JP2020095925A - 導電粒子用基材粒子、その利用および製造方法 - Google Patents

導電粒子用基材粒子、その利用および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水に対する分散性に優れ、メッキの際に導電粒子用基材粒子の凝集を防止でき、さらに圧痕性能に優れ、その結果、初期抵抗値が低く、かつ接続信頼性が高い導電粒子を作製するための、導電粒子用基材粒子およびその利用技術を提供することを目的とする。【解決手段】有機無機複合粒子において、粒子表面のケイ素原子含有率/粒子中のケイ素原子含有率の値が1.60以上であり、コアシェル粒子ではなく、導電粒子用基材粒子を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は導電粒子用基材粒子、その利用および製造方法に関する。
従来、電子機器の組み立てにおいて、対向する多数の電極や配線間の電気的接続を行うために、異方性導電材料による接続方式が採用されている。異方性導電材料は、導電粒子をバインダー樹脂等に混合した材料である。また、異方性導電材料に用いられる導電粒子としては、金属粒子や基材とする導電粒子用基材粒子の表面を導電性金属層で被覆したものが使用されている。
導電粒子として、特許文献1には、ジビニルベンゼン系粒子をメッキ処理して得られる個数平均粒子径0.5〜2.5μmの導電粒子用基材粒子が開示される。特許文献2には、コアと、前記コアの表面上に配置されたシェルとを有するコアシェル粒子であり、前記コアが有機コアであり、前記シェルが無機シェルである導電性基材粒子が開示されている。特許文献3には、シランカップリング剤からなるシード粒子にプレエマルジョンモノマーを吸収させることにより製造される、有機成分と無機成分とからなる導電性微粒子が開示される。
特開2000−030526号公報 特開2014−160647号公報 国際公開第2012/102199号
しかしながら、特許文献1は、導電粒子の基材となる導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径が小さい場合、導電粒子用基材粒子に導電性金属層をメッキする際に、導電粒子用基材粒子が凝集してしまう場合があるという問題がある。また、特許文献2は、コアとシェルとの界面を有するコアシェル粒子であり、圧縮時に粒子が破壊されるため、接続信頼性に改善の余地がある。特許文献3では、粒子表面が硬質であるため基板配線にクラックが生じる可能性が高く、接続信頼性に改善の余地がある。
本発明の一態様は、導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径に関係なく、水に対する分散性に優れ、圧痕性能に優れ、初期抵抗値が低く、かつ接続信頼性が高い導電粒子を作製するための、導電粒子用基材粒子、その利用技術およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、粒子表面にケイ素原子が特定量以上局在した、コアとシェルとの界面を有さない有機無機複合粒子である導電粒子用基材粒子を用いることにより、導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径に関係なく、水に対する分散性に優れ、また、圧痕性能に優れ、初期抵抗値が低く、かつ接続信頼性が高い導電粒子を得られることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、以下の構成を包含する。
〔1〕有機無機複合粒子において、粒子表面のケイ素原子含有率/粒子中のケイ素原子含有率の値が1.60以上であり、コアと、前記コアの表面上に配置されたシェルを備えるコアシェル粒子ではなく、コアとシェルとの界面が存在しない、導電粒子用基材粒子。
〔2〕前記粒子中のケイ素原子含有率が0.10質量%以上である、〔1〕に記載の導電粒子用基材粒子。
〔3〕10%K値が500N/mm〜10000N/mmである、〔1〕または〔2〕に記載の導電粒子用基材粒子。
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の導電粒子用基材粒子の表面に、少なくとも一層の導電性金属層が形成されている、導電粒子。
〔5〕〔4〕に記載の導電粒子を含む、異方性導電材料。
〔6〕〔4〕に記載の導電粒子と、バインダー樹脂とを含む、異方性導電ペースト。
〔7〕シード粒子にプレエマルジョンを吸収させる工程を含み、前記プレエマルジョン中の3官能シラン系モノマーの比率が、前記プレエマルジョン中のモノマーの総量100質量%に対して、10〜90質量%である、導電粒子用基材粒子の製造方法。
本発明の一態様によれば、水に対する分散性に優れ、圧痕性能に優れ、初期抵抗値が低く、かつ接続信頼性が高い導電粒子を提供することができる。
本発明の一態様によれば、粒子表面にケイ素原子が局在したコアとシェルとの界面を有さない有機無機複合粒子である導電粒子用基材粒子を得ることができる。
実施例2の導電粒子用基材粒子のFE−SEM画像である。 比較例4の導電粒子用基材粒子のFE−SEM画像である。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は「A以上B以下」を意図する。
〔1.導電粒子用基材粒子〕
本発明の一実施形態に係る導電粒子用基材粒子(以下、単に「導電粒子用基材粒子」とも称する。)は、有機無機複合粒子において、粒子表面のケイ素原子含有率/粒子中のケイ素原子含有率の値が1.6以上であり、コアと、前記コアの表面上に配置されたシェルを備えるコアシェル粒子ではなく、コアとシェルとの界面が存在しないものである。
「有機無機複合粒子」とは、シラン化合物を加水分解・縮合することで得られるポリシロキサン骨格構造、および有機質成分の単量体に由来する構造単位を有する粒子を意味する。シラン化合物としては、好ましくは(メタ)アクリロキシ基を有するシラン化合物が挙げられる。また、有機質成分の単量体としては、好ましくはビニル系単量体が挙げられる。
「ビニル系単量体」とは、1分子中に一個または複数のビニル基を有する単量体を意図する。なお、本明細書中、「ビニル基」には、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような重合性炭素−炭素二重結合を有する置換基も含まれるものとする。なお、本明細書において「(メタ)アクリロイル基」、「(メタ)アクリロキシ基」、「(メタ)アクリレート」または「(メタ)アクリル」はそれぞれ、「アクリロイル基、メタクリロイル基の一方または両方」、「アクリロキシ基、メタクリロキシ基の一方または両方」、「アクリレート、メタクリレートの一方または両方」や「アクリル、メタクリルの一方または両方」を示すものとする。
本発明の一実施形態において使用可能なシラン化合物およびビニル系単量体は、〔4.導電粒子用基材粒子の製造方法〕に記載されたものと同様のものが例示される。なお、〔4.導電粒子用基材粒子の製造方法〕では、3官能シラン系モノマーを用いる場合を例に挙げて説明しているが、本発明の一実施形態に係る導電粒子用基材粒子は、シラン化合物を用いるものであればよく、3官能シラン系モノマーを用いる実施態様に限定されない。勿論、3官能シラン系モノマーは特に好ましい実施形態として例示できる。
本発明の一実施形態に係る導電粒子用基材粒子は、粒子表面のケイ素原子含有率/粒子中のケイ素原子含有率の値(すなわち、粒子中のケイ素原子含有率に対する粒子表面のケイ素原子含有率。以下、単に「Si比率」とも称する。)が1.60以上であり、好ましくは、2.00以上である。また、Si比率の上限値は、特に限定されないが、好ましくは、3.50以下である。Si比率が1.60以上であることは、粒子表面にケイ素原子が局在していることを意図する。粒子表面にケイ素原子が局在していることにより、導電粒子用基材粒子表面の硬度が高く、異方性導電ペースト中の樹脂が十分に排除されるため、圧痕性能が優れる。また、導電粒子用基材粒子表面にケイ素原子が局在していることにより、導電粒子用基材粒子の親水性が高くなるため、メッキ時の凝集および/またはムラを抑制することもできる。
「粒子表面のケイ素原子含有率」とは、導電粒子用基材粒子の表面から数nmの厚さの表面層におけるケイ素原子の含有率を意図する。「粒子中のケイ素原子含有率」とは、導電粒子用基材粒子全体におけるケイ素原子の含有率を意図する。粒子表面のケイ素原子含有率および粒子中のケイ素原子含有率は、実施例に記載の方法で測定および算出される。
本発明の一実施形態に係る導電粒子用基材粒子の粒子中のケイ素原子含有率は、特に限定されない。導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径が2.50μm以下である場合は特に、メッキ時に導電粒子用基材粒子が凝集しにくくムラになりにくいため、0.10質量%以上であることが好ましい。さらに、電極間のギャップ保持性能、接続信頼性、樹脂排除性、圧痕性能の観点から、4.00質量%以上であることがより好ましい。導電粒子用基材粒子の粒子中のケイ素原子含有率の上限値は特に限定されないが、導電粒子用基材粒子の硬度の観点から、20.0質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態では、導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径が2.50μm超の大粒子径である場合は、導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径が2.50μm以下である場合と比較して、導電粒子用基材粒子が軟質であるため、Si比率が1.60以上を満たす限りにおいて、粒子中のケイ素原子含有率は、特に限定されない。
本発明の一実施形態に係る導電粒子用基材粒子は、コアシェル粒子ではない。すなわち、導電粒子用基材粒子は、コアと、前記コアの表面上に配置されたシェルを備えておらず、コアとシェルとの界面が存在しない。導電粒子用基材粒子が当該構成であることで、圧縮時の導電粒子用基材粒子の破壊がなく、かつ中程度の柔軟性を有するため、接触面積が大きくなり、接続信頼性に優れる。導電粒子用基材粒子が、コアシェル粒子ではないことは、実施例に記載のように、導電粒子用基材粒子の断面構造を評価することにより、判断することができる。
本発明の一実施形態において、導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径は、特に限定されない。導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径は、個数平均粒子径で、1.00μm〜2.50μmであることが好ましく、2.00μm〜2.50μmであることがより好ましい。導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径が前記範囲内であれば、小粒子径でありながらメッキの際に凝集しにくい。また、個数平均粒子径の個数基準の変動係数は10%以下が好ましく、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは7%以下である。導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径および変動係数は、実施例に記載の方法で測定することができる。
また、本発明の一実施形態において、導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径が2.5μm超の大粒子径である場合でも、大粒子径の導電粒子用基材粒子でも分散性が大幅に改善される。大粒子径の導電粒子用基材粒子は、小粒子径の導電粒子用基材粒子と比較して、軟質な粒子が用いられる。軟質な粒子を設計する場合、ガラス転移温度(Tg)が60℃以下のモノマーを用いるため、小粒子径タイプよりも分散性が特に悪化する傾向がある。しかし、本発明により、分散性および圧痕性能ともに優れ、初期抵抗値に優れる導電粒子用基材粒子が得られる。
ガラス転移温度(Tg)が60℃以下のモノマーとして、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、またはシクロオクチルメタクリレート等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る導電粒子用基材粒子は、当該基材粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が500N/mm〜10000N/mmであることが好ましい。10%K値が、1000N/mm〜6000N/mmであることがより好ましく、2200N/mm〜4000N/mm以下であることがさらに好ましい。10%K値が低い場合、メッキの際に凝集し易く、抵抗値や接続信頼性が悪化しやすい。本発明の一実施形態によれば、かかる問題を回避でき、異方導電接続状態における抵抗値の経時的上昇が抑えられ、優れた接続信頼性が得られる。
〔2.導電粒子〕
本発明の一実施形態に係る導電粒子(以下、単に「導電粒子」とも称する。)は、導電粒子用基材粒子の表面に、少なくとも一層の導電性金属層が形成されている。
導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウムおよびニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、および、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、錫が導電性に優れた導電粒子となることから好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg,P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni、Ag−Sn、Ag−Zn);錫、錫合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Cu−Ag、Sn−Zn、Sn−Sb、Sn−Bi−Ag、Sn−Bi−In、Sn−Au、Sn−Pb等)等が好ましい。
また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよい。複層の場合には、例えば、ニッケル(ニッケル合金)−金、ニッケル(ニッケル合金)−パラジウム、ニッケル(ニッケル合金)−パラジウム−金、ニッケル(ニッケル合金)−銀等の組合せが好ましく挙げられる。
前記導電性金属層の厚さは、0.01μm以上が好ましく、より好ましくは0.03μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上であり、0.20μm以下が好ましく、より好ましくは0.18μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下、一層好ましくは、0.12μm以下、特に好ましくは0.080μm以下である。基材とする導電粒子用基材粒子が微細な個数平均粒子径である導電粒子においては、導電性金属層の厚さが上記範囲内であれば、導電粒子を異方性導電材料として用いる際に、安定した電気的接続が維持できる。
導電性金属層の形成方法は特に限定されず、例えば、基材表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等が挙げられる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
〔3.異方性導電材料〕
本発明の一実施形態に係る異方性導電材料(以下、単に「異方性導電材料」とも称する。)は、上述した導電粒子を含む。
異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基材同士や電極端子に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサーおよびその組成物)も含まれる。
異方性導電材料において、導電粒子の含有率は、用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、異方性導電材料の全量に対して1体積%以上が好ましく、より好ましくは2体積%以上、さらに好ましくは5体積%以上であり、50体積%以下が好ましく、より好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは20体積%以下である。導電粒子の含有率が少なすぎると、充分な電気的導通が得られ難い場合があり、一方、導電粒子の含有率が多すぎると、導電粒子同士が接触してしまい、異方性導電材料としての機能が発揮され難い場合がある。
また、本発明の一実施形態における異方性導電ペースト(以下、単に「異方性導電ペースト」とも称する。)は、上述した導電粒子と、バインダー樹脂とを含むものである。前記異方性導電ペーストは、前記導電粒子がバインダー樹脂に分散してなる。
前記バインダー樹脂としては、絶縁性の樹脂であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマーおよびイソシアネートなどの硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物;光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物;等が挙げられる。
前記異方性導電材料におけるフィルム膜厚、ペーストや接着剤の塗工膜厚、印刷膜厚等については、使用する導電粒子の個数平均粒子径と、接続すべき電極の仕様とを考慮し、接続すべき電極間に導電粒子が狭持され、且つ接続すべき電極が形成された接合基板同士の空隙がバインダー樹脂層により充分に満たされるように、適宜設定することが好ましい。
〔4.導電粒子用基材粒子の製造方法〕
本発明の一実施形態に係る導電粒子用基材粒子の製造方法(以下、単に「製造方法」とも称する。)は、シード粒子にプレエマルジョンを吸収させる工程を含み、前記プレエマルジョン中の3官能シラン系モノマーの比率が、前記プレエマルジョン中のモノマーの総量100質量%に対して、10〜90質量%である。以下、シード粒子にプレエマルジョンを吸収させる工程を単に「吸収工程」とも称する。本発明の一実施形態に係る製造方法により、粒子表面にケイ素原子が特定量以上局在した、コアとシェルとの界面を有さない有機無機複合粒子である導電粒子用基材粒子を得ることができる。
ビニル系単量体および開始剤を含むプレエマルジョンをシード粒子に添加すると、シード粒子とビニル系単量体とは均一に複合化することが知られている。しかし、驚くべきことに、シラン化合物を含むプレエマルジョンをシード粒子に添加すると、シード粒子とシラン化合物とは均一に複合化することなく、シラン化合物由来のケイ素原子がシード粒子の表面に特定量以上局在化することを本発明者らは独自に見出した。これは、シード粒子とプレエマルジョンとの重合過程においてシラン化合物が加水分解され、ケイ素原子を有する親水性官能基が生じ、この親水性官能基が表面に局在するためであると考えられる。
前記吸収工程では、プレエマルジョンをシード粒子に吸収させる。吸収させる方法は、シード粒子の存在下に、プレエマルジョンを存在させた状態で進行するものであれば特に限定されない。したがって、シード粒子を分散させた溶媒中にプレエマルジョンを加えてもよいし、プレエマルジョン中にシード粒子を加えてもよい。なかでも、前者のように、予めシード粒子を分散させた溶媒中に、プレエマルジョンを加えるのが好ましい。特に、加水分解、縮合工程で得られたシード粒子を反応液(シード粒子分散液)から取り出すことなく、この反応液にプレエマルジョンを加える方法は、工程が複雑にならず、生産性に優れるため好ましい。
前記プレエマルジョンは、プレエマルジョン中の3官能シラン系モノマーの比率が、前記プレエマルジョン中のモノマーの総量100質量%に対して、10〜90質量%であれば、その組成は特に限定されない。
前記3官能シラン系モノマーとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメトキシシリルプロピル−β−(メタ)アクリロキシエチルエーテルともいう)等が挙げられる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。なお、「3官能シラン系モノマー」とは、シリル基の保護基のうちアルコキシ基(メトキシ基)の数が3個であるシラン系モノマーを意図する。前記プレエマルジョンが3官能シラン系モノマーを含むことで、ケイ素成分が表面に局在化しやすく、圧痕性能に優れた導電粒子を得ることができる、分散性に優れた導電粒子用基材粒子を容易に製造することができる。
また、前記プレエマルジョンは、3官能シラン系モノマー以外のシラン化合物を含んでいてもよい。
3官能シラン系モノマー以外のシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラアセトキシシラン等の4官能シラン系モノマー(すなわち、シリル基の保護基のうちアルコキシ基(メトキシ基)の数が4個であるシラン系モノマー)、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルジシランジオール、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の2官能シラン系モノマー(すなわち、シリル基の保護基のうちアルコキシ基(メトキシ基)の数が2個であるシラン系モノマー)等を挙げられる。
前記プレエマルジョンは、さらに、ビニル系単量体および乳化剤を含むことが好ましい。
前記ビニル系単量体は特に限定されない。1分子中に一個のビニル基を有する単量体である「ビニル系単官能単量体」としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類等のスチレン系単官能モノマー;等が挙げられる。導電粒子用基材粒子は、10%K値の低い導電粒子が得られやすい点で、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類を含むことが好ましい。
また、1分子中に2個以上のビニル基を有する単量体である「ビニル系多官能単量体」として、例えば、アリル(メタ)アクリレート等のアリル(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族炭化水素系架橋剤(好ましくは、ジビニルベンゼン等のスチレン系多官能モノマー);N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のヘテロ原子含有架橋剤;等が挙げられる。
さらに、1分子中に1個以上のビニル基とビニル基以外の他の官能基とを有するビニル系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類;p−ヒドロキシスチレン、等のヒドロキシ基含有スチレン類等の水酸基含有ビニル系単量体:(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸等のカルボン酸基含有単官能モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有ビニル系単量体:メトキシポリメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のエチレンオキシド鎖含有ビニル系単量体:ポリメチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のエチレンオキシド鎖および水酸基含有ビニル系単量体が挙げられる。
前記乳化剤は特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン性界面活性剤が、シード粒子、ビニル系単量体を吸収した後のシード粒子の分散状態を安定化させることもできるので好ましい。これらの乳化剤は、1種のみを使用しても2種以上を併用してもよい。
また、ビニル系単量体およびシラン化合物を乳化剤で乳化分散させる際には、ビニル系単量体およびシラン化合物の質量に対して0.3倍以上10倍以下の水および/または水溶性有機溶剤を使用するのが好ましい。前記水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;等が挙げられる。
吸収工程は、0℃以上60℃以下の温度範囲で、5分間以上720分間以下、撹拌しながら行うのが好ましい。これらの条件は、用いるシード粒子やモノマーの種類等によって、適宜設定すればよく、これらの条件は1種のみ、あるいは2種以上を合わせて採用してもよい。吸収工程において、プレエマルジョン中の吸収モノマーがシード粒子に吸収されたかどうかの判断については、例えば、プレエマルジョンを加える前および吸収工程終了後に、顕微鏡によりシード粒子を観察し、プレエマルジョン中の吸収モノマーの吸収によりシード粒子の個数平均粒子径が大きくなっていることを確認することで容易に判断できる。
(シード粒子作製工程)
本発明の一実施形態の製造方法は、前記吸収工程の前に、さらに、シード粒子作製工程を含んでいてもよい。シード粒子作製工程では、シラン化合物からシード粒子(すなわち、ポリシロキサン粒子)を調製する。
シラン化合物からシード粒子(すなわち、ポリシロキサン粒子)を調製する方法としては、水を含む溶媒中で加水分解して縮重合させる方法が挙げられる。また、ポリシロキサン骨格とビニル重合体とを複合化させるため、シラン化合物として、ラジカル重合性基を有するシラン系架橋性モノマーを使用し、重合性ポリシロキサン粒子(すなわち、ラジカル重合性基を有するポリシロキサン骨格を有する粒子)を調製してもよい。加水分解と縮重合は、一括、分割、連続等、任意の方法を採用できる。加水分解し、縮重合させるにあたっては、触媒として、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の塩基性触媒を好ましく用いることができる。シード粒子作製工程において使用され得るシラン化合物としては、吸収工程において使用され得るシラン化合物と同様のものが挙げられる。しかし、シード粒子作製工程において使用され得るシラン化合物は、3官能シラン系モノマーを含むことは必須ではない。
前記水を含む溶媒中には、水や触媒以外に有機溶剤を含めることができる。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;イソオクタン、シクロへキサン等の(シクロ)パラフィン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等を挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
加水分解縮合ではまた、アニオン性、カチオン性、非イオン性の界面活性剤や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の高分子分散剤を併用することもできる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。加水分解縮合は、原料となるシラン系モノマーと、触媒や水および有機溶剤を含む溶媒を混合した後、温度0℃以上100℃以下、好ましくは0℃以上70℃以下で、30分以上100時間以下撹拌することにより行うことができる。
(重合工程)
本発明の一実施形態の製造方法は前記吸収工程の前に、さらに重合工程を含んでいてもよい。重合工程では、シード粒子に吸収されたビニル系単量体を重合させる。
シード粒子が重合性ポリシロキサン粒子である場合には、吸収させたビニル系単量体と重合性ポリシロキサン骨格が有するラジカル重合性基とが重合して、ポリシロキサン骨格とビニル重合体とが複合化する。重合方法は特に限定されないが、例えば、ラジカル重合開始剤を用いる方法が挙げられる。前記ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化物系開始剤や、アゾ系開始剤等が使用可能である。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合を行う際の反応温度は40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。反応温度が低すぎる場合には、重合度が十分に上がらず複合粒子の機械的特性が不充分となる傾向がある。一方、反応温度が高すぎる場合には、重合中に粒子間の凝集が起こりやすくなる傾向がある。なお、ラジカル重合を行う際の反応時間は、用いる重合開始剤の種類に応じて適宜変更すればよいが、通常、5分以上が好ましく、より好ましくは10分以上であり、600分以下が好ましく、より好ましくは300分以下である。反応時間が短すぎる場合には、重合度が十分に上がらない場合があり、反応時間が長すぎる場合には、粒子間で凝集が起こり易くなる傾向がある。
重合工程後の後の導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径は1.1μm以上が好ましく、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上であり、3.0μm以下が好ましく、より好ましくは2.8μm以下、さらに好ましくは2.7μm以下である。また、個数平均粒子径の個数基準の変動係数は10%以下が好ましく、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは7%以下である。
(その他の工程)
本発明の一実施形態の製造方法は、さらに、分級工程を含んでいてもよい。分級工程では、合成した導電粒子用基材粒子を分級する。
分級方法は特に限定されず、例えば、電成ふるい等によるふるい分け;メンブランフィルター、プリーツフィルター、セラミック膜フィルター等のフィルターを使用した濾過;質量差および流体抵抗差の相互作用によって分級する公知の装置(粒子の落下速度等の重力差が原理である重力分級機、自由渦または半自由渦による遠心力と空気抗力の釣り合いを原理とする(半)自由渦遠心分級、回転する分級羽根(ローター)によってつくられる回転流によって生じる遠心力と空気による抗力の釣り合いを原理とする回転羽根付き遠心分級)を用いた分級;等が挙げられる。これらの中でも、分級精度と生産性の観点から電成ふるいを用いた分級が好ましい。
電成ふるいを用いて分級する場合、導電粒子用基材粒子を液状媒体に分散させた分散体を電成ふるいに通過させることが好ましい。前記液状媒体としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ヘキサン、オクタン等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール類、炭化水素類が好ましく、メタノール、ヘキサンがより好ましい。なお、導電粒子用基材粒子の分散性を高めるために、液状媒体に各種分散剤を添加してもよい。
前記液状媒体の使用量は、導電粒子用基材粒子100質量部に対して、100質量部以上が好ましく、より好ましくは200質量部以上、さらに好ましくは500質量部以上であり、10000質量部以下が好ましく、より好ましくは5000質量部以下、さらに好ましくは2000質量部以下である。導電粒子用基材粒子を液状媒体に分散させる方法は特に限定されず、例えば、超音波を照射させて分散させる方法;通常攪拌装置、高速攪拌装置、コロイドミルまたはホモジナイザーのような剪断分散装置等により分散させる方法;等が挙げられる。
電成ふるいを通過させる際の分散体の液温は、特に限定されず、使用する液状媒体に応じて適宜調整すればよいが、通常は0℃以上100℃以下である。なお、分散体の液温は、当然、液状媒体の沸点未満である。電成ふるいのふるい孔の寸法は、所望とする個数平均粒子径、変動係数に応じて変更すればよい。電成ふるいによる分級を行うことにより、粗大粒子を除去することができ、導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径の変動係数を小さくすることができる。
合成後、必要に応じて分級された導電粒子用基材粒子は、通常、乾燥され、場合によっては上述した焼成(加熱処理)に付される。乾燥や焼成などの加熱処理については、公知の方法に従って行えばよいが、上述したように、導電粒子用基材粒子を形成するための親水性単量体成分中のシラン系非架橋性モノマーの含有割合が所定の量を超える場合には、このような加熱処理における温度を200℃未満に制限することが重要である。
以上のようにして得られた導電粒子用基材粒子(基材)の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状等のいずれでも良いが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を意味する。
[物性測定方法および評価方法]
各種物性の測定は以下の方法で行った。
<シード粒子および導電粒子用基材粒子の個数平均粒子径および変動係数(CV値)>
シード粒子または導電粒子用基材粒子0.005部に、乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた後、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)を用いて、30000個の粒子の個数平均粒子径(μm)を測定し、個数平均粒子径を求めた。また、個数平均粒子径および個数平均粒子径の標準偏差を求めるとともに、下記式に従って個数平均粒子径の個数基準の変動係数を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(個数平均粒子径の標準偏差/個数平均粒子径)
<導電粒子用基材粒子の10%K値>
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「軟質表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(0.387mN/秒)で荷重をかけた。そして、圧縮荷重(F)として、圧縮変位が個数平均粒子径の10%となったときの荷重(mN)を、ならびに、圧縮変位(S)として、粒子が変形により破壊したときの変位量(μm)を測定した。得られた圧縮荷重(F)、粒子の圧縮変位(S)および粒子半径(R)を下記式(1)にあてはめ、10%K値(E)を算出した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
10%K値(E)=3×F/(22/1×S3/2×R1/2)・・・式(1)
<導電粒子用基材粒子の破壊点>
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「軟質表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(0.387mN/秒)で荷重をかけた。粒子が変形により破壊したときの荷重(mN)を測定した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
<導電粒子用基材粒子の断面構造の評価>
得られた導電粒子用基材粒子とエポキシ樹脂とを混合して包埋し、それを切断して導電粒子用基材粒子の超薄切片試料を作製した。透過型電子顕微鏡(FE−SEM)にて当該超薄切片試料の観察を行った。作製した超薄切片試料のうち、個数平均粒子径に対し±10%の粒子径である粒子断面を有する試料を、無作為に10個選択した。選択した試料のFE−SEM画像を取得し、導電粒子用基材粒子においてコアとシェルとの界面の有無を定性的に判断した。コアとシェルとの界面が存在しない場合は、導電粒子用基材粒子がコアシェル粒子ではない、コアとシェルとの界面が存在する場合は、導電粒子用基材粒子がコアシェル粒子であると判断した。コアシェル粒子ではない実施例2の導電粒子用基材粒子のFE−SEM画像が図1に示される。コアシェル粒子である比較例4の導電粒子用基材粒子のFE−SEM画像が図2に示される。
<導電粒子用基材粒子中のケイ素原子含有率の測定>
導電粒子用基材粒子を空気などの酸化性雰囲気中、950℃で焼成したときの灰分質量(これをSiO量とする)からケイ素原子に相当する質量を算出し、該ケイ素原子量を焼成処理に供した導電粒子用基材粒子の質量で除した。なお、灰分質量からケイ素原子量に相当する質量を算出するため、灰分質量に0.4672(ケイ素原子量/SiO式量)を乗じた。
<導電粒子用基材粒子表面のケイ素原子含有率の測定>
X線光電分光法(ESCA)に基づき、導電粒子用基材粒子表面厚さ数nmの構成元素、および構成比を分析することで、粒子表面のケイ素原子の質量割合を算出した。具体的には、以下に示す測定装置および測定条件を用いて得られた各構成元素の元素比率(atomic%)を基に、ケイ素原子の質量割合を算出した。
(測定装置)
日本電子製 JPS−9000MX
(測定条件)
X線出力:10mA 10kV
線源:MgKα
PassEnergy:10eV
Step:0.1eV
測定元素:C1s、O1s、Si2p3/2。
<分散性の評価>
サンプル管に導電粒子用基材粒子0.1g、1%乳化水を4gおよびメタノール1.2gを加え、15分間スターラーで撹拌した。撹拌後、導電粒子用基材粒子の分散状態をマイクロスコープにて観察した。その結果を以下の条件で評価した。
○:単粒子に分散。
△1:単粒子が存在するが、2〜5個未満の粒子が凝集している。
△2:5個以上の粒子が凝集する凝集塊が2つ以上存在する。
×:10個以上の粒子が凝集する凝集塊が存在する。
<圧痕性能の評価>
低圧(2MPa)圧着後における異方性導電フィルムが接触した側の電極表面を金属顕微鏡(倍率:1000倍)で観察し、以下の条件で評価した。
○:圧痕が観察された。
×:圧痕が確認されなかった。
<初期抵抗値の評価>
接続構造体について電極間の初期抵抗値Aを測定し、以下の条件で評価した。
◎:初期抵抗値Aが3Ω未満の場合。
○:初期抵抗値Aが3Ω以上5Ω以下の場合。
×:初期抵抗値Aが5Ωを超える場合。
<抵抗値上昇率の評価>
低圧接続構造体を85℃、85%RHの雰囲気下に500時間放置した後、前記初期抵抗値Aと同様に抵抗値Bを測定し、下記式(1)に基づき抵抗値上昇率(%)を求めた。
抵抗値上昇率(%)=[(B−A)/A]×100・・・式(1)
求めた抵抗値上昇率を以下の条件で評価した。
◎:抵抗値上昇率(%)が1%未満の場合。
○:抵抗値上昇率(%)が1%以上3%以下の場合。
×:抵抗値上昇率(%)が3%を超える場合。
[実施例1]
<導電粒子用基材粒子の作製>
(シード粒子作製工程)
冷却管、温度計および滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1600部、25%アンモニア水20部およびメタノール400部を入れた。攪拌下、滴下口から、重合性シラン化合物(単量体成分)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)40部を添加し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行うことにより、メタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(シード粒子)の乳濁液を調製した。このポリシロキサン粒子(シード粒子)の個数平均粒子径は1.16μmであった。
(吸収工程)
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液3.0部をイオン交換水120部に溶解した。この溶液に、吸収モノマー(単量体成分)としてスチレン(St)108部および3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)12部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)2.4部とを溶解した溶液を加え、乳化分散させて吸収モノマーの乳化液を調製した。乳化分散の開始から1時間後、得られた乳化液を、シード粒子作製工程において調製したポリシロキサン粒子(シード粒子)の乳濁液中に添加して、さらに攪拌を行った。乳化液の添加から1時間後、得られた混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン粒子が吸収モノマーを吸収して肥大化していることが確認された。
(重合工程)
次いで、プレエマルジョン吸収工程にて得られた混合液に、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液3.0部を加え、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下80℃で4時間真空乾燥し、導電粒子用基材粒子(1)を得た。得られた導電粒子用基材粒子の物性値は表1に示すとおりであった。
<導電粒子の作製>
基材とする導電粒子用基材粒子(1)に、水酸化ナトリウムによるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液に接触させることによりセンシタイジングし、次いで二塩化パラジウム溶液に浸漬させることによりアクチベーティングする方法(センシタイジング−アクチベーション法)によって、パラジウム核を形成させた。次に、パラジウム核を形成させた導電粒子用基材粒子2部をイオン交換水400部に添加し、超音波分散処理を行った後、得られた導電粒子用基材粒子懸濁液を70℃の温浴で加温した。このように懸濁液を加温した状態で、別途70℃に加温した無電解めっき液(日本カニゼン(株)製「シューマーS680」)600部を加えることにより、無電解ニッケルめっき反応を生じさせた。水素ガスの発生が終了したことを確認した後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄し、100℃で2時間真空乾燥して、ニッケルめっきを施した粒子を得た。次いで、得られたニッケルめっき粒子を、シアン化金カリウムを含有する置換金めっき液に加え、ニッケル層表面にさらに金めっきを施すことにより、導電粒子(1)を得た。
<異方性導電材料(異方性導電フィルム)の作製>
導電粒子(1)1部に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学製「JER828」)100部と、硬化剤(三新化学社製「サンエイド(登録商標)SI−150」)2部と、トルエン100部とを加え、さらにφ1mmのジルコニアビーズ50部を加えて、ステンレス製の2枚撹拌羽根を用いて300rpmで10分間撹拌して分散させた。そして、得られたペースト状組成物をバーコーターにて剥離処理を施したPETフィルム状に塗布し乾燥させることにより異方性導電フィルム(1)を得た。
<異方性導電材料を用いた接続構造体の作製>
得られた異方性導電フィルム(1)を、抵抗測定用の線を有した全面アルミ蒸着ガラス基板と20μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板との間に挟みこみ、1MPa、190℃で圧着することにより、接続構造体(1)(高圧接続構造体および低圧接続構造体)を作製した。各評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の(吸収工程)において、スチレン(St)を90部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)を30部とした以外は、実施例1と同様の手順で導電粒子用基材粒子(2)を得た。得られた導電粒子用基材粒子の物性値は表1に示すとおりであった。
また、導電粒子用基材粒子(2)を用いて、実施例1と同様の手順で、導電粒子(2)、異方性導電フィルム(2)、接続構造体(2)を得た。各評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1の(吸収工程)において、スチレン(St)を60部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)を60部とした以外は、実施例1と同様の手順で導電粒子用基材粒子(3)を得た。得られた導電粒子用基材粒子の物性値は表1に示すとおりであった。
また、導電粒子用基材粒子(3)を用いて、実施例1と同様の手順で、導電粒子(3)、異方性導電フィルム(3)、接続構造体(3)を得た。各評価結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1の(シード粒子作製工程)において、イオン交換水、メタノールおよびアンモニア水の量を適宜変更して調製した以外は、実施例1と同様の手順で導電粒子用基材粒子(4)を得た。得られた導電粒子用基材粒子の物性値は表1に示すとおりであった。なお、シード粒子の個数平均粒子径は8.05μmであった。
また、導電粒子用基材粒子(4)を用いて、実施例1と同様の手順で、導電粒子(4)、異方性導電フィルム(4)、接続構造体(4)を得た。各評価結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例4の(吸収工程)において、吸収モノマーとしてシクロヘキシルアクリレート(CHA)300部および3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)100部を用いた以外は、実施例4と同様の手順で導電粒子用基材粒子(5)を得た。得られた導電粒子用基材粒子の物性値は表1に示すとおりであった。
また、導電粒子用基材粒子(5)を用いて、実施例1と同様の手順で、導電粒子(5)、異方性導電フィルム(5)、接続構造体(5)を得た。各評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の(吸収工程)において、吸収モノマーとしてスチレン(St)120部を用いた以外は、実施例1と同様の手順で導電粒子用基材粒子(1’)を得た。得られた導電粒子用基材粒子の物性値は表1に示すとおりであった。
また、導電粒子用基材粒子(1’)を用いて、実施例1と同様の手順で、導電粒子(1’)、異方性導電フィルム(1’)、接続構造体(1’)を得た。各評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1の(吸収工程)において、吸収モノマーとしてスチレン(St)40部を用いた以外は、実施例1と同様の手順で導電粒子用基材粒子(2’)を得た。得られた導電粒子用基材粒子の物性値は表1に示すとおりであった。
また、導電粒子用基材粒子(2’)を用いて、実施例1と同様の手順で、導電粒子(2’)、異方性導電フィルム(2’)、接続構造体(2’)を得た。各評価結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例4の(吸収工程)において、吸収モノマーとしてスチレン(St)120部を用いた以外は、実施例4と同様の手順で導電粒子用基材粒子(3’)を得た。得られた導電粒子用基材粒子の物性値は表1に示すとおりであった。
また、導電粒子用基材粒子(3’)を用いて、実施例1と同様の手順で、導電粒子(3’)、異方性導電フィルム(3’)、接続構造体(3’)を得た。各評価結果を表1に示す。
[比較例4]
(コア粒子作製工程)
実施例1の(シード粒子作製工程)において、イオン交換水、メタノールおよびアンモニア水の量を適宜変更して調製し、実施例1の(吸収工程)において、吸収モノマーとしてスチレン(St)91部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HXDMA)23部および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)6部を用いた以外は、実施例1と同様の手順で重合体粒子(すなわち、コア粒子)の分散液を得た。得られたコア粒子の個数平均粒子径は3.62μmであった。なお、シード粒子の個数平均粒子径は2.12μmであった。
(シェル形成工程)
上記にて得られた重合体粒子の分散液に対し、テトラエトキシシラン(TEOS)360部を添加し、加水分解、縮合反応を行った。これにより、テトラエトキシシラン(TEOS)の縮合物を重合体粒子の表面に析出させ、シェルが形成された重合体粒子(すなわち、コアシェル粒子)の分散液を得た。得られた分散液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下80℃で4時間真空乾燥し、導電粒子用基材粒子(4’)を得た。各評価結果を表1に示す。
また、導電粒子用基材粒子(4’)を用いて、実施例1と同様の手順で、導電粒子(4’)、異方性導電フィルム(4’)、接続構造体(4’)を得た。各評価結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例6の(吸収工程)において、吸収モノマーとして3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越シリコーン社製「KBM502」)(MPMDMS)100部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HXDA)50部およびジベニルベンゼン「DVB960」(新日鐵化学社製:ジビニルベンゼン96%、エチルビニルベンゼン4%含有)50部を用いた以外は、実施例1と同様の手順で導電粒子用基材粒子(5’)を得た。得られた導電粒子用基材粒子の物性値は表1に示すとおりであった。
また、導電粒子用基材粒子(5’)を用いて、実施例1と同様の手順で、導電粒子(5’)、異方性導電フィルム(5’)、接続構造体(5’)を得た。各評価結果を表1に示す。
各実施例および比較例において得られた導電粒子用基材粒子の組成および各種物性、並びに接続構造体における評価結果を表1に示す。
Si比率が1.6以上であり、コアシェル粒子ではない実施例は、Si比率が1.6未満である比較例1,2,3および5に比べて、分散性、圧痕性能、初期抵抗値および抵抗値上昇率のいずれも優れていた。また、Si比率が1.6以上であり、コアシェル粒子ではない実施例は、コアシェル粒子である比較例4と比べて、初期抵抗値および抵抗値上昇率が優れていた。
さらに、Si比率が1.6以上2.0未満の実施例1および5よりも、Si比率が2.0以上の実施例2〜4の方が、初期抵抗値および抵抗値上昇率が優れていた。
本発明は、導電材料を使用する分野において利用することができる。

Claims (7)

  1. 有機無機複合粒子において、粒子表面のケイ素原子含有率/粒子中のケイ素原子含有率の値が1.60以上であり、
    コアと、前記コアの表面上に配置されたシェルを備えるコアシェル粒子ではなく、コアとシェルとの界面が存在しない、導電粒子用基材粒子。
  2. 前記粒子中のケイ素原子含有率が0.10質量%以上である、請求項1に記載の導電粒子用基材粒子。
  3. 10%K値が500N/mm〜10000N/mmである、請求項1または2に記載の導電粒子用基材粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電粒子用基材粒子の表面に、少なくとも一層の導電性金属層が形成されている、導電粒子。
  5. 請求項4に記載の導電粒子を含む、異方性導電材料。
  6. 請求項4に記載の導電粒子と、バインダー樹脂とを含む、異方性導電ペースト。
  7. シード粒子にプレエマルジョンを吸収させる工程を含み、
    前記プレエマルジョン中の3官能シラン系モノマーの比率が、前記プレエマルジョン中のモノマーの総量100質量%に対して、10〜90質量%である、導電粒子用基材粒子の製造方法。
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