JP2014088469A - 架橋発泡体及びそれを用いたシューズ用衝撃緩衝材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、温度低下により硬化が少なく、5℃以下の低温でも良好な衝撃緩衝性又はクッション性を有するとともに、加工性が良好な架橋発泡体を提供することにある。
【解決手段】本発明は、ポリオレフィン系樹脂及び澱粉樹脂を含有する樹脂組成物を架橋発泡させた架橋発泡体であって、JIS K7312に準拠し、アスカーC型硬度計で測定した20℃における硬度が35〜70であり、前記20℃の硬度と−20℃の硬度との差が15以下である、架橋発泡体に関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、ポリオレフィン系樹脂及び澱粉樹脂を含有する樹脂組成物を架橋発泡させた架橋発泡体であって、JIS K7312に準拠し、アスカーC型硬度計で測定した20℃における硬度が35〜70であり、前記20℃の硬度と−20℃の硬度との差が15以下である、架橋発泡体に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、架橋発泡体及びそれを用いたシューズ用衝撃緩衝材に関する。
スポーツシューズ等のシューズにおいて、歩行感又は着用感を良くし、使用又は歩行による疲労を軽減し、怪我等の障害を防止するために、シューズの中間部(ミッドソール又は中敷)に発泡体を装着することが広く行われている。このような発泡体としては、軽量化、衝撃緩衝性及びコストの観点から、ポリオレフィン系樹脂の架橋発泡体が最も多く使用されている。
しかしながら、樹脂の架橋発泡体(樹脂スポンジ)は、温度により硬度が変化するという特徴があり、特に温度低下に伴って硬化し、衝撃緩衝性が急激に低下するという問題がある。シューズに架橋発泡体を装着した場合には、架橋発泡体の硬化によってシューズの衝撃緩衝性、屈曲性等が損なわれるため、疲労又は怪我の危険性が増加する。
上記問題を解決するために、動的架橋ポリマーからなるポリオレフィン系樹脂の架橋発泡体が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の架橋発泡体によれば、−10℃以下でもクッション性等の特性変化を抑制することができるが、該架橋発泡体を製造するためには動的架橋工程が必要であり、該動的架橋工程は複雑であるため、得られる架橋発泡体のコストが高くなるという問題がある。また、特許文献1には、効果を十分に発揮するためにスチレン系樹脂を添加することが望ましい旨記載されているが、スチレン系樹脂の添加は、さらなる高コスト及び重量増による性能低下につながる。
また、シューズ用材料として、変性澱粉5〜50重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体50〜95重量部、フィラー5〜30重量部、ポリオレフィン1〜50重量部等を含む組成物を発泡させたものが提案されている(特許文献2)。しかし、特許文献2に記載のシューズ用材料では、温度低下により硬度、強度及び耐久性の低下が生じる。
本発明の目的は、温度低下により硬化が少なく、5℃以下の低温でも良好な衝撃緩衝性又はクッション性を有するとともに、加工性が良好な架橋発泡体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリオレフィン樹脂に澱粉樹脂をブレンドした物を架橋発泡させることで、低温での硬化が抑えられるとともに、加工性が改善されることを見出した。かかる知見に基づきさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の架橋発泡体等に関する。
項1. ポリオレフィン系樹脂及び澱粉樹脂を含有する樹脂組成物を架橋発泡させた架橋発泡体であって、JIS K7312に準拠し、アスカーC型硬度計で測定した20℃における硬度が35〜70であり、前記20℃の硬度と−20℃の硬度との差が15以下である、架橋発泡体。
項2. 前記ポリオレフィン系樹脂がメタロセン・ポリエチレン系樹脂であって、前記樹脂組成物の樹脂成分100重量部中、該メタロセン・ポリエチレン系樹脂の割合が51重量部以上であり、前記澱粉樹脂の割合が3〜20重量部である、上記項1に記載の架橋発泡体。
項3. 前記澱粉樹脂の割合が5〜15重量部である、上記項1又は2に記載の架橋発泡体。
項4. 密度が0.3以下である、上記項1〜3のいずれか1項に記載の架橋発泡体。
項5. 密度が0.25以下である、上記項4に記載の架橋発泡体。
項6. 上記項1〜5のいずれか1項に記載の架橋発泡体を用いたシューズ用衝撃緩衝材。
項1. ポリオレフィン系樹脂及び澱粉樹脂を含有する樹脂組成物を架橋発泡させた架橋発泡体であって、JIS K7312に準拠し、アスカーC型硬度計で測定した20℃における硬度が35〜70であり、前記20℃の硬度と−20℃の硬度との差が15以下である、架橋発泡体。
項2. 前記ポリオレフィン系樹脂がメタロセン・ポリエチレン系樹脂であって、前記樹脂組成物の樹脂成分100重量部中、該メタロセン・ポリエチレン系樹脂の割合が51重量部以上であり、前記澱粉樹脂の割合が3〜20重量部である、上記項1に記載の架橋発泡体。
項3. 前記澱粉樹脂の割合が5〜15重量部である、上記項1又は2に記載の架橋発泡体。
項4. 密度が0.3以下である、上記項1〜3のいずれか1項に記載の架橋発泡体。
項5. 密度が0.25以下である、上記項4に記載の架橋発泡体。
項6. 上記項1〜5のいずれか1項に記載の架橋発泡体を用いたシューズ用衝撃緩衝材。
本発明によれば、温度低下により硬化が少なく、5℃以下の低温でも良好な衝撃緩衝性又はクッション性を有するとともに、加工性が良好な架橋発泡体を得ることができる。本発明の架橋発泡体は、特に、寒冷地の冬季の生活環境である−10℃以下で、優れた衝撃緩衝性又はクッション性を発揮する。
以下、本発明の架橋発泡体について詳細に説明する。
本発明の架橋発泡体は、ポリオレフィン系樹脂及び澱粉樹脂を含有する樹脂組成物を架橋発泡させた架橋発泡体であって、JIS K7312に準拠し、アスカーC型硬度計(JIS K7312準拠)で測定した20℃における硬度が35〜70であり、前記20℃の硬度と−20℃の硬度との差が15以下であるものである。
このような架橋発泡体とすることにより、温度低下による硬化が少なく、5℃以下の低温でも良好な衝撃緩衝性又はクッション性が得られる。また、本発明の架橋発泡体は、加工性も良好である。
本発明の架橋発泡体は、ポリオレフィン系樹脂及び澱粉樹脂を含有する樹脂組成物を架橋及び発泡させた架橋発泡体である。
ポリオレフィン系樹脂としては、一般的にポリオレフィン系樹脂の範疇に属するものであればよく、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンの単独重合体、上記α−オレフィンとエチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンとの共重合体、上記α−オレフィンと酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の分岐状又は直鎖状のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等のプロピレン系樹脂、及び、ブテン−1単独重合体、ブテン−1−エチレン共重合体、ブテン−1−プロピレン共重合体等のブテン−1系樹脂が挙げられる。これらの中でも、分子量分布が狭く、コモノマーの分布が均一であり、優れた性能を有することから、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン単独重合体又はエチレン−α−オレフィン共重合体(以下、これを「メタロセン・ポリエチレン系樹脂」という)が好ましい。メタロセン・ポリエチレン系樹脂として、三井化学(株)製の商品名「タフマー(登録商標)」、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製の商品名「エンゲージ」等の市販品を使用することもできる。
澱粉樹脂とは、トウモロコシ、イモ等の植物の澱粉をエステル化、エーテル化又はグラフト重合することにより製造される樹脂である。澱粉樹脂は、ブランチ(枝分かれ)構造を有しているため、メタロセン・ポリエチレン系樹脂と混合及び発泡すると温度低下による硬化の度合いが小さくなるという特徴がある。さらに、澱粉樹脂はポリオレフィン系樹脂に対する相溶性が高いため、混合による物性の低下を少なくすることができる。
メタロセン・ポリエチレン系樹脂は規則的直鎖分子構造を有しているために結晶性が高く、低温で硬化しやすいが、ブランチ(枝分かれ)構造を有する澱粉樹脂を添加することで、ポリオレフィン系樹脂の規則性がなくなり、これによりメタロセン・ポリエチレン系樹脂の結晶化が阻害され、温度低下による硬化の度合いが小さくなると考えられる。
ポリオレフィン系樹脂の配合量は、樹脂組成物の樹脂成分100重量部中、ポリオレフィン系樹脂がメタロセン・ポリエチレン系樹脂の場合には、51重量部以上が好ましく、67〜95重量部がより好ましい。メタロセン・ポリエチレン系樹脂を上記範囲内で配合することにより、軽量で高弾性が得られるとともに耐久性の優れた衝撃緩衝性を得ることができる。澱粉樹脂の配合量は、樹脂組成物の樹脂成分100重量部中、3〜20重量部であることが好ましく、5〜15重量部がより好ましい。澱粉樹脂を上記範囲内で配合することにより、温度低下による硬化抑制効果及び加工性の両方を得ることができる。澱粉樹脂の配合量が20重量部より多いと、加工性が悪くなる。
前記樹脂組成物には、上記樹脂成分以外の樹脂成分をさらに加えることもできる。ただし、他の樹脂成分を加える場合には、本発明の架橋発泡体の物性を阻害しない範囲内で配合量を調整する。
本発明の架橋発泡体は、前記樹脂組成物に、架橋剤、発泡剤、充填剤、発泡助剤、架橋助剤、加工助剤等を添加し、所定の条件下で架橋発泡させることにより得ることができる。
本発明で用いられる架橋剤として、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド等の有機過酸化物が挙げられる。
本発明で用いられる発泡剤として、具体的には、アゾジカルボンアミド(ADCA)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]等のアゾ化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物;4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体;p−トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物;トリヒドラジノトリアジン等の有機系熱分解型発泡剤、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の重炭酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸塩;亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩;水素化合物等の無機系熱分解型発泡剤が挙げられる。
また、メタノール、エタノール、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の各種脂肪族炭化水素類;ジクロロエタン、ジクロロメタン、四塩化炭素等の各種塩化炭化水素類;フロン等の各種フッ化塩化炭化水素類等の有機系発泡剤、空気、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水等の無機系発泡剤も用いることができる。
充填剤としては、特に制限はなく、通常当該分野において使用されるものを用いることができる。例えば、カーボンブラック、シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、クレー、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
発泡助剤としては、発泡助剤として知られているものであればいかなるものも用いることが可能である。例えば、尿素化合物、酸化亜鉛等の亜鉛化合物を挙げることができる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋助剤としては、架橋助剤として知られているものであればいかなるものも用いることが可能である。例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリシクロデカンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等を挙げることができる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
加工助剤として、例えば、パラフィン系オイル、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、リン酸エステル、アジピン酸エステル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジオクチル等が挙げられる。
また、本発明の架橋発泡体には、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、熱安定剤、耐候剤、難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、流動性改良剤、離型剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
本発明の架橋発泡体は、一般的なポリオレフィン系樹脂の架橋発泡体の製造方法を用いて製造することができる。かかる製造方法として、例えば、一段発泡法及び二段発泡法を挙げることができる。一段発泡法は、樹脂に発泡剤及び架橋剤等を配合して混練機で混練し、得られた発泡性樹脂組成物を成形金型に充填し、加熱、加圧することにより発泡剤の分解及び架橋反応を進行させ、次に成形金型を開放することにより一気に膨張させて成形金型から架橋発泡体を飛び出させるものである。二段発泡法は、樹脂に発泡剤及び架橋剤等を配合して混練機で混練し、得られた発泡性樹脂組成物を成形金型に充填し、加圧下、加熱して発泡剤の分解を抑え、あるいは分解ガスを樹脂に保持させた状態で架橋反応を進め、冷却固化した後、常圧下でさらに加熱して膨張発泡させるものである。
混練は、混練機として、単軸押し出し機、二軸押し出し機、バンバリーミキサー、ロール混練機、ニーダー、プラストミル等を使用し、樹脂成分等を溶融状態で混合することにより行うことができる。溶融混練温度は100〜300℃が好適である。
本発明の架橋発泡体は、JIS K7312に準拠し、アスカーC型硬度計で測定した20℃における硬度が通常35〜70であり、好ましくは45〜60であり、前記20℃の硬度と−20℃の硬度との差が通常15以下、好ましくは10以下である。架橋発泡体の20℃の硬度、及び20℃と−20℃との硬度差が上記範囲内であれば、生活温度範囲(約−10〜35℃)で優れた衝撃緩衝性を得ることができる。
本発明の架橋発泡体は、密度が0.3以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましい。密度が上記範囲内であれば、軽量で優れた衝撃緩衝性を得ることができるため、シューズ用材料として好適に用いることができる。
本発明の架橋発泡体は、温度低下による硬化が少なく、5℃以下の低温でも良好な衝撃緩衝性又はクッション性を有しているので、シューズ用の衝撃緩衝材として使用することができる。本発明の架橋発泡体を、例えば、ランニングシューズ又はハンドボール、バドミントン等の室内用シューズのミッドソールに使用することで、低温でも優れたクッション性を有するシューズを提供することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
メタロセン・ポリエチレン系樹脂(三井化学(株)製、商品名:タフマー(登録商標) DF810)97重量部、澱粉樹脂(台湾・宝建技術(Pou Chien Technology)製)9重量部、架橋剤(ジクミルペルオキシド(DCP))0.67重量部、発泡剤(ADCA/DPT混合発泡剤)4重量部、架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)0.12重量部、加工助剤(ステアリン酸)0.6重量部、発泡助剤(酸化亜鉛)1重量部、充填剤(炭酸カルシウム)8重量部を、100〜110℃に加熱したオープンロールにて溶融混練した。その後、該溶融混練したものを縦180mm、横150mm、厚さ10mmの金型に250〜280g充填し、温度155〜175℃、圧力15MPaで15〜18分間プレス成形を行い、架橋発泡体を作製した。得られた架橋発泡体を用い、以下の方法で硬度の測定及び加工試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例1
メタロセン・ポリエチレン系樹脂(三井化学(株)製、商品名:タフマー(登録商標) DF810)97重量部、澱粉樹脂(台湾・宝建技術(Pou Chien Technology)製)9重量部、架橋剤(ジクミルペルオキシド(DCP))0.67重量部、発泡剤(ADCA/DPT混合発泡剤)4重量部、架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)0.12重量部、加工助剤(ステアリン酸)0.6重量部、発泡助剤(酸化亜鉛)1重量部、充填剤(炭酸カルシウム)8重量部を、100〜110℃に加熱したオープンロールにて溶融混練した。その後、該溶融混練したものを縦180mm、横150mm、厚さ10mmの金型に250〜280g充填し、温度155〜175℃、圧力15MPaで15〜18分間プレス成形を行い、架橋発泡体を作製した。得られた架橋発泡体を用い、以下の方法で硬度の測定及び加工試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例2〜4及び比較例1〜9
実施例1で用いた原料及び配合量に代え、表1に示した原料及び配合量で実施例1と同様の方法で架橋発泡体を成形した。得られた架橋発泡体を用い、以下の方法で硬度の測定及び加工試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例1で用いた原料及び配合量に代え、表1に示した原料及び配合量で実施例1と同様の方法で架橋発泡体を成形した。得られた架橋発泡体を用い、以下の方法で硬度の測定及び加工試験を行った。その結果を表2に示す。
(硬度の測定方法)
JIS K7312に準拠して測定した。具体的には、アスカーC型硬度計(スプリング式硬さ試験機 アスカーC型(高分子計器(株)製))を使用し、架橋発泡体サンプル(縦180mm、横120mm、厚さ10mm)を用いて、温度20℃において1kgfの荷重で押し付けた後、3秒以内に目盛りを読み取り、該架橋剤サンプルの硬度を求めた。
JIS K7312に準拠して測定した。具体的には、アスカーC型硬度計(スプリング式硬さ試験機 アスカーC型(高分子計器(株)製))を使用し、架橋発泡体サンプル(縦180mm、横120mm、厚さ10mm)を用いて、温度20℃において1kgfの荷重で押し付けた後、3秒以内に目盛りを読み取り、該架橋剤サンプルの硬度を求めた。
(加工試験の条件及び判定基準)
100〜110℃に加熱したオープンロールにて各種樹脂を溶融し、1〜5mmの厚さでロールに巻きつけながら、ステアリン酸、酸化亜鉛及び炭酸カルシウムを徐々に添加した。次に、架橋剤、架橋助剤及び発泡剤を添加した後、各樹脂及び添加剤を分散させるため、ナイフ等で切り出し及び混合の作業を行った。この際の加工性を評価した。
100〜110℃に加熱したオープンロールにて各種樹脂を溶融し、1〜5mmの厚さでロールに巻きつけながら、ステアリン酸、酸化亜鉛及び炭酸カルシウムを徐々に添加した。次に、架橋剤、架橋助剤及び発泡剤を添加した後、各樹脂及び添加剤を分散させるため、ナイフ等で切り出し及び混合の作業を行った。この際の加工性を評価した。
判定基準は以下のとおりである。材料が1〜5mmの厚さで、ナイフ等で容易に切り出し及び混合の作業を行える場合を「○」、材料の厚みを4〜5mm程度にすると、ナイフ等で切り出し及び混合の作業を行える場合を「△」、材料がロール表面に付着し、ナイフ等で切り出し及び混合できない場合を「×」と判定した。
図1は、比較例1、比較例2、比較例3、実施例1、実施例2、実施例3及び比較例4で得られた加工発泡体の20℃と−20℃との硬度差をグラフにしたものである。図1から、澱粉樹脂の配合量が3重量%以上の場合に、20℃と−20℃との硬度差が15以下の架橋発泡体が得られることがわかる。但し、澱粉樹脂の配合量が多くなると(21重量%)、加工性が悪くなる。
図2は、実施例2、実施例4、比較例6及び比較例7で得られた架橋発泡体の20℃と−20℃との硬度差をグラフにしたものである。図2から、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の含有量が増えるほど、20℃と−20℃との硬度差が大きくなることがわかる。なお、比較例6は、上述した特許文献2に記載されている配合例であり、この場合には、所望の硬度差(15以下)は得られないことがわかる。
Claims (6)
- ポリオレフィン系樹脂及び澱粉樹脂を含有する樹脂組成物を架橋発泡させた架橋発泡体であって、JIS K7312に準拠し、アスカーC型硬度計で測定した20℃における硬度が35〜70であり、前記20℃の硬度と−20℃の硬度との差が15以下である、架橋発泡体。
- 前記ポリオレフィン系樹脂がメタロセン・ポリエチレン系樹脂であって、前記樹脂組成物の樹脂成分100重量部中、該メタロセン・ポリエチレン系樹脂の割合が51重量部以上であり、前記澱粉樹脂の割合が3〜20重量部である、請求項1に記載の架橋発泡体。
- 前記澱粉樹脂の割合が5〜15重量部である、請求項1又は2に記載の架橋発泡体。
- 密度が0.3以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の架橋発泡体。
- 密度が0.25以下である、請求項4に記載の架橋発泡体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の架橋発泡体を用いたシューズ用衝撃緩衝材。
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