JP2014087446A - ドラム式洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドラムが斜めに傾いているドラム式洗濯機において、洗浄開始時にドラムの奥の洗濯物へ洗濯水を素早く含水させ洗浄性能を高め、かつ、脱水開始時の洗濯物のドラムの奥での偏りを防ぎ、騒音や振動を低減させ、脱水性能の優れた洗濯機を提供する。
【解決手段】周壁4cと底壁4dとを有し、回転軸が水平に対して手前側が高く傾斜したドラム4と、ドラム4の内方へ突出したバッフル4bを備え、バッフル4bは、内部の中空空間と入水口4b3と出水口4b4とが連通する。洗濯水は、入水口4b3から入って中空空間に溜まり、バッフル4bがドラム4の回転に伴って上方に移動したときに、中空空間から出水口4b4を通ってドラム4の手前側に出水する。これにより、ドラム4の奥側の回転軸近傍の洗濯物へ素早く洗濯水を含水させることができ、洗濯物の傷みが防止されるとともに、洗浄性能が高まる。
【選択図】図2
【解決手段】周壁4cと底壁4dとを有し、回転軸が水平に対して手前側が高く傾斜したドラム4と、ドラム4の内方へ突出したバッフル4bを備え、バッフル4bは、内部の中空空間と入水口4b3と出水口4b4とが連通する。洗濯水は、入水口4b3から入って中空空間に溜まり、バッフル4bがドラム4の回転に伴って上方に移動したときに、中空空間から出水口4b4を通ってドラム4の手前側に出水する。これにより、ドラム4の奥側の回転軸近傍の洗濯物へ素早く洗濯水を含水させることができ、洗濯物の傷みが防止されるとともに、洗浄性能が高まる。
【選択図】図2
Description
本発明は、弾性支持された水槽内に洗濯物を収容して回転可能な洗濯槽を備え、洗濯を行うドラム式洗濯機に関するものである。
近年、ドラム式洗濯機においては、省エネ・節水の観点から回転軸を水平から若干上方側に傾斜させることで水槽内のドラムが奥側より手前側が高くなるように構成した、斜めドラムを有したドラム式洗濯機が一般的となっている。その主たる理由は、洗い工程では、奥側に洗濯物を偏らせて洗う方が、少ない水で洗うことが可能であり節水となるからである(例えば、特許文献1参照)。
反面、少ない水で洗う場合は、洗濯物が洗濯水に水没する機会が減り洗剤による油分分解など作用低下を懸念するため、これをカバーするために、ドラムの周壁(の特に奥下側)の洗濯物を掻き上げるために、ドラムの周壁からドラムの内方に突出する第1のバッフルに加えて、ドラムの底壁からドラムの内方に突出する第2のバッフルを加える提案もなされている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記した従来の構成では、洗濯時では、運転シーケンス開始から間もないタイミングでは、ドラム内に給水される水の量が少ないため、特に、ドラムの奥側の中心部はドラムを回転させても、洗濯物に洗濯水が染みこまないため、洗濯物が乾いた状態で第2バッフルを擦る。これにより、洗濯物が痛むという課題を有していた。
また、脱水時では、ドラムが斜めに傾いているため、脱水時の騒音や振動が発生する。具体的には、洗い工程、すすぎ工程を終えて、脱水工程に移行すると、水槽内の洗濯水を排水させるが、この時の洗濯物の状態は、洗い動作を終えたばかりの洗濯物が(斜めドラムなので)ドラムの周壁の奥側に偏り、この状態で脱水動作を開始すると、図6に示すように、洗濯物は第1のバッフル100によりドラム101の周壁からドラム101の回転軸102と同等あるいは若干上の高さに持ち上げられた(矢印A)後に、壁面に沿って滑り落ちる(矢印B)ため、これを繰り返すと、洗濯物の大半はドラム101の奥側に団子状に押し固められる。つまり、円筒形のドラム101を脱水するため回転させようとすると、奥側だけが極端に重いため、ドラム101の前方とのバランスが悪くなり、ドラム101の前後方向のアンバランスが頻繁に発生して、振動騒音が大きくなる上に、団子状に押し固められた洗濯物はいくら遠心力をかけても十分に脱水されないと言う課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、ドラムが斜めに傾いているドラム式洗濯機において、洗浄開始時にドラムの奥側の洗濯物へ素早く洗濯水を含水させ洗浄性能を高めるのと同時に、脱水開始時に洗濯物のドラムの奥側への偏りを防ぎ、ドラムの周方向に洗濯物を拡散させ均等に張り付かせることで洗濯物の偏り(アンバランス)を低減させることで、騒音や振動を低減させ、脱水性能の優れた洗濯機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の洗濯機は、周壁と底壁とを有し、回転軸が水平に対して手前側が高く傾斜したドラムと、ドラムを回転させるモータと、ドラムの内方へ突出したバッフルとを備え、バッフルは、ドラムの前記周壁の内周面に設けられた第1のバッフルと、ドラムの前記底壁の内周面に設けられた第2のバッフルとが連続して形成され、少なくとも第2のバッフルは、内部に中空空間を有するとともに、入水口および出水口を有し、入水口と中空空間と出水口とが連通したものである。
上記構成によれば、洗濯開始時に、ドラムの内部で最も洗濯水が溜まっているドラムの奥側に位置するバッフルの入水口から洗濯水が入り、バッフルの中空空間に洗濯水が溜まる。その後、バッフルがドラムの回転に伴い、回転軸と同等あるいは若干上の高さに持ち上げられた後は、前記した中空空間に溜った洗濯水が、バッフルの出水口からドラムの手前側に出水する。これにより、洗濯水が染みこみにくいドラムの奥側の回転軸近傍の洗濯物へ素早く洗濯水を含水させることができ、洗濯物の傷みを防止するとともに、洗浄性能を高めることができる。
本発明のドラム式洗濯機は、バッフルの入水口と内部の中空空間と出水口とが連通しているため、洗濯開始時に、ドラムの回転に伴い、洗濯水が掻き揚げられ、洗濯水をドラム手前側に出水することができる。
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の断面図である。図1を用いて構成を以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の断面図である。図1を用いて構成を以下に説明する。
洗濯機本体1の内部には揺動自在に水槽3が収納され、水槽3内には洗濯槽であるドラム4が回転軸4aを中心に回転自在に配設されている。ドラム4の回転軸4aは水槽3の背面外側に取り付けた駆動手段であるモータ6が直結されており、このモータ6によりドラム4が回転駆動される。
ドラム4には、その周壁4c全体に渡って複数の透孔4eが設けられ、水槽3内とドラム4内とは通水および通気ができるようになっている。ドラム4の底壁4dには円周方向に沿った複数の底壁開口4fが形成されており、これら底壁開口4fは水槽3の導風口3bに対向するように配置されている。また、ドラム4の周壁4c内面には複数のバッフル(撹拌突起)4bが設けられており、ドラム4の回転によりドラム4内の洗濯物を持ち上げるようにしている。なお、透孔4eはドラム4の周壁4c全体に渡り設けたが、ドラム4の周壁4cに部分的に形成してもよく、要は、水槽3内とドラム4内との通気性および通水性を確保でき、洗濯から乾燥に支障が出ないように設定すればよい。
また、ドラム4の回転軸4aは、手前側が奥側に比べて高くなるように傾斜しており、具体的には水平方向Xから例えば角度θ=10±10度で傾斜させて配置されている。このように回転軸4aを傾斜させることで、水槽3の前面側の開口13を上側に配置することができるようになり、大きく屈む姿勢をとることなく水槽3の開口13を介してドラム4内の洗濯物が取り出せるようになる。
また、回転軸4aを水平方向とした場合に比べ、水槽3内に給水された水が底壁側に溜まって少ない水量でも深い貯水状態が得られる。すなわち、少ない給水量でも水槽3内に溜まった水がドラム4の透孔4eから入り込み、洗濯物を濡らし吸水速度を速くすることができる。水槽3はドラム4内の洗濯物に効率よく給水を行うために、ドラム4と同じ傾斜を持ってその近くに沿うように設けてある。ドラム4および水槽3を傾斜させることによって、水平に配置するよりも早くに洗濯物の外周側に水が接触し始めるので、布質検知を迅速に行うことができる。
また、洗濯機本体1の前面側には水槽3の開口13と対応する位置に扉5が設けられている。水槽3の開口13はその口縁に環状のシール材14を装着し、シール材14の前面側が扉5の背面側に当接して密閉し、上下左右、前後に揺動する水槽3の開口が動いてもシール材14が変形し扉5背面側へ押圧する形で密閉性を維持している。
水槽3の上部に配置された給水手段7は、給水弁7bと、給水弁7bの開閉によって給水される洗剤収容部7aと、洗剤収容部7a内の洗剤を給水とともに水槽3内面とドラム4外面との間に形成された空間Yに供給する給水経路7cとを有している。
排水手段8は、水槽3の最底部に一端を接続した排水管8aと、排水弁8bとを有し、排水弁8bの開閉によって洗い工程終了後、すすぎ工程終了時など必要なときに水槽3内の水を排水管8aを介し排水できるようになっている。さらに排水管8aの下流側には洗濯機本体1の外部から取り外し可能な排水フィルタ8cを配置し、排水に含まれる糸屑類を捕集するようになっている。
乾燥手段9は、水槽3およびドラム4から空気を出す導出口9fと、導出口9fから空気を吸引する送風機9cと、導出口9fからの空気に含まれる糸屑類を捕集し除塵するフィルタ(図示せず)と、水槽3の背面側に設けられ、ドラム4内に送風機9cから吹き出される空気を入れる導入口9eと、送風機9cと導入口9eとを接続する送風経路9dと、送風経路9d内に配され、導出口9fからの高湿空気を除湿する除湿部9gと、送風経路9d内で、除湿部9gより下流側に配され、除湿後の空気を加熱して高温空気とする加熱部9hとから構成されている。
なお、除湿部9gおよび加熱部9hをヒートポンプで構成してもよいし、加熱部9hをヒータで構成し、除湿部9gを水冷方式もしくは空冷方式としてもよい。
また、上記に併せ、洗い準備工程時、洗い工程時、すすぎ工程時など必要に応じ、水槽3内の水を循環ポンプ30により循環させて洗剤の早期溶け込みや偏りの防止、洗濯やすすぎの機能向上を図る機能も有している。
循環ポンプ30は、洗濯水を吸引して循環水路31に送水する。また、送水された洗濯液は循環水路31を通って水槽3に溜まる洗濯水をドラム4の開口13下部の噴射口51から洗濯槽内に吐出する。循環ポンプ30のモータ回転速度は、例えば3500r/min程度に設定している。
また、洗濯水をドラム4内に単純に噴射するようにした場合、せっかくの循環水がドラム4内の洗濯物の局部にしか噴射できず、循環効果を生かしきれない。一方、循環水を広域に噴射するのに特別な噴射ノズルを採用すると、必要ポンプ圧の上昇も併せ、コスト上昇の原因になるし限度がある。そこで、本実施の形態1では、水槽3内の水を循環ポンプ30により循環させるのに、例えば回転速度制御が可能であるDCブラシレスモータを用いて、吐出される循環水の流量、流速を調整することで、特別な噴射ノズルを採用することなく、吐出される循環水の上下方向の角度、左右方向の広がり度合いを変えることができる。この結果、循環ポンプ30によりドラム4内の洗濯物に対し満遍なくかつ最適な位置に循環水を供給可能となり、洗い性能およびすすぎ性能を高めることができる。また、洗濯物が位置しない空間に無駄に循環水を供給することを避けられるので、無駄な電力の消費を抑えられ、洗剤水による異常な発泡を抑制することもできる。
循環ポンプ30の回転速度は、通常の洗い運転時には例えば上記したように3500r/min程度とし、毎分20L程度の循環水をドラム4内の洗濯物に供給することで、洗い性能、すすぎ性能の向上を図る。一方、洗濯物の量が所定値より少ないと判断された場合は、循環ポンプ30の回転速度を、例えば2500r/min程度に落とし、供給する循環水を毎分15L程度にするとともに、循環水の吐出される上下方向の角度を水平に近づけ、左右方向の広がり度合いを小さくする。これにより、洗濯物が少ない場合は、吐出された循環水がドラム4内の下方に位置する洗濯物に当たらないという状態を避けることができ、効率的に循環水を供給することができる。
一方、循環ポンプ30により吐出された循環水は、必ずしも全ての洗濯物に直接当らない。例えば、本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機は、最大9kgの洗濯物を洗うことができる。洗濯物を乾いた状態(すなわち濡れていない状態)でドラム4の内部に入れると、見た目は満載の状態となるが、この状態で噴射口51よりも下の水位まで洗濯水を給水し、ドラム4を左右に回転させても、それまで乾いていた洗濯物には、なかなか洗濯水は浸透していかず、循環ポンプ30を動作させて洗濯物に洗濯水をシャワー浸透させようと試みても、ドラム4の前方部分が濡れるばかりである。洗濯水の水位は、ドラム4の前方に比べるとドラム4の奥側の方が比較的高いため、ドラム4の奥側に位置する洗濯物は、ドラム4の回転によって洗濯物が洗濯水に浸かる機会が多い。しかしながら、それでも、ドラム4の奥側、特に回転軸4aの近傍の洗濯物は洗濯水に浸からないため、ドラム4の回転に伴って洗濯水が飛散することによって洗濯物が徐々に濡れるのを待つことになる。
さらに、本実施の形態に係るドラム式洗濯機には、ドラム4内に給水された水量を検知する水位検知手段10が設けられている。水位検知手段10はエアトラップ機構によるエア内圧計測によるセンシングが一般的であり、エア内圧が安定的な大気開放圧力から変化するまでの時間を計測するのが水位センサのばらつきに影響を受けない適切な算出方法である。
また水位検知手段10の出力は、ドラム4の回転の有無やその回転数など、洗濯動作中のドラム4の回転によって出力が変化するため、ドラム4の回転数に応じて周波数と水位のテーブルを複数持っている。つまりドラム4が静止中でも回転中でも水位を認識することができる。
また本実施の形態に係るドラム式洗濯機は、給排水やドラム4の駆動の指示はもちろん、水位検知手段10などの各種センサ出力を含め、すべての入出力制御をタイマーで管理できるシステムを具備しており、各動作、タイミングにおける所要時間を知ることができる。
振動検手段16は、水槽3の振動を検出する機能を有し、加速度センサー(図示せず)から構成されている。本実施の形態では、例としてドラム4の正面に対して上下方向の振動(加速度)を検出している。なお、加速度センサーとしては、半導体加速度センサー、圧電型加速度センサーなどのいずれでも良く、さらに多軸(2軸もしくは3軸)方向の加速度センサーでも良い。実際の水槽3の振動は、必ずしも一方向に限定できないので、3軸の加速度センサーを用いて、3軸の加速度成分を加算して合計したものを利用す
るのが良い。
るのが良い。
本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機は、モード設定や制御プログラムに従い、モータ6、給水手段7、排水手段8、乾燥手段9を自動制御して少なくとも洗い工程、すすぎ工程、脱水工程を行う機能を有している。本発明においては乾燥機能は省略することができる。
ここで、バッフル(撹拌突起)4bについて、図2を用いて詳細を述べる。バッフル4bは、ドラム4の周壁4c(の特に奥下側)の洗濯物を掻き上げるために、ドラム4の周壁4cからドラム4の内方に突出する第1のバッフル4b1と、ドラム4の底壁4d(の特に下側)に張り付つくように偏った洗濯物を撹拌するために、ドラム4の底壁4dからドラム4の内方に突出する第2のバッフル4b2とが、ドラム4の底壁4dと周壁4cとの境目で接合され一体化される。すなわち、バッフル4bは、第1のバッフル4b1と第2のバッフル4b2とが連続して形成される。第1のバッフル4b1と第2のバッフル4b2とが接合されている理由は、第1のバッフル4b1と第2のバッフル4b2との間に隙間が空いていると、靴下や小さなハンカチなどが団子状に挟まり押し固められる懸念があるからである。
また、第2のバッフル4b2は、底壁4dの回転中心近傍には形成されない。すなわち、図2において、3箇所に設けてある第2のバッフル4b2の底面はドラム4の回転軸4aに掛からない、つまり、第2のバッフル4b2同士は接触し合わないのである。これによって、第2のバッフル4b2を備えないドラム式洗濯機と比較して第2のバッフル4b2があることで削減されるドラム4の回転軸4a近傍の空間を最小限に留めることができ、毛布などのかさばる洗濯物をドラム4の内部に入れる場合にも気にならず影響がないというわけである。
つぎに、第2のバッフル4b2の内部構造について説明する。第2のバッフル4b2は、その内部の殆どが中空空間となる構造をしている。少なくとも第2のバッフル4b2は、第1のバッフル4b1と第2のバッフル4b2との接続部の近傍に形成され、洗濯水を取り入れる孔である入水口4b3を有する。この構成により、洗濯水は、図3の実線矢印に示すように入水口4b3からのバッフル4bの内部の中空空間に取り込まれ、中空空間に溜まる。少なくとも第2のバッフル4b2は、ドラム4の回転軸4aの近傍に形成され、中空空間に溜められた洗濯水が出る孔である出水口4b4を有する。ドラム4の回転(図3の破線矢印に示す)に伴い、バッフル4bは、図4に示すように上方に移動し、中空空間に溜められた洗濯水は出水口4b4からドラム4の手前側に出水する。
以上のように構成されたドラム式洗濯機について、以下その動作、作用について説明する。
通常の洗い工程においては、まず扉5から濡れていない洗濯物が投入され、給水手段7の給水弁7bを開き給水が開始される。またこの給水を利用して、洗剤収容部7aの洗剤も水槽3内に投入され、この後に動作させる循環ポンプ30により吐出された循環水が噴射口51から洗濯物に吐出することを考えると、噴射口51よりも低い水位まで給水した後に、循環ポンプ30を間欠動作させながら、ドラム4は左右の回転をさせながら洗浄動作を行う。
このとき、循環ポンプ30によって吐出された循環水は必ずしも全ての洗濯物に直接当たる訳ではない。例えば、本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機は、最大9kgの洗濯物を洗うことができ、洗濯物が乾いた状態(濡れていない状態)でドラム4の内部に入ると、見た目は満載の状態となる。しかしながらこの状態で、噴射口51よりも下の水位まで給水し、ドラム4を左右に回転させても、それまで乾いていた洗濯物になかなか洗濯水は浸透していかず、循環ポンプ30を動作させて洗濯物に洗濯水をシャワー浸透させようと試みても、ドラム4の前方部分が濡れるばかりである。後端面に接する洗濯物は、ドラム4の前方に比べると比較的水位が高いためドラム4の回転により洗濯物が洗濯水に浸かる機会が多いが、それでもドラム4の後端面、特に回転軸4aの近傍の洗濯物は洗濯水に浸からないため、ドラム4の回転により洗濯水が飛散することで洗濯物が徐々に濡れるのを待つのである。
しかしながら、本発明では、図3に示すように、第1のバッフル4b1と第2のバッフル4b2とからなるバッフル4bを使用することにより、この段階で、ドラム4の内部で最も洗濯水が一番溜まっているドラム底部奥から、第1のバッフル4b1と第2のバッフル4b2との接合部で、洗濯水を効率よく掻き揚げながら、接合部の近傍にある入水口4b3から洗濯水を内部空間に取り込み溜め、図4に示すように、第2のバッフル4b2がドラム4の回転軸4aと同等あるいは若干上の高さに持ち上げられた後は、内部空間に溜まった洗濯水を出水口4b4からドラム4の手前側に出水することで、特に、洗濯水が染みこみにくいドラム4の後端面の回転軸4aの近傍の洗濯物へ散水させることで素早く洗濯水を染み込ませることができ、洗浄性能を高めることができる。
このように、洗浄動作(すすぎ動作を含む)を終えると、脱水工程に移行する。
脱水工程に入ると、最初に排水手段8の排水弁8bが開かれ、水槽3内の洗濯水が排水管8aと排水フィルタ8cを通過して機外に排水されるが、この状態では、おおよそ洗濯開始前の乾燥した洗濯物の容量に対して2倍の容量の洗濯水が洗濯物に含水しており(例えば3kgの洗濯物であれば6kgの洗濯水が含水しており全部でドラム4内には9kgの容量の濡れた洗濯物があり)、直ちにドラムを100rpm以上で回転させると洗濯物の偏り(アンバランス)が発生して騒音や振動が発生するため、初めは洗濯物に遠心力がかからない30rpm以下のゆっくりした回転数で洗濯物を持ち上げていく。
第1のバッフル4b1は、周壁4cの内周面からの高さが、ドラム4の手前側よりも奥側の方が高いため、特に洗濯物を持ち上げにくい場所であるドラム4の底壁4dと周壁4cとの境目に靴下など、より奥にある洗濯物を確実に持ち上げることが可能である、このようにして、洗濯物は第1のバッフル4b1によりドラム4の周壁4cから、ドラム4の回転軸4aと同等あるいは若干上の高さに持ち上げられる。
ここで、バッフル4bが、第1のバッフル4b1に加え更に第2のバッフル4b2を有する作用と効果を、図5を用いて説明する。洗濯物は第1のバッフル4b1によりドラム4の周壁4cから、ドラム4の回転軸4aと同等あるいは若干上の高さに持ち上げられた(矢印C)後、従来のドラム式洗濯機であれば第2のバッフル4b2が無いために、壁面に沿って滑り落ちていたところが、本実施の形態のドラム式洗濯機は第2のバッフル4b2を有するため、第2のバッフル4b2の側面を伝って、ドラム4の手前方向に崩れ落ちようとする(矢印D)。この時、第2のバッフル4b2は、更に上方に移動しているため、実際には洗濯物は手前側に弾き出される。この現象は、第1のバッフル4b1の周壁4cの内周面からの最大高さより、第2のバッフル4b2の底壁4dの内周面からの最大高さの方が高いほど、勢いよく洗濯物が手前側に弾き出される傾向にあり、その理由としては、第1のバッフル4b1の高さに比例して持ち上げられる洗濯物量が多くなり、同様に第2のバッフル4b2の高さに比例して手前に投下することができるので、第2のバッフル4b2の高さが第1のバッフル4b1のそれに比べて高い場合、第1のバッフル4b1により持ち上げられた洗濯物は第2のバッフル4b2によって余裕を持って弾き飛ばすことができるのである。
このように勢いよく手前側に弾き飛ばされた洗濯物は、ドラム4の周壁4cの中央に拡散しながら降り注ぐことで、よりドラム4の周方向に洗濯物を均等に張り付かせることで、洗濯物の偏り(アンバランス)を低減させ脱水時の騒音や振動を低減させるばかりでなく、脱水性能の向上が可能になる。
さらに、第1のバッフル4b1と第2のバッフル4b2とが、互いに着脱可能とすれば、一方のバッフルが破損した場合、バッフル4b全体を交換せずに、破損した方のバッフルのみを交換すれば良い。すなわち、容易に修理が可能になる。
本発明にかかる機器は、ドラム回転を用いて洗浄と脱水を行う機器において洗濯物への洗濯水を素早く含水させ、脱水対象物の偏りを防止する発明である。よって、家庭用洗濯機だけでなく、大型のふとんを洗浄し脱水する業務用洗濯機などにも適用できる。
1 洗濯機本体
3 水槽
3b 導風口
4 ドラム
4a 回転軸
4b バッフル
4b1 第1のバッフル
4b2 第2のバッフル
4b3 入水口
4b4 出水口
4c 周壁
4d 底壁
4e 透孔
4f 底壁開口
5 扉
6 モータ
7 給水手段
7a 洗剤収容部
7b 給水弁
7c 給水経路
8 排水手段
8a 排水管
8b 排水弁
9 乾燥手段
9c 送風機
9d 送風経路
9e 導入口
9f 導出口
9g 除湿部
9h 加熱部
10 水位検知手段
13 開口
14 シール材
16 振動検手段
30 循環ポンプ
31 循環水路
3 水槽
3b 導風口
4 ドラム
4a 回転軸
4b バッフル
4b1 第1のバッフル
4b2 第2のバッフル
4b3 入水口
4b4 出水口
4c 周壁
4d 底壁
4e 透孔
4f 底壁開口
5 扉
6 モータ
7 給水手段
7a 洗剤収容部
7b 給水弁
7c 給水経路
8 排水手段
8a 排水管
8b 排水弁
9 乾燥手段
9c 送風機
9d 送風経路
9e 導入口
9f 導出口
9g 除湿部
9h 加熱部
10 水位検知手段
13 開口
14 シール材
16 振動検手段
30 循環ポンプ
31 循環水路
Claims (7)
- 周壁と底壁とを有し、回転軸が水平に対して手前側が高く傾斜したドラムと、
前記ドラムを回転させるモータと、
前記ドラムの内方へ突出したバッフルと、を備え、
前記バッフルは、前記ドラムの前記周壁の内周面に設けられた第1のバッフルと、前記ドラムの前記底壁の内周面に設けられた第2のバッフルとから構成され、
前記第1のバッフルと前記第2のバッフルとが連続して形成され、
少なくとも前記第2のバッフルは、内部に中空空間を有するとともに、入水口および出水口を有し、前記入水口と前記中空空間と前記出水口とが連通したドラム式洗濯機。 - 前記第1のバッフルの前記周壁の内周面からの高さは、前記ドラムの手前側よりも奥側の方が高い請求項1記載のドラム式洗濯機。
- 前記底壁の回転中心近傍には、前記第2のバッフルが形成されない請求項1または2記載のドラム式洗濯機。
- 前記第2のバッフルの前記底壁の内周面からの最大高さは、前記第1のバッフルの前記周壁の内周面からの最大高さより高い請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
- 前記第2のバッフルの前記入水口は、前記第1のバッフルと前記第2のバッフルとの接続部の近傍に形成された請求項1〜4のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
- 前記第2のバッフルの前記出水口は、前記ドラムの前記回転軸の近傍に形成された請求項1〜5のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
- 前記第1のバッフルと第2のバッフルとが、互いに着脱可能である請求項1〜6のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012238648A JP2014087446A (ja) | 2012-10-30 | 2012-10-30 | ドラム式洗濯機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012238648A JP2014087446A (ja) | 2012-10-30 | 2012-10-30 | ドラム式洗濯機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014087446A true JP2014087446A (ja) | 2014-05-15 |
Family
ID=50789949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012238648A Pending JP2014087446A (ja) | 2012-10-30 | 2012-10-30 | ドラム式洗濯機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014087446A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110791920A (zh) * | 2018-08-02 | 2020-02-14 | 无锡小天鹅电器有限公司 | 内筒组件和滚筒洗衣机 |
-
2012
- 2012-10-30 JP JP2012238648A patent/JP2014087446A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110791920A (zh) * | 2018-08-02 | 2020-02-14 | 无锡小天鹅电器有限公司 | 内筒组件和滚筒洗衣机 |
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