JP2014088504A - 絶縁膜形成組成物、当該組成物から形成された絶縁膜、及び当該絶縁膜を有するタッチパネル - Google Patents

絶縁膜形成組成物、当該組成物から形成された絶縁膜、及び当該絶縁膜を有するタッチパネル Download PDF

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圭介 首藤
Junpei Kobayashi
淳平 小林
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拓 加藤
Masamutsu Suzuki
正睦 鈴木
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Abstract

【課題】耐熱透明性、高硬度、下地ガラス基板とITO透明電極に対する高い密着性を有する膜が得られ、下地ガラス基板とITO透明電極に対してグラビアオフセット印刷可能である、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物を提供する。
【解決手段】(A)成分:カルボキシル基を含有するアクリルポリマー、(B)成分:4官能以上の多官能(メタ)アクリレート又は脂環式エポキシ化合物、(C)成分:ラジカル開始剤、及び、(D)成分:沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒を含有することを特徴とするグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物、当該組成物から形成された絶縁膜、及び当該絶縁膜を有するタッチパネルに関する。
近年、ディスプレイ一体型の入力装置としてのタッチパネルは、使い勝手のよさから広く利用されている。タッチパネルの方式には様々な種類があり、抵抗膜方式、静電容量方式等が知られている(特許文献1、2参照)。タッチパネルの透明電極間には絶縁膜が介在しており、この絶縁膜の透過率が低いとタッチパネルの透明性が低下し、表示精度が損なわれる(特許文献3参照)。そのためこの絶縁膜には透明性が高く、基板の高温処理を行っても透明性を損なわない絶縁材料が求められている。またこうした絶縁材料には、透明電極及び基板との高い密着性、タッチパネルの製造工程で傷が発生しないだけの高い硬度も求められている。
高透明性、高硬度といった特性を持つ硬化膜が得られる材料として、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂と光ラジカル開始剤、多官能モノマー、シランカップリング剤を組み合わせた組成物が知られている(特許文献4参照)。
特開平10−48625号公報 特開2006−11523号公報 実開平5−43124号公報 特開2012−88610号公報
上述の組成物はネガ型感光性樹脂組成物であるため、絶縁膜を形成するためには、材料を基板へ塗布後、焼成、露光、現像、更なる焼成というフォトリソグラフィー工程を行う必要があり、製造を行う上で工程数が多いことが課題とされていた。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、高耐熱透明性、高硬度、下地ガラス基板とITO透明電極に対する高い密着性を有する膜が得られ、従来の工程数の多いフォトリソグラフィー工程を経ることなく、グラビアオフセット印刷法、スクリーン印刷法といった印刷法を用いてより少ない工程にて硬化膜を形成できる、新たな絶縁膜形成組成物、及び当該組成物から形成された絶縁膜、及び当該絶縁膜を有するタッチパネルを提供することである。
本発明者らは上記の課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー、硬化剤、ラジカル開始剤及び沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒を使用することにより本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)成分:カルボキシル基を含有するアクリルポリマー
(B)成分:4官能以上の多官能(メタ)アクリレート又は脂環式エポキシ化合物
(C)成分:ラジカル開始剤、及び
(D)成分:沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒
を含有することを特徴とするグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物である。
本発明のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物は、高耐熱透明性、高硬度、下地ガラス基板とITO透明電極に対する高い密着性を有する膜を形成することができる。
また該組成物は、下地ガラス基板とITO透明電極に対してグラビアオフセット印刷又はスクリーン印刷可能であるため、従来の絶縁材料として提案された感光性樹脂組成物で必要とされた複数工程を要するリソグラフィー工程を必要とせず、印刷(塗布)、焼成の僅かな工程で、微細なパターンにて硬化膜(絶縁膜)を形成できる。
そして得られた硬化膜は、上述の如く耐熱透明性や硬度が高く、基板及び電極への高い密着性を有することから、タッチパネル用絶縁膜として好適に用いることができる。
上述したように、従来のリソグラフィー技術を適用した感光性樹脂組成物を用いた絶縁膜(硬化膜)の形成には、複数の工程を経る必要があり、より少ない工程で膜形成できる絶縁材料が求められていたが、耐熱透明性、高硬度、下地ガラス基板とITO透明電極に対する高い密着性等を備える絶縁材料はこれまでに報告されていない。
そこで本発明者らは、フォトリソグラフィー工程を経由することなく基板に直接絶縁膜を印刷でき、また、絶縁膜の形成パターンを微細に構築できる方法として、グラビアオフセット印刷法又はスクリーン印刷法を採用した場合に使用可能な絶縁材料を種々検討し、本発明を完成させたものである。
而して本発明は、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー、硬化剤、ラジカル開始剤及び沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒を使用することで、下地ガラス基板とITO透明電極に対してグラビアオフセット印刷法又はスクリーン印刷法により目的とする絶縁膜のパターン形成が可能となり、また印刷後に得られた絶縁膜が高耐熱透明性、高硬度、下地ガラス基板とITO透明電極に対する高い密着性を有することに特徴がある。
すなわち本発明は、
(A)成分:カルボキシル基を含有するアクリルポリマー、
(B)成分:4官能以上の多官能(メタ)アクリレート又は脂環式エポキシ化合物、
(C)成分:ラジカル開始剤、及び
(D)成分:沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒
を含有することを特徴とするグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物である。
また本発明は、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分に加えて、更に、(E)成分として界面活性剤及び/又は(F)成分としてシランカップリング剤をも含有することのできるグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物である。
以下、各成分について詳細に説明する。
<(A)成分>
本発明の組成物に用いられる(A)成分は、カルボキシル基を有するセグメントを含む共重合体(I)(すなわち下記式(I)に示す(メタ)アクリル酸由来の構造単位と(メタ)アクリル酸エステルモノマー由来の構造単位とを含む共重合体)、もしくはカルボキシル基を有するセグメントを含む共重合体(I)に一分子中に一個以上の(メタ)アクリル基とエポキシ基を有するエポキシ基含有不飽和化合物を開環付加反応させて得られる共重合体(II)又は(III)である。なお、本明細書では(メタ)アクリル酸とは、ア
クリル酸とメタクリル酸の両方を表し、(メタ)アクリル基は、アクリル基とメタクリル基の両方を表し、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの両方を表す。
Figure 2014088504
(式中、2つのRは同一又は異なってもよく水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1乃至5の直鎖又は分岐鎖構造のアルキル基を表す。)
Figure 2014088504
Figure 2014088504
(式中、4つのRは同一又は異なってもよく水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1乃至5の直鎖又は分岐鎖構造のアルキル基を表す。)
共重合体(I)としては、例えば、メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体が挙げられる。
アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、フェニルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルアクリレート、アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、8−メチル−8−トリシクロデシルアクリレート、8−エチル−8−トリシクロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、カプロラクトン2−(アクリロイルオキシ)エチルエステル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリ
レート、及び5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトンが挙げられる。
メタクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−プロピル−2−アダマンチルメタクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルメタクリレート、8−エチル−8−トリシクロデシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、カプロラクトン2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート及び5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトンが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。中でも、メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)を用いると、硬化膜形成時の加熱処理を経ても高い透明性を維持することができるために好ましい。
共重合体(I)は、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルモノマーを共重合することにより製造される。重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等を採用し得る。これらのうち、特にラジカル重合が好ましく、具体的には、溶媒中、上記重合性化合物((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルモノマー)を重合開始剤の存在下で加熱し、重合させればよい。
上記重合開始剤としては、従来公知のものから適宜選択して用いることができる。例えば、パーロイルIB、パークミルND、パーロイルNPP、パーロイルIPP、パーロイルSBP,パーオクタND、パーロイルTCP、パーロイルOPP、パーヘキシルND、パーブチルND、パーブチルNHP、パーヘキシルPV、パーブチルPV、パーロイル355、パーロイルL、パーオクタO、パーロイルSA、パーヘキサ250、パーヘキシルO、ナイパーPMB、パーブチルO、ナイパーBMT、ナイパーBW、パーヘキサMC、パーヘキサTMH、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーテトラA、パーヘキシルI、パーブチルMA、パーブチル355、パーブチルL、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキシルZ、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーヘキサ22、パーブチルZ、パーヘキサパーV、パーブチルP、パークミルD、パーヘキシルD、パーヘキサ25B、パーブチルC、パーブチルD、パーメンタH、パーヘキシン25B、パークミルP、パーオクタH、パークミルH、パーブチルH、ノフマーBC(以上、日油株式会社製)、V−70、V−65、V−60、V−59、V−40、V−30、VA−044、VA−046B、VA−061、V−50、VA−057、VA−086、VF−096、VAm−110、V−601、V−501(以上、和光純薬工業株式会社)が挙げられる。
上記重合開始剤の使用量は、前記重合性化合物に対して、0.01質量%乃至10質量%程度が好ましい。重合時の反応温度は0℃から使用する溶媒の沸点までで適宜設定すればよいが、50℃乃至120℃程度が好ましい。反応時間は、0.1時間乃至30時間程度が好ましい。
重合反応に用いられる溶媒としては、特に限定されないが、上記重合反応で一般的に使用されている各種溶媒から適宜選択して用いればよい。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、メチルフェニルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチルアセタール、ブタノール、2−ブタノール、イソアミルアルコール、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、酢酸イソブチル、プロピオン酸−n−ブチル、デカン、ドデカン、p−メンタン、ジペンテン、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、メトキシメトキシエタノール、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリグリコールジクロリド、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−ブトキシエトキシプロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ヘキサクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−ジブロモベンゼン、ジクロロエチルエーテル、ジイソアミルエーテル、n−ヘキシルエーテル、エチルフェニルエーテル、エチルベンジルエーテル、シオネール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、トリメチルノニルアルコール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、α−テルピネオール、アビエチノール、セトニルアセトン、ホロン、イソホロン、アセトフェノン、酢酸メトキシブチル、酢酸−2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、酪酸イソアミル、ステアリン酸ブチル、アセト酪酸エチル、イソ吉草酸イソアミル、乳酸(n−,iso−)ブチル、乳酸−n−アミル、乳酸−iso−アミル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、サリチル酸メチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジエチル、無水酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、2−エチル酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、トリクロロ酢酸、乳酸、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、α−トルニトリル、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、2−ピロリドンが挙げられる。これらの溶媒は単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
なお、本発明に用いられる共重合体(I)は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよい。
共重合体(II)は、前記共重合体(I)に対して一分子中に一個以上の(メタ)アク
リル基とエポキシ基を有するエポキシ基含有不飽和化合物、具体的には(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートを開環付加反応により付加させることにより得られる。
なお、共重合体(II)に該当する製品としては、例えば、ダイセル・サイテック株式会社製「サイクロマーP」が市販されており、本発明において(A)成分として使用できる。前記サイクロマーPには、(ACA)Z250、(ACA)Z251、(ACA)Z300、(ACA)Z320の4銘柄が市販されており、いずれの銘柄の製品も本発明において(A)成分として使用できる。
共重合体(III)は、前記共重合体(I)に対して一分子中に一個以上の(メタ)アクリル基とエポキシ基を有するエポキシ基含有不飽和化合物、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを開環付加反応により付加させることにより得られる。
前記共重合体(I)と一分子中に一個以上の(メタ)アクリル基とエポキシ基を有するエポキシ基含有不飽和化合物((3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート又はグリシジル(メタ)アクリレート)との開環付加反応は、例えば、特開平10−10726号公報、特開平10−87725号公報に開示されているように、溶媒及びトリフェニルホスフィンなどの触媒の存在下に反応温度60℃乃至120℃で実施することができる。
なお前記共重合体(I)の共重合時に、一分子中に一個以上の(メタ)アクリル基とエポキシ基を有するエポキシ基含有不飽和化合物を投入し、共重合と同時に付加させてもよい。
本発明に含まれる(A)成分は、グラビアオフセット印刷法又はスクリーン印刷法を用いて、下地ガラス基板とITO透明電極に対して目的とする絶縁膜のパターンの形成を可能にする、すなわち印刷性と基板及び電極に対する密着性に関連する成分である。
(A)成分である共重合体(I)、(II)又は(III)の含有量は、本発明のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物の固形分中10質量%乃至90質量%がよく、より好ましくは固形分中20質量%乃至70質量%である。含有量が固形分中10質量%未満では印刷性が悪化し、固形分中70質量%を超える場合でもグラビアオフセット印刷を行った際に、印刷性が悪化する場合がある。
(A)成分である共重合体(I)、(II)又は(III)の重量平均分子量は、2,000乃至100,000がよく、より好ましくは5,000乃至50,000である。重量平均分子量が2,000未満であると耐熱透明性が悪化する場合があり、重量平均分子量が50,000を超えると高粘度となり、グラビアオフセット印刷を行った際に、印刷性が悪化する場合がある。
<(B)成分>
本発明の組成物に用いられる(B)成分は、4官能以上の多官能(メタ)アクリレート又は脂環式エポキシ化合物であり、本成分は硬化剤として含まれる。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、テトラペンタエリスリトールノナアクリレート、テトラペンタエリスリトールデカアクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカアクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、テトラペンタエリスリトールノナメタクリレート、テトラペンタエリスリトールデカメタクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカメタクリ
レート又はペンタペンタエリスリトールドデカメタクリレートが挙げられる。
これらの4官能以上の多官能(メタ)アクリレートは単独で、又は2種類以上を混合して使用することができる。1分子に4個以上のアクリル基又はメタクリル基を持つアクリレート又はメタクリレートを用いると、高硬度な絶縁膜が得られるため好ましい。特に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレートを用いることが好ましい。
脂環式エポキシ化合物としては、エポキシ基又はオキシラン環を有する化合物であり、例えば、エポリード(登録商標)GT−401、同PB3600、セロキサイド(登録商標)2021P、同2000、同3000、EHPE3150、同EHPE3150CE、サイクロマー(登録商標)M100(以上、株式会社ダイセル製)が挙げられる。
これらの脂環式エポキシ化合物は単独で、又は2種類以上を混合して使用することができる。これらの中で、得られる絶縁膜の硬度及び耐熱透明性の観点から、エポキシ基を2つ以上有する脂環式エポキシ化合物であるエポリード(登録商標)GT−401及びセロキサイド(登録商標)2021Pを用いることが好ましい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレート又は脂環式エポキシ化合物は、基板の高温処理により自己重合が進行し、本発明のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物から形成される硬化膜に硬度を付与させることができる。グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物における(B)成分の4官能以上の多官能(メタ)アクリレート又は脂環式エポキシ化合物の含有量は、前記組成物の固形分中1質量%乃至80質量%がよく、より好ましくは固形分中5質量%50質量%である。含有量が固形分中3質量%未満では硬度を得ることができず、固形分中50質量%を超える場合はグラビアオフセット印刷を行った際に、印刷性が悪化する。
<(C)成分>
本発明の組成物に用いられる(C)成分であるラジカル開始剤は、すなわち熱ラジカル発生剤である。熱ラジカル発生剤としては、例えば、パーロイルIB、パークミルND、パーロイルNPP、パーロイルIPP、パーロイルSBP,パーオクタND、パーロイルTCP、パーロイルOPP、パーヘキシルND、パーブチルND、パーブチルNHP、パーヘキシルPV、パーブチルPV、パーロイル355、パーロイルL、パーオクタO、パーロイルSA、パーヘキサ250、パーヘキシルO、ナイパーPMB、パーブチルO、ナイパーBMT、ナイパーBW、パーヘキサMC、パーヘキサTMH、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーテトラA、パーヘキシルI、パーブチルMA、パーブチル355、パーブチルL、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキシルZ、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーヘキサ22、パーブチルZ、パーヘキサパーV、パーブチルP、パークミルD、パーヘキシルD、パーヘキサ25B、パーブチルC、パーブチルD、パーメンタH、パーヘキシン25B、パークミルP、パーオクタH、パークミルH、パーブチルH、ノフマーBC(以上、日油株式会社製)、V−70、V−65、V−60、V−59、V−40、V−30、VA−044、VA−046B、VA−061、V−50、VA−057、VA−086、VF−096、VAm−110、V−601、V−501(以上、和光純薬工業株式会社製)が挙げられる。
上記(C)成分であるラジカル開始剤は、基板の高温処理によってラジカルが発生し、このラジカルによって(A)成分である共重合体(I)、(II)又は(III)と(B)成分である4官能以上の多官能(メタ)アクリレート又は脂環式エポキシ化合物との重
合が進行し、これにより、本発明のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物から形成される硬化膜に更なる硬度を付与させることができる。
熱ラジカル発生剤の含有量に特に制限はなく、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物の固形分中0.01質量%乃至10質量%であることが好ましい。上記範囲で使用することで、ラジカル硬化を十分に進めることができる。
<(D)成分>
本発明の組成物に用いられる(D)成分は、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒である。沸点を100℃以上にすることで、グラビアオフセット又はスクリーン印刷時に溶媒が乾燥することなく良好な印刷性が得られる。一方、沸点を300℃以下にした場合、熱処理後の絶縁膜中の残存溶媒量を少なく抑えることができる。
沸点が大気圧下100℃以上300℃以下である溶媒としては、具体的には、トルエン、キシレン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、メチルフェニルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチルアセタール、ブタノール、2−ブタノール、イソアミルアルコール、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、酢酸イソブチル、プロピオン酸−n−ブチル、デカン、ドデカン、p−メンタン、ジペンテン、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、メトキシメトキシエタノール、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリグリコールジクロリド、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−ブトキシエトキシプロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ヘキサクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−ジブロモベンゼン、ジクロロエチルエーテル、ジイソアミルエーテル、n−ヘキシルエーテル、エチルフェニルエーテル、エチルベンジルエーテル、シオネール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、トリメチルノニルアルコール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、α−テルピネオール、アビエチノール、アセトニルアセトン、ホロン、イソホロン、アセトフェノン、酢酸メトキシブチル、酢酸−2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、酪酸イソアミル、ステアリン酸ブチル、アセト酪酸エチル、イソ吉草酸イソアミル、乳酸(n−,iso−)ブチル、乳酸−n−アミル、乳酸−iso−アミル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、サリチル酸メチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジエチル、無水酪酸、吉
草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、2−エチル酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、トリクロロ酢酸、乳酸、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、α−トルニトリル、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、2−ピロリドンが挙げられる。
これらの溶媒は単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中で、印刷性の観点から、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルが特に好ましい。
溶媒の含有量は、特に制限なく任意の量を用いることができるが、特にグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物全体の30質量%乃至70質量%とするのが好ましい。
<(E)成分>
本発明においては(E)成分として界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤;1,1,2,2−テトラフルオロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロデカン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N’−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステルなどの末端、主鎖及び側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキル又はフルオロアルキレン基を有する化合物からなるフッ素系界面活性剤を挙げることができる。また市販品としては、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F475(以上、DIC株式会社製)、エフトップEF301、同303、同352(三菱マテリアル電子化成株式会社製)、フロラードFC−430、同FC−431(住友スリーエム株式会社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子株式会社製)、BM−1000、BM−1100
(BMケミー社製)、NBX−15、FTX−218、DFX−218(株式会社ネオス製)などのフッ素系界面活性剤がある。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、SH28PA、SH7PA、SH21PA、SH30PA、ST94PA(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、BYK−333(ビックケミー・ジャパン株式会社製)が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。界面活性剤を用いることで、グラビアオフセット印刷法、スクリーン印刷法の印刷性が向上する場合もある。
<(F)成分>
本発明においては(F)成分としてシランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤を用いることで、ガラス基板に対する密着性を向上させることができる。シランカップリング剤の例としては、具体的には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピルトリメトキシシラン、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸、N−tert−ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)コハク酸イミド、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられる。
シランカップリング剤の添加量に特に制限は無いが、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物全体に対して0.1質量%乃至10質量%であることが好ましい。添加量が0.1質量%より少ないと添加による密着性向上の効果が十分ではなく、10質量%より多いと上記組成物を保管中にシランカップリング剤同士が縮合反応し、ゲル化の原因となる。
<絶縁膜形成組成物の調製方法>
本発明のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物の調製方法は、特に限定されないが、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、並びに所望により(E)成分及び/又は(F)成分が均一に混合した状態であればよい。また、(A)成分乃至(F)成分を混合する際の順序は、均一な溶液が得られるなら問題なく、特に限定されない。当該調製方法としては、例えば、(A)成分に(B)成分及び(C)成分、(D)成分、(E)成分を所定の割合で混合する方法が挙げられる。また、これに更に(F)成分を混合し、均一な溶液とする方法も挙げられる。さらに、この調製方法の適当な段階において、必要に応じて、その他の添加剤を更に添加して混合する方法が挙げられる。
<絶縁膜及びタッチパネル>
上述の本発明のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物から形成された絶縁膜、並びに該絶縁膜を有するタッチパネルも本発明の対象である。
上記絶縁膜は、まず前記グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物を、ガラス基板並びに基板上に形成された電極の上に、グラビアオフセット印刷又はスクリーン印刷した後、ホットプレート、オーブン等で予備乾燥して有機溶媒を除去し塗膜を形成する。塗膜は厚さ0.1μm乃至50μm、乾燥温度は組成物に含まれる有機溶媒にもよるが、おおよそ80℃乃至150℃の温度で行うことが好ましい。
次いで、得られた塗膜を加熱処理することにより、絶縁膜として使用できる硬化膜を形成する。上記加熱処理の方法としては特に限定されるものではないが、適切な雰囲気下、即ち大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で、ホットプレート又はオーブンを用いて行う方法を例示することができる。加熱温度は、電極配線等の酸化を防ぎ、配線と基材との密着性を低下させないよう、例えば100℃乃至250℃のから適宜選択される。このようにして得られた本発明の絶縁膜は、その膜厚(高さ)が0.5μm乃至30μmが好ましく、より好ましくは0.5μm乃至10μmである。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでない。下記合成例で得られる共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定結果から導出した。
装置:株式会社島津製作所製GPCシステム
GPCカラム:Shodex(登録商標)KL−804L及び803L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1mL/分
標準試料:ポリスチレン
(合成例1)メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体(P1)
1000mLの四つ口フラスコに、ジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)483.7gを入れ、窒素雰囲気下、80℃(内温)で攪拌した。ここに、メタクリル酸メチル(東京化成工業株式会社製)300g、メタクリル酸(東京化成工業株式会社製)16.3g、重合開始剤V−601(和光純薬工業株式会社製)6.21gを混合させた溶液を2時間かけゆっくり滴下し、滴下後20時間反応させた。反応後得られた固形分40%の樹脂溶液をP1とした。重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で32,000であった。
(合成例2)メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体(P2)
500mLの四つ口フラスコに、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)150.7gを入れ、窒素雰囲気下、80℃(内温)で攪拌した。ここに、メタクリル酸メチル(東京化成工業株式会社製)80g、メタクリル酸(東京化成工業株式会社製)17.2g、V−601(和光純薬工業株式会社製)3.29gを混合させた溶液を2時間かけゆっくり滴下し、滴下後20時間反応させた。反応後得られた固形分39%の樹脂溶液をP2とした。重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で34,000であった。
(合成例3)メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体(P3)
前記合成例2で得られた樹脂溶液(P2)に、グリシジルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)74.54g、トリフェニルホスフィン(東京化成工業株式会社製)0.745g加えて、100℃で15時間反応させた。反応後得られた固形分53%の樹脂溶液をP3とした。重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で42,000であった。なおエポキシ価を測定した結果、グリシジルメタクリレートは全て反応していた。
(合成例4)メタクリル酸エステル重合体(P4)
1000mLの四つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(協和発酵ケミカル株式会社製)502.8gを入れ、窒素雰囲気下、80℃(内温)で攪拌した。ここに、メタクリル酸メチル(東京化成工業株式会社製)300g、V−601(和光純薬工業株式会社製)6.57gを混合させた溶液を2時間かけゆっくり滴下し、滴下後20時間反応させた。反応後得られた固形分38%の樹脂溶液をP4とした。重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で35,000であった。
(合成例5)メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体(P5)
1000mLの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(東京化成工業株式会社製)483.7gを入れ、窒素雰囲気下、80℃(内温)で攪拌した。ここに、メタクリル酸メチル(東京化成工業株式会社製)300g、メタクリル酸(東京化成工業株式会社製)16.3g、V−601(和光純薬工業株式会社製)6.21gを混合させた溶液を2時間かけゆっくり滴下し、滴下後20時間反応させた。反応後得られた固形分40%の樹脂溶液をP5とした。重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で28,000であった。
[グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物の調製]
<実施例1>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)として樹脂溶液P1を5g、硬化剤としての成分(B)として1分子に6個のアクリル基を持つ4官能以上の多官能アクリレートDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬株式会社製)を1.0g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.06g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを2.68g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G1を調製した。
<実施例2>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)として樹脂溶液P1を5g、硬化剤としての成分(B)として1分子に6個のアクリル基を持つ4官能以上の多官能アクリレートDPHA(日本化薬株式会社製)を2.0g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.06g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を4.54g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G2を調製した。
<実施例3>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)として樹脂溶液P1を5g、硬化剤としての成分(B)として1分子に4個のアクリル基を持つ4官能以上のアクリレートA−TMMT(ペンタエリスリトールテトラアクリレート、新中村化学工業株式会社製)を1.0g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.06g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を3.09g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G3を調製した。
<実施例4>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)として樹脂溶液P2を5g、硬化剤としての成分(B)として1分子に6個のアクリル基を持つ4官能以上の多官能アクリレートDPHA(日本化薬株式会社製)を2.0g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.06g、沸点が大気圧下10
0℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を3.09g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G4を調製した。
<実施例5>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)として樹脂溶液P2を5g、硬化剤としての成分(B)として1分子に6個のアクリル基を持つ4官能以上の多官能アクリレートDPHA(日本化薬株式会社製)を2.0g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.06g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を3.09g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G5を調製した。
<実施例6>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)として樹脂溶液P3を5g、硬化剤としての成分(B)として1分子に6個のアクリル基を持つ4官能以上の多官能アクリレートDPHA(日本化薬株式会社製)を2.0g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.06g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を3.09g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G6を調製した。
<実施例7>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)としてサイクロマーP (ACA)Z250を8g、硬化剤としての成分(B)として1分子に
6個のアクリル基を持つ4官能以上の多官能アクリレートDPHA(日本化薬株式会社製)を1.80g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.108g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を3.86g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G7を調製した。
<実施例8>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)としてサイクロマーP (ACA)Z250を8g、硬化剤としての成分(B)として脂環式エ
ポキシ化合物であるセロキサイド(登録商標)2021P(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、株式会社ダイセル製)を0.54g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.10g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を1.97g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G8を調製した。
<実施例9>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)としてサイクロマーP (ACA)Z320を8g、硬化剤としての成分(B)として脂環式エ
ポキシ化合物であるセロキサイド(登録商標)2021P(株式会社ダイセル製)を0.64g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.096g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を1.1g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G9を調製した。
<比較例1>
攪拌装置付きのフラスコに、成分(A)の代わりにカルボキシル基を含有しないアクリルポリマーである樹脂溶液P4を5g、硬化剤としての成分(B)として1分子に6個のアクリル基を持つアクリレートDPHA(日本化薬株式会社製)を1.0g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.06g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を2.69g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G10を調製した。
<比較例2>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)として樹脂溶液P1を5g、硬化剤としての成分(B)の代わりに1分子に2個のアクリル基を持つアクリレートNPGDA(ネオペンチルグリコールジアクリレート、日本化薬株式会社製)を1.0g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.06g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を2.69g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G11を調製した。
<比較例3>
攪拌装置付きのフラスコに、硬化剤としての成分(B)として1分子に6個のアクリル基を持つアクリレートDPHA(日本化薬株式会社製)を1.0g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.15g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を5.15g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G12を調製した。
<比較例4>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)としてサイクロマーP (ACA)Z320を8g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP
(日油株式会社製)を0.096g、沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を1.14g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G13を調製した。
<比較例5>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)として樹脂溶液P5を5g、硬化剤としての成分(B)として1分子に6個のアクリル基を持つアクリレートDPHA(日本化薬株式会社製)を1.0g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.06g、溶媒(D)の代わりに沸点が大気圧下78℃の溶媒であるメチルエチルケトンを2.68g入れ、混合し、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G14を調製した。
<比較例6>
攪拌装置付きのフラスコに、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー(A)としてサイクロマーP (ACA)Z320を8g、成分(B)の脂環式エポキシ化合物の代わ
りにポリグリシジルアミン型エポキシであるエポトート(登録商標)YH434L(東都化成株式会社(現:新日化エポキシ製造株式会社)製)を0.64g、ラジカル開始剤(C)としてパーブチルP(日油株式会社製)を0.096g、沸点が大気圧下100℃以
上300℃以下の溶媒(D)としてジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を1.1g入れ、グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組
成物G15を調製した。
[硬化膜(絶縁膜)の形成]
上述のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G1〜G15を用いて、タッチパネルの透明電極間に絶縁膜を形成することを想定して、以下のとおり硬化膜(絶縁膜)を作製した。
まず上記グラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G1〜15を、株式会社コムラテック製スマLabo−IIIを用いてグラビアオフセット印刷法で、表面UV/オゾン洗浄したITO透明電極パターン付きガラス基板(タッチパネルの透明電極を想定)上に印刷した。なお、後述の印刷性評価には、印刷パターンのサイズを種々替えて印刷した。次にホットプレートを用いて110℃、2分間加熱を行い、膜厚を2μmとした。さらに、クリーンオーブンを用いて空気中230℃、1時間加熱し、硬化膜(絶縁膜)を形成した。
[耐熱透明性の評価]
得られた硬化膜(絶縁膜)の紫外可視吸収スペクトルを株式会社島津製作所製UV−3100PCを用いて測定し、波長400nmにおける膜厚2μmあたりの透過率を評価した。透過率が90%以上であるとき、硬化膜形成時の加熱処理を経ても高い透明性を有している、すなわち高耐熱透明性を有すると評価できる。透過率が90%より低いと、タッチパネル用絶縁膜として用いた場合、バックライトが通過する際に色変化が起こり、白色表示が黄色味を帯びることがある。
[下地ガラス基板とITO透明電極に対する密着性評価]
得られた硬化膜(絶縁膜)について、JIS K5400碁盤目テープ試験に準じてセロハンテープによるピーリング試験(剥離試験)を行い、剥離の発生を観察し、以下の基準にて評価した。なお、4B以上の評価が望ましく、5Bであることが最も好ましい。3B以下の評価の場合、下地ガラス基板との密着は十分とはいえず、タッチパネルの製造工程において絶縁膜の剥離が生じ、タッチパネルの信頼性を損ねることがある。
<評価基準>
5B:剥離なし
4B:全体のうち5%剥離が発生している
3B:全体のうち5%から15%剥離が発生している
2B:全体のうち15%から35%剥離が発生している
1B:全体のうち35%から65%剥離が発生している
0B:全体のうち65%以上剥離が発生している
[硬度の評価]
得られた硬化膜(絶縁膜)について、JIS K5600−5−4鉛筆硬度試験を行い、硬化膜の硬度を評価した。なお、750gの荷重をかけたときの鉛筆硬度がH以上の硬度であることが望ましく、さらに好ましくは3Hである。その鉛筆硬度がB以下の硬度の場合、硬化膜の硬度は十分とはいえず、タッチパネルの製造工程において硬化膜に傷が生じ、タッチパネルの信頼性を損ねることがある。
[絶縁性の評価]
得られた硬化膜(絶縁膜)の絶縁性の評価を以下の通り行った。ITO透明電極パターン付き基板に印刷された厚さ2μmの硬化膜の一部を削り取り、ITO透明電極を剥き出しにした。剥き出しになったITO透明電極上及び硬化膜上へそれぞれ、アルミニウムを直径1mm、厚さ0.1μmとなるように蒸着を行い、プローブを接触させて比誘電率測定を行った。比誘電率測定は、真空簡易プローバMJ−10(株式会社メジャージグ製)及びAG−4311B LCRメータ(安藤電気株式会社製)を使用し、周波数100k
Hzで測定を行った。なお比誘電率の値が3.5以下のとき、硬化膜の絶縁性は良好であり、3.5を超えた場合に不良であると判断した。
[印刷性の評価]
得られたITO透明電極パターン付きガラス基板上の硬化膜(絶縁膜)のパターンを光学顕微鏡で観察した。最もパターンサイズの大きい硬化膜(縦300μm、横300μm、高さ2μm)及び、最もパターンサイズの小さい硬化膜(縦300μm、横40μm、高さ2μm)が、パターンのはみ出し等がなく目視にてきれいに印刷できたと判断したときに、印刷性は良好と判断した。
評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 2014088504
Figure 2014088504
表1に示すように、実施例1乃至実施例9で調製したグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G1〜G9より作製した硬化膜(絶縁膜)はいずれも高耐熱透明性、高硬度、下地ガラス基板とITO透明電極に対する高い密着性を有し、また、印刷性が良好であることが確認された。
一方、表2に示すように、比較例1乃至比較例6で調製したグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物G10〜G15より作製した硬化膜(絶縁膜)は、耐熱透明性、硬度、密着性及び印刷性の全てを満足できるとする結果は得られなかった。詳細には、カルボキシル基を含有しないアクリルポリマーを用いた比較例1では、密着性、印刷性に問題があった。1分子に2個のアクリル基を持つアクリレートNPGDAを用いた比較例2では、得られる硬化膜の硬度が不足し、また密着性も不足していた。カルボキシル基を含有するアクリルポリマー自体を用いない比較例3では、印刷性そして密着性に問題があった。硬化剤を用いない比較例4では、得られる絶縁膜の硬度が不足し、また密着性も不足していた。沸点が大気圧下100℃より低い溶媒を用いた比較例5では、印刷途中に溶媒が蒸発してしまい印刷ができなかった。脂環式エポキシ化合物を用いない比較例6では、オーブンを用いて空気中230℃で1時間加熱している間に、絶縁膜が黄変してしまい、満足できる透過率を得ることができなかった。
以上の結果より、本発明のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物は、印刷によって膜形成可能であり、得られた膜は高耐熱透明性、高硬度、下地ガラス基板とITO透明電極に対する高い密着性を有するものであることが確認された。
本発明のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物を印刷して得られる膜は、高耐熱透明性、高硬度、下地ガラス基板とITO透明電極に対する高い密着性を有するものであることから、絶縁膜として利用することができる。また、フォトリソグラフィー工程を経由することなく基板に直接絶縁膜を印刷できるので、タッチパネルを製造する上で、生産性を向上させることができる。

Claims (5)

  1. (A)成分:カルボキシル基を含有するアクリルポリマー
    (B)成分:4官能以上の多官能(メタ)アクリレート又は脂環式エポキシ化合物
    (C)成分:ラジカル開始剤、及び
    (D)成分:沸点が大気圧下100℃以上300℃以下の溶媒
    を含有することを特徴とするグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物。
  2. (E)成分として界面活性剤をさらに含有する、請求項1に記載のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物。
  3. (F)成分としてシランカップリング剤をさらに含有する、請求項1又は請求項2に記載のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のグラビアオフセット又はスクリーン印刷用絶縁膜形成組成物から形成された絶縁膜。
  5. 請求項4に記載の絶縁膜を有するタッチパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016178345A1 (ja) * 2015-05-07 2016-11-10 株式会社日立製作所 樹脂組成物、塗料、電子部品、モールド変圧器、モータコイル及びケーブル
WO2016195025A1 (ja) * 2015-06-05 2016-12-08 昭和電工株式会社 オフセット印刷による絶縁性保護膜形成用組成物
JP2017206637A (ja) * 2016-05-20 2017-11-24 日立化成株式会社 樹脂組成物、樹脂層付き基板及びその製造方法、導電層付き基板及びその製造方法並びにタッチパネル。

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