JP2014088830A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の作動中であっても、密閉弁の機能診断を高精度で遂行可能な蒸発燃料処理装置を提供する。
【解決手段】蒸発燃料処理装置11は、燃料タンク13を大気から遮断する密閉弁41と、キャニスタ15と、キャニスタ内圧センサ55と、密閉弁41を開放または閉止させる指令を行うと共に、パージの制御を行う制御部69と、燃料タンク13、キャニスタ15、および、密閉弁41を含む蒸発燃料密閉系の機能診断を行う診断部67と、を備える。診断部67は、内燃機関が作動中でかつパージが行われていないときに、制御部69の指令に従い密閉弁41が開放している状態で、キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧が所定の範囲を超えて変動したか否かに基づいて、密閉弁41の機能診断を行う。
【選択図】図1A

Description

本発明は、蒸発燃料を処理するための蒸発燃料処理装置に関する。
例えば、内燃機関を備える車両では、燃料タンクへ給油を行うと、燃料タンクの内部空間における液体燃料の占有体積が増えるため、同内部空間における気相域の占有体積が相対的に減少して、気相域の圧力(以下、“タンク内圧”という。)が大気圧と比べて高くなる。すると、燃料タンク内に滞留していた気相域の蒸発燃料が大気中へ出ようとする。仮に、蒸発燃料が大気中へ放出されると、大気を汚染してしまう。
そこで、蒸発燃料の大気中への放出に起因する大気汚染を防ぐ目的で、従来の蒸発燃料処理装置では、燃料タンクと大気間の連通路に、蒸発燃料を一時的に吸着する吸着材を有するキャニスタを設け、キャニスタの吸着材に蒸発燃料を吸着させることでタンク内圧を低く抑えるようにしている。
例えば、特許文献1には、燃料タンクとキャニスタ間を連通する蒸発燃料の流通路に、燃料タンクとキャニスタ間の導通状態を制御する封鎖弁(以下、密閉弁という。)を設けることにより、燃料タンクを密閉構造とする蒸発燃料処理装置が開示されている。
特許文献1に係る蒸発燃料処理技術では、内燃機関の停止時は、密閉弁を閉弁状態とし、かつ、キャニスタを大気に開放する。内燃機関が停止しており、かつ、タンク内圧と大気圧との間に開弁判定値を超える圧力差が生じている場合に、密閉弁を開弁させ、密閉弁の開弁前後に発生するタンク内圧の変化を検出する。こうして検出したタンク内圧の変化が所定の判定値に満たない場合は、密閉弁が閉塞故障している旨の判定を下す。
特許文献1に係る蒸発燃料処理技術によれば、通常制御においてタンク内圧を負圧化させることなく、密閉弁の閉塞故障を効率的に検知することができる。
特開2004−156494号公報
ところで、特許文献1に係る蒸発燃料処理技術では、車両の走行中(内燃機関の作動中)であってパージの実行中に、密閉弁に対して開弁指令が発せられた場合に、その指令の後にタンク内圧に有意な低下が生ずるか否かに基づいて、密閉弁に閉塞故障が生じているか否かを診断している(特許文献1の段落0136〜0140参照)。
しかしながら、内燃機関の作動中であってパージの実行中に密閉弁の機能診断を行う特許文献1に係る技術では、内燃機関の作動状態に変動(例えば、急加速など)が生じると、この変動が燃料タンク、キャニスタ、および、密閉弁を含む蒸発燃料密閉系の内圧に影響を与えて、タンク内圧の変動傾向が本来のものからずれてしまうため、密閉弁の機能診断を高精度で遂行することが難しくなる。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、内燃機関の作動中であっても、密閉弁の機能診断を高精度で遂行することができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、(1)に係る発明は、内燃機関を備える車両に搭載された燃料タンクと大気間の連通路に設けられ、燃料タンクを大気から遮断する密閉弁と、連通路のうち密閉弁と大気間に設けられ、燃料タンクから連通路を介して排出される蒸発燃料を回収するキャニスタと、連通路のうち密閉弁を境としてキャニスタの側に設けられ、キャニスタに係るキャニスタ内圧を検出するキャニスタ内圧検出部と、密閉弁を開放または閉止させる指令を行うと共に、パージの制御を行う制御部と、燃料タンク、キャニスタ、および、密閉弁を含む蒸発燃料密閉系の機能診断を行う診断部と、を備える。
(1)に係る発明では、診断部は、内燃機関が作動中でかつ制御部によるパージが行われていないときに、制御部の指令に従い密閉弁が開放している状態で、キャニスタ内圧検出部により検出されるキャニスタ内圧が所定の範囲を超えて変動したか否かに基づいて、密閉弁の機能診断を行う、構成を採用することとした。
本発明に係る燃料タンクは、原則として密閉弁が閉止される密閉構造を採用している。また、蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク側の内部空間では、内燃機関の余熱や環境温度の影響を受けて蒸発燃料が生じる。そのため、タンク内圧は、通常、大気圧に対して正圧に維持される。一方、蒸発燃料密閉系のうちキャニスタ側の内部空間は、大気圧とされる。
こうした状況下において、閉止状態を維持していた密閉弁が正常に開放されると、蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク側に係るタンク内圧は低下してゆく反面、蒸発燃料密閉系のうちキャニスタ側に係るキャニスタ内圧は上昇してゆく。これは、閉止状態を維持していた密閉弁が正常に開放されることによって、両者間の内圧偏差が速やかに相殺されるからである。
前記の特性を活用すれば、密閉弁の開放をトリガとして、キャニスタ内圧が所定の範囲を超えて変動したか否かに基づいて、閉止状態を維持していた密閉弁が正常に開放されたか否かに係る機能診断を行うことができることを意味する。
さらに、密閉弁が正常に開放されたか否かに係る機能診断は、内燃機関が作動中でかつ制御部によるパージが行われていないときに遂行される。仮に、パージが行われているときに密閉弁に係る機能診断を遂行すると、密閉弁の開放により蒸発燃料密閉系が内燃機関の側へと連通される状態が形成される。そうすると、内燃機関の作動状態に変動(例えば、急加速など)が生じると、この変動が蒸発燃料密閉系の内圧に影響を与えて、タンク内圧の変動傾向が本来のものからずれてしまうため、密閉弁の機能診断を高い精度で遂行することが難しくなる。
(1)に係る発明によれば、内燃機関が作動中でかつパージが行われていないときに、密閉弁が開放している状態で、キャニスタ内圧が所定の範囲を超えて変動したか否かに基づいて、密閉弁の機能診断を行うため、内燃機関の作動中であっても、密閉弁の機能診断を高精度で遂行することができる。
また、(2)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の蒸発燃料処理装置であって、診断部は、キャニスタ内圧検出部により検出されるキャニスタ内圧が所定の範囲を超えて変動した場合に、密閉弁が正常に機能している旨の診断を下す、構成を採用することとした。
(2)に係る発明によれば、(1)に係る発明の効果に加えて、密閉弁が正常に機能している旨の診断を高精度で遂行することができる。
また、(3)に係る発明は、(1)または(2)に係る発明に記載の蒸発燃料処理装置であって、制御部による密閉弁を開放させる指令は、所定量を超えるパージが遂行された直後に行われる、構成を採用することとした。
(3)に係る発明では、所定量を超えるパージが遂行されると、このパージ遂行の直前まで蒸発燃料密閉系のうち燃料タンクの側に生じていた蒸発燃料は、キャニスタなどを介して内燃機関の側へと流れ出てゆく。こうして蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク側の蒸発燃料が流出した直後に、制御部による密閉弁を開放させる指令が行われることになる。
(3)に係る発明によれば、蒸発燃料密閉系のうち燃料タンクの側の蒸発燃料が内燃機関の側へ流れ出る事態を抑制することができるため、(1)〜(2)に係る発明の効果に加えて、内燃機関の燃焼制御を的確に遂行する効果を期待することができる。
また、(4)に係る発明は、(1)または(2)に係る発明に記載の蒸発燃料処理装置であって、燃料タンクに係るタンク内圧を検出するタンク内圧検出部をさらに備え、制御部による密閉弁を開放させる指令は、所定量を超えるパージが遂行された直後で、かつ、タンク内圧検出部により検出されるタンク内圧が所定値を下回っている場合に行われる、構成を採用することとした。
(3)に係る発明と、(4)に係る発明との相違点は、(4)に係る発明では、制御部による密閉弁を開放させる指令を行う条件として、タンク内圧検出部により検出されるタンク内圧が所定値を下回っていることが追加された点である。タンク内圧検出部により検出されるタンク内圧が所定値を下回っているということは、蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク側の蒸発燃料が、所定値に対応する量を下回る程度まで減少していることを意味する。
(4)に係る発明によれば、(1)または(2)に係る発明の効果に加えて、内燃機関の燃焼制御を一層的確に遂行する効果を期待することができる。
また、(5)に係る発明は、(1)または(2)に係る発明に記載の蒸発燃料処理装置であって、燃料タンクに係るタンク内圧を検出するタンク内圧検出部をさらに備え、制御部による密閉弁を開放させる指令は、所定量を超えるパージが遂行された直後で、かつ、タンク内圧検出部により検出されるタンク内圧が所定値を上回っている場合に行われる、構成を採用することとした。
(3)に係る発明と、(5)に係る発明との相違点は、(5)に係る発明では、制御部による密閉弁を開放させる指令を行う条件として、タンク内圧検出部により検出されるタンク内圧が所定値を上回っていることが追加された点である。タンク内圧検出部により検出されるタンク内圧が所定値を上回っているということは、タンク内圧とキャニスタ内圧との圧力差が大きいはずであるから、密閉弁の開放に伴うキャニスタ内圧の経時変化を捉え易いことを意味する。
(5)に係る発明によれば、(1)または(2)に係る発明の効果に加えて、密閉弁の開放に伴うキャニスタ内圧の経時変化を容易に捉える効果を期待することができる。
本発明に係る蒸発燃料処理装置によれば、内燃機関の作動中であっても、密閉弁の機能診断を高精度で遂行することができる。
本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置(通常時)の概要を表す全体構成図である。 本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置(蒸発燃料密閉系の全体診断時)の概要を表す全体構成図である。 本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置(蒸発燃料密閉系のキャニスタ側診断時)の概要を表す全体構成図である。 本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置の概要を表す機能ブロック構成図である。 本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置が実行する診断処理の流れを表すフローチャート図である。 本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置が実行する診断処理の流れを表すフローチャート図である。 本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置が実行するリーク診断処理の流れを表すフローチャート図である。 イグニッションスイッチのオンからオフへの切り換え後、所定時間が経過するまでの間の蒸発燃料処理装置に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。 イグニッションスイッチのオフから所定時間が経過した後の、蒸発燃料処理装置に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。 イグニッションスイッチのオフから所定時間が経過した後の、蒸発燃料処理装置に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。 密閉弁が正常に機能している場合の、蒸発燃料処理装置に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。 密閉弁が異常(閉塞故障)状態にある場合の、蒸発燃料処理装置に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。
以下、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置について、図面を参照して詳細に説明する。
〔本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の概要〕
はじめに、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の概要について、駆動源として内燃機関および電動モータ(いずれも不図示)を備えるハイブリッド車両に適用した例をあげて、図面を参照して説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材または相当する部材間には同一の参照符号を付するものとする。また、部材のサイズおよび形状は、説明の便宜のため、変形または誇張して模式的に表す場合がある。
図1A〜図1Cは、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の概要を表す全体構成図である。このうち、図1Aは、通常時の蒸発燃料処理装置11を、図1Bは、蒸発燃料密閉系の全体診断時の蒸発燃料処理装置11を、図1Cは、蒸発燃料密閉系のキャニスタ側診断時の蒸発燃料処理装置11を、それぞれ表す。図2は、蒸発燃料処理装置11の概要を表す機能ブロック構成図である。
蒸発燃料を処理する役割を果たす蒸発燃料処理装置11は、図1A〜図1Cに示すように、燃料タンク13で生じた蒸発燃料を吸着する機能を有するキャニスタ15と、蒸発燃料処理装置11の統括制御を行うECU(ElectronicControl Unit)17と、などを備える。
なお、以下において、図1A〜図1Cの共通部分については図1Aを参照して説明し、図1Aと異なる部分について、図1B,図1Cを適宜参照して説明する。
ガソリンなどの燃料を貯留する燃料タンク13には、フューエルインレットパイプ19が設けられている。フューエルインレットパイプ19には、その上流部19aと燃料タンク13との間を連通接続する循環パイプ20が設けられている。フューエルインレットパイプ19のうち燃料タンク13の反対側には、給油ガンのノズル(いずれも不図示)が挿入される給油口19bが設けられる。給油口19bは、不図示の車体における後部フェンダ(不図示)に対して凹形状に設けられるフューエルインレットボックス21内に収容されている。給油口19bには、ねじ式のフィラーキャップ23が取り付けられる。
フューエルインレットボックス21には、フィラーキャップ23を覆うフューエルリッド25が、開放または閉止自在に取り付けられている。フューエルリッド25には、フューエルリッド25の開放を規制するためのリッドロック機構27が備えられている。給油時においてリッドロック機構27のロックを遠隔的に解除させるために、車室内には、操作者により操作されるリッドスイッチ31が設けられている。
フューエルリッド25には、フューエルリッド25の開放または閉止に係る開閉状態を検知するリッドセンサ29が設けられている。リッドセンサ29で検知されたフューエルリッド25の開閉状態に係る情報は、ECU17へと送られる。
給油時以外の通常時では、フューエルリッド25は、リッドロック機構27によりロックされて閉止状態を維持している。一方、給油時では、リッドスイッチ31が操作され、かつ、後記する所定の条件を充足した場合に、ECU17は、リッドロック機構27のロックを解除させる。これにより、フューエルリッド25は開放される。操作者は、フューエルリッド25の開放によりアクセス可能となったフィラーキャップ23を給油口19bから取り外し、給油ガンのノズル(いずれも不図示)を給油口19bに挿し込んで給油を行うことができる。
燃料タンク13には、燃料タンク13内に貯留された燃料を汲み上げて燃料供給通路33を介して不図示のインジェクタへと送り出す燃料ポンプモジュール35が設けられている。また、燃料タンク13には、燃料タンク13とキャニスタ15との間を連通接続する蒸発燃料排出通路(本発明の“燃料タンクと大気間の連通路”に相当する。)37が設けられている。蒸発燃料排出通路37は、蒸発燃料の流通路としての機能を有する。
蒸発燃料排出通路37における燃料タンク13の側は、二股に分岐している。二股に分岐した蒸発燃料排出通路37のうち一側の通路37a1には、フロート弁37a11が設けられている。また、前記蒸発燃料排出通路37のうち他側の通路37a2には、カット弁37a21が設けられている。
フロート弁37a11は、給油に伴う燃料の液面の上昇により、燃料タンク13内における気相域の圧力であるタンク内圧Ptankが上昇した場合に閉止するように動作する。具体的には、フロート弁37a11は、燃料タンク13内に燃料が満たされている満タン時に閉止することにより、燃料が燃料タンク13から蒸発燃料排出通路37へ進入するのを防いでいる。
一方、カット弁37a21は、車両の姿勢が所定の角度を超えて傾いた場合に閉止するように動作する。具体的には、カット弁37a21は、満タン時には開放しているが、車両の姿勢が所定の角度を超えて大きく傾いた場合に閉止することにより、燃料が燃料タンク13から蒸発燃料排出通路37へ進入するのを防いでいる。
蒸発燃料排出通路37には、タンク内圧センサ39と、密閉弁41と、高圧二方弁43と、がそれぞれ設けられている。
なお、以下の説明において、蒸発燃料排出通路37のうち、密閉弁41を境として燃料タンク13側を第1の蒸発燃料排出通路37aと呼び、密閉弁41を境としてキャニスタ15側を第2の蒸発燃料排出通路37bと呼ぶ場合がある。また、第1および第2の蒸発燃料排出通路37a,37bを総称するときには、蒸発燃料排出通路37と呼ぶ。
第1の蒸発燃料排出通路37aに設けられるタンク内圧センサ(本発明の“タンク内圧検出部”に相当する。)39は、燃料タンク13内における気相域の圧力であるタンク内圧Ptankを検出する機能を有する。ただし、タンク内圧センサ39を、燃料タンク13に対して直に設ける構成を採用してもよい。タンク内圧センサ39の圧力検出部としては、圧電素子を用いることができる。タンク内圧センサ39で検出されるタンク内圧Ptankに係る情報は、ECU17へと送られる。
密閉弁41は、燃料タンク13の内部空間を大気から遮断する機能を有する。具体的には、密閉弁41は、ECU17から送られてくる開閉制御信号に従って動作する常時閉止型の電磁弁である。密閉弁41は、後で詳しく述べるように、前記の開閉制御信号に従って燃料タンク13の内部空間を大気から密閉しまたは大気に連通させるように動作する。
高圧二方弁43は、燃料タンク13側の圧力、および、キャニスタ15側の圧力の高低差に基づいて、蒸発燃料の流通方向を制御する機能を有する。具体的には、高圧二方弁43は、蒸発燃料排出通路37において密閉弁41に対して並列に設けられ、ダイアフラム式の正圧弁と負圧弁とを組み合わせた機械式の弁である。
高圧二方弁43のうち正圧弁は、燃料タンク13側の圧力が、キャニスタ15側の圧力と比べて所定圧力だけ高くなったときに開放するように動作する。この開放動作により、燃料タンク13内で高圧になった蒸発燃料が、高圧二方弁43のうち正圧弁を介して、キャニスタ15の側へと送られる。
一方、高圧二方弁43のうち負圧弁は、燃料タンク13側の圧力が、キャニスタ15側の圧力と比べて所定圧力だけ低くなったときに開放するように動作する。この開放動作により、キャニスタ15に貯えられていた蒸発燃料が、高圧二方弁43のうち負圧弁を介して、燃料タンク13側へと戻される。
第2の蒸発燃料排出通路37bに設けられるキャニスタ15は、蒸発燃料を吸着するための活性炭からなる吸着材(不図示)を内蔵している。キャニスタ15の吸着材は、蒸発燃料排出通路37を介して燃料タンク13側から送られてくる蒸発燃料を吸着する。キャニスタ15には、第2の蒸発燃料排出通路37bの他に、パージ通路45、および、大気導入通路47がそれぞれ連通接続されている。キャニスタ15は、大気導入通路47を介して取り入れた空気を、キャニスタ15の吸着材に吸着された蒸発燃料と共に、パージ通路45を介してインテークマニホールドへと送るパージ処理を実行するように動作する。
パージ通路45には、パージ制御弁50が設けられている。パージ制御弁50は、蒸発燃料のパージ流量を制御する機能を有する。具体的には、パージ制御弁50は、ECU17から送られてくるパージ制御信号に従って動作する常時閉止型の電磁弁である。パージ制御弁50は、後で詳しく述べるように、前記のパージ制御信号に従ってキャニスタ15の内部空間を内燃機関に対して遮断しまたは連通させるように動作する。
パージ通路45のうち、キャニスタ15の反対側は、不図示のインテークマニホールドに連通接続される。一方、大気導入通路47のうち、キャニスタ15の反対側は、大気に連通接続される。大気導入通路47には、診断モジュール49が設けられている。
詳しく述べると、診断モジュール49は、図1A〜図1Cに示すように、大気導入通路47、および、大気導入通路47に対して並列に設けられるバイパス通路57を備える。大気導入通路47には、切換弁53が設けられている。切換弁53は、キャニスタ15を大気に対して開放または遮断する機能を有する。具体的には、切換弁53は、ECU17から送られてくる切換信号に従って動作する電磁弁である。切換弁53は、非通電のオフ状態でキャニスタ15を大気に連通させる(図1A参照)一方、ECU17から切換信号が供給されるオン状態でキャニスタ15を大気から遮断させる(図1B,図1C参照)。
これに対し、バイパス通路57には、負圧ポンプ51、キャニスタ内圧センサ55、および、基準オリフィス59が設けられている。負圧ポンプ51は、蒸発燃料密閉系の内部空間に存する気体を大気中に放出することにより、蒸発燃料密閉系の内圧を負圧にする機能を有する。
ここで、蒸発燃料密閉系とは、燃料タンク13、蒸発燃料排出通路37、密閉弁41、キャニスタ15、大気導入通路47、および、診断モジュール49を含む閉空間をいう。蒸発燃料密閉系は、燃料タンク側およびキャニスタ側を含んで構成される。燃料タンク側は、燃料タンク13から第1の蒸発燃料排出通路37aを介して密閉弁41に至る閉空間である。キャニスタ側は、密閉弁41から第2の蒸発燃料排出通路37bを介してキャニスタ15を通り、さらに大気導入通路47を介して診断モジュール49に至る閉空間である。
本発明の“キャニスタ内圧検出部”に相当するキャニスタ内圧センサ55は、キャニスタ15に係るキャニスタ内圧を検出する機能を有する。ただし、切換弁53がキャニスタ15を大気に連通させる大気連通側に切り換えられている場合(図1A参照)、キャニスタ内圧センサ55は、大気圧を検出することになる。また、密閉弁41の開放(図1B参照)により燃料タンク13およびキャニスタ15間が蒸発燃料排出通路37を介して連通している状態(切換弁53は、キャニスタ15を大気から遮断させる大気遮断側に切り換えられている)では、キャニスタ内圧センサ55は、燃料タンク13に係るタンク内圧の変動を検出することになる。
基準オリフィス59は、後記するように、蒸発燃料密閉系のリーク診断を遂行する場合において、リークが生じているか否かを判定するためのリーク判定閾値を設定する際に用いられる。
診断モジュール49は、後記するように、蒸発燃料密閉系のリーク診断、並びに、密閉弁41および切換弁53の機能診断を遂行する際に用いられる。
本発明の制御部として機能するECU17には、図2に示すように、入力系として、イグニッションスイッチ30、前記のリッドスイッチ31、リッドセンサ29、タンク内圧センサ39、および、キャニスタ内圧センサ55、並びに、車速センサ61がそれぞれ接続されている。車速センサ61は、自車両(不図示)の速度を検出する機能を有する。車速センサ61で検出された自車両の速度に係る情報は、ECU17へと送られる。
また、ECU17には、図2に示すように、出力系として、前記の密閉弁41、切換弁53、パージ制御弁50、負圧ポンプ51、リッドロック機構27、および、報知部63がそれぞれ接続されている。報知部63は、蒸発燃料密閉系のリーク診断、並びに、密閉弁41および切換弁53の機能診断に関する情報を報知する機能を有する。具体的には、報知部63としては、車室内に設けられる液晶ディスプレイなどの表示部(不図示)やスピーカなどの音声出力部を好適に用いることができる。
ECU17は、図2に示すように、内圧情報取得部65、診断部67、および、制御部69を備えて構成される。
ECU17は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えたマイクロコンピュータにより構成される。このマイクロコンピュータは、ROMに記憶されているプログラムやデータを読み出して実行し、ECU17が有する内圧情報取得機能、診断機能、および、蒸発燃料処理装置11全体の統括制御機能を含む各種機能に係る実行制御を行うように動作する。
内圧情報取得部65は、タンク内圧センサ39またはキャニスタ内圧センサ55で検出されるタンク内圧またはキャニスタ内圧に係る内圧情報を取得する機能を有する。
診断部67は、蒸発燃料密閉系のリーク診断、および、密閉弁41や切換弁53の故障診断(例えば、開放固着や閉塞固着など)を行う機能を有する。また、診断部67は、キャニスタ内圧センサ55による検出期間においてタンク内圧が所定の範囲を超えて変動した場合に、蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク13側のリークなしの診断を下すように動作する。
なお、キャニスタ内圧センサ55による検出期間は、タンク内圧の変動が検出可能であって可及的に短時間となることを考慮して設定される。キャニスタ15へ送られる蒸発燃料の量をできるだけ少なく抑えることができるからである。
また、診断部67は、キャニスタ内圧センサ55による内圧検出機能を診断する機能をさらに有する。具体的には、診断部67は、キャニスタ内圧センサ55による内圧検出機能を、タンク内圧センサ39によるタンク内圧に係る検出値を参照して診断する。
さらに、診断部67は、内燃機関が作動中でかつ制御部69によるパージが行われていないときに、制御部69の指令に従い密閉弁41が開放している状態で、キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧が所定の範囲を超えて変動したか否かに基づいて、密閉弁41の機能診断を行う機能を有する。
制御部69は、密閉弁41、切換弁53、および、パージ制御弁50を開放または閉止させる指令を行うと共に、パージの制御を行う基本機能を有する。
制御部69は、イグニッションスイッチ30のオフ時点からの経過時間をカウントするためのSOAKタイマ71(図2参照)を内蔵している。制御部69は、SOAKタイマ71のカウント値であるイグニッションスイッチ30のオフ時点からの経過時間SOAKが、予め設定される所定時間SOAKthを超えたか否かを監視する。
なお、所定時間SOAKthは、イグニッションスイッチ30がオフされた後、余熱や環境温度による燃料の気化などの影響を受けて、大気圧とタンク内圧Ptankとの偏差がじゅうぶんに大きくなるのに必要な時間(例えば5時間などの適宜変更可能な時間長)が予め設定される。
経過時間SOAKが所定時間SOAKthを超えた(SOAK>SOAKth)旨の判定が下されると、制御部69は、後記する所定の診断処理を順次実行する。
また、制御部69は、例えば、内燃機関の停止中に、密閉弁41を開放させる指令を行うと共に、切換弁53を遮断させる指令を行う機能を有する。
〔本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の動作〕
次に、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の動作について、図3A〜図3Cを参照して説明する。
図3Aおよび図3Bは、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11が実行する診断処理の流れを表すフローチャート図である。図3Cは、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11が実行するリーク診断処理の流れを表すフローチャート図である。
なお、図3Aおよび図3Bに示す例では、イグニッションスイッチ30がオフされており、ECU17がスリープモードにある前提で、診断処理を実行する例を示している。ここで、スリープモードとは、SOAKタイマ71のカウント値である前記経過時間SOAKが前記所定時間SOAKthを超えたか否かに係る監視に機能を限定することで省電力を実現するECU17の動作モードをいう。
また、蒸発燃料処理装置11における密閉弁41および切換弁53の状態は、図1Aに示すように、密閉弁41が開放状態にある一方、切換弁53がキャニスタ15を大気連通させる開放状態にあるものとする。
図3に示すステップS11において、ECU17は、SOAKタイマ71のカウント値である経過時間SOAKが、所定時間SOAKthを超えたか否かを判定する。ECU17は、経過時間SOAKが所定時間SOAKthを超えた旨の判定が下されるまで、ステップS11の判定処理を繰り返す。ステップS11の判定の結果、経過時間SOAKが所定時間SOAKthを超えた旨のタイムアップ判定が下されると(ステップS11の“Yes”)、ECU17は、処理の流れを次のステップS12へと進ませる。
ステップS12において、ECU17は、ステップS11に係る経過時間SOAKが所定時間SOAKthを超えた旨のタイムアップ判定をトリガとしてウェイクアップし、スリープモードから、各種の機能を実行可能な通常モードへと自身の動作モードを移行させる。
ステップS13において、内圧情報取得部65は、ステップS11に係るタイムアップ判定が下された時点において、タンク内圧センサ39で検出されるタンク内圧Ptankを取得する。
ステップS14において、制御部69は、ステップS13で取得したタンク内圧Ptankが、大気圧付近(大気圧を含む所定の許容範囲)に収束しているか否かを判定する。ステップS14の判定の結果、タンク内圧Ptankが大気圧付近に収束している旨の判定が下されると(ステップS14の“Yes”)、ECU17は、処理の流れを次のステップS15へと進ませる。一方、ステップS14の判定の結果、タンク内圧Ptankが大気圧付近から外れている旨の判定が下されると(ステップS14の“No”)、ECU17は、処理の流れを後記のステップS23へと進ませる。
一般に、内燃機関を停止(イグニッションスイッチ30オフ)させた後の経過時間SOAKが所定時間SOAKthを超えると、タンク内圧Ptankは、大気圧付近から外れていることが多い。駐車中の車両の燃料タンク13内部では、内燃機関の余熱や環境温度の影響を受けて蒸発燃料が生じる。また、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の燃料タンク13は、内燃機関の停止中において、密閉弁41を閉止させる密閉構造を採用している。
ところが、仮に、燃料タンク13において蒸発燃料のリークが生じている場合、タンク内圧Ptankは、大気圧付近に収束する傾向を示す。したがって、タンク内圧Ptankが大気圧付近に収束しているか否かに基づいて、燃料タンク13において蒸発燃料のリークが生じているか否かに係る一応の診断を行うことができる。
ここで、“一応の診断”と記載したのは、燃料タンク13において蒸発燃料のリークが生じていない場合であっても、タンク内圧Ptankが大気圧付近に収束するケースが起こり得るからである。こうしたケースでの燃料タンク13のリーク診断について、詳しくは後記する。
ステップS14の判定の結果、タンク内圧Ptankが大気圧付近に収束している旨の判定が下されると、ステップS15において、制御部69は、密閉弁41を開放させる指令を行う。また、診断部67は、図1Bに示すように、密閉弁41を開放させた状態で、蒸発燃料密閉系全体としての全体リーク診断を実行する。なお、全体リークとは、蒸発燃料密閉系のうちいずれかの箇所でリークが生じている状態を意味する。
ここで、診断処理に係る説明の途中であるが、リーク診断処理の流れについて、図3Cを参照して説明する。
なお、リーク診断処理の態様としては、全体リーク診断処理と、部分リーク診断処理とがある。全体リーク診断処理と、部分リーク診断処理との相違点は、密閉弁41の開閉状態である。すなわち、全体リーク診断処理では、密閉弁41が開放状態にある。一方、部分リーク診断処理(蒸発燃料密閉系の部分を構成するキャニスタ側のリーク診断処理)では、密閉弁41が閉止状態にある。
図3Cに示すステップS41において、制御部69は、切換弁53をキャニスタ15が大気に連通する大気連通側に切り換える指令を行う。この指令を受けて、切換弁53は、大気連通側に切り換えられる。
なお、切換弁53が大気連通側に既に切り換えられている場合には、ステップS41の処理を省略することができる。
ステップS42において、制御部69は、負圧ポンプ51をオンさせる指令を行う。この指令を受けて、負圧ポンプ51は、蒸発燃料密閉系の内部空間に存する気体を大気中に放出することにより、蒸発燃料密閉系の内圧を負圧にするように動作する。ちなみに、この放出はキャニスタ15を介して行われるので、蒸発燃料がそのまま大気中に放出されることはない。
ステップS43において、内圧情報取得部65は、キャニスタ内圧センサ55で検出される第1のキャニスタ内圧Pcani1を取得する。ここで、キャニスタ内圧センサ55は、図1Aに示すように、基準オリフィス59を介して大気導入通路47に接続されている。また、ステップS41において、切換弁53が大気連通側に切り換えられている。
そのため、キャニスタ内圧センサ55を介して内圧情報取得部65で取得される第1のキャニスタ内圧Pcani1は、蒸発燃料密閉系に基準オリフィス59と同等の孔が空いている状態で負圧ポンプ51が作動している場合と等しい負圧値に収束する。
こうして収束した第1のキャニスタ内圧Pcani1に係る負圧値は、リーク判定閾値として、診断部67が有する不揮発性メモリ68に記憶される。このリーク判定閾値は、蒸発燃料密閉系に基準オリフィス59を超える大きさの孔が空いているか否かを診断する際の目安として用いられる。
なお、基準オリフィス59の孔径は、検知対象となるリーク孔の径寸法を考慮して適宜設定される。
ステップS44において、制御部69は、切換弁53をキャニスタ15が大気に対して遮断される大気遮断側に切り換える指令を行う。この指令を受けて、切換弁53は、大気遮断側に切り換えられる。
ステップS45において、制御部69は、負圧ポンプ51をオンさせる指令を行う。この指令を受けて、負圧ポンプ51は、蒸発燃料密閉系の内部空間に存する気体を大気中に放出することにより、蒸発燃料密閉系の内圧を負圧にするように動作する。
ステップS46において、内圧情報取得部65は、キャニスタ内圧センサ55で検出される第2のキャニスタ内圧Pcani2を取得する。
ステップS47において、診断部67は、ステップS43で取得した第1のキャニスタ内圧Pcani1、および、ステップS46で取得した第2のキャニスタ内圧Pcani2の比較結果に基づいて、対象となる蒸発燃料密閉系のリーク診断を行う。
ここで、ステップS44では、切換弁53が大気遮断側に切り換えられているため、キャニスタ内圧センサ55を介して内圧情報取得部65で取得される第2のキャニスタ内圧Pcani2は、リークが生じていない(基準オリフィス59の孔径と比べて小径の孔が空いた状態を含む)場合には、リーク判定閾値を超えた内圧をもって比較的速やかに負圧化(大気圧基準)する傾向を示す。
一方、基準オリフィス59の孔径と比べて大径の孔が空いた状態(リークが生じているケース)では、リーク判定閾値に満たない内圧をもって緩やかに負圧化(大気圧基準;負圧化しない場合を含む)する傾向を示す。
要するに、診断部67は、第1および第2のキャニスタ内圧Pcani1,Pcani2の比較結果に基づいて、第2のキャニスタ内圧Pcani2が、リーク判定閾値を超えた内圧をもって比較的速やかに負圧化(大気圧基準)する傾向を示す場合には、リークが生じていない旨の診断を下す。
一方、第2のキャニスタ内圧Pcani2が、リーク判定閾値に満たない内圧をもって緩やかに負圧化(大気圧基準;負圧化しない場合を含む)する傾向を示す場合には、診断部67は、基準オリフィス59の孔径と比べて大径の孔が空いた状態に係るリークが生じている旨の診断を下す。
なお、実際のリーク診断処理では、ステップS41〜S43の処理を予め実行しリーク判定閾値を求めておくことで、ステップS41〜S43の処理を省略することができる。かかる場合において、ステップS47では、診断部67は、リーク判定閾値および第2のキャニスタ内圧Pcani2の比較結果に基づいて、対象となる蒸発燃料密閉系のリーク診断を行うことになる。
さて、診断処理に戻って説明を続けると、ステップS16において、診断部67は、ステップS15の診断結果に基づいて、全体リークが生じているか否かを判定する。ステップS16の判定の結果、全体リークが生じていない旨の判定が下されると(ステップS16の“Yes”)、ECU17は、処理の流れを次のステップS17へと進ませる。一方、ステップS16の判定の結果、全体リークが生じている旨の判定が下されると(ステップS16の“No”)、ECU17は、処理の流れを後記のステップS31へと進ませる。
ステップS17において、報知部63は、ステップS16の全体リーク診断結果を受けて、蒸発燃料密閉系のうち、燃料タンク側およびキャニスタ側のいずれにもリークが生じていない旨の情報を報知する。
次いで、ステップS18において、制御部69は、密閉弁41を閉止させる閉止指令を行う。また、診断部67は、図1Cに示すように、密閉弁41を閉止させた状態で、蒸発燃料密閉系における蒸発燃料の部分リーク診断を実行する。ここで、蒸発燃料密閉系における蒸発燃料の部分リーク診断とは、蒸発燃料密閉系の部分を構成するキャニスタ側のリーク診断を意味する。また、部分リークとは、キャニスタ側のリークが生じている状態を意味する。
ステップS19において、内圧情報取得部65は、ステップS18に係る部分リーク診断の実行中において、タンク内圧センサ39で検出されるタンク内圧Ptankの時系列データを取得する。
ステップS20において、制御部69は、ステップS19で取得したタンク内圧Ptankの時系列データが、所定の範囲内に収束しているか否かを判定する。ステップS20の判定の結果、タンク内圧Ptankの時系列データが所定の範囲内に収束している旨の判定が下されると(ステップS20の“Yes”)、ECU17は、処理の流れを次のステップS21へと進ませる。一方、ステップS20の判定の結果、タンク内圧Ptankの時系列データが所定の範囲から外れている旨の判定が下されると(ステップS20の“No”)、ECU17は、処理の流れをステップS22へと進ませる。
密閉弁41が適正に閉止状態を維持している状態で、ステップS18に係る部分リーク診断を実行した場合、その実行中にタンク内圧センサ39で検出されるタンク内圧Ptankの時系列データは、大きく変動することなく所定の範囲内に収束するはずである。これは、タンク内圧センサ39が、密閉弁41を境として蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク13の側に設けられていて、蒸発燃料密閉系のうちキャニスタ15側から隔離されているからである。
ステップS20の判定の結果、タンク内圧Ptankの時系列データが所定の範囲内に収束する旨の判定が下されると、ステップS21において、報知部63は、蒸発燃料密閉系のうち、密閉弁41が正常に動作(閉止状態を維持)している旨を報知する。その後、ECU17は、一連の診断処理の流れを終了させる。
一方、ステップS20の判定の結果、タンク内圧Ptankの時系列データが所定の範囲から外れている旨の判定が下されると、ステップS22において、報知部63は、蒸発燃料密閉系のうち、密閉弁41が異常(閉止状態を維持できない)である旨を報知する。その後、ECU17は、一連の診断処理の流れを終了させる。
さて、ステップS14の判定の結果、タンク内圧Ptankが大気圧付近から外れている旨の判定が下されると、ステップS23において、制御部69は、密閉弁41の閉止を継続させる指令を行う。また、診断部67は、図1Cに示すように、密閉弁41を閉止させた状態で、蒸発燃料密閉系における蒸発燃料の部分リーク診断を実行する。
ステップS24において、診断部67は、ステップS23の診断結果に基づいて、部分リークが生じているか否かを判定する。ステップS24の判定の結果、部分リークが生じていない旨の判定が下されると(ステップS24の“Yes”)、ECU17は、処理の流れを次のステップS25へと進ませる。一方、ステップS24の判定の結果、部分リークが生じている旨の判定が下されると(ステップS24の“No”)、ECU17は、処理の流れをステップS26へと進ませる。
ステップS25において、報知部63は、ステップS23の部分リーク診断結果を受けて、蒸発燃料密閉系のうち、燃料タンク側、密閉弁41、および、キャニスタ側のいずれにも蒸発燃料のリークが生じていない旨の情報を報知する。その後、ECU17は、一連の診断処理の流れを終了させる。
一方、ステップS26において、報知部63は、ステップS23の部分リーク診断結果を受けて、蒸発燃料密閉系のうち、燃料タンク側および密閉弁41のいずれにも蒸発燃料のリークが生じていないが、キャニスタ側にリークが生じている旨の情報を報知する。その後、ECU17は、一連の診断処理の流れを終了させる。
さて、ステップS16の判定の結果、全体リークが生じている旨の判定が下されると、図3Bに示すステップS31において、制御部69は、密閉弁41を閉止させる閉止指令を行う。また、診断部67は、図1Cに示すように、密閉弁41を閉止させた状態で、蒸発燃料密閉系における蒸発燃料の部分リーク診断を実行する。
ステップS32において、診断部67は、ステップS31の診断結果に基づいて、部分リークが生じているか否かを判定する。ステップS32の判定の結果、部分リークが生じていない旨の判定が下されると(ステップS32の“Yes”)、ECU17は、処理の流れを次のステップS33へと進ませる。一方、ステップS32の判定の結果、部分リークが生じている旨の判定が下されると(ステップS32の“No”)、ECU17は、処理の流れをステップS34へと進ませる。
ステップS33において、報知部63は、ステップS31の部分リーク診断結果を受けて、蒸発燃料密閉系のうち、燃料タンク側に蒸発燃料のリークが生じているが、キャニスタ側にはリークが生じていない旨の情報を報知する。その後、ECU17は、一連の診断処理の流れを終了させる。
一方、ステップS34において、報知部63は、ステップS31の部分リーク診断結果を受けて、蒸発燃料密閉系のうち、燃料タンク側に蒸発燃料のリークが生じているか否かが不明であるため保留とする旨、および、キャニスタ側にリークが生じている旨の情報を報知する。その後、ECU17は、一連の診断処理の流れを終了させる。
〔本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の時系列動作〕
次に、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の時系列動作について、図4A〜図4Cを参照して詳しく説明する。
図4Aは、イグニッションスイッチ30のオンからオフへの切り換え後、所定時間が経過するまでの間の蒸発燃料処理装置11に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。図4Bおよび図4Cは、イグニッションスイッチ30のオフから所定時間が経過した後の、蒸発燃料処理装置11に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。
図4Aに示す時刻t1において、イグニッションスイッチ30がオンからオフへ切り換えられると(図4A(a)参照)、SOAKタイマ71(図2参照)がカウントを開始する(図4A(b)参照)と共に、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧Ptankが緩やかに低下してゆく(図4A(g)参照)。ただし、前提として、季節は冬であり、環境温度は低温(例えば摂氏5度以下程度)であるとする。
なお、図4Aに示す時刻t1において、蒸発燃料処理装置11に属する前記以外の各部の動作は以下の通りである。すなわち、ECU17の動作モードはスリープモードである(図4A(c)参照)。切換弁53は大気連通側に切り換えられている(図4A(d)参照)。密閉弁41は閉止状態である(図4A(e)参照)。負圧ポンプ51はオフ状態である(図4A(f)参照)。キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧Pcaniは大気圧を示す(図4A(h)参照)。
図4Aに示す時刻t2において、イグニッションスイッチ30がオンからオフへ切り換えられた時刻t1からの経過時間SOAK(SOAKタイマ71のカウント値)が所定時間SOAKthを超える(SOAK>SOAKth:図4A(b)参照)と、ECU17の動作モードが、スリープモードから通常モードへと移行する(図4A(c)参照)。
また、図4Aに示す時刻t2において、診断部67は、時刻t1にタンク内圧センサ39を介して取得したタンク内圧Ptank(t1)と、時刻t2にタンク内圧センサ39を介して取得したタンク内圧Ptank(t2)との偏差の絶対値(|Ptank(t1)−Ptank(t2)|)が、予め定められる第1のタンク内圧偏差閾値Ptank_dv1を超えるか否かに基づいて、タンク内圧センサ39が正常に動作しているか否かを診断する。
なお、第1のタンク内圧偏差閾値Ptank_dv1は、前記の偏差の絶対値(|Ptank(t1)−Ptank(t2)|)が、検出誤差を除いた有意な大きさに相当することを考慮して設定される。
一般に、内燃機関を停止(イグニッションスイッチ30オフ)させた後の経過時間SOAKが所定時間SOAKthを超えると、タンク内圧Ptankは、大気圧付近から外れていることが多い。駐車中の車両の燃料タンク13内部では、内燃機関の余熱や環境温度の影響を受けて蒸発燃料が生じる。また、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の燃料タンク13は、内燃機関の停止中において、密閉弁41を閉止させる密閉構造を採用している。
ところが、例えば、タンク内圧センサ39が固着異常により正常に動作していない場合、タンク内圧センサ39の検出値であるタンク内圧Ptankは、時刻t1と時刻t2とで変動しない傾向を示す。したがって、タンク内圧Ptankが時刻t1と時刻t2とで変動しない傾向を示すか否か(前記の偏差の絶対値(|Ptank(t1)−Ptank(t2)|)が第1のタンク内圧偏差閾値Ptank_dv1を超えるか否か)に基づいて、タンク内圧センサ39が正常に動作しているか否かに係る一応の診断を行うことができる。
ここで、“一応の診断”と記載したのは、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧Ptankが時刻t1と時刻t2との間で変動しない傾向を示す場合であっても、タンク内圧センサ39が正常に動作しているケース(例えば、タンク内圧Ptankが時刻t1と時刻t2との間で現実に変動しないケースなど)が起こり得るからである。
タンク内圧センサ39が正常に動作しているか否かに係る診断結果は、診断部67が有する不揮発性メモリ68に記憶され、例えば、イグニッションスイッチ30がオンされるタイミングなどに、報知部63を介して乗員に報知される。
なお、図4Aに示す時刻t2において、蒸発燃料処理装置11に属する前記以外の各部の動作は以下の通りである。すなわち、ECU17の動作モードは通常モードである(図4A(c)参照)。切換弁53は大気連通側に切り換えられている(図4A(d)参照)。密閉弁41は閉止状態である(図4A(e)参照)。負圧ポンプ51はオフ状態である(図4A(f)参照)。キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧Pcaniは大気圧を示す(図4A(h)参照)。
図4Bに示す時刻t3〜t5において、切換弁53が大気連通側から大気遮断側に切り換えられた(図4B(d)の時刻t3参照)後、再び大気連通側へ切り換えられる(図4B(d)の時刻t5参照)と同時に、密閉弁41が閉止状態から開放状態に移行(図4B(e)の時刻t3参照)した後、所定の開放期間(時刻t3〜t5)をおいて閉止状態に移行(図4B(e)の時刻t5参照)する。すると、この密閉弁41の開放をトリガとして、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧Ptankが低下してゆく(図4B(g)参照)反面、キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧Pcaniがパルス状に上昇する(図4B(h)参照)。
これは、図4Bに示す時刻t3の直前において、キャニスタ内圧Pcani(大気圧)と比べてタンク内圧Ptankが相対的に高い状態にある前提で、切換弁53が大気遮断側に切り換えられている状態(キャニスタ15側の内部空間は狭い)で密閉弁41が正常に開放されることによって、両者間の内圧偏差が速やかに相殺されるからである。
したがって、密閉弁41の開放期間(時刻t3〜t5)において、時刻t3にキャニスタ内圧センサ55を介して取得したキャニスタ内圧Pcani(t3)と、前記の開放期間(時刻t3〜t5)にキャニスタ内圧センサ55を介して複数取得したキャニスタ内圧のうち最大値Pcani(max)(ただし、図4B(h)に示す例では、Pcani(t4)が該当する。)との偏差の絶対値(|Pcani(t3)−Pcani(t4)|)が、予め定められる第1のキャニスタ内圧偏差閾値Pcani_dv1を超えるか否かに基づいて、密閉弁41が正常に開放されたか否かに係る一応の診断を行うことができる。
なお、第1のキャニスタ内圧偏差閾値Pcani_dv1は、前記の偏差の絶対値(|Pcani(t3)−Pcani(t4)|)が、検出誤差を除いた有意な大きさに相当することを考慮して設定される。
ここで、“一応の診断”と記載したのは、前記の偏差の絶対値(|Pcani(t3)−Pcani(t4)|)が第1のキャニスタ内圧偏差閾値Pcani_dv1を超えない場合であっても、密閉弁41が正常に開放されているケース(例えば、時刻t3において、キャニスタ内圧Pcani(大気圧)とタンク内圧Ptankとがほぼ等しいケースなど)が起こり得るからである。
密閉弁41が正常に開放されたか否かに係る診断結果は、診断部67が有する不揮発性メモリ68に記憶され、例えば、イグニッションスイッチ30がオンされるタイミングなどに、報知部63を介して乗員に報知される。
なお、図4Bに示す時刻t3〜t5において、蒸発燃料処理装置11に属する前記以外の各部の動作は以下の通りである。すなわち、イグニッションスイッチ30はオフ状態である(図4B(a)参照)。SOAKタイマ71はカウントを停止している(図4B(b)参照)。ECU17の動作モードは通常モードである(図4B(c)参照)。切換弁53は大気連通側に切り換えられている(図4B(d)参照)。負圧ポンプ51はオフ状態である(図4B(f)参照)。
図4Cに示す時刻t6において、密閉弁41が閉止状態から開放状態に切り換えられる(図4B(e)参照)。
同時刻t6において、蒸発燃料処理装置11に属する前記以外の各部の動作は以下の通りである。すなわち、イグニッションスイッチ30はオフ状態である(図4C(a)参照)。SOAKタイマ71はカウントを停止している(図4C(b)参照)。ECU17の動作モードは通常モードである(図4C(c)参照)。切換弁53は大気連通側に切り換えられている(図4C(d)参照)。負圧ポンプ51はオフ状態である(図4B(f)参照)。タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧Ptankは一定値を示す(図4C(g)参照)。キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧Pcaniも一定値を示す(図4A(h)参照)。
図4Cに示す時刻t7〜t8において、切換弁53が、大気連通側から大気遮断側へと切り換え(図4C(d)の時刻t7参照)られた後、再び大気遮断側から大気連通側へと切り換え(図4C(d)の時刻t8参照)られると、この切換弁53の動作と同期して、負圧ポンプ51が、オフからオンへと切り換え(図4C(f)の時刻t7参照)られた後、再びオンからオフへと切り換え(図4C(f)の時刻t8参照)られる。
また、図4Cに示す時刻t7〜t8(切換弁53の大気連通側から大気遮断側への切り換え期間、および、負圧ポンプ51のオフからオンへの切り換え期間)において、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧Ptankが低下してゆく(図4C(g)参照)と共に、キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧Pcaniも低下してゆく(図4C(h)参照)。これは、密閉弁41が開放されている状態で負圧ポンプ51がオン動作することによって、蒸発燃料密閉系の内部空間に存する気体が大気中に放出され、蒸発燃料密閉系の内圧が負圧になるからである。
したがって、密閉弁41が開放されている状態で負圧ポンプ51がオン動作した場合に、診断部67は、時刻t7にタンク内圧センサ39を介して取得したタンク内圧Ptank(t7)と、時刻t8にタンク内圧センサ39を介して取得したタンク内圧Ptank(t8)との偏差の絶対値(|Ptank(t7)−Ptank(t8)|)が、予め定められる第2のタンク内圧偏差閾値Ptank_dv2を超えるか否かに基づいて、密閉弁41およびタンク内圧センサ39が正常に動作しているか否かに係る診断を行うことができる。
なお、第2のタンク内圧偏差閾値Ptank_dv2は、前記の偏差の絶対値(|Ptank(t7)−Ptank(t8)|)が、検出誤差を除いた有意な大きさに相当することを考慮して設定される。
密閉弁41およびタンク内圧センサ39が正常に動作しているか否かに係る診断結果は、診断部67が有する不揮発性メモリ68に記憶され、例えば、イグニッションスイッチ30がオンされるタイミングなどに、報知部63を介して乗員に報知される。
また、密閉弁41が開放されている状態で負圧ポンプ51がオン動作した場合に、診断部67は、時刻t7にキャニスタ内圧センサ55を介して取得したキャニスタ内圧Pcani(t7)と、時刻t8にキャニスタ内圧センサ55を介して取得したキャニスタ内圧Pcani(t8)との偏差の絶対値(|Pcani(t7)−Pcani(t8)|)が、予め定められる第2のキャニスタ内圧偏差閾値Pcani_dv2を超えるか否かに基づいて、キャニスタ内圧センサ55が正常に動作しているか否かに係る診断を行うことができる。
なお、第2のキャニスタ内圧偏差閾値Pcani_dv2は、前記の偏差の絶対値(|Pcani(t7)−Pcani(t8)|)が、検出誤差を除いた有意な大きさに相当することを考慮して設定される。
キャニスタ内圧センサ55が正常に動作しているか否かに係る診断結果は、診断部67が有する不揮発性メモリ68に記憶され、例えば、イグニッションスイッチ30がオンされるタイミングなどに、報知部63を介して乗員に報知される。
図4Cに示す時刻t7〜t8において、蒸発燃料処理装置11に属する前記以外の各部の動作は以下の通りである。すなわち、イグニッションスイッチ30はオフ状態である(図4C(a)参照)。SOAKタイマ71はカウントを停止している(図4C(b)参照)。ECU17の動作モードは通常モードである(図4C(c)参照)。
〔ハイブリッド車両が走行中の、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の時系列動作〕
次に、ハイブリッド車両が走行中の、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の時系列動作について、図5A〜図5Bを参照して詳しく説明する。
図5Aは、密閉弁41が正常に機能している場合の、蒸発燃料処理装置11に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。図5Bは、密閉弁41が異常(閉塞故障)状態にある場合の、蒸発燃料処理装置11に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。
はじめに、密閉弁41が正常に機能している場合の、蒸発燃料処理装置11に属する各部の動作について、図5Aを参照して説明する。
図5Aに示す時刻t11において、ハイブリッド車両が走行を開始して(図5A(a)参照)、徐々に車速をあげてゆくと、所定のタイミング(図5A(b)の時刻t12参照)をもって内燃機関が作動しはじめる。
図5Aに示す時刻t13〜t15において、制御部69の制御信号に従って、切換弁53および密閉弁41が同期動作する。詳しく述べると、図5Aに示す時刻t13〜t15において、切換弁53が、大気連通側から大気遮断側に切り換えられた(図5A(e)の時刻t13参照)後、再び大気連通側へ切り換えられる(図5A(e)の時刻t5参照)。これと同時に、密閉弁41が、閉止状態から開放状態へ移行(図5A(f)の時刻t13参照)した後、所定の開放期間(時刻t13〜t15)をおいて閉止状態に移行(図5A(f)の時刻t15参照)する。
すると、密閉弁41の開放期間(時刻t13〜t15)において、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧Ptankが低下してゆく(図5A(g)参照)反面、キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧Pcaniが上昇してゆく(図5A(h)参照)。
これは、図5Aに示す時刻t13の直前において、キャニスタ内圧Pcani(大気圧)と比べてタンク内圧Ptankが相対的に高い状態にある前提で、切換弁53が大気遮断側に切り換えられている状態(キャニスタ15側の内部空間は狭い)で密閉弁41が正常に開放されることによって、両者間の内圧偏差が速やかに相殺されるからである。
したがって、密閉弁41の開放期間(時刻t13〜t15)において、時刻t13にキャニスタ内圧センサ55を介して取得したキャニスタ内圧Pcani(t13)と、前記の開放期間(時刻t13〜t15)にキャニスタ内圧センサ55を介して複数取得したキャニスタ内圧のうち最大値Pcani(max)(ただし、図5A(h)に示す例では、Pcani(t14)が該当する。)との偏差の絶対値(|Pcani(t13)−Pcani(t14)|)が、予め定められる第3のキャニスタ内圧偏差閾値Pcani_dv3を超えるか否かに基づいて、密閉弁41が正常に開放されたか否かに係る一応の診断を行うことができる。
なお、第3のキャニスタ内圧偏差閾値Pcani_dv3は、前記の偏差の絶対値(|Pcani(t13)−Pcani(t14)|)が、検出誤差を除いた有意な大きさに相当することを考慮して設定される。
ここで、“一応の診断”と記載したのは、前記の偏差の絶対値(|Pcani(t13)−Pcani(t14)|)が第3のキャニスタ内圧偏差閾値Pcani_dv3を超えない場合であっても、密閉弁41が正常に開放されているケース(例えば、時刻t13において、キャニスタ内圧Pcani(大気圧)とタンク内圧Ptankとがほぼ等しいケースなど)が起こり得るからである。
密閉弁41が正常に開放されたか否かに係る診断結果は、診断部67が有する不揮発性メモリ68に記憶され、例えば、イグニッションスイッチ30がオンされるタイミングなどに、報知部63を介して乗員に報知される。
なお、図5Aに示す時刻t3〜t5において、蒸発燃料処理装置11に属する前記以外の各部の動作は以下の通りである。すなわち、内燃機関は作動中である(図5A(b)参照)。パージ制御弁50は閉止しており、パージ処理は休止中である(図5A(c)参照)。密閉弁41の開放を許可する圧抜き許可信号は出力されていない(図5A(d)参照)。
図5Aに示す時刻t16において、制御部69のパージ制御信号に従って、パージ制御弁50が開放される(図5A(c)参照)。なお、制御部69は、例えば、内燃機関の負荷状態に基づいて目標パージ流量を設定し、設定した目標パージ流量を実現するためのパージ制御信号を出力するように動作する。実際には、パージ制御弁50は、例えば、制御部69のパージ制御信号に従ってPWM制御される。
図5Aに示す時刻t17において、制御部69の圧抜き許可信号(図5A(d)参照)に従って、密閉弁41を用いた圧抜き処理が実行される(図5A(f)参照)。密閉弁41を用いた圧抜き処理では、圧抜き許可信号が出力されている期間において、密閉弁41は、所定の間隔をおいて閉止および開放を繰り返すように動作する。
詳しく述べると、密閉弁41は、閉止状態から開放状態へ移行(図5A(f)の時刻t17,t19,t21,t23参照)した後、所定の開放期間(図5A(f)の時刻t17〜t18,時刻t19〜t20,時刻t21〜t22,時刻t23〜t24参照)をおいて閉止状態に移行(図5A(f)の時刻t18,t20,t22,t24参照)する。
密閉弁41の開放期間(図5A(f)の時刻t17〜t18,時刻t19〜t20,時刻t21〜t22,時刻t23〜t24参照)のそれぞれにおいて、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧Ptankが低下してゆく(図5A(g)参照)反面、キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧Pcaniがパルス状に上昇する(図5A(h)参照)。
しかしながら、密閉弁41の開放期間(図5A(f)の時刻t17〜t18,時刻t19〜t20,時刻t21〜t22,時刻t23〜t24参照)のそれぞれにおいて、時刻t17,t19,t21,t23におけるキャニスタ内圧Pcani(大気圧)と、前記それぞれの開放期間におけるキャニスタ内圧Pcaniの最大値との偏差の絶対値が、第3のキャニスタ内圧偏差閾値Pcani_dv3を超えることはない(図5A(h)参照)。
なお、図5Aに示す時刻t17〜t24において、蒸発燃料処理装置11に属する前記以外の各部の動作は以下の通りである。すなわち、内燃機関は作動中である(図5A(b)参照)。パージ制御弁50は開放しており、パージ処理は遂行中である(図5A(c)参照)。切換弁53は大気連通側に切り換えられている(図5A(e)参照)。
図5Aに示す時刻t25において、ハイブリッド車両が走行を停止させると(図5A(a)参照)、このタイミングに同期して、内燃機関は作動を停止し(図5A(b)参照)、パージ制御弁50は開放状態から閉止状態へと移行し(パージ処理は休止中;図5A(c)参照)、圧抜き許可信号は出力されなくなる(図5A(d)参照)。
一方、密閉弁41が異常(閉塞故障)状態にある場合の、蒸発燃料処理装置11に属する各部の動作について、図5Bを参照して説明する。ただし、密閉弁41が正常に機能している場合と、密閉弁41が異常(閉塞故障)状態にある場合とでは、相互に共通の動作部分が存在する。そこで、説明の重複を避けるために、前記の両者間における相違点に注目して説明を進めることとする。
密閉弁41が異常(閉塞状態を維持している故障)状態にある場合には、時刻t11〜t25の全期間において、密閉弁41が開放状態に移行することはない(図5B(f)参照)。そうすると、時刻t11〜t25の全期間において、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧Ptankは一定値を示す(図5B(g)参照)と共に、キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧Pcaniも一定値を示す(図5B(h)参照)。
特に、制御部69による密閉弁41の開放指令が出力されている時刻t13〜t15の期間に注目すると、時刻t13にキャニスタ内圧センサ55を介して取得したキャニスタ内圧Pcani(t13)と、この開放期間(時刻t13〜t15)にキャニスタ内圧センサ55を介して複数取得したキャニスタ内圧のうち最大値Pcani(max)(ただし、図5B(h)に示す例では、Pcani(t13)と同じ。)との偏差の絶対値(|Pcani(t13)−Pcani(t13)|)が、第3のキャニスタ内圧偏差閾値Pcani_dv3を超えることはない。
かかるケースでは、診断部67は、密閉弁41が正常に開放されない旨の診断を下すことになる。
〔本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の作用効果〕
次に、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の作用効果について説明する。
本発明の実施形態に係る第1の観点(請求項1)に基づく蒸発燃料処理装置11は、内燃機関を備える車両に搭載された燃料タンク13と大気間の蒸発燃料排出通路(連通路)37に設けられ、燃料タンク13を大気から遮断する密閉弁41と、蒸発燃料排出通路(連通路)37のうち密閉弁41と大気間に設けられ、燃料タンク13から蒸発燃料排出通路(連通路)37を介して排出される蒸発燃料を回収するキャニスタ15と、蒸発燃料排出通路(連通路)37のうち密閉弁41を境としてキャニスタ15の側に設けられ、キャニスタ15に係るキャニスタ内圧を検出するキャニスタ内圧センサ(キャニスタ内圧検出部)55と、密閉弁41を開放または閉止させる指令を行うと共に、パージの制御を行う制御部69と、燃料タンク13、キャニスタ15、および、密閉弁41を含む蒸発燃料密閉系の機能診断を行う診断部67と、を備える。
第1の観点に基づく蒸発燃料処理装置11では、診断部67は、内燃機関が作動中でかつ制御部69によるパージが行われていないときに、制御部69の指令に従い密閉弁41が開放している状態で、キャニスタ内圧センサ(キャニスタ内圧検出部)55により検出されるキャニスタ内圧が所定の範囲を超えて変動したか否かに基づいて、密閉弁41の機能診断を行う、構成を採用することとした。
本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の燃料タンク13は、原則として密閉弁41が閉止される密閉構造を採用している。また、蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク13側の内部空間では、内燃機関の余熱や環境温度の影響を受けて蒸発燃料が生じる。そのため、タンク内圧Ptankは、通常、大気圧に対して正圧に維持される。一方、蒸発燃料密閉系のうちキャニスタ15側の内部空間は、大気圧とされる。
こうした状況下において、閉止状態を維持していた密閉弁41が正常に開放されると、蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク13側に係るタンク内圧Ptankは低下してゆく反面、蒸発燃料密閉系のうちキャニスタ15側に係るキャニスタ内圧Pcaniは上昇してゆく。これは、閉止状態を維持していた密閉弁41が正常に開放されることによって、両者間の内圧偏差が速やかに相殺されるからである。
前記の特性を活用すれば、密閉弁41の開放をトリガとして、キャニスタ内圧Pcaniが所定の範囲を超えて変動したか否かに基づいて、閉止状態を維持していた密閉弁41が正常に開放されたか否かに係る機能診断を行うことができることを意味する。
さらに、密閉弁41が正常に開放されたか否かに係る機能診断は、内燃機関が作動中でかつ制御部69によるパージが行われていないときに遂行される。仮に、パージが行われているときに密閉弁41に係る機能診断を遂行すると、密閉弁41の開放により蒸発燃料密閉系が内燃機関の側へと連通される状態が形成される。そうすると、内燃機関の作動状態に変動(例えば、急加速など)が生じると、この変動が蒸発燃料密閉系の内圧に影響を与えて、タンク内圧の変動傾向が本来のものからずれてしまうため、密閉弁の機能診断を高い精度で遂行することが難しくなる。
第1の観点に基づく蒸発燃料処理装置11によれば、内燃機関が作動中でかつパージが行われていないときに、密閉弁41が開放している状態で、キャニスタ内圧Pcaniが所定の範囲を超えて変動したか否かに基づいて、密閉弁41の機能診断を行うため、内燃機関の作動中であっても、密閉弁41の機能診断を高精度で遂行することができる。
しかも、仮に、パージが行われているときに密閉弁41に係る機能診断を遂行した場合、密閉弁41の開放に伴って蒸発燃料がキャニスタ15およびパージ通路45などを介してインテークマニホールドへと流れ込んでしまう。そうすると、内燃機関の燃焼制御を的確に遂行する観点から好ましくない。
したがって、第1の観点に基づく蒸発燃料処理装置11によれば、前記の効果に加えて、内燃機関の燃焼制御を的確に遂行する効果を期待することができる。
また、本発明の実施形態に係る第2の観点(請求項2)に基づく蒸発燃料処理装置11は、第1の観点に基づく蒸発燃料処理装置11であって、診断部67は、キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧が所定の範囲を超えて変動した場合に、密閉弁41が正常に機能している旨の診断を下す、構成を採用することとした。
第2の観点に基づく蒸発燃料処理装置11によれば、第1の観点に基づく発明の効果に加えて、密閉弁41が正常に機能している旨の診断を高精度で遂行することができる。
また、本発明の実施形態に係る第3の観点(請求項3)に基づく蒸発燃料処理装置11は、第1または第2の観点に基づく蒸発燃料処理装置11であって、制御部69による密閉弁41を開放させる指令は、所定量を超えるパージが遂行された直後に行われる、構成を採用することとした。
第3の観点に基づく蒸発燃料処理装置11では、所定量を超えるパージが遂行されると、このパージ遂行の直前まで蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク13の側に生じていた蒸発燃料は、キャニスタ15およびパージ通路45などを介してインテークマニホールドへと流れ出てゆく。こうして蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク13の側の蒸発燃料が流出した直後に、制御部69による密閉弁41を開放させる指令が行われることになる。
第3の観点に基づく蒸発燃料処理装置11によれば、蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク13の側の蒸発燃料が内燃機関の側へ流れ出る事態を抑制することができるため、第1〜第2の観点に基づく発明の効果に加えて、内燃機関の燃焼制御を一層的確に遂行する効果を期待することができる。
また、本発明の実施形態に係る第4の観点(請求項4)に基づく蒸発燃料処理装置11は、第1または第2の観点に基づく蒸発燃料処理装置11であって、燃料タンク13に係るタンク内圧を検出するタンク内圧センサ39をさらに備え、制御部69による密閉弁41を開放させる指令は、所定量を超えるパージが遂行された直後で、かつ、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧が所定値を下回っている場合に行われる、構成を採用することとした。
第3の観点に基づく蒸発燃料処理装置11と、第4の観点に基づく蒸発燃料処理装置11との相違点は、第4の観点に基づく蒸発燃料処理装置11では、制御部69による密閉弁41を開放させる指令を行う条件として、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧が所定値を下回っていることが追加された点である。タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧が所定値を下回っているということは、蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク13の側の蒸発燃料が、所定値に対応する量を下回る程度まで減少していることを意味する。
第4の観点に基づく蒸発燃料処理装置11によれば、第1または第2の観点に基づく発明の効果に加えて、内燃機関の燃焼制御をより一層的確に遂行する効果を期待することができる。
また、本発明の実施形態に係る第5の観点(請求項5)に基づく蒸発燃料処理装置11は、第1または第2の観点に基づく蒸発燃料処理装置11であって、燃料タンク13に係るタンク内圧を検出するタンク内圧センサ39をさらに備え、制御部69による密閉弁41を開放させる指令は、所定量を超えるパージが遂行された直後で、かつ、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧が所定値を上回っている場合に行われる、構成を採用することとした。
第3の観点に基づく蒸発燃料処理装置11と、第5の観点に基づく蒸発燃料処理装置11との相違点は、第5の観点に基づく蒸発燃料処理装置11では、制御部69による密閉弁41を開放させる指令を行う条件として、タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧が所定値を上回っていることが追加された点である。タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧が所定値を上回っているということは、タンク内圧とキャニスタ内圧との圧力差が大きいはずであるから、密閉弁41の開放に伴うキャニスタ内圧の経時変化を捉え易いことを意味する。
第5の観点に基づく蒸発燃料処理装置11によれば、第1または第2の観点に基づく発明の効果に加えて、密閉弁41の開放に伴うキャニスタ内圧の経時変化を容易に捉える効果を期待することができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば、本発明に係る実施形態において、蒸発燃料密閉系におけるリーク診断処理を実行するにあたり、負圧ポンプ51を用いて蒸発燃料密閉系の内部空間を負圧にする例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。蒸発燃料密閉系におけるリーク診断処理を実行するにあたり、正圧ポンプを用いて蒸発燃料密閉系の内部空間を正圧にする態様も、本発明の技術的範囲に包含される。
また、本発明に係る実施形態において、駐車時の環境温度が高温である場合を想定して説明したが、本発明は、駐車時の環境温度が低温(例えば摂氏零度以下など)である場合にも適用可能である。駐車時の環境温度が低温の場合、燃料タンク13内にたまっている蒸発燃料の液化を通じて、密閉状態下のタンク内圧は負圧になる。かかるケースでは、密閉状態下のタンク内圧が正圧になる実施形態に準じて適宜の改変を施して、本発明を実施すればよい。
また、本発明に係る実施形態において、駆動源として内燃機関および電動モータを備えるハイブリッド車両に対して、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11を適用する例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。動力源として内燃機関のみを備えた車両に対して、本発明を適用してもよい。
11 蒸発燃料処理装置
13 燃料タンク
15 キャニスタ
17 ECU
37 蒸発燃料排出通路(連通路)
39 タンク内圧センサ(タンク内圧検出部)
41 密閉弁
50 パージ制御弁
53 切換弁
55 キャニスタ内圧センサ(キャニスタ内圧検出部)
67 診断部
69 制御部

Claims (5)

  1. 内燃機関を備える車両に搭載された燃料タンクと大気間の連通路に設けられ、当該燃料タンクを大気から遮断する密閉弁と、
    前記連通路のうち前記密閉弁と大気間に設けられ、前記燃料タンクから前記連通路を介して排出される蒸発燃料を回収するキャニスタと、
    前記連通路のうち前記密閉弁を境として前記キャニスタの側に設けられ、前記キャニスタに係るキャニスタ内圧を検出するキャニスタ内圧センサ55と、
    前記密閉弁を開放または閉止させる指令を行うと共に、パージの制御を行う制御部と、
    前記燃料タンク、前記キャニスタ、および、前記密閉弁を含む蒸発燃料密閉系の機能診断を行う診断部と、
    を備え、
    前記診断部は、前記内燃機関が作動中でかつ前記制御部によるパージが行われていないときに、前記制御部の前記指令に従い前記密閉弁が開放している状態で、前記キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧が所定の範囲を超えて変動したか否かに基づいて、前記密閉弁の機能診断を行う、
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記診断部は、前記キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧が所定の範囲を超えて変動した場合に、前記密閉弁が正常に機能している旨の診断を下す、
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記制御部による密閉弁を開放させる指令は、所定量を超えるパージが遂行された直後に行われる、
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  4. 請求項1または2に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記燃料タンクに係るタンク内圧を検出するタンク内圧センサ39をさらに備え、
    前記制御部による密閉弁を開放させる指令は、所定量を超えるパージが遂行された直後で、かつ、前記タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧が所定値を下回っている場合に行われる、
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  5. 請求項1または2に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記燃料タンクに係るタンク内圧を検出するタンク内圧センサ39をさらに備え、
    前記制御部による密閉弁を開放させる指令は、所定量を超えるパージが遂行された直後で、かつ、前記タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧が所定値を上回っている場合に行われる、
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
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