JP2014087895A - 回転鋸 - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄い刃先や刃先近傍部を備えていても鋭利で精度のよい刃先が形成できるとともに、刃先の消耗を減少させて寿命を長くすることのできる回転鋸を提供すること。
【解決手段】 円板状の台金10aと、台金10aの外周部に形成された複数の刃先形成部13と、複数の刃先形成部13に接合された超硬質チップ14とで、刃先近傍部12の厚みが刃先15の厚みよりも薄くなった回転鋸10を構成した。この回転鋸10の刃先15は、台金基部11と刃先近傍部12とを形成するための厚めの台金部材18における刃先形成部13を構成する部分13aに刃先15よりも厚めの超硬質チップ14aを接合したのちに、超硬質チップ14aを台金部材18における刃先近傍部12を形成する部分とともに研削加工して形成した。研削加工された台金部材18aの余分な部分を、さらに加工除去して刃先近傍部12と台金基部11とを形成した。
【選択図】 図8

Description

本発明は、円板状の台金の外周部に複数の刃先を設けて構成される回転鋸に関する。
従来から、金属、木材、樹脂材料等からなる被切削物の切削に回転鋸が用いられている。この回転鋸は、切削する被切削物の種類に応じて、直径や厚みを変更する他、刃先の数や形状等も変更して製造されている。また、切削の際に、回転鋸の外周部に位置する刃先の内周側部分が被切削物の切削面に接触して摩擦抵抗が大きくなることを防止するために、一般に、刃先を刃先の内周側部分よりも厚い超硬質チップで構成している。
このような回転鋸を製造する場合には、まず、回転鋸の本体を構成する台金を形成するための台金部材を、台金基部に対して外周側の刃先近傍部が薄くなる最終厚さに加工し、その刃先近傍部における刃先を形成する部分に厚めの超硬質チップをロー付けにより接合している。そして、超硬質チップを研削して設定された厚みおよび傾斜角度を備えたものに形成することにより回転鋸が得られる。なお、刃先近傍部と台金基部とが同一の厚さ、すなわち、一般的な回転鋸の場合も、同様に、台金を完成厚に加工したものに超硬質チップをロー付けし、その後、刃先を研削加工している。
しかしながら、このような方法では、薄く形成された刃先近傍部に超硬質チップを接合して研削加工するため、台金部材の剛性が不足し刃先側面の軸方向(刃厚方向)の精度が悪くなり、極端な場合、研削加工の際に刃先近傍部が破損することがある。このため、刃先近傍部や刃先がある程度の厚み、例えば、刃先が最低でも0.5〜1mm程度の厚み以上の回転鋸でなければ製造が困難になる。また、回転鋸における刃先は研削加工することなく、刃先を除いた部分をエッチング加工することにより刃先よりもその他の部分を薄くした回転鋸もある(例えば、特許文献1参照)。この回転鋸は、熱処理された鋼板から、鋸歯状刃を有する鋸状刃身をエッチング加工によって抜き取ったのちに、鋸状刃身における鋸歯状刃の刃先を除いた部分をエッチング加工で薄くすることによって形成されている。
特開平7−80722号公報
しかしながら、前述した特許文献1に記載された回転鋸は、刃先が台金を構成する部分と同じ材料で一体に形成されているため、刃先の消耗が激しく、回転鋸の寿命が短くなるという問題がある。また、この回転鋸の製造方法では、刃物用鋼板から鋸状刃身をエッチング加工によって抜き取ることによって、刃先が形成されるため、刃先を鋭利に形成することが難しいという問題もある。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、薄い刃先や刃先近傍部を備えていても変形することなく鋭利で精度よく形成できるとともに、刃先の消耗を減少させて寿命を長くすることのできる回転鋸を提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明に係る回転鋸の構成上の特徴は、円板状の台金(10a)と、台金の外周部に形成された複数の刃先形成部(13)と、複数の刃先形成部に接合された超硬質チップ(14)とを有する回転鋸(10)であって、台金を形成するための台金部材(18)における刃先形成部を構成する部分(13a)に所定の厚さの超硬質チップ(14a)を接合したのちに、所定の厚さの超硬質チップを台金部材における刃先近傍部を形成する部分とともに研削加工して刃先(15)を形成し、研削加工された少なくとも刃先近傍部の刃先よりも厚い部分を、さらに加工除去して刃先の厚みよりも薄くあさりを形成することにより構成されたことにある。
本発明に係る回転鋸では、まず、台金を形成するための厚めの台金部材における刃先形成部を構成する部分に刃先を形成するための所定の厚さ(刃厚と同程度かそれよりも厚め)の超硬質チップを接合したのちに、その超硬質チップを台金部材における刃先近傍部を形成する部分とともに研削加工して設定された厚みの刃先を形成するようにしている。すなわち、超硬質チップと、台金部材との双方を設定された厚み(完成品の厚み)よりも厚い状態で接合し、超硬質チップと、台金部材における超硬質チップの近傍部分とに、同時に研削加工を施すことにより、超硬質チップを設定された厚みにして、刃先を形成している。このとき、刃先のすくい面、先端面および側面のすべてを研削することが好ましいが、少なくとも側面を研削して設定された厚みにする。
この場合、台金部材は、研削加工に耐えるだけの充分な厚みを備えているため、研削加工の際に変形することはない。このため、研削加工としては、種々の方法を用いることができ、台金部材に直接力が加わる機械研削を用いることもできる。また、放電研削や、超硬質チップを加工できる方法であれば、他の研削方法も用いることができる。さらに、本発明に係る研削加工は、前述した方法の中でも、特に、刃先を鋭利に形成するために、機械研削加工であることが好ましい。
そして、刃先の形成後は、刃先は、そのままにして、台金部材だけに余分な部分を除去する加工を施すことにより設定された厚みの刃先近傍部と台金の中央部分を構成する台金基部とを形成するようにしている。この場合、台金部材が、超硬質チップと比較すると剛性が低いとともに、完成時の厚さが薄くなるため、除去加工としては、例えば、エッチング加工のような台金部材に力が加わらない方法を用いることが好ましい。なお、台金基部の厚みは、刃先近傍部と同じでもよいし、刃先より厚くてもよい。要は、刃先近傍部の厚みが刃先の厚みである刃厚よりも薄くなっており、本回転鋸の使用時に、被切削物が台金に当たらなければよい。また、本発明における超硬質チップには、超硬合金(サーメットを含む)、多結晶ダイヤ(PCD)、多結晶六方晶窒化ボロン(PCBN)等が含まれる。
本発明に係る回転鋸の他の構成上の特徴は、刃先の厚みを0.5mm以下にしたことにある。
本発明によると、極めて薄く精度のよい刃先を備えた回転鋸を得ることができる。従来の技術による場合、刃厚を0.5mm以下にするときには、台金の厚みを、0.4mm以下にする必要がある。しかし、台金の厚みを、0.4mm以下にした場合には、回転鋸を刃先研削装置のクランプ部に取り付けた場合に、刃先の軸方向の剛性が不足するようになるため、刃先研削精度に問題が残る。したがって、従来技術の場合、台金の厚みは0.4mmを超えること、すなわち刃厚は、0.5mmを超えることが好ましい。
本発明に係る回転鋸のさらに他の構成上の特徴は、刃先を形成する研削加工が機械研削であることにある。
本発明によると、刃先を高精度に形成することができる。この場合、回転研削工具を用いて台金部材における刃先近傍部を形成する部分と超硬質チップとの側面を同時に研削することにより行い、側面向心角および側面逃げ角をつける必要がある。これによると、刃先の側面における被切削物の切削面と接触する部分の面積が少なくなるため、摩擦抵抗が少なくなり、回転鋸の切れ味が向上する。なお、機械研削に限らず、放電研削を行う場合でも、研削液の流動に対する抵抗力が必要なため、台金部材にある程度の剛性は必要である。
本発明に係る回転鋸の望ましい他の構成上の特徴は、研削加工された少なくとも刃先近傍部の刃先よりも厚い部分(18a,18b)を加工除去してあさりを形成する除去加工を、台金部材に対して加工による作用力を直接加えない電気的または化学的な加工方法で行い、この除去加工によって、刃先近傍部と台金の中央部分を構成する台金基部(11)との形成も行うことにある。
この場合の電気的な方法としては、放電加工や電解加工があり、化学的な方法としては、エッチング加工がある。電気的または化学的な加工方法によると、機械加工のように、台金部材に対して作用力を直接加えることがなくなる。このため、本発明によると、研削加工によって、ある程度薄くなった台金部材に無理な力を加えて破損させたり、変形させたりすることなく加工して、設定された厚みの刃先近傍部と台金基部とを得ることができる。
本発明に係る回転鋸のさらに他の構成上の特徴は、除去加工を、エッチング加工で行うことにある。
本発明では、台金部材における台金基部を形成する部分および刃先の被研削部をマスキングして、台金部材における刃先近傍部を形成する部分のうちのマスキングされていない部分をエッチング加工することにより刃先近傍部と台金基部とを形成する。この場合、エッチング加工する部分を、設定された厚みよりも僅かに厚い厚さまでエッチングにより除去加工して、そののちに、被研削部のマスキングを除去し、さらに、エッチング加工して、設定された厚みの刃先近傍部と台金基部とを形成することが好ましい。本発明によると、刃先近傍部を精度よく形成することができる。なお、最終工程として、台金部材の全体をエッチング加工して、台金基部と刃先近傍部とを設定された厚みに形成する場合には、台金基部は、エッチング代を見込んで厚くしておくことが好ましい。
このような、エッチング加工は、放電加工や電解加工に比べて、量産性、加工コストおよび条件コントロールの点で有利である。このため、除去加工を、エッチング加工で行うことにより良好な加工を行える。また、少なくとも刃先近傍部の薄肉化をするための除去加工は、加工による作用力の加わる方法であってもよい。その場合、加工の際に、刃先近傍部の加工面の裏側と機械の基準面との隙間をスペーサで埋めることが望ましい。これが僅かな隙間の場合、加工作用力による変形が起こるが、それはスプリングバックによるものであるから台金基部から見ると刃先精度は悪いとは言えない。要は、刃先近傍部および台金基部が厚い状態で刃先研削を行うことが重要である。
本発明の一実施形態に係る回転鋸を示しており、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図1に示した回転鋸の外周部を拡大した正面図である。 台金部材とその外周部に形成された刃先形成部との一部を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)の3−3断面図である。 図3の刃先形成部に超硬質チップを接合した状態を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)の4−4断面図である。 図4の刃先近傍部と超硬質チップとを研削した状態を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)の5−5断面図である。 図5の台金部材全体をマスキングしたのちに台金基部を研削した状態を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)の6−6断面図である。 図6の台金基部をマスキングして刃先近傍部におけるマスキングしていない部分をエッチング加工した状態を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)の7−7断面図である。 図7の状態からマスキングを除去したのちに全体をエッチング加工して回転鋸を形成した状態を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)の8−8断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1(a),(b)は、本実施形態に係る回転鋸10を示している。この回転鋸10は、円板状の台金基部11と、台金基部11の外周部に形成された凸部と凹部とからなる刃先近傍部12と、刃先近傍部12に所定のピッチで形成された複数の刃先形成部13にそれぞれ超硬質チップ14を接合して構成された複数の刃先15とで構成されている。そして、台金基部11の中心部には、軸穴16が形成されている。また、刃先近傍部12の外周部の所定の凹部には、台金基部11の外周部まで延びる小さなスリット17が形成されており、このスリット17は、周方向に略一定間隔を保って4つ形成されている。なお、このスリット17は、4つに限らず、また設けなくてもよい。また、台金基部11と刃先近傍部12とで、回転鋸10の本体である台金10aが構成される。
この回転鋸10は、軸穴16を介して切削装置(図示せず)のクランプ部に組み付けられ、被切削物、例えば、電子回路等が装着された回路基板を切削するもので、その切削の際には、図1(a)の時計周り方向に回転する。なお、以下の説明においては、前方および後方は、回転鋸10の回転方向(図1(a)の時計周り方向)に基づいた方向とする。また、回転鋸10を構成する各部分の説明で用いる方向は、回転鋸10の径方向における外周側および内周側として説明する。
この回転鋸10の直径(回転鋸10が回転するときの刃先15の外周縁部の直径)は125mmに設定され、台金基部11の直径は113mmに設定されている。また、台金基部11の厚みは0.4mmに設定され、刃先近傍部12の厚みは0.2mmに設定され、刃先15の厚み(刃厚)は0.3mmに設定されている。そして、軸穴16の直径は40mmに設定されている。また、刃先15は、一定間隔で40個形成されている。台金基部11と刃先近傍部12とからなる台金10aは、SK85、SKS5、SAE1074,DIN75Cr1等の炭素鋼もしくは合金工具鋼からなる鋼板材で一体に形成されている。そして、使用時に変形しないようにするため、焼き入れ焼き戻し処理を行って硬度が約Hv400〜500になるようにしている。
刃先近傍部12は、台金基部11の外周部に形成されており、図2に示したように、凹部からなる歯室12aと、凸部からなる歯背部12bとを交互に配置して構成されている。そして、歯室12aの後部と歯背部12bの前部との間に、正面から見た縁部の形状がL形になった刃先形成部13が形成されている。歯背部12bの外周側に位置する縁部は、外周側前端から後方内周側に傾斜しながら延びたのちに滑らかに凸部を描くように湾曲して歯室12aの前部に連なっている。そして、歯室12aの縁部は、略半円状の凹部を描くようにして後方に延びて刃先形成部13の内周側前端に連なっている。
超硬質チップ14は、炭化タングステンとコバルトとを混合して焼結した超硬合金からなっており、刃先形成部13の大きさに対応した略矩形の小さな部材からなっている。この超硬質チップ14を、正面から見た形状は、図2に示した状態で、上下方向に長い長方形の右縁部の下端部を面取りして傾斜部を形成するとともに、右縁部と上縁部との角部の刃先角を鋭角にした形状になっている。また、超硬質チップ14を、前方から見た形状は、図5(c)および図8(c)に示した状態で、上下方向に長く厚みが薄い略長方形に形成されており、上端側の厚みが下端側の厚みよりも僅かに厚くなるように、側面向心角をつけている。そして、刃先近傍部12は、超硬質チップ14の下端部よりもさらに薄くなっており、これによって、本発明に係るあさりが形成されている。
さらに、超硬質チップ14を、外周側から見た形状は、図5(a)および図8(a)に示した状態で、左右に長い略長方形に形成されており、右側の厚みが左側の厚みよりも僅かに厚くなるように、側面逃げ角をつけている。つまり、超硬質チップ14の両側面は互いに傾斜した面に形成されている。両側面間の角度は、前方から見た状態の角度である側面向心角は0.3°に設定され、外周側から見た状態の角度である側面逃げ角は0.5°に設定されている。なお、前述した刃厚である0.3mmは、超硬質チップ14の外周側の前端部に対応する部分の厚みである。このように、超硬質チップ14の外周側の厚みを内周側の厚みよりも厚くするとともに、前部側の厚みを後部側の厚みよりも厚くすることによって、スムーズな切削が可能になる。
つぎに、このように構成された回転鋸10の製造方法を説明する。この場合、まず、図3(a)〜(c)に示した台金部材18を準備した。この台金部材18は、正面視による形状が、図1に示した回転鋸10の台金10aと同一で、厚みが、0.8mmの板部材で構成されている。また、台金部材18の外周部には一定間隔で刃先形成部13aが形成されている。つぎに、図4(a)〜(c)に示したように、台金部材18の各刃先形成部13aに、超硬質チップ14aをロー付によって接合した。この超硬質チップ14aは、正面視による形状が超硬質チップ14と略同一で、厚みが超硬質チップ14よりも厚い1.0mmに設定されたものである。
つぎに、超硬質チップ14aが接合された台金部材18に対して研削加工を施すことにより、超硬質チップ14aを、仕上げ寸法である0.3mmの厚みの超硬質チップ14に形成する処理を行った。この場合の研削加工は、軸方向を水平方向に向けた状態で台金部材18を研削装置に取り付けて、回転砥石の周面で超硬質チップ14aの側面を台金部材18の側面における外周側部分と一緒に研削することによって行った。これによって、超硬質チップ14aおよび台金部材18を、図5(a)〜(c)に示した超硬質チップ14および台金部材18aに形成した。なお、この超硬質チップ14aの側面の研削加工に先立って、硬質チップ14aの前端面および外周側端面も研削することにより、すくい面および先端面も形成した。
この研削加工により超硬質チップ14aは、最終形状の超硬質チップ14に形成され、台金部材18は、全体の厚みが0.8mmの状態から、中央部分の厚みが0.8mmで、外周側部分の厚みが略0.3mmになった台金部材18aに形成された。この台金部材18aにおける厚みが0.8mmの部分と厚みが0.3mmの部分との境界部分は、内周側から外周側に向かって徐々に厚みが減少する傾斜部で構成されている。また、研削加工によって、研削された台金部材18aにおける超硬質チップ14の周囲部分には薄肉部19が形成されている。この薄肉部19における超硬質チップ14の近傍部分の最小厚みは、超硬質チップ14の厚みの0.3mmよりも僅かに薄く形成されている。
つぎに、超硬質チップ14および台金部材18aの全面にマスキングを施したのちに、台金部材18aの中央部分を研削して薄くする加工を行った。この場合のマスキングは、アクリル系塗料をスプレーにより超硬質チップ14および台金部材18aの全面に塗布したのちに、150℃の温度で加熱することにより行い、超硬質チップ14および台金部材18aの全面に厚みが略20μmのマスキング層を形成した。そして、両面を平面研削することによって、台金部材18aの中央部分の厚みを0.8mmから0.5mmにした。
この平面研削は、全面がマスキングされた超硬質チップ14および台金部材18aを、軸方向を垂直方向に向けた状態で研削装置のターンテーブルに取り付けて、台金部材18aを回転させながら回転砥石の周面で台金部材18aの側面を研削することによって行った。これによって、台金部材18aは、図6(a)〜(c)に示した厚みが0.5mmの台金部材18bに形成された。なお、台金部材18aの薄肉部19は、超硬質チップ14から遠い位置にある周縁部側部分が削られて面積が小さくなった薄肉部19aに形成されている。この薄肉部19aおよび超硬質チップ14の表面にはマスキング層Mが残っており、超硬質チップ14および台金部材18aの全面にマスキング層を形成したのちに、台金部材18aを平面研削することにより、正確な範囲にマスキング層Mを残すことができる。
つぎに、図7(a)〜(c)に示したように、台金部材18bの両側面における中央側の直径が113mmの部分(台金基部11に対応する部分)にマスキング層Maを形成するとともに、軸穴16が形成される部分の内周面にマスキング層Mbを形成したのちに、マスキングが施されていない部分をエッチング加工により薄くする処理を行った。マスキング層Ma,Mbの形成はマスキング層Mの形成と同様にして行った。
また、エッチング加工は、塩化第二鉄の溶液からなるエッチング液を使用し、マスキング層M,Ma,Mbが形成された超硬質チップ14および台金部材18bにスプレーして腐食することにより行い、これによって、台金部材18bにおけるマスキングされていない部分18cの厚みを0.3mmにした。これによって、台金部材18bの外周側部分全体(刃先近傍部12に対応する部分)の厚みが0.3mmになった。なお、軸穴16が形成される部分の内周面にマスキング層Mbを形成したのは、軸穴16を形成する部分の内周面が腐食して軸穴16の最終的な直径が変わることを防止するためであり、予め、軸穴16を形成する部分の直径を小さくしておけば、このマスキング層Mbは省略することができる。
そして、超硬質チップ14および台金部材18bからマスキング層M,Maを苛性ソーダ液浸漬により除去したのちに、再度台金部材18bをエッチング加工することにより、台金部材18bから図8(a)〜(c)に示した台金基部11と刃先近傍部12とを形成するエッチング処理を行った。この場合、超硬質チップ14はエッチング溶液に対する耐食性が大きいため厚みに変化は生じない。ここでは、エッチング加工により台金部材18bの全体を0.1mm薄くしたのちに、マスキング層Mbを苛性ソーダ液浸漬により除去した。
これによって、エッチング境部20の近傍部分が刃厚よりも薄くなり、回転鋸10が得られた。なお、この2度目のエッチング加工の際には、マスキング層Mbだけでなく、マスキング層Mの一部である超硬質チップ14および超硬質チップ14と刃先形成部13との境界部のマスキングを施してもよい。これによると、超硬質チップ14と刃先形成部13との境界部にエッチング液が浸入して、その接合部分が微小に腐食されることを防止できる。
以上のように、本実施形態に係る回転鋸10では、まず、厚めに形成された台金部材18に、厚めに形成された超硬質チップ14aをロー付けにより接合している。そののちに、超硬質チップ14aを台金部材18における超硬質チップ14aの近傍部分とともに研削加工して設定された厚みの超硬質チップ14を形成するとともに、台金部材18を外周部分が薄くなった台金部材18aに形成するようにしている。この場合、台金部材18は、機械研削による加工に耐えるだけの充分な厚みを備えているため、研削加工の際に変形することはない。また、研削加工が機械研削であるため、刃先15を鋭利に形成することができる。
そして、刃先15の形成後は、刃先15は、研削することなく、台金部材18aを研削加工により薄い台金部材18bに形成したのちに、さらにエッチング加工により余分な部分を除去して設定された厚みの台金基部11と刃先近傍部12とを形成するようにしている。このように、エッチング加工を用いることにより、ある程度薄くなった台金部材18bに対しては無理な力を加えることなく加工することができるため、台金部材18bを変形させることなく、台金基部11と刃先近傍部12とを形成することができる。このため、刃先の厚みが0.3mmで、刃先近傍部12の厚みが0.2mmと極めて薄い回転鋸10を精度よく製造することができる。
また、他の実施形態として、図5(a)〜(c)に示した超硬質チップ14および台金部材18aを形成する際に、機械研削でなく、放電加工による研削加工を行うこともできる。この放電加工は、超硬質チップ14aが接合された台金部材18と、加工用電極との間に放電を発生させることにより、超硬質チップ14aと台金部材18との表面層を除去する加工法である。この場合、加工液中に、超硬質チップ14aが接合された台金部材18と、加工用電極とを対向させて配置し、高周波パルス電源を用いて電圧を与えた。これにより、スパークが発生して、超硬質チップ14aと台金部材18との表面層が少しずつ除去され、これを繰り返すことにより超硬質チップ14および台金部材18aが形成される。
さらに他の実施形態として、図5(a)〜(c)に示した超硬質チップ14および台金部材18aを形成する研削加工は、前述した機械研削によって行い、図5(a)〜(c)に示した超硬質チップ14および台金部材18aを、図8(a)〜(c)に示した回転鋸10に形成するまでの除去加工を放電加工で行うことができる。この場合も、台金部材18aに対して無理な力を加えることなく研削加工することができるため、台金部材18aを破損させることなく、回転鋸10を形成することができる。
さらに他の実施形態として、台金10aを、鋼板材に代えて、超硬合金で構成することもできる。この材料としては、Co10%以上の超硬合金を用いることができる。また、刃先15を構成する超硬質チップとしては、多結晶ダイヤ(PCD)もしくはCo3%程度の超硬合金を用いることが好ましい。これによると、台金基部11および刃先近傍部12の厚みを、0.1mm程度まで薄くすることができる。また、刃先15の加工は、機械研削または放電研削によって行い、刃先近傍部12の除去加工は放電研削によって行うことが好ましい。
また、本発明に係る回転鋸は、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜、変更して実施することが可能である。例えば、前述した実施形態では、刃先15の厚みを0.3mmにしているが、この刃先15の厚みは、回転鋸の使用条件によって適宜変更することができる。ただし、刃先の厚みは0.5mm以下の時に大きな効果が得られる。また、前述した実施形態では、台金基部11の厚みを、刃先15の厚みよりも厚くしているが、台金基部11の厚みは、刃先15の厚みよりも薄くしてもよい。なお、台金基部11の厚みが刃先近傍部12と同じ場合は、一般的超硬丸鋸(チップソー)となる。
さらに、前述した実施形態では、回転砥石で、研削加工を行っているが、超硬質チップ14以外の部分については、この回転砥石に代えて、エンドミルやマシニングセンタを用いてもよい。また、前述した実施形態では、少なくとも刃先近傍部12の薄肉化のための加工をエッチング加工、放電加工または電解加工で行っているが、それらに代えて、フライス加工等の機械加工を行ってもよい。その場合、加工面の裏の面が加工正面となるがその加工正面と機械の基準面との隙間にしっかりとしたスペーサをかませる。この場合においても、刃先15を研削するときに、台金基部11が厚いため剛性が高く、鋭利で精度の高い刃先15が得られる。
また、放電加工や電解加工は他の加工方法と比較して長い時間を要するため、予め研削加工により、ある程度の加工を行ったのちに放電加工や電解加工を行う等、複数の加工方法を適宜組み合わせることもできる。さらに、前述した実施形態では、台金基部11と、刃先近傍部12との間に段差が設けられているが、この部分は段差がなく滑らかに連なった面で構成してもよい。また、刃先近傍部12の大きさも適宜変更することができる。要は、刃先15の近傍部の厚みが刃厚よりも薄くなったあさりが形成されていればよい。また、本発明に係る回転鋸のそれ以外の構成及び製造方法についても、本発明の技術的範囲内で適宜変更することができる。
10…回転鋸、10a…台金、11…台金基部、12…刃先近傍部、13,13a…刃先形成部、14,14a…超硬質チップ、15…刃先、18,18a,18b…台金部材。

Claims (5)

  1. 円板状の台金と、前記台金の外周部に形成された複数の刃先形成部と、前記複数の刃先形成部に接合された超硬質チップとを有する回転鋸であって、
    前記台金を形成するための台金部材における前記刃先形成部を構成する部分に所定の厚さの超硬質チップを接合したのちに、前記所定の厚さの超硬質チップを前記台金部材における刃先近傍部を形成する部分とともに研削加工して刃先を形成し、
    前記研削加工された少なくとも刃先近傍部の前記刃先よりも厚い部分を、さらに加工除去して前記刃先の厚みよりも薄くあさりを形成することにより構成されたことを特徴とする回転鋸。
  2. 前記刃先の厚みを0.5mm以下にした請求項1に記載の回転鋸。
  3. 前記刃先を形成する研削加工が機械研削である請求項1または2に記載の回転鋸。
  4. 前記研削加工された少なくとも刃先近傍部の前記刃先よりも厚い部分を加工除去して前記あさりを形成する除去加工を、前記台金部材に対して加工による作用力を直接加えない電気的または化学的な加工方法で行い、この除去加工によって、前記刃先近傍部と前記台金の中央部分を構成する台金基部との形成も行う請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の回転鋸。
  5. 前記除去加工を、エッチング加工で行う請求項4に記載の回転鋸。
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