JP2014087633A - 歯科用インプラント埋設穴形成補助装置 - Google Patents

歯科用インプラント埋設穴形成補助装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 所望の最大深度を超えてインプラント埋設穴が形成されるのを確実に防止できる歯科用インプラント埋設穴形成補助装置を提供する。
【解決手段】 ドリル52が装着されるハンドピース10に装着可能な構成を持つ第1部材20と、ハンドピース10に装着されたドリル52の軸心Xに沿って相対移動できるように、第1部材20に係合された第2部材30とを備える。ドリル52により顎骨の埋設穴形成箇所にインプラント埋設穴を形成する際には、第1部材20及び第2部材30のいずれか一方が、サージカルガイドのガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接すると共に、他方がドリル52の軸心Xに沿って相対移動するように構成される。第1部材20と第2部材30の相対移動は、前記インプラント埋設穴の所望の最大深度に対応して設定された限界点を持つ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に関し、さらに言えば、歯科医が患者の顎骨にインプラント埋設穴を形成する際に補助的に使用する装置であって、所望の最大深度を超えてインプラント埋設穴が形成されるという事態を確実に防止できるものに関する。
近年、歯の欠損部分にインプラント(人工歯根)を埋設して義歯を製作するという歯科療法(インプラント療法)が、しばしば実施されるようになっている。この療法では、ハンドピース等の穿孔装置に装着したドリルを用いて、欠損部分に対応する位置で顎骨にインプラント埋設穴を形成する。その際には、所望の位置及び方向でインプラント埋設穴が形成されるようにドリルを案内するため、サージカルガイドが使用される。サージカルガイドは、ステント、テンプレートなどとも呼ばれる。
サージカルガイドには、所望の位置及び方向にドリルを案内するためにガイド部材(通常は金属製である)が埋め込まれている。このため、前記ガイド部材がドリルの軸心と同心のガイド孔を有するタイプ(以下、同心型サージカルガイドという)と、前記ガイド部材がドリルの軸心から偏心し且つその軸心に平行なガイド孔を有するもの(以下、偏心型サージカルガイドという)とがある。
同心型サージカルガイドは、ドリル案内機能が比較的高く、インプラント埋設穴を高精度で形成できるという利点があるが、ドリルによる穿孔作業中に穿孔している箇所が歯科医師に見え難いという難点がある。偏心型サージカルガイドは、これとは反対である。すなわち、ドリルによる穿孔作業中に穿孔している箇所が歯科医師に見えやすく、穿孔作業がしやすいという利点があるが、ドリル案内機能が同心型サージカルガイドよりも低いという難点がある。
同心型サージカルガイドのガイド部材は、内部に円筒形のガイド孔を有するものが一般的であるが、これはドリルが直接ガイド孔に挿通されるからである。しかし、円筒形のガイド孔を形成する側壁の一部を切欠して、ガイド孔の軸心方向に延在するスリットを形成したものもある。これは、ガイド孔の側方からドリルを挿入できるようにして、ドリル挿入時に患者が口を大きく開けなくてすむようにするためである。スリット付きのガイド孔は、ガイド溝と言うことができる。
他方、偏心型サージカルガイドのガイド部材は、ガイド孔がドリルの軸心から偏心しており、ドリルが直接挿通されることがないため、円筒形あるいはそれに近い形である必要はない。このため、ガイド孔には、所望の位置及び方向にドリルを案内する(導く)ために設けられた部材または部品が係合される。その部材または部品が、ドリルの軸心から偏心した位置でガイド孔またはガイド溝に沿って移動することで、ドリルは所望の位置及び方向に案内される。
インプラント治療の結果は、インプラント埋設穴の形成状況の如何によって大きく左右される。このため、患者の顎骨に所望のインプラント埋設穴を形成するための器具(インプラント埋設穴形成器具)の改善が要望されている。事実、その要望に応じて、数多くの改善がなされて来ている。
例えば、特許文献1(特許第4891339号公報)には、フランジを持つ管状の案内部材を設けることで、サージカルガイドへの回転器具の挿入時に当該器具の位置を正確に制御できると共に、穿孔深度も制限できるようにした「歯科用ハンドピース」が開示されている。この歯科用ハンドピースでは、案内部材の管状部分をサージカルガイドのガイド部材のガイド孔またはガイド溝に挿入・嵌合することで、ドリル等の回転器具を所望の方向に案内し、また、前記案内部材のフランジが同ガイド部材の入口側端部に当接することで、前記回転器具による穿孔深度を制限する。つまり、穿孔深度が過大になるのを防止する。ここで使用するのは、同心型サージカルガイドである。
特許文献2(特表2005−518868号公報)には、サージカルガイドに設けられたガイド部材としての位置決めバレルと、ハンドピースのヘッドに装着されたドリル整合アームとを備えた「インプラントの位置決め装置」が開示されている。ドリルは、ハンドピースのヘッドに装着されるが、その際に、ドリルは、所定距離をおいてドリル整合アームのドリル整合アームピンと平行になる。このインプラントの位置決め装置では、位置決めバレル(つまりガイド部材)の中央ボア(貫通孔)に、ドリル整合アームピンが挿入・嵌合することで、ドリルを位置決めバレルの軸心方向に案内し、ドリル整合アームピンが位置決めバレルの中央ボアに形成された深さ制御面に当接することで、ドリルによる穿孔深度を制限する。ここで使用するのは、偏心型サージカルガイドである。
特許文献3(特表2010−516356号公報)には、サージカルガイド(テンプレート)またはサージカルガイド内に固定された第1スリーブと、ドリル等の回転器具にその軸心方向に移動可能として係止された第2スリーブとを備え、第1スリーブと第2スリーブには、所定の保持力を超える力が作用すると解放される第1接続要素及び第2接続要素がそれぞれ設けられた「インプラント挿入を準備または実行する器具を備える装置」が開示されている。所定の保持力を超える力が作用するまでは、第1接続要素と第2接続要素による係合が解放されないので、回転器具に係止された第2スリーブが第1スリーブの内部をスライドする。しかし、所定の保持力を超える力が作用した後は、第1接続要素と第2接続要素の係合が解放されるため、回転器具が第2スリーブの内部をスライドする。
特許文献3の装置で使用する回転器具は、環状カラー等の構成を持つストップ部材をシャンク部に有しており、回転器具による穿孔深度が過大にならないようにしている。この装置では、回転器具に係止された第2スリーブを第1スリーブの貫通孔に挿入・嵌合することで、回転器具を所望の第1スリーブの軸心方向に案内し、回転器具のストップ部材が第2スリーブの上端に当接することで、回転器具による穿孔深度を制限する。つまり、穿孔深度が過大になるのを防止する。ここで使用するのは、同心型サージカルガイドである。
特許第4891339号公報 特表2005−518868号公報 特表2010−516356号公報
上述した特許文献1の歯科用ハンドピースでは、ハンドピースに設けられた案内部材の管状部分が、サージカルガイドのガイド部材のガイド孔またはガイド溝に挿入・嵌合することで、回転器具をガイド部材の軸心方向に案内し、案内部材に設けられたフランジが同ガイド部材の入口側端部に当接することで、回転器具による穿孔深度を制限するので、インプラント埋設穴を所望の位置及び方向において所望深さで形成することはできるが、ハンドピースの買い換えが必要であり、歯科医師が既に所有しているハンドピースを使用してインプラント療法を実施することができない、という難点がある。
上述した特許文献2のインプラントの位置決め装置では、サージカルガイドに設けられた位置決めバレル(ガイド部材)の中央ボア(貫通孔)に、回転器具に装着されたドリル整合アームピンが挿入・嵌合することで、ドリルを位置決めバレルの軸心方向に案内し、位置決めバレルの中央ボアに形成された深さ制御面にドリル整合アームピンが当接することで、ドリルによる穿孔深度を制限する。このため、上述した特許文献1の歯科用ハンドピースとは異なり、ハンドピースの買い換えは必要ないが、サージカルガイドに独特(専用)の構造を持つ位置決めバレルを装着する必要がある、という難点がある。また、ドリルによる最大穿孔深度を変えるためには、位置決めバレルまたはドリル整合アームピンの位置、寸法等を変える必要があり、最大穿孔深度の調整が容易ではない、という難点もある。
上述した特許文献3のインプラント挿入を準備または実行する器具を備える装置では、回転器具に係止された第2スリーブを第1スリーブの貫通孔に挿入・嵌合することで、回転器具を所望の第1スリーブの軸心方向に案内し、回転器具のストップ部材が第2スリーブの上端に当接することで、回転器具による穿孔深度を制限するので、回転器具の位置と方向を正確に案内することはできる。しかし、回転器具のシャンク部に設けたストップ部材が第2スリーブの端部に当接することで、回転器具による穿孔深度を制限するので、回転器具による最大穿孔深度を変えるためには、ドリル等の回転器具それ自体を変える必要がある、という難点もある。
本発明は、以上述べたような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、ドリル等の回転器具を用いたインプラント埋設穴の形成時に、所望の最大深度を超えてインプラント埋設穴が形成されるという事態を確実に防止できると共に、前記最大深度の調整も容易に行える歯科用インプラント埋設穴形成補助装置を提供することである。
本発明の他の目的は、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用できると共に、取り扱いも容易であり、しかも、低いコストで製造することができる歯科用インプラント埋設穴形成補助装置を提供することにある。
ここに明記しない本発明のさらに他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかである。
(1) 本発明の第1の観点では、歯科用インプラント埋設穴形成補助装置が提供される。この歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、
歯科用インプラント治療において、ドリル等の回転器具を用いて患者の顎骨にインプラント埋設穴を形成する際に補助的に使用される装置であって、
前記回転器具または前記回転器具が装着されるハンドピースに装着可能な構成を持つ第1部材と、
前記ハンドピースに装着された前記回転器具の軸心に沿って相対移動できるように、前記第1部材に係合された第2部材とを備え、
前記回転器具により前記顎骨の埋設穴形成箇所に前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方が、サージカルガイドのガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接すると共に、他方が前記回転器具の軸心に沿って相対移動するように構成され、
前記第1部材と前記第2部材の相対移動は、前記インプラント埋設穴の所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っていることを特徴とするものである。
本発明の第1の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、上記のような構成を有するので、前記第1部材を前記回転器具または前記ハンドピースに装着すると、前記第2部材は、前記ハンドピースに装着された前記回転器具の軸心に沿って相対移動可能となる。また、前記ハンドピースに装着された前記回転器具で前記顎骨の埋設穴形成箇所に前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方が、前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接し、他方が前記回転器具の軸心に沿って相対移動するため、前記回転器具による作業が進むにつれて、前記第1部材と前記第2部材の間の距離が徐々に変化する。
前記第1部材と前記第2部材の相対移動は、前記インプラント埋設穴の所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っているので、前記インプラント埋設穴の形成時における前記第1部材と前記第2部材の相対移動が、前記限界点を越えて行われることはない。よって、前記回転器具により形成される前記インプラント埋設穴の深度が、前記最大深度を超えることがない。つまり、前記最大深度を超えて前記インプラント埋設穴が形成されるという事態は確実に防止される。
また、前記第1部材と前記第2部材の間に適当なスペーサを介在させたり、前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所と、それに近接する前記第1部材または前記第2部材との間に、適当なスペーサを介在させたり、前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方について前記回転器具の軸心に沿った長さを変えたりすることで、前記第1部材と前記第2部材の相対移動の限界点を容易に調整できるので、前記所望の最大深度の調整も容易である。
また、本発明の第1の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、前記第1部材を前記回転器具または前記ハンドピースに装着することで使用可能となるので、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用することが可能である。
さらに、前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方を、前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接させ、他方を前記回転器具の軸心に沿って相対移動させればよい。また、前記第1部材と前記第2部材の相対移動には前記限界点が設けられているから、前記所望の最大深度を超えないように注意する必要もない。したがって、本発明の第1の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、取り扱いも容易である。
しかも、上述した構成を持つ前記第1部材と前記第2部材を含む簡単な構成であるだけでなく、特別に高価な材料や特別な製法を使用する必要もないから、低いコストで製造することができる。
(2) 本発明の第1の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の好ましい例では、前記第2部材が、前記回転器具の軸心と同心の位置において、前記回転器具の軸心に沿って相対移動可能な係合部を有する。
この例では、前記係合部が、前記回転器具の軸心と同心の位置で前記回転器具に係合され、且つ、前記回転器具の軸心に沿って前記第1部材から離れて配置されるのが好ましい。この場合、前記案第1内部が前記回転器具に係合しているので、前記係合部ひいては前記第2部材の移動が安定するという利点がある。
前記係合部は、同心型サージカルガイドのガイド部材に係合可能な案内部としての機能を持つのが好ましい。この場合、前記係合部を同心型サージカルガイドのガイド部材に係合させながら、前記インプラント埋設穴を形成できるという利点がある。
前記第2部材は、前記回転器具の軸心から偏心した位置において、前記回転器具の軸心に沿って案内される案内部を有するのが好ましい。この例では、偏心型サージカルガイドを使用できる、という利点がある。
前記第2部材が、前記回転器具の軸心から偏心した位置において、前記回転器具の軸心に沿って案内される案内部を有すると共に、前記係合部が、同心型サージカルガイドのガイド部材に係合可能な案内部としての機能を持つのが好ましい。この場合、偏心型サージカルガイドと同心型サージカルガイドのいずれにも適用できる、という利点がある。
前記係合部と前記第1部材との間に、前記係合部を前記第1部材から引き離す方向に付勢するバネを設けるのが好ましい。この場合、前記係合部が、常時、前記第1部材から引き離す方向に付勢されているため、前記インプラント埋設穴の形成時に、歯科医師が前記係合部を押さえる必要がなく、取り扱いがいっそう容易になる、という利点がある。
さらに、前記係合部と前記第1部材との間に、前記第1部材と前記第2部材の相対移動の前記限界点を調整するためのスペーサが配置されるのが好ましい。この場合、高さ(厚さ)の異なる複数のスペーサを用意しておき、それらを選択的に使用することで、前記回転部材や、当該歯科用インプラント埋設穴形成補助装置を交換することなく、前記インプラント埋設穴の前記最大深度を調整することが容易である、という利点がある。
前記第2部材の外面には、前記第1部材と前記第2部材の相対距離または相対位置を示す記号が付されるのが好ましい。この例では、前記第1部材と前記第2部材の相対距離または相対位置を確認しながら前記インプラント埋設穴を形成することができる、という利点がある。ここで「記号」とは、目盛り、数値、符号、図形等、前記相対距離または相対位置を示すものであれば、任意のものが含まれる。
好ましくは、前記第1部材は、磁石を含んでいて、前記磁石の磁力を用いて前記第1部材が前記ハンドピースまたは前記回転器具に装着可能とされる。または、前記第1部材を前記ハンドピースに装着するための装着部材をさらに備え、前記第1部材が前記装着部材に係止されるように構成される。
好ましくは、前記第2部材は、前記回転器具に水を供給するための給水部を備える。
前記第1部材が、前記ハンドピースに接続可能な延長シャフト部を有しており、前記回転器具が前記延長シャフト部を介して前記ハンドピースに回転可能に接続されるようにしてもよい。前記第1部材が、ハンドピース・カバーまたはそれに類似したカバーを用いて前記ハンドピースに装着される構成を持ってもよい。
(3) 本発明の第2の観点では、他の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置が提供される。この歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、
歯科用インプラント治療において、ドリル等の回転器具を用いて患者の顎骨にインプラント埋設穴を形成する際に補助的に使用される装置であって、
前記回転器具または前記回転器具が装着されるハンドピースに装着可能な構成を持つ第1部材と、
前記ハンドピースに装着された前記回転器具の軸心に沿って相対移動できるように、前記第1部材に係合された第2部材とを備え、
前記第1部材は前記回転器具の軸心と同心に配置されていると共に、前記第2部材は前記第1部材の外側において前記回転器具の軸心と同心に配置されており、
前記回転器具により前記顎骨の埋設穴形成箇所に前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方が、サージカルガイドのガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接すると共に、他方が前記回転器具の軸心に沿って相対移動するように構成され、
前記第1部材と前記第2部材の相対移動は、前記インプラント埋設穴の所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っていることを特徴とするものである。
本発明の第2の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、上記のような構成を有するので、前記第1部材を前記回転器具または前記ハンドピースに装着すると、前記第2部材は、前記ハンドピースに装着された前記回転器具の軸心に沿って相対移動可能となる。前記第1部材は前記回転器具の軸心と同心に配置され、前記第2部材は前記第1部材の外側において前記回転器具の軸心と同心に配置されているので、前記第2部材は、前記第1部材の外側を前記第1部材と同じ方向に移動する。
また、前記ハンドピースに装着された前記回転器具で前記顎骨の埋設穴形成箇所に前記インプラント埋設穴を形成する際には、外側にある前記第2部材がサージカルガイドのガイド部材に係合される。そして、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方が、前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接し、他方が前記回転器具の軸心に沿って相対移動するため、前記回転器具による作業が進むにつれて、前記第1部材と前記第2部材の間の距離が徐々に変化する。
前記第1部材と前記第2部材の相対移動は、前記インプラント埋設穴の所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っているので、前記インプラント埋設穴の形成時における前記第1部材と前記第2部材の相対移動が、前記限界点を越えて行われることはない。よって、前記回転器具により形成される前記インプラント埋設穴の深度が、前記最大深度を超えることがない。つまり、前記最大深度を超えて前記インプラント埋設穴が形成されるという事態は確実に防止される。
また、前記第1部材または前記第2部材と前記ハンドピースの間に適当なスペーサを介在させたり、前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所と、それに近接する前記第1部材または前記第2部材との間に、適当なスペーサを介在させたり、前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方について前記回転器具の軸心に沿った長さを変えたりすることで、前記第1部材と前記第2部材の相対移動の限界点を容易に調整できるので、前記所望の最大深度の調整も容易である。
また、本発明の第2の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、前記第1部材を前記回転器具または前記ハンドピースに装着することで使用可能となるので、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用することが可能である。
さらに、前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第2部材を前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接させ、前記第1部材を前記回転器具の軸心に沿って相対移動させればよい。また、前記第1部材と前記第2部材の相対移動には前記限界点が設けられているから、前記所望の最大深度を超えないように注意する必要もない。したがって、本発明の第2の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、取り扱いも容易である。
しかも、上述した構成を持つ前記第1部材と前記第2部材を含む簡単な構成であるだけでなく、特別に高価な材料や特別な製法を使用する必要もないから、低いコストで製造することができる。
(4) 本発明の第2の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の好ましい例では、前記第1部材が略円筒形であり、前記第2部材が前記第1部材と同心でそれよりも直径が大きい略円筒形とされる。この例では、前記第1部材と前記第2部材の構成がより簡単になる、という利点がある。
この例では、前記第2部材が前記第1部材から離脱するのを防止する機構(離脱防止機構)が設けられるのが好ましい。この場合、前記インプラント埋設穴を形成する際に、患者の口の中で前記第2部材が前記第1部材から離脱する、といった危険な事態を防止できる、という利点がある。
前記離脱防止機構としては、例えば、前記第1部材が第1Oリングを含むと共に、前記第2部材が第2Oリングを含んでおり、前記第1Oリングと前記回転器具との間の摩擦力を用いて前記第1部材が前記回転器具に係止され、前記第2Oリングと前記第1部材との間の摩擦力を用いて前記第2部材が前記第1部材に係止されるようにしてもよい。また、前記第1部材がOリングを含んでおり、前記Oリングと前記回転器具との間の摩擦力を用いて前記第1部材が前記回転器具に装着可能とされてもよい。
前記第1部材及び前記第2部材にそれぞれ形成されたネジによって、前記第2部材が前記第1部材に係合され、前記第1部材または前記第2部材を相対的に回転させることで、前記回転器具の軸心に沿った方向の前記第1部材及び前記第2部材の相対位置を調整可能としてもよい。前記第1部材及び前記第2部材の相対位置の調整が、容易且つ正確に行えるという利点がある。
この場合、位置調整された前記第2部材を前記第1部材上に固定するために、ネジによって前記第1部材に係合された追加の第2部材を備えてもよい。
さらに、前記第2部材と前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面の間に、前記第1部材と前記第2部材の相対移動の前記限界点を調整するためのスペーサが配置されるのが好ましい。この場合、高さ(厚さ)の異なる複数のスペーサを用意しておき、それらを選択的に使用することで、前記回転部材や、当該歯科用インプラント埋設穴形成補助装置を交換することなく、前記インプラント埋設穴の前記最大深度を調整することが容易である、という利点がある。
前記第1部材または前記第2部材の外面には、前記第1部材と前記第2部材の相対距離または相対位置を示す記号が付されるのが好ましい。この例では、前記第1部材と前記第2部材の相対距離または相対位置を確認しながら前記インプラント埋設穴を形成することができる、という利点がある。ここで「記号」とは、本発明の第1の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置で述べたものと同じである。
好ましくは、前記第1部材は、磁石を含んでいて、前記磁石の磁力を用いて前記第1部材が前記ハンドピースまたは前記回転器具に装着可能とされる。または、前記第1部材を前記ハンドピースに装着するための装着部材をさらに備え、前記第1部材が前記装着部材に係止されるように構成される。
好ましくは、前記第2部材は、前記回転器具に水を供給するための給水部を備える。
前記第1部材が、前記ハンドピースに接続可能な延長シャフト部を有しており、前記回転器具が前記延長シャフト部を介して前記ハンドピースに回転可能に接続されるようにしてもよい。前記第1部材が、ハンドピース・カバーまたはそれに類似したカバーを用いて前記ハンドピースに装着される構成を持ってもよい。
(5) 本発明の第3の観点では、さらに他の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置が提供される。この歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、
歯科用インプラント治療において、ドリル等の回転器具を用いて患者の顎骨にインプラント埋設穴を形成する際に補助的に使用される装置であって、
前記回転器具または前記回転器具が装着されるハンドピースに装着可能な構成を持つ第1部材と、
前記ハンドピースに装着された前記回転器具の軸心に沿って相対移動できるように、前記第1部材に係合された第2部材とを備え、
前記第1部材は前記回転器具の軸心と同心に配置されていると共に、前記第2部材は前記第1部材の外側において前記回転器具の軸心と同心に配置されており、
前記第1部材及び前記第2部材は、所望の相対位置に固定可能であり、
前記回転器具により前記顎骨の埋設穴形成箇所に前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第1部材及び前記第2部材が予め所望の相対位置で固定され、その後、前記第2部材がサージカルガイドのガイド部材に係合されると共に、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方が、前記ガイド部材または埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接することで、前記回転器具の軸心に沿った前記第1部材及び前記第2部材の移動が停止するように構成され、
前記第1部材と前記第2部材の相対位置は、前記インプラント埋設穴の所望の最大深度に対応して設定された限界点を決定することを特徴とするものである。
本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置では、上記のような構成を有するので、前記第1部材を前記回転器具または前記ハンドピースに装着すると、前記第2部材は、前記ハンドピースに装着された前記回転器具の軸心に沿って相対移動可能となる。前記ハンドピースに装着された前記回転器具で前記顎骨の埋設穴形成箇所に前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第1部材及び前記第2部材は予め所望の相対位置に固定される。そして、前記第2部材がサージカルガイドのガイド部材に係合されると、前記回転器具による作業が進むにつれて、前記第1部材及び前記第2部材が前記回転器具の軸心に沿った移動する。記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方が、前記ガイド部材または埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接すると、前記回転器具の軸心に沿った前記第1部材及び前記第2部材の移動が停止する。
前記第1部材と前記第2部材の相対位置が、前記インプラント埋設穴の所望の最大深度に対応して設定された限界点を決定するので、所望の最大深度となるように前記第1部材と前記第2部材の相対位置を調整することにより、前記インプラント埋設穴の形成時に前記限界点を越えることが防止される。よって、前記回転器具により形成される前記インプラント埋設穴の深度が、前記最大深度を超えることがない。つまり、前記最大深度を超えて前記インプラント埋設穴が形成されるという事態は確実に防止される。
また、前記第1部材または前記第2部材と前記ハンドピースの間に適当なスペーサを介在させたり、前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所と、それに近接する前記第1部材または前記第2部材との間に、適当なスペーサを介在させたり、前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方について前記回転器具の軸心に沿った長さを変えたりすることで、前記第1部材と前記第2部材の相対移動の限界点を容易に調整できるので、前記所望の最大深度の調整も容易である。
また、本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、前記第1部材を前記回転器具または前記ハンドピースに装着することで使用可能となるので、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用することが可能である。
さらに、前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第2部材を前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接させ、予め相対位置に固定された前記第1部材及び前記第2部材を前記回転器具の軸心に沿って相対移動させればよい。また、前記第1部材と前記第2部材の相対移動には前記限界点が設けられているから、前記所望の最大深度を超えないように注意する必要もない。したがって、本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、取り扱いも容易である。
しかも、上述した構成を持つ前記第1部材と前記第2部材を含む簡単な構成であるだけでなく、特別に高価な材料や特別な製法を使用する必要もないから、低いコストで製造することができる。
(6) 本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の好ましい例では、前記第1部材が略円筒形であり、前記第2部材が前記第1部材と同心でそれよりも直径が大きい略円筒形とされる。この例では、前記第1部材と前記第2部材の構成がより簡単になる、という利点がある。
この例では、前記第2部材を前記第1部材に固定する機構が設けられるのが好ましい。この例では、前記インプラント埋設穴を形成する前に、前記第1部材及び前記第2部材を、所望の相対位置に容易に固定できる、という利点がある。
前記第2部材を前記第1部材に固定する機構としては、前記第1部材に形成されたネジと、前記第2部材に形成されたネジとによって、前記第2部材が前記第1部材に係合されており、前記第1部材または前記第2部材を相対的に回転させることで、前記回転器具の軸心に沿った方向の前記第1部材及び前記第2部材の相対位置を調整可能とされるのが好ましい。また、前記第1部及び前記第2部材のいずれか一方に形成された係合孔に、他方に形成された係合突起を押し込む(または嵌合させる)ことで、前記第2部材が前記第1部材に係合・固定されるようにしてもよい。
さらに、前記第2部材と前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面の間に、前記第1部材と前記第2部材の相対移動の前記限界点を調整するためのスペーサが配置されるのが好ましい。この場合、高さ(厚さ)の異なる複数のスペーサを用意しておき、それらを選択的に使用することで、前記回転部材や、当該歯科用インプラント埋設穴形成補助装置を交換することなく、前記インプラント埋設穴の前記最大深度を調整することが容易である、という利点がある。
前記第1部材または前記第2部材の外面には、前記第1部材と前記第2部材の相対距離または相対位置を示す記号が付されるのが好ましい。この例では、前記第1部材と前記第2部材の相対距離または相対位置を確認しながら前記インプラント埋設穴を形成することができる、という利点がある。ここで「記号」とは、本発明の第1の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置で述べたものと同じである。
好ましくは、前記第1部材は、磁石を含んでいて、前記磁石の磁力を用いて前記第1部材が前記ハンドピースまたは前記回転器具に装着可能とされる。または、前記第1部材を前記ハンドピースに装着するための装着部材をさらに備え、前記第1部材が前記装着部材に係止されるように構成される。
好ましくは、前記第2部材は、前記回転器具に水を供給するための給水部を備える。
前記第1部材が、前記ハンドピースに接続可能な延長シャフト部を有しており、前記回転器具が前記延長シャフト部を介して前記ハンドピースに回転可能に接続されるようにしてもよい。前記第1部材が、ハンドピース・カバーまたはそれに類似したカバーを用いて前記ハンドピースに装着される構成を持ってもよい
(7) 本発明において、「回転器具」とは、インプラント埋設穴の形成に使用される器具を意味する。具体的には、ドリルの他、サーキュラーナイフなどの回転式歯肉切除器具、ラウンドバー、プラットホームリーマー、プロファイラーなどの骨形態修正器具、トレフィンバーなどの骨片回収器具、ボーンスプレッダーなどの骨幅径増大器具、サイナスリーマーなどの上顎洞底挙上用器具、タッピングインスツルメントなどのねじ切り形成器具、インプラントホルダー、コントラアダプターなどのインプラント埋設穴の形成やねじ切り形成と同時にインプラントを埋設できる器具、ドリルエクステンションなどのドリル、その他の器具を延長するための器具などを意味する。
本発明の第1、第2及び第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置によれば、(a)ドリル等の回転器具を用いたインプラント埋設穴の形成時に、所望の最大深度を超えてインプラント埋設穴が形成されるという事態を確実に防止できると共に、前記最大深度の調整も容易に行える、(b)歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用できると共に、取り扱いも容易であり、しかも、低いコストで製造することができる、という効果がある。
本発明の第1実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す要部断面正面図である。 図1の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の使用状態を示す斜視図である。 図1の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第1部材の断面図である。 (a)は図3の第1部材に使用された部材本体の断面図、(b)はその平面図である。 (a)は図3の第1部材に使用された磁石の断面図、(b)はその平面図である。 図1の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第2部材の一部断面正面図である。 図1の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第2部材の平面図である。 (a)は図1の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置と共に使用されるスペーサを示す断面図、(b)はその平面図である。 (a)〜(c)は、偏心型サージカルガイドを用いて、図1の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置によってインプラント埋設穴を形成するプロセスを示す一部断面正面図である。 (a)〜(c)は、同心型サージカルガイドを用いて、図1の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置によってインプラント埋設穴を形成するプロセスを示す一部断面正面図である。 本発明の第2実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す要部断面正面図である。 本発明の第3実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す斜視図である。 図11の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置をハンドピースに装着するために使用された装着部材の構成を示す分解斜視図である。 図11の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第1部材と第2部材の係合状態を示す断面図である。 (a)〜(c)は、同心型サージカルガイドを用いて、図11の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置によってインプラント埋設穴を形成するプロセスを示す一部断面正面図である。 本発明の第4実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す要部断面正面図である。 本発明の第5実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す要部断面正面図である。 図16の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第1部材の斜視図である。 図16の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第2部材の斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す要部断面正面図である。 本発明の第7実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す要部断面正面図である。 図20の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第1部材におけるOリング係合状態を示す横断面図である。 図20の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第2部材におけるOリング係合状態を示す部分縦断面図である。 本発明の第8実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す断面図である。 図23の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第1部材の断面図である。 図23の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第2部材の断面図である。 本発明の第9実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す図で、第2部材がストッパとして機能する場合の断面図である。 図26の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置において、第1部材がストッパとして機能する場合の断面図である。 本発明の第10実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す要部断面正面図である。 本発明の第11実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置において、第1部材のハンドピースへの保持構造を示す要部断面正面図である。 本発明の第12実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す要部断面正面図である。 本発明の第13実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す要部断面正面図である。 本発明の第14実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置の全体構成を示す要部断面正面図である。 図32の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第1部材の正面図である。 図32の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に使用された第2部材の正面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2に、本発明の第1実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1の全体構成を v56t示す。本実施形態は、上述した本発明の第1の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。
両図から分かるように、本実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1は、ハンドピース10のヘッド11の下面に装着された第1部材20と、その第1部材20によってヘッド11の下方に相対移動可能に保持された第2部材30とを備えている。
第1部材20は、図3〜図5に示すように、中心部に円形の貫通孔21aを有し且つ片面に凹部21bを有する略円板状の部材本体21と、その部材本体21の凹部21bに嵌合・固着された円環状の磁石22とから構成されている。部材本体21の円形の貫通穴21aと、磁石22の円形の貫通孔22aとは、同心である。貫通孔21aと22aには、ハンドピース10のヘッド11に回転可能に装着されたドリル52が挿通されている。ヘッド11の下面に接触せしめられているのは、磁石22の露出面で、磁石22はそれ自身が持つ磁力(磁気吸引力)によって、前記下面に密着・固定されている。
ドリル52は、図1では上下方向に延在しており、その上端(基端)がヘッド11の内部に挿入・係止されている。ドリル52は、ヘッド11とネック12に内蔵された公知の駆動機構(図示せず)によって、その軸心Xの周りに回転せしめられる。ドリル52は、必要に応じて、サイズの異なる他のドリル等と交換可能である。
第1部材20は、既存のハンドピース10のヘッド11に第2部材30を後付けするために設けられたものである。そのため、第1部材20は、図3及び図4に示すように、部材本体21の一端から、部材本体21(つまり第1部材20)に平行に(図1では水平方向に)突出した係合部21cを有している。係合部21cは、図4に示すように、略扇形であり、後述する第2部材30の案内部31の案内溝31cと係合して、その案内溝31cに沿って上下方向にスライドされるようになっている。
第2部材30は、図6A及び図6Bに示すように、全体が略階段状の構成を有している。すなわち、上下方向に延在する棒状の案内部31と、案内部31の下端に一端が接続され且つ水平方向に延在する板状の連結部32と、連結部の他端に形成され且つ上下方向に延在する略円筒形の係合案内部33とを有している。案内部31は、インプラント埋設穴形成時に、偏心型サージカルガイドのガイド溝に係合せしめられ、そのガイド溝に沿ってインプラント埋設穴形成補助装置1を案内する。係合案内部33は、インプラント埋設穴形成時に、同心型サージカルガイドのガイド溝に係合せしめられ、そのガイド溝に沿ってインプラント埋設穴形成補助装置1を案内する。係合案内部33は、また、それを貫通しているドリル52と内部で係合していて、第1部材20に対する第2部材30の相対移動を安定させる作用もする。
案内部31は、図6Bに示すように、断面が円弧状で、その内側に案内溝31cが形成されている。案内溝31cには、第1部材20の係合部21cが係合している。第2部材30は、案内溝31cに沿って且つ案内溝31cに案内されながら、上下に移動可能である。
案内部31の外面には、インプラント埋設穴の形成作業中に歯科医師が、インプラント埋設穴の現在の深度を目視で確認できるように、目盛り31aが表示されている。歯科医師は、目盛り31aを読み取ることで、埋設穴形成箇所やドリル52の先端がはっきりと見えなくても、現在の深度を知ることができるので、穿孔作業を安心且つ安全に行うことができる。目盛り31aは、ここでは、等間隔で表示された互いに平行な複数の線分と、それら線分の近傍に付された数値とから形成されている。
案内部31の上端には、係合案内部33の側(内方)に水平に突出した小さな突起31bが形成されている。突起31bは、図1に示すように、第1部材20の係合部21cと係合して、第2部材30が図1の状態からそれ以上に下降するのを防止している。第1部材20の係合部21cと案内溝31cとの係合は、第1部材20をハンドピース10に装着する前に行うが、突起31bを第2部材30のそれ以外の部分とは別体として形成しておき、案内溝31cにその上端から第1部材20の係合部21cを係合させた後、案内部31の上端に圧入したりネジ等で固定したりしてもよい。
略円筒形の係合案内部33は、第1部材20の直下にあり、ドリル52が内部を貫通している。係合案内部33の上壁(第1部材20側の壁)には、ドリル52と同心となる位置に、円形の透孔35が形成されており、ドリル52はその透孔35を通って下方に延在している。ドリル52の刃部52aの直径は、シャンク52bの直径とほぼ同じか、それより小さいので、シャンク52bだけでなく刃部52aも透孔35を挿通可能である。ドリル52の刃部52aの直径が、シャンク52bの直径より大きい場合は、シャンク52bのみが透孔35を挿通可能となるように、係合案内部33の位置やサイズを調整する必要がある。
係合案内部33の透孔35は、テーパー状であって、その下端にはエッジ33aが形成されている。エッジ33aの直径は、ドリル52のシャンク52bの直径よりわずかに大きくされており、シャンク52bがエッジ33aに僅かに触れることによって、ドリル52を軸心Xの方向に案内するようになっている。このように、ドリル52は、上方にある基端部においてヘッド11に支持され駆動されると同時に、下端に近い位置においてエッジ33aで係合・案内されるので、係合案内部33のひいては第2部材30の相対移動を安定させることができる。
係合案内部33の円筒形の側壁には、給水部34が設けられている。給水部34には、図2に示すように、連結チューブ15が接続可能であり、給水管14を介して水を供給可能である。その結果、係合案内部33の内部において、ドリル52が患者の顎骨を穿孔する際にその箇所に水を供給することが可能である。
図2に示すように、ハンドピース10のヘッド11にも、給水部13が設けられている。給水部13には、連結チューブ16が接続可能であり、第2部材30の給水部34と共通の給水管14を介して、水を供給可能である。その結果、水をドリル52の外部に放出することで、ドリル52の埋設穴形成箇所に水を供給することが可能である。
第1部材20の下面、言い換えれば、部材本体21の貫通穴21aから露出している磁石22の内面と、それに対向する第2部材30の係合案内部33の上面との間には、ドリル52の外周を取り囲むように、バネ51が装着されている。バネ51は、第2部材30の係合案内部33を下方に付勢(押圧)する圧縮バネ(つるまきバネ)であり、係合案内部33を常時、第1部材20すなわちヘッド11から引き離す作用をする。このため、ヘッド11を押圧してバネ51に外力を印加していない時は、図1に示すように、係合案内部33と第1部材(またはヘッド11)との距離は最大となっている。
この歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1では、図1に示すように、第1部材20の直下に、一側面を開口した略筒状のスペーサ40が設けられている。スペーサ40は、簡易にインプラント埋設穴の最大深度を調整するためのものである。スペーサ40は、図7に示すように、略C字形の断面形状を持っているので、また、スペーサ40の内径はバネ51の直径よりも大きくされているので、歯科医師が水平に(ドリル52に直交する方向に)押し込み、あるいは、引っ張ることで、ドリル52をハンドピース10から外すことなく、ドリル52の外側に容易に装着あるいは離脱することができる。
スペーサ40は、ここでは、磁性材料で形成されているので、磁石22の磁力によって、磁石22の下面に密着・保持されている。しかし、磁性材料で形成されていなくてもよい。その場合、スペーサ40は第1部材20に密着しないが、係合案内部33の上面で保持されるので、それより下方に落下することはない。
インプラント埋設穴形成補助装置1により得られるインプラント埋設穴の最大深度は、第1部材20の下面(スペーサ40が接触している面)と第2部材30の係合案内部33の上面の間の距離と、ドリル52の全長とで決定されるが、その最大深度が所望の最大深度よりも大きい場合がしばしばある。そのような場合には、所望の最大深度に最適な高さ(厚さ)を持つスペーサ40をドリル52にそれと同心となるように装着する(図1を参照)ことで、容易に所望の最大深度を実現することができる。さらに、高さ(厚さ)が段階的に異なるスペーサ40を複数個用意しておけば、必要に応じて最適な高さ(厚さ)のスペーサ40を交換しながら選択使用することで、種々の所望の最大深度に対応することが可能である。
次に、以上のような構成を持つ本発明の第1実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1の動作(使用状態)について説明する。
図8は、偏心型サージカルガイドを使用して、第1実施形態のインプラント埋設穴形成補助装置1によってインプラント埋設穴を形成するプロセスを示す。
まず、歯科医師は、ハンドピース10を保持して、図8(a)に示すように、偏心型サージカルガイド(図示せず)のガイド部材101のガイド溝に、その上方から第2部材30の案内部31を係合させる。つまり、偏心型サージカルガイドの場合は、係合案内部33ではなく、ヘッド11から偏心した位置にある案内部31を使用するのである。そして、ドリル52を回転させながらインプラント埋設穴形成補助装置1を降下させていくが、その時、ガイド部材101のガイド溝によって当該装置1の位置と方向が確定され、その方向に案内されるので、ドリル52による穿孔位置と穿孔方向が正確になる。
図8(a)は、回転しているドリル52の先端の刃部52aが、患者の顎骨72の表面の粘膜71に形成された孔を通って、少しだけ顎骨72に入り込んだ状態を示している。この状態では、第1部材20と第2部材30の相対位置は、図1の初期状態のままである。換言すれば、第1部材20と第2部材30の相対距離が最大の位置にある。
次に、歯科医師は、ドリル52を回転させながら、ハンドピース10のヘッド11に下向きの押圧力を加え、少しずつ顎骨72を穿孔していく。この時、図8(b)に示すように、第2部材30の係合案内部33の下端は、埋設穴形成箇所にある粘膜71(または顎骨72)の表面に到達しており、したがって、第2部材30はほぼその位置で停止している。また、ハンドピース10とそれに装着された第1部材20は、第2部材30に対して下方に少し変位している。その結果、第1部材20の下面とそれに対向する第2部材30の係合案内部33の上面との間の距離は、図8(a)の状態よりも短くなっている。歯科医師は、ドリル52による穿孔作業中に、第2部材30の案内部31に設けられた目盛り31aを読み取ることによって、現在の穿孔深度を容易且つ確実に知ることができるので、穿孔深度を確認しながら的確に穿孔作業を行える。こうして、顎骨72にインプラント埋設穴Hが形成され始める。
歯科医師は、ドリル52を回転させながら、さらに、ハンドピース10のヘッド11に下向きの押圧力を加えて顎骨72の穿孔を進めていくが、やがて、図8(c)に示すように、ヘッド11の下面に装着されたスペーサ40の下端が、それに対向する第2部材30の係合案内部33の上面に当接する。この時、第1部材20の下面とそれに対向する第2部材30の係合案内部33の上面との間の距離は、スペーサ40の高さ(厚さ)に等しくなっている。これは、第1部材20と第2部材30の相対移動が、インプラント埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っていることを意味する。
図8(c)の状態になると、押圧力を加えても、ハンドピース10はそれ以上の下降ができないので、埋設穴Hの最大深度は、スペーサ40の高さ(厚さ)とドリル52の全長とで規定される深度に等しくなる。したがって、顎骨72の穿孔がそれ以上に進行することがなく、埋設穴Hの所望の最大穿度を越えて穿孔が進行するのを確実に防止することができる。また、歯科医師は、第2部材30の目盛り31aを読み取ることによって、その時の深度が所望の最大深度であることを確認することができる。
以上の説明は、偏心型サージカルガイドを使用した場合であるが、第1実施形態のインプラント埋設穴形成補助装置1は同心型サージカルガイドも使用可能である。よって、次に、図9を参照しながら、同心型サージカルガイドを使用して、同装置1によってインプラント埋設穴を形成するプロセスについて説明する。
まず、歯科医師は、図9(a)に示すように、同心型サージカルガイド(図示せず)のガイド部材102のガイド溝に、その上方から第2部材30の係合案内部33を係合させる。つまり、同心型サージカルガイドの場合は、案内部31ではなく、ヘッド11の直下にある係合案内部33を使用するのである。そして、ドリル52を回転させながらインプラント埋設穴形成補助装置1を降下させていくが、その時、ガイド部材102のガイド溝によって当該装置1の位置と方向が確定され、その方向に案内されるので、ドリル52による穿孔位置と穿孔方向が正確になる。この時、第2部材30の連結部32の下端は、ガイド部材102の上端に当接し、その位置で停止する。なお、係合案内部33の側面には給水部34が突出形成されているので、ガイド部材102のガイド溝には、給水部34が上方から嵌入可能なスリットを設けておく必要がある。
図9(a)は、回転しているドリル52の先端の刃部52aが、埋設穴形成箇所にある患者の粘膜71に形成された孔を通って顎骨72の表面に到達した状態を示している。この状態では、第1部材20と第2部材30の相対位置は、図1の初期状態のままである。換言すれば、第1部材20と第2部材30の相対距離が最大の位置にある。
次に、歯科医師は、ドリル52を回転させながら、ハンドピース10のヘッド11に下向きの押圧力を加え、少しずつ顎骨72を穿孔していく。この時、図9(b)に示すように、第2部材30の連結部32の下端が、ガイド部材102の上端に当接し、その位置で停止している。また、ハンドピース10とそれに装着された第1部材20は、第2部材30に対して下方に変位している。その結果、第1部材20の下面とそれに対向する第2部材30の係合案内部33の上面との間の距離は、図9(a)の状態よりも短くなっている。歯科医師は、ドリル52による穿孔作業中に、第2部材30の案内部31に設けられた目盛り31aを読み取ることによって、現在の穿孔深度を容易且つ確実に知ることができるので、穿孔深度を確認しながら的確に穿孔作業を行える。こうして、顎骨72にインプラント埋設穴Hが形成され始める。
歯科医師は、ドリル52を回転させながら、さらに、ハンドピース10のヘッド11に下向きの押圧力を加えて顎骨72の穿孔を進めていくが、やがて、図9(c)に示すように、ヘッド11の下面に装着されたスペーサ40の下端が、それに対向する第2部材30の係合案内部33の上面に当接する。この時、第1部材20の下面とそれに対向する第2部材30の係合案内部33の上面との間の距離は、スペーサ40の高さ(厚さ)に等しくなっている。これは、第1部材20と第2部材30の相対移動が、インプラント埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っていることを意味する。
図9(c)の状態になると、ハンドピース10はそれ以上の下降ができなくなるので、埋設穴Hの最大深度は、スペーサ40の高さ(厚さ)とドリル52の全長とで規定される深度に等しくなる。したがって、顎骨72の穿孔がそれ以上に進行することがなく、埋設穴Hの所望の最大深度を越えて穿孔が進行するのを確実に防止することができる。また、歯科医師は、第2部材30の目盛り31aを読み取ることによって、その時の深度が所望の最大深度であることを確認することができる。
本発明の第1実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1は、上述したような構成を有するので、第1部材20をドリル52またはハンドピース10に装着すると、第2部材30は、ハンドピース10に装着されたドリル52の軸心Xに沿って相対移動可能となる。また、ハンドピース10に装着されたドリル52で顎骨72の埋設穴形成箇所にインプラント埋設Hを形成する際には、第2部材30が前記埋設穴形成箇所の表面またはサージカルガイドのガイド部材102に当接し、第1部材20がドリル52の軸心Xに沿って相対移動するため、ドリル52による作業が進むにつれて、第1部材20と第2部材30の間の距離が徐々に変化する。
第1部材20と第2部材30の相対移動は、インプラント埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っているので、インプラント埋設穴Hの形成時における第1部材20と第2部材30の相対移動が、前記限界点を越えて行われることはない。よって、ドリル52により形成されるインプラント埋設穴Hの深度が、前記最大深度を超えることがない。つまり、前記最大深度を超えてインプラント埋設穴Hが形成されるという事態は確実に防止される。
また、第1部材20と第2部材30の間に適当なスペーサ40を介在させることで、第1部材20と第2部材30の相対移動の限界点を容易に調整できるので、所望の最大深度の調整も容易である。
また、本実施形態の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1は、第1部材20をドリル52またはハンドピース10に装着することで使用可能となるので、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用することが可能である。
さらに、インプラント埋設穴Hを形成する際には、第2部材30を、ガイド部材102または前記埋設穴形成箇所の表面に当接させ、第1部材20をドリル52の軸心Xに沿って相対移動させればよい。また、第1部材20と第2部材30の相対移動には前記限界点が設けられているから、前記所望の最大深度を超えないように注意する必要もない。したがって、本実施形態の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1は、取り扱いも容易である。
しかも、上述した構成を持つ第1部材20と第2部材30を含む簡単な構成であるだけでなく、特別に高価な材料や特別な製法を使用する必要もないから、低いコストで製造することができる。
本実施形態で第2部材30に設けられている偏心型サージカルガイド用の案内部31は、本発明の他の実施形態にも適用可能である。
第1部材20と第2部材30の材料は、特に限定されない。必要な剛性が得られるものであれば、アルミニウム、ステンレス等の任意の金属を使用できるし、十分な強度があれば、合成樹脂も使用可能である。この点は、以下の各実施形態についても同様である。
本明細書では、説明の便宜のために、歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1の構成を、その回転器具(例えばドリル52)を上下方向に配置した状態として説明し、下顎の骨にインプラント埋設穴Hを形成すると仮定して説明している。しかし、本発明はこれに限定されるわけではない。上顎の骨にインプラント埋設穴を形成する場合では、ここにした説明と図面とは上下が反転して、ハンドピースが下位に位置し、ドリル等の回転器具が上位に位置することは言うまでもない。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Aの全体構成を示す、図1と同様の図である。本実施形態も、上述した本発明の第1の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。
同図から分かるように、本第2実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Aの構成は、上記第1実施形態のインプラント埋設穴形成補助装置1において、ハンドピース10のヘッド11の直下に間隔をあけて設けられた係合案内部33に代えて、係合部37が設けられている点を除き、上述した第1実施形態の装置1Aと同じ構成である。したがって、構成が同一の部分については、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、相違点のみについて説明する。
上述した第1実施形態のインプラント埋設穴形成補助装置1は、偏心型サージカルガイドと同心型サージカルガイドのいずれも使用可能、つまり「偏心型・同心型のサージカルガイド兼用」として構成されていたが、本第2実施形態のインプラント埋設穴形成補助装置1Aは、偏心型サージカルガイドのみが使用可能であり、「偏心型サージカルガイド専用」である。このため、上記第1実施形態におけるような係合案内部33は不要であるから、上記第1実施形態における係合案内部33の高さを小さくして、サージカルガイドのガイド部材に係合できないように形成した係合部37を設けている。
上述した第1実施形態の構成が複雑な場合や、偏心型サージカルガイドのみを使用することが予め分かっている場合には、本第2実施形態のような、簡略化した構成とすることもできる。
本第2実施形態では、偏心型サージカルガイドのみが使用可能である点を除き、上述した第1実施形態と同じ効果が得られることは明らかである。
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Bの全体構成を示す。本実施形態は、上述した本発明の第2の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Bは、上記第1実施形態とは異なり、第1部材120が、装着部材60を用いて、ハンドピース10のヘッド11に装着(固定)されている。また、同心型サージカルガイド専用とされている。
本第3実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Bでは、図11と図13に明瞭に示すように、第1部材120と第2部材130がいずれも両端を開口した円筒形であり、第1部材120が第2部材130の内部に挿入されている。第1部材120と第2部材130は、いずれもドリル52の軸心Xと同心である。第1部材120は、第2部材130の内部で上下方向に相対移動可能である。第1部材120の全長は、第2部材130の全長よりも小さい。
第1部材120の下端の外周面には、図13に示すように、環状突起122が形成されており、第2部材130の上端の内周面には、環状突起132が形成されている。第1部材120の環状突起122と第2部材130の環状突起132が係合することで、第2部材130が第1部材120から脱落しないようになっている。
装着部材60は、図12に明瞭に示すように、上下に係合部61と62がそれぞれ配置され、それらを連結部63で連結した構成を持っており、全体が横に倒したU字形となっている。上位の係合部61は、略円弧状をしており、円環状の磁石67が嵌合される磁石嵌合部64を形成している。磁石67の中心には、ハンドピース10のヘッド11の突出部11aが嵌合可能な透孔67aを有している。下位の係合部62も、略円弧状をしており、円筒状の第1部材120が嵌合・固定される第1部材嵌合部65を形成している。
本第3実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Bをハンドピース10のヘッド11に装着する場合は、図11に示すように、装着部材60の上下にある係合部61と62をヘッド11の上下面にそれぞれ配置し、上位にある係合部61をヘッド11の突出部11aに係合させ、突出部11aと係合部61の磁石嵌合部64との間に磁石67を嵌め込めばよい。磁石67の磁力(磁気吸引力)により、装着部材60はその状態でヘッド11に保持・固定される。
他方、第1部材120の一端(下端)を第2部材130の内部に挿入して、図13のように互いに係合させてから、第1部材120の上端を、装着部材60の下位にある係合部62の第1部材嵌合部65に押圧しながら嵌合させる。つまり、第1部材120の上端を第1部材嵌合部65に圧入するのである。こうして、第1部材120の上端が装着部材60に接続される。
本第3実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Bは、以上のようにして、ハンドピース10のヘッド11に装着され、図11のような構成となる。互いに係合された第1部材120と第2部材130は、ドリル52の軸心Xと同心状にヘッド11の直下に位置する。
ドリル52は、上述したようにして第1部材120と第2部材130を装着部材60に接続した後に、第2部材130の下方から、第2部材130と第1部材120の内部を通ってヘッド11の内部に挿入・係止される。
次に、以上のような構成を持つ第3実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Bの動作(使用状態)について、図14を参照しながら説明する。ここでは、同心型サージカルガイドが使用される。
まず、歯科医師は、図14(a)に示すように、同心型サージカルガイド(図示せず)のガイド部材102のガイド孔に、その上方から円筒形の第2部材130を係合させる。つまり、そして、ドリル52を回転させながらインプラント埋設穴形成補助装置1Bを降下させていくが、その時、ガイド部材102のガイド孔によって、第2部材130ひいては当該装置1Bの位置と方向が確定され、その方向に案内されるので、ドリル52による穿孔位置と穿孔方向が正確になる。この時、第2部材130の下端は、埋設穴形成箇所において粘膜71に形成された孔を通って顎骨72の表面に当接し、その位置で停止する。
本実施形態では、上述した第1実施形態のような給水部34が第2部材130に突出形成されていないので、ガイド部材102のガイド孔にスリットを形成する(ガイド溝とする)ことは不要である。
図14(a)の状態では、回転しているドリル52の先端の刃部52aが、患者の顎骨72の表面に到達している。この状態では、ハンドピース10(第1部材120)は、第2部材130に対してまったく変位していないか、少し変位しているだけである。例えば、第1部座120の環状突起122と第2部座130の環状突起132とが互いに係合した位置(第1部材20と第2部材30の相対距離が最大の位置)にあるか、それより少し変位した位置にある。
次に、歯科医師は、ドリル52を回転させながら、ハンドピース10のヘッド11に下向きの押圧力を加え、少しずつ顎骨72を穿孔していく。この時、図14(b)に示すように、第2部材130の下端は、埋設穴形成箇所の表面に当接してその位置で停止しているのに対し、ハンドピース10とそれに固定された第1部材120は、第2部材130に対して下方に相対移動する。その結果、第1部材120の上端と第2部材130の下端との間の距離は、図14(a)の状態よりもかなり短くなっている。歯科医師は、穿孔作業中に、第1部材120の外面が見えるので、そこに上記第1実施形態のインプラント埋設穴形成補助装置1の目盛り31と同様の目盛りを設けておけば、それを読み取ることによって、現在の穿孔深度を容易且つ確実に知ることができる。このため、上記第1実施形態と同様に、穿孔深度を確認しながら的確に穿孔作業を行える。その結果、顎骨72にインプラント埋設穴Hが形成され始める。
歯科医師は、ドリル52を回転させながら、さらに、ハンドピース10のヘッド11に下向きの押圧力を加えて顎骨72の穿孔を進めていくが、やがて、図14(c)に示すように、ヘッド11の下面に位置する装着部材60の係合部62の下端が、それに対向する第2部材130の上端に当接する。この時、係合部62の下端とそれに対向する第2部材130の上端との間の距離はゼロとなる。これは、第1部材120と第2部材130の相対移動が、インプラント埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っていることを意味する。
なお、上述した第1実施形態で使用したスペーサ40と同様のスペーサを、係合部62と第2部材130の間において第1部材120の露出部分に挟み込んでおけば、係合部62の下端とそれに対向する第2部材130の上端との間の距離は、スペーサの高さ(厚さ)に等しくなる。したがって、第2部材130の第1部材120に対する移動距離(つまり最大深度)を、第2部材130の第1部材120を交換することなく、容易に減らすことができる。
第1部材120の全長が第2部材130の全長よりも小さいことから、図14(c)の状態になると、ハンドピース10はそれ以上の変位ができなくなるので、埋設穴Hの最大深度は、第2部材130の全長(高さ)とドリル52の全長とで規定される深度に等しくなる。したがって、顎骨72の穿孔がそれ以上に進行することがなく、埋設穴Hの最大深度を越えて穿孔が進行するのを確実に防止することができる。また、第2部材130の外面に上記第1実施形態の目盛り31aと同様の目盛りが設けてあれば、歯科医師は、これを読み取ることによって、その時の深度が所望の最大深度であることを確認することができる。また、歯科医師は、その目盛りを読み取ることによって、その時の深度が所望の最大深度であることを確認することができる。
以上述べたように、本発明の第3実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Bでは、回転器具としてのドリル52が装着されるハンドピース10に装着部材60を用いて係止可能な構成を持つ第1部材120と、ハンドピース10に装着されたドリル52の軸心Xに沿って相対移動できるように、第1部材120に係合された第2部材130を備えている。第1部材120は、ドリル52の軸心Xと同心に配置され、第2部材130は、第1部材120の外側においてドリル52の軸心Xと同心に配置されている。ドリル52により顎骨72の埋設穴形成箇所にインプラント埋設穴Hを形成する際には、第2部材130が前記埋設穴形成箇所の表面に当接すると共に、第1部材120がドリル52の軸心Xに沿って相対移動するように構成されている。第1部材120と第2部材130の相対移動は、インプラント埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っている。
また、ハンドピース10に装着されたドリル52で顎骨72の埋設穴形成箇所にインプラント埋設穴Hを形成する際には、外側にある第2部材130がサージカルガイドのガイド部材102に係合される。そして、第2部材130が埋設穴形成箇所の表面に当接し、第1部材120がドリル52の軸心Xに沿って相対移動するため、ドリルによる穿孔作業が進むにつれて、第1部材120と第2部材130の間の距離が徐々に変化する。
第1部材120と第2部材130の相対移動は、インプラント埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っているので、インプラント埋設穴Hの形成時における第1部材120と第2部材130の相対移動が、前記限界点を越えて行われることはない。よって、ドリル52により形成されるインプラント埋設穴Hの深度が、前記最大深度を超えることがない。つまり、前記最大深度を超えてインプラント埋設穴Hが形成されるという事態は確実に防止される。
また、第2部材130とハンドピース10の間に適当なスペーサを介在させたり、第1部材120及び第2部材130の少なくとも一方についてドリル52の軸心Xに沿った長さを変えたりすることで、第1部材120と第2部材130の相対移動の限界点を容易に調整できるので、所望の最大深度の調整も容易である。
また、このインプラント埋設穴形成補助装置1Bは、第1部材120をドリル52またはハンドピース10に装着することで使用可能となるので、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用することが可能である。
さらに、インプラント埋設穴Hを形成する際には、第2部材130を埋設穴形成箇所の表面に当接させ、第1部材120をドリルの軸心Xに沿って相対移動させればよい。また、第1部材120と第2部材130の相対移動には前記限界点が設けられているから、所望の最大深度を超えないように注意する必要もない。したがって、このインプラント埋設穴形成補助装置1Bは、取り扱いも容易である。
しかも、上述した構成を持つ第1部材120と第2部材130を含む簡単な構成であるだけでなく、特別に高価な材料や特別な製法を使用する必要もないから、低いコストで製造することができる。
なお、本第3実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Bは、「同心型サージカルガイド専用」であるが、「偏心型・同心型のサージカルガイド兼用」とすることも可能である。その場合は、図11に破線で示されているように、連結部63を下方に延長して、偏心型サージカルガイドのガイド溝に係合可能な形状を持つ係合案内部61を設ければよい。あるいは、その係合案内部61を装着部材60とは別個に形成して、それを連結部63の外側に係止または嵌合するようにしてもよい。こうすることで、インプラント埋設穴形成補助装置1Bを「偏心型・同心型のサージカルガイド兼用」にすることができる。
また、本第3実施形態では、装着部材60に第1部材120を接合するようにしているが、両者を一体化してもよい。つまり、装着部材60の第1部材嵌合部65に、第1部材120の上端を予め固定しておいてもよいし、装着部材60と第1部材120を別部材とせずに、第1部材120と装着部材60を一体化した構成としてもよい。ハンドピース10に第1部材120を装着できるものであれば、装着部材60はこれら以外の構成としてもよい。
本実施形態で使用された装着部材60は、本発明の他の実施形態にも適用可能である。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Cの全体構成を図15に示す。本実施形態も、上述した本発明の第2の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。本実施形態も同心型サージカルガイド専用である。
図15から分かるように、本実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Cは、上記第3実施形態で使用された装着部材60が省略されている。また、第1部材220それ自体が磁化されており、その磁力(磁気吸引力)で第1部材220が、磁性体よりなるドリル52に保持されるようになっている。したがって、第1部材220は、歯科医師が手動で動かすことにより、ドリル52に沿って上下に移動可能であり、ドリル52の軸線X上で第1部材220を固定する位置は、必要に応じて変更可能となっている。このように、本実施形態では、第1部材220が固定される対象が、ハンドピース10のヘッド11ではなく、ドリル52とされている。この点が上述した第1〜第3実施形態とは異なっている。
第1部材220と第2部材230は、いずれも円筒形で、図15のように互いに係合させてから、第1部材220を上位におき、第2部材230を下位において、ドリル52の外側に取り付けられている。
上述した第3実施形態と同様に、第1部材220の下端外面には環状突起222が形成されており、第2部材230の上端内面には、環状突起232が形成されている。第1部材220の環状突起222と第2部材230の環状突起232が係合することで、第2部材230の第1部材220からの脱落が防止されるようになっている。
以上のような構成を持つ本第4実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Cの動作(使用状態)は、上述した第3実施形態とほぼ同じである。すなわち、図15の状態で穿孔作業を開始すると、磁力によりヘッド11が第1部材220から離れた状態に保持されるため、ヘッド11の下降に伴って、第1部材220も第2部材230の内部を通って下降する。第1部材220の全長が第2部材230の全長よりも小さいことから、最終的には、ヘッド11の下面が第2部材230の上端に当接し、ヘッド11のそれ以降の下降が禁止される(図14(c)を参照)。その結果、埋設穴Hの最大深度が、第2部材230の全長(高さ)とドリル52の全長とで規定される深度に等しくなる。したがって、顎骨72の穿孔がそれ以上に進行することがなく、埋設穴Hの最大深度を越えて穿孔が進行するのを確実に防止することができる。
また、第2部材230とハンドピース10の間に適当なスペーサを介在させたり、第1部材220及び第2部材230の少なくとも一方についてドリル52の軸心Xに沿った長さを変えたりすることで、第1部材220と第2部材230の相対移動の限界点を容易に調整できるので、所望の最大深度の調整も容易である。
さらに、本実施形態の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1は、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用できるだけでなく、取り扱いも容易であり、低いコストで製造できる点は、上述した第3実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図16〜図18は、本発明の第5実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Dを示す。本実施形態も、上述した本発明の第2の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Dは、第1部材320を保持・固定するために、第1部材320に埋設された磁石322の磁力を利用する。第1部材320は、磁石322の磁力によって、ドリル52ではなく、ハンドピース10のヘッド11の下面に固定されている。本実施形態も同心型サージカルガイド専用である。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Dでは、図16と図17に明瞭に示すように、第1部材320と第2部材330はいずれも、両端を開口した略円筒形であって、第1部材320が第2部材330の内部にそれと同心となるように挿入されている。第1部材320は、ドリル52の軸心Xに沿って、第2部材330の内部で上下方向に移動可能である。
本実施形態では、上述した第3及び第4実施形態とは異なり、第1部材320の全長が第2部材330の全長よりも大きくされている。このため、第1部材320と第2部材330の相対移動の限界点は、第1部材320によって規定される。
第1部材320の上端部の内側には、円筒形とされた磁石322が埋設されている。磁石322の上端は、第1部材320の上端面に露出していて、ヘッド11の下面に磁石322が吸着しやすくなっている。第1部材320の下端付近には、円筒形の給水部323が第1部材320の長軸にほぼ直交する方向(図16ではほぼ水平方向)に突出形成されている。
第2部材330の上端部には、円環状の鍔部332が形成されている。鍔部332は、第2部材330を同心型サージカルガイドのガイド部材102のガイド孔に係合させながら移動させた時に、鍔部332がガイド部材102の入口端に当接し、第2部材330のそれ以上の移動を防止する作用をする。第2部材330の側壁には、第2部材330の長軸方向に延在するスリット333が形成されている。スリット333は、第2部材330の側壁の上端より少し下位の箇所からその下端まで達しており、第2部材330の下端の円形開口と連通している。
第1部材320をその上端から第2部材330の内部に挿入した時、図16に示すように、第1部材320の給水部323がスリット333に挿通され、給水部323の先端が第2部材330から突出する。この時、スリット333の端縁334に給水部323が当接するので、第2部材330が自重によって第1部材320から脱落するのを防止することができると共に、第1部材320の内面がドリル52と接触しても、ドリル52の回転に伴って第1部材320が回転するのを防止することもできる。また、給水部323を介して、外部からドリル52の刃部52aに給水することが可能である。
本第5実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Dでは、第1部材320は、その先端が、磁石332の磁力(磁気吸引力)によってヘッド11の下面に密着・固定されているだけであるから、磁力を越える力を加えれば、第1部材320をヘッド11から引き離し、ドリル52に沿って下方に移動することが可能である。必要に応じてこのようにして第1部材320を移動させることで、ドリル52の基端部が見えるようになるので、図15の第4実施形態と同様に、歯科医師は、ドリル52の基端部に表示された記号を読み取り、装着しているドリルの種類等を確認することができる。
また、図16に示すように、第1部材320の全長が第2部材330の全長よりも大きくされているため、ドリル52による穿孔の最大深度の制限は、第2部材330ではなく、第1部材320によって行われる。しかし、第1部材320の全長を第2部材330の全長よりも小さくすることで、ドリル52の最大深度の制限を、上述した第3〜第4実施形態と同様に、第2部材330によって行われるようにしてもよい。
ドリル52による穿孔の最大深度の調整は、全長の異なる第1部材320を複数個用意しておき、それらの中から希望するものを選択して使用することで行う。しかし、ハンドピース10のヘッド11と第2部材330の間の領域において、第1部材320の外側に、上述した第1実施形態で使用したのと同様のスペーサを装着してもよい。そうすると、ヘッド11の下方への移動距離は、そのスペーサによってさらに制限(縮小)されるので、第1部材320の全長を変えることなく、最大深度を容易に調整することができる。
このように、本第5実施形態の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Dは、上述した第3実施形態と同じ効果がある。
(第6実施形態)
図19は、本発明の第6実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Eを示す。本実施形態は、上述した本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Eは、上述した第5実施形態と同様に、第1部材420を保持・固定するために、第1部材420の上端前面に装着された磁石422の磁力を利用する。第1部材420は、磁石422の磁力によって、ドリル52ではなく、ハンドピース10のヘッド11の下面に固定されている。本実施形態も同心型サージカルガイド専用である。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Eでは、第1部材420と第2部材430はいずれも、両端を開口した円筒形であって、第1部材420が第2部材430の内部にそれと同心となるように挿入されている。第2部材430は、第1部材420の外部でその長軸に沿って上下方向に移動可能である。本実施形態では、第1部材420の全長が第2部材430の全長とほぼ同じとされている。
第1部材420の上端部には、円環状とされた磁石422が固着されている。磁石422の外径と内径は、第1部材420の外径と内径にそれぞれ等しいので、磁石422は、第1部材420の上端面の全体を覆っている。こうすることで、ヘッド11の下面に密着する磁石422の面積が大きくなるので、磁石422はヘッド11の下面に吸着されやすいと共に、ヘッド11に強く固定される。
第2部材430には、その上端部の近傍において、その側壁を貫通するネジ孔が形成されており、そのネジ孔に止めネジ432がねじ込まれている。止めネジ432を締めることにより、止めネジ432の先端が第1部材420の外面に係止するので、第2部材430を第1部材420の所望位置に確実に固定することができる。逆に、止めネジ432を緩めることにより、止めネジ432の先端が第1部材420の外面から外れるので、第2部材430を第1部材420に対して相対移動することができる。
第1部材420は、その先端が、磁石422の磁力(磁気吸引力)によってヘッド11の下面に密着・固定されているだけであるから、磁力を越える力を加えれば、第1部材420をヘッド11から引き離し、ドリル52に沿って下方に移動することが可能である。必要に応じてこのようにして第1部材420を移動させることで、ドリル52の基端部が見えるようになるので、歯科医師は、ドリル52の基端部に表示された記号を読み取り、装着しているドリルの種類等を確認することができる。
図19に示すように、第1部材420の全長と第2部材430の全長は、ほぼ同一とされており、第1部材420よりも第2部材430が下位にあるように固定されているため、ドリル52による穿孔の最大深度の制限は、第2部材430によって行われる。埋設穴Hを穿孔するときは、第2部材430が、同心型サージカルガイドのガイド部材102のガイド孔に嵌入され、それによって案内されながら下方に移動する。図19に示すように、第2部材430の下端が第1部材420よりも下位にあるので、埋設穴形成箇所すなわち顎骨72の粘膜71の表面には、第2部材430の下端が当接するので、最大深度は、第1部材420と第2部材430の相対位置とドリル52の全長によって決定される。
最大深度の調整は、止めネジ432を使って第1部材420に対する第2部材430の相対位置を変えることで可能であるから、第1部材420と第2部材を交換することなく、最大深度を容易に調整することができる。
穿孔作業時には、第2部材430がガイド部材102のガイド孔に嵌入されるので、締め付けた時の止めネジ432は、第2部材430の表面から突出しないようにする必要がある。
本発明の第6実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Eは、上述したように、ハンドピース10に装着可能な構成を持つ第1部材420と、ハンドピース10に装着されたドリル52の軸心Xに沿って相対移動できるように、第1部材420に係合された第2部材430とを備えている。第1部材420は、軸心Xと同心に配置されていると共に、第2部材430は第1部材420の外側において軸心Xと同心に配置され、第1部材420及び第2部材430は所望の相対位置に固定可能である。
ドリル52により顎骨72の埋設穴形成箇所にインプラント埋設穴Hを形成する際には、第1部材420及び第2部材430が予め所望の相対位置で固定され、その後、第2部材430がサージカルガイドのガイド部材102に係合されると共に、第2部材430がガイド部材102または埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接することで、軸心Xに沿った第1部材420の移動が停止する。これは、第1部材420と第2部材430の相対位置が、埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を決定することを意味する。
第1部材420と第2部材430の相対位置が、埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を決定するので、所望の最大深度となるように第1部材420と第2部材430の相対位置を調整することにより、埋設穴Hの形成時に前記限界点を越えることが防止される。よって、ドリル52により形成される埋設穴Hの深度が、前記最大深度を超えることがない。つまり、前記最大深度を超えて埋設穴Hが形成されるという事態は確実に防止される。
また、止めネジ432を使えば、第1部材420に対する第2部材430の相対位置を容易に変更できるので、所望の最大深度の調整も容易である。また、第1部材420とハンドピース10の間に適当なスペーサを介在させたり、ガイド部材または埋設穴形成箇所とそれに近接する第1部材420または第2部材430との間に、適当なスペーサを介在させたり、第1部材420及び第2部材430の少なくとも一方について軸心Xに沿った長さを変えたりしても、所望の最大深度の調整が可能である。
また、本実施形態のインプラント埋設穴形成補助装置1Eは、第1部材420をハンドピース10に装着することで使用可能となるので、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用することが可能である。
さらに、インプラント埋設穴Hを形成する際には、第2部材430をガイド部材102または埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接させ、予め相対位置に固定された第1部材420及び第2部材430を軸心Xに沿って相対移動させればよい。また、第1部材420と第2部材430の相対位置には前記限界点が設けられているから、所望の最大深度を超えないように注意する必要もない。したがって、この装置1Eは、取り扱いも容易である。
しかも、上述した構成を持つ第1部材420と第2部材430を含む簡単な構成であるだけでなく、特別に高価な材料や特別な製法を使用する必要もないから、低いコストで製造することができる。
(第7実施形態)
図20は、本発明の第7実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Fを示す。本実施形態は、上述した本発明の第2の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Fは、第1部材520を保持・固定するために、Oリング523を使用し、磁石の磁力(磁気吸引力)を利用しない。この点で、第1〜第6上述した実施形態とは異なっている。第1部材520は、Oリング523とドリル52のシャンク52bとの間の摩擦力によって、ドリル52に固定されている。第2部材530と第1部材520の係合も、Oリング533と第1部材520との間の摩擦力によって行われている。本実施形態も同心型サージカルガイド専用である。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Fでは、第1部材520と第2部材530が、いずれも、両端を開口した円筒形であって、第1部材520が第2部材530の内部にそれと同心となるように挿入されている。第1部材520は、ドリル52の軸心Xに沿って上下方向に移動可能である。第2部材530は、第1部材520の外部で軸心Xに沿って上下方向に移動可能である。本実施形態では、上述した第4実施形態(図15参照)と同様に、第1部材520の全長が第2部材530の全長よりも短くされている。
第1部材520の上端部の近傍には、図21に示すように、両側壁にスリット522が形成されており、それらスリット522に嵌合されたOリング523の内端が、透孔521の内部に突出している。このため、図20に示すように、透孔521に挿通されたドリル52のシャンク52bに対して、Oリング523の内端が押圧・接触せしめられる。このため、第1部材520は、Oリング523とシャンク52bとの間の摩擦力によって、所望位置でシャンク52bに保持・固定される。図20では、第1部材520は、その上端面がヘッド11の下面に接する位置に固定されている。第1部材520は、シャンク52bに固定されているので、ドリル52と共に回転する。
第2部材530の内周面には、図22に示すように、第1部材520の外周面と接触する位置に円環状の凹溝532が形成されており、その凹溝532に嵌合されたOリング533の内端が、透孔531の内部に突出している。このため、透孔531に挿通された第1部材520の外周面に対して、Oリング533の内端が押圧・接触せしめられる。このため、第2部材530は、Oリング533と第1部材520との間の摩擦力によって、所望位置で第1部材520に保持・固定される。第2部材530は、こうして第1部材520に固定されているので、第2部材530もドリル52と共に回転する。
歯科医師が摩擦力を越える力を加えれば、第1部材520をドリル52に沿って下方に移動して、ヘッド11から引き離すことが可能である。必要に応じてこのようにして第1部材520を移動させることで、ドリル52の基端部が見えるようになるので、歯科医師は、ドリル52の基端部に表示された記号を読み取り、装着しているドリルの種類等を確認することができる。
図20に示すように、第1部材520の全長が第2部材530の全長よりも短くされているため、ドリル52による穿孔の最大深度の制限は、第2部材530によって行われる。埋設穴Hを穿孔するときは、第2部材530が、同心型サージカルガイドのガイド部材102のガイド孔に嵌入され、それによって案内されながら下方に移動する。第2部材530の下端が、埋設穴形成箇所の粘膜71(または顎骨72)の表面に当接するので、最大深度は、第2部材530の全長とドリル52の全長によって決定される。
本実施形態では、ドリル52の差し替えなしに第2部材530の入れ替えが容易であるから、最大深度の調整は、全長の異なる第2部材530を複数個用意しておき、それらの中から希望するものを選択して第1部材520の外側に係合させればよい。ハンドピース10のヘッド11の下方への移動距離は、第2部材530によって調整されるので、第1部材520を換えることなく、最大深度を容易に調整することができる。
しかし、第1部材520を下方にずらして隙間を作ってから、ヘッド11と第1部材520の間で第1部材520の外側に上述した第1実施形態で使用したのと同様のスペーサを挿入するようにしてもよい。この場合、高さ(厚さ)の異なるスペーサを複数個用意しておき、それらの中から希望するものを選択して使用すれば、第1部材520だけでなく、第2部材530も入れ替えることなく、最大深度を調整することが可能となる。
(第8実施形態)
図23〜図25は、本発明の第8実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Gを示す。本実施形態は、上述した本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Gは、上述した第5実施形態と同様に、第1部材620を保持・固定するために、第1部材620の上端に装着された鍔状の磁石622の磁力を利用する。第1部材620は、磁石622の磁力によって、ハンドピース10のヘッド11の下面に固定される。第2部材620は、第1部材620の外側に係合される。本実施形態も同心型サージカルガイド専用である。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Gでは、第1部材620と第2部材630はいずれも、両端を開口した略円筒形であって、第1部材620が第2部材630の内部にそれと同心となるように挿入されている。
第1部材620の上端部には、図24に示すように、鍔状とされた磁石622が装着されている。磁石622の上面は、第1部材620の上端面と同一平面内にあって露出しており、ヘッド11の下面に磁石622が吸着しやすくなっている。第1部材620の内部には、透孔621が形成されている。第1部材620の外周面には、磁石622が固定されている箇所を除いて、その全長にわたって雄ネジ623が形成されている。
第2部材630の内部には、図25に示すように、透孔631が形成されている。第2部材630の内周面には、第1部材620の外側面に形成された雄ネジ623と螺合する雌ネジ632が形成されている。この雌ネジ632を第1部材620の雄ネジ623に螺合させると、両者は図23のように一体となる。
第2部材63の下端付近には、円筒形の給水部63が第2材630の長軸に直交する方向(図23では水平方向)に突出形成されている。第2部材63の給水部63の内端付近の領域では、雌ネジ632が選択的に切除されていて、そこに切欠部636が形成されている。第1部材620に対して第2部材630を回転させて両者を係合・一体化すると、図23に示すように、第1部材620と第2部材630の結合体の内部下端に、切欠部636によって空隙が形成される。この空隙は、給水部633内の給水路634と連通する給水路635として機能する。このため、給水部633まで送られてきた水は、その内部の給水路634と給水路635を通って、下方に落下することになる。
図23に示すように、第1部材620の全長と第2部材630の全長は、ほぼ同じとされているが、第1部材620に対して第2部材630を回転させて下降させることにより、図23中に波線で示した位置で第2部材630を移動させると、それだけ第2部材630が下方に突出する。このため、第1部材620に対する第2部材630の突出長さは、容易に調整可能である。
ドリル52により顎骨72の埋設穴形成箇所にインプラント埋設穴Hを形成する際には、第1部材620及び第2部材630が予め所望の相対位置(例えば図23の破線で示された位置)で固定され、その後、第2部材630がサージカルガイドのガイド部材102に係合されると共に、第2部材630がガイド部材102または埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接することで、軸心Xに沿った第1部材620の移動が停止する。これは、第1部材620と第2部材630の相対位置が、埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を決めることを意味する。
第1部材620と第2部材630の相対位置が、インプラント埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を決定するので、所望の最大深度となるように第1部材620と第2部材630の相対位置を調整することにより、埋設穴Hの形成時に前記限界点を越えることが防止される。よって、ドリル52により形成される埋設穴Hの深度が、前記最大深度を超えることがない。つまり、前記最大深度を超えて埋設穴Hが形成されるという事態は確実に防止される。
最大深度の調整は、第2部材630を回転させて第2部材630の突出長さを変更することで行なえるから、全長の異なる第2部材630を複数個用意しておき、必要に応じて交換する、という作業が不要となる。また、ヘッド11の下方への移動距離は、第2部材630の延出長さによって連続的に調整可能なので、第1部材620と第2部材の全長を変えることなく、最大深度を容易且つ微細に調整することができる。
なお、インプラント埋設穴Hの形成時には、給水部633がガイド部材102のガイド溝に係合し、給水部633には連結チューブが接続されるので、第2部材630が回転して第2部材630の突出長さが変わり、所望の最大深度が変わる事態は防止できる。
(第9実施形態)
図26〜図27は、本発明の第9実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Hを示す。本実施形態は、上述した本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。本実施形態も同心型サージカルガイド専用である。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Hは、上述した第8実施形態と同様に、雄ネジ723を外面に持つ第1部材720と、雌ネジ733aを内面に持つ第2部材730aと、雌ネジ733bを内面に持つ第2部材730bとを備えている。つまり、一つの第1部材720の外側に、二つの第2部材730a及び第2部材730bが螺合せしめられている。下位にある第2部材730bは、ドリル52による最大深度を調整するために使用される。上位にある第2部材730aは、その下端が、所望の最大深度となるように位置が調整された第2部材730bの上端に接触するようにして固定され、下位にある第2部材730bの位置を固定するために使用される。
例えば、図26の状態では、第2部材730bの端面730bdが、第1部材720の下端よりも下方に配置されているから、ドリル52の最大深度は、その端面730bdで決定される。他方、図27の状態では、第1部材720の端面720dが、下位にある第2部材730bの下端よりも下方に配置されているから、ドリル52による最大深度は、その端面720dで決定される。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Hでは、所望の最大深度に対応して設定された下位の第2部材730bの相対位置が、上位の第2部材730aによって保持・固定されるので、インプラント埋設穴Hの形成時に、第2部材730bが意図しない変位をして所望の最大深度が変わるのを、確実に防止できる。
(第10実施形態)
図28は、本発明の第10実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Iを示す。本実施形態は、上述した本発明の第2の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。本実施形態は、偏心型サージカルガイド専用である。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Iは、第1部材820に、ドリル52の基端に係止可能な延長シャフト部823が設けてあり、その延長シャフト部823をハンドピース10のヘッド11の内部に挿入・係止することで、ヘッド11に回転可能に保持されるようにしている。延長シャフト840以外の構成は、図15の第4実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Cとほぼ同じである。第1部材820は、延長シャフト部823でヘッド11に保持されるので、磁石は不要である。
第1部材820と第2部材830は、いずれも円筒形で、図28のように互いに係合させてから、第1部材820がヘッド11に係止され、第2部材830が第1部材820に係合されている。ドリル52は、その基端が、第2部材830の透孔831を貫通して第1部材820の凹部821に挿入されており、それによって、凹部821の上底に設けられた係止部824に係止されている。
第1部材820の下端外周面には環状突起822が形成されており、第2部材830の上端内周面には、環状突起832が形成されている。第1部材820の環状突起822と第2部材830の環状突起832が係合することで、第2部材830の第1部材820からの脱落が防止される。
第2部材830の外面には、偏心型サージカルガイドのガイド溝に係合・案内される案内部833が形成されている。本実施形態の装置1Iは、案内部833を偏心型サージカルガイドのガイド部材に係合させて使用する。
本実施形態では、第1部材820の延長シャフト部840をハンドピース10のヘッド11の内部に挿入・係止することで、第1部材820を介してドリル52を回転させることができる。このため、ドリル52の全長が短くて、所望の最大深度を実現できないような場合に、特に効果的である。
(第11実施形態)
図29は、本発明の第11実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Jを示す。本実施形態は、上述した本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。
本実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Jは、ハンドピース・カバー13を利用して、図24に示した第1部材620の上端に設けられた磁石622による保持力を補強するようにしたものである。ハンドピース・カバー13は、ハンドピース10の汚染を防止するために使用される既存のゴム製のハンドピース・カバーと同様の材質で形成されており、引っ張り力に対して所定以上の反発力(弾性)を持っている。このため、ハンドピース10の全体を一定強度で締め付けながら覆っている。
ハンドピース・カバー13は、ドリル52を挿通させるための小さい開口13aを有しており、その開口13aを介して第1部材620を突出させている。ハンドピース・カバー13は、引っ張りに対して適切な弾性を有していて、装着時には、歯科医師が手で引っ張りながらハンドピース10の外面に密着するようになっているので、第1部材620の磁石622は、開口13aの周縁部において、ハンドピース・カバー13によってヘッド11に向かって押圧される。その結果、第1部材620(の磁石622)の保持・固定力を容易に補強することができると共に、操作ミス等に起因して、第1部材620ひいてはインプラント埋設穴形成補助装置1Jが落下するのを防止することもできる。
ハンドピース・カバー13が十分な保持強度を持つ場合は、第1部材620の磁石622を省略し、ハンドピース・カバー13の保持力だけで第1部材620を保持するようにしてもよい。
本実施形態のハンドピース・カバー13は、上述した第1〜第10実施形態にも適用可能である。
(第12実施形態)
図30は、本発明の第12実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Kの全体構成を示す。本実施形態は、上述した本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。本実施形態も同心型サージカルガイド専用である。
図30から分かるように、本実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Kは、円筒状の第1部材920と、略円筒状の第2部材930を備えている。第1部材920よりも、第2部材930の方が全長は長くなっている。
第1部材920は、その中心にある円筒形の透孔921をドリル52のシャンク52bが挿通可能である。第1部材920の側壁には、透孔921に直交する方向にネジ孔が形成されていて、そのネジ孔に止めネジ932がネジ込まれている。第1部材920は、シャンク52bをその透孔921に挿通させた状態で止めネジ932を締め付けることによって、シャンク52bの所望の位置に固定することが可能である。なお、止めネジ932を締めたり緩めたりする際には、そのドライバ挿入穴933に適当なドライバの先端を係止していずれかの方向に回転させればよい。
第2部材930は、第1部材920と同様に、その中心にある略円筒形の透孔931をドリル52のシャンク52bが挿通可能であるが、第1部材920とは異なり、直径が相対的に大きい円筒形の大径部(図30では上位にある)と、直径が相対的に小さい円筒形の小径部(図30では下位にある)とを相互接続した形状になっている。大径部の内側には、第1部材920の全体が嵌合可能である。止めネジ932は、締め付けた状態ではその全体がネジ孔に埋め込まれるので、止めネジ932の存在によって、第1部材920と第2部材930の嵌合に支障は生じない。小径部の内径は第1部材920の外径より小さいため、第1部材920が小径部に移行することはない。
第2部材930の大径部(上位部分)は、第1部材920と嵌合されると、第1部材920の下端が大径部(上位部分)の内壁下端部に当接して、その位置で止まる。このため、第1部材920と第2部材930の相対位置はその状態に固定される。止めネジ932を締め付けることによって、第1部材920をシャンク52bの任意の位置に固定することで、第2部材930の位置は自動的に決定される。こうして決定される第1部材920と第2部材930の相対位置は、インプラント埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を決定する。
以上のような構成を持つ本第12実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Kの動作(使用状態)は、上述した第9実施形態とほぼ同じである。すなわち、図30の状態で穿孔作業を開始すると、止めネジ932で第1部材920がシャンク52bに固定され、第2部材930が第1部材920に固定されているため、ヘッド11の下降に伴って、第1部材920と第2部材930が一緒に下降する。第1部材920と第2部材930の相対位置が固定されており、ヘッド11に対する第2部材930の相対位置が固定されているため、第2部材930の下端が顎骨72の表面に当接することで、ヘッド11のそれ以降の下降が禁止される。その結果、埋設穴Hの最大深度は、第2部材930の下端とドリル52の刃部52aの先端との距離に等しくなる。したがって、顎骨72の穿孔がそれ以上に進行することがなく、埋設穴Hの最大深度を越えて穿孔が進行するのを確実に防止することができる。
また、第1部材920をシャンク52bに固定する位置を変えることで、第1部材920と第2部材930の相対移動の限界点を容易に調整できるので、所望の最大深度の調整も容易である。また、第2部材930を全長(高さ)の異なるものに入れ替えることで、第1部材920と第2部材930の相対移動の限界点の調整が、より容易に行えるという利点もある。
さらに、本12実施形態の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Kは、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用できるだけでなく、取り扱いも容易であり、低いコストで製造できる点は、上述した第9実施形態と同様である。
(第13実施形態)
図31は、本発明の第13実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Lの全体構成を示す。本実施形態は、上述した本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。本実施形態も同心型サージカルガイド専用である。
図31から分かるように、本実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Lは、円筒状の第1部材1020と、円筒状の第2部材1030を備えている。第1部材1020よりも、第2部材1030の方が全長は長くなっている。
第1部材1020は、その中心にある円筒形の透孔1021をドリル52のシャンク52bが挿通可能である。第1部材1020の側壁には、透孔1021に直交する方向にネジ孔が形成されていて、そのネジ孔に止めネジ1032がネジ込まれている。第1部材1020は、シャンク52bをその透孔1021に挿通させた状態で止めネジ1032を締め付けることによって、シャンク52bの所望の位置に固定することが可能である。なお、止めネジ1032を締めたり緩めたりする際には、そのドライバ挿入穴1033に適当なドライバの先端を係止していずれかの方向に回転させればよい。第1部材1020の下端部(ヘッド11とは反対側の端部)の外面には、第2部材1030を接続するための雄ネジ部1022と非ネジ部1023が形成されている。雄ネジ部1022は第1部材1020の下端に位置し、非ネジ部1023は雄ネジ部1022の上位(ヘッド11の側)に隣接している。
第2部材1030は、第1部材1020と同様に、その中心にある円筒形の透孔1031をドリル52のシャンク52bが挿通可能であるが、透孔1031の直径は第1部材1020の透孔1021よりも大きい。第2部材1030の上端部(ヘッド11の側の端部)には、雌ネジ部1034と非ネジ部1035が形成されている。雌ネジ部1034は第2部材1030の上端に位置し、非ネジ部1035は雌ネジ部1034の下位に隣接している。雌ネジ部1034は、第1部材1020の雄ネジ部1022と螺合可能である。また、雌ネジ部1034の内径は非ネジ部1023の外径より大きく、非ネジ部1035の内径は雌ネジ部1023の外径より大きい。第2部材1030の外径は、第1部材の1020の外径とほぼ同じである。
第2部材1030の上端部の雌ネジ部1034を第1部材1020の下端部の雄ネジ部1022にねじ込むと、雌ネジ部1034は雄ネジ部1022を通過して非ネジ部1023に係合するが、やがて、第2部材1030の上端が第1部材1020の非ネジ部1023の上端にある対向面に当接し、それ以上の移動ができなくなる。この時、第2部材の雌ネジ部1034と非ネジ部1035とは、第1部材の非ネジ部1023と雄ネジ部1022にそれぞれ対向するので、第2部材の雌ネジ部1034と第1部材の雄ネジ部1022の螺合は外れている。このため、第2部材1030は、第1部材1020に対して、ドリルの軸心Xの周りに回転可能である。止めネジ1032を締め付けることによって、第1部材1020をシャンク52bの任意の位置に固定すると、第2部材1030の位置が自動的に決定される。こうして決定される第1部材1020と第2部材1030の相対位置は、インプラント埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を決定する。
以上のような構成を持つ本第13実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Lの動作(使用状態)は、上述した第12実施形態と同じである。すなわち、図31の状態で穿孔作業を開始すると、止めネジ1032で第1部材1020がシャンク52bに固定され、第2部材1030が第1部材1020に回転可能に係合されているため、ヘッド11の下降に伴って、第1部材1020と第2部材1030が一緒に下降する。第1部材1020と第2部材1030の相対位置が固定されており、ヘッド11に対する第2部材1030の相対位置が固定されているため、第2部材1030の下端が顎骨72の表面に当接することで、ヘッド11のそれ以降の下降が禁止される。その結果、埋設穴Hの最大深度は、第2部材1030の下端とドリル52の刃部52aの先端との距離に等しくなる。したがって、顎骨72の穿孔がそれ以上に進行することがなく、埋設穴Hの最大深度を越えて穿孔が進行するのを確実に防止することができる。
また、第1部材1020をシャンク52bに固定する位置を変えることで、第1部材1020と第2部材1030の相対移動の限界点を容易に調整できるので、所望の最大深度の調整も容易である。また、第2部材1030を全長(高さ)の異なるものに入れ替えることで、第1部材1020と第2部材1030の相対移動の限界点の調整が、より容易に行えるという利点もある。
さらに、本13実施形態の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Lは、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用できるだけでなく、取り扱いも容易であり、低いコストで製造できる点は、上述した第12実施形態と同様である。
(第14実施形態)
図32は、本発明の第14実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Mの全体構成を示す。図33及び図34は、それぞれ、この歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Mに使用される第1部材と第2部材の全体構成を示す。本実施形態は、上述した本発明の第3の観点による歯科用インプラント埋設穴形成補助装置に対応する。本実施形態も同心型サージカルガイド専用である。
図32から分かるように、本実施形態に係る歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Mは、円筒状の第1部材1120と、略円筒状の第2部材1130を備えている。第1部材1120よりも、第2部材1130の方が全長は長くなっている。
第1部材1120は、その中心にある円筒形の透孔1121をドリル52のシャンク52bが挿通可能である。第1部材1120の上端部には、第1部材1120の外径より少し大きい直径の鍔部1122が形成されている(図33を参照)。鍔部1122の直下には、第2部材1130の係止用突起1133が係止される円形の係止用溝1123が形成されている。第1部材1120の内壁の上端部には、Oリング溝1124が形成されている。Oリング溝1124には、Oリング1125が係合されている。この状態では、Oリング1125の内径は、シャンク52bの外径より少し小さく設定されているため、第1部材1120は、Oリング1125とシャンク52bの間の摩擦力(弾性力)によってその位置に係止(位置決め)される。
第2部材1130は、第1部材1120と同様に、その中心にある略円筒形の透孔1131をドリル52のシャンク52bが挿通可能であるが、その透孔1131の直径は、第1部材1120の外径より少し大きく設定されている。また、第2部材1130の上端部には、透孔1131に沿って複数のスリット1132が形成されているため(図34を参照)、その上端部は外側に向かって少量の弾性変形が可能である。さらに、第2部材1130の上端縁の内側には、透孔1131の中心軸に向かって突出する円形の係止用突起1133が形成されている。係止用突起1133は、第1部材1120の係止用溝1123に係止可能である。このため、第2部材1130は、図32に示すように、第1部材1120の外側に係止・嵌合可能である。嵌合状態では、第2部材1130の上端が第1部材1120の鍔部1122の下面に当接するため、第1部材1120と第2部材1130の相対位置は、その状態(図32に示した状態)に固定される。このため、第1部材1120と第2部材1130の相対位置はその状態に固定される。なお、Oリング1125をシャンク52bに係止させることによって、図32のように第1部材1120をシャンク52bの任意の位置に固定すると、第1部材1120の上端に対する第2部材1130の下端の位置が自動的に決定される。こうして決定される第1部材1120と第2部材1130の相対位置は、インプラント埋設穴Hの所望の最大深度に対応して設定された限界点を決定する。
以上のような構成を持つ本第14実施形態に係るインプラント埋設穴形成補助装置1Mの動作(使用状態)は、上述した第9実施形態とほぼ同じである。すなわち、図32の状態で穿孔作業を開始すると、Oリング1125によって第1部材1120がシャンク52bの所望の位置に位置決めされ、第2部材1130が第1部材1120に固定されているため、ヘッド11の下降に伴って、第1部材1120と第2部材1130が一緒に下降する。Oリング1125によって第1部材1120がシャンク52bに係止されており、第1部材1120と第2部材1130の相対位置が固定されているため、第2部材1130の下端が顎骨72の表面に当接すると、ヘッド11の下降に伴って第1部材1120と第2部材1130は一緒に押し上げられ、図32のように第1部材1120の上端(鍔部1122の表面)がヘッド11に当接して停止する。こうして、ヘッド11のそれ以降の下降が禁止される。その結果、埋設穴Hの最大深度は、第2部材1130の下端とドリル52の刃部52aの先端との距離に等しくなる。したがって、顎骨72の穿孔がそれ以上に進行することがなく、埋設穴Hの最大深度を越えて穿孔が進行するのを確実に防止することができる。
また、第1部材1120をシャンク52bに係止する位置を変えることで、第1部材1120と第2部材1130の相対移動の限界点を容易に調整できる。また、第2部材1130を全長(高さ)の異なるものに入れ替えることで、所望の最大深度の調整も容易である。
さらに、本実施形態の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置1Mは、歯科医師が既に所有しているハンドピースに装着して使用できるだけでなく、取り扱いも容易であり、低いコストで製造できる点は、上述した第9実施形態と同様である。
(変形例)
上述した第1〜第14実施形態は、本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、本発明の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置は、その第1部材または第2部材(またはそれらに設けられた係合部や係合案内部)をサージカルガイドのガイド孔またはガイド溝に係合しながら穿孔作業をするものとして説明したが、これは、穿孔精度の観点から見ると好ましいからである。しかし、サージカルガイドの使用は、歯科医師の動作や技量を却って制限する場合もある。そこで、歯科医師が自身の技量で補うことができると判断したとき等は、サージカルガイドを使用せずにインプラント埋設穴の形成作業を行うことがある。この場合、本発明の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置を使用しても、ドリル等の回転器具はガイド孔またはガイド溝によって案内されないが、第1部材または第2部材(あるいはスペーサ)によって最大穿孔深度は確実に制限されるため、顎骨が過度に穿孔されることに起因する種々の症状や障害は確実に防止される。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I、1J、1K、1L、1M インプラント埋設穴形成補助装置
10 ハンドピース
11 ヘッド
11a 突出部
12 ネック
13 給水部
13a 開口
14 給水管
15、16 連結チューブ
17 ハンドピース・カバー
20 第1部材
21 部材本体
21a 貫通孔
21b 凹部
21c 係合部
22 磁石
22a 貫通孔
30 第2部材
31 案内部
31 係合部
31b 突起
31c 案内溝
32 連結部
33 係合案内部
33a エッジ
34 給水部
35 透孔
36 内部空間
37 係合部
40 スペーサ
51 バネ
52 ドリル
52a 刃部
52b シャンク
60 装着部材
61 係合案内部
61、62 係合部
63 連結部
64 磁石嵌合部
65 部材嵌合部
66 ハンドピース嵌合部
67 磁石
67a 透孔
71 粘膜
72 顎骨
101、102 ガイド部材
120 第1部材
121 透孔
122 環状突起
130 第2部材
132 環状突起
220 第1部材
222 環状突起
230 第2部材
232 環状突起
320 第1部材
322 磁石
323 給水部
330 第2部材
332 磁石
332 鍔部
333 スリット
420 第1部材
422 磁石
430 第2部材
432 ネジ
440 スペーサ
520 第1部材
521 透孔
522 スリット
523 リング
530 第2部材
531 透孔
532 凹溝
533 リング
620 第1部材
621 透孔
622 磁石
623 雄ネジ
630 第2部材
631 透孔
632 雌ネジ
634 給水路
635 給水路
636 切欠部
720 第1部材
720d 端面
723 雄ネジ
730a 第2部材
730b 第2部材
730d 端面
733a 雌ネジ
733b 雌ネジ
820 第1部材
821 凹部
822 環状突起
823 延長シャフト部
830 第2部材
831 透孔
832 環状突起
833 案内部
920 第1部材
921 透孔
930 第2部材
931 透孔
932 止めネジ
933 ドライバ挿入穴
1020 第1部材
1021 透孔
1022 雄ネジ部
1023 非ネジ部
1030 第2部材
1031 透孔
1032 止めネジ
1033 ドライバ挿入穴
1034 雌ネジ部
1035 非ネジ部
1120 第1部材
1121 透孔
1122 鍔部
1123 係止用溝
1124 Oリング溝
1125 Oリング
1130 第2部材
1131 透孔
1132 スリット
1133 係止用突起
H インプラント埋設穴
X ドリルの軸心

Claims (27)

  1. 歯科用インプラント治療において、ドリル等の回転器具を用いて患者の顎骨にインプラント埋設穴を形成する際に補助的に使用される装置であって、
    前記回転器具または前記回転器具が装着されるハンドピースに装着可能な構成を持つ第1部材と、
    前記ハンドピースに装着された前記回転器具の軸心に沿って相対移動できるように、前記第1部材に係合された第2部材とを備え、
    前記回転器具により前記顎骨の埋設穴形成箇所に前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方が、サージカルガイドのガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接すると共に、他方が前記回転器具の軸心に沿って相対移動するように構成され、
    前記第1部材と前記第2部材の相対移動は、前記インプラント埋設穴の所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っていることを特徴とする歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  2. 前記第2部材が、前記回転器具の軸心と同心の位置において、前記回転器具の軸心に沿って相対移動可能な係合部を有している請求項1に記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  3. 前記係合部が、前記回転器具の軸心と同心の位置で前記回転器具に係合され、且つ、前記回転器具の軸心に沿って前記第1部材から離れて配置されている請求項2に記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  4. 前記係合部が、同心型サージカルガイドのガイド部材に係合可能な案内部としての機能を持っている請求項3に記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  5. 前記第2部材が、前記回転器具の軸心から偏心した位置において、前記回転器具の軸心に沿って案内される案内部を有している請求項1〜4のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  6. 前記第2部材が、前記回転器具の軸心から偏心した位置において、前記回転器具の軸心に沿って案内される案内部を有すると共に、前記係合部が、同心型サージカルガイドのガイド部材に係合可能な案内部としての機能を持っている請求項1〜4のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  7. 前記係合部と前記第1部材との間に、前記係合部を前記第1部材から引き離す方向に付勢するバネが設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  8. さらに、前記係合部と前記第1部材との間に配置される、前記第1部材と前記第2部材の相対移動の前記限界点を調整するためのスペーサを備えている請求項1〜7のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  9. 前記第2部材の外面に、前記第1部材と前記第2部材の相対距離または相対位置を示す記号が付されている請求項1〜8のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  10. 歯科用インプラント治療において、ドリル等の回転器具を用いて患者の顎骨にインプラント埋設穴を形成する際に補助的に使用される装置であって、
    前記回転器具または前記回転器具が装着されるハンドピースに装着可能な構成を持つ第1部材と、
    前記ハンドピースに装着された前記回転器具の軸心に沿って相対移動できるように、前記第1部材に係合された第2部材とを備え、
    前記第1部材は前記回転器具の軸心と同心に配置されていると共に、前記第2部材は前記第1部材の外側において前記回転器具の軸心と同心に配置されており、
    前記回転器具により前記顎骨の埋設穴形成箇所に前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方が、サージカルガイドのガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接すると共に、他方が前記回転器具の軸心に沿って相対移動するように構成され、
    前記第1部材と前記第2部材の相対移動は、前記インプラント埋設穴の所望の最大深度に対応して設定された限界点を持っていることを特徴とする歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  11. 前記第1部材が略円筒形であり、前記第2部材が前記第1部材と同心でそれよりも直径が大きい略円筒形とされている請求項11に記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  12. 前記第2部材が、前記第1部材から離脱するのを防止する離脱防止機構を有している請求項11または12に記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  13. 前記離脱防止機構として、前記第1部材が第1Oリングを含むと共に、前記第2部材が第2Oリングを含んでおり、前記第1Oリングと前記回転器具との間の摩擦力を用いて前記第1部材が前記回転器具に係止され、前記第2Oリングと前記第1部材との間の摩擦力を用いて前記第2部材が前記第1部材に係止されている請求項12に記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  14. 前記離脱防止機構として、前記第1部材及び前記第2部材にそれぞれ形成されたネジによって、前記第2部材が前記第1部材に係合され、前記第1部材または前記第2部材を相対的に回転させることで、前記回転器具の軸心に沿った方向の前記第1部材及び前記第2部材の相対位置を調整可能である請求項12に記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  15. 位置調整された前記第2部材を前記第1部材上に固定するため、ネジによって前記第1部材に係合された追加の第2部材を備えている請求項10〜14のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  16. 前記第2部材と前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面の間に配置される、前記第1部材と前記第2部材の相対移動の前記限界点を調整するためのスペーサをさらに備えている請求項10〜15のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  17. 前記第1部材または前記第2部材の外面に、前記第1部材と前記第2部材の相対距離または相対位置を示す記号が付されている請求項10〜16のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  18. 歯科用インプラント治療において、ドリル等の回転器具を用いて患者の顎骨にインプラント埋設穴を形成する際に補助的に使用される装置であって、
    前記回転器具または前記回転器具が装着されるハンドピースに装着可能な構成を持つ第1部材と、
    前記ハンドピースに装着された前記回転器具の軸心に沿って相対移動できるように、前記第1部材に係合された第2部材とを備え、
    前記第1部材は前記回転器具の軸心と同心に配置されていると共に、前記第2部材は前記第1部材の外側において前記回転器具の軸心と同心に配置されており、
    前記第1部材及び前記第2部材は、所望の相対位置に固定可能であり、
    前記回転器具により前記顎骨の埋設穴形成箇所に前記インプラント埋設穴を形成する際には、前記第1部材及び前記第2部材が予め所望の相対位置で固定され、その後、前記第2部材がサージカルガイドのガイド部材に係合されると共に、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方が、前記ガイド部材または埋設穴形成箇所の表面に直接的または間接的に当接することで、前記回転器具の軸心に沿った前記第1部材及び前記第2部材の移動が停止するように構成され、
    前記第1部材と前記第2部材の相対位置は、前記インプラント埋設穴の所望の最大深度に対応して設定された限界点を決定することを特徴とする歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  19. 前記第1部材が略円筒形であり、前記第2部材が前記第1部材と同心でそれよりも直径が大きい略円筒形とされている請求項18に記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  20. 前記第2部材を前記第1部材に固定する機構が設けられている請求項18または19に記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  21. 前記第2部材を前記第1部材に固定する機構として、前記第1部材に形成されたネジと、前記第2部材に形成されたネジとによって、前記第2部材が前記第1部材に係合されており、前記第1部材または前記第2部材を相対的に回転させることで、前記回転器具の軸心に沿った方向の前記第1部材及び前記第2部材の相対位置を調整可能とされている請求項20に記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  22. 前記第2部材と前記ガイド部材または前記埋設穴形成箇所の表面の間に配置される、前記第1部材と前記第2部材の相対移動の前記限界点を調整するためのスペーサをさらに備えている請求項18〜21のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  23. 前記第1部材または前記第2部材の外面に、前記第1部材と前記第2部材の相対距離または相対位置を示す記号が付されている請求項18〜22のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  24. 前記第1部材が磁石を含んでいて、前記磁石の磁力を用いて前記第1部材が前記ハンドピースまたは前記回転器具に装着可能とされている請求項1〜23のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  25. 前記第2部材が前記回転器具に水を供給するための給水部を備えている請求項1〜24のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  26. 前記第1部材が、前記ハンドピースに接続可能な延長シャフト部をさらに備えており、前記回転器具が前記延長シャフト部を介して前記ハンドピースに回転可能に接続されるように構成されている請求項1〜25のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
  27. 前記第1部材が、ハンドピース・カバーまたはそれに類似した弾性カバーを用いて前記ハンドピースに装着される構成を持っている請求項1〜25のいずれかに記載の歯科用インプラント埋設穴形成補助装置。
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