JP2014089849A - 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の導電性微粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子の個数平均粒子径は8〜50μmであり、前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率は100〜3000N/mm2であり、前記樹脂粒子を直径が60%変位するまで圧縮したときの回復率(%)をA、前記樹脂粒子を直径が10%変位するまで圧縮したときの回復率(%)をBとすると、A/Bの値が1.5以上となることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明における樹脂粒子は、粒子を直径が60%変位するまで圧縮したときの回復率(60%圧縮時回復率)をA、該樹脂粒子を直径が10%変位するまで圧縮したときの回復率(10%圧縮時回復率)をBとしたときに、A/Bの値が1.5以上となるものである。この60%圧縮時回復率/10%圧縮時回復率(A/B)の値が前記範囲であると、該樹脂粒子を十分に軟質化した時でも良好な接続信頼性を維持することができる。前記A/Bの値は、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上、さらに好ましくは3.0以上、最も好ましくは3.5以上である。本発明では、例えば後述する特定の単量体成分で樹脂粒子を形成することにより、60%圧縮時回復率Aおよび10%圧縮時回復率Bを制御し、ひいては60%圧縮時回復率/10%圧縮時回復率(A/B)の値を前記範囲に制御することができる。
回復率(%)=(L2/L1)×100
なお、本発明でいう樹脂粒子の個数平均粒子径や粒子径の変動係数は、コールターカウンター法により測定した値であり、測定方法については実施例において後述する。
樹脂粒子を構成する前記架橋性モノマーとしては、架橋可能なものであればよく、具体的には、ビニル基を少なくとも含むビニル系架橋性単量体、少なくともケイ素原子を含むとともに加水分解性基(アルコキシ基等)および/またはビニル基を含むシラン系架橋性単量体等が挙げられる。ビニル基を有する単量体を用いれば、ビニル基が重合した骨格が形成され、かかる骨格が加圧接続時の優れた弾性変形に寄与する。一方、加水分解性基を有するシラン系単量体を用いれば、加水分解縮合反応により生じるシロキサン結合によりポリシロキサン骨格が形成され、かかる骨格が加圧接続時の被接続体に対する高い接触圧に寄与する。
また多官能アクリレートと多官能メタクリレートの割合(質量比)は、例えば、100/0〜1/99であってもよく、好ましくは100/0〜60/40、さらに好ましくは100/0〜90/10である。
本発明の導電性微粒子は、前記樹脂粒子(基材)の表面に少なくとも一層の導電性金属層が形成されている。導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、錫が導電性に優れた導電性微粒子となることから好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag、Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−Ti);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni、Ag−Sn、Ag−Zn);錫、錫合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Cu−Ag、Sn−Zn、Sn−Sb、Sn−Bi−Ag、Sn−Bi−In、Sn−Au、Sn−Pb等)等が好ましい。中でもニッケル、ニッケル合金が好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金、ニッケル−銀等の組合せが好ましく挙げられる。
なお、導電性微粒子の個数平均粒子径としては、フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて求めた、3000個の粒子の個数基準の平均粒子径を採用することが好ましい。
前記絶縁性樹脂層としては、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート重合体および共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂やその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂等)等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂およびこれらの混合物;等が挙げられる。但し、基材粒子(樹脂粒子)に比べて絶縁性樹脂層が余りにも硬過ぎる場合には、絶縁性樹脂層の破壊よりも先に基材粒子自体が破壊してしまうおそれがある。したがって、絶縁性樹脂層には、未架橋または比較的架橋度の低い樹脂を用いることが好ましい。
前記突起の数は特に限定されないが、高い接続信頼性を確保する点から導電性微粒子の表面を電子顕微鏡で観察したときの任意の正投影面において、少なくとも1個以上の突起を有することが好ましく、より好ましくは5個以上、さらに好ましくは10個以上である。
まず基材とする前記樹脂粒子の製造方法について説明する。
樹脂粒子の製造方法としては、上述の単量体成分を重合するものであれば、特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、分散重合、シード重合、ゾルゲルシード重合法等の従来公知の方法を採用できる。樹脂粒子の粒子径の制御が容易であり粒度分布の小さい樹脂粒子が得られやすいという点では、例えば、シード重合法により樹脂粒子を合成した後、分級する方法等が好ましく採用される。
吸収倍率=(吸収させる吸収モノマーの総質量)/(シード粒子の質量)
合成後、必要に応じて分級された樹脂粒子は、通常、乾燥され、場合によっては焼成に付される。乾燥温度は特に限定されないが、通常50℃〜250℃の範囲である。
導電性金属層の形成方法および絶縁性樹脂層の形成方法は特に限定されないが、例えば導電性金属層は、基材表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなるものである。かかる異方性導電材料は、低圧での加圧接続に供した際にも、接続信頼性を損なうことなく初期抵抗を十分に下げることができる。
異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基板同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサーおよびその組成物)も含まれる。異方性導電材料の好適な用途としてはタッチパネルの入力用、LED用などが挙げられ、特にタッチパネルの実装用に好適に用いられる。
なお、本発明の異方性導電材料は、前記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を分散させ、所望の形態とすることで得られるが、例えば、バインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用し、接続しようとする基材間や電極端子間に導電性微粒子をバインダー樹脂とともに存在させることによって接続してもかまわない。
各種物性の測定は以下の方法で行った。
<シード粒子および樹脂粒子の個数平均粒子径・変動係数(CV値)>
樹脂粒子の場合には、樹脂粒子0.1部に、乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料とし、シード粒子の場合には、加水分解、縮合反応で得られた分散液をポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液により希釈したものを測定試料として、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径(μm)を測定し、個数平均粒子径を求めた。また樹脂粒子については、個数平均粒子径とともに個数基準での粒子径の標準偏差をも求め、下記式に従って粒子径の変動係数(CV値)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数平均粒子径)
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、基材粒子(樹脂粒子)3000個の個数平均粒子径X(μm)および導電性微粒子3000個の個数平均粒子径Y(μm)を測定した。なお、測定は、粒子0.25部に、乳化剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)430」)の1.4%水溶液17.5部を加え、超音波で10分間分散させた後に行なった。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「軟質表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(0.441N/秒(0.045kgf/秒))で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%になったときの荷重値(10%圧縮荷重値)(mN)とそのときの変位量(μm)を測定した。他方、同様にして、圧縮変位が粒子径の60%になったときの荷重値(60%圧縮荷重値)(mN)も測定した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。そして、得られた10%圧縮荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、そのとき得られた変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、樹脂粒子の平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式に基づき算出した。なお上記測定は、25℃の恒温雰囲気下で行った。
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用い、「軟質表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(0.441N/秒(0.045kgf/秒))で上記で求めた10%圧縮荷重値または60%圧縮荷重値が最大荷重となる様に圧縮し、そのときの変位量(μm)を測定し、これを最大変位量L1とした。次いで、一定の除負荷速度(0.441N/秒(0.045kgf/秒))で最小荷重(0.049mN)まで荷重を減らしていったときの最大荷重から最小荷重までの間の変位量(μm)を測定し、これを回復変位量L2とした。回復率は、最大変位量L1および回復変位量L2から下記式に基づき算出した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。また10%圧縮時の回復率と60%圧縮時の回復率とは別々に測定した。上記測定は25℃の恒温雰囲気下で行った。
回復率(%)=(L2/L1)×100
2−1.基材(樹脂粒子)の作製
(製造例1)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1003.1部と、25%アンモニア水15.4部を入れ、攪拌下、滴下口から、単量体成分(シード形成モノマー)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下「MPTMS」と称することもある)100.0部、及びメタノール173.9部を添加し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有する重合性ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は4.30μmであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が4.94μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品;DVB)375.0部とスチレン(以下「St」と称することもある)125.0部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(2)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
吸収モノマーの種類と使用量をジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品;DVB)250.0部とスチレン(St)250.0部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(3)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
吸収モノマーの種類と使用量をシクロヘキシルメタクリレート(以下「CHMA」と称することもある)800.0部と1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(以下「1.6HX」と称することもある)200.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下80℃で4時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(4)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が3.24μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)2000.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下40℃で12時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(5)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が3.24μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をメチルメタクリレート(以下「MMA」と称することもある)2000.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下80℃で4時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(6)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が4.57μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をメチルメタクリレート(MMA)750.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下80℃で4時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(7)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が3.24μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をt−ブチルメタクリレート(以下「tBMA」と称することもある)2000.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下40℃で12時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(8)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が4.95μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をスチレン(St)600.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下80℃で4時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(9)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が4.76μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をエチルメタクリレート(以下「EMA」と称することもある)2000.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下40℃で12時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(10)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が4.41μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をスチレン(St)1000.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下80℃で4時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(11)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が4.76μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をn−ブチルメタクリレート(以下「nBMA」と称することもある)900.0部と1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(1.6HX)100.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下40℃で12時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(12)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が4.76μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をn−ブチルメタクリレート(nBMA)900.0部と1,9−ノナンジオールジアクリレート(以下「1.9NDA」と称することもある)100.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下40℃で12時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(13)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が4.76μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量をn−ブチルメタクリレート(nBMA)900.0部と1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(以下「1.6HXA」と称することもある)100.0部に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下40℃で12時間乾燥したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(14)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
(実施例1)
樹脂粒子(13)を基材とし、該基材に水酸化ナトリウムによるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液に接触させることによりセンシタイジングし、次いで二塩化パラジウム溶液に浸漬させることによりアクチベーティングする方法(センシタイジング−アクチベーション法)によって、パラジウム核を形成させた。次に、パラジウム核を形成させた樹脂粒子2部をイオン交換水400部に添加し、超音波分散処理を行った後、得られた樹脂粒子懸濁液を70℃の温浴で加温した。このように懸濁液を加温した状態で、別途70℃に加温した無電解めっき液(日本カニゼン(株)製「シューマー(登録商標)S680」)300部を加えることにより、無電解ニッケルめっき反応を生じさせた。水素ガスの発生が終了したことを確認した後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄し、100℃で2時間真空乾燥して、ニッケルめっきを施した粒子を得た。次いで、得られたニッケルめっき粒子を、シアン化金カリウムを含有する置換金めっき液に加え、ニッケル層表面にさらに金めっきを施すことにより、導電性微粒子を得た。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は0.12μmであった。
基材として表1に示す樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚はいずれの例でも0.12μmであった。
実施例および比較例で得られた導電性微粒子を用い、下記の方法で異方性導電材料(異方性導電ペースト)を作製し、その初期抵抗値および接続信頼性を下記の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
すなわち、自転公転式攪拌機を用いて、導電性微粒子2.0部に、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂(三井化学社製「ストラクトボンド(登録商標)XN−5A」)100部を添加して10分間攪拌して分散させ、導電性ペーストを得た。
得られた異方性導電ペーストを、100μmピッチにITO電極が配線されたガラス基板と100μmピッチにアルミパターンを形成したガラス基板との間に挟みこみ、2MPa、150℃の圧着条件で熱圧着するとともに、バインダー樹脂を硬化させることによって接続構造体を得た。
<初期抵抗>
得られた接続構造体の電極間の初期抵抗値を測定し、初期抵抗値が5Ω以下の場合を「○」、5Ωを超える場合を「×」と評価した。
<接続信頼性>
得られた接続構造体を85℃、85%RHの雰囲気下に500時間放置した後、上記初期抵抗の評価と同様にして抵抗値を測定した。そして上記初期抵抗値をaとし、500時間後に測定した抵抗値をbとして、下記式に基づき算出した抵抗値上昇率(%)が3%以下の場合を「○」、3%を超える場合を「×」、と評価した。
抵抗値上昇率(%)=[(b−a)/a]×100
Claims (5)
- 樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、
前記樹脂粒子の個数平均粒子径は8〜50μmであり、
前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率は100〜3000N/mm2であり、
前記樹脂粒子を直径が60%変位するまで圧縮したときの回復率(%)をA、前記樹脂粒子を直径が10%変位するまで圧縮したときの回復率(%)をBとすると、A/Bの値が1.5以上となることを特徴とする導電性微粒子。 - 前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率が2000N/mm2以下である請求項1に記載の導電性微粒子。
- 前記樹脂粒子を直径が10%変位するまで圧縮したときの回復率Bが12%以下である請求項1または2に記載の導電性微粒子。
- 前記樹脂粒子は、多官能アクリレートを含み、かつ該多官能アクリレートを含む全架橋性モノマーの含有率が30.0質量%未満である単量体成分から形成される請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする異方性導電材料。
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