JP2014090748A - 眼科撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被検者毎に経過観察するのに十分な情報を取得する。
【解決手段】 光スキャナと、光源から発せられた測定光の被検眼での反射光と参照光との干渉状態を検出する検出器と、を有し、検出器からの出力信号に基づいて被検眼の断層画像を撮像する撮像光学系を備える眼科撮影装置であって、予め、眼科撮影装置によって取得された少なくとも1つ以上の撮影画像から、操作手段の操作によって選択された撮影画像と,撮影画像の撮影条件と,を経過観察用の基準データとして設定する基準データ設定手段と、少なくとも1つ以上の基準データから、操作手段の操作信号に基づいて、基準データを経過観察用の撮影データとして設定する撮影データ設定手段と、撮影データとして設定された基準データに基づいて、撮影光学系を制御し、被検眼の断層像を取得する制御手段と、を備える。
【選択図】 図1

Description

被検眼の断層像を撮影する眼科撮影装置に関する。
眼科撮影装置として、光走査部(例えば、ガルバノミラー)を用いて眼底上で測定光を走査し、眼底像を得る、眼底断層像撮影装置(例えば、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT))や眼底正面像撮影装置(例えば、走査型検眼装置(Scanning Laser Opthalmoscope:SLO))などが知られている(特許文献1参照)。
病変部の観察を行う場合、検者は、眼底正面像から病変部(注目部分)を確認し、眼底正面像から病変部の位置(部位)を選択する。例えば、検者が、眼底正面像上において所望の走査ラインを選択すると、選択された走査位置に対応する一枚の断層像が表示される。
従来において、経過観察は、一人の患者に対して、所定の撮影条件にて、断層像が取得され、その断層像に対して、時間をおいて再度撮影を行うことによって、その病変の経過を観察していくことによって行う。
特開2008−29467号公報
しかしながら、被検者毎に疾患や、疾患の部位は異なり、固定の撮影パターンでのみ撮影を行い、その撮影結果から、経過観察をするものでは、病変の経過を観察するのに十分な情報を取得できないことがあった。
上記従来技術の問題点に鑑み、被検者毎に経過観察するのに十分な情報を取得することができる眼科撮影装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 光源から発せられた光を被検眼上で走査させるための光スキャナと、光源から発せられた測定光の被検眼での反射光と参照光との干渉状態を検出する検出器と、を有し、前記検出器からの出力信号に基づいて被検眼の断層画像を撮像する撮像光学系を備える眼科撮影装置であって、予め、前記眼科撮影装置によって取得された少なくとも1つ以上の撮影画像から、操作手段の操作によって選択された該撮影画像と,該撮影画像の撮影条件と,を経過観察用の基準データとして設定する基準データ設定手段と、前記基準データ設定手段によって、設定された少なくとも1つ以上の前記基準データから、前記操作手段の操作信号に基づいて、前記基準データを経過観察用の撮影データとして設定する撮影データ設定手段と、前記撮影データとして設定された前記基準データに基づいて、前記撮影光学系を制御し、被検眼の断層像を取得する制御手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼科撮影装置において、前記撮影データ設定手段は、設定された少なくとも1つ以上の前記基準データから前記操作手段の操作によって、選択された複数の前記基準データを組み合わせた前記撮影データを設定し、前記制御手段は、前記撮影データとして設定された複数の前記基準データ毎の撮影条件に基づいて、前記撮像光学系を制御し、複数の前記基準データの撮影条件毎に被検眼眼底の断層像を連続的に取得することを特徴とする。
(3) (1)又は(2)の眼科撮影装置において、前記撮影データ設定手段は、前記撮影データ設定後において、前記操作手段の操作により、前記撮影データへの前記基準データの追加及び前記撮影データからの前記基準データの削除の少なくともいずれかが行われると、前記撮影データを再設定することを特徴とする。
(4) (1)〜(3)のいずれかの眼科撮影装置において、表示部に前記基準データ設定手段によって設定された前記基準データを表示する表示制御手段を備え、前記基準データ設定手段は、予め、前記眼科撮影装置によって取得された少なくとも1つ以上の撮影画像から、前記操作手段の操作によって選択された該撮影画像において、該撮影画像と,該撮影画像の撮影条件と,該撮影画像を識別可能であって、該操作手段の操作によって設定される付帯情報と,を前記基準データとして設定し、前記表示制御手段は、前記撮影データを設定する設定画面において、前記撮影画像とともに該撮影画像に対応する前記付帯情報を表示することを特徴とする。
(5) (1)〜(4)のいずれかの眼科撮影装置において、前記眼科撮影装置によって予め取得された前記撮影画像は、異なる複数の撮影条件にて、該眼科撮影装置によって連続的に撮影された撮影画像であって、前記基準データ設定手段は、前記操作手段の操作によって選択された前記撮影画像と該撮影画像の撮影条件とを一括に基準データとして設定することを特徴とする。
(6) (1)〜(5)のいずれかの眼科撮影装置において、前記撮影条件は、少なくとも、スキャンパターン、走査位置情報、最適化情報、固視位置情報、のいずれかの情報を含んでいることを特徴とする。
(7) 光源から発せられた光を被検眼上で走査させるための光スキャナと、光源から発せられた測定光の被検眼での反射光と参照光との干渉状態を検出する検出器と、を有し、前記検出器からの出力信号に基づいて被検眼の断層画像を撮像する撮像光学系を備える眼科撮影装置の動作を制御する制御装置において実行される眼科撮影プログラムであって、前記制御装置のプロセッサによって実行されることで、予め、被検眼の断層画像を撮像する眼科撮影装置によって取得された撮影画像から、操作手段の操作によって選択された該撮影画像の撮影条件を経過観察用の基準データとして設定する基準データ設定ステップと、前記基準データ設定ステップによって、設定された少なくとも1つ以上の前記基準データから、前記操作手段の操作信号に基づいて、前記基準データを経過観察用の撮影データとして設定する撮影データ設定ステップと、前記撮影データ設定ステップによって、前記撮影データとして設定された前記基準データに基づいて、前記眼科撮影装置を制御し、断層画像を取得させる制御ステップと、を前記制御装置に実行させることを特徴とする。
本発明によれば、被検者毎に経過観察するのに十分な情報を取得することができる。
本実施例に係る眼科撮影装置の構成について説明する概略構成図である。 断層像及び正面像の撮影画面の一例を示す図である。 断層像及び正面像撮影直後の確認画面の一例を示す図である。 モニタ上に表示されるベースライン設定のための入力画面の一例を示す図である。 基準画面の一例を示す図である。 撮影データ設定後の撮影画面の一例を示す図である。
<概要>
以下、本発明に係る実施形態を図1〜図6の図面に基づいて説明する。なお、本実施形態においては、被検者眼(眼E)の軸方向をZ方向、水平方向をX方向、鉛直方向をY方向として説明する。眼底の表面方向をXY方向として考えても良い。
<概要>
本発明の実施形態に係る眼科撮影装置の概要について説明する。本実施形態に関わる眼科撮影装置(光コヒーレンストモグラフィーデバイス)10は、干渉光学系100、観察光学系200、表示部(モニタ)75、操作手段(操作部)74、制御部(CPU)70、を備える。
干渉光学系(撮像光学系)100は、走査手段(光スキャナ)108、検出器120を有し、被検眼の断層画像を得る。光スキャナ108は、光源102から発せられた光を被検眼上で二次元的に走査する。検出器120は、光源から発せられた測定光と参照光との干渉状態を検出する。
操作部74は、検者によって操作される。操作部74には、例えば、マウス74a、トラックボール、タッチパネルなどのユーザーインターフェースが用いられる。
モニタ75は、例えば、PCに設けられたディスプレイ、眼科撮影装置に設けられたディスプレイが用いられる。モニタ75は、タッチパネルであってもよい。なお、モニタ75がタッチパネルである場合に、モニタ75が操作部として機能する。
本実施形態において、上記記載の眼科撮影装置によって、撮影された撮影画像のフォローアップ撮影において、以下のような構成を備える。
検者は、操作部74を操作し、予め、眼科撮影装置によって取得された少なくとも1つ以上の撮影画像から、基準データ(ベースライン)として設定する撮影画像を選択する。検者によって、基準データとして設定する撮影画像が選択されると、制御部70は、選択された撮影画像と、その撮影画像の撮影条件と、を経過観察用の基準データとして設定する。次いで、例えば、検者は、操作部74を操作し、上記のようにして、撮影画像より設定された少なくとも1つ以上の基準データから、フォローアップ撮影(経過観察用の撮影)を行う基準データを選択する。制御部70は、少なくとも1つ以上の基準データから、操作部74の操作信号に基づいて、選択された基準データを経過観察用の撮影データとして設定する。例えば、撮影データの設定は、検者による基準データからの選択によって設定される構成に限定されない。フォローアップ撮影の撮影データの初期設定において、基準データの設定とともに、設定された基準データを撮影データとして設定する構成としてもよい。
例えば、撮影条件は、少なくとも、スキャンパターン、走査位置情報、最適化情報、固視位置情報のいずれかの情報を含んでいる。
例えば、基準データとしては、撮影画像の他に、撮影画像と付帯情報とを基準データとして、設定する構成が挙げられる。そして、制御部70は、モニタ75に基準データを表示する。このとき、制御部70は、撮影データを設定する設定画面において、撮影画像とともに撮影画像に対応する付帯情報を表示する。
例えば、付帯情報は、撮影画像の撮影条件と,撮影画像等を識別可能とするものである。例えば、付帯情報は、タグ82に表示される名称で表示される。例えば、タグ82には、中心窩付近の黄斑疾患、乳頭周辺の緑内障、中心窩付近の緑内障、等の名称が添付される。このように、各ベースライン毎に、名称が添付されていることによって、各ベースラインがどのような撮影条件(撮影位置やスキャンパターンや固視位置)で撮影されたものであるか、撮影の目的(例えば、緑内障の観察)で行ったものであるか等を識別することが可能となる。これによって、検者は、検者が所望するベースラインを組み合わせて、撮影データを設定し、撮影データに基づいて撮影を行うことによって、所望のフォローアップ撮影を行うことが可能となる。
例えば、付帯情報は、検者による操作部74の操作によって文字や数字等が入力され設定される構成としてもよい。また、例えば、撮影条件に基づいて、自動的に設定される構成としてもよい。この場合、例えば、制御部70は、撮影位置、スキャンパターン、固視位置等の情報から、名称を選択し、設定する構成等が挙げられる。
なお、例えば、眼科撮影装置10によって予め取得される撮影画像が、異なる複数の撮影条件にて、眼科撮影装置10によって連続的に撮影された撮影画像である場合、制御部70は、操作部74の操作によって選択された撮影画像と撮影画像の撮影条件とを一括に基準データとして設定する。例えば、予め設定された所定の撮影条件で複数の撮影を連続的に行うコンボ撮影が挙げられる。例えば、コンボ撮影として、複数のスキャンパターンにて、各撮影を順に連続で行うような場合、コンボ撮影にて撮影の行われた複数のスキャンパターンを一括でベースラインとして設定する。このような構成とすることによって、複数の撮影を一括でベースラインとして設定可能となるため、ベースライン及び撮影データの設定が効率的かつ容易になる。
フォローアップ撮影時において、制御部70は、撮影データとして設定された基準データの撮影条件に基づいて、光スキャナ108を制御し、被検眼の断層像を取得する。
例えば、撮影データは、複数の基準データの組み合わせによって設定される。この場合、制御部70は、撮影データとして設定された複数の基準データ毎の撮影条件に基づいて、光スキャナ108を制御し、複数の基準データの撮影条件毎に被検眼眼底の断層像を連続的に取得する。このような構成とすることによって、フォローアップ撮影を行うベースラインの撮影が連続的に行われるため、手間無くスムーズにフォローアップ撮影を行うことができる。
なお、撮影データは、設定した後であっても、ベースラインの組み合わせの編集が可能である。例えば、検者は、フォローアップ撮影時に追加又は削除した基準データを選択する。制御部70は、撮影データ設定後において、検者の選択によって、撮影データへ追加及び撮影データからの前記基準データの削除の少なくともいずれかが行われると、撮影データを再設定する。このような構成とすることによって、撮影データにおけるベースラインの追加ができるため、さらに、異なる撮影条件での経過観察が可能となる。これによって、例えば、病変が大きく進行し、設定されたベースライン以外での撮影条件にて、経過観察を行いたい場合に対応することが可能となる。また、撮影データにおけるベースラインの削除が可能となるため、余分な撮影をする必要がなくなり、スムーズにフォローアップ撮影を行うことが可能となる。
なお、本実施形態においては、上記実施形態に記載した装置に限定されない。例えば、上記実施形態の機能を行う眼科撮影ソフトウェア(プログラム)をネットワークや各種記憶媒体を介して、システムあるいは装置に供給する。そして、システムあるいは装置のコンピュータ(例えば、CPU等)がプログラムを読み出し、実行することも可能である。
例えば、眼科撮影プログラムは、光源から発せられた光を被検眼上で走査させるための光スキャナ108と、光源から発せられた測定光の被検眼での反射光と参照光との干渉状態を検出する検出器120と、を有し、検出器120からの出力信号に基づいて被検眼の断層画像(断層像)を撮像する眼科撮影装置10の動作を制御する制御装置において実行される。そして、眼科撮影プログラムは、制御装置のプロセッサによって実行されることで、予め、被検眼の断層画像を撮像する眼科撮影装置10によって取得された撮影画像から、操作部74の操作によって選択された撮影画像の撮影条件を経過観察用の基準データとして設定する基準データ設定ステップと、基準データ設定ステップによって、設定された少なくとも1つ以上の基準データから、操作部74の操作によって、選択された基準データを経過観察用の撮影データとして設定する撮影データ設定ステップと、撮影データ設定ステップによって、撮影データとして設定された基準データの撮影条件に基づいて、眼科撮影装置10を制御し、断層画像を取得させる制御ステップと、を制御装置に実行させる。
<実施例>
図1は本実施例に係る眼科撮影装置の構成について説明する概略構成図である。本装置は、被検者眼Eの眼底Efの断層像を撮影するための眼科撮影装置(光コヒーレンストモグラフィーデバイス)10である。眼科撮影装置10は、干渉光学系(OCT光学系)100と、正面観察光学系200と、固視標投影ユニット300と、演算制御部(CPU)70と、を含む。
OCT光学系100は、眼底に測定光を照射する。OCT光学系100は、眼底から反射された測定光と、参照光との干渉状態を受光素子(検出器120)によって検出する。OCT光学系100は、眼底Ef上の撮像位置を変更するため、眼底Ef上における測定光の照射位置を変更する照射位置変更ユニット(例えば、光スキャナ108、固視標投影ユニット300)を備える。制御部70は、設定された撮像位置情報に基づいて照射位置変更ユニットの動作を制御し、検出器120からの受光信号に基づいて断層像を取得する。
<OCT光学系>
OCT光学系100は、いわゆる眼科用光断層干渉計(OCT:Optical coherence tomography)の装置構成を持ち、眼Eの断層像を撮像する。OCT光学系100は、測定光源102から出射された光をカップラー(光分割器)104によって測定光(試料光)と参照光に分割する。そして、OCT光学系100は、測定光学系106によって測定光を眼Eの眼底Efに導き,また、参照光を参照光学系110に導く。その後、眼底Efによって反射された測定光と,参照光との合成による干渉光を検出器(受光素子)120に受光させる。
検出器120は、測定光と参照光との干渉状態を検出する。フーリエドメインOCTの場合では、干渉光のスペクトル強度が検出器120によって検出され、スペクトル強度データに対するフーリエ変換によって所定範囲における深さプロファイル(Aスキャン信号)が取得される。例えば、Spectral-domain OCT(SD−OCT)、Swept-source OCT(SS−OCT)が挙げられる。また、Time-domain OCT(TD−OCT)であってもよい。
光スキャナ108は、測定光源から発せられた光を被検眼眼底上で走査させる。例えば、光スキャナ108は、眼底上で二次元的(XY方向(横断方向))に測定光を走査させる。光スキャナ108は、瞳孔と略共役な位置に配置される。光スキャナ108は、例えば、2つのガルバノミラーであり、その反射角度が駆動機構50によって任意に調整される。
これにより、光源102から出射された光束はその反射(進行)方向が変化され、眼底上で任意の方向に走査される。これにより、眼底Ef上における撮像位置が変更される。光スキャナ108としては、光を偏向させる構成であればよい。例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)等が用いられる。
参照光学系110は、眼底Efでの測定光の反射によって取得される反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系110は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであっても良い。参照光学系110は、例えば、反射光学系(例えば、参照ミラー)によって形成され、カップラー104からの光を反射光学系により反射することにより再度カップラー104に戻し、検出器120に導く。他の例としては、参照光学系110は、透過光学系(例えば、光ファイバー)によって形成され、カップラー104からの光を戻さず透過させることにより検出器120へと導く。
参照光学系110は、参照光路中の光学部材を移動させることにより、測定光と参照光との光路長差を変更する(光路長を調整する)構成を有する。例えば、参照ミラーが光軸方向に移動される。光路長差を変更するための構成は、測定光学系106の測定光路中に配置されてもよい。
<正面観察光学系>
正面観察光学系(正面像観察デバイス)200は、眼底Efの正面画像(正面像)を得るために設けられている。観察光学系200は、例えば、光源から発せられた測定光(例えば、赤外光)を眼底上で二次元的に走査させる光スキャナと、眼底と略共役位置に配置された共焦点開口を介して眼底反射光を受光する受光素子と、を備え、いわゆる眼科用走査型レーザ検眼鏡(SLO)の装置構成を持つ。
なお、観察光学系200の構成としては、いわゆる眼底カメラタイプの構成であってもよい。また、OCT光学系100は、観察光学系200を兼用してもよい。すなわち、正面画像は、二次元的に得られた断層像を形成するデータを用いて取得されるようにしてもよい(例えば、三次元断層像の深さ方向への積算画像、XY各位置でのスペクトルデータの積算値、ある一定の深さ方向におけるXY各位置での輝度データ、網膜表層画像、等)。
<固視標投影ユニット>
固視標投影ユニット300は、眼Eの視線方向を誘導するための光学系を有する。投影ユニット300は、眼Eに呈示する固視標を有し、複数の方向に眼Eを誘導できる。
例えば、固視標投影ユニット300は、可視光を発する可視光源を有し、視標の呈示位置を二次元的に変更させる。これにより、視線方向が変更され、結果的に撮像部位が変更される。例えば、撮影光軸と同方向から固視標が呈示されると、眼底の中心部が撮像部位として設定される。また、撮影光軸に対して固視標が上方に呈示されると、眼底の上部が撮像部位として設定される。すなわち、撮影光軸に対する視標の位置に応じて撮影部位が変更される。
固視標投影ユニット300としては、例えば、マトリクス状に配列されたLEDの点灯位置により固視位置を調整する構成、光源からの光を光スキャナを用いて走査させ、光源の点灯制御により固視位置を調整する構成、等、種々の構成が考えられる。また、投影ユニット300は、内部固視灯タイプであってもよいし、外部固視灯タイプであってもよい。
<制御部>
制御部70は、各構成100〜300の各部材など、装置全体を制御する。また、制御部70は、取得された画像を処理する画像処理部、取得された画像を解析する画像解析部、などを兼用する。制御部70は、一般的なCPU(Central Processing Unit)等で実現される。制御部70は、以下に示すように、断層像に基づいて眼底Efを解析する。
制御部70は、OCT光学系100の検出器120から出力される受光信号に基づいて画像処理により断層像を取得すると共に、正面観察光学系200の受光素子から出力される受光信号に基づいて正面像を取得する。また、制御部70は、固視標投影ユニット300を制御して固視位置を変更する。
メモリ(記憶部)72、表示モニタ75、コントロール部74は、それぞれ制御部70と電気的に接続されている。制御部70は、モニタ75の表示画面を制御する。取得された眼底像は、モニタ75に静止画又は動画として出力される他、メモリ72に記憶される。メモリ72は、例えば、撮影された断層像(例えば、三次元断層像)、正面画像、各断層像の撮影位置情報等の撮影に係る各種情報を記録する。また、メモリ72は、眼科撮影装置の動作を制御するための制御プログラム(眼科撮影プログラム)を記憶している。
なお、撮影された画像に関する各種情報は、患者毎にメモリ72に記憶され、管理される。例えば、患者毎の各種情報は、患者毎に付与されたIDによって識別される。検者は、撮影画面や解析画面等において、患者IDを入力することによって、撮影された画像を入力されたIDの患者の情報としてメモリ72に記憶させることができる。また、入力されたIDの患者の各種情報がメモリ72より読み出されモニタ75の画面上に表示される。患者IDは、装置の電源投入時等で新規に登録することによって患者毎に付与される。例えば、新規の患者の撮影を行う場合には、新たな患者IDを入力し、新たな患者専用のデータを作成する。このとき、例えば、患者IDとともに、性別、氏名、生年月日等の情報が入力され、メモリ72に登録される。
制御部70は、コントロール部74から出力される操作信号に基づいて、OCT光学系100、正面観察光学系200、固視標投影ユニット300の各部材を制御する。コントロール部74には、検者によって操作される操作部材としてマウス74aが接続されている。
モニタ75は、装置本体に搭載された表示モニタであってもよいし、パーソナルコンピュータの表示モニタであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
なお、本実施例においては、OCT光学系100が観察光学系200を兼ねる場合を例として説明する。制御部70は、光スキャナ108を制御して測定光を二次元に走査し、検出器120から出力される受光信号に基づいて断層像と正面像を動画像として得る。そして、取得された断層像と正面像をモニタ75に表示する。
以上のような構成を備える装置において、その制御動作について説明する。制御部70は、メモリ72に記憶された制御プログラムに従って、以下説明する処理を実行する。検者は、固視標投影ユニット300の固視標を注視するように被検者に指示した後、図示無き前眼部観察用カメラで撮影される前眼部観察像をモニタ75で見ながら、被検眼の瞳孔中心に測定光軸がくるように、図示無きジョイスティックを用いて、アライメント操作を行う。
そして、制御部70は、光スキャナ108の駆動を制御し、眼底上で測定光を所定方向に関して走査させ、走査中に検出器120から出力される出力信号から所定の走査領域に対応する受光信号を取得して眼底像を形成する。
以下、本実施例に係る眼底断層像(以下、断層像と記載する)及び眼底正面像(以下、正面像と記載する)の取得手法の一例を示す。制御部70は、検出器120によって検出されたスペクトルデータを処理し、画像処理により断層像及び正面像を形成させる。断層像と正面像は、同時に取得されてもよいし、交互に取得されてもよいし、順次取得されてもよい。すなわち、スペクトルデータは、断層像及び正面像の少なくともいずれかの取得に用いられる。なお、取得された断層像及び正面像は、モニタ75に表示される。
検者は、所望の位置にて、図示無き撮影スイッチを操作する。制御部70は、撮影スイッチの操作に応じて、モニタ75上に表示されている正面像及び断層像の三次元断層像の取得を開始し、静止画として、メモリ72に記憶させる。
制御部70は、OCT光学系100を制御し、設定された領域に対応する三次元断層像を取得する。そして、制御部70は、OCT光学系100によって三次元断層像を随時取得する。なお、三次元断層像には、XY方向に関して二次元的にAスキャン信号を並べた画像データ、三次元グラフィック画像、などが含まれる。
三次元断層像を得るとき、制御部70は、光スキャナ108の動作を制御し、撮像領域に対応する走査範囲において測定光をXY方向に二次元的に走査させることにより三次元断層像を取得する。三次元断層像を得るための走査パターンとしては、例えば、ラスタースキャン、ラジアルスキャン等が考えられる。
<フォローアップ撮影>
本実施例において、眼科撮影装置10は、フォローアップ撮影機能を備えている。以下、フォローアップ撮影について説明する。
検者は、眼科撮影装置10の電源を入れた後、操作部74を操作し、所定の患者のIDを入力する。患者のIDが入力されると、制御部70は、入力されたIDに対応する患者の基準画面を表示する。なお、基準画面とは、患者の撮影画像、年齢や性別といった各種情報、画像撮影や画像解析に移行するため各種切換スイッチ、等が一覧表示された患者毎の初期画面を示している(詳細は後述する)。
検者は、基準画面上において、操作部74を操作し、画像の撮影に移行するための撮影スイッチを選択する。撮影スイッチが選択されると、制御部70は、モニタ75の表示画面を基準画面から断層像の撮影を行うための撮影画面に切り換える。これによって、入力されたIDに対応する患者の撮影を行うことができるようになる。
<撮影条件の設定>
図2は、断層像及び正面像の撮影画面の一例を示す図である。また、図3は、断層像及び正面像撮影直後の確認画面の一例を示す図である。検者の操作に従って、撮影が行われ、正面像及び断層像が取得されると、撮影画面(図2参照)から確認画面(図3参照)へと切り換わる。ここで、確認画面では、撮影画像の保存やベースラインの設定等が行われる(詳細は後述する)。
撮影画面(図2参照)上には、正面像40、断層像45、スキャンラインS、が表示される。スキャンラインSは、正面像40上に表示され、正面像40上における断層像45の取得位置を電子的に表示した指標である。
撮影を行う場合、検者は、操作部74を操作し、撮影条件の設定を行う。例えば、撮影条件の設定としては、スキャンパターン、走査位置(断層像取得位置)、最適化制御(例えば、光路長調整、フォーカス調整、偏光状態の調整)、固視位置等の設定を行う。なお、撮影条件としては、撮影日や左右眼情報(左右のどちらの眼であるかを示す情報)等も含めてもよい。
例えば、走査位置を設定する場合、検者は、操作部74を操作し、正面像40上でのスキャンラインSの表示位置を移動させる。制御部70は、操作部74から入力される操作信号に基づいて、正面像40上でのスキャンラインSの表示位置を移動させ、正面像40上のスキャンラインSに対応する位置(部位)に光スキャナ108による測定光の走査位置を設定する。なお、走査位置の設定はこれに限定されない。例えば、正面画像上で移動可能なポインタ(例えば、十字マーク、ドットマーク、ペンマーク、矢印等)をモニタ75上に表示する。そして、ポインタを移動させることによって正面画像上で指標(走査位置)を移動させ、測定光の走査位置を設定する構成であってもよい。
また、例えば、スキャンパターンを設定する場合、検者は、操作部74を操作し、スキャンパターンリスト30より、スキャンパターン(例えば、ラインスキャン、クロススキャン、マップスキャン、マルチスキャン、ラジアルスキャン、サークルスキャン等)を選択する。制御部70は、操作部74から入力される操作信号に基づいて、正面像40上でのスキャンラインSの形状の表示を設定されたスキャンパターンの表示へと変更する。
最適化制御を行う場合、例えば、検者は、操作部74を操作し、最適化開始スイッチ62を選択する。制御部70は、最適化制御を開始するためのトリガ信号を発し、最適化の制御動作を開始する。制御部70は、光路長調整、フォーカス調整、偏光状態の調整(ポラライザ調整)、の調整を行う。なお、フォーカス調整は、例えば、光軸方向に移動可能な図示無きフォーカス用光学部材(フォーカシングレンズ)を用いて行われる。フォーカス調整では、フォーカシングレンズを光軸方向に移動することによって、被検者眼底に対する視度を補正する。なお、ポラライザ調整では、測定光の光路又は参照光の光路に配置される図示無きポラライザ(偏光素子)を駆動させることにより、測定光と参照光の偏光状態を略一致させる。
検者によって、撮影条件の設定が行われ、図示無き撮影スイッチが操作されると、制御部70は、モニタ75上に表示されている正面像及び断層像を取得する。撮影が完了すると、撮影した画像の確認画面へと移行する。確認画面(図3参照)上には、撮影した正面像40と断層像45が表示される。正面像上には、撮影した位置を示すスキャンラインSが表示される。また、撮影された画像が一覧表示されたリスト35が表示されている。リスト35には、撮影した画像が一覧表示されており、検者は、操作部74によって、リスト35から撮影画像を選択し、撮影画像をメモリ72に記憶させるか否かを選択することができる。
<基準データ(ベースライン)設定>
ここで、撮影された撮影画像によって経過観察を行う手段について説明する。初めに、検者は、所定の撮影条件によって撮影された撮影画像(正面像及び断層像)から、経過観察を行う際に、経過観察用の基準データ(ベースライン)となる撮影画像を選択する。
検者は、撮影後の確認画面(図3参照)において、撮影画面のモニタ75に表示されたベースライン設定スイッチ65を選択すると、制御部70は、モニタ75上に表示されている撮影画像及びその撮影条件をベースラインとして設定するための入力画面66を表示する。
図4は、モニタ75上に表示されるベースライン設定のための入力画面66の一例を示す図である。制御部70は、ベースラインを設定する際、モニタ75上にベースラインに付与するタグの名称(タイトル)を記載するための入力画面66を表示する。例えば、入力画面66には、正面像67、タイトル入力欄68、決定ボタン66a、キャンセルボタン66b等が表示される。正面像67としては、ベースラインとして設定される正面像が表示される。タイトル入力欄68は、タグの名称を入力するための入力欄を示している。決定ボタン66aは、撮影画像及びその撮影条件をベースラインとして設定し、メモリ72に記憶させるために用いられる。キャンセルボタン66bは、撮影画像をベースラインとして設定することをキャンセルするために用いられる。キャンセルボタン66bが選択されると、撮影画面に戻る。なお、入力画面において、正面像67の他に任意の断層像を表示する構成としてもよい。
入力画面において、例えば、検者によって、操作部74が操作され、タイトル入力欄68に文字や数字等が入力される。タイトル入力後、検者によって、決定ボタン66aが選択されることによって、制御部70は、撮影画像をベースラインとしてメモリ72に記憶させる。なお、ベースラインは、各患者毎に設定され、管理される。すなわち、ベースラインは、各患者ID毎にメモリ72に記憶される。また、ベースラインには、ベースライン毎にそれぞれタグが付与され、タイトル入力欄68にて、検者によって入力された文字や数字等がタグの名称として記憶される。タグは、複数のベースラインを設定した際の、ベースラインの識別等に用いることができる。すなわち、各ベースラインには、それぞれ名称が異なるタグが対応付けされ表示され、タグの名称を確認することによって各ベースラインを識別することができる(詳細は後述する)。なお、タグのタイトルは、設定後にも、編集可能である。
なお、本実施例においては、タグの名称をベースライン設定のための入力画面66で設定する構成としたがこれに限定されない。タグのタイトルは、どのタイミングでも設定可能である。例えば、タイトルは、撮影した画像を観察する際の解析画面で設定するようにしてもよい。なお、ベースラインにタグを付与しない構成としてもよいし、タグにタイトルを設定せず、撮影条件で設定された内容(例えば、スキャンパターンの名称等)がタグに表示される構成としてもよい。
また、タグの名称は、自動的に付与される構成してもよい。例えば、撮影位置や撮影時のスキャンパターン、固視位置等の情報に基づいて、タグの名称が選択される構成が挙げられる。
以上のようにして、撮影画像より、経過観察に用いるためのベースラインが設定される。なお、本実施例においては、撮影を行ったときに、撮影した撮影画像をベースラインとして設定するかどうかを選択する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。予め、撮影された画像であればよい。例えば、リスト35よりベースラインとして設定する撮影画像を選択してもよい。また、例えば、撮影した画像を観察する際の解析画面上や基準画像上で設定するようにしてもよい。なお、解析画面は、撮影した断層像から層の検出を行い、層厚マップ等を作成し、表示する解析用の表示画面である(詳細は後述する)。
<撮影データの設定>
上記のように、ベースラインを設定した場合、ベースラインは、基準画像上で確認することができる。以下、ベースライン設定後のフォローアップ撮影の動作について説明する。
図5は、基準画面の一例を示す図である。基準画面80では、所定の患者の撮影結果及び患者の各種情報(例えば、年齢、性別等)等を一覧することができる。基準画像80は、患者毎にメモリ72に記憶され、管理される。基準画像80は、患者毎に振り分けられたIDによって識別される。例えば、上記記載のように撮影完了後、基準画面への切換信号が出力されることによって、撮影画面から基準画像への切換が行われる。なお、切換信号の出力は、例えば、撮影完了のスイッチが選択された場合、撮影画像のメモリ72への保存の有無の決定時、基準画面への切換スイッチが選択された場合、等によって出力が行われることが挙げられる。また、異なる日時において撮影をする場合に、患者毎の基準画面に移行する際には、患者IDを入力することによって、入力されたIDの患者の基準画面80がメモリ72より読み出され表示される。
例えば、基準画面80には、ベースライン群81、境界線85、撮影画像群87等が表示される。ベースライン群81は、ベースラインとして設定された複数の撮影画像を並べて表示したものである。すなわち、複数のベースライン81a〜81dを並べて表示したものである。撮影画像群87は、ベースラインとして設定されていない撮影画像を並べて表示したものである。境界線85は、ベースライン群81と撮影画像群87との境界を示している。境界線85より上方には、ベースライン群81が表示され、境界線85より下方には、撮影画像群87が表示される。
検者は、ベースライン群81より、フォローアップ撮影を行うのに必要な少なくとも1つ以上のベースラインを選択する。すなわち、検者は、フォローアップ撮影を行う際に、ベースライン群より選択されたベースラインの組み合わせによってフォローアップ撮影を行うことができる。
ここで、検者は、各ベースライン毎に添付されたタグ82の名称を確認して、ベースラインの撮影条件や撮影目的を識別することができる。すなわち、検者は、各ベースライン毎に記憶された撮影条件をタグ82によって識別し、フォローアップ撮影に用いる撮影データを設定する。
例えば、タグ82には、中心窩付近の黄斑疾患、乳頭周辺の緑内障、中心窩付近の緑内障、等の名称が添付されている。このように、各ベースライン毎に、名称が添付されていることによって、各ベースラインがどのような撮影条件(撮影位置やスキャンパターンや固視位置)で撮影されたものであるか、撮影の目的(例えば、緑内障の観察)で行ったものであるか等を識別することが可能となる。これによって、検者は、検者が所望するベースラインを組み合わせて、撮影データを設定し、撮影データに基づいて撮影を行うことによって、所望のフォローアップ撮影を行うことが可能となる。なお、撮影条件としては、タグ82の情報でなく、画像から識別することも可能である。例えば、検者は、取得した正面像40上に表示されたスキャンラインS等を確認して、撮影条件を確認することができる。
なお、タグ82として、図5に示す表示形式のタグに限定されない。タグ82は、ベースラインの撮影条件や撮影目的を識別できる構成であればよく、種々の表示形式で表示可能である。例えば、タグ82は、ベースラインの画像の近傍に配置される構成や、撮影画像上に重畳表示する構成、タイトルのみが一覧表示される構成等が挙げられる。
例えば、検者は、緑内障を観察するためのフォローアップ撮影を行う場合、タグ82を見て、緑内障のフォローアップ撮影に必要なベースラインをベースライン群81より選択する。検者によって、操作部74が操作され、ベースラインが選択されると、選択されたベースラインがフレームによって囲まれる。例えば、フレームには、色等が付される。なお、フレームに限定されない。選択されたベースラインが識別できるものであればよい。例えば、選択されたベースラインのタグ又はベースライン全体の色が変更される構成であってもよい。
検者によって、ベースラインが選択されると、制御部70は、選択されたベースラインを撮影データとして設定する。なお、撮影データの設定は、左右それぞれの被検眼に対して行われる。本実施例において、左右眼それぞれで、片眼ずつ設定を行い、片眼の撮影が完了後、他方の眼の撮影データ設定及び撮影を行う。
なお、本実施例においては、片眼の設定及び撮影後、他方の眼の設定及び撮影に移行する構成としたがこれに限定されない。例えば、左右眼の撮影データを設定した後、撮影を行う構成としてもよい。この場合、一方の眼の撮影後、他方の眼の撮影を連続的に行う。なお、左右の眼を連続的に撮影する場合には、一方の眼の撮影が完了すると、他方の眼に自動的に装置本体が移動され、撮影が開始される構成としてもよい。また、検者によって、図示無きジョイスティック等の操作によって、装置本体が移動され、撮影が行われる構成としてもよい。この場合、装置本体が他方の眼に移動されるとともに、その移動量によって自動的に、撮影画面が他方の眼の撮影用に切り換えられてもよいし、切換スイッチ等によって切り換える構成としてもよい。
そして、撮影データ設定後、フォローアップ撮影は、撮影データとして選択されたベースラインの撮影条件に基づいて行われる。
ここで、本実施例において、撮影データは、撮影データを設定した後においても変更可能である。すなわち、撮影データは、適宜カスタムが可能な構成となっている。例えば、既に以前に設定された撮影データにおいて、検者によって、操作部74が操作され、新規のベースライン(撮影データとして未設定であったベースライン)を撮影データとして選択すると、制御部70は、設定されていた撮影データに新規のベースラインを追加し、撮影データを再設定する。また、既に以前に設定された撮影データにおいて、検者によって、操作部74が操作され、設定されていたベースラインを撮影データから削除する選択をすると、制御部70は、設定されていた撮影データにから選択されたベースラインを削除し、撮影データを再設定する。
このような構成とすることによって、撮影データにおけるベースラインの追加ができるため、さらに、異なる撮影条件での経過観察が可能となる。これによって、例えば、病変が大きく進行し、設定されたベースライン以外での撮影条件にて、経過観察を行いたい場合に対応することが可能となる。また、撮影データにおけるベースラインの削除が可能となるため、余分な撮影をする必要がなくなり、スムーズにフォローアップ撮影を行うことが可能となる。
<撮影動作>
撮影データが設定されると、検者は、基準画面80上において、操作部74を操作し、画像の撮影に移行するための撮影スイッチを選択する。撮影スイッチが選択されると、制御部70は、モニタ75の表示画面を基準画面から断層像の撮影を行うための撮影画面に切り換える。
図6は、撮影データ設定後の撮影画面の一例を示す図である。撮影画面上には、正面像40、断層像45、スキャンラインS、撮影データリスト36等が表示される。例えば、撮影データリスト36は、撮影データとして設定されたか否かにかかわらず、全てのベースラインが一覧表示されたものである。各ベースラインには、各ベースラインに添付されたタグの名称や各ベースラインの撮影条件の情報が表示されており、各ベースラインの識別が可能となっている。
また、各ベースラインの内、撮影データとして設定されたベースラインにおいては、撮影データとして設定しているという目印表示36aが表示される。例えば、目印表示36aは、円、三角形、等の表示で表わされる(本実施例においては、円表示で示される)。また、撮影データとして設定されていないベースラインには、撮影データとして設定されていないという目印表示36bが表示される。例えば、目印表示36bは、横線、縦線、スラッシュ、等の表示が挙げられる。もちろん、目印表示36bを表示せず、空欄にする構成も挙げられる。
検者によって、アライメント操作が行われ、図無き撮影スイッチが操作されると、制御部70は、撮影データとして設定された各ベースラインに基づいて、表示されている正面像及び断層像の取得をする。例えば、ベースラインとしては、フォローアップ撮影時におけるテンプレートとして用いられる撮影画像と、フォローアップ撮影時におけるOCT光学系100の制御を行うために用いられる撮影条件とが、の少なくともいずれかが挙げられる。複数のベースラインにて撮影データが設定されている場合、制御部70は、撮影データとして設定されたベースラインの撮影条件にて、順に撮影を行う。例えば、撮影を行うベースラインの順序としては、撮影データとして設定した順番にて撮影を行うことや、撮影データ設定中に任意に撮影の順番を設定し、設定された順番にて撮影を行う等の構成が挙げられる。 制御部70は、ベースラインとして設定した撮影画像をテンプレートとして、撮影画像とのテンプレートマッチングを行う。制御部70は、ベースラインの撮影条件に基づいて、OCT光学系100を制御し、撮影を行う。例えば、OCT光学系100の制御としては、光スキャナ108の制御や図示無き固視標の制御等が挙げられる。撮影時において、例えば、撮影データリスト36上において、撮影中のベースラインの欄に撮影中を示す表示が表示される。例えば、目印表示36aの色や形状等の変更、撮影中であるベースラインの欄の色の変更等が挙げられる。なお、テンプレート用の撮影画像において、撮影データとして複数のベースラインが設定されている場合には、複数のベースラインの内の1つのベースラインの撮影画像をテンプレートとしてもよいし、ベースライン毎にテンプレートを変更する構成としてもよい。もちろん、ベースラインの内、検者が任意に設定したベースラインの撮影画像のみをテンプレートとして用いるようにしてもよい。
また、テンプレートの設定において、例えば、病変が大きく進行し、設定されたベースラインでのフォローアップ撮影が困難となった場合に、撮影データのベースラインを再設定することができる構成としてもよい。例えば、最新の撮影画像を新規のベースライン(新規の撮影画像)に変更する構成が挙げられる。このような構成とすることによって、被検眼の状態が大きく変更し、ベースラインでの撮影条件で設定を行う際に、設定の基準とする撮影画像が大きく変化してしまい、撮影画像間での比較(後述するテンプレートと撮影画像との比較)が困難になった場合に有用となる。すなわち、最新の撮影画像を新規のベースライン(新規の撮影画像)に変更ができるため、フォローアップ撮影が成功する可能性を大きくすることができる。すなわち、経過観察用の撮影データとして設定されるデータは、撮影条件に限定されず、フォローアップ撮影時におけるテンプレートとして用いられる撮影画像であってもよい。 制御部70は、1つのベースラインの撮影条件にて撮影が完了すると、次のベースラインの撮影条件にて光スキャナを制御して撮影を行う。このような、撮影条件を変更する制御を、撮影データとして設定された全てのベースラインの撮影が完了するまで、連続的に行うことによって、フォローアップ撮影を行う。
なお、本実施例においては、全てのベースラインの撮影が完了するまで、撮影を連続的に行う構成としたがこれに限定されない。ベースライン毎に撮影が中断される構成としてもよいし、所定数のベースラインを撮影すると、撮影が中断される構成としてもよい。また、検者の操作によって撮影が中断可能な構成としてもよい。
各ベースラインの撮影が完了すると、制御部70は、取得した正面像及び断層像を取得時の撮影条件に対応するベースラインへ記憶する。そして、撮影後、検者は、基準画面80に戻り、各ベースラインのそれぞれを選択することによって、各ベースライン毎に異なる日時で取得された正面像及び断層像を観察する。例えば、検者によって、1つのベースラインが選択されると、選択されたベースラインの撮影条件にて取得された正面像及び断層像がモニタ75上に並列表示される。すなわち、所定の撮影条件にて異なる日時で撮影された正面像及び断層像が並列表示されるため、検者は、これらの撮影画像を比較して、経過観察を行うことができる。
以上のように、本発明によって、複数のベースラインを撮影データとして設定できるため、一括してフォローアップ撮影を行うことができ、各撮影データで個々に撮影を行うような手間が軽減される。これによって、検者の負担が軽減されるとともに、フォローアップ撮影時に撮り逃しをするような失敗が軽減される。また、経過観察を行う際の撮影条件を任意に変更可能であるため、必要に応じて、撮影を追加及び削除することができる。これによって、経過観察するのに十分な情報を取得ができるとともに、撮影の効率化を図ることができる。
<変容例>
なお、本発明は、撮影の目的(例えば、緑内障、加齢性黄斑変性等)に応じて、予め設定された所定の撮影条件で複数の撮影を連続的に行うコンボ撮影時においても、適用可能である。例えば、コンボ撮影として、複数のスキャンパターンにて、各撮影を順に連続で行うような場合、コンボ撮影にて撮影の行われた複数のスキャンパターンを一括でベースラインとして設定する。もちろん、複数のスキャンパターンにおいて、検者の任意のスキャンパターンのみを選択して、ベースラインとして設定してもよい。また、コンボ撮影で行った複数のスキャンパターンをベースラインとして設定した後、自動的にコンボ撮影にて撮影されたベースラインの全てを撮影データとして設定するようにしてもよい。なお、撮影データの設定後、ベースラインの追加及び削除は可能である構成としてもよい。これらのような構成とすることによって、複数の撮影を一括でベースラインとして設定可能となるため、ベースライン及び撮影データの設定が効率的かつ容易になる。
なお、本発明において、患者の内で撮影カテゴリ(例えば、緑内障、黄斑疾患等)作成して、撮影カテゴリ毎にベースラインが設定される構成を設けてもよい。この場合、検者が撮影カテゴリを選択すると、タブの名称から選択した撮影カテゴリに該当するベースラインを抽出し、撮影データとして設定される。撮影カテゴリ毎に抽出するベースラインの設定は、予め、検者によって撮影カテゴリ毎にベースラインを設定しておく構成が挙げられる。もちろん、予め、撮影カテゴリ毎にベースラインを設定しておかない構成としてもよい。この場合、例えば、検者が撮影カテゴリを選択した際に、各ベースラインのタブの名称に撮影カテゴリの名称を含むベースラインを抽出する構成等が挙げられる。
また、撮影カテゴリ毎にフォローアップ撮影を行うのに最適な時期を報知する構成としてもよい。例えば、撮影カテゴリの名称が緑内障であれば、3ヶ月後撮影等の情報を表示する。また、撮影カテゴリ毎に、撮影を行うの最適な時期を算出し、最適な時期(その日の診断で必要となる時期)となった際に、撮影を行うべき報知を表示するようにしてもよい。もちろん、自動的に、撮影カテゴリの内、その日に撮影に最適な時期がきている撮影カテゴリを抽出し、抽出した撮影カテゴリのベースラインを撮影データとして設定する構成としてもよい。このような構成によって、その日のフォローアップ撮影に必要な撮影のみを迅速に設定することが可能となり、撮影を効率的に行うことが可能となる。
なお、本実施例においては、眼科撮影装置として、眼底を撮影する光断層像撮影装置について説明したがこれに限定されない。本発明は、前眼部の断層像を撮影する光断層像撮影装置においても、適用可能である。
なお、本実施例において、フォローアップ撮影中に、ベースラインの撮影画像を表示するような構成としてもよい。また、ベースラインの撮影画像の解析結果を表示する構成としてもよい。例えば、解析結果としては、層の検出結果、撮影画像の輝度強度等が挙げられる。
なお、本実施例においては、左右眼において、撮影データをそれぞれ設定する構成としたがこれに限定されない。一方の眼の撮影データが設定されると、他方の眼も同様の撮影データにて設定される構成としてもよい。
なお、本発明においては、本実施例に記載した装置に限定されない。例えば、上記実施例の機能を行う眼科撮影ソフトウェア(プログラム)をネットワークや各種記憶媒体を介して、システムあるいは装置に供給する。そして、システムあるいは装置のコンピュータ(例えば、CPU等)がプログラムを読み出し、実行することも可能である。
70 制御部
72 メモリ
74 コントロール部
74a マウス
75 モニタ
100 干渉光学系(OCT光学系)
108 光スキャナ
120 検出器
200 正面像観察光学系
300 固視標投影ユニット

Claims (7)

  1. 光源から発せられた光を被検眼上で走査させるための光スキャナと、光源から発せられた測定光の被検眼での反射光と参照光との干渉状態を検出する検出器と、を有し、前記検出器からの出力信号に基づいて被検眼の断層画像を撮像する撮像光学系を備える眼科撮影装置であって、
    予め、前記眼科撮影装置によって取得された少なくとも1つ以上の撮影画像から、操作手段の操作によって選択された該撮影画像と,該撮影画像の撮影条件と,を経過観察用の基準データとして設定する基準データ設定手段と、
    前記基準データ設定手段によって、設定された少なくとも1つ以上の前記基準データから、前記操作手段の操作信号に基づいて、前記基準データを経過観察用の撮影データとして設定する撮影データ設定手段と、
    前記撮影データとして設定された前記基準データに基づいて、前記撮影光学系を制御し、被検眼の断層像を取得する制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 請求項1の眼科撮影装置において、
    前記撮影データ設定手段は、設定された少なくとも1つ以上の前記基準データから前記操作手段の操作によって、選択された複数の前記基準データを組み合わせた前記撮影データを設定し、
    前記制御手段は、前記撮影データとして設定された複数の前記基準データ毎の撮影条件に基づいて、前記撮像光学系を制御し、複数の前記基準データの撮影条件毎に被検眼眼底の断層像を連続的に取得することを特徴とする眼科撮影装置。
  3. 請求項1又は2の眼科撮影装置において、
    前記撮影データ設定手段は、前記撮影データ設定後において、前記操作手段の操作により、前記撮影データへの前記基準データの追加及び前記撮影データからの前記基準データの削除の少なくともいずれかが行われると、前記撮影データを再設定することを特徴とする眼科撮影装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの眼科撮影装置において、
    表示部に前記基準データ設定手段によって設定された前記基準データを表示する表示制御手段を備え、
    前記基準データ設定手段は、予め、前記眼科撮影装置によって取得された少なくとも1つ以上の撮影画像から、前記操作手段の操作によって選択された該撮影画像において、該撮影画像と,該撮影画像の撮影条件と,該撮影画像を識別可能であって、該操作手段の操作によって設定される付帯情報と,を前記基準データとして設定し、
    前記表示制御手段は、前記撮影データを設定する設定画面において、前記撮影画像とともに該撮影画像に対応する前記付帯情報を表示することを特徴とする眼科撮影装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかの眼科撮影装置において、
    前記眼科撮影装置によって予め取得された前記撮影画像は、異なる複数の撮影条件にて、該眼科撮影装置によって連続的に撮影された撮影画像であって、
    前記基準データ設定手段は、前記操作手段の操作によって選択された前記撮影画像と該撮影画像の撮影条件とを一括に基準データとして設定することを特徴とする眼科撮影装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかの眼科撮影装置において、
    前記撮影条件は、少なくとも、スキャンパターン、走査位置情報、最適化情報、固視位置情報、のいずれかの情報を含んでいることを特徴とする眼科撮影装置。
  7. 光源から発せられた光を被検眼上で走査させるための光スキャナと、光源から発せられた測定光の被検眼での反射光と参照光との干渉状態を検出する検出器と、を有し、前記検出器からの出力信号に基づいて被検眼の断層画像を撮像する撮像光学系を備える眼科撮影装置の動作を制御する制御装置において実行される眼科撮影プログラムであって、
    前記制御装置のプロセッサによって実行されることで、
    予め、被検眼の断層画像を撮像する眼科撮影装置によって取得された撮影画像から、操作手段の操作によって選択された該撮影画像の撮影条件を経過観察用の基準データとして設定する基準データ設定ステップと、
    前記基準データ設定ステップによって、設定された少なくとも1つ以上の前記基準データから、前記操作手段の操作信号に基づいて、前記基準データを経過観察用の撮影データとして設定する撮影データ設定ステップと、
    前記撮影データ設定ステップによって、前記撮影データとして設定された前記基準データに基づいて、前記眼科撮影装置を制御し、断層画像を取得させる制御ステップと、
    を前記制御装置に実行させることを特徴とする眼科撮影プログラム。
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