JP2014087827A - 軸部における中空部の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シーブ部を変形させることなく、軸部内にシーブ部の内径側を横切って中空部を形成する。
【解決手段】長手方向における途中位置に径方向外側に延びるシーブ部15を有する軸部11内に、当該軸部11の一端11aからシーブ部15の内径側を超えて他端11b側まで延びる中空部12を、柱状のパンチPを用いた押し出し加工により形成する方法であって、パンチPの先端Paが、シーブ部15の内径側に達するまでは、前方押し出し加工により中空部12を形成し、シーブ部15の内径側に達したのちは、後方押し出し加工により中空部12を形成する構成の軸部11における中空部12の形成方法とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、長手方向における途中位置に径方向外側に延びるフランジ部を有する軸部内に、押し出し加工により中空部を形成する方法に関する。
ベルト式無段変速機のプーリは、固定円錐板と、この固定円錐板との間にV溝を形成する可動円錐板と、を備えており、可動円錐板が回転軸方向に進退移動することで、V溝の溝幅が変化するようになっている。
固定円錐板では、フランジ状のシーブ部が、回転軸方向に延びる軸部の外周から径方向外側に延びており、軸部内には、回転軸方向に沿って油孔が形成されている。
従来、この油孔は、ドリルなどを用いて切削により形成されていたが、無段変速機の軽量化の要求に応じて油孔の内径を大きくすると、切削する面積が大きくなるために作業コストが増大する、切削される素材の量が多くなるために歩留まりが悪くなる、などの課題が生じていた。
そこで、これらの課題を解決するために、素材を塑性変形させる後方押し出し加工により、軸部の油孔を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2003−343672号公報
特許文献1には、軸部の長手方向における一端および他端から、それぞれパンチを打ち込んで、軸部内に中空部を形成する方法が開示されている。
かかる方法の場合、パンチにより押された余肉をパンチの移動方向とは反対側(後方側)に押し出しながら中空部が形成されるため、シーブ部の内径側を横切るように中空部を形成しようとすると、押し出される余肉によりシーブ部の形状が変化してしまう。
そのため、軸部の一端および他端側からシーブ部を拘束して、シーブ部の変形を防止する必要があり、そのために、鍛造装置の構成が大型化してしまうという問題があった。
そこで、長手方向における途中位置にフランジ部を有する軸部内に、押し出し成形により中空部を形成するにあたり、フランジ部を変形させることなく、フランジ部の内径側を横切るように中空部を形成できる方法であって、より簡便に行える方法が求められている。
本発明は、長手方向における途中位置に径方向外側に延びるフランジ部を有する軸部内に、当該軸部の一端から前記フランジ部の内径側を超えて他端側まで延びる中空部を、柱状のパンチを用いた押し出し加工により形成する方法であって、
前記パンチの先端が、前記フランジ部の内径側に達するまでは、前方押し出し加工により前記中空部を形成し、前記フランジ部の内径側に達したのちは、後方押し出し加工により前記中空部を形成することを特徴とする軸部における中空部の形成方法。
本発明によれば、パンチの先端がフランジ部の内径側に達するまでは、パンチにより押された余肉を前方側に押し出しながら中空部が形成され、フランジの内径側に達したのちは、余肉を後方側に押し出しながら中空部が形成される。
よって、パンチの先端がフランジ部の内径側に達するまでの間は、余肉が側方や後方側に移動しないので、余肉がフランジ部側に移動してフランジ部の形状が大きく変化することがない。
また、パンチの先端がフランジ部の内径側に達したのちも、余肉の前方側への押し出しを継続すると、フランジ部側の肉が前方側に引き込まれてフランジ部のつけ根の破断などが発生する虞があるが、パンチの先端がフランジ部の内径側に達した時点で、余肉が後方側に押し出されるようになるので、フランジ部側の肉が前方側に引き込まれてフランジ部のつけ根の破断などが発生することもない。
よって、フランジ部の形状を大きく損なうことなどなく、軸部の一端からフランジ部の内径側を超えて他端側まで延びる中空部を軸部内に形成できる。
実施の形態にかかる中空部の形成方法のフローチャートである。 実施の形態にかかる中空部の形成方法を説明する図である。 実施の形態にかかる中空部の形成方法を説明する図である。 実施の形態にかかる中空部の形成方法を説明する図である。 実施の形態にかかる中空部の形成方法を説明する図である。
以下、本発明にかかる中空部の形成方法を、自動変速機のプーリを構成する可動円錐板の軸部内に中空部を形成する場合を例に挙げて説明をする。
図1は、実施の形態にかかる中空部の形成方法のフローチャートである。
図2は、実施の形態にかかる中空部の形成方法を説明する図であり、(a)は、初期形状のワークW1をダイス50に載置した状態を示す図であり、(b)は、前方押し出しによる中空部12の形成過程を示す図である。
なお、以下においては、パンチPにより押されたワークの余肉の移動方向を説明する際に、パンチPの移動方向側(図中下側)を前方、移動方向とは反対側(図中上側)を後方とも標記する。
図2に示すように、実施の形態にかかる中空部の形成方法では、円柱形状の軸部11の長手方向における途中位置に、径方向外側に延びるフランジ状のシーブ部15が形成されたワークW1に対して、円柱形状のパンチPを用いた押し出し加工を行って、軸部11の先端側の形状を整えつつ、軸部11内に中空部12を形成する。
そのため、中空部12を形成するに当たり、初期形状に加工されたワークW1の表面に潤滑剤を塗布したのち、パンチPの移動方向側(図中下側)に位置するダイス50に、ワークW1がセットされる(図1:ステップS101、図2の(a)参照)。
ここで、初期形状のワークW1を説明する。
ワークW1では、シーブ部15は、軸部11の長手方向における一端11a寄りの位置の外周から、軸部11の中心軸線(以下、軸線X)の径方向に延びており、軸線X周りの周方向の全周に亘って、同じ径方向高さで形成されている。
シーブ部15は、その他端11b側(図中下側)が、軸線Xに対して所定角度θ傾斜したシーブ面15aとなっており、シーブ部15の内径側は、外径側よりも厚肉に形成された厚肉部15bとなっている。
軸部11のシーブ部15よりも一端11a側は、パンチPの挿入穴12aが形成された基部111となっている。挿入穴12aは、パンチPと整合する内径と断面形状を有しており、軸部11内に形成する中空部12と、同じ内径かつ同軸となるように、基部111の一端11aから、シーブ部15の内径側の厚肉部15bに及ぶ軸方向長さL1で、軸線Xに沿って形成されている。
軸部11におけるシーブ部15よりも他端11b側は、シーブ部15から離れる方向で2段階に縮径しており、シーブ部15の内径側から延びる円柱形状の大径部112は、シーブ部15から離れるにつれて外径が小さくなる縮径部113を介して、円柱形状の中径部114に接続されている。そして、中径部114の先端には、シーブ部15から離れるにつれて外径が小さくなる円錐台形状の縮径部115が設けられている。
また、ダイス50は、ワークW1の軸部11が挿入される孔部51と、シーブ部15のシーブ面15a側を支持するワーク支持面50aとを有している。
ワーク支持面50aは、シーブ面15aと同様に、軸線Xに対して所定角度θ傾斜しており、ワークW1がダイス50に載置された際に、シーブ面15aの略全面が、ワーク支持面50aに接触した状態で保持されるようになっている。
孔部51は、軸線Xの軸方向に沿ってダイス50を貫通して設けられており、最終的に形成されるワークW4(図5参照)の軸部11の外径に対応した形状を有している。
実施の形態では、孔部51は、ワーク支持面50aから離れる方向に3段階に縮径しており、ワーク支持面50a側から順番に、大径孔部511、縮径孔部512、中径孔部513、縮径孔部514、小径孔部515となっている。
大径孔部511の縮径孔部512側(図中下側)は、軸線Xの軸方向に沿って同じ内径の筒状に形成されており、縮径孔部512とは反対側は、シーブ部15の厚肉部15bの形状に対応して、図中上側に向かうにつれて拡径している。
大径孔部511は、図中下側に向かうにつれて縮径する縮径孔部512を介して、中径孔部513に接続されており、中径孔部513は、図中下側に向かうにつれて縮径する縮径孔部514を介して、小径孔部515に接続されている。
小径孔部515は、軸線Xに沿って延びており、この小径孔部515の下端側には、円柱形状のノックアウトピン30が挿入されている。
ノックアウトピン30の上端30aは、ダイス50にセットされたワークW1の軸部11の他端11bとの間に間隔Waを開けて設けられており、押し出し加工が開始される前の初期段階で、小径孔部515内に空間Sが確保されている。
中空部12の形成方法の説明に戻って、ワークW1のダイス50へのセットが完了すると(図1:ステップS101)、軸部11の挿入穴12aに、パンチPを挿入してセットしたのち、パンチPを軸部11の他端11b側(図中下側)に移動させて、ワークW1を構成する素材を冷間で塑性変形させる押し出し加工が開始される。
ここで、ワークW1の他端11bとノックアウトピン30との間に空間Sが設けられているので、押し出し加工が開始されると、パンチPにより押されたワークW1の余肉は、この空間S内をノックアウトピン30側の下方に移動することになる。
よって、ワークW1の余肉がノックアウトピン30に達する(空間S内に満たされる)までの間は、前方押し出し加工により、軸部11の小径部116の形状を整えながら、軸部11内に中空部12が形成されることになる(図1:ステップS102、図2の(b)参照)。
ここで、実施の形態では、軸部11の基部111に挿入穴12aが予め形成されており、押し出し加工による中空部12の形成が、シーブ部15の厚肉部15bの内径側から行われるようになっている。
例えば、基部111に挿入穴12aが予め形成されていない場合や、挿入穴12aの軸線X方向の長さが短い場合には、中空部12の形成に当たりパンチPにより押された肉が、径方向に移動して基部111を大きく変形させる虞がある。実施の形態では、挿入穴12aがシーブ部15(厚肉部15b)の内径側に及ぶ長さL1で形成されており、パンチPより押された肉が、大量に径方向に移動しないようにされているので、基部111及びその近傍が大きく変形しないようになっている。
なお、以下の説明では、パンチPにより軸部11内に形成された中空部を、パンチPの挿入穴12aの部分を含めて、符号12を用いて、中空部12として標記する。
図3は、実施の形態にかかる中空部の形成方法を説明する図であり、(a)は、パンチPが、前方押し出し加工から後方押し出し加工への切替点に達した状態を示す図であり、前方押し出し加工により得られる中間形状のワークW2が示されている。(b)は、後方押し出し加工による中空部12の形成過程を示す図である。
パンチPが、図2の(b)に示す位置からさらに下方側に押し込まれると、ワークW1の余肉の前方側(下方側)への移動がノックアウトピン30により妨げられることになる(図1:ステップS103、Yes、図3の(a)参照)。
そうすると、パンチPにより押された余肉が、孔部51内を後方側(上方側)に移動して、大径孔部511から押し出されることになる。
よって、この図3の(a)に示す時点で、押し出し加工が、前方押し出し加工から後方押し出し加工に切り替わることになる。
この際、大径孔部511は、その基本形状が略円筒形状を成しており、押し出された余肉の移動方向に指向性が与えられるようになっている。そのため、押し出された余肉は、大径孔部511の断面形状を保持したままで軸線Xに沿って後方側(上方側)に移動して、ワークW2における大径部112が軸線Xの軸方向に延伸させられることになる。
ここで、実施の形態では、パンチPの先端が、シーブ面15aを通る仮想線Im1と軸線Xとの交差点に達した時点で、ワークW1の余肉の前方側への移動がノックアウトピン30により妨げられるように、初期形状のときのワークW1の他端11bと、ノックアウトピン30の上端30aとの間隔Waが設定されている(図2の(a)参照)。
例えば、図3の(a)に示す中間形状のワークW2となった後も、前方押し出しのままで、パンチPの先端Paが仮想線Im1を超えてさら前方に押し込まれて、図中波線で示す位置まで達した場合、その過程において、シーブ部15の厚肉部15b側の肉が、パンチPの移動に追従して前方側(図中下側)に引き込まれて(図中、仮想矢印参照)、シーブ部15の付け根の破断や割れが発生する虞があるからである。
そのため、実施の形態では、パンチPの先端Paが、シーブ部15の内径側に達した時点で、前方押し出し加工から後方押し出し加工に切り替えられるようになっており、シーブ部15を構成している肉が、パンチPの移動方向側に引き込まれないようにされている。
よって、前方押し出し加工により得られた中間形状のワークW2に対して、後方押し出しにより中空部12が形成されている間は、パンチPにより押された余肉が後方側に押し出される(図3の(b)、矢印参照)ので、シーブ部15の形状が崩されることなく、大径部112が後方側に延伸させられることになる。
図4は、実施の形態にかかる中空部の形成方法を説明する図であり、(a)は、パンチPが、後方押し出し加工から前方押し出し加工への切替点に達した状態を説明する図であり、後方押し出し加工により得られる中間形状のワークW3が示されている。
(b)は、前方押し出し加工のために、ノックアウトピン30がダイスから取り外された状態を示す図である。
図3の(b)に示す状態から、後方押し出し加工による中空部12の形成が継続されると、パンチPの先端Paは、縮径部113の内径側に達することになる(図1:ステップS105、Yes、図4の(a)参照)。
そうすると、その時点で、ノックアウトピン30が取り外される(図4の(b)参照)。これにより、パンチPにより押された余肉の前方側(図中下側)への移動が可能となるので、押し出し加工が、後方押し出し加工から前方押し出し加工に切り替わることになる(図1:ステップS106、図4の(a)、(b)参照)。
例えば、図4の(a)に示す中間形状のワークW3となった後も、後方押し出しのままで、パンチPの先端Paが、縮径部113よりも下方に押し込まれて、図中波線で示す中径部114の内径側の位置まで達した場合、その過程において、パンチPの前方側の中径部114内の肉が、中径孔部513との間の隙間ΔW(段差)を通って、後方側(図中上側)に引き込まれることになる(図中、仮想矢印参照)。
ここで、中径部114は大径部112よりも小径であるために、後方側に移動可能な肉の量が、大径部112側よりも限られているので、パンチPの前方側への移動に伴って中径部114側の肉が大径部112側に引き込まれる際に、移動可能な肉の不足に起因して、縮径部113の部分にひび割れが生ずる虞がある。
そのため、実施の形態では、パンチPの先端Paが、縮径部113の内径側に位置している間の任意の時点(図中、ΔLで示す範囲内の任意の位置)で、ノックアウトピン30を取り外して、後方押し出し加工から前方押し出し加工に切り替えることで、中径部114側の肉を大径部112側の後方に移動させるのではなく、中径部114内の肉を前方側に押し出すようにして、ひび割れが生ずる可能性を低減させている。
なお、後方押し出し加工から前方押し出し加工への切り替えは、パンチPの先端Paが、図中ΔLで示す範囲内で行えば良いが、パンチPの先端Paが、縮径部113の大径部112側の基端に達した時点で行われることが好ましい。中径部114側に近づくにつれて、後方側(図中上側)に移動可能な肉の量が少なくなるからである。
図5は、実施の形態にかかる中空部の形成方法を説明する図であり、(a)は、パンチPが、前方押し出し加工による中空部12の形成終了点に達した状態を示す図であり、前方押し出し加工により得られる最終形状のワークW4が示されている。(b)は、最終形状のワークW4のダイス50からの取り外しを説明する図である。
パンチPが、図4の(b)に示す状態からさらに下方側に押し込まれると、パンチPは、余肉を前方側(図中下側)に押し出して、ワークW4の小径部116を軸線Xの軸方向に延伸させながら、軸部11内に中空部12を形成する。
そして、この前方押し出し加工により、軸部11内に形成される中空部12の長さが、予め規定された所定長さ(例えば、図中L2で示す長さ)に達すると(図1:ステップS107、Yes、図5の(a)参照)、パンチPの図中下方向への移動を終了して、前方押し出し加工による中空部12の形成を終了する(図1:ステップS108)。
実施の形態では、パンチPの先端Paが、縮径部115の内径側に達する直前で、前方押し出し加工による中空部12の形成を終了するようになっている。パンチPの先端Paが、縮径部115の内径側に及ぶ位置まで中空部12の形成を行うと、中空部12を形成したのちの縮径部115が薄くなりすぎてしまうからである。
前方押し出し加工を終了すると、図5の(b)に示すように、パンチPを最終形状のワークW4から引き抜いたのち、ノックアウトピン30を孔部51(小径孔部515)内に挿入してワークW4を押し上げることで、ワークW4がダイス50から取り外されることになる。
上記したように、円柱形状のパンチPを用いた押し出し加工により軸部11内に中空部12を形成する際に、パンチPにより押される余肉の押し出し方向を適宜切り換えることで、シーブ部15の変形やシーブ部15のつけ根の破断などを生じさせることなく、シーブ部15の内径側を横切るように中空部12を形成できる。よって、従来例にかかる形成方法の場合のように、軸線Xの軸方向の両側からシーブ部15を拘束する必要がなく、シーブ部15の一方側を拘束するダイス50のみを用意すれば良いので、鍛造装置を大型化させることなく、中空部の形成をより簡便に行える。
以上の通り、実施の形態では、長手方向における途中位置に径方向外側に延びるシーブ部15(フランジ部)を有する軸部11内に、当該軸部11の一端11aからシーブ部15の内径側を超えて他端11b側まで延びる中空部12を、柱状のパンチPを用いた押し出し加工により形成する方法であって、
パンチPの先端Paが、シーブ部15の内径側に達するまでは、前方押し出し加工により中空部12を形成し、シーブ部15の内径側に達したのちは、後方押し出し加工により中空部12を形成する構成の軸部11における中空部12の形成方法とした。
このように構成すると、パンチPの先端Paがシーブ部15の内径側に達するまでは、初期形状のワークW1の余肉を前方側に押し出しながら中空部12が形成され、シーブ部15の内径側に達したのちは、中間形状のワークW2の余肉を後方側に押し出しながら中空部12が形成される。
よって、パンチPの先端Paがシーブ部15の内径側に達するまでの間は、余肉が、パンチPの移動方向の径方向外側や後方側に移動しないので、余肉がシーブ部15側に移動してシーブ部15の形状が大きく変化することがない。
また、パンチPの先端Paがシーブ部15の内径側に達したのちも、余肉の前方側への押し出しを継続すると、シーブ部15側の肉が前方側に引き込まれてシーブ部15が変形することや、シーブ部15のつけ根に破断や割れが発生する虞があるが、パンチPの先端Paがシーブ部15の内径側に達した時点で、余肉が後方側に押し出されるようになるので、シーブ部15側の肉が前方側に引き込まれてシーブ部15の形状が大きく変化することや、シーブ部15のつけ根に破断や割れが発生することもない。
よって、シーブ部15の形状などを大きく損なうことなく、軸部11の一端11aからシーブ部15の内径側を超えて他端11b側まで延びる中空部12を軸部11内に形成できる。
特に、素材を塑性変形させる後方押し出し加工により、軸部11内に油路となる中空部12を形成したので、切削加工で中空部を形成する場合のように、切削くずの処理の問題が生じない。また、中空部の内径を大きくしても、切削加工で中空部を形成する場合の課題、すなわち作業コストが増大することや、捨てられる素材の量が増えるために素材の歩留まりが悪くなること等が生じない。
軸部11では、シーブ部15よりも他端11b側に、軸部11の外径がシーブ部15から離れるにつれて小さくなる縮径部113が設けられており、
パンチPの先端Paが縮径部113との境界に達した時点で、中空部12の形成が、後方押し出し加工から前方押し出し加工に切り換えられる構成の軸部11における中空部12の形成方法とした。
パンチPの先端Paが縮径部113に達した後も余肉の後方側への押し出しが継続されると、縮径部113よりも先の中径部114側から移動可能な肉の量が少なくなるので、縮径部113に割れなどが発生する虞がある。
上記のように構成して、パンチPの先端Pa側が縮径部113に達した時点で、中径部114側の肉を大径部112側の後方に移動させるのではなく、中径部114内の肉を前方側に押し出すことで、縮径部113にひび割れが生ずる可能性を低減できる。
また、後方押し出しの場合にパンチにかかる荷重は、前方押し出しの場合よりも大きいので、従来の後方押し出しのみで中空部を形成している場合には、軸部内に形成する中空部の長さが長くなると、その分だけパンチの長さが長くなるので、パンチが折れてしまう虞があった。
実施の形態では、パンチPを用いた押し出し加工により中空部を形成するに当たり、前方押し出し、後方押し出し、前方押し出しの順番で、パンチPにより押された余肉の押し出し方向を変えており、後方押し出しと前方押し出しを組み合わせて中空部12を形成している。よって、押し出し加工の全体を通してパンチに作用する荷重を低減できるので、パンチの耐久性が向上する。
さらに、軸部11と、前記軸部11の長手方向における途中位置に径方向外側に延びるフランジ状のシーブ部15と有する初期形状のワークW1に対し、円柱形状のパンチPを用いた冷間での塑性変形による押し出し加工を行って、前記軸部11の形状を整えつつ、前記軸部11内にその一端から前記シーブ部15の内径側を超えて他端側まで延びる中空部12を形成する方法であって、
(A)最終形状のワークW4の軸部11の形状に対応する形状の孔部51と、前記シーブ部15のシーブ面15aを支持するワーク支持面50aを有するダイス50に、前記初期形状のワークW1をセットして、前記軸部11の他端11b側を前記孔部51内に挿入し、前記シーブ面15aをワーク支持面50aで支持させた状態とするステップと、
(B)初期形状のワークW1の軸部11の一端11aに開口する挿入穴12aに、パンチPを挿入してセットしたのち、パンチPを軸部11の他端11b側に移動させて、
(a)パンチPの先端Paがシーブ部15の内径側に達すると共に、
(b)パンチPにより前方側に押し出された余肉の移動が前記孔部51内に挿入されたノックアウトピン30により妨げられるまで、
前方押し出し加工により前記軸部11内に中空部12を形成して、中間形状のワークW2とするステップと、
(C)前記中間形状のワークW2において、前記パンチPを軸部11の他端11b側にさらに移動させて、前記パンチPの先端PaがワークW2の軸部11における縮径部113との境界に達するまで、後方押し出し加工により前記軸部11内に中空部12を形成して、中間形状のワークW3とするステップと、
(D)前記ノックアウトピン30を前記孔部51から取り外した後、前記中間形状のワークW3において、前記パンチPを軸部11の他端11b側にさらに移動させて前方押し出し加工を行うことにより、前記軸部11の形状を整えつつ前記軸部11内に中空部12を形成して、最終形状のワークW4とするステップと、を備える構成の軸部における中空部の形成方法とした。
このように構成すると、中空部12の形成に当たり、シーブ部15を構成する肉が軸部11内を移動するパンチPにより引き込まれてシーブ部15が変形することがないので、従来例にかかる形成方法の場合のように、軸線Xの軸方向の両側からシーブ部15を拘束する必要がなく、シーブ部15の一方側を拘束するダイス50のみを用意すれば良いので、鍛造装置を大型化させることなく、中空部の形成をより簡便に行える。
実施の形態では、自動変速機のプーリを構成する可動円錐板の軸部に中空部を形成する場合を例示したが、長手方向における途中位置に径方向に延びるフランジが設けられている軸部材内に、フランジの内径側を横切るように中空部を形成する場合であれば、本発明にかかる方法を好適に適用できる。よって、プーリの可動円錐板のみならず、リダクションギヤなどの軸部に中空部を形成する場合にも好適に利用可能である。
11 軸部
11a 一端
11b 他端
111 基部
112 大径部
113 縮径部
114 中径部
115 縮径部
116 小径部
12 中空部
12a 挿入穴
15 シーブ部
15a シーブ面
15b 厚肉部
30 ノックアウトピン
30a 上端
50 ダイス
50a ワーク支持面
51 孔部
511 大径孔部
512 縮径孔部
513 中径孔部
514 縮径孔部
515 小径孔部
Im1 仮想線
P パンチ
Pa 先端
S 空間
W1 ワーク
W2 ワーク
W3 ワーク
W4 ワーク
Wa 間隔
X 軸線

Claims (2)

  1. 長手方向における途中位置に径方向外側に延びるフランジ部を有する軸部内に、当該軸部の一端から前記フランジ部の内径側を超えて他端側まで延びる中空部を、柱状のパンチを用いた押し出し加工により形成する方法であって、
    前記パンチの先端が、前記フランジ部の内径側に達するまでは、前方押し出し加工により前記中空部を形成し、前記フランジ部の内径側に達したのちは、後方押し出し加工により前記中空部を形成することを特徴とする軸部における中空部の形成方法。
  2. 前記軸部では、前記フランジ部よりも前記他端側に、前記軸部の外径が前記フランジ部から離れるにつれて小さくなる縮径部が設けられており、
    前記パンチの先端が縮径部との境界に達した時点で、前記中空部の形成が、前記後方押し出し加工から前記前方押し出し加工に切り換えられることを特徴とする請求項1に記載の軸部における中空部の形成方法。
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