層の第1面から第2中間層にまで到達する(換言すると、第1柔軟層及び第2柔軟層をその厚さ方向において貫通する)スリットを、スリット刃を用いて形成した。このとき、前記スリット刃の温度を130℃とした。
次いで、前記ラミネート体を、横40mm、縦100mm程度の大きさで打ち抜き、試験片を得た。
以上により、積層フィルムにおいて、その幅方向の全域に、図7に示すようにスリットが形成されている試験片を作製した。
次いで、この試験片を用いて、実施例1の場合と同じ方法で、その分割性(積層フィルムの分割性)を評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、図4に示す構成の積層フィルムを製造した。
すなわち、基材層を構成する樹脂フィルムとして、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)フィルム(ハネウェル社製「Aclar UltRx 3000」)を用意した。
内層を構成する樹脂フィルムとして、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(住友ベークライト社製「VSS-8142-Z」)を用意した。
柔軟層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレンF222NH」)を用意した。
前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、柔軟層を内層上に形成し、内層-柔軟層積層体を作製した。
前記内層-柔軟層積層体中の柔軟層の露出面に、前記ポリクロロトリフルオロエチレンフィルムをドライラミネートすることにより、前記内層-柔軟層積層体及び前記基材層を積層した。
以上により、基材層(厚さ76μm)、柔軟層(厚さ51μm)及び内層(厚さ191μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ318μm)を製造した。
得られた積層フィルムにおいて、その厚さTと、柔軟層の前記距離Dは、D=0.4Tの関係を満たしていた。
<<積層フィルムの評価>>
上記で得られた積層フィルムを用いて、実施例1の場合と同じ方法で、試験片を作製した。
より具体的には、上記で得られた積層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、ラミネート体を作製し、前記ラミネート体中の前記積層フィルムに対して、その厚さ方向において、基材層の第1面から内層にまで到達する(換言すると、柔軟層をその厚さ方向において貫通する)スリットを、スリット刃を用いて形成した。このとき、前記スリット刃の温度を130℃とした。
次いで、前記ラミネート体を、横40mm、縦100mm程度の大きさで打ち抜き、試験片を得た。
以上により、積層フィルムにおいて、その幅方向の全域に、図10に示すようにスリットが形成されている試験片を作製した。
次いで、この試験片を用いて、実施例1の場合と同じ方法で、その分割性(積層フィルムの分割性)を評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、図4に示す構成の積層フィルムを製造した。
すなわち、基材層を構成する樹脂として、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)ラテックスを用意した。
内層を構成する樹脂フィルムとして、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(住友ベークライト社製「VSS-8142-Z」)を用意した。
柔軟層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレンF222NH」)を用意した。
前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、柔軟層を内層上に形成し、内層-柔軟層積層体を作製した。
前記内層-柔軟層積層体中の柔軟層の露出面に、前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを塗工し、乾燥させることで、基材層を柔軟層上に形成し、前記内層-柔軟層積層体及び前記基材層を積層した。
以上により、基材層(厚さ50μm)、柔軟層(厚さ30μm)及び内層(厚さ200μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ280μm)を製造した。
得られた積層フィルムにおいて、その厚さTと、柔軟層の前記距離Dは、D=0.29Tの関係を満たしていた。
<<積層フィルムの評価>>
上記で得られた積層フィルムを用いて、実施例1の場合と同じ方法で、試験片を作製した。
より具体的には、上記で得られた積層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、ラミネート体を作製し、前記ラミネート体中の前記積層フィルムに対して、その厚さ方向において、基材層の第1面から内層にまで到達する(換言すると、柔軟層をその厚さ方向において貫通する)スリットを、スリット刃を用いて形成した。このとき、前記スリット刃の温度を130℃とした。
次いで、前記ラミネート体を、横40mm、縦100mm程度の大きさで打ち抜き、試験片を得た。
以上により、積層フィルムにおいて、その幅方向の全域に、図10に示すようにスリットが形成されている試験片を作製した。
次いで、この試験片を用いて、実施例1の場合と同じ方法で、その分割性(積層フィルムの分割性)を評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、基材層、中間層、柔軟層及び内層がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルムを製造した。
すなわち、基材層及び内層を構成する樹脂フィルムとして、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(住友ベークライト社製「VSS-8142-Z」)を用意した。
柔軟層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレンF222NH」)を用意した。
中間層を構成する樹脂として、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)ラテックスを用意した。
前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを、前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に塗工し、乾燥させることで、中間層を基材層上に形成し、基材層-中間層積層体を作製した。
別の前記ポリ塩化ビニルフィルム(内層)の一方の面側と、前記基材層-中間層積層体の中間層側に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、前記基材層-中間層積層体、柔軟層、及び前記内層をこの順に積層した。
以上により、基材層(厚さ80μm)、中間層(厚さ50μm)、柔軟層(厚さ20μm)及び内層(厚さ80μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ230μm)を製造した。
得られた積層フィルムにおいて、その厚さTと、柔軟層の前記距離Dは、D=0.65Tの関係を満たしていた。
<<積層フィルムの評価>>
上記で得られた積層フィルムを用いて、実施例1の場合と同じ方法で、試験片を作製した。
より具体的には、上記で得られた積層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、ラミネート体を作製し、前記ラミネート体中の前記積層フィルムに対して、その厚さ方向において、基材層の第1面から内層にまで到達する(換言すると、柔軟層をその厚さ方向において貫通する)スリットを、スリット刃を用いて形成した。このとき、前記スリット刃の温度を130℃とした。
次いで、前記ラミネート体を、横40mm、縦100mm程度の大きさで打ち抜き、試験片を得た。
以上により、積層フィルムにおいて、その幅方向の全域にスリットが形成されている試験片を作製した。
次いで、この試験片を用いて、実施例1の場合と同じ方法で、その分割性(積層フィルムの分割性)を評価した。結果を表2に示す。
[比較例2]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、基材層、第1中間層、第1柔軟層、第2中間層、第2柔軟層及び内層がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルムを製造した。
すなわち、基材層及び内層を構成する樹脂フィルムとして、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(住友ベークライト社製「VSS-8142-Z」)を用意した。
第1柔軟層及び第2柔軟層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレンF222NH」)を用意した。
第1中間層及び第2中間層を構成する樹脂として、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)ラテックスを用意した。
前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、第2柔軟層を内層上に形成し、内層-第2柔軟層積層体を作製した。
前記内層-第2柔軟層積層体中の第2柔軟層の露出面に、前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを塗工し、乾燥させることで、第2中間層を第2柔軟層上に形成し、内層-第2柔軟層-第2中間層積層体を作製した。
前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを、前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に塗工し、乾燥させることで、第1中間層を基材層上に形成し、基材層-第1中間層積層体を作製した。
前記内層-第2柔軟層-第2中間層積層体の第2中間層側と、前記基材層-第1中間層積層体の第1中間層側に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、前記内層-第2柔軟層-第2中間層積層体、第1柔軟層、及び前記基材層-第1中間層積層体をこの順に積層した。
以上により、基材層(厚さ100μm)、第1中間層(厚さ30μm)、第1柔軟層(厚さ30μm)、第2中間層(厚さ30μm)、第2柔軟層(厚さ30μm)及び内層(厚さ80μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ300μm)を製造した。
得られた積層フィルムにおいて、その厚さTと、第2柔軟層の前記距離Dは、D=0.67Tの関係を満たしていた。
<<積層フィルムの評価>>
上記で得られた積層フィルムを用いて、実施例1の場合と同じ方法で、試験片を作製した。
より具体的には、上記で得られた積層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、ラミネート体を作製し、前記ラミネート体中の前記積層フィルムに対して、その厚さ方向において、基材層の第1面から内層にまで到達する(換言すると、第1柔軟層及び第2柔軟層をその厚さ方向において貫通する)スリットを、スリット刃を用いて形成した。このとき、前記スリット刃の温度を130℃とした。
次いで、前記ラミネート体を、横40mm、縦100mm程度の大きさで打ち抜き、試験片を得た。
以上により、積層フィルムにおいて、その幅方向の全域にスリットが形成されている試験片を作製した。
次いで、この試験片を用いて、実施例1の場合と同じ方法で、その分割性(積層フィルムの分割性)を評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、基材層、第1柔軟層、第1中間層、第2柔軟層、第2中間層、第3柔軟層及び内層がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルムを製造した。
すなわち、基材層及び内層を構成する樹脂フィルムとして、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(住友ベークライト社製「VSS-8142-Z」)を用意した。
第1柔軟層、第2柔軟層及び第3柔軟層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレンF222NH」)を用意した。
第1中間層及び第2中間層を構成する樹脂として、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)ラテックスを用意した。
前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、第1柔軟層を基材層上に形成し、基材層-第1柔軟層積層体を作製した。
さらに、同じ方法で、内層-第3柔軟層積層体を作製した。
前記基材層-第1柔軟層積層体中の第1柔軟層の露出面に、前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを塗工し、乾燥させることで、第1中間層を第1柔軟層上に形成し、基材層-第1柔軟層-第1中間層積層体を作製した。
前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを、前記ポリ塩化ビニルフィルムの一方の表面に塗工し、乾燥させることで、第1中間層を基材層上に形成し、基材層-第1中間層積層体を作製した。
前記内層-第3柔軟層積層体中の第3柔軟層の露出面に、前記ポリ塩化ビニリデンラテックスを塗工し、乾燥させることで、第2中間層を第3柔軟層上に形成し、内層-第3柔軟層-第2中間層積層体を作製した。
前記基材層-第1柔軟層-第1中間層積層体中の第1中間層の露出面と、前記内層-第3柔軟層-第2中間層積層体中の第2中間層の露出面に、前記低密度ポリエチレンを押出ラミネートすることにより、前記基材層-第1柔軟層-第1中間層積層体、第2柔軟層、及び前記内層-第3柔軟層-第2中間層積層体をこの順に積層した。
以上により、基材層(厚さ80μm)、第1柔軟層(厚さ30μm)、第1中間層(厚さ30μm)、第2柔軟層(厚さ30μm)、第2中間層(厚さ30μm)、第3柔軟層(厚さ30μm)及び内層(厚さ100μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ330μm)を製造した。
得られた積層フィルムにおいて、その厚さTと、第3柔軟層の前記距離Dは、D=0.7Tの関係を満たしていた。
<<積層フィルムの評価>>
上記で得られた積層フィルムを用いて、実施例1の場合と同じ方法で、試験片を作製した。
より具体的には、上記で得られた積層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、ラミネート体を作製し、前記ラミネート体中の前記積層フィルムに対して、その厚さ方向において、基材層の第1面から内層にまで到達する(換言すると、第1柔軟層、第2柔軟層及び第3柔軟層をその厚さ方向において貫通する)スリットを、スリット刃を用いて形成した。このとき、前記スリット刃の温度を130℃とした。
次いで、前記ラミネート体を、横40mm、縦100mm程度の大きさで打ち抜き、試験片を得た。
以上により、積層フィルムにおいて、その幅方向の全域にスリットが形成されている試験片を作製した。
次いで、この試験片を用いて、実施例1の場合と同じ方法で、その分割性(積層フィルムの分割性)を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0007294539000001
Figure 0007294539000002
上記結果から明らかなように、実施例1~5の積層フィルム(試験片)は、分割性が高かった。
実施例1~5の積層フィルムにおいて、基材層から最も遠くに配置されている柔軟層の、基材層の第1面からの距離Dは、積層フィルムの厚さTに対して、0.57T以下(0.29T~0.57T)であった。
これに対して、比較例1~3の積層フィルム(試験片)は、分割性が低かった。
比較例1~3の積層フィルムにおいて、基材層から最も遠くに配置されている柔軟層の、基材層の第1面からの距離Dは、積層フィルムの厚さTに対して、0.65T以上であった。
本発明は、医薬品や食品等の包装体に利用可能である。
1,2,3,4・・・積層フィルム
11・・・基材層
11a・・・基材層の第1面
12・・・柔軟層
12a・・・柔軟層の第1面
121・・・第1柔軟層
122・・・第2柔軟層
122a・・・第2柔軟層の第1面
13・・・中間層
131・・・第1中間層
132・・・第2中間層
14・・・内層
10・・・包装体
10b・・・スリット
T・・・積層フィルムの厚さ
D・・・基材層の第1面と、柔軟層の第1面と、の間の距離(柔軟層の、基材層の第1面からの距離)
11・・・基材層の厚さ
14・・・内層の厚さ

Claims (6)

  1. スリットが形成されている積層フィルムを備えた包装体であって、
    前記積層フィルムは、少なくとも基材層及び柔軟層が、これらの厚さ方向において積層されて構成されており、
    前記基材層は、前記積層フィルムの一方の最表層であり、
    前記積層フィルムが、前記柔軟層を1層だけ備えている場合、前記積層フィルムの厚さをTとしたとき、前記基材層の前記柔軟層側とは反対側の面と、前記柔軟層の前記基材層側とは反対側の面と、の間の距離は、0.6T以下であり、
    前記積層フィルムが、前記柔軟層を複数層備えている場合、前記積層フィルムの厚さをTとしたとき、前記基材層の前記柔軟層側とは反対側の面と、前記柔軟層のうち、前記基材層から最も遠くに配置されている柔軟層の前記基材層側とは反対側の面と、の間の距離は、0.6T以下であり、
    前記柔軟層は、低密度ポリエチレンを含み、
    前記積層フィルムが、さらに、前記基材層側とは反対側の最表層として内層を備え、
    前記内層の厚さが、前記基材層の1倍以上であり、
    前記内層は、ポリ塩化ビニルを含み、
    前記積層フィルムが、前記柔軟層を1層だけ備えている場合、前記スリットは、前記基材層から前記柔軟層の内部にまで到達しており、前記スリットは、前記柔軟層に対しては、前記柔軟層の厚さ方向において、前記柔軟層の厚さの1/2以上の深さにまで形成されており、
    前記積層フィルムが、前記柔軟層を複数層備えている場合、前記スリットは、前記基材層から、前記柔軟層のうち、前記基材層から最も遠くに配置されている柔軟層の内部にまで到達しており、前記スリットは、前記柔軟層のうち、前記基材層から最も遠くに配置されている柔軟層に対しては、前記最も遠くに配置されている柔軟層の厚さ方向において、前記最も遠くに配置されている柔軟層の厚さの1/2以上の深さにまで形成されており、
    前記積層フィルムの厚さは、200~400μmである、包装体。
  2. 前記積層フィルムが、さらに、前記基材層よりも前記柔軟層側に中間層を備えている、請求項1に記載の包装体。
  3. 前記積層フィルムが水蒸気バリア層を備えている、請求項1又は2に記載の包装体。
  4. 前記水蒸気バリア層が、ポリ塩化ビニリデン及びポリクロロトリフルオロエチレンのいずれか一方又は両方を含む、請求項3に記載の包装体。
  5. 前記基材層がポリ塩化ビニルを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の包装体。
  6. 前記積層フィルムが医薬品包装用である、請求項1~5のいずれか一項に記載の包装体。
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